経綸の地・大和天理
 
「立て直しについて」「宗教を脱して神を悟る」で大本の出口王仁三郎聖師の「宗教を滅ぼす」「宗教を清める」という主張を紹介したが、
(上記の文書を参照されたい)この宗教を滅ぼす、宗教を清めるということは、神そのものの問題なのである。金光教祖の言葉、
「天地の神は、幾千万年、天地あらん限り、ただ一つなれども、ほかの神は年々に増えるぞ」
(金光教教典326頁)
にある天地の神、すなわち真の神は、太古以来表に出る事はなく、年々に増える神が表に出て世を支配して来たのである。そしてこの事が世の乱れの根本であった。
 やがて時節が到来して真の神が表に出て、それまで世を支配して来た年々に増える神は引退して行くのである。そうして世と人とが一つの真の神につながり結ばれて行く。このことが宗教を滅ぼす、清めるということなのであって、そしてこれが立て直しなのである。
 この立て直し、一つの真の神とつながり結ばれる理想世界実現の経綸は、世界の型であり中心である日本の宗教の流れの大きな拠点においてなされなければならない。日本という源流の一滴のしずくが、やがて大河となり、世界という大海に注ぐのである。
 その日本の宗教の流れの大きな拠点の地は大和・奈良県となる。何故大和の地なのか、大和は石上(いそのかみ)神宮、大神(おおみわ)神社、大和(おおやまと)神社といった古代からの神が鎮まります聖なる地であり、また飛鳥、奈良の都という日本で最初に仏教文化の花が咲いた地でもあった。
 このように大和の地は、日本の宗教の流れの大きな拠点、源流なのである。さらにこの大和の地の中でも、特に重要な地となるのが天理の地である。天理は石上神宮、大和神社の鎮座する聖なる地であり、大神神社、奈良の都のほぼ中間に位置している。(天理教では、この天理の地を人類創造の地、地場としている)したがって、この大和の天理の地において、宗教を滅ぼし清める一つの真の神に、世の総ての人がつながり結ばれる理想世界の実現のための立て直し経綸がなされなければならないのである。
 日本における神直々の教えの中で、立て替え立て直し、理想世界の実現をはっきり主張しているのは天理と大本である。そしてこの二つの教えは、また大きな謎といえる。天理においては、その真の教えが世に知らされているとはいえない。そもそも天理とはいかなる教えなのか、天理の聖地・地場に据えられている六角形の「甘露台」の意味するものは何であるのか、等々の多くの謎が天理には存在する。
 大本においても、大正十年、昭和十年の二度の弾圧の真相は何であったのか、出口王仁三郎という人物はいかなる人物で本当は何をしたのか等々、天理と同じく多くの謎が存在する。そしてこれらの謎は、いまだ天理、大本両教団によって完全には解明されていない。
 神が立て替え立て直しのため直々に教えを開いた天理、大本の謎を解明する事は、神の立て替え立て直しの経綸の真相の解明である。この経綸の真相の解明も、やはり経綸の地・大和天理でなされなければならない。(このことは大本信徒にとっては不満であろうが、経綸上やむを得ない。京都府綾部市・亀岡市の両聖地には別に深い意味が秘められている)
 くり返して言う。立て直しの経綸の地は大和の天理である。   (2005.7.13・小田朝章)
 
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