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災難に遭遇したのは、数年前のお盆に愛媛の面河渓の旅館に宿泊した時のことです。夜中に起きてトイレへ行った際、左の手首あたりにチクっと痛みを感じました。思わず手を振り払ったら、小さなムカデがピューと飛んで行くのが見えました。
『しまった!ムカデに刺された!』
痛みのある場所を見てみると、小さな黒い点が2カ所あります。それ以外は特に変化がなかったので、持っていたステロイド軟膏を塗ることにしました。
翌日、妻の実家の八幡浜へ移動しました。
手の痛みは少し和らいだようでしたが、なんだか徐々に腫れてきました。時間が経てば、ひいてくるだろうと、根拠なしに甘い期待をしてましたが、逆にどんどん腫れがひどくなり、夕刻には痺れを感じるようになりました。
子供の手ではありませんよ
右手との比較画像です。
『このまま放っておくと、血行障害が起こり、指先が腐るなどの後遺症が起こるかも?(T_T)』さすがに不安がこみ上げてきました。
お盆でもあるし、時刻も遅いから普通に診療している病院はないと判断、八幡浜の中核病院であるY市民病院へ電話をかけました。
「ムカデに刺されて手が腫れ上がっています。診てもらえないでしょうか?」
「今日の当直は眼科医ですけど、それでもいいですか?」
「ええ、誰でも結構です」
「では、お待ちしております」
「30分くらいで、着けると思います。よろしくお願いします」
さっさと着替えをして家人にその病院へ送ってもらって、受付をすませるとほとんど待ち時間なしに診察室へ通されました。そこに座っていたのは、一目でわかるくらいの新米医者です。
経過説明を聞いて、手を診たその医師は
「これは注射した方がいいですね。・・・・看護婦さん、強ミノ1筒注射してください」
(*強ミノ=強力ネオミノファーゲンC:
解毒作用、抗アレルギー作用はあるが効果は微弱。ほとんど漢方薬と同じもの)
『こんなに腫れ上がった手に"強ミノ"が効くわけがない。あつかましいようだが、僕が卒後13年目の医者であることを告げて、ステロイドの注射をしてもらおう』と考え、
「すいません。僕は医者なんですけど、"強ミノ"でこの腫脹が軽快するとは思えません。僕が薬を選んでもいいですか」
「はぁ、そうだったんですか。ええ結構ですよ。そちらの中から選んでください」
その医師が指し示したカストの中から、力価の高いステロイドの注射薬を見つけました。
「これを注射ください」
翌日には腫れは軽快し、後遺症の危機はなくなりました。
当直の眼科医への評価
点滴中にわかった事だが、その眼科医は医者になって2年目だそうである。
まだまだ、知識も経験も不充分である事を自覚して、同じ病院の皮膚科医へ連絡をとってアドバイスを受けて欲しかった。また、そうすることで、患者へより質の高い診療を提供できるだけでなく、本人のスキルアップにもなる。もしかすると、その病院の皮膚科医が夜間の相談を拒否するような人格???
夜間、急病になった時にこのレベルの医師しか対応してもらえない八幡浜市民は不幸であるが、「当直は眼科医ですけど、それでもいいですか?」とまず言い訳をかます病院はズルい! |
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