CMでよく見る保険を知ろう

 終身保険は契約成立から一定期間を経過すると、「いつ死んでも必ず死亡保険金が受け取れる」というものです。

つまり保険会社としては必ず「保険金」という支出が発生するわけです。

そうなると、支払う保険金に必要な資金を蓄積しておかなければなりません。

これは契約者から受け取る保険料とその保険料の運用収益が主なものとなります。

 

 ということは、契約者の年齢が高くなるほど死亡率すなわち「保険金を支払う確率」が高くなるとともに、月払いや年払いで保険料を受け取る場合には死亡までの掛け金回数(受け取り保険料総額)も保険料の運用期間も短くなってしまいます。

ですから高齢者が終身保険には入ろうと思っても、そもそも契約を受け付けてくれなかったり、健康診断の条件が厳しかったりします。

 

 しかし、なかには高齢者であっても、健康診断や告知書を必要とせずに入れる保険もあります。

今回はそのような保険をまとめて比較してみましょう。

 

取扱会社

アリコジャパン

アメリカンファミリー生命

オリックス生命

商 品 名

はいれます

どなたでも

無選択終身

契約年齢

50歳〜80歳

40歳〜80歳

40歳〜80歳

保険料

支払方法

月払い

月払い

月払い・半年払い

年払い

保険料

支払期間

終身

終身

終身

保険料

支払単位

1口3千円

最大5口

2千円〜5万3千円

1,000円単位

約1500円

〜約4万3千円

保険金

受取単位

約30万円〜約230万円

約30万円〜約300万円

50万円〜300万円

50万円単位

健康診断

必要なし

必要なし

必要なし

告知書

必要なし

必要なし

必要なし

災害死亡

割増

病気死亡の4倍の保険金支給

病気死亡の4倍の保険金支給

病気死亡の4倍の保険金支給

特定損傷

特約

骨折・脱臼・腱断裂・やけどの場合通算10回まで損傷給付金支給

なし

なし

リビング

ニーズ特約

なし

あり

なし

解約返戻金

あり

あり

あり

備考

59歳以下の女性は3口以下の契約

55歳以下の男性および60〜66歳の女性は4口以下の契約

70歳以上の男性および76歳以上の女性は2口以上の契約

64歳以上の男性及び70歳以上の女性は3000円以上の契約

72歳以上の男性及び76歳以上の女性は4000円以上の契約

76歳以上の男性および80歳の女性は5000円以上の契約

80歳の男性は6000円以上の契約

月払い保険料が2500円未満の場合は半年払い、年払いの契約

 

特定損傷特約つきの契約では死亡保険金が少なくなる

年齢別に掛け金の上限あり

 
 

災害死亡割増・特定損傷給付金は85歳まで

災害死亡割増は生涯保障

災害死亡割増は85歳まで

 

まとめ

 すべての高齢者向け終身保険に共通する注意事項は、「一般の終身保険よりもかなり割高」という点です。

たとえばオリックス生命だと「無選択終身」は「ダイレクト終身」よりも2倍近い掛け金となってしまいます。

 

 ライフプランの見直しによって終身保障がどうしても足りない、と判断した場合でない限り、かなり割高の掛け金を支払うことになってしまいます。

なによりもこの保険は「遺族に対する保障」という位置づけです。

どの保険も基本保険金額が300万円以下であるため、葬儀や終末医療その他の費用の手当てと割りきって検討した方がいいでしょう。

もちろん終身保険に一切入っていないからといって、慌ててこれらの契約を考える必要もありません。

安定的な資産運用によって必要金額を蓄積することも可能ですし、ある程度の死亡保障が付加された医療保険でまかなう方法もあります。

「保険を利用しないこと」も含めた複数の選択肢のなかで比較検討する、その選択肢のひとつに過ぎない、と理解しておきましょう。

 

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