CMでよく見る保険を知ろう

取扱会社

明治生命保険相互会社

商 品 名

ライフアカウントL.A.

 

 「進化する保険」というキャッチフレーズととんねるずのCMが有名な「ライフアカウントL.A.」。

最近とんねるずはバラエティーの司会やメインアンカーでの出演が多いなか、このCMは「お笑いスター誕生」からデビューした頃のような「コント形式」のタイプも見られ、個人的には喜んでいたところです。

 それはともかく、この「L.A.」の正式な保険名は

「3年ごと利差配当付利率変動型積立終身保険」

といいます。

つまりこの保険は

という特徴をもったものです。

正式名称の末尾4文字が示すとおり、「L.A.」はもともと終身保険です。

この点が「そもそも定期保険」の「堂堂人生」(第一生命)とは異なる点です。

 

「L.A.」のポイント

 「L.A.」の特徴は「アカウント」と呼ばれる積立口座にあります。

そのシクミは、契約者が支払う掛け金はいったん「アカウント」にプールされ、そこから保障内容の保険料に振り分けられるというものです。

 具体的にポイントを整理してみましょう。

ポイント1 保障のメインは「特約」

 前述したとおり、「L.A.」はもともと「積立終身保険」です。

この部分が「主契約」となります。

 しかし、通常の終身保険と積立終身保険では保障の形態が異なります。

 通常の終身保険では、契約成立直後から一生にわたって、死亡時に受け取れる保険金の額は変わりません。

図に示すと次のようになります。

 これに対して「L.A.」の場合、掛け金の払い込み期間中に死亡すると、それまでの掛け金積立額の範囲までしか死亡保険金が保障されていません。

図に示すと次のようになります。

 ということは、一般的に子どもの教育費や住宅ローンの返済など、万が一の場合の家計に対する圧迫が大きい「保険料払い込み中」の間は保障が極端に薄いことになります。

 そこでこの期間中(上の図の△部分)の保障をカバーするため、いろいろな種類の特約のなかからニーズにあったものを付加するという形になります。

したがって「アカウント」にプールされた積立金はまず特約の掛け金に振り分けられ、残額が終身保険のために積み立てられるという流れとなります。

ポイント2 掛け金の範囲で毎年見直しが可能

 「L.A.」では1年ごとに保障内容の見直しが可能です。

終身保険に向けた積立金の一部を新たに希望する特約に回すとか、A特約の保障幅を減らして新たにB特約を追加する、A特約とB特約の配分を変える、あるいは特約を減らして積立金を増やす、などなど自由に変更できます。

ポイント3 特約の更新や変更による掛け金増額を積立金でカバー

 「L.A.」に付加できる特約は基本的に「定期保険」タイプです。

つまり払い込み期間中に満期を迎え、更新の都度その時点における年齢に応じて保険料が再計算されます。

当然掛け金がアップすることになりますが、「L.A.」では「アカウント」の積立残高からその増額分を振り向けることができます。

これにより定期保険部分の更新を迎えても、契約者としては払い込み期間中に支払う掛け金が増えるという事態が避けられます。

 しかし、これは結局若い時代には余分に掛け金を支払い、更新時の加齢による増額負担を調整していることになるわけですから、単純に明治生命が不足分を補填してくれているわけではない点に注意が必要です。

また、増額分を「アカウント」から支出するということは、その分積立残高が減っていくことを意味するわけで、終身保険部分が目減りしていくことも認識しておく必要があります。

ポイント4 保険資産の管理は「アカウント」が基本

 前述したように、「積立金を犠牲にすれば」保障を充実させても掛け金が増えることはありません。

 一方、契約者の自由意思で掛け金を余分に積み立てることは可能です。

終身保険を減らさずに特約保障を増やす場合や、終身保険への積立残高を増やす場合などです。

また、保険会社の運用による配当金や特約の転換で発生した差金などもいったん「アカウント」に蓄積され、終身保険の積立原資となります。

  

おもな特約

 「L.A.」が「進化する保険」と銘打っているのは、いろいろな特約を開発しているためといえます。

このなかで「特別終身特約」は自動的に付加されます。

これは払い込み期間中に一定の障害状態となった場合、以後の保険料が免除されるというものです。

また、通常の定期保険ならば保険期間中に障害状態となり、満期後に死亡すると存続している終身保険の分しか受け取ることができませんが、特別終身特約では払い込み期間中に障害状態となった場合、払い込み終了後に死亡しても終身保険に加えて所定の保険金が支払われます。

 特約を大きく分けると「死亡保障」「傷病保障」「家族保障」というグループになるでしょうが、それぞれをいくつか紹介しましょう。

「死亡保障」の特約

 基本形は「定期保険特約」です。

そのほかに、終身保険部分の積立残高の増加を考慮した「逓減定期型」や、保険金を年金形式で受け取る「収入保障型」、あるいは「生存給付金付き」とか「災害割増」などもあります。

「疾病保障」の特約

 入院給付金を受け取る「入院保障特約」が基本となります。

ほかにも3大成人病や一定の高度障害を保障するものや女性特有の疾病を保障するもの、変わったところでは健康保険の対象とならない歯の治療でも給付金が出る「歯科治療特約」などもあります。

 また、「ナーシングケア」という介護特約が新しく設定されました。

一定の要介護状態となった場合に保険金が支払われるとともに、介護保険に基づくケアプランの作成や介護サービスの仲介も行なうというものです。

ケアプラン作成や介護サービス紹介は「堂堂人生」の介護特約にはないサービスです。

「家族保障」の特約

 家族の死亡や入院などを保障するため、本人の保険に特約として付加することができます。

 ちなみに「堂堂人生」の「孝行サポート」のような「親の介護」を保障する特約は設定されていません。

 

まとめ

 身もフタもない言い方をしてしまうと、「L.A.」は「今までバラバラに契約していた保険を1つにまとめたもの」で、契約者にとって「画期的なメリット」があるかどうかは断言できません。

まったく新規に保険を検討する場合には、契約当初は「アカウント」積み立てのために余分の掛け金を支払うことになるという点をきちんと了解したうえであれば、選択肢の1つになると思います。

しかし、現在すでに契約している保険がある場合、あえてそれらを解約してまで申し込むべきかというと、いちがいにトクとは言いきれません。

当然のことながら、契約時年齢が従来の保険よりも高くなるので支払う保険料が高くなってしまうためです。

 

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