『 療育技法マニュアル 第1集
障害をもつ子どもたちへのアプローチ 』
財団法人 神奈川県児童医療福祉財団
障害児教育においては「マニュアル」という言葉は、あまりいいニュアンスに使われないことが多いようです。
一人ひとりに合わせた療育が必要なだけに、”一律”を連想させるマニュアルという言葉を避けたがるのかもしれません。しかし、広く療育法を浸透させていくためには、その効果を科学的に立証していく理論と、そしてそれを実際に行なっていくためのマニュアルの存在は欠かせないものだと思います。
本シリーズは、最初は神奈川県福祉部の委託を受けて、神奈川県児童医療福祉財団によってまとめられたものです。その後、全国療育・教育研究者や保護者の要望によって、改めて出版されたものです。その第1集としての本書は、障害に対する療法を幅広く紹介しています。発達障害だけでなく、脳性マヒの方やダウン症の方向けの療法の解説もあります。したがって、それぞれの章は短くて、それぞれの療法を実践されている方による概説・紹介にとどまっている面もありますが、各療育技法への入口としては、公平でお薦めできる本だと思います。
ただ、教育関係者・・ではない、ひとりの親として読む場合には、関係ない(?)療法もあります。その意味では、第2集「発達障害編」や第3集「自閉症編」などの方が役にたつと思われます。でも、養護学校などで、他の障害を持つ保護者の方とも知り合い、協力していくことを考えると、一般知識として障害児療育技法について知っておくことも意味があるのでは・・とも思います。
そんな見方からすると、簡潔に各療法について解説してある本書はお薦めともいrますね (^。^)(2003.11)
目次
I ボイタ法
II ボバース法
発達障害児の早期診断・早期治療を中心にIII ドーマン法
親こそ最良の医師IV 心理リハビリテイション
V 感覚統合療法
VI ムーブメント教育療法
VII 行動療法
VIII 遊戯療法
IX 家庭療育のすすめ
くらしの中での指導X 言語治療
脳性まひ児を中心にXI ポーテージ・ガイド
XII 赤ちゃん体操療法
XIII 音楽療法
XIV リトミック
XV 造形リトミック