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FIVワクチン

猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)に対するワクチンは、今現在日本ではありません。

■アメリカでワクチンの販売が認可された

2002年3月22日アメリカ農務省により、初の「猫免疫不全ウィルス(FIV)」に対するワクチンの販売と獣医での使用が認可され、夏頃からアメリカで発売された。
この特許ワクチンの製造ライセンスは製薬会社Wyeth(ワイス)事業部のFort Dodge Animal Health(フォートダッジ アニマル ヘルス)が、専売特許権はカリフォルニア大学とフロリダ大学が所有する。
このワクチンは、北アメリカとアジアの2つの異なるタイプのFIVウイルス株から構成された”不活化ワクチン(死菌ワクチン)”として知られる不活性化されたものである。
このワクチンはウィルスによって不注意に病気が引き起こされる危険なく、動物体内の保護する免疫反応を刺激する。
動物実験などでワクチン接種を受けた猫は、FIVへの感染率が低くなることが確認され、ワクチンの効力はFIVに少なくとも12ヶ月間抗体を提供することを示している。

■日本で認可はされないのか?

今回のワクチンの場合は、まだアメリカの動物病院で、実際の使用に関するデータの収集は始まったばかりであるので、これから安全性や効果についてなどの検証が行われた後、日本の農林水産省に申請が行われると、さまざまな検査が行われ、承認がおりると、日本での動物病院での取り扱いが開始されることになる。そのため、実際に利用されるようになるまでには、3~4年ぐらいかかるのではないだろうか。


ここから安全性や効果についてなどの検証が行われ、農林水産省への「申請」がようやく行われることになる。
(※日本ではまだ猫エイズワクチンの「申請」は行われていない。2002年6月24日現在)
その後様々な検査が農林水産省において行われ、承認がおりてから、動物病院での取扱が開始されることとなる。


だが、猫エイズワクチンを求める声が多く集まれば、日本で利用できるようになるまでの時間が早まることはあり得るのではないだろうか。


猫エイズワクチンの普及に関して
仮に猫エイズワクチンが日本で認可されたとして、 猫エイズワクチンの接種が推奨されるのは、外に自由に出入りする猫が主であり、(猫エイズの感染は猫同士の喧嘩による噛み傷による唾液感染によるため)、3種混合ワクチンのように完全室内飼いの猫にもきちんとワクチンを受けさせる必要があるかどうか、という点については個々の獣医師の見解や飼い主さんの判断によるだろう。

外に出入り自由の猫が少なくないため、世界で最も猫エイズ感染率の高い日本としては、猫エイズの予防、そして今後の感染を減らすためにも、ワクチンの認可を急ぐことを望む声が多く寄せられている。



特 別
猫免疫不全ウイルス感染症
ワクチンは、今現在ありません。
  * 日本ではまだですが、アメリカでは開発及び認可されました(2002.3.22)。
 

猫エイズのワクチン、米で販売を認可(2002.3.22)
今夏から米国で発売

 【ワシントン22日=共同】米農務省は22日、猫の免疫機能を低下させ、猫エイズとも呼ばれる症状を引き起こす「猫免疫不全ウイルス(FIV)」に対するワクチンの販売を認可した。

 

猫エイズワクチンが日本で利用されるまでに要する時間
アメリカで2002年3月22日に「猫エイズワクチン」(FIV(猫免疫不全ウィルス)のワクチンが認可されたことにより、日本でも多くの愛猫家の関心を集め、日本における認可が待ち望まれている。

では、実際に日本でこのワクチンが認可され、使用できるようになるには一体どのくらいの時間を要するのだろうか?

まずは、動物の医薬品の認可システムについてだが、外国で開発された動物医薬品が日本で認可されるまでの一般的な流れを簡単に説明すると以下のようになる。

 
1.外国で動物医薬品が認可される

2.外国で動物医薬品の使用が実際に開始される
(その間日本国内では治験を行ったり、実際に外国で使用されている状況の様子をみたりして、有効性や安全性の検証を行うのに、ある程度の期間を要する)

3.農林水産省に動物医薬品の承認申請を行う

4.申請された動物医薬品への各種検査が行われる

5.農林水産省より日本での使用が承認される
(承認されない場合もある)

6.動物病院での取扱が開始され、実際に利用できるようになる
 

以上のように、日本で輸入医薬品が認可されるまでには複雑なプロセスをたどらなくてはならない。

今回の猫エイズワクチンの場合は、まだアメリカでも動物病院で使用され始めるのがこの夏頃からであり、実際の使用に関するデータ収集以前の時点である。
ここから安全性や効果についてなどの検証が行われ、農林水産省への「申請」がようやく行われることになる。
(※日本ではまだ猫エイズワクチンの「申請」は行われていない。2002年6月24日現在)
その後様々な検査が農林水産省において行われ、承認がおりてから、動物病院での取扱が開始されることとなる。

そのため、「猫エイズワクチン」の日本での承認が行われ、実際に一般的に利用されるようになるまでには、これから3~4年くらいかかると思われる。

日本でワクチンが認可されない限り、どうしても今猫エイズワクチンを接種させたかったらアメリカ合衆国に行って受けさせるほか方法はないが、検疫や長旅により猫に与える精神的・身体的負担を考慮するとこれは現実的な考えとは言えないだろう。
だが、猫エイズワクチンを求める声が多く集まれば、日本で利用できるようになるまでの時間が早まることはあり得るのではないだろうか。


猫エイズワクチンの普及に関して
仮に猫エイズワクチンが日本で認可されたとして、 猫エイズワクチンの接種が推奨されるのは、外に自由に出入りする猫が主であり、(猫エイズの感染は猫同士の喧嘩による噛み傷による唾液感染によるため)、3種混合ワクチンのように完全室内飼いの猫にもきちんとワクチンを受けさせる必要があるかどうか、という点については個々の獣医師の見解や飼い主さんの判断によるだろう。

猫エイズワクチンの接種にかかる費用を予測してみると、
猫エイズワクチンを接種させる前に感染の有無を調べる検査料=約5000円程度
猫エイズワクチン代 =約10,000円程度 (猫白血病ウィルス感染症のワクチンと同じくらいとみなす)
と、考えると安いものとは言えなくなるが、ワクチンを普及させるためには、せめて1回につき5000円程度で登場してほしいところである。
ワクチン代金が高ければ、飼い猫を出入り自由にしている場合でも健康管理に意識の高い飼い主にしかワクチン接種が浸透しなくなる恐れがあり、また多頭飼いの飼い主にとっては高額すぎる負担となり手が届きにくくなってしまう。

外に出入り自由の猫が少なくないため、世界で最も猫エイズ感染率の高い日本としては、猫エイズの予防、そして今後の感染を減らすためにも、ワクチンの認可を急ぐことを望む声が多く寄せられている。

猫エイズ初のワクチン獣医での使用が認可される
情報源:Sience Daily Magazine
全文翻訳:ねこ通信編集部

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2002年3月22日―【University Of California - Davis 】発
本日(2002/03/22)アメリカ農務省により、初の「猫免疫不全ウィルス(FIV)」に対するワクチンの販売と獣医での使用が認可された。

この猫版「エイズ」 である病気の特許ワクチンの製造ライセンスは製薬会社Wyeth(ワイス)事業部のFort Dodge Animal Health(フォートダッジ アニマル ヘルス)が、専売特許権はカリフォルニア大学とフロリダ大学が所有する。

このワクチンは今年の夏までに獣医で利用可能になるだろう。

「このワクチンは、しばしば致命的になるFIVから猫を守る初めてのものであり、また猫免疫不全ウィルスのワクチンの成功は、いずれ人間のエイズにも効果的なワクチンの開発に希望を与えることにもなる」と、Center for Companion Animal Healthのセンター長であり、小動物のレトロウィルスや免疫不全の 国際的権威であるNiels Pedersen(ニールス・ペダーセン)氏は言う。

ペダーセン氏と、免疫学者であり現在フロリダ大学の獣医薬学専門部の教授であるJanet Yamamoto(ジャネット・ヤマモト)氏は、1986年に猫免疫不全ウィルス(FIV)をUCDavisに切り離した。
ヤマモト氏はUCDavisでFIVウィルスに取り組み始め、ゲインズビルにあるフロリダ大学で研究を続けた。
彼女はフォートドッジ アニマル ヘルスで10年以上も研究者たちとともにワクチン開発に努めた。

このワクチンの正式な認可は、FIVワクチンの開拓にこのアプローチを頑固に続けたヤマモト博士へのトリビュートだ”と言うペダーソンに、
「何年もの研究が今結実し、猫の飼い主たちや獣医にFIVのワクチンを提供できることをとても嬉しく思っている」と、UCDavisの技術移転の責任者であるLarry Fox(ラリー・フォックス)氏は付け加える。
フォックス氏は以前、分子生物学アボット研究所の責任者であり、彼はそこで最初のHIVの分析の開発と、それに続くHIVの組み換えDNAの分析に携わっていた。

獣医学校、医学学校、地域の霊長類研究センター の発祥地とも言うべきUCDavisでは、猫や猿や人間にエイズを引き起こす異なるウィルスについての研究が続いている。

猫の免疫不全ウィルスの猫から猫への伝達方法は主に”噛み傷”による。
それはウィルスが唾液に多く含まれるためである。人間のエイズと同じように、ウィルスは身体の免疫システムを攻撃し、通常FIVに感染していない動物にとってはほとんど影響のないような病気や伝染病にもかかりやすくする。

FIVに感染した猫が下痢や、体重の減少、高熱、リンパ・結節の腫れ、慢性病などの感染症状が現れるまで10年ほど健康でいることもある。
また、感染した猫でも最初の病気から回復し生涯ウィルスのキャリアとなることもある。

アメリカ農務省によると、世界の飼い猫の2~25%がFIVウィルスに感染しているとみなされる。感染率が最も高いのは日本とオーストラリアで、最も低いのがアメリカ合衆国とヨーロッパである。
外に自由に出る猫や老齢の猫で、慢性的に健康状態の良くない猫は感染しやすい。
攻撃的な外出自由の雄猫は他の猫たちと喧嘩になりやすいため、最もFIVに感染する可能性が高い。

FIVは人間に感染したり、また病気を引き起こしたりすることはない。

この新しく認可されたワクチンは、”不活化ワクチン(死菌ワクチン)”として知られる不活性化されたFIVウィルスそのものである。
このワクチンはウィルスによって不注意に病気が引き起こされる危険なく、動物体内の保護する免疫反応を刺激する。
この新しいワクチンは北アメリカとアジアの二つの異なるタイプのFIVウィルス株から構成される。

この研究においてワクチンの効力を証明するため 、猫に3回のFIVワクチンの投薬し、一年後異なったウィルス株に触れさせた。その結果67%のワクチンを受けた猫はウィルスに感染せず、一方74%のワクチンを受けなかった猫はFIVに感染した。ワクチンはFIVに少なくとも12ヶ月間抗体を提供することを示している。

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