平成14年3月31日
第47号
NPO 岡山県自閉症児を育てる会
目次
長い間、ありがとうございました
育てる会総会&講演会
賛助会員の皆様へ
今年度の活動報告
自閉症児への指導・支援講座
14年度AAOのご案内
キッズルーム
障害児教育現場教師と語る会
勉強会・サッカークラブ・水泳教室のお知らせ
卒業です
ある愛のカタチ
縁側日記
保護者から見た自閉症教育の成果について
私のお薦め本 「ジョブコーチ実践マニュアル」
近隣の講演会等のご案内
事務局だより
掲示板
春がやってきましたね。
今年は、いつもより早く桜が咲きました。
暖かい日が続いていますから、この会報が届く頃には、桜の花も散って、桃の花が、満開になっていることでしょう。
事務局のある太陽の家の近くには、たくさんの桃が植わっています。
山辺にほわーと見える濃いピンク色の桃の花は、何年住んでいても、感動してしまう光景です。
一度お花見にいらっしゃいませんか?
さて、テレビでは、連日ニュースで流れているのが、政治家の先生方の嘘についてです。鈴木宗男氏に加藤紘一氏、そしてかっこよく「嘘の総合商社」呼ばわりした辻元清美さんまでが、嘘をついていたというのが政治の世界なのでしょうか。
それに反してわたしたちの自閉症児は、全く虚実の世界とは無縁な存在。・・と、この間までそう思っていた私。ところが、先日のことです。
哲平の担任の先生からのお便りで書いてこられた内容にビックリです。
最近給食できらいなものが出て、ほしくなくなると、以前は
「ノコス」「もう食べれませんか?」「タベレマセン」と言って残していたのに、このごろは「オナカイタイ」・・ちょっと言いわけをしてみることを覚えたようです。
でも、デザートはちゃんと食べているのでだいじょうぶです。
と書いてあるのです。
「嘘をつくなんて」あんなに純だった哲平が、そんなことを・・・・。
「自閉症児は悪いことが出来ない。嘘なんかつけない」そんな風に信じていた私でした。
でも、嘘をつくんです。「嘘がつけるようになった。」考えるとすごいですよね。悪いことはやろうと思っても出来なかった哲平が、嘘をつけたという事は、成長したという事です。
天使の様に純で汚れを知らない人ではなくなった哲平くんに、少し悲しいものを感じつつ、それでも、笑って成長を喜びたいと思う私です。
また、こんなこともありました。
『恥ずかしい』という感情が、哲平に表れてきたのです。
アホなことをやってしまった後、『あ〜、恥ずかしい』というように、顔を赤らめるのです。
すごいでしょう?ポーカーフェイスの哲平にあるまじき変化です。
電車に乗って学校へ行き出してから、時計が読めるようになってきたのも、ビックリです。
『今何時?』の問いに時間はかかっても正確に応えてくれます。時間を意識する生活が、大切なんだとつくづく思いました。必要になった時、学校で学んでいたことが、本当の意味で身につくと言うことでしょうか。
電車がまだ来ないかな?あと何分したら来るのかな?何度も腕時計を見ながら、待つうちに解るようになったのではないでしょうか。
また、こんなこともあります。
ある時、聞いてみました。「哲平、おかあさんが土手から落ちちゃったのは、何月何日だったかしら?」「12月12日、日曜日落ちた。」「ルミナリエに行ったのは?」「12月23日、土曜日、横内さん、佐藤さん、石川さんといったな」と印象的だったことを覚えているのです。でも、その後、試しに色々な日にちを聞いてみると、曜日がちゃんと入っているのです。例えば、1月27日は何曜日かなと思ったら、彼に聞いてみます。ちゃんと「日曜日。AAO、イオン倉敷。本買った。田中さん、前峠さん,名原さんと、本買った」とこちらがすっかり忘れたことまで覚えて応えてくれます。
さて、こんな風に会報の巻頭文に哲平のこと、私の思いを書くのも今回が最後となります。これからは、また「てっちゃん通信」の方に書き込んで行こうと思っています。読みたい人は、郵便切手同封の上、申込んでください(・・冗談です。自費で送ります。読んでいただける方はお知らせくださいね)。
皆様に支えられて、4年半という長い期間、代表をさせていただきました。いろいろなことがありました。
ただ、仲間が欲しいと言う想いではじめてしまったようにも思うこの会が、私にとっては、何にも替えられないほどの、思いのたけをかけていく会になっていました。
いろいろなことがありました。
ここでは書ききれないほどの苦労もあったようにも思いますが、過ぎてしまえば、忘れっぽくなった頭には、遠いことです。
子どもをよりよく育てたいという思いだけでやってくるうちに、親自身が子どもに育てられたように感じます。
そして一緒にがんばる仲間がいてくれたからここまで来れたと思います。
みなさん、本当にありがとうございました。
私に協力していただいたように、次ぎの代表や、役員にも協力頂いて、育てる会を支えていただきたいと思います。
・・と、言いましても私も会からすっかり引退してしまうというわけではなく、社長・会長のあとは当然、相談役。
これからは文字通り“相談役”として、新入会員や療育に悩みをお持ちの方の相談係として、電話相談や「ゆりかご講座」を担当していきますので、今後ともよろしくお願いします。
鳥羽美千子
14年度 育てる会総会について
場所:ふれあいセンター(桑野) 二階研修室
日時:4月17日 10時〜13時30分
時間の流れは、10:00〜 総会
11:00〜 講演会
12:10〜 食事をしながら、質疑応答
13:30 終了
今回は、総会後に講演会を行います。
旭川療育園作業療法士 若松かやの先生 をお迎えして、お話を伺います。
題して、「感覚統合って、なんじゃろか」
先生の乗りの良さで、面白いお話が伺えることでしょう。知り合いの方も誘って、おいで下さい。講演会は、どなたでも参加OKです。今回は特別に入場無料です!!
総会にも大勢来て下さいね。都合のつかない正会員の方は同封の委任状をよろしく。
また、お弁当の注文も受け付けています。必要な方は、事務局までお知らせください。
自分でお持ちになっても、大丈夫です。
申し訳ありませんが託児はありません。お子さん連れでこられる方は事前にお知らせ下さい。
次に賛助会員の方への、継続のお願いです。
一年間、賛助していただいたお蔭で、なんとか赤字にもならず、会の活動が行なえました。
今年度、174名の賛助会員の方々が登録くださいました。
来年度もどうか、継続頂けますようどうぞよろしくお願いします。
平成14年3月31日
賛助会員の皆様へ
特定非営利活動法人 岡山県自閉症児を育てる会
代表 鳥羽 美千子
今年は桜の開花も早く、もう春満開という季節となりました。
賛助会員の皆様にはいかがお過ごしでしょうか?
日頃は私達の活動にご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、思い返しますと、自閉症児を抱えた母親5人が「いても立ってもおられない」思いで始めたこの会も、誕生してもう4年6ヶ月です。
そしてまだ見ぬ仲間たちの助けにもなりたいとNPOとしての活動を始めてからも丸2年が経とうしております。
その間、賛助会員の皆様や、学生ボランティアの皆様、力を貸そうといってくださる周りの方達のお蔭で、私達の活動も大きく展開してまいりました。
今年もこの1年を振りかえっての報告と、そして新たなる年度のご協力をお願い致したく、会報の紙面を借りまして、このお便りをさせていただいております。
何卒、今後も私達、「特定非営利活動法人 岡山県自閉症自閉症を育てる会」へのご支援をよろしくお願い申し上げます。
そして、お近くのお知り合いの方にも、一言声をかけていただけたら幸せです。
今年度の活動報告
(平成13年4月1日から14年3月31までの活動です)
A・A・O 活動 |
子ども達が将来自立して街の中で暮らしていけるよう、出来ることを少しずつ増やしていこうという活動です。
ガイドヘルプ活動の学童期バージョンです。保護者がその子の将来にとって 今何が必要かを考えて、活動内容はそれぞれ考えます。
同じボランティアさん二人に一年間ついてもらって、親とでは出来ない活動を行いました。
今年は2年目、毎月第4日曜日、5月から全7回でした。
キッズルーム |
人と一緒に遊ぶということが難しい自閉症児達ですが、遊具や人形劇、音楽、ゲームなどを媒介として、まずはお母さんと、そして慣れてくればみんなといっしょに楽しむことを覚えてほしい、そういう思いからの活動です。
おもに就学前の子ども達や小学校低学年ぐらいを想定して組み立てています(もちろん大きい子でも本人が楽しめればOKです)。
教材教具へは、NHKのわかば基金から助成をいただいています。岡山大学児童文化部や川ア医療福祉大学の学生さん達にお世話になっています。
こちらも2年目、今年度は5回行いました。
自閉症児のための水泳教室 |
一般の水泳教室にはなかなか受け入れてもらえない子ども達のための教室です。
指導者もコーチもボランティアさんもみんな手弁当で協力ただいております。
OSK岡山の協力で貸し切り使用させていただいています。
月1度の活動ですが、今では全くプールに入れなかった子どもも顔つけ・水慣れからクロール練習まで、個々に応じて4クラスで練習しています。
上級クラスのこども達は25m泳ぎきれるようになりました。練習が終わったあとは、みんなで思う存分プールで水遊びも楽しんでいます。
毎月第3日曜日、今年度は夏休み中を除き全11回の教室でした。
サッカークラブ |
元気な男の子たちのクラブです。ボランティアさんにマンツーマンでついてもらって、毎月一回の練習です。
サッカーは人を相手の団体競技、コミュニケーション障害の自閉症児には難しいともいえるスポーツです。
でも今年はいよいよワールドカップの年です。男の子だったらサッカーぐらいチャレンジさせたいですもんね。そんな思いのクラブ活動です。
今年は、福島小学校や東備養護のグラウンドを借りて10回練習を行いました。
女の子の会 |
女の子を持つお母さん達が始めた会です。自閉症は男女比がほぼ4:1と女の子は少数派です。
手芸や料理など、趣味としても持ってくれれば・・そんなお母さん達の願いで始まったのがこの会です。
母娘で手を動かしながら、日頃の子育ての事、女の子特有の悩み事など、話は尽きません。
女の子の会も2年目、今年は4回行いました。
勉強会 |
今年から前年の「OHAの会」に加えて「つくしんぼの会」「ゆりかご講座」と3つに分かれて勉強会を持っています。
OHAの会はアスペルガータイプや高機能な自閉症児の親対象、つくしんぼの会はカナータイプで、知的障害も伴っている自閉症児の親対象、ゆりかご講座の方は基礎編で、告知を受けてすぐの方や、悩んでおられる方のための、まずは自閉症を理解しようという勉強会です。
OHAの会 8回、つくしんぼの会 9回、ゆりかご講座 7回の開催でした。
講演会・座談会 |
今年から「自閉症児への指導・支援講座」をシリーズとして、吉備国際大学の奥田健次先生にお願いして開いています。
応用行動分析学の視点から、教育現場や家庭で実際の役に立つ講座です。
その他現場の先生を囲んでの座談会や、交流会や合宿でのミニ講演会なども行ないました。
シリーズの指導・支援講座は計3回行ないました。
ボランティア研修&交流会 |
ボランティアさんを対象に自閉症への正しい理解を持っていただくためのミニ講演会や、ボランティアさん同士の交流を深めていただく為の会です。
親が自閉症児に扮して、日常のエピソードを演じる寸劇や、親としての思いの朗読など毎年好評です。
自閉症児の愛しさ、そして大変さを知っていただいたボランティアさんはその後合宿や他の活動にも大勢参加していただけました。
今年度、第3回の研修&交流会を5月13日に行いました。
木工教室 |
毎年、木工作家の川月清志先生にお願いして開いている木工教室も今年で4回目です。
今年は年長児はキッズボックス(おもちゃ箱)に挑戦しました。お父さん達(もちろんお母さんも)やボランティアさんの手助けや、事前の先生の周到な準備のお蔭で、全員完成させる事が出来ました。
また、昨年から始めた、小さい子用の木切れをグルーガンでくっつけて自由に作品・オブジェを作る教室も楽しめました。
一年目は椅子、二年目は本だな、三年目は机、そして今年はおもちゃ箱と、毎年参加している子ども達には、自作の作品が部屋に増えていっています。宝物です。
今年も生涯学習センターの木工室で、2月10日に作品作りに取り組みました。
夏合宿 |
今年も恒例の8月に一泊二日の合宿を 閑谷学校青少年の家で行いました。
今年は企画段階から、ボランティアリーダーの学生さん達にはいっていただき、運営もボランティアスタッフの主導により行っていただきました。
親達は講演会や分科会、子ども達は今年はダンボールアート、人形劇・クラフト・キッズルームなどボランティアさんと新しい体験です。
親子で楽しんだコンサートは夏の日の夢のひとこまのように、楽しい思い出です。
ボランティアやみなさんの協力のおかげで8月25・26日開催しました。
招待行事 |
【ボーリング大会】6月3日、川ア医療福祉大学「育てる会を支える会」よりボーリングに招待していただきました。
今年で2年目、去年に続けて参加して子どもたちは混乱することもなく、ボーリングを楽しめました。やはり体験は大切ですね。
【どっちのカレーショー!!】10月7日、吉備国際大学ボランティアサークルより高梁の街でのカレーづくりに招待されました。
親たちが高梁の街を散策している間に、子ども達はボランティアさんとカレーライス作りです。
子ども達に作ってもらったカレーの味は最高でした。
【クリスマス会】12月9日、川ア医療福祉大学「育てる会を支える会」より、クリスマス会に招待されました。
この行事も「支える会」の先輩から後輩へと引き継いでいただいて、もう3年目です。
寒い中、駐車場で出迎えてくれたサンタさんやトナカイさんに感謝です。コンサートやランチョンマット作りなど、子どもたちもとても楽しめた1日でした。
みんなボランティアさん達が企画して招待していただいた行事です。感謝です。
自閉症のしおり |
昨年、自閉症という障害を、解り易い言葉で伝えたい…。そんな思いで日本財団より印刷機の助成、たばこ産業より「自閉症のしおり」作成の助成をいただて冊子を作りました。
目標通り、県下に一万部の無料配布を行ったのですが、その後もHPなどを見て注文していただける方が続いています。
助成が終わったので実費(1冊 50円、送料ともで200円)をいただいているのですが、少しでもお役に立てれば・・と今後も発送を続けていきます。
会報 |
自閉症に対する親としての理解を深める為や、会員同士の意見の交換、活動案内や情報発信などのため、毎月月末をメドに発行を続けています。
月1回の発行で、今年度12回の発行でした。
以上、平成13年度の一年間の育てる会の活動報告でした。
来年度もどうか子ども達のため、私達の活動を支えていただけます様、心からお願い申し上げます。
来年度も引き続きご支援いただける方は同封の振り込み用紙で、下記の振り込み先までよろしくお願いします。
会費振り込み先:郵便振替 記号:15430 番号:25651871
「岡山県自閉症児を育てる会」
入金確認出来次第、会報を発送させていただきます。なお会費は、年会費3,000円です。
来年度もどうぞ、よろしくお願いいたします。
それでは、「第4回 自閉症児への指導支援講座」のお知らせです。今回は下のチラシ文にもありますように、多くの先生や会員外の方にもぜひ聞いていただきたいと、大きな会場を押さえています。岡山県・岡山市の教育委員会の後援もいただいたので、市内の学校の先生あてにはチラシが配布されていると思います。新学期を前にして忙しい時期とは思いますが、会報にチラシを同封しておきますので、ぜひ先生やお知り合いの方にも声をかけていただき、お誘いしてください。
自閉症児への指導・支援講座
日ごとに春めいて、桜の開花が待ち遠しい季節がまいりました。
さて、私ども岡山県自閉症児を育てる会では、これまで会員対象に吉備国際大学の奥田健次先生をお招きして、3回の「自閉症児への指導・支援講座」を行ってまいりました。
開催ごとに参加者が増えてまいりましたので、次回よりは少し大きな会場を用意して、会員だけでなく教師の方や保育に関わる専門の方も広くお誘いして、下記の通り講演会を行うことにいたしました。
奥田先生は、応用行動分析学の立場から、自閉症や発達障害をもつ子どもたちでも、その行動を分析してよりよい方向に導くことにより、行動や日常生活を大きく改善できる、ということを療育の場で実践されておられます。
教育現場やご家庭で自閉症児の対応に困惑されている先生方や保護者の方、自閉症をより理解したいと思われているボランティアの方々へ、実際に役に立つ、そして子どもたちにとっての助けとなるお話ですので、ぜひ多くの皆様の参加をお待ちしております。
記
日 時:平成14年4月6日(土) 15:00〜17:00
場 所:岡山生涯学習センター 情報棟2階 大研修室
テーマ:「どの子もぐんぐん育つ、育てる」 ― 古くて新しい子育て論 ―
講 師:奥田 健次 先生(吉備国際大学 社会福祉学部 臨床心理学科助手)
参加費:一般 1500円、育てる会会員 1000円、学生・ボランティア 500円
主 催:特定非営利活動法人(NPO法人) 岡山県自閉症児を育てる会
後 援:岡山県教育委員会、岡山市教育委員会
申込先:〒709−0826 赤磐郡山陽町和田194−1 「太陽の家」内
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会 事務局
Tel.Fax.(0869)55−6758 E−mail acz60070@syd.odn.ne.jp
申込締切:4月3日(水)
奥田健次先生 略歴
兵庫教育大学発達心理臨床研究センター井上雅彦氏らに師事し、1999年兵庫教育大学大学院修士課程を修了。教育研究所、強度行動障害者施設の心理士などを経て、2000年4月吉備国際大学社会福祉学部臨床心理学科助手となり現在に至る。
1999年度 内山記念賞(日本行動療法学会賞)受賞 受賞論文:発達障害児における文章理解の指導−情緒状態の「原因」を推論する行動の獲得−.行動療法研究,25(1),7-22.(以上、学会賞受賞講演における受賞者紹介より)
14年度 AAO のご案内
さあ、新学期です。
何かを始めようと、むずむずしているお母さん、子どもたち、ボランティアさん集まってくださ〜い。
14年度のAAOが始まりますよ〜。
参加申し込みをご提出ください。(保護者)
手紙かFAXにて「参加を希望します」という意志と名前(子どもと保護者)、電話番号を書いて担当までお送りください。
初めて参加を希望される方へ
AAOは子どもの状態に合わせて親が計画し、子どもとボランティアさんとで実行する活動です。
保護者の方へは詳しい説明を太陽の家にて行いたいと思います。申し込みを締め切った後にご案内をさせていただきます。連絡をお待ちください。
ただし、継続の方も初めての方もボランティアさんの参加が少なかった場合には、全員のご希望にはそえないかもしれません。その旨ご承知おきください。
ボランティアさんへ
継続のボランティアさんには先月の会報にお手紙が入っていたと思いますが、お友達をぜひご紹介ください。
この会報でAAOに興味を持ってくださったボランティアさん、1年を通して子どもと接することは、保護者側の私が言うのもなんなのですが、大変勉強になります。そして子どもと距離が縮んでいくにしたがい楽しさや充実感が増していきます。ボランティアさんに向けての詳しい説明は、交流会(5月12日)で行います。
でも今申し込んで下さると子ども達が5月の第4日曜日から活動を始める事ができます。ぜひお早目によろしくお願い致します。
皆様の申し込みを、首をなが〜くしてお待ちしております。
キッズルーム 次回予告
6月16日に本年度、第一弾を予定しています。
まだ会場も未定ですので詳しい案内はもうしばらくお待ちください。
この日は水泳教室の日と重なりますので、少し早めの時間に終了できるように今調整中です。キッズルームを楽しみにしいてる皆さん今からカレンダーにチェックしていてくださいね。
内容としては今までの内容に沿って企画しています。
こうしてほしい♪♪
あーしてほしい☆☆
などありましたら是非係りまで連絡下さい。
学生さんから感想文が届いています。先ずはご紹介を
なぎさ
私は、はじめ子どもつきの予定はなかったけど、当日、つくことになりました。兄弟の方についたんだけど、まだ小さい子だったので、どんぐり体操とか一緒にやってて楽しかったです。つくし(ボードビル担当のグループ)は、ボードビルをやった後、またその子のとこに戻るのはなんか難しいなぁと感じました。でも一緒にパズルをしたり、体操したりできて楽しかったです。そして今日、はやにん(「早く人間になりたい」というゲーム)をやって、キッズでのゲームってどんなんだろう?と思ったけど、すごく盛り上がって楽しかったです。
クー
キッズルーム参加は久しぶりだったのですが、以前より子どもがだいぶ慣れてきている感じがして、こっちとしてはやりやすいと思いました。とても楽しかったです。
リトミックはキッズではよくやるようなメジャーなものばかりだったので、もっと目新しいものがほしかったです。来る子がだいたい決まっているので、そこらへんは用意するのが大変ですね。
トライアルで、スカーフみたいなのがありますよね。前行ったときはあんなんでどうやってあそべるのかなぁと思っていたけど、今日子どもが青い布をもって海とか、赤い布で火事とかやっているのを見て子供の感性ってすごいなぁと思いました。
もも
これでもう三回も友美ちゃんにつかせてもらいました。
おかげで顔も名前も覚えてもらっていて、手を振っただけですぐに気づいてもらうくらい仲良しになりました。
ボードビルはなかなかの出来だったのでは?
新キャストだったみたいだけどよく出来ていたほうだと思います。これからも頑張ってください。
のどか
私はカメラ係りだったので、子どもとあまり遊べなかったのが、残念でした。でも楽しかったです。
なぎさちゃんの反省にもあるようにゲームできるかなぁと心配している担当者の予想を見事に裏切る楽しさでした。出来ない、無理だと最初から諦めずに少しずつ新しい事に挑戦していきたいと思っています。
クーちゃんのスカーフの第一印象は担当も同じ思いでした。シッポ取りしてみたり、ただフワフワさしているときもあれば、スカートになったり、海、火事本当に子どもの見立てには担当唸りの連続です。最初からこれだと決めつけないで子どもに戻ったつもりで楽しむ時間、それがキッズルームですね。
ももちゃんの言うとおり、子どももボラも次、会うのを楽しみにしてもらえるのは嬉しいものです。でも悲しいかな、ボラさんの名前を覚えることの苦手な子どももいます。解っていても知らぬ顔をする子どももいます。諦めないで下さいね。この子達は本当にコミュニケーションが苦手なのです。(アッ!!実は担当もすごーく苦手なのです。)
のどかちゃん今回は子どもにつけなくて残念でしたね。毎回来てくださった学生さん全員子どもがつけないときもあります。逆に子どもが多くて、お兄さん、お姉さんと一緒に遊べない子どもが出ることもあります。担当としてはこの調整が悩みの種です。のどかちゃん次回は子どもにつけるといいですね。
去年キッズ登録とプロフィール表を育てる会のほうに出してもらいました。なかなか充分に活用できませんでしたね、すみません。しかし、写真を見ながら子どもと学生さんとのセッティングは楽しい作業であり、悩みの作業でもありました。事前に少しでも子どもの事を知ってもらうことがキッズを十倍楽しめる秘訣ではと思っています。準備をスムーズに進める為にも、今年度も出来れば登録とプロフィール表を事前に用意したいと思います。皆さんの協力をお願いましす。
障害児教育 現場教師と語る会 報告
去る3月27日、京山公民館にて教育現場のU先生を囲んでの勉強会を開きました。
先生からはこれから“先生”を目指している学生さん達への熱いメッセージを頂きました。
先生がどのような姿勢で取り組むかによって、クラスも子ども一人ひとりも違ってくることが伝わり、本当に有意義な時間をもつことができました。
また、親の立場から、Mちゃんのお母さんからも、子どもをわかってもらうための一生懸命なお話もして頂きました。
では参加された学生さんの一人、丸山さんからの感想です。
(Y.M)
「現場教師と語る会」に参加して
丸山 由里
私は小学校の先生を目指していて、障害児学級の子どもと普通学級の子どもとの交流に関心があったので、今回の会は本当に勉強になりました。
今回の会で私が先生になった時に気をつけようと思った事が2つあります。
1つは親の方とよくコミュニケーションをとることです。これによって、事前に回避できるトラブルが多いのではないかと思いました。そして2つめは、一人で悩んでしまわない、まわりの人々に助けを求めることです。この2つのことは、とてもあたり前のことですが、ふと気を抜くと忘れがちになってしまうことで、忘れてしまうと、大変な事態につながります。
他にもいろいろ大切だと思いましたが、私はこの2つのことが特に印象深かったのであげさせていただきました。
また、このような会があれば参加したいと思います。企画してくださった方、お話をして下さったU先生、そしてMちゃんのお母さん、ありがとうございました。
勉強会のお知らせ
OHAの会(アスペルガータイプや高機能な自閉症児の親対象)
つくしんぼの会(カナータイプ、知的障害も伴っている古典的自閉症児の親対象)
ゆりかご講座(基礎編です。告知を受けてすぐの方や、悩んでおられる方のための、まずは自閉症を理解しようという勉強会です。)
OHAの会
4月はお休みです。
つくしんぼの会のお知らせ
新年度の始まりで、少し落ち着かない雰囲気のなか、春の日差しはとてもやわらかですね。
今回も先輩の今田さんにお話していただく予定です。
日頃の悩みや、困っている事を相談してみませんか。
日 時 : 4月23日(火) 午前10時〜12時
場 所 : 育てる会事務局 (太陽の家)
参 加 費 : 300円
申 込 先 : 事務局(4月19日締切)
S.I
ゆりかご講座のお知らせ
担当が替わりました。
今月から、鳥羽が担当します。困った事があればいつでもご相談ください。都合がついたその日が、ゆりかご講座です。あなたの都合に合わせましょう。
講座というようなものではなく、一緒に考えていきましょう。事務局へお電話ください。待ってます。
鳥羽美千子
サッカークラブからのお知らせ
☆ 4月度 サッカー練習日
日 時:平成14年4月27日(土)10:00〜12:00ごろ ( 9:45分集合)
場 所:福島小学校運動場 (雨天の場合;体育館)
持ち物:マイボール・ゼッケン・お茶(ボラさんの分も)・出席カード
参加費:1000円
欠席される方は4月10日までに連絡して下さい。
サッカークラブをやめられた方でゼッケンを持っているかたは事務局まで持ってきて下さい。
Y.U
4月度水泳教室のお知らせ
日時: 平成14年4月21日(日) 15:30〜17:30
場所: 岡山ОSKプール
欠席される方、ボランティアさんが必要な方は、4月10日までに連絡して下さい。
陽射しがやわらかく、日ごとに春めいてきました。
子供達は、進学進級で、またひとつお兄さんお姉さんになりますね。
今年度も、元気にがんばりましょう。
4月以降も引き続き水泳教室に参加される方は、参加費を4月10日(水)までに郵便振替で下記の口座に振り込んで下さい。
また、4月以降お休みされる方は、ご連絡ください。
記号:15430 番号:25651871 「岡山県自閉症児を育てる会」
金額:10,000円(4月〜9月分)*8月はお休み
川ア医療福祉大学の育てる会を支える会の部長(12年度)で、がんばってくださった、中村愛さんから、原稿を頂きました。きれいでやさしそうに見えて、でも芯はキリッと強い所もある愛ちゃんでした。力のあるボランティアでした。子どもとのやりとりを見た事があります。子どものワガママには決して譲らないけれど、誉めることが上手で、いつのまにか子どもをその気にさせて行く。そんなテクニックを持っている彼女でした。卒業後、5月に結婚されるとか…。愛ちゃん、しあわせにね!長い間、ありがとうございました。 (鳥羽)
卒業です
中村 愛
水泳教室のボランティアに参加するようになってから2年が経ちました。
当時大学2年生だった私も4年生、もう卒業です。そしてボランティアもさみしいけれど卒業です。
2年間は本当にあっという間でした。
子ども達の成長していく姿が見たい、そしてその成長のお手伝いが何かできればいいと思い、始めたボランティアですが、振り返って今思うことは、私が彼らに何かをしてあげたのではなく、逆に私の方が彼らに励まされ、元気をもらったということです。
プールということもあり、一対一で関わるのですが、初めのうちはコミュニケーションがうまくとれず、はがゆい思いもしました。けれど、だんだんとお互いをわかるようになってからはコミュニケーションをとれるのが嬉しくて、嬉しくて・・・。この嬉しさがあるから、きっとボランティアを続けることができたのだと思います。
また、子ども達のお父さん、お母さんにも随分とお世話になりました。関わり方など、結構盗ませてもらいました。
どんどん大きくなっていった子ども達と一緒に、私も少しは成長したかな?
みんなの楽しそうな姿はずっと、ずっと忘れません。
たくさんの思い出をありがとうございました。
さあ、久々の吉田先生登場です。実は、先月号に原稿頂いていたのですが、私のミスで掲載がひと月遅れました。もうしわけありませんでした。(鳥羽)
ある愛のカタチ
吉田 英生
お母さん、
お母さん、バイキンみたいに ボクのところにくっつくな
うるさいハエみたいに 近づくな
ぼくは、自分でやりたいんだ。
知的障害がある少年の口頭詩より
以前、NHKテレビで放映された番組のなかで紹介された詩です。
このお母さんは、息子さんのこのつぶやきを忘れることができないと語っていました。親と子どもの難しい距離を教えてくれた大切なことばとして。
このお母さんは、“この子のために”と考えて、毎日毎日一緒になって、懸命にいろいろなことをやってきました。しかし、このつぶやきを耳にして自分自身の姿と子どもとのことをあらためて振り返ってみたのだそうです。
番組の中でコメンテ−タ−の牧口一二さんは次のように話をされました。
「どんなに重い障害があっても、『私は、あなたの18才までよ。』と宣言して生きてみたら、けっこう頑張れるし、自分の人生も考えられるんちゃうんかな。」
次の場面で、その息子さんが登場しました。20才を間近に控えた青年。
テレビの画面には、好きなCDを買いに店に入る息子さんと、店先まで一緒に来たお母さんの姿が映し出されていました。しかし,お母さんは店の戸口で立ち止まり、店員さんとたどたどしくやりとりする我が子をニコニコしがら見守っていました。
だれにとっても、“親ばなれ”“子ばなれ”って、難しいことです。
「危ないことするな。」「走っちゃ、ダメ。」「気をつけて。」
子どもに声をかけると、そんなヤサシイ、ウルササが顔を出してしまいます。
“わが子のために”と考えても、その子はそうは受け取らない。それは哀しくて、寂しいけれど、親の考えが全てであるはずもなし。
親ができることはわが身と家族と子どもとの暮らしを振り返ってみて、新しい日々を創ること。
18の春には離れる我が子と考えて・・・。
“お父さん、××みたいにくっつくな・・・”
我が子は私をどう見ているのでしょう?
次は、お母さんからの投稿です。ハブラシ・エグという意味不明なペンネームに私は相当抵抗したのですが、どうしてもと本人が言われるので、押しきられて掲載しました。
はじめは暗かった彼女が少しずつ元気になって行かれる様子を見ているのがうれしいです。クヨクヨまだまだするんでしょうけど、みんな歩んできた道。元気だそうね、ハブラシ・エグちゃん!(やっぱり変でしょ、このペンネーム) 鳥羽美千子
縁 側 日 記
ハブラシ・エグ
『宝くじが当ったらどうしよう!!』そんなことを考えてほくそえむことがしばしばある。未だ一度も買ったことのない宝くじ、くじ運に恵まれたことが無い為、リスクを考えるとどうしても夢より現実へと向かう自分がいる。そうであるにもかかわらず、夢をみてはニヤつくのである。百万当ったら・一千万当ったら・・一億・・・・・イヒヒ
先日テレビを見ていたら、宝くじがよく当るおじさんを色んな見地から分析していた。『その分析結果を踏まえれば、私達にもチャンスが到来する!』はずであろうといった番組内容である。
風水に始まり、精神的・科学的・・・実際に宝くじから巨額の富を得ているのであるから、その分析結果もまんざら嘘とも思えない。ごもっともそうな内容に説得力さえ備わっている。まねの出来そうな物も確かにある。だけどめんどくさいことや、ちょっとお金のかかることもあって、やっぱり億万長者への道は私には険しそうである。
この人が番組の終わりに言った事、これなら納得の締めくくりだった。
「人と人との関係が増えてくると、又これがどんどんと運を引き寄せてくる。」運は人によって又運ばれてくるらしいのだ。
確かに言えるではないか、最初の頃に比べると縁というものが増え、今皆さんに何かしら支えられている自分がいるではないか。縁が又縁を呼び、そして運をも引き寄せてくると感じている自分がいるではないか。だからと言ってやっぱり買わない宝くじは当りはしないし、その件に至っては想像の世界でニヤつくのがいいのかもしれないが、良縁が今の自分を支えてくれているというのは確かなことである。
数ヶ月前、私のところに励ましの電話を下さった方がいました。Oさん、会った事も無ければ彼女のことも全く知りません。遠い空の下のつながりも無かった人です。その方が私の書いた拙い文を会報で読んで、わざわざ電話を下さいました。本当に嬉しいことではありましたが、実はかなり驚いたというのも本当で、面識も無い方から電話をいただけるなんて・・・まさに感動ですね!
先日この方から又お心遣いを頂きました。一時的ではなく、ずっと忘れずに気に掛けて下さっていたのかと、本当に嬉しく思いました。私は随分と元気になりましたし、少しは勇気だって湧いてきました??
私はトライアスロンが趣味です。トライアスロンで得た人との出会いや縁は又素敵なものです。長く苦しいレース中には、力に変わり、私をゴールへと向かわせました。同じレースの苦しみの中で出会う人は、何も言わずに心を通わせ自然と背中を押し合い励ますものです。今形は変わったけれども、私は皆さんに背中を押され、支えられているように感じているのです。宝くじで得た巨額の富にも匹敵する私の富となっています。
個人的ではありますが、Oさんありがとうございました。いつかお目にかかれる日を楽しみにしています。そしてゆっくりと話が出来ればと思っています。これからのお互いの幸せを祈りながら・・・
私のファンタジーなる世界にお付き合い下さり有難うございました。でも、宝くじがたくさん当たったら・・・マイホームにいくらまわそうか?車も買っておこう。時計も欲しい、親や妹にも少しあげよう。自転車も街のりのが欲しい、宝石も手に入れとこ、靴も欲しい、旦那のズラ? も買っとこか、 あ〜 あたまがぐるぐるする 太陽の家にも少しは寄付するよ!私の記念碑か銅像でも建つだろうか×××まずは買わねばのう
こんな私ですが、お会いすることがありましたら是非恐れず、不信がらずに声を掛けてやって下さい!!私は病気になるほど話をしたいのです・・・
ノートルダム清心女子大学の牧野智美と、平松愛子さんが、担当教官の古元順子先生に伴われて、ご挨拶に見えました。古元先生には、会員も療育園の外来で、お世話になっていますし、私自身も哲平が小さい頃に、たくさん悩みの相談に行きました。今回は、ご丁寧に卒論を持ってきてくださいましたので、みなさんに紹介します。
「アンケートには協力しますから、卒論を見せてくださいね。」
そんな風にお願いしていました。出来上がった卒論とお菓子を持って、お礼に事務局を訪ねてくださいました。ちなみにお菓子は、いつのまにか事務局を訪ねてくれる人のお腹の中に消えました。でも、卒論は、全文がファイルに入れて保存してありますので、読みたい人は、いつでもどうぞ。
今月号は、牧野さんの卒論の要旨をまとめたものを頂いたので、会報に掲載します。(鳥羽)
このたびは、私の卒業論文の製作にあたり、アンケートにご協力くださった皆様には本当にお世話になりました。このアンケートをもとに、無事に卒論を書き終えることができました。保護者の方々の貴重な意見をたくさん聞くことができ、私自身とても勉強になりました。
卒業論文の要約になりますが、研究結果を皆様にお伝えしたいと思います。
最後になりましたが、卒業論文のご協力だけでなく、私にたくさんの貴重な機会を与えてくださった育てる会の方々には本当に感謝をしています。ありがとうございました。
ノートルダム清心女子大学 牧野 智美
保護者から見た自閉症教育の成果について
牧野 智美(治療教育学・児童福祉学研究室 古元ゼミ 984110番)
T 序論
人間は、人と人とのかかわり合いの中で生きている。人と接し、人の存在を認識しながら生活している。その中で、人と接することが苦手で、人とうまくコミュニケーションをとることに障害を持っている人たちがいる。それが自閉症といわれる人達である。
自閉症児は現在,それぞれの状態に応じた学校で教育を受けている。そこで、本研究では、どのような状態の児童がどのような学校に通っているかということを踏まえた上で、普通学級、特殊学級、養護学校のそれぞれの現場で、教育の成果はあったのかということを検討する。また、これから先、学校教育の成果をあげるためには何が必要であるかということも、保護者の意見の中から検討していきたい。
U 調査対象及び方法
1.調査対象:岡山県自閉症児を育てる会の会員で、小学生の児童を持つ保護者54人を対象にした。
2.調査方法:7月1日に発送される7月の育てる会の会報に一緒にアンケート用紙を同封し、各対象者にアンケートを依頼した。回収は,同封しておいた返信用封筒の中に回答を送る郵送法で回収した。
V 結果及び考察
1 対象について
回答が得られたのは、54名中30名(男子26名,女子4名)で回収率は55%であった。
2 児童の状態について
児童の状態、つまり機能が高いか低いかを見分けるために、自閉症の特徴と社会的な関係を考えると言葉の面と身辺自立の面からの2つの面を取り上げて考えた。
また、教育の成果を目的としているので、対象はある程度の教育の成果が現れてくると思われる小学1〜2年生を除く、3〜6年生を対象とした。
また、児童の状態は、機能の高い順から「言葉があり、身辺自立ができている」、「言葉があり身辺自立ができていない」「言葉がなく、身辺自立ができている」「言葉がなく、身辺自立ができていない」の4つに分けて考えることとする。
その結果は、それぞれの学校の特徴と児童の状態によって、大体の児童が適切な学校に通っているのではないかと感じた。また、普通学級と特殊学級に通う児童の機能差には大きく違いが見られなかった。
つまり、普通学級と特殊学級に通う児童の障害の程度に違いはほとんどないといえる。また、普通学級に通う児童は、身辺自立のできている児童よりも自立のできていない児童のほうが割合として多いということもわかった。つまり、健常児がほとんどである普通学級の中で、自閉症という障害を持つ児童は、特別な援助が必要であり、しかも、普通学級に通う自閉症の児童のほとんどが、身辺自立のできていない児童であるうえ、1学級1担任制であれば、普通学級に通うことの負担は児童や保護者にとっても、担任にとっても大きいものとなる。(図1)
図1 児童の状態と学校の関係について
3 学校教育の成果について
現在の学校教育の成果について、1・2年生のグループ[低学年群]と、3〜6年生のグループ[中・高学年群]と、二つに分けて比較した。また、問3の「それぞれの教育現場で子どもの発達はあったか」という問いについて、(1)非常にあった(2)かなりあった(3)どちらともいえない(4)成果はなかった(5)逆効果であった、の5段階評価で尋ね、これらの評価を簡単に点数化して示した(図2)。
図2 学校教育の成果について
(1)非常にあった・・・・・・・・・・・・2点
(2)かなりあった・・・・・・・・・・・1点
(3)どちらともいえない・・・・・・0点
(4)成果はなかった・・・・・・・・・・−1点
(5)逆効果であった・・・・・・・・・・−2点
(図2)をみると普通学級は、低学年群では成果が低かったものの、高学年になると成果が上がっているということは、教育の成果がみられたといえる。特殊学級での教育成果を見ると、低学年群は教育成果が大きかったものの、中・高学年になると、教育成果は下がっている。この要因として考えられることは、子どもの状態と学校選択とが適切でなかったか、あるいは学校の教師が自閉症児の特性を 理解しなかったのかのいずれかであろう。
4 領域別評価について
ここでは、「言葉の発達」「身の回りの行動」「友達との関係」「興味の広がり」「落ち着きがでてきた」という5つの領域別での教育の成果を見た。「言葉の発達」と「落ち着きがでてきた」という項目は、学校別の違いは見られなかった。「身の回りの行動」について養護学校で成果が高かったのは、少人数制で、将来の社会的自立に向けて、健康的な生活を送ることができるようにすることを目標としているため、身辺の自立に関しての指導も、基本的なこととして、力を入れているからである。「友達との関係」について特殊学級で成果が高かったのは、特殊学級のほうが同じレベルの友達がいるため、友達との関係が築きやすいのだろう。
図3 領域別評価について
5 自閉症児を持つ保護者が考えるこれからの教育について
保護者の意見として多かったものに、「一担任における指導する児童の数が多い」という意見が、特に普通学級に通う児童の保護者から聞かれた。また、教師の資質に関する問題について「障害児教育についての知識をもたない教師が担任をしている」「教師は、障害児についての勉強をもっとしてほしい」という意見があった。個々の児童に応じて、適切な教育内容を習得させるためには、専門的な知識・技術を必要とする場合が多く、普通学級でならば、担任一人の個人的努力には限界があるといえる。通常の学級に在籍する自閉症児教育の今後のあり方として要求される課題は、一つは個々に応じた指導内容の精選とそれを指導し得る専門的対応の工夫であるといえる。
W おわりに
今回の調査を通して、自閉症児の状態にあった学校の中でこそ、教育の成果が現れてくるのではないかと感じた。そのためには、就学時の学校選びは重要である。実際にどのような基準によって自閉症児を抱える保護者は学校選択をするのかについては、今後の課題にしていきたい。
私のお薦め本コーナー
『 ジョブコーチ 実践マニュアル 』
小川浩・志賀利一・梅永雄二・藤村出:著 エンパワメント研究所 1400円+税
今では、障害児の就労援助の際にすっかりおなじみになった「ジョブコーチ」という“職業”ですが、まだ別に国家試験とか資格とかはなくて、「ジョブコーチ」となのった人が「ジョブコーチ」なのですね。
そうは言っても、ただの職場への付き添いをジョブコーチと呼ぶことはできなくて、そこにははっきりとした計画性と方針を持って、障害特性を理解したうえでの支援技術を持った援助が求められています。
特に自閉症児・者の場合は従来の就労に向けての準備としてのレディネスモデル、つまり「できないことをできるようにすろ」「訓練してできるようになってから就職する」「模擬的環境を作ってその中で訓練する」という対応には苦手な子が多いですね。ある場面で覚えた技術も、場面が変わると般化できない子ども達です。
たとえ障害は重くても、実際の働く場で「できることを活かして」具体的に指導していくというジョブコーチは、待ち望んだシステムです。
・・と、難しいことはこれくらいににして、要は子どもの状態をしっかり観察して、なにができて何ができないかを見極めて、できる仕事を探してくる。そして、スムーズに仕事ができるようにやり方を工夫して、まわりの方の理解も求め人間関係の折衝も行い・・・
やがて、ひとりで仕事ができるよう、徐々に援助を減らして自立を促していく。
それがジョブコーチの役割なのでしょう。
残念ながら、岡山ではそこまでトータルに援助してくださるジョブコーチはまだまだ少ないですね。行政等に向かって、制度の充実をお願いしていくことも大事だと思いますが、子ども達はどんどん大きくなっていきます。いざとなったら自分でやってみる・・ぐらいの意気込みが必要なのかもしれませんね。そのための役に立つマニュアル本です。
また、この本の姉妹編「ジョブコーチ入門」(小川浩:エンパワメント研究所 1500円+税)の方は、実際の指導技術に焦点をあててノウハウを説明しています。家事なども仕事の一つとして見ますと、家庭でも子どもが小さいうちから教えてやりたい指導のヒントがたくさんあります。こちらもあわせてお薦めしたい一冊です。 (トチタロ)
近隣の講演会等のご案内
『 自閉症の学校教育シリーズ 』 新シリーズ 【 第 2 回 】
日 時:平成14年4月10日(水) 18:30〜20:30
場 所:くらしき健康福祉プラザ プラザホール (Tel.086−434−9850)
講 師:佐々木 正美(コミュニティカレッジ倉敷 校長・川ア医療福祉大学
教授)
参加費:1,000円
主 催:コミュニティカレッジ倉敷
後 援:TEACCHを学ぶ倉敷親の会
申込先:不要
問合せ:Tel.Fax.086‐424‐7622(岸本)
7月までは、毎月第2水曜日の同時間の予定です。
『 自閉症の理解と支援 〜応用行動分析によるアプローチ〜 』
日 時:平成14年5月12日(日) 13:30〜16:00
場 所:こうべ市民福祉センター
講 師:井上 雅彦 先生(兵庫教育大学)
参加費:1,000円、研究科会員 無料
主 催:自閉症の子どものクラスルーム・研究科
申込先:不要
問合せ:TEL&Fax 078−882−1807 山根
「自閉症の子どものクラスルーム・研究科とは」 (案内文より)
私達は自閉症の特性を理解し、それぞれの子どもにあった療育をするために講演会や実践交流をおこなっています。自閉症は中枢神経系の不具合によっておこる発達障害です。対人関係やコミュニケーションに障害をもち、また、同一性への固執を示すという特徴をもっています。これらの障害を理解し、自閉症の人たちが落ちついて過ごせるように、 環境をわかりやすくしたり、情報をわかりやすく伝えることがとても大切だと思います。では、具体的にどんな工夫があるのでしょうか?あなたも、ご一緒に考えてみませんか?
年会費 4000円
どなたでも会員になることができます。年会費を添えて例会の時お申し込みください。
3月18日、大阪自閉症児支援センターで療育現場の見学をさせてもらいました。
先月NPOの講習会に参加させてもらったのですが、その会議が長居の障害者スポーツセンターの中でありました。水泳・卓球・ボーリングなどを、障害が持っている人も気軽に楽しめる施設です。値段も安く、プールなどは付き添いの人も一人分が免除されるそうです。
この施設の近くに支援センターがあります。
思っていたよりも狭い部屋でしたが、部屋は療育の約一時間、プレイルーム・勉強室・食事室・ボーリング場と、七変化でめまぐるしくその役割が変わります。
先生や療育のスタッフ、そして春休みで手伝いをしながら勉強をしている学生さんの4人がフル回転で準備をし、療育が始まりました。教材は長年の実績がつまったほとんど手作りの品。
同行して我が子をみつめているお母さんたちの熱心な瞳。
家での様子を聞く先生やスタッフの方の真剣でやさしい顔。
そして、生き生きとしてその日のスケジュールをこなしていく子どもたち。
療育の事ははじめての私にも、この場が子どもたちにとって、そしてお母さんたちにとって大切な場である事を感じる事ができました。
「私たちではなく、お母さんたちがすばらしいんですよ」と言われた、新澤先生のことばが心に残っています。
勉強不足を大いに実感した私です。そして、自分の子育ても大いに反省しました(こんな事できてあたりまえと、せっかちに子どもに要求した・・・)。
「光とともに・・・」のマンガだけでなく、お勧め図書を読んでいこうと思います。
皆さんいろいろ教えてくださいね。
さとう よしこ
● 4月から小学校(岡山市内の小学校)に入学予定のお子さんのお母さんからSOSです。
小学校の授業時間に週2日教育補助でついて下さる方、および平日の放課後に学童保育所に付き添って下さる方を緊急に探しておられます。
共稼ぎのご家庭なのでとても困っておられます。謝礼も考えておられますので、ボランティア&アルバイトで、どなたか助けていただける方、お願いします。詳しくは事務局まで。
● 「光とともに・・・」の小学校高学年編が 「for Mrs 5月号」より再開されました。
書店 or コンビニにお急ぎください。
● 現在事務局に在庫のある本
「光とともに・・・ 1」
「光とともに・・・ 2」
「お母さんたちからの発信」
「ともに 4号」
「ともに 5号」
「ことばと行動」
「レイルマン」