sorry,Japanese only

平成12年10月5日

第 29 号

NPO 岡山県自閉症児を育てる会


目次

 講演会「自閉症をよく知ろう」
 スタンプラリー in 高梁
 クリスマス会のお知らせ
 キッズルームについて
 「NHK わかば基金」 助成決まる
 第5回 AAOのご案内
 勉強会・HALの会・水泳教室・サッカークラブのお知らせ
 夏合宿 2000 ボランティア・アンケート 特集
 「感謝・感謝」
 近隣の講演会等のご案内
 「自律」
 自閉と向き合う 14
 ボランティア・ボイス

 めっきりと涼しくなりました。 いかがお過ごしですか?
 またしても、会報が遅れて申し訳ありません。育てる会の用事以外にも、忙しい事柄もあり、ここ2週間ほど個人的に大変な日々が続きました。
 フト気がつくと、目がグルグルまわって・・・、すわ、更年期か!
そういうわけで、少し揺れが落ち着くのを待って、医者に行ってきました。近所のお医者さん、向こうから眼鏡みたいな器具を覗きこんで「オ、揺れてる、揺れてる」、メニュエル氏病との事でした。疲れとストレス(?)が重なって、相当悪いようです。別に更年期とは直接関係はないようですが、無理をするとよくない、安静が一番ということでしばらく養生をさせてもらっています。
 そんな訳で、少々手抜きの感もいなめない会報とあいなりましたが、ご容赦を。
 さて皆様、2学期の最大のイベントである運動会は済みましたか?
 以前、講演会におこしいただいた片倉先生が「運動会は勇気を出して休ませましょう」とおっしゃっていましたが、先日佐々木正美先生もTEACCHの勉強会で同じ事を「皆と合わせる事がどうして必要でしょう。無理して運動会に行く必要はないと思います」ときっぱりおっしゃいました。
 でも、そう言われてても、休む事はなかなか難しいというのが現状ですよね。
そこで何とか子どもの為の配慮を願う親と、全体を観ていかなければならない教師との、熱きバトルがアチコチの学校で繰り広げられる訳です。できれば、お互いが一人ひとりの子の立場に立って考え合えられたら・・というのが理想なんですが、なかなかそうもいかないんですよね。
 いろんな個性の子がいます。足の遅い子、踊りの苦手な子・・、どんな子も参加して楽しい運動会になる努力を学校には期待します。そして自閉症の子の事も考えてくださる優しさと配慮を学校に期待します。また親も要求ばかりではなく、どのように協力すればうまくいくか考えたいですね。
 まだまだ2学期の行事は続きます。社会見学や音楽発表会・・etc.
時間割の変化が入りにくい子ども達に、どのような配慮をすれば良いか、それをどのようにうまく学校へ伝えていくか、親としての一人ひとりの力量が試される時でもあります。
 親が変われば、子も変わる。先生にもわかってもらえる。学校が変わる。人が変わる。地域が変わる。そんな風に世の中に変化をおこす事はできないでしょうか?
 私達の会は育てる会といいます。子どもを育てる会です。親を育てる会です。おこがましいかも知れないけれど、先生を育てる会です。学校を育てる会です。地域を育てる会です。皆なで力を合わせれば自閉症児・者が生きやすい社会を育てる事をなしえるかもしれません。
 そのためには、一人ひとりが意識を持って、一人ひとりに訴えていく事。それが第一歩だと思うのです。はじめの一歩を私達自身が踏み出しましょう。
 我が子だけのためではなく、後に続く大勢の同朋のためにも、私達は一人ひとりが、光る石を道に落としながら歩いていきましょう。

キッズルームについて

幼児期の自閉症の子どもを持つ親にとって、多々ある悩みの一つに、子どもを楽しませる場が少ない、という事があります。
 近年、公民館や地域の園で、幼児向けの催し物が増え、また母子クラブなどの活動も盛んになってはきています。しかし、私達の子どもは、何をするのか判らないで待っている時間が苦手です。また、明るすぎる、暗すぎる、うるさすぎる、・・あるいは広すぎる、狭ますぎる、なにより人が多すぎる・・といったような、普通の子どもにとっては“ささいな”理由でそれらの集団に入ることができなくなってしまいます。
 なんとか入りさえすれば、この子たちにもそれなりに楽しめるものはあるのに、『その場にいること』といった、初歩的なところでつまずいてしまうのです。
 そういった親子のために、みんなが遠慮をしないで出入りでき、自分たちのペースで参加できるように、『 キッズルーム 』を企画しました。キッズルームは三部構成になっています。子どもたちの苦手な手足の模倣と、たいていの子どもが好きな音楽をうまく組み合わせた、集団で体を動かすコーナー。いくつもの遊びのセクションを用意して、自由に親子でまわってもらうトライアルコーナー。
最後は、またみんなでそろって人形劇を見ます。
 キッズルームの計画と運営は、育てる会の親で行なっていますが、実際の進行や人形劇は岡山大学児童文化部の学生さんと川崎医療福祉
大学の学生の人達にボランティアをお願いしています。
兄弟児のためには、しっかりボランティアが付き添ってくださるので本人にはお母さんがきっちりついて、関係を深めていくことが出来ます。
 これから、社会に出ていく学生の方に私達の子どもを知ってもらい、自閉症という障害を正しく理解していただく事も、子ども達を育てていくことと同様に、とても大切なことだと考えています。
(Y.H.)

 NHK わかば基金 助成決まる!! 

 その、キッズルームでの取り組みに対し、NHK厚生文化事業団より助成をいただけることになりました。
今年の「わかば基金」は全国で19団体、その中の一つに育てる会のキッズルームの活動が選ばれたのです。これまでの遊具は、みんなが持ち寄ったり、手作りで作ったり・・ダンボール箱を貼り合わせて作ったトンネル、あれはあれで、結構アジのあるものだったですね。
 でも、やはり子ども達の発達段階に合わせて、もっといろいろチャレンジさせてやりたい、と遊具や器具への助成をお願いしていました。念願かなって54万円の助成です。
 次回からのキッズルーム(間に合わなければ次々回かな?)より、より充実したトライアルコーナーが楽しめると思います。まだ、参加されてない方も、ぜひ一度覗いてみて下さい。
一応、就学後のAAO活動に対して、“就学前の”とうたっていますが、小学生でも充分楽しめますので(なにしろ純な子ども達です)、気軽に参加して下さい。
 次回の予定は11月23日です。詳しくは次号の会報でお知らせします。

育てる会 夏合宿 2000

  〜ボランティア アンケート 特集〜

ボランティアのみなさん2日間本当にお疲れ様でした。
みなさんの協力あっていろんなことがスムーズに行えたと思います。子どもたちが安心して2日間過ごせたことに感謝しています。2日目の退所式の前に書いていただいたアンケートの結果をみなさんにお知らせします。

T.自閉症児と関わってみてどうでしたか?

* 初めてあった時より、コミュニケーションが何倍も多く取れてよかった。
* もっとコミュニケーションがとりにくいかと思ったけれど意外にスムーズに過ごす事が出来た。
* 正直言って大変だった。子どもがなかなか自分の言うことを聞かなかったり、すぐ走り出したり、精神的にも体力的にも大変疲労がたまった。
  しかし、徐々に子どもたちも自分になつきだすと少しずつコミュニケーションが取れるようになってだんだん子どもといるのが楽しくなった。
* 普段こんなに長時間一人の子と一緒に過ごすことはないので信頼がついてくるのが実感でき楽しく、嬉しく思いました。
* 何度かパニックが起きどう対処すればいいかわからなかった。
* 何が理解されていて、何が理解させてないのかがわからないので話し掛けが難しいと思った。
* こんなに普通に接することができる自閉症児がいるのかと驚いた。
* 何度か今までにも関わらしてもらったことがあったが、勝手に思い込んでいたことが多すぎた。
* 自閉症児も子どもたちはいつもどの子も美しく綺麗な瞳をしていると思います。
* 難しさも知ったけど。どんどんかわいさや愛着が増していった。
* 一つの文が長いとわからないのかな?と思って、短い文で、と思うとなかなか話せなかた。
* 私にとっては魅力を感じます。分からない分、分かりたいという気持ちがわいてきます。
* 彼らには言葉では表現しにくいのですが、不思議な魅力があって一緒に過ごす時間が私は好きです。
* 初めて自閉症児と接してみて、普段経験できないことをたくさん子どもから学ぶことが出来たと思います。
* 自分にとってこれから自閉症児と接する機会があると思うのでこの合宿で学んだことを思い出して活動していきたいです。

U.子どもといる時に困ったこと、大変だったことや、どうしたらいいのかわからなかったことがあれば書いてください

* スケジュールカードを持っていなくて、次は何時から何が始まるのか自分もあやふやで、聞かれても答えてあげれなかったのが残念だった。
* すぐに走り出してじっとしておいてくれないこと
* 時々話しを聞いてくれないこと
* 嫌なことをどのようにさせるかということが大変だった。絵を書くのが苦手でフラッグアートやコースター作りのときなどそわそわして落ち着きがなく、活動させることが困難だった。
* パニックになると、力いっぱいたたいたり、かみついたりすること
* 食事後、目を離したすきにいなくなっていた。
* 自由時間が長くて何度も何度も同じ所を行ったり来たりした。
* ご飯を食べたいのか、食堂の入り口でやり取りをしてのパターンにはまってしまった。
* 逃げないようにつかまえておいたとき泣き叫んだり、大声を出して止まらなかった時。
* 力づくで止めていいのか、説得すべきなのか、また、力づくで止めたとき、泣き出す等のパニックになったときはどうすればいいのか.そのパニックを恐れずダメなことはダメとすべきなのか、なるべくパニックを引き起こさないようにすべきなのかわからなかった。
* 言うことを聞いてくれないときはなんか理由付けみたいな感じこぎづけで無理やりこちらの意思を通してしまった。
* 注意の仕方が一番難しかった。どの程度の注意、叱り方をすればいいか困った。
* 「なんで○○なの?」、「どうして○○するの?」と言う質問を常にされた。
* どこまで子どものペースを優先するのか難しかった。
* 子どもを見るという責任があった分普段の僕のアホさぶりを発揮出来ないことが一番の苦痛だった。
* なにか話し掛けてくれて嬉しかったけどよく意味がわからなかったり、聞き取れなかった時にあやふやな対応をしてしまった。
* 動かなくなったこと。
* 「〜を知ってる?」と尋ねると「知ってる」と答え、「〜を知らない?」と尋ねると「知らない」と答えるので、本当に理解しているのかどうなのか難しい。
* まず話題に困った。

V.子どもといて楽しかったこと、感動したことや自閉症児に対して新たに感じたことがあれば書いてください

* AAOの時などあまり話し掛けてくれないのに初めて手をつないでくれたこと。
* いろんなことに興味を持って取り組んでいけることや元気いっぱいなところ。
* 最初はなかなか手もつないでくれなかったのに、子どもと接していくと子どもも信頼してくれたのか手をつないでくれたことが一番嬉しかった。
* 子どもが歩いている時に靴が脱げて靴を渡してあげたら「ありがとう」といってくれた。当たり前のことかもしれませんが感謝してくれたことが嬉しかった。
* 自閉症児は案外敏感で察しの良い人たちと思った。
* 好きなアイスを分けてくれる優しさ。
* 山登りの時途中でだれずに最後までがんばれたこと。
* コースターの絵を書いてプレゼントしてくれたことがとても嬉しかった。
* 嬉しそうに遊んでくれたとき。
* アイスクリームを食べた時「はい」と言って自分が食べる前に差し出してくれた時。
* 一度だけ「おねーさん」と呼んでくれた。
* ほとんど会話は成立しないが、たまに会話がちゃんとできるとそのときはほんとうに嬉しかった。
* 一番嬉しかったのは2人で「ハッピーサマ−ウエディング」を歌ったとき。
* 手のかかった子ほどかわいい。
* 「今走ったろう〜」つかまえた時「ばれたか〜」という顔でこちらを見て笑った時。
* 登山で子どもがしっかり歩くとこが出来たことに喜びを感じた。
* DRのとき感動して言葉がでなくなりました。言うことを聞かないあの子もあの子もという風にみんなが同じ動きをして楽しんでいることが本当にすばらしかった。
* 自分のすることに対して反応してくれること。笑顔を向けてくれたり、話し掛けてくれたりするととても嬉しい。
* 目が合った時など心が通じ合えたと思えたときが何よりも嬉しい。
* “笑顔”“感覚のするどさ”その子の大いなる可能性を感じた。
* DRを上から見てなぜかわかりませんがとても感動しました。みんなの一生懸命さがすごく伝わってきて「みんなで何かをするっていいな」って思いました。
* DRの第一ステージを見ていてなぜかすごく感動して涙がでそうになりました。子どもたちの頑張ってる姿にだろうか。第三ステージで輪になって内側に集まる時もみんなが一つになった気がした。感動的だった。
* 嫌いな食べ物をガンバレ!とか食べようよというと頑張って食べてくれた。
* 一緒に笑い合った時。
* DRのときみんな一生懸命で「心が一つになってるなー」と実感した。
* ハイキングの時、距離を1から10で表してくれていたので次は何番かな?どこのあるかな?とか言いながら歩いたので「疲れた」とか言わずに頑張れた。
* 自閉症児というと人とのコミュニケーションが苦手でコミュニケーションをあまりとりたがらないという印象があったが今回はすごく積極的に私にコミュニケーションを求めてきてくれた。

W.この合宿でスケジュールカードを有効に利用できたと思いますか? (カードの使い方や使う時はわかりましたか?)

* 時間帯の流れをつかむことが出来るので有効に使うことが出来た。
* 絵がわかりやすくてよかった。
* カードによって子どもが次に何をしたらいいのか知らせることが出来てよかった。
* 子どもと接するきっかけとしてカードを使うことができた。
* 子どもがなかなか動かない時にカードを利用したら動いてくれることが多くて、有効に使えたと思う。
* カードを使うと言語での指示よりも早く納得はしてもらえるのですが一つのスケジュールと次のスケジュールまでのタイムスパンを理解してもらうのに少々困るかと思った。
* 利用できなかった。ほとんどお母さんのかばんの中でした。
* あまり有効に使えなかった。まだ絵カードに慣れていないのか興味ないといった感じ。
* スケジュールカードを見せたら静かに聞き指示を聞くとこが出来た。
* 口頭による説明だけでスケジュールを確認できた。
* 中身に興味をほとんど示さなかった。
* 絵と文字でしかも子どもに分かりやすいものだった。
* 落ち着かない時などに見せると落ち着きが取り戻せることができた。
* 視覚に訴えてのこのカードはとても有効だった。
* 子どもに説明するにもとてもわかりやすかった。
* 活動の切れ目に少し取り入れるだけでも子どもにとって理解しやすくするための方策となったように思う。
* 毎回使えたわけではないがそのカードによって次の行動や一日の行動を子どもに伝えやすくまた、子どもも理解できたようなのでよかった。
* スケジュールカードを渡されなかったので使ってません。
* 字が読める子だったので有効に利用できた。

X.もっとこうしたらカードを上手に使えた・・などアドバイスがあったら書いてください

* 首からかけて見られるようにすればよかった。いつも子どものリュックに入れていたのでだすのに時間がかかる。
* ボランティア及び子どもの写真やイラストなど貼る場所があってもいいかもしれません。
* 自由時間がどれだけあるか分かったらよかった。
* 個人的にカードを使うだけでなく、全体説明の時ももっと有効に使えばいいのにって思った。せっかく展示してあるのに残念。
* 絵が抽象的すぎて子どもにとって分かりにくかった。写真みたいにより実物に近いものだったら反応はどうだったかなと思った。
* 立つ、座る、あいさつなどちょっとした動きも示してみては。
* 山登りの時チェックポイントでシールを貼ったりしてみては。
* カードに番号をつける。
* プレイホールに行くとかトイレに行くとかもっといろいろなカードの種類があればよかった。
“ボランティアさんの協力あって、この合宿で始めてのスケジュールカードの利用も成功することができたように思います。ほんとにありがとうございました。今回いろいろな意見・アドバイスを参考にして次回はもっと有効に使えるようにしたいと思います。
スケジュールカードを使わなくても活動が理解できた子や、絵よりも写真の方が理解できたのではないかと思う子もいて「自閉症」と一言で言ってもさまざまなタイプの子がいることがわかったと思います。これからも少しでも自閉症児が社会の中で暮らしやすく出来るようにまず私たちが自閉症を理解し、私たちに出来ることがあればどんどん協力していってみませんか。また、みなさんが協力してくれることを待っています。”
横内 奈穂

感謝!感謝!!             M.I.

ボランティアさんに感謝

 今年は食事も親から離れて子供と過ごして下さったボラさん達はとてもがんばってくれました。親離れ、子離れの良いチャンスでした。事前打ち合わせ無しに親子分離を可能にしたこの会のパワーを見た気がします。
それは、親と同じくらい子供の事を思って時には厳しくそして優しく包み込むように子供に接してくれるから私はボラさんに任せても大丈夫と思うのです。特に我が子は長時間安心して任せることはとても至難の業です。それを快く引き受けてくれるボラさんがいる関係で親達は講演会、
分科会に専念できました。パワーアップした育てる会のボランティアさん。
会とボランティアの関係に感謝!

兄弟に感謝

 兄弟3人甘えたり我慢したりの夏合宿、事前の準備などから色々な人との出会いがあって彼らの栄養になったと思います。宝にしてもらいたいものです。
 特にお兄ちゃん班は親の監視から逃れて楽しんでいる様子が、夜中ベットから飛び降りる
音で想像できました。
半強制的に連れて行かれても帰りの車中で「来年も行きたい人!」のかけ声に
万歳で答える兄弟に感謝!

世話人に感謝

 ボランティア交流会の代表緊急入院騒ぎ以来なぜか準世話人に、だまされて?役員会に参加してから、あっと言う間の夏合宿でした。
 この会は親自身が、我が子の為だけでなく後に続く子供達のために動く人達の集まりだと改めて実感でした。
 色々な縁の下の力持ちに支えられて合宿の成功。
どうしても、受け身場面が多い私達ですが、出来ることから少しずつお役に立てる立場へと今回実感できたかなぁ。
 充実感を与えてくれた世話人に大感謝!

先生方に感謝

 フラック゛アートでは、子供達が生き生きと体中を使って制作していてプレイホール一面に作品を飾った光景はきっと語り継がれると確信しています。
 年少児向けのプログラムのギッズルームはミニDR版のようにおちびちゃん達が生き生きと動き回っていました。
本番のDRは、今まで10数回参加している中で一番感動ものでした。
一団となって走る姿には背筋ゾクゾクものでした。
二階席から先生方スタッフの顔ぶれ見て納得。こんなにとっても素敵な先生方に支えられて私達は活動しているのだと改めて感動。
何時も新たな感動を下さる先生方に感謝!

主人に感謝

 準備の段階からいろいろ目に付く事もあったと思うけど一言も口にせず、夏合宿に参加さしてくれた主人に心から感謝!

スタッフボラに大感謝

 そして今回の合宿で絶対忘れてはいけない存在のスタッフボラの皆さん。
私は知っています。
  スタッフには担当の子供がいないと知った時のとてもがっかりした顔。
  代表に合宿の成功はスタッフにかかっていると言われた時の顔。
  いきなり50人規模無茶な山登りに出発する前の緊張した顔。
  雨に降られ迷い子になりながら下山する前途多難な顔。
  山登りで別ルートを検討し試行錯誤する真剣な顔。
  絵カードを子供に見せては頭を抱えている顔。
受付の笑顔で迎えてくれたあなた達の顔を見てこの合宿の成功を確信しました。
  食後に食べこぼしを黙々と拾い集めているスタッフ
  おちびちゃんの頬に愛のタッチを試みるスタッフ
  準備の合間DRの出し物の練習をするスタッフ
  スケジュールの遅れに少し心配顔のスタッフ
  親子とボラの仲介役の辛い立場のスタッフ
本当にありがとう。
あなた達がいたからこの夏、親子で良かったね!と言い合える夏合宿ができ、
楽しい思い出をいっぱいもらいました。
本当にがんばってくれたスタッフに大感謝!

自 律

吉田 英生

 保育園での話。
 先生は、発表会にむけてペープサートで「ジャックと豆の木」をやろうと思いました。さっそく、子どもたちを前にして一生懸命作った紙人形を使い、お話を始めました。
「ジャックは、お母さんの言うことを聞かず、仕事もしませんでした。・・・」
最初のうちは、静かな始まりでした。
「ジャックは、ニワトリさんと話した後、豆の木に登っていきました。」
そのうちに、たくさんの動物人形が登場してきますが、先生はひとり。当然、ステージで見せていた人形のうちいくつかは、その場に置いて次の情景を演ずることになります。
 『先生、ニワトリはどこ、行ったん。』
 『先生、僕んちなー、ニワトリがおるんで。昨日な、卵生んだんで。』
 「うんうん、じゃあ、次にいくからな。ジャックは、空に向かっていきました。」
 『犬がおらんで。どこにおるん。』
 「ここに置いてるでしょ。」
 『犬はこわいけん、いけん。』
次々に、犬についてのおしゃべりが始まり、にぎやかになっていきます。
 「何を言ってるの。話が全然前に進まないじゃないの。」
結局先生は、怒ってしまいました。
自己表現がよくできる子。
思ったことを素直に言える子。
頭に浮かんだことはすぐに口をついて出る子。
思いつきがすぐ口に出る子。
場をわきまえぬ、勝手な子。
教室での話。
授業中、子どもが聞いてきます。
『鉛筆をけずっても、いいですか。』
「鉛筆は、いつ削っておかないといけないの。」
『休み時間です。』
「鉛筆はほかにあるの、ないの。
『あります。』
「じゃあ、今削らないといけないの。
『削っては、イケマセン。』
でも、1行書いたら、また、聞いてきます。
『鉛筆をけずっても、いいですか。』
尖った鉛筆でないと、書いた気にならないようです。
けずらない方がよいとわかっていても、聞かずにはおれません。
自分の思いがきちんと言える子。
教えられたことをきちんと守る子。
同じようでなくては気がすまない子。
思いがすぐに口をついて出る子。
場に応じた対処が苦手な子。
待つ、考える、周りを見るということが、苦手な子どももいますが、絶え間なく動いたり、しゃべったりする子どもを、一度立ち止まらせ、見るべきもの、聞くべきことば、考えるべきことを感じさせることは大切です。
自律は、自らをコントロールできること。自分を見失わずに、周りの人を感じながら場や状況の中に、自分を広げていかなくてはなりません。
最初は、だれかに叱られたり、注意されたりして学ぶ自律。
「ダメ、今はけずってはいけません。ほかの鉛筆を使いなさい。」と叱り、違う方法を教えてあげることが大切な時期があります。
しかし、いつまでも叱られないとできないのではダメですから、「アレー!まだ、ケズッテイイデスカなんて言ってるの?」とけん制されて思考を切りかえることができればたいしたもの。
「アレレ、」なんて言われなくても、心の中で「削ろうと思ったけど、ほかの鉛筆を使ったらいい」と考えることができるようになれば、りっぱなお兄さん、お姉さんではないでしょうか。こだわりに振り回され、パターンに逃げこむことから一歩踏み出した暮らしが見えます。
 自立を考えての子育ては、できることを増やしていくことも必要でしょう。
ひとりでできることを増やしていくと同時に、できないことをたくさんの人に知ってもらい、できないことがあっても周りの人の援助を得てやっていくことも自立です。
自律も自立も社会の中へ、分を広げていく営みです。
 あの保育園では、無事、ジャックが豆の木に登るところまでお話は進んだのでしょうか?
最後に、「ジャックは、お母さんの言うことを聞く、働き者になり、幸せに暮らしました。」となるのが、「ジャックと豆の木」のお話です。

岡山県自閉症児を育てる会 平成12年度夏期合宿について

 育てる会にボランティアとして所属すること,わずか4ヶ月余りで今回の合宿に参加させてもらった。自閉症に関しては殆ど知識がなかった私だが,この会のボランティアとしてキャリアの長い仲間と行動を共にすることにより,様々な体験的な知識を得ることができた。
 今回,スタッフとして合宿に参加した。将来,教員になることを志している私にとっては,貴重な体験となった。ここでは,合宿の準備・本番・反省を通して学んだこと・感じたことを述べる。
 はじめに,準備はできるだけ完璧にという点が挙げられる。私たちスタッフは,事前に機会を設けて集まり,下見や打ち合わせを繰り返した。私用であまり参加できなかった私にも分かりやすく説明してくれ,スタッフ間での合宿の目標も明らかになった。企画を何度も吟味し直し,安全性や起こりうる事象に対する防止・処置など,あらゆる角度から準備は進んでいった。この点においては鳥羽さんをはじめ,一部親の方々とも検討した。このように,準備という土台がしっかりしていたため,今回の合宿が成功したと思う。これからは学校教育にも障害者との交流が組み込まれるであろうし,ボランティアの重要性も必然的に増してくる。そういった機会においては今回のように準備段階からの完成度が高くなければならない。
 次に,子どもがパニックになったときの基本的な対処の仕方を知ることができた。自分が何をして良いか分からないことが,パニックになる一つの原因である。となると,パニックになってしまったときには,その子どもができることをさせることが一つの対処方法になるのではないだろうか。言い換えれば,その子どもの注意をパニックから引き戻すのである。例えば,一緒に数を数えるなどがある。勉強会でそういったことを聞けたり,山登りではボランティアの実践をその場で見ることができたことは大きな収穫である。今後,AAOその他においても是非実践したい。
 最後に,反省会・感想を含め,親・ボランティア・スタッフが本音を言い合い,妥協なく取り組むことができたことが心に残った。
みんなそれぞれ役割は違っても,「子どものために」と尽力できた。
この三者がきちんと連携を取って合宿を構成できたのはとてもすばらしいことである。このことが何かを成し遂げるには一番大切なことである。
しかしながら意見や動機の相違などにより,なかなかこのことは達成されにくい部分がある。それでも今回の合宿においては,三者がお互いを認め会い,支え合って行動することができた。私自身こんなにまとまった事業を体験したのは初めてである。この合宿は私たちそれぞれにとって,自信になった。これからもこのような体験ができるように努めたい。
育てる会だからこそ,今回のような合宿ができたのだろうと思う。しかし,私たちは所属する団体に関わらず,どこにおいてもこのような感動を味わうことができるはずである。なぜならば,私たちの意識の根底には,『共に生きる』という強い信念が存在するからである。これに加えて,今回のように本気で話し合う機会を設けることができれば,このことは達成できるものと確信している。これから,教員としても,一人の人間としても,いかに今回の経験を生かしていくかが,私の課題である。
また、合宿に参加させていただいたことにもとても感謝しています。
もし、このような機会があれば、是非参加させて頂きたいです。
これからもより一層のご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
4/10/2000 小池 良太

これまで「育てる会会報」はHPに全文をUPしていましたが、容量等の事情により、今は一部抜粋にさせていただいています。

今後は、会報は会員の方への郵送でお届いたしますので、ご希望の方は賛助会員に申し込みをお願いします。
詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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