(2000年9月25日付 「とやま保険医新聞」より転載。)

富山医師政治連盟 9月12日の執行委員会で

会費徴収の改善と
  入退会の自由を表明


 9月12日、冨山県医師連盟は、執行委員会を開き、9日にマスコミで取り上げられた「特別会費の取り扱い」に関して、早急に改善することを確認した。
 冒頭、篠川連盟委員長は、指摘のあった特別会費は、従来からの取り扱いを踏襲してきたが、適切さを欠いたものであり、陳謝する。今後、医師連盟の会計に直
接入るように改善したい、などと述べた。
 また、出席者からの質問に答えて、「医師連盟への入退会は会員の自由である」と明言された。
 具体的な手続きや連盟規約の変更などは今後に待たなければならないが、とにかく公益法人としての冨山県医師会の活動と、政治団体としての富山県医師連盟
の活動を明確に区分するとともに、医師会への入会と医師連盟への入退会を区別し、個々の会員の自主的な判断に委ねるという方向を、公式に表明したものであり、
県医師連盟執行委員会のその迅速な対応と判断に敬意を表するものである。

・マスコミに報道された富山県医師会の医師連盟への寄付・党費の支出

 9月9日の朝刊各紙は、「県医師会が県医師連盟に300万円を寄付、自民党党費として約900万円を支出」と報道した。これに対し県医師会は「本来は医
師連盟に入れるべきものを、医師会の特別会計の中で処理していた。医師連盟への寄付と自民党の党費はあくまでも個人からの預かり金であり、今後は医師連盟の
方で直接処理するようにしたい」と答えている。
 この問題については、すでに冨山市医師会報八月号の巻頭言で指摘があり、保険医協会にも問い合わせが相次いだ。
 他団体の問題については干渉しないという立場から、協会としては論評を控えてきたが、市民オンブズやマスコミの取り上げるところとなり、医療界の問題とし
て看過することができなくなった。何が問題にされたのかを整理し、併せて関連資料を示して会員の判断にゆだねたい。
 なおご感想・ご意見などいただければ幸いである。

富山県は公益法人富山県医師会に対し、補助金「医療業務推進費」4,000万円、および各種事業受託費(12業種)5,379万円を支出している。

  1. 特別会費の徴収
     富山県医師会は、郡市医師会に委託して一般会費(日医・県医・郡市医)とともに、「特別会費」を同一口座から一括徴収している。
  2. 県医師会が自民党費を一括納付
     富山県医師会は、「特別会費会計」から自民党県本部に納付する党員2,263人分の党費905万2,000円を「肩代わり」している。
  3. 自民党県本部より党支部へ還元
     自民党県本部は、富山県医療会支部に対して、党費4,000円のうち、1,400円分を還元している。
  4. 党支部から県医師連盟へ寄付
     自民党富山県医療会支部は、富山県医師連盟に対し、600万円を寄付している。
  5. 県医師会から県医師連盟への寄付
     富山県医師会は、公益法人指導監査指針に基づき県に提出した収支決算書に「特別会費会計」から「富山県医師連盟」に対し、300万円を寄付と記載している。
  6. 県医師連盟は「個人からの寄付」と記載
     富山県医師連盟は、政治資金規正法に基づき選挙管理委員会に提出した政治資金収支決算報告書に、県医師会からの300万円の寄付を、「個人からの寄付」と記載している。
  7. 日医連盟へ負担金を上納
     富山県医師連盟は、日医連盟に対して、A会員数に応じた1,310万円の負担金を上納している。
  8. 日医連盟は活動資金として還元
     
    日医連盟は、県医師連盟に対して、獲得自民党員数に応じて、2,263人×2,000円の452万6000円を還元している。

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