平成12年12月28日
第 32 号
NPO 岡山県自閉症児を育てる会
今月のお薦め本「ADHD LD 自閉症 気になる連続性の子どもたち」
いよいよ、20世紀も残りわずかとなりました。
ノストラダムスの予言もすっかり過去のこと。この分でいくと世紀末も平和に過ぎていこうとしております。
20世紀は私達にとってそれこそ激動の世紀でしたね。
私達にとっては、戦争も地震も火山の噴火も・・我が子の障害の告知という大事件の前では霞んでしまうような、それほど思いもよらない体験だったのではないでしょうか?
つくづく人とは勝手なもの、我が身にふりかかった災難こそが、人生にとって一番大きな事件のようです。
さて皆さん、新たにやってくる年、2001年は新世紀です。
「新世紀」この言葉には夢や希望を感じます。
私達は、思いもよらぬ、自閉症という障害を持つ子の親となりました。そして苦しみながらも今日まで歩いてきて、やがてこの新しい世紀を迎えようとしています。
できれば不安のうちに新世紀を迎えるのではなく、希望を持って、何か良い事がきっとあるに違いないと思いながら迎えたいと思います。
楽観すぎると言わないでください。「笑う門(かど)には福来たる」と言うではありませんか。
要は気の持ちようで、出来事の意味、おかれている状況の意味すら変わってくるように思うのです。
あれほど苦しかったはずの無慈悲な障害告知の辛さも、月日の流れの中に薄れていきました。
障害のある子の暮らしの中に生まれる多くの喜びや幸せの中で、いつしか障害のある事を不幸とは考えなくなった家族の暮らしが生まれてきています。
育てる会の仲間やボランティアさん、そして私達を支援してくださる方たちの中にあって、考えてみると、そんな不幸ではない、もしろ幸せと呼べる部類の人生を送っている私がいます。
もしかしたら、私にとっての20世紀は、苦しい事もあったけれど、それに倍する喜びも味わえた、かけがえのない年月だったのかもしれません。
さあ、まだ悲しみ途上の人も、多くの仲間達と共に、希望に夢ふくらませて新しい年を迎えようではありませんか。
「きっと、きっと、いい日が来る事を信じて!」
12月にしては、暖かな日が続いています。
寒さに弱い私には、ちょっと嬉しい事です。
( 鳥羽 美千子)
サッカークラブよりのお知らせ
今年もあとわずかとなりました。参加者の皆さん、ボランティアさん、1年間お疲れ様でした。
サッカーは、雨にたたられ中止続きの前半でしたが、場所が福島小学校に定着してからは、月1回のペースで順調に練習を重ねる事ができました。
子ども達はボールにも慣れ、練習内容も把握できてか、練習メニューの進み具合もとてもスムーズになってきています。(ホント ! 成長しました。)
ただ、年齢にばらつきがあったり、経験回数にも差があったりし、『なかなか皆についていけない』、『もの足りない』・・いろいろ思う事はあると思います。
『友達とのやりとりが難しかったら、ボラさんとする。1人でできるところは一人で頑張る。声かけなしでもできるようになる。』
同じ練習はしますが、それぞれレベルにあった目的をもって少しづつレベルアップできたらいいと思います。そのために、事前のボラさんとの話し合いはしっかりやりましょう!
“おとうさ〜ん、冬休みには、しっかり子どもの相手をしましょう!”
その成果を1月の練習日に見せてくださいね!
☆ 1月度 サッカー練習日
日 時:平成13年1月27日(土)10:00〜12:00(9:45分集合)
場 所:福島小学校グランド(岡山市立川町3−37)
(雨天の場合;福島小学校 体育館)
持ち物:マイボール
(体育館で使用することも考えてきれいにふいておいてください。)
ゼッケン、カード(ある人)、お茶(ボラさんの分も)
体育館用シューズ(雨天のとき・・ボラさんもお忘れなく)
参加費:ボラさんの交通費を参加者で割ります。
(岡山駅からボラさんを乗せてあげられる方は、ご協力ください。)
ボランティアさんをお願いしている関係で、急に欠席された方には申し訳ありませんが、参加費を頂くことになります。ご了承ください。
◎ 欠席の人必ず1月10日までに連絡してください。
O.H.A の 会
O.H.Aの会、Okayama High functioning autism & Aspergeer
第4回 O.H.Aの会 報告
12月15日(金)、新たな参加者4名を加えて賑やかになりました。
会場が狭くなったなぁ・・・・うれしい悲鳴です。
今回は子ども達の良い所探しをしながら、自己紹介をしました。
少し先輩のお母さんの話はとっても勉強になります。
幼い子供を抱えているお母さんには、頑張れ!!
今が一番大変な時期!
とエールを送りたくなります。
話をすること、聞いてもらうことで救われることもあります。
少しずつかもしれませんが、元気を貰える会にしていきたいと思っています。
1月は今までの参加者で親子の親睦会を予定しています。
詳細は個別に連絡させてもらいます。
O.H.Aの会 担当
1月度 水泳教室のお知らせ
日 時:平成13年1月21日(日) 15:30〜17:30
場 所:岡山OSKプール
会 費:6,600円( 1月〜3月、三ヶ月分)
(兄弟の参加は、参加費のみ 1,200円)
従来、会費と参加費は別々に集めていましたが、特に冬場は参加者が少なくなり、やりくりが大変となっています。また、なにより毎月会費・参加費(収入)が変動するため、水泳教室の運営が不安定なものとなっていまいした。
水泳教室自体の安定した存続のため、DRにならって、会費の前納をお願いすることにしました。今後の水泳教室が安心して続けられるためにご協力をお願いします。
なお、当日の煩雑さを避けるため、会費は振り込みでお願いしたいと思っています。
振込先 :中国銀行 山陽団地特別出張所(店番号)142
口座番号:1195091
口座名 :岡山県自閉症児を育てる会
それでは、Oさんの「水泳教室 5 年目で」の最終回です。
「水泳教室 5年目で V」
K.O
プールに入るだけで大騒ぎしていたT、長い時間をかけてやっと潜り浮かぶようになりました。ここまで出来るようになると、欲が出てクロールで前に進むといいなと思っていました。
前に進むことは遊びの時間の時、大きなボードにつかまり、バタ足をしていた時に覚えました。
ボランティアさんにお手本を見せていただき、その後を追いかけていくことから
〇
プールの中に輪を沈め、取る。
〇 また、フラフープ潜り
〇 蹴伸び
を覚えました。
どのように手を動かすとよく進むか。
バタ足は、どのようにすればたくさん進むか。
これも、やはりお手本を見せていただきながら、何度も繰り返す中で体感しながら覚えていったようです。
本人に聞くと「たくさん進みたいから、考えながら泳いでるよ」と言っていますが、本当かどうか?
これからは、息つぎが課題です。前回のプールで少し切っ掛けがつかめているようなので、この冬休み、プールに通ってみようかな、と思っています。でも、焦ると進歩しないので、ゆっくりゆっくりと言い聞かせながら、一緒に頑張りたいと思います。
私は子どもから、夢に向かって根気強く努力する事を教えてもらいました。
夢が叶うように、今、何をすればよいか考えながら1日1日を過ごそうと思います。
いつも支えて下さっている、指導者の方々、ボランティアさん、OSK岡山の皆さん、そして育てる会の皆さん、これからもよろしくお願いします。
拙い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。
すてきな夢を心に描きながら21世紀を迎えましょう。
よいお年を!
第7回 AAOのご案内
前回のAAOは、お母さんお父さんにとって、いい話ができた場になりました。
小さな頃から、きちんと取り組んでいる方の話を聞く事は、参考になりますし元気が出ます。OさんはAAOでもかなりきちんと計画を立てて取り組んでおられました。
その結果が、ひとりで電車に乗って岡山駅に来られるようになったということです。
障害の程度ではなくて、親の姿勢のレベルで話ができたのではないかと思います。
次回の座談会は、引き続き親の取り組みとそこでのボランティアさんとのかかわり方などの話ができたらと思っています。元気が出る話になるのはまちがいないです。
ただ、川崎福祉4年の方の国家試験と重なっています。別のボランティアさんにお願いしないでお母さんが付き添うという方もおられますので、人数が確認できません。
変更、伝達などAAOの連絡網でまわしますので、ご注意ください。
では、来年も張り切って〜 エイ・エイ・オ〜!
第7回 AAO活動日
日時:1月28日(日)10:00〜12:00(企画によっては昼以降の場合も)
(第8回AAO・H13年2月25日)
活動場所:それぞれの企画場所
親の集合:生涯学習センター(3F・書道教室)
(AAO担当:長谷川)
予 告 |
13年度 AAOの説明会 の 案内
来年から小1になる親の方、
AAOって何?とよく解らない方、
今年参加したけれど、もっとよく知りたいお母さん、
もっと子どもと関わってみたいと思っている学生さん・・
ビデオや実践報告を通して、詳しくAAO活動の説明会を行ないたいと思います。
詳しい事は次回の会報でお知らせしますが、みなさんスケジュールをあけておいて下さいね。
日時 : 平成13年2月21日(水) 10時〜12時
場所 : 岡山県生涯学習センター
会費 : 会員 500円
ボランティア 無料
1月度 勉強会のお知らせ |
◆日 時 / 平成13年1月16日(火) 10:00〜12:00
◆場 所 / 京山公民館 第一研修室
◆内 容 / 「ともに」の勉強
◆会 費 / 会場費プラス資料代を参加人数で割ります。
◆申込み先 / 育てる会事務局にFAXかE-mail、葉書でお申し込みください。
引き続き参加される方は、連絡は必要ありません。
1月に欠席される方、新たに参加される方は、お手数ですが、1月10日(水)までにご連絡ください。
お手元に「ともに」3・4号ある方はお持ちください。
1月の勉強会は「ともに」についてですが、こんなことが聞いてみたいというご要望があれば、事務局までお寄せください。
初めての方も、ぜひご参加ください。
( 勉強会 担当 )
女の子グループ の 活動について
先日の12月2日(土)に、岡山市平井の東山公民館で、卵のカラを使ってのクリスマスのオーナメントを作りました。
最初は、全部カラをつぶしてしまったらどうしよう・・と、親の方が心配していました。
それでも、最初の1個目はつぶれても、後は3個、4個と次々に親子合作が出来上がっていきました。
やはり失敗をおそれず、なにより経験が大事なんですね。
出来上がりもかわいらしく、みんな大満足でした。
また、川崎医療福祉大学のクリスマス会では、できあがったオーナメントをお願いしてツリーに飾っていただきました。
子ども達も自分の作品を気にして見に行ったりと、うれしい思い出になりました。
本当にありがとうございました。
次回は、ほとんどの子ども達が初挑戦の、太いカギ針での編み物です。さて、どんな事になりますやら・・・、
でも色々と経験をさせてやろうって、みんな張りきっています。
次回また報告させていただきます。
( 女の子グループ 担当 )
クリスマス会 大成功!!
12月10日、あいにくの雨でしたが、川崎医療福祉大学 岡山県自閉症児を育てる会を支える会主催のクリスマス会が盛大に行われました。
今回初めて育てる会のお世話役として参加しました。といっても大したことはしていません。全て川崎医療福祉大のボランティアさんの計画で、私は参加者へ連絡係をしたくらいです。
風邪が流行っていたこともあり、当日参加できなくなった方もいましたが、お父さんの飛び入り参加もあり、予定通りの人数が集まりました。
ボラのYさんと子供たちが出かけてすぐ今田さんの講演が始まりました。途中、20分くらいでもう子供の歓声が聞こえます。スタンプラリーを楽しむより、急いで帰ってきた子もいるのかもしれません。その歓声を背で聞きながら、今田さんの親への苦言を聞き・・・もっとたくさんの人に聞いてほしいと思いました。
昼食は本当にバリエーションの多いおにぎり、バラエティに富んだ料理、普段の腕前が皆さん披露できましたか?
コンサートも素晴らしいものでした。司会のサンタさんが緊張していたのが印象的でした。大きな音が苦手な子もいると思っていましたが、どの子も演奏の後大きな拍手をしていて、楽しそうでした。
クリスマスの子供の知っている曲が次々演奏され、いっそう盛り上がりました。
ケーキもおいしかったです。ボラさんの分がなかったので、申し訳ない気持ちで食べました。
フィナーレのゲームとお姉さんのOHA〜。
ジャンケン列車があんなに盛り上がるとは思っていませんでした。
アブラハムの子も、急きょお願いしたMさんをリーダーとして、みんな上手に踊っていました。
オハロックは、お姉さんの可愛いエプロン姿と笑顔で、自分の年も忘れて楽しく踊りました。
終わって帰る車の中、「今日楽しかった人〜?」「はーい」、「また行きたい人〜?」「はーい」。大声で叫んでいました。
一つ一つ上げればきりがありません。言える事は、川福の皆さん、本当にありがとう。
私たちはあなたたちの暖かい気持ちに助けられて、又明日から子供と頑張って向かい合おうって元気が湧いてくるんです。
本番はまだなのに、こんな楽しい会に出て、もうクリスマスが終わったような不思議な気持ちです。そのくらい子供も大満足しているのでしょう。
学校の宿題でクリスマス会のことを日記に書いていました。スタンプラリーがすごく楽しかったようです。くまやうさぎのことを先生に説明していました。文の最後に「また行きたいです」と書いてありました。
また来年も企画してくださいね。楽しみにしています。
( クリスマス会 育てる会担当:M )
楽しいことはやっぱり誰でも大好きなんですね。どの子も最後まで笑顔でやれました。
今田さんと息子さんの仁史さんも最後まで参加していただけてとてもよかったです。
一人一人に感想を伺いたかったのですが、今回は何人かのボランティアさんとお母さんにメッセージをいただきました。
それでは、まずお母さんからのメーセージです。
クリスマス会に参加して
K.J
私(母)と息子(小1)そして姉(小3)、妹(4才)まで参加させていただきました。
抽選にもれた方にはなんだか申し訳ないと思いながらも・・・しっかり楽しませていただきました。
2Fの入口で出迎えて下さったボランティアの学生さんが夏の合宿で息子を担当して下さった方で合宿の思い出がよみがえりました。
息子に「夏の合宿の時のお姉さんよ!覚えてる?」問いに「うん!」という返事。きっと息子も夏の合宿のことを思い出していたと思います。
スタンプラリー、バイキングの昼食、コンサート、おやつ、ゲームとプログラムに沿ってのクリスマス会はとても楽しく、貼ってあったプログラムが印象的だったようです。
家に帰ってからこたつに寝そべって何を書いているのかと思ったら・・・家でしようと思っているらしい!?
クリスマス会のプログラムを書いていました。
クリスマスかい 1.はじまり 2.ゲーム 3.ビデオ・・・なんと18番まで書いてありました。
クリスマスにこれだけのことにボラさんのように辛抱強くつき合って過ごせるか、ちょっと、いえ、かなり心配です。
講演会の今田さんの体験談はとても迫力!!があり、同じ男の子を持つ親として、とても参考になりました。
学生の皆様、おにぎりもケーキもとてもおいしかったです。ありがとうございます。次回もぜひ参加したいです。
それでは、いよいよ招待をして下さったボランティアさんからの熱いメッセージです。
中村 愛
クリスマス会が終わって、ホッとしているというよりも、クリスマス自体終わってしまったような心にポッカリ穴があいてしまった様なサミシイ気持ちです。
本当にありがとうございました。
正直、準備にとりかかるのが遅く、気ばかり焦る日が続きました。アレもコレもしなくちゃ・・・
やればやる程次から次へと課題が出てきました。
「何か手伝うことない?」と言ってくれる友達にも何をどう頼んでいいかわからない自分がいました。やることは山ほどあるのに・・・ うまくまわらない自分自身にイラ立ちさえ覚えていました。そんな時、一番励みになったのが何気ない友人からのご苦労様、大丈夫だよのメールと、先輩からのお疲れ様のメールでした。
今回は先輩の協力なくしては成り立たなかったクリスマス会です。忙しい中、飾りもスタンプラリーの準備もなにもかも手伝っていただきました。本当に頼りきってしまいました。改めて先輩達の力の偉大さを実感しました。それとともに私自身の未熟さも痛感しました。先輩方!本当にありがとうございました。感謝感謝です。
クリスマス会前日の夜、緊張や不安からねむれなくなるかと思っていたのですが、そういうこともなく、泊り込みをした友達と共に明け方まで語ってしまい、別の意味でねむれなくなり、寝坊をしてしまうという大失態をやらかしてしまいました。
大慌てでおにぎりをにぎって、急いで学校へ。学校に着いても片付け等やっていたら予定していたオハロックの練習時間がなくなり、1コーラスだけ踊ってクリスマス会がスタート。
はじめのあいさつも考えないままバタバタした中で始まってしまいました。みんながスタンプラリーへ行っている間に昼食の準備をしたのですが、どれも本当においしそうで・・子供よりも目が輝いていたかも。そのスタンプラリーは「読みが甘かった!」の一言です。1位の彼はたった15分で帰ってきました。スゴーイ!
ごはんも本当においしかった!さすがお母様たちです。ケーキは今年も人気でみんなのおいしそうな顔が嬉しかったです。一番心配していた練習不足のオハロックも、お父さんお母さんまでノッてくれて、踊っているこちらも本当楽しかったです!!
反省点も課題も山のようにありました。細かい所まで話し合いができていなかったり、時間の流れをうまく伝えきれていなかったり・・・。もっと皆が意見を言いやすい環境を作ってあげられていたらなとか終わってみて気づくことも多くありました。
でも、子供たちの笑った顔、オハロックを躍る姿等楽しんでもらっているなぁと感じる場面をみて、「良かった!」と心から思いました。
大満足です。
雨の中、来て下さったご家族の皆様、本当にありがとうございました。
来年も是非是非来てください!!お待ちしています。
最後に後輩たちへ。忙しい中、夜中に名札を作ってくれた2年生、どんな様子かわからないけど去年の経験から相当しんどかったであろうケーキ作りをしてくれた1年生の女の子たち(70人分なんてびっくりしたよね?)、バイトまでの間、手伝いに来てくれたり、「空き缶がいる!」との先輩(私)の声にごみ箱をあさって探してくれたり、「なんて先輩だ」って思ったことだろうけど、後輩達の力ってホント大きかった。終わってからの反省会で「楽しかった!」の声が聞けたこと、「来年も頑張りたい!」と言ってくれたこと本当に嬉しかった。皆がついてきてくれたから「良かったね」っていえるクリスマス会ができました。
本当に本当にありがとう。来年はみんなが主役、私達はサポート役です。先輩達みたいにみんなを支えてあげられるかは心配だけど、できる限りのバックアップはするつもりです。思いっきりやってください。
自分達が楽しくできたら、絶対子どもたちも楽しいはずです。
K
ケーキ作り担当で、作り始めたときはどうなるかと思いましたが、子供たちが喜んでくれたので嬉しかったです。失敗ばかりで、子どもに「おいしくない」と言われたらどうしようかと夜も眠れなかったですが、子どもの笑顔を見たら、疲れもどっかに飛んでいきました。今から来年のクリスマス会がとても楽しみです。
1年後、きっと子ども達は大きく成長しているのでしょう。私も負けないよう頑張ります。
O
ケーキの数を聞いた時正直びっくりしました。
たくさんの数、それもチョコレートケーキは作ったことがないので、どうしようと思いました。作ったあともみんなおいしいといってくれるか心配だったけど「おいしい」といって、頬張って食べているのをみて、作ってよかったなと思いました。
スタンプラリーは楽かなと思っていたのは最初だけで、Rちゃんが元気にポイントを探しているのを横目に階段の上がり下がりで少しバテ気味になってしまいました。
1日があっという間にすぎてとても楽しい時間でした。
たくさん反省点も出たけど、先輩達のあたたかさが伝わってきたクリスマス会だと思います。
お疲れ様でした。
S
10日を迎えるまで楽しみな気持ちと、子供たちに1日中楽しんでもらうにはどんな接し方をしたらいいんだろうという緊張でいっぱいでした。
私は1日Hちゃんを担当して一緒にすごしました。はじめはお互い緊張があったせいか、なじむことができませんでしたが、スタンプラリーが終わった頃からお互いに笑うようになり、Hちゃんも楽しそうな様子を見せてくれて本当に嬉しかったです。とくにコンサートとゲームはとても楽しんでくれていたようでした。
S
ほかの「育てる会」の活動よりも人数がすごい多く、一人の子どもをみるだけでも精一杯の自分にとってはすごく不安だった。
子供さんの後を行くようなときも多かったので、少し残念でした。でも、そういうのも含めてとても楽しかったし、無事に終わってよかったです。
T
担当した子供さんはとても元気な子で、スタンプラリーの時は2人で学校中を走り回り、ケーキも小さな体でほぼ2個分食べてくれました。
ただ、イベントとイベントの間のまをうまく埋めてあげることができなくて、何をしていいのかわからない不安な時間を与えてしまったのではないかと反省しています。子供さんとお母さんにとって楽しいクリスマス会であってくれるといいなぁと思っています。
K
担当した子もとても落ち着いていて、楽しそうにしてくれている姿をみると、とても嬉しく私自身も一緒にいてすごく楽しかったです。
食事の合間にやった家族紹介も、皆さんの個性的なキャラクターで、たくさん笑わせていただきました。本当に全ての家族が温かいなと感じました。
今年成功したのも皆さんの協力があってのことだと思います。ありがとうございました。
H
準備の段階は大変だなぁという思いでしたが、当日になり全ての準備が整うと、予想以上に盛大でした。本当のクリスマスより15日も早かったけれど、気分はすっかりクリスマスでした。
担当した子もスタンプラリーを楽しんで、予定より早く終わり、余った時間をエスカレーターに挑戦したり、講義棟を探検したりして、楽しく過ごすことができました。
K
クリスマス会を終えての感想というと、すごく成功したんじゃないかって事です。準備段階では不安ばかり頭に浮かび焦ることが多かったですが、当日は思っていた以上にみんなに楽しんでいただけたようで嬉しかったです。個人的には1日中をT君と過ごしたけれど、T君の笑顔を見ることができたということ、そしてT君と触れ合えたということは個人的にも嬉しかったことです。
育てる会とは交流をもち始めて以来1年と数ヶ月。余り長い期間ではないけれど、子供たちの成長を確かに感じることができ、自己紹介の時には感動してしまいました。
T
クリスマス会は私たち3年が中心だったとはいえ、忙しい中での先輩の多大な協力と、真剣についてこようとしてくれた1,2年生に支えられた全員で作り上げた会になりました。
とてもうれしく、また自分の未熟さを感じつつもクリスマス会は成功だったという実感は強く残っています。子どもと一緒に過ごせなかったことは残念に思うけれど、それと同じくらいスタッフとして働けたことで、みんなの笑顔を見られたことで参加できたことに喜びを感じました。
先輩、1,2年生、お父さんお母さん、参加してくれた子ども達みんなで作り上げたクリスマス会は最高の思い出です。これから先も伝統として続き、いつまでも参加していられたらと思わずにいられません。
H
クリスマス会全体としては成功したと思うので、終わりホッとしています。
しかしスタッフとしては反省点を残したものとなったように思いました。もう少し私自身もスタッフも、それぞれがみんなを引っ張っていけるようになり、積極的に発言できればよかったなぁと思いました。
至らないところがあったにも関わらず、子供たちが本当に素直に喜んでくれたことがとても嬉しかったです。子供たちの嬉しそうな顔をみたら、疲れも一気に吹っ飛んでいきました。子供たちの生き生きした顔をみるのはいいなぁとつくづく感じました。
来年はこの反省をいかして、もっといいものを後輩たちに作ってもらいたいです。
そして来年も多くの参加をお待ちしています。
みなさん、ありがとうございました。
こちらこそ、本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
また抽選にもれた子ども達、ご家族の方には本当に申し訳ありませんでした。来年はできるだけ多くの方に参加いただけるよう考えていきたいと思います。
続いて、思わぬ嬉しい話が、このクリスマス会から生まれていますので紹介します。
ボランティアのための講演会
〜 クリスマス会から生まれた企画です 〜
岡山大学 堀 顕吾
12月10日に川ア医療福祉大学でのクリスマス会に参加させてもらいました。
ウォークラリーをして学校中を歩き回ったり、大学の吹奏楽部のクリスマスソングを聞かせてもらったり、手作りのケーキが出てきたりと、1日中子どもと一緒に楽しませてもらいました。
クリスマス会で、講演をされた今田さんと話をする機会があり、ボランティアとしての自閉症児との関わり方などの話を聞かせてもらいました。いっしょに話を聞いていた、川崎医療福祉大学の中西さんと「こんないい話は、自閉症児との関わり方がわからず疑問を抱えている学生や、もっと自閉症について知りたいと思っている学生に聞かせてあげたい!」という話になりました。
今田さんの話の中で、子どもが小さかった頃(今ではもう私よりはるかに年上、34才の息子さんですが)、十分なサポートもなく、部屋の中でじっとできず、机の上を走り回ったり、パニックを起こしたりする子どもにどう対応すればいいのかもわからなかった。
今とは全く違った環境で子どもを育てなくてはならなかったこと、子どもを守るため社会の中で生きる練習を一緒にしてきたこと・・などを聞き、ボラも同じように子どもを長い成長の中で見ていくことができればいいなぁと感じました。
このような話を聞く機会を多くの学生に持ってほしいと思い、今田さんに講師をお願いして、ボラのための講演会が開こうと考えています。
学生が中心になった自閉症について考える場を持つことで、子どもにとっても、そして学生にとっても得るものは大きいはずです。まだ計画中のことですが(今田さんにも、まだこれからお願いするところです)、みんなで話し合う場を作っていきましょう。
この企画、実現すると嬉しいですね。大学を超えて、いっしょに企画段階から参加していただける方がいらっしゃったら、事務局が取次ぎますので、ぜひご一報ください。
Tel.Fax. 08695‐5‐3162 teppey@mx3.tiki.ne.jp です。
―ADHD LD 自閉症! 気になる連続性の子どもたち―
著者:精神科医 佐々木 正美
子育て協会 発行 (定価1,050円+送料)
この本は、川崎医療福祉大学教授の佐々木正美先生が横浜市で毎月行われている佐々木ゼミの講義をまとめたものです。
ADHD(注意欠陥他動性障害),LD(学習障害),自閉症それぞれの解説やこれまで分かりづらかった3つの関連性の説明、教育や治療にむけてのアドバイス、今問題になっている行為障害についても分かりやすく書いてあります。
LDを中心に書いてありますが、その周辺の子供たちとの連続性を学ぶことが出来ます。LDと高機能自閉症との関係、そこに合併しやすいADHDとの関係が今一つわからない、もっと知りたいと思われている方にはおすすめの一冊です。
同じく子育て協会から出ている佐々木ゼミの講義内容をまとめた佐々木ノートもとてもわかりやすい内容の本です。@LD A自閉症・・23号まで。
併せて紹介します。
O.M
この本は一般書店では販売していませんので、会員の方で購入希望の方は、事務局へ申込み下さい。
一括購入後、お渡しします。(申込み締切り 1月8日 出来ればFAXで)
近隣の講演会等のご案内 |
倉敷 TEACCHを学ぶ親の会 講演会
『TEACCHを実践した 特殊学級での取り組み』
日 時:平成13年1月12日(金) 1月30日(火) 11:00〜13:00
注意!:講師の日笠さんの都合で日程が変更になっています:注意!!
(昼食は当日会場で注文を受けます)
場 所:倉敷市 福祉センター 3F 第1会議室
講 師:日笠 真理子
さん
(TEACCHプログラム研究会
鳥取支部 代表)
参加費:親の会会員 500円、一般 1,000円
申 込:不要
日笠さんは、現在養護学校に通われている中1のお子さんがいらっしゃって、小学校の特殊学級でも、養護学校でも、TEACCHを取り入れた学校生活を送っておられるそうです。
その様子のビデオを見せてくださりながら、お話を聞かせていただけるそうです。
第4回 TAS(丹波自閉症療育研究会) 講演会
『大人になった自閉症児 <就労支援> の試み』
日 時:平成13年1月13日(土) 14:00〜16:00
場 所:篠山市丹南健康福祉センター
(篠山市網掛301 Tel.0795‐94‐1117)
講 師:志賀 利一
先生
(電気神奈川福祉センター
副センター長)
参加費:1,000円(家族で参加は2名で1,500円)
申込先:Tel.Fax.0795‐94‐3338(事務局 奥平)
幼児期の個別指導、学童期のキャンプ、そして施設のマネイジメントから就労支援まで自閉症児・者に関わってこられた現場での豊富な体験に裏付けられたお話をお聞きします。今回は、設立時から関わっておられる通所施設「ぽこあぽこ」での取り組みを中心に、とくにご著書『発達障害児の問題行動ーその理解と対応マニュアルー』(エンパワメント研究所)の内容についてもお話ししていただきます。
志賀利一先生は朝日新聞厚生文化事業団主催の「実践講座:自閉症児の余暇活動」などの講師をつとめられ、
HP(http://www02.u-page.so-net.ne.jp/ba2/machito/)やパソコン通信を通じて通信の世界でも活躍されています。
ご著書は上記以外に『続・大人になった自閉症児』(朝日新聞厚生文化事業団)、『ジョブコーチ実践マニュアル』(エンパワメント研究所)などがあります。
(「TAS通信 vol.12」 より)
なお、志賀先生は翌、1月14日(日)13:30〜16:00、こうべ市民福祉交流会館で行なわれる『自閉症の子どものクラスルーム・研究科』でも講演の予定です。
あわせてご紹介します。こちらの問合せは事務局まで。
コミュニティカレッジ倉敷セミナー
『自閉症の学校教育シリーズ 第2回』
日 時;平成13年1月24日(水) 18:30〜20:30
場 所:倉敷 水島サロン
講 師:佐々木 正美
(コミュニティカレッジ倉敷 校長・
川ア医療福祉大学
教授)
参加費:1,000円
申込先:事前の申込は不要、問合せ Tel.Fax.086‐424‐7622(岸本)
さて、この度、すべての子供たちにとっての心の健康を考え、豊かな未来をはぐくむことを礎に、学校、地域の方々、親たちが、共に学び合う場として「コミュニティカレッジ倉敷」を開催させて頂く運びとなりました。21世紀に向けて小さな一歩ですが、歩み始めたいと思います。
川ア医療福祉大学教授、佐々木正美が、校長として、月1回の勉強会を始めます。また、各界の皆様にも、お話をして頂く企画も作りたいと思っております。
どうぞ御支援の程、末永いおつきあいを、よろしくお願い致します。
(第1回セミナー 案内文 より)
第1回の案内は、前回の会報に間に合わなかったのですが、倉敷で教育・保育関係者、施設関係者、保護者の方などを対象にした自閉症学校教育のためのセミナーが全10回の予定で始まりました。
特に学校の先生などには、ぜひシリーズで参加していただきたいと思います。
『 親のための TEACCH勉強会(佐々木セミナー)』
日 時:平成13年1月25日(木)10:00〜12:00
場 所:川崎医療福祉大学(倉敷市松島)当日の使用教室は玄関付近に掲示
講 師:佐々木正美先生(川崎医療福祉大学 教授)
参加費: 300円
申込先:不要(当日 大学の教室で受付)
第10回 自閉症療育セミナー
『 誕生寺養護学校(小学部) TEACCHの取り組み』
日 時:平成13年1月31日(日) 18:30〜20:30
場 所:岡山ふれあいセンター 1F 大ホール
講 師:佐々木 正美
先生 (川ア医療福祉大学 教授)
甲元 真佐代 先生・實村 和世
先生(誕生寺養護学校 教諭)
参加費:自閉症協会会員 500円、一般 1,000円
申込先:自閉症協会岡山県支部 事務局 Fax.086‐275‐4780
すでに、誕生寺養護学校のTEACCHに対する取り組みは全国レベルに達していると思います。
今回は現場の先生からの実践報告や、スーパーバイズされている佐々木先生からの具体的なお話がお聴きできると思います。
学校の先生が、授業が終わってから参加しやすいよう、時間も夜間に設定してありますので、担任の先生もお誘いしてはいかがでしょう。
『自閉症とコミュニケーション障害児者のための
療育援助セミナー FAINAL 』
日 時:平成13年3月10日(土)・11日(日)
場 所:安田生命アカデミア (東京都府中市日鋼町1-40 0423‐51‐8311)
参加費:セミナー参加費 9,000円(昼食代込)、懇親会 3,000円、宿白 6,000円
申込先:小児療育相談センター 大杉 Fax.045‐321‐3037
近隣ではありませが、参加した方から、とても有意義なセミナーだったとお聞きしています。全国の第一線で活動する自閉症関係者が一同に会するような会だそうです。
題名にあるように、今年が「FAINAL」。このような形でのセミナーは今回限りだということです。今年は、なんとか仕事の都合をつけて参加したいと思っています。どなたか一緒に参加される方がおられましたら…、申込用紙は事務局に用意しています。
(鳥羽 俊郎)
自閉と向き合う 17
青山 新吾
教科書の使い方
ある保護者の方とお話しした時のことである。
幼稚園に通われているお子さんのことを伺った。
「幼稚園の先生方が、全然構ってくれないんですよね。みんなと同じようにさせて欲しいとお願いしているんですけど・・。」
お母さんが切実な顔で、怒り心頭におっしゃった。
僕は、その子どもさんをちょっとだけ知っていた。
先生方が構ってくださらないのか、それとも構おうとしても子どもが「構わない」のかはよく似た日本語だが大違いである。
「みんなと同じように並ばせてもくださらないんです・・」
と母は言う。
「並ばせようとすると大騒ぎをするし、やっと外に出て、列のところに連れていっても、他の子どもを見ているうちにどこかへ行ってしまうんです。」
偶然ひょんなことから知り合った、その子の通う園の先生の僕へのことばである。
そう、園の先生は担任をされながら、なおかつその子どもも指導する立場なのである。加配された特別な先生はおられない環境であることに留意されたい。
僕は頼み込まれ、内緒で,園の生活を撮影したVTRを拝見することになった。集団活動に参加できず、走り回り、我が世界で水遊びにふける子どもの姿があった。
その状況で、僕がその先生に何を申し上げたかは内緒にしておこう。人間できることしかできないという当たり前の事実を前提にしゃべったつもりである。
しばらくして、そのお母さんと話す機会があった。
信頼されている医療機関(読者の皆さんがご存知ない場所であると思われる。念のため。)の先生がアドバイスしてくださったらしく、いくつかの事柄が書かれた紙を見せてくださった。園へのお願いである。そこには
・耳で聞くよりも目で見た方が理解しやすいので、なるべく目で見えるように示してください。
・ことばかけはできるだけ短くしてください。
・先生との信頼関係が第一です。まず、信頼関係を作ってください。
などなど・・・
のことばが並んでいた。
賢明な読者の方々ならもうお気づきだと思う。
これらは「教科書」なのである。
1つ1つとってみた時には間違っていない「教科書」なのである。
しかし「教科書」が、それぞれの子どものそれぞれの暮らしの場において、いつも正しいとは限らない。
いや、正確に言えばいつも「使える」とは限らないのである。
僕は、この「教科書」を園の先生が受け取られても、事態は変化しないと考えた。
事態は、担任個人の「教科書」的基本技術の問題ではないからである。
十数人の子ども達を指導する立場にある担任の基本技術の問題で解決するほど事態は甘くないからである。
逆に“これだけお願いしているのに、やはり園の先生は何もしてくださらない”となって事態は悪化するだろうと考えた。
勇気を振り絞って、その旨話してみたが、所詮は学校の教員のことばである。信頼する医療関係者の日本語に比べれば心に届かなかったようであった。かくして、それからしばらくたって、その親子が園をやめられたことを人づてに聞いた。あまりに予想通りの展開である。僕にできることは、僕にVTRまで送ってどうにかしようと考えたその先生に連絡をとって、その労をねぎらい、励ますことだけだった。
「それだけ熱心な先生をフォローし、子どもと保護者、先生をうまくつなげなかったのはおまえの力量不足だろう」
の声が聞こえてくるようである。
もっともである。その親子に食い込めなかったのは事実であるのだから。
ただ、その「教科書」の書き手に対しても声を大にして言いたい。
「教科書は、使い方もセットでコーチしない限り、ただの紙になってしまうこともあるのです・・。」
その教科書の最後に書かれていた。
”個人指導が必要ですから、加配の先生をつけていただくなどの配慮をお願いします”
それができるのならば、とっくにそうしていたことが想像できないのだろう。
また、そのために、保護者は何をしていけるのかを一緒に考えようという発想もないのだろう。
ちなみにこのケース、お母さんが「家では何も困りません。」とおっしゃったので聞いてみた。
「好きなものだけ食べて、ウロウロしても、そのまま歩いて食べているのではないですか?」
随分な質問である。意地悪である。
そのお母さん、なかなか答えてくださらなかった。
もう、数年前の話である。今は座って食事をしているのだろうか・・・。
教科書は、それを、誰がどのように使うか が重要なのだと思う。
青山先生からの「教科書の使い方」でした。
いろいろ考えさせられるお話でした。本来なら、この会報を読んで、次号に掲載されるはずの感想文ですが、事務局担当の役得、みなさんより先に読ませていただきました。
続けて私の感想も載せさせていただきます。
みなさんからの投稿は次号に載せますので、どしどし感想をお寄せ下さい。
「教科書の使い方」を読んで
鳥羽 俊郎
青山先生の「教科書の使い方」、そうですね。身につまされるお話でした。
親であれば、みんな大なり小なり、これまで直面してきた問題でしょう。
園の先生も、それを相談された青山先生も、それぞれのおかれた状況のため「できるかぎり」のことしかできないにせよ、子どものためにそのできる限りの努力は惜しまずにしていただいています・・
医療関係者の方も、加配が無理という現状を知る機会に疎かったという面はあるにしても、最もいいと思われるアドバイスを「教科書」の形にして、親や園の先生に対して伝えようとしてくださっています・・
もちろん親も、子どもの問題点を見つけることには熟練していなかったにしても、子どもの成長、落ち着いた生活、幸せな暮らしを願う気持ちは、他の誰より強く持っています・・
みんながみんな、善意で動いているはずなのに、残されたのはその場では救われなかった子どもがひとり。
では、どうすればよかったのでしょう。あるいは、今育てる会で就学前の子ども達を育てている若いお母さんにとって考えてみた時、取るべき最善の方向とは、何なのでしょう。
まもなく始まる21世紀、子ども達にとって幸せな世紀とするべく、みんなで考えていきましょう。
育てる会からは、不幸な親子は一組も出したくありません。
これらの問題は簡単には解決できるはずもありませんが、年の終わりに私なりの私見など・・思いつくままに
(1)「できる限り」のことが、文字通り限られているなら、それをできるだけ大きくしていく。
具体的には加配の先生がつかない・・・というのは、障害者福祉の面で後進県だけのようです。
関西圏の方と話しをすると、自閉症のような重い障害の場合サポートがつくのが当り前でしょう、と言われてしまいました。
教科書」を書かれた専門機関の先生も多分同じ認識だったのでしょう。
ただし、行政が相手、特に赤字県として有名な岡山では・・自分の子どもには間に合わないかもしれません・・でも、後に続く子どもたちのために、みんなで声は上げ続けましょう。
(2)「教科書」が役にたたない場合。これには二通りあると思います。
一つは、先の加配の例のように、教科書自体が非現実的な場合。
今回のような
“個人指導が必要ですから、加配の先生をつけていただくなどの配慮をお願いします”、というような教科書になってしまう誤解の原因は、医療と教育が連携していないためでしょう。
学校や園の現場に介入できる医療専門家といえば、校医等限られた医者だけ。
その校医が自閉症の専門家である確率は・・宝くじなみです・・
やはり、親が伝書鳩になって、双方に情報を伝え合うのが現実的策?
もう一つは「教科書」自体は正しくても、それを実際に指導する人材がいない場合です。
物理的にいない場合((1)の加配の例など)は親と先生で工夫しあっていくのがベストでしょう。
例えば、先の教科書の例でいくと、視覚支援や言葉の簡潔さなどは、他の園児にも有効なはずです。まず、先生にそのあたりの事はお願いして、そこから先の我が子にあった支援というのは、これは我が子の能力を見ながら、親が作っていくしかないでしょう。
そこまで園や学校に要求するのは、現実的に無理があるように思えます。
教科書を見ながら親が作ったものを先生に使ってもらう・・ぐらいの気持ちがいいと思います。
教科書の最後にあった信頼関係(?)、これは障害のあるなしに関係なく、教師としての全ての子どもに対する努力目標でしょう。
これについては、あまり「教科書」としてのせるべき内容ではないと私には思えますが・・
(3)親としての問題の認識。
このお母さんほど極端ではないにしろ、確かに私達は子どもとの生活の中で「慣れ」の中から問題を見過ごしてしまっているケースが多いように思います。
じつは我が家でも昔、哲平が就学前、ソファーでずっとピョンピョン跳びをやってた時期がありました。
日常的風景になってしまって、たまに「ホコリが出るからやめなさい」という程度。
ある時、哲平の障害を知らない知人が訪れて、異様なものを見るように目を丸くして・・アア、これは世間の普通の人からみれば異常行動なのだ、と気づかされました。
また今でも、キャンプなどでお世話になるボランティアさんから「おかしなところ」として指摘されることもあります。
最近は年令にふさわしくない行為、今度は障害という面に目を向けすぎて、本来の中学生なら当り前のことをさせてこなかったため、というものが多いようです。
これを防ぐには、IEPの評価表のように、客観的に細かく子どもの日常を分析して評価してみるというのが有効のように思えます。
問題点を見つけて、その解決をはかっていく。
自閉症の子どものためには、普通の子の親以上に賢い親になることが要求されているように思えますね。(健常児の兄弟の方はここまで考えないでも、勝手に大きくなりました・・)
でも、要求しているのが、ほかならぬ我が子です。
21世紀も、続けてもうひと頑張りです。この子たち、返してくれる喜びも大きいです。
以上、青山先生の「教科書の使い方」を拝読して考えた、私なりの使い方でした。
教科書には一般論しか書いてありません。それを我が子に合うように応用、変更していく事、それが自閉症児の親に与えられた役割のような気がします。
それでは、今世紀最後の会報は吉田先生にしめてもらいましょう。
題して「失礼な話」です。
失礼な話
吉田 英生
夜になって、電話のベルが鳴ることがあります。
「すみません、遅い時間になって、ご迷惑かと思ったのですが・・・」
縁あって、年に数回子どものことについてお電話でお話しをすることがあるお母さんからの電話です。先方は、なにか困ったことがあるからこそかけてみようと思っているのでしょうが、たまにお話しすることを私の方は楽しみに感じることもあって、うれしく受話器に向かいます。
とは言え、子どもにはほとんど会うこともありませんし、お話しを聞くことも年に数回のことですから、その子どもさんの名前がすぐには思い浮かばなかったり、年齢や今の暮らしの環境などについても思い出せなかったりしたまま、話しを始めることがあります。
「今、お時間よろしいですか?」と、いつも、こうお断りを入れてくださってから話しを始めます。今すぐ大急ぎで仕上げなければならない仕事がそうあるはずもありませんから、お断りをいただかなくてもたいていは大丈夫なのですが、例え、忙しくても10分や15分は話しをしようと思えるものです。
「この間は、ありがとうございました。」
(「この間」っていつのことだろう?夏休み頃だったかな?)
「おかげさまで、行くのをすごく嫌がっていたのですが、元気に行ってます。」
(何がイヤだったのかな?そういえば・・・)
時折、お話しをする子どものことですから、失礼ながらいつも頭の中にあるわけではありません。
そうするうちに、ぼんやりと前の話しが蘇ってきて、子どものようすが浮かんできます。
そんな感じであっても、僕が臆せず相談にのれるのは、今まで何度かお話ししてきたであろうことと、今自分が考えていることとに違いがなく、基本的なことは首尾一貫してお話しをしてきているという自信があるからなのでしょう。
ともあれ、親から見たうまくいかないこと、理解できないことについて話しが進みます。
「園で牛乳が飲めないのを嫌がっているようで、心配しています。」
「牛乳なんて飲まなくたって、全然かまわないですよ。僕も幼稚園のとき、3時のおやつの時間まで、保母さんとにらめっこしていた記憶があります。」
実は、今も学校でどうやって牛乳を味わわずに飲もうかと日々考えているくらいなのです。もし、牛乳を飲むことが学校の「使命」になったら、ぼくも学校嫌いになるのは確実です。
このたぐいのことは、子どもを育てる上で、「木を見て森を見ず」ということにならないようにする、おおらかなゆとりが大人に必要なことだと思います。
「登園後の日課がいつも決まっていて、初めての遠足の日は出発時間が早くてそれができません。せっかくの遠足がそれから不機嫌に過ごすのではないかと心配です。」
「その日課をその日だけは早くさせてもらったらよいかもしれないし、事前に、その日課を当番制にして、その日課をしなくてもよくなるような練習をしてもらうきっかけにしたらどうでしょうか。」
いくら親が考えたって、人が考えるパターンはしれたもの。視点が変わるだけでも方法が変わり、子どもにうまく伝えるすべが増えるかもしれません。
「神は細部に宿る」ではありませんが、日々の小さなできごとに大人が知恵を広げてかかわる細やかさも必要なことです。
とはいいながら、私自身も子どもと過ごす学校現場で、問題や課題こそ違え、こういった頭の切り替えや知恵を絞って細かなことを積み重ねることがほとんどできていないのです。
言った本人が、自分ができていないことを話しながら反省し、「ありがとうございます。元気が出ました。」という母親の言葉を耳にして、(ボクもがんばらなくちゃねえー)と、ほのかな灯を心に燈すのです。
「お電話からでも、先生の声や話しぶり・・・、私の方が1本1本ほぐされていくようで、時々、こうして根の部分を見直すことがとっても必要なのだと思いました。」と、ご丁寧なお手紙までいただきました。
「オレみたいなモンに、こんなていねいにするくらいだから、子どもも大切にしすぎるのかもしれないねー。」などと重ね重ね失礼なことばを口にしながら、やっぱりオレもがんばらなきゃいけないなーっと思うのです。
21世紀が始まります。気持ちも新たに、これからもがんばりましょう。
気をつけ!礼。
VOLUNTEER・VOICE
*親とボランティアさんが、考えるページ
さようなら今年、こんにちは来年
さようなら20世紀、こんにちは21世紀
毎日が慌しく過ぎていきます。
日が暮れて、夜が明けるだけですが、世紀が変わるなんてシーンに立ち会う事ができるなんて、やはりすごいと思ってしまいます。
しっかり起きて、見とどけることにします。
H12年もいろいろありましたね。
(読売新聞記事より)
その他にも 鳥取県西部地震や介護保険スタートなど本当にめまぐるしかったです。
さて、育てる会のニュースランキングはどうだったのでしょうか?
アンケートしてみたいですね。
育てる会も、いろいろありました。
私たちの会は、いろいろなことを積み重ね、それを固めて地盤をしっかり築いています。
来年もその上に、いろんな経験を積み重ねていけたらと思います。
それにはボランティアさんたちの助けが必要です。
本気でやったるぞ〜ってなボランティアさん来年も一年間よろしくお願いいたします。
さて、外のバケツの水も凍る冬ですが、夏合宿の原稿の掲載漏れがありました。
今年のうちに紹介したいと思いますので、どうぞ。
岡山大学2年生の丸山さんです。合宿ではスタッフとして頑張ってくださいました。
AAOでもとてもよく取り組んでおられます。今後の活躍が期待されます〜。
夏合宿についての感想
丸山 由里
育てる会の前半の大イベント‘夏合宿’に初参加でスタッフ入り。先が見えないことへの不安定感からくる不安でいっぱいでした。(子ども達はどんな気持ちなのかな?スタッフの私がこんなのでどうするんだ。がんばるぞ。)と思い直して挑んだ合宿。しかし私の不安はすぐに吹っ飛びました。先輩スタッフの方々、世話人のお母様方の明るく暖かい雰囲気に私の心はほぐされたのでした。
私はこの合宿でいっぱい感動していました。そのなかで大きな感動が3つあります。
1つ目は、フラッグアートで子ども達の作った旗が体育館いっぱいにつるされた時。
2つ目は、DRの第3ステージの時。
そして3つ目は退所式の時です。
それらの時、心の中が暖かくてとってもやさしい気持ちになりました。
後泊のボランティア交流会への参加人数がすこし少なかったのは残念です。
しかしこの交流会で様々なお話がうかがえました。はっと気づかされるものがあったり、すごいなと思ったりとかなり勉強になりました。今後もボランティア同士の交流が深まっていけたらいいなと思います。
今回の合宿を通してたくさんのことを学びました。このような機会を私に与えてくださった方々、自閉症児を育てる会に出会えてよかったです。スタッフの先輩方、先輩方とスタッフをやることができて本当にうれしく思っています。ありがとうございました。
そして、育てる会の皆様、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
来年も引き続きよろしくお願いいたします。
さて、最後は兄弟からのメッセージです。
自閉症の兄弟がいる子ども達は、親の背中を見て育っているせいでしょうか、がまんしていたり、思っていることを言えないまま暮らしているのではないでしょうか。
兄弟だから「あたりまえ」いつも一緒だから「あたりまえ」。
特別な事ではありません。
もちろん、障害があろうがなかろうが兄弟でいろいろあるのはどこの家庭も同じだと思います。
けれど、もし同じような兄弟を持つ人と話が出来るとしたら、自分の居場所を見つけた時のようにほっとするかもしれません。
あたりまえに兄弟の話ができる機会を作りたいと、AKANEさん(小6)が呼びかけの原稿を書きました。
この文を読んで、どうするか決めるのは兄弟である君たちです。
初めは集まって話をするのでいいでしょう。
自閉症のことをちゃんと知る勉強会をしてもいいかもしれません。(お母さん、お父さんより詳しくなろう)
経験をつんで、ボランティアになるのもいいかもしれません。
年上の兄弟の人をよんで話をしてもらうのもいいかもしれませんね。
さて、どんな会ができるか楽しみですね。
この話を聞いて、おじいちゃんおばあちゃんも集まる会を作ろうかという声を聞きました。
岡山からこんな素敵な会がいくつも発信できたらすてきですね。
前向きな会は、大歓迎です。
みんなで育つ、育てる会! 万歳!
AKANE
私達、兄弟は、今までたくさんの ガマン をしてきたと思います。
何も知らない人から、「頑張ってね」とか「しっかりしてるな」などと不思議な言葉をかけられた人も少なくないはずです。
何を頑張るんでしょう。普段の生活で、ミニボラとして動いているからでしょうか。
私達の生活に、何気なく入ってきたこの言葉は、本当に不思議な言葉です。
『自分は何もやっていない』と思っている人も、知らず知らずのうちに私達の兄弟に手を差し伸べているのです。どうしてでしょう?
私は昔、友達にその兄弟の事でバカにされた事があります。
友達と帰っているときに、私がちょっとふざけていると、
「あんたまでバカになったんじゃないの?」
と言われた事があります。
私はその時、『あんたなんか何も知らないくせに・・・』
とずっと思っていました。
ですが、そのころは、私も良くは知りませんでした。
どうして、私の兄弟だけ、他の人と違って一緒にふざけあったり話し合ったり出来ないのだろう。
その時の悩みはそれが全てでした。
だが、つい去年私と同じような仲間にたくさん会いました。
育てる会兄弟班です。
彼ら、彼女らは、私と同じような状況で、その兄弟に接していました。
それまで、どんな事があったかは知りません。
ですが、何か同じような空気を感じるのです。
ミニボラ、兄弟班、これからその役になるチビボラ、そんな人たちは、どのようなことを考えているのでしょうか。
そこで、少しでも、私達の気持ちが伝わるような会を開いてはどうでしょうか。
きっと、つながりが持てると思います。
まだ、決めなくてはいけないようなことだってたくさんありますが、少しでも興味を持った人は、お電話ください。
お待ちしています。
賛助会員 募集のお願い
育てる会では、子ども達への支援と私たちの活動を援助してくださる賛助会員の方を、広く募集しています。
特典は、会報を、子ども達と親達の感謝の思いを添えて毎月お届できることと、講演会など各種行事に正会員の方と同じ参加費で出席できること。
年会費は 3,000円です。よろしくお願いします。
会費の振り込みは、郵便振替(郵便局にある縦長の用紙)で
記号:15430 番号:25651871 「岡山県自閉症児を育てる会」あてに願いします。
入金確認出来次第(入会連絡もよろしく・・しおりの代金もはいりますので)、会報を発送させていただきます。
特定非営利活動法人 岡山県自閉症児を育てる会 事務局 赤磐郡山陽町和田194−1 「太陽の家」 Tel.Fax.(0869)55‐6758 E-Mail acz6007@syd.odn.ne.jp |