『 こころの科学 37 特別企画 自閉症 』
特集 中根 晃:編 日本評論社 定価:971円 + 税
ISSN0912−0734 雑誌13955 5/1 1991.5
1991年の雑誌ですから、もう10年以上前になりますね。
「こころの科学」の37巻として、特別企画「自閉症」として特集の組まれた号です。
当時、息子が自閉症として告知を受けて、日も浅く、書店でこの雑誌を見つけて文字通りむさぼり読んだ記憶があります。
とくに、「テトロハイドロバイオプテリン」が自閉症への、特効薬になるのでは・・と言われて 武貞 昌志先生の「薬物治療はどこまですすんだか」に載っていたバイオプテリンについての説明記事は、手垢のつくぐらい読み返しました。あれから、10年あまり、ちょっぴり黄ばんできたページに、ある意味なつかしく当時のことを思い出します。
結局 バイオプテリンも特効薬とはなりえず、やはり地道に療育を進めなければ・・・と自覚したこの10年でした。この特別企画の記事は、当時では最先端、いまでも十分にそれぞれのテーマを解明してくれている本だと思います。
内容については、改めて中根晃先生の編で 「自閉症」(日本評論社)にまとめられています。
当時まだ読まれなかった方は、ぜひ1度は目を通しておいていただきたいと思う雑誌&お薦め本です。(2003.01)
特別企画 自閉症
目次
1 自閉症 その科学的理解 ・・・・・・・・・・・・・ 中根 晃
[ PART 1 ] どこまでわかってきたか
2 神経生理学でわかってきたこと ・・・・・・・・・ 横田 圭司・太田 昌孝
3 生化学でわかってきたこと ・・・・・・・・・・・・・ 市川 宏伸[ PART 2 ] 成熟と発達 ― 年代別にみた自閉症
4 初期症状 ― 乳幼児期の徴候 ・・・・・・・・・・ 清水 康夫
5 幼児期・学童期の行動特徴 ・・・・・・・・・・・・ 石井 高明
6 青年期・成人期の自閉症 ・・・・・・・・・・・・・・ 小林 隆児[ PART 3 ] 治療と教育の現在
7 学校での能力開発プログラム ・・・・・・・・・・・ 小林 重雄
8 TEACCHプログラムとはなにか ・・・・・・・・・・ 内山 登紀夫
9 自閉症児の行動療法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高木 俊一郎・谷 晋二
10 薬物治療はどこまですすんだか ・・・・・・・・・ 武貞 昌志
11 自閉症と家族 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 久保 紘章
12 自閉症児に学ぶ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 加藤 祥二13 自閉症児を育てて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 深見 憲