平成12年1月1日
第 20 号
岡山県自閉症児を育てる会
目次
「NPO 育てる会」入会のご案内
平成12年度 予定・計画・・めざすもの
1月度 勉強会 ・ 水泳教室のおしらせ
近隣の講演会等のご案内
木工教室を終えて
クリスマス会 & 交流会
こまったもんだ
みなさん、あけましておめでとうございます。
2000年という、20世紀最後の年、千年に一度というこのミレニアムの年をどのような想いで迎えておられるでしょうか?
ノストラダムスの予言もどこへやら、お互い無事子ども達といっしょに新年を迎えられたことを慶びあいたいと思います。
私たちは、思いもよらぬ障害児の親という境遇の中、今まで精一杯生きてまいりました。子どものより良い成長を願い、またまわりの理解を得るため、様々な努力を重ねてまいりました。
しかし、今この時を、この瞬間を精一杯過ごしていくだけで良いのでしょうか?
年の初めにあたり、もう一度お互い考えてみるのもいいと思います。
同じ子ども達とはいえ、健常児は一人でもやがて人生を切り開いていけるでしょう。それだけの力を彼ら自身が持っているからです。
けれど我が愛すべき自閉症児達は、人を信じて疑う事を知りません。この厳しい現実社会では、私たち親やまわりが支えてやらなければ生き抜いていくことは難しいでしょう。
では、どのように支えていくか?
子どもが将来どのような人生を送るか、みなさん漠然とは考えておられることでしょう。
けれど、日々の療育におわれる毎日の生活の中で「そんな先の事は考えられない」と問題を棚上げしてはいないでしょうか?
私たち親が真剣に子どもの将来を考えてやらないで、いったい誰が彼らの未来を考えてやれるのでしょうか?
一人ひとり子どもの明日を、目標を考えて、今の生活をもう一度見直していけたら・・・
今年も、みんながそのように子どもと向き合っていく育てる会でありたいと思います。
さて、去る平成11年12月18日〜19日、次年度以降の方針を立てるという目的で、閑谷学校にて世話人合宿を行いました。
一年を通しての反省と、来年度の方針や会の方向性の再確認をするとともに、世話人一人ひとりがこの会へ寄せる想いや夢を未明まで語りあいました。(その中で生まれてきた各プランについては後述します・・お楽しみに)
一人ひとりの子どもとの生活が会の活動と離れてしまっては、何にもなりません。
その子どもの将来の姿が、会の目指す方向と同じでなければ一つひとつの会の行事や活動が意味のないものになってしまうでしょう。
つまりその行事に「何の為にこの活動を行うのか」という視点がなければ、「ただ行事を消化した、楽しかった」で明日につながる活動にはならないと思うからです。そういう意味での将来への夢、目標を語りあいました。
その中から、今年もでてきたのが「一人前(いちにんまえ)」という言葉と、「自立へ向けての活動」という事でした。
そして、将来の自立を目指して、今、どんな活動が会として適切かを話し合いました。
今をどのように生きれば、皆の共通目標である「自立した一人前」の人生があるのか、具体策を挙げて考えました。
その視点から生まれてきたのが、今後一年間の活動の組み立てです。
昨年、「本気な親たちの会」という目標を掲げて会員を再募集した際、正直言って「たぶん20人ぐらいの会員数になってしまうだろうな」と、思っていました。
ところが、12月現在、会員数59名、賛助会員69名という大勢の方達の参加をいただいております。
岡山にはそれだけ「本気な親たち」が多かったのだと思います。
私たちの会は、一年毎に新たに入会手続きをしていただく形式をとることに決めています。
来年の活動予定や前年の活動内容をみて、また今年も一緒に頑張って行こうという、そんないつも熱い思いをもった親達の集まりでいたいと思うからです。
みんなで同じ方向をむいて進んで行きたいということから、こんな風に決めさせてもらいました。 (「会報8号」より)
と、いう訳で今年度の募集をさせていただきます。
「NPO 岡山県自閉症児を育てる会」 入会の御案内
すでに、何度か会報で御説明させていただいたように、今年度から育てる会は従来の任意団体から、特定非営利活動法人(NPO)として活動を続けていくことに決まりました。
今年度の活動内容、目標をお話する前に、「なぜ、NPOなの?」と疑問に思われている方もおられると思いますので、まず少しNPOについて触れておきたいと思います。
最近よく耳にするようになったNPO、市民団体やボランティア団体が次々と届けを出しています。
福祉、環境、国際協力、まちづくりなどの社会貢献活動を行う民間の非営利団体が法人格を取得でき、法律行為(事務所を借りたり、銀行口座を開設したり、電話をひいたりetc.)が団体として行えるようになるのです。
今までは、任意団体であったため、このような行為は全て代表や会計、世話人がそれぞれの個人としての責任で行ってきました。
ただ私たちは世話人全員が自閉症児の母親です。子どもが思春期を迎え、世話人の誰がいつ大変になって、会のことより我が子のことの方に必死・・となっても不思議ではありません。
でも、その時にも「育てる会」の活動を必要としている他のお母さん方もいらっしゃると思います。
その為に、会の組織を法人として、継続して運営していけるようにすることが、会員みんなのために不可欠ではないかと判断いたしました。
NPOのデメリットとしては、会計帳簿や財産管理をきちんとしなければならない、情報公開も行っていかなければならない、などといわれていますが、そのあたりはすでに育てる会では任意団体の頃より、きちんとできていると思います。
そういう訳で、今回、「NPO 岡山県自閉症児を育てる会」としての設立に向けて会員を募集いたします。同封のハガキで「入会する」と申し込まれた方を設立時の会員として登録させていただきます。
なお、設立時の初年度は不規則ですが平成13年の3月31日までの、実質15ケ月とさせていただきます。
次年度よりは4月1日〜翌年3月31日までとなります。
平成12年度 育てる会 予定・計画・・めざすもの
さて、それでは育てる会の今年の具体的な計画について触れていきます。
まず、育てる会の会員の方、全員の方を対象とした例会については、昨年度と同様に行っていきます。
講演会(今年度は3回ほど予定しています・・お話を聴きたい方のお名前はたくさんあがっています。これから交渉していきますので、乞うご期待)や山のぼり、木工教室などは内容を吟味しながら続けていくつもりです。
ほかにも、今年好評だったマンドリンコンサート、クリスマス会や交流会についても、ボランティアさんの協力をお願いしながら行っていくつもりです。
もちろん忘れてならないのが、夏の研修合宿、8月の26日(土)〜27日(日)、閑谷学校の隣の研修センターを予約しています。
今年も楽しくて、しかも意義のあるキャンプにしたいと思っています。
その他に今年からの活動計画としてでてきたのが、もう少し個別、年令別、状態別を考慮した活動を、という意見でした。全員で一つの事に取り組んでいくことも意味があることなのですが、それとは別に、本当に我が子に合ったレベル、我が子に向いている活動を考えていきたいという思いでした。
そういう思いの中から出てきたのが、年令別活動です。
まず、小学生以上を対象とした「A・A・O活動 」。
これは、将来(例えば1年後)の到達目標を決め、そのためにボランティアさんと親で毎月の目標を考えて活動を積み上げていく、というものです。
ボランティアさんにも、担当を決めて1年間ついてもらいますので、親のほうでもそれなりの負担、予定のやりくりが必要となります。
結構きついかもしれません。
小学生といっても、入学したばかりの新一年生では、お母さんの負担が大き過ぎるかも・・
もちろん自由参加ですので、できる、やってみようと決心した方だけで結構です。
最終的にはボランティアさんと一緒に、自立して余暇活動を行うのが目標ですから、そのためにはまずプロフィール表をきっちり書く、というところから始まります。
個別の活動については課題分析も必要になるでしょうし、順番を待つ、といった基本的なルールも覚えなければいけません。
何より山中のキャンプでは走り出しても、追いかければ無事でしたが、街の中ではその一歩が事故につながりかねません。
ボランティアの方の指示が聞けない場合は、関係づくりのためしばらくは近くの公園で・・となるでしょう。
次に小学生の低学年から、幼児の方を対象としたのが「キッズルーム」。
従来の育てる会の例会が、小学生を対象としたものが多く、幼児が参加できるのは山のぼりぐらいで・・という反省から、幼児のお子さんでも参加できる活動を考えてみました。
まずは「並行遊び」から、ということで、とりあえず同じ場所にいて、いっしょに人形劇を見たり、体を動かしたりというあたりから始めていきたいと思っています。
最後に、でてきたのが育てる会の中での、クラブ活動、同好会活動の案でした。
子どもの興味、能力、それに将来身につけさせてやりたい余暇スキルなど、例会にこだわらなくても、もっと自由に「この指とまれ!」で始めてもいいのでは・・という発想です。
すでに試験的に始めているサッカークラブの他にも、ボーリング同好会やら手芸クラブ、山歩きクラブ、果てはカラオケ同好会やらパソコンクラブまで、世話人の間からいっぱい手が挙がりました。
確かに一人で家庭でもできることもありますが、やはり仲間といっしょの方が楽しいし(親だけかもしれませんが)、心強いです。なにより将来、共に余暇を楽しむ友となってくれたらという願いです。
ここにあげた内容以外の活動でも「この指止まれ!」と手を挙げるのは一般会員の方でももちろん結構です。
何か希望がありましたら、事務局までお知らせください。会報で紹介します。
活動の条件はただ一つ、「ボランティアさん確保のため、月々の各サークルの予定は例会を優先して決めてください」これだけです。さあ、思いついたところから始めましょう
また、子どもたちの活動ではないのですが、「育てる会」の活動の一つとして、自閉症の正しい理解を啓めていく、ということがあります。
平成12年度の活動として、『自閉症のしおり』を制作していくという目標を掲げ、「日本財団」より助成を受け、印刷機を購入したことは既にお知らせした通りです。
そして、この度、実際のしおりの制作のための用紙代や、紙折り機(しおりは袋とじします)、アルバイト代や郵送代として、
「財団法人 たばこ産業弘済会」より42万円の助成をいただきました。これでいよいよ、制作にとりかかれます。
しおりの文章については、今世話人会で詰めていますので、NPOの設立総会では試作版をお渡しできると思います。
では11月例会「木工教室」や12月例会「クリスマス会&交流会」の感想が届いていますので、御報告いたします。
木工教室を終えて
T. T
先月の11月28日(日)、岡山県生涯学習センターにて「第2回 木工教室」が行なわれました。当初は午前の部、午後の部と予定していましたが、参加人数の関係で、一緒にやれそうということで、昨年と同じ午前中だけの教室といたしました。
当日は木工作家の川月さんを講師としてお願いし、他に3人の技術指導のボランティアさんと、川崎医療福祉大学からも学生ボランティアさん2人においでいただきました。お忙しい中、大変お世話になり、本当にありがとうございました。
おかげさまでとても楽しい会となりました。今回のテーマは「棚」ということで、皆さんそれぞれのデザインを持ちより、製作に取り組みました。犬や猫、トトロの世界やテレビでおなじみの人気キャラクター「ピカチュー」・・・etc。
製作上のキーポイントは、やはり何といってもそのキャラクターを切り出す「糸のこ」です。
みなさん、今までに見たことのないような真剣な顔。
はたまた、何かにとりつかれたかの様に糸のこにしがみつくお父さんの背中。
その背中には子ども達の思い、期待が乗っかっているようでした・・・お疲れさまでした。
お父さん達も、皆さんそれなりのこだわりをお持ちのようで、それぞれ十分堪能されたことだと思います。子ども達も3時間という長い間、何とか楽しめた(お父さんの頑張っている背中を見ながら・・持ちこたえた?)様子でした。
母親、父親、ボランティアさん、あるいは顔馴染みのみんなと一緒の教室で、「木の棚を作った」「一緒に過ごした」「糸のこがおもしろかった」・・。きっと子ども達もそれぞれ何かを感じとってくれたことでしょう。我々親も苦労はしたけれど、作品を前にして、「形になった」「完成した」ということで、結構満足感があったり、何かしら嬉しい様な気分になれたと思います。今後もこの教室が子ども達に一つの想い出として残るとともに、何かのきっかけになったとしたら嬉しい事です。
もちろん、そのような楽しい感想とともに、いくつかの反省点もあったのもまた事実です。 子ども達をいろんな体験の場へ導いていく立場にある親なのですが、親自身もその体験が楽しいと、その場の雰囲気も盛り上がり子どもに良い影響となる事は言うまでもありません。
しかし今回の木工教室に限っていいますと、少々子ども自身が「作った!」と言える部分が少ないようにも思えます。つまり子どもの満足感よりも、親の満足感の方が大きかったのではないでしょうか。(蛇足ですが、この様なシーンは日常生活の中において、他にも見うけられるのでは・・?)
我が家では、子どもにもできる様にと思って、直線を主体にした本当にシンプルなデザインにしたつもりでした。しかしそれでも、うちの子が糸のこを使うのは無理かな?、と思ったり、製作時間や出来映えを考えて、結局親が作ってしまいました。
前回は「いす」、今回は「棚」・・やはり、作品のテーマ自体に、今の子ども達の能力から考えて、無理があったのかな、と反省しています。(それでも、子どもたちが、お父さんやお母さんの作ってくれた作品を、とても気に入って大事にしてくれている・・という話を聞くと、嬉しくなりますが)
今後はもっと簡単な、本当に子ども自身が作ることができるものにして、作る楽しさや、自分でできたという実感を持たせてあげられるものにしてやれたらと思いました。
我が家ではその様に思いましたが、みなさんはいかがでしたでしょうか?
また作品のいいアイデアなどありましたら、お知らせください。
木工教室担当のTさんの報告と感想でした。
確かに小さい子どもたちにとって、「糸のこ」は少し早すぎたかもしれませんね。
・・お父さん方ですら、悪戦苦闘しておられました・・
次回はもう少し簡単な、子どもたち自身が主体的に取り組める課題がいいかもしれません。
ただ、「早過ぎる」と思って待っているだけでは、いつまで待っても糸のこは使えるようにはならないでしょう。
将来、木工も余暇の一つとして考えていくのなら、日常での経験の積み上げも必要でしょう。
幸い事務局には糸のこなどもありますので、興味のある方は声をかけてください。・・これも同好会活動の一つになるかも。
クリスマス会 & 交流会
クリスマス会&交流会アンケート集計結果 (抜粋)
(〜川崎医療福祉大学の中西くんが集計してくれました〜)
1番楽しかったことは何ですか(複数回答あり)。
ケーキ 3名 吹奏楽 5名
昼食 1名 ゲーム 6名
すべて 1名 散策 1名
ボランティア学生さんと遊べたこと 1名
次に何かしたいことはありますか。あればご記入下さい。
この企画全体について何かあれば、、ご意見・ご感想をお書きください。
御家族の方から見られたお子様の様子はどうでしたか。
学生の子どもに対する接し方はどうでしたか。
その他
- 中西くんから(サークルから)、クリスマス会をしたいといってくれたこと。
- 朝、駐車場に中西くんともうひとりの男の人(河田くん)が立って待ってくれていて、会場まで、次々、寒い中を立って待ってくれている学生さんたちに感動。
- 手作りケーキに涙。
- 吹奏楽の人たちがわざわざ時間を作ってくれたこと。
- 音楽も良かった。天空の城は最高!
- 安すぎる会費に申し訳なさがつのる。
- 子どもたちが長時間持ったことがとても驚きでした。
- 駐車場や教室を貸してくださった川崎医療福祉大学に感謝です。
クリスマス会に参加されたお父さんからもメーセージが届いています。
あたたかい 一足早いクリスマスプレゼント
H.T
12月12日(日)、川崎福祉大学の教室にて、学生さんのサークル主催のクリスマスパーティに参加させていただきました。
当日は寒い中、駐車場から会場となる教室まで、学生さんが道案内に立っていただいて、大学に着くなり、無機質な大学の風景とは対照的に、とっても暖かい気持ちになりました。
教室に入ると、大きな黒板にはメリークリスマスの文字と、サンタやトナカイのイラストが目に飛び込んできました。
教室という懐かしいようない一種独特の雰囲気に包まれて、なんだか嬉しくなってしまいました。
自己紹介、ゲーム、吹奏楽の演奏、お弁当に手作りのケーキやクッキー・・・。
子ども達はそれぞれ楽しんでいたようです。きっと思い出に残るクリスマスパーティになったことでしょう。
聞けば、前日もこの日の準備にかなりの時間を費やされたご様子です。皆さんの熱意や優しさが十分に伝わってきます。
我々は親として、いろいろな意味で子どもたちを自立させるべく療育していくことが必要でしょう。
同時に社会にもより多くの理解者や援助してくれる制度も必要だと思っています。
学生さん達にとっては、まだまだ自閉症についての理解は(親ですら未熟な状態ですから)少ないことだと思います。しかし、今回こうして援助していただき、本当に心強く思います。
将来、自閉症と直接関係ある仕事につくことはできないかもしれませんが、子ども達や我々の存在を知っていただき、交流していただけるこの現実をたいへん幸せに感じます。
世の中まだまだ捨てたものではないと思った一日でした。
皆さん本当にありがとうございました。
では、今月の最後は、ペンネーム 松山千春さんの「こまったもんだ」です。
こまったもんだ
ペンネーム 松山 千春
机に向かって勉強をしていたKさん。消しゴムを忘れたことに気がついて、パッと顔を上げ、私に、「消しゴムを貸すのか。」と言ってくる。
貸してもらう立場の者が、「貸すのか。」とは、エラそうなと思いつつ、「そんなときは、『消しゴムを貸してください。』と言うんだよ。」と教えると、ちゃんと「消しゴムを貸してください。」と言い直す。
エラそうなヤツなのか?
まだことばでのやり取りが上手でないのか?
この子の場合は、後者であって,「貸すのか。」と言われたからといって、私が腹を立てることもなし。(ただし、初対面の人に対して、「貸すのか。」とやったら、「何だと!」ということになるのが当たり前とも思えるが。)
さて、親と担任との話。
〜親のつぶやき〜
今年担任した教師は、どうも子どもに熱心でない。
ベテラン教師で、風格もあり,最初に会ったときには、「今年はいいぞ。」と期待していたのに。
学校の様子は連絡してこない、親が気にしている学校への行き帰りのことを気にするわけではなく、トラブルがあった時だけ連絡してくる。
校長に掛け合い,じか談判をして,やっと学校が動き出し,うちの子のトラブルも減ってきた。
〜担任のつぶやき〜
今年は、初めて「障害がある子」を担任することになった。
この子のことは、よくわからないけれど、できることはやっていかなくちゃ。
手をつないでそばに居よう。すぐにどこかへとんで行ってしまいそう。
トイレには、いつ行っておこうかしら。
でも、勉強はやれるだけやらなきゃ。アララ,友達をなんでひっかくの。
お預かりしたからには、なんとかしようと思っているけれど,何かあったときは心配されるだろうし、おうちへも連絡しておかなくちゃ。最近やっと、付き合い方もわかってきたけど、親は校長の所へ相談に来られたそうだ。なかなかうまくいかないなあ。
〜親と担任との対話〜
親 「先生,うちの子は,どんな様子ですか。」
担任「最近は、友達がけがをしたりするトラブルも少ないんですよ。
ほかの先生も応援してくださるし。」
親 「家ではできることなんですけどねえ。学校でできないはずはないんです。」
担任「わたしなりに考えてやっているのですが。まだ、半年ありますし、結果を急がず、長い目で見てください。」
親 「うちの子をわかろうとしてください。」
担任「私では、いけないところがたくさんあるでしょうし、まあ、もう半年ですから。」
困ったもんだ・・・。
担任 「十分なことはできておりませんが,学校でお預かりしている限りは,
できるだけのことをやっていかなくてはと思っております。」
親 「いえいえ、うちの子もめんどうばかりかけていると思いますが、
家でもできることはやりますので,よろしくお願いいたします。」
というやりとりであるはずが,何かのいき違いがあれば、
親 「やればできるだろうが。預けている限りは,十分なことをやるのが当たり前だろうが。」
担任「十分なことをやってもらいたいんなら,そういう人の所へ行けばいいんじゃないの。」
というやりとりに。その間に,寂しそうな子どもがいる。
職業人は、仕事として、やるべきことはやるのが当然。やるべきことでなくても,やれること(天が与えてくれた仕事)があるなら、やれるはず。
親は,気持ちは絶対無二の子どもの味方でありながらも、周りに向かっては,時に謙虚に,時にはへりくだる。
私から見ると、「あんなヤツとは口も聞きたくない」と思える人が,真摯に子育てをする親の姿に絆されて(「ほだされて」と読みます。)その後,子どもの応援団になっているのを知っている。
親の務めのひとつに,子どもの生涯にわたっての味方を増やすということもあるのだろうと思う。
今の担任は,その有力候補、かな?
私は,担任した子どもの味方でいたい。
「ああ,来年も,担任を持たせてください。」と天にお願いしよう。
これまで「育てる会会報」はHPに全文をUPしていましたが、容量等の事情により、一部抜粋にさせていただいています。
今後は、会報は会員の方への郵送でお届いたしますので、ご希望の方は賛助会員に申し込みをお願いします。
詳細は「育てる会 HP」に記載しています。