<天理・大本・キリストの神典研究>
 明けの明星から朝日へ

 かつて仏教の開祖釈迦は明けの明星を見て悟りを開いた。その後、修業中に口の中に明けの明星が飛び込んで来たといわれる弘法大師空海が日本に現れる。
 その空海からおよそ五百年ほど後に、昇る朝日に向かって「南無妙法蓮華経」の題目を高唱し開宗した日蓮が現れる。この日蓮からやはり五百年ほど後、文化十一年(1814年)、釈迦が悟りを開いたと伝えられる歳と同じ三十五歳の冬至の朝、さし昇る朝日日輪を拝している時、突如朝日日輪が胸間に飛び込んで来て一体となった黒住宗忠・黒住教祖が現れる。
 空海は、
   あかつきはまだはるかなり高野山
   かすかに照す法の灯火
 日蓮は、
   月は入り日はまだ出でぬあけぼのに
   われこそ道のしるべなりけれ
 と詠じたと伝えられる。そして黒住教祖は、
   月は入り日の今いづるあけぼのに
   我こそみちのはじめ成りけれ
 と詠じている。
 明けの明星を見た釈迦、明けの明星が口の中に飛び込んで来た空海、朝日に向かった日蓮、朝日が胸間に飛び込んで一体となった黒住教祖。
 空海はあかつき(夜明け)はまだ遙かなり、朝日が昇る・日が出るのはまだ先であると詠じ、日蓮は月は隠れたが朝日・日はまだ昇っていないと詠じた。そして黒住教祖は日の今出づると詠じ、我は道の初めであるとした。ようやく朝日が昇って道が始まった。その道・朝日・日・日の本日本の神の道の始まりが我であると宣言したのである。
 これら釈迦・空海・日蓮・黒住教祖に至る流れから言えることは、釈迦・空海・明けの明星から、日蓮・黒住教祖・朝日日輪への移行転換である。
 このことはまた、釈迦が見た明けの明星で象徴される仏教から朝日・日の本・日本の神の道への移行転換をも表す。そしてこれはまた仏(ぶつ)・物(ぶつ)・物中心の世から日・霊(ひ)・神の世への移行転換を意味すると共に、明けの明星・星から朝日・日へ、すなわち星条旗を国旗とする星の国アメリカ中心の今の世界から、日・日の丸の日本中心の世界への移行転換の預言でもある。
 そうしてこの道の始めとなった黒住の後、天理・金光・大本が出現して神の経綸は進展していくのである。(2005.12.18 小田朝章)

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