sorry,Japanese only

  『 自閉症入門 』
       〜 親のためのガイドブック 〜

バロン・コーエン、ボルトン:著 久保紘章、古野晋一郎、内山登紀夫:訳
中央法規 定価 1800円 + 税
ISBN4-8058-1527-2 C3036 P1854E


自閉症とは500人に一人(自閉症スペクトルの方たちまで含めれば100人に一人)という、かなり高頻度で発症している脳機能障害にもかかわらず、その原因もおかされている部位も、予防法も根本的な治療方法も、まだわかっていないという、重篤な障害・疾病です。

この本は、医学の立場から、告知されたばかりの親の方を想定して、わかりやすいことばで、「自閉症とはどういうものか」「これからどのように育てていけばよいか」ということを、丁寧に説明している本です。

医学の限界は意識しつつ、冷静に最善の道をいっしょに考えていきましょう、という専門家の先生からのメッセージです。
児童精神科の先生の絶対数が足りない日本の親達にとって頼りにしたいお話しばかりです。

初めて告知された親の方が、少し落ち着いて正しい知識とこれからの育て方を考えたいと思った時にお薦めしたい本です。

ただ、これからの療育としては・・お医者さんらしく、いろいろな道を紹介しています。
TEACCHプログラムや行動療法、社会性スキルトレーニングや心理療法、その他にも音楽療法・言語療法・だっこ療法に生活療法・・やはり、最後は親が自己責任で、子どもに最善と思われる道を選ばなければならないのでしょうね。

私としては、告知されたばかりの小さいお子さんにはTEACCHプログラムをお勧めしたいのですが、それは本の紹介とは離れてしまいますね (^_^;)

自閉症に対する知識として、とてもわかりやすく書かれているので、ぜひお薦めしたい1冊です。

(2002.03)


  目次

はしがき
謝辞

第1章 自閉症の二人のこども

第2章 診断はどのようになされるか

第3章 自閉症と知らされてどう対処するか

第4章 自閉症の原因はなにか

第5章 自閉症と脳

第6章 心理的な問題

第7章 知能と特異な才能

第8章 教育によってできること

第9章 その他の療法

第10章 医療

第11章 思春期と成人期

補遺1 日本自閉症協会一覧
補遺2 自閉症四位団診断のための精神科医に用いられる二つの分類法
補遺3 特定の問題行動に対する行動療法の例

推薦図書
用語集
医学的解説 内山登紀夫
訳者あとがき 久保紘章
索引


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