患者になってしまった話

医者だって、病気になったり、ケガしたりしますよ。
その奮闘記???です。

初入院の巻
1.次第にタチが悪くなっていく扁桃炎

医者になってから、風邪をひく頻度が多くなりました。
感染を起こしてる患者さんと接する機会が多いですので、当然のことです。
自分で適当に薬を調合し、症状を抑えてましたが、
次第に薬が効きにくくなってきたのです。

ある日「のどがメチャクチャ痛い」と感じて
鏡でのどを診てみますと、扁桃が真っ赤に腫れて膿が付着しています。
「これは、急性扁桃炎だな」
抗生剤の入った点滴を3日間くらい続けたら軽快しました。
以来、風邪をひくたびに扁桃炎を繰り返し、
点滴をしないと治らなくなってしまいました。
それでもなんとか耐えて、病欠は一日もありませんでした。

ある水曜日に風邪をひいてしまい、仕事終了後、点滴をして帰宅しました。
翌日「あまり良くなっていないなぁ」と思いましたが、
その日の午後は、長時間かつ困難な手術が予定に入っていましたので、
通常通り出勤しました。
その手術というのは、まだ未成年なのに、癌が非常に進行した患者さんの手術です。
誰かに術者を代わってもらうわけにもいかず、
そのまま手術に突入しました。

午後1時半頃手術開始。
ある程度、予想していたことですが、それまで経験した事がないような難手術です。
日付が替わっても、まだまだ終わりそうにありません。
Y部長から「もう無理せずにあきらめたらどうだ?」
「いや、もう少しやらしてください」といって続けました。
なんとか終了したのは、午前3時頃でした。

わずかな睡眠から目覚めてみると、
「のどが激しく痛い!」38度台の熱もあります。
なんとかその日は乗り切って、土日はゆっくり自宅療養しました。
ところが、月曜の朝になっても治りません。
それどころか、炎症が進行して、頸のリンパ節まで大きく腫れあがってしまいました。

2.もはや外来治療では治せない病態に→緊急入院

早めに出勤し、仕事の前に点滴をしました。
そこへY部長が現れ、
「おい、ひどい状態じゃないか!先生の仕事は我々が代わってするから、
 今から入院して、きちんと病気を治しなさい」

医者の世界では、部長命令は絶対服従しなければなりません。
それより、僕の仕事はほとんどはY部長が肩代わりすることになるにもかからわず、
僕の健康を優先してくれた、その温情を断るわけにはいきませんでした。

で、点滴終了後、病室へ直行、緊急入院となりました。
その当日、翌日は、ほとんど爆睡状態だったと思います。
3日目になりますと、体調はほぼ回復しました。
Y部長に
「もう大丈夫ですから、仕事に復帰されてください」
「いや、中途半端な状態で出てきてもらっても困る」
と、退院許可をしてくれません。

ベッドに転がって、天井ばかり眺めているだけで、
退屈で空しい時間が過ぎていきました。
唯一の楽しみは、食事です。

入院患者の食事は、突然のキャンセルなどにて
1病棟あたり1〜2人前余ったりするんです。
捨てるのはもったいないから、希望する看護師が控え室などで
休憩時間に食べる事が多いですが、時に我々にも誘いがあります。
旨い!ってほどではありませんが、決して不味くないんですよ、これが。
量も多くありませんから、パクパクと完食してしまいます。

ところが、入院患者の食事時間が終わって、看護助手が下膳しているのを見ると
飯やらおかずやら、半分くらい残してあるのがわかります。
「もったいないなぁ。全部食べないと、作った人に気の毒ではないか」
なんて思ったりしてました。


           *話の途中ですが、これから先は作成中です。

今しばらくお待ちください

申し訳ありません。



トップへ
戻る
前へ