sorry,Japanese only

  『 自閉児・発達障害児 教育診断検査 』

E.ショプラー・茨木俊夫:著 川島書店 定価:4175円 + 税
 
ISBN4−7610−0294−8 C3011 P4300E

『 新訂 自閉児・発達障害児 教育診断検査 』

E.ショプラー・茨木俊夫:著 川島書店 定価:4500円 + 税
 
ISBN4−7610−0570−X ¥4500E


自閉症児たちの将来の自立に向けて教育方針をたてていくためには、まずそのスタートにあたり正しい評価、発達検査が必要となってきます。その根っこの部分で、従来の発達検査では、自閉症児の能力のアンバランスさゆえに把握しきれてない部分があったように思えます。

ノースカロライナ大学のTEACCH部で考えられた、この心理教育プロフイール(Psychoeducationl Profile 通称:PEP)は自閉症児・発達障害児の特性に配慮して作られています。その基本は発達的視点・教育的視点・コミュニケーションの視点・病理的視点からと網羅されていて、またその採点も特徴的で、合格・不合格のあいだにある「芽生え反応」というとらえ方を重視しています。
教育的観点から、この「芽生え反応」にある課題をうまく伸ばしていこうという考え方です。

したがって、この診断検査で評価をして終わりというのではなく、ここから個別教育プログラムを作成して始めていくという検査です。
作成されたプロフィール表を見て、強い所、弱い所、そして今芽生え反応にある所などに着目して、取り組むべき課題を決めていきます。

ただし、医療機関などにおいては、そこから先の教育分野においてはフォローが難しい場合もありますので、適当な療育機関が見つからない場合は家庭で取り組まなければならないケースも多いと思います。検査自体は専門用具が必要ですし(一部代用用具の解説もありますが)、検査への専門性から専門家の方にお願いするようになると思いますが、そこから先のプログラムには親の果たす役割も大きいと思います。

発達プロフィールと病理プロフィールのグラフができあがったら「自閉症児の発達単元 267」などを参考にして、子どものための療育を始めていきましょう。始めるための「PEP 教育診断検査」です。

(2002.03)

なお、現在我が家にあるのは哲平が幼い頃に使用した1990年版です。その後「新訂」版が出版されているそうですが、内容までは確認がとれていません。
申し訳ないですが、以下の目次も1990年版のものです。


  目次

   Part T 基礎と実践法

第1章 自閉児の理解と教育カリキュラム

第1節 自閉児の発見と診断
― 自閉児は何歳頃だれによって見つけられているか ―

第2節 自閉症の診断基準
― 「自閉児」と確定するためにはどのような診断の基準が必要か ―

第3節 行動的徴候による自閉児の診断法
― 小児自閉症評定尺度(CARS) ―

第4節 医療・教育・福祉の統合
第5節 成人期までの見とおしを持つこと

第6節 長期的目標の設定

乳幼児期
3歳から就学まで
就学
小学校期前半
小学校期後半〜中学校期
中学校期以降

第7節 自閉児教育の意義
第8節 学習目標の最優先課題
第9節 問題行動への対処
第10節 教育場面と方法の構造化
第11節 カリキュラムの2大原則

第2章 発達診断と自閉児・発達障害児教育診断検査(PEP)

はじめに

第1節 診断および発達診断の定義

第2節 発達診断学の動向とその分類

1) 伝統的発達診断学の流れ
2) 小児医学、小児神経学の知見に基礎をおくもの
3) 乳幼児検診実施の際のマニュアルに関わる物
4) 諸外国における発達診断学の新しい流れ
5) 日本における発達診断学の新しい流れ

第3節 代表的な発達検査とその特色
第4節 これからの教育診断検査
第5節 PEPの基本原理
第6節 PEPの基本的特徴
第7節 その他の実施上の諸注意
第8節 PEPの補足的利用

第3章 自閉児・発達障害児教育診断検査(PEP)ができるまで

第1節 ノースカロライナ州プログラムにおける治療契約(とりきめ)
第2節 自閉児教育のための望ましい発達的評価
第3節 『自閉児・発達障害児教育診断検査』翻訳版の刊行と用具の改良
第4節 PEPによる事例研究
第5節 実施手引の作成から個別教育プログラムの研究へ
第6節 個別教育プログラムへ
      ― 個別教育プログラムの事例研究会の出発 ―
第7節 TEACCHでのPEP実施に実際

第4章 結果の解釈とケーススタディー

第1節 得点とプロフィールの解釈
第2節 事例 T
第3節 事例 U

第5章 自閉児・発達障害児教育診断検査(PEP)日本版・発達尺度の研究

第1節 日本版作成にあたって
第2節 方法
第3節 結果と考察

1) 模倣
2) 知覚
3) 微細運動
4) 粗大運動
5) 目と手の協応
6) 言語理解能力
7) 言語表出能力

資料1〜資料7

第6章 検査に用いる用具について

第1節 用具についての注意
第2節 PEPに必要な検査用具一覧
第3節 代用用具について
第4節 検査用具解説と実例

第7章 検査の構成と妥当性 ― TEACCHの資料 ―

第1節 健常児のサンプルとの比較
第2節 検査プロフィールの作成
第3節 信頼性
第4節 妥当性

参考文献

付録 検査記録用市とプロフィール用紙

  Part U 検査項目解説
         採点基準と結果の解釈

第1章 自閉児・発達障害児教育診断検査(PEP)をはじめる前に

第1節 検査刺激に対する子どもの反応を吟味する
第2節 反応を観察する
第3節 子どもの「探索」を見る
第4節 子どもの作業の習慣を観察する

第5節 一般的注意

1) 検査ラポート
2) 検査の構成とタイミング
3) 行動の統制
4) 言語

第2章 採点法

第1節 発達尺度の採点の仕方
第2節 病理尺度の採点の仕方
第3節 各項目をいつ採点するか
第4節 採点からプロフィールの作成まで

第3章 検査項目解説

第1節 7つの発達尺度と5つの病理尺度の検査(課題)一覧

1) 発達尺度
2) 病理尺度

第2節 検査項目および採点基準
第3節 図形模写の採点基準の例
第4節 検査課題の補足


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