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学生の時、バイクに夢中になってました。その内、約2年間はモトクロスをしてたんです。危険なのは承知してました。
ある日曜日、練習中に大転倒し、地面に右手をつきました。その衝撃が上腕を伝わり、鎖骨に集中しました。
とっさに触ってみると、折れているのが明白でした(T_T)
モトクロス場のスタッフ達と相談し、
・安静を保って運搬できること
・受け入れ先病院を効率よく捜してもらえる
という理由で救急車に来ていただいて、救急担当病院へ搬入してもらう事にしました。
運んでもらったのはE県立中央病院。そこは当時、E県で最も信頼されている最大規模の病院でした。
レントゲンを撮り、医師(以下A医師とする)のいうことには
「今から入院してもらいます。緊急手術が必要ですね。いいですか?」
「・・・・ええ、そうしてください」
「では、ちょっと外で待ってて」
しばらく外で待たされて、再び中へ呼ばれました。
A医師は
「入院してもらおうと思いましたが、ベッドが空いてないんです。今日はお帰りください」
『えー?』「では、これからどうしたらいいんですか?」
「明日近くの整形外科へ行ってください」
『えーーー?』
結局、"たすき"みたいなバンドを簡単に巻き付けただけの処置をしたのみ。
A医師の対応は明らかに悪い。緊急手術が必要と判断したくせに、空きベッドがないから治療しないとは(怒)
まあ、そんな医者とは早く関係を絶つ方が賢明です。その日は文句も言わず、友達の車で送ってもらって帰りました。
さあ、どうすればいいんでしょうか?
整形外科はアパートの近所にもありますが、緊急手術が必要なほどやっかいな骨折を治せるかどうか?
悩んだあげく自分が通っている大学病院の整形外科の医局へ行って、そこにいる医師に相談することにしました。もうかなり遅い時刻でしたけど、病棟当直をしていた講師の先生(以後B講師)が応対してくださいました。
「そんなことなら、私に任せなさい。ついてきなさい」
結局処置室でギプスを巻いてもらいました。手術は必要ないとの事です。夜間に緊急でもないのに只でギプスを巻いてもらって、B講師に対して感謝の気持ちでいっぱいでした。
ところが、帰って休もうにも、右腕を極端に後方へ移動した位置で固定しているため、仰向けになるのは不可能です。寝るときはうつぶせにしか体位がとれません。おまけに、思いっきり右手を前に出そうとしても腰の位置よりは前に来ません。
これでは、一人暮らしは無理です。身の回りのことがほとんど出来ないんです。腕の位置が不自然というだけでなく、胸への圧迫感も強く、ちょっとした深めの呼吸もできません。ギプスを巻いてもらって24時間もたたないうちに我慢の限界を感じました。
*E大病院のB講師に巻いてもらったギプス
『手術をしないなら、どこの整形外科でもいいや。とにかくこれでは生活ができない。入院させてもらおう』と決心。近所の"入院随意"(今では死語??)と看板に書いてある開業医の整形外科を受診しました。
「鎖骨を折ってギプスを巻いてもらったんですけど、とても苦しいので入院させてください」
その医師(以下Cとする)曰く
「こんなヒドいギブスは初めて見た!いったい誰が巻いたのかね?」
「E大のB先生です」
「あいつか!とんでもない医者に関わったなぁ。とにかくそのギブスはカットして、まともなギプスにしないといかん」
といって、ギブスをノコギリのようなもので切り刻んで、新たにまき直してくれました。
今度のギプスは楽です。
でも、疲労しきった不自由な体でアパートへ帰るのは不安です。
「大分楽になりましたけど、僕はアパートで一人暮らしなんです。とても身の回りの事が出来ません。どうか入院させてください」
「いや、これしきの事で入院させるわけにいかん」
と再び断られてしまいました。
しぶしぶ帰って、それからギプス除去までの3週間弱、不自由な生活に耐えました(泣)。結局手術などしなくても、それだけで骨折は治ってしまいました。特に後遺症もありません。
★関わった医師への評価
A医師について:
地域ナンバーワンの病院がいい医者ばかりとは限りません。僕は医者になって、そういう病院ばかりで働いてきましたが、おそらく3割くらいは、このような最低レベルの医者がいると覚悟した方がいいでしょう。ただし、地域ナンバーワンの病院にはいい医者が必ずいます。
B講師について:
すごく親切なのに、極端に腕が悪い。このような医師は珍しいです。患者に対して親切ならば、腕を磨いてより患者に尽くそうと思うはずです。医学部の学生だから親切だったのか?根拠もなしに、自分の技術が最高と思いこんでいたのか?頭が悪すぎて技術が拾得できないのか?今思い返しても大いなる謎です。
C開業医について:
口が悪いところが今の僕に似てます。しかし、腕がいいかどうかは鎖骨骨折のギプスをまともに巻けただけでは、何ともいえない。 |
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