日本を世界の〈型〉と観る

 古神道や大本には「日本は世界の型である」という説があります。
 それは日本が世界の縮図であり、日本の地形が世界の地形の〈型〉となっているというのであります。
 すなわち北海道は北アメリカ、本州はアジア・ヨーロッパ、四国はオーストラリア、九州はアフリカ、台湾は南アメリカの〈型〉であり、それぞれの地形が照応し合っているということであります。地図をジッとよく見て下さい。不思議なことに地形が非常によく似ていることに気づくでしょう。
 ここから次のような発想が出てきます。つまり、日本に起こる事は世界に起こり移写される。また過去の日本に起きた事は〈型〉として未来の日本に写り、それが世界に移写されていくとも考えられます。
 この発想から、過去の日本に起きた出来事の〈型〉を通して、日本と世界の将来を洞察しようというのです。
 
 昭和20年8月15日の敗戦は、日本の近代史上特筆すべき重大な出来事であり、先に述べました〈12月8日の仕組〉にも深く関わる神の経綸仕組上の重要事でもあります。したがって、この昭和20年8月15日の敗戦とそれ以後の改革を、現在の社会体制の崩壊とその後の理想世界・陽気づくめ世界・地上天国建設実現の〈型〉として考えてゆきたいと思います。但し、以下に述べることはあくまで私見であり個人的見解であることをお断りしておきます。
 
 農地改革は、土地大地は本来、創造された神のものであり、人間には一切所有権はなく、神からの貸物借物である故に、土地私有廃止(必要以上の土地は持たない)の〈型〉でありましょう。
 財閥解体・新円切り換えは、現行の行き過ぎた資本主義経済体制の崩壊の〈型〉であり、その後は神の道に基づく万人共栄の経済が確立されていくでしょう。(大本では、大地から産み出されたものによる自給自足を基盤とした経済を提唱しています)
 教育改革は、現在のような神を抜きにした教育、受験のための教育、悪平等を教える教育等を廃止し、神の道・宇宙の法則を教え、各自が神より与えられた使命を悟らせる教育の確立等の〈型〉でありましょう。
 信教の自由、国家神道の解体は、人間の魂と精神を呪縛し阻害する宗教・思想の崩壊の〈型〉であり、これによって宗教の争いはなくなるでしょう。
 なお戦後の日本では、男女平等およびあらゆる差別撤廃の観念が徹底してきましたが、これもすべて人は神の子であるとして、一列平等の全人類兄弟姉妹となる〈型〉と思われます。
 
 以上、簡単に述べましたが、〈12月8日の仕組について〉でも触れましたように、昭和20年8月15日の敗戦によって日本は平和国家として新生し、まさにその〈型〉が世界に移って多くの国々が独立していったのであります。このことは「日本は世界の〈型〉である」ことの証明ではないでしょうか。
 したがって、敗戦とその後の改革は、必ずもう一度これから大きく日本と世界に移っていくでしょう。それがいつになるかは神のみぞ知るでありますが、現在の日本と世界の情勢を観ますと、もう目前のように思われるのです。
 
 結びとして、大本の出口王仁三郎聖師が敗戦直後に語ったことばを紹介しておきます。
「日本民族は断じて亡びない。いま日本は軍備はすっかりなくなったが、これは世界平和の先駆者としての尊い使命が含まれている。本当の世界平和は、全世界の軍備を撤廃したときに初めて実現され、いまその時代が近づきつつある」      (小田朝章・記)

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