学校より保護者に 

 新入学を迎えて、子どものことをどのように他の保護者の方に伝えればいいか、悩まれておられるお母さんもいらっしゃると思います。
 普通学級に入られた方は、担任の先生も自閉症の子どもを受け持つのは初めてで、先生ご自身がどういう風に話せばいいのか迷われているケースもあると思います。

 ここで紹介するのは、ペンネーム松山千春さん(教師)が、こんな風に先生から話していただけたら・・とご自身の経験の中からアドバイスしてくださったものです。

これを、少し自分の子どもに合わせてアレンジして、先生にお見せしたら、初めて自閉症児の担任になられる先生にとっても、ヒントとして助けになるのではないでしょうか。

場面は「入学式終了後の保護者への話の場」を想定しています。

(「会報23号」より)


 はじめまして、私は(担任の)〇〇と申します。
 保護者のみなさん、本日はご入学おめでとうございます。

 みなさんの子どもさんは、誕生から6年間、すくすくと成長されたことと思います。
時には、病気やけがでご心配になられたこともあると思います。

 さて、本年度入学を迎えられた子どもさんの中には、生まれながらの障害があり、生活の様々な面にうまくできないことがある子どもさんがいます。〇〇〇〇さんという子どもさんです。

 〇〇さんは、自閉症です。自閉症という障害はありますが、お父さん、お母さんをはじめ、〇〇さんのご家族、皆さんで大切に育ててこられ、今日の入学式を迎えられたわけです。

 そして現在、みなさんの子どもさんと同じように、入学式で新しい友達といっしょに期待に胸をふくらませて式に参加しています。


 しかしながら、まだ、言葉を使っての意志表示がうまくできなかったり、新しい環境の中では、不安になり、皆と同じような行動がとれなかったり、友達の方に自分からかかわっていくことなどが苦手です。

 おそらく、新しい学校生活の中では、友達に助けてもらいながら覚えていくことや、先生といっしょでないとなかなかできないことなども出てくると思います。ゆっくりとではあるかも知れませんが、皆さんの子どもさんといっしょに大きくなっていく子どもさんです。

 どうか、今日、同じくご入学を迎えられた子どもさんの保護者の皆さんも、自閉症のこと、〇〇さんがもつ不自由さのことを理解してくださり、機会があれば、子どもさんにもお話いただきたいと思います。

 

 学校での生活でも、教職員、皆で、学校に通う大切な子どもの一員として教育にあたりたいと考えています。

 皆さんと、皆さんの子どもさんと共に、この地域でくらしていく子どもさんです。

 皆さんにその子どもさんのことを知っていただきたくてお時間をとりました。


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