今回は少し趣向を変えて、今年(98年)発行された、書店で扱っていない本の中から何点か紹介します。
『青年期・成人期の自閉症 ―その理解と援助―』
発行:日本自閉症協会京都支部 2,000円 (98年8月 刊)
96年から97年にかけて5回にわたり行われた、「青年期・成人期自閉症援助セミナー」の講演集です。講師(執筆者)は門眞一郎・新澤伸子・松上利男・寺尾孝士・藤村出の各氏です。主にTEACCHが中心の講演で、写真やイラストが豊富で講演会の会場の熱気が伝わってくるような本です。
申込先 〒606‐8333 京都市左京区岡崎法勝寺町82
西松栄子 Fax.(075)771‐9065
『
VISUAL メッセージライブラリ− 』
発行:横浜やまびこの里 各冊 500円 (98年5月 刊)
第1集「本当のTEACCH」(佐々木 正美)、第2集「自閉症でOK!」(藤村 出)、第3集「自閉症の人の社会参加」(篁 一誠)。やはり「自閉症療育セミナー」の講演録です。ページ数の割には少し高いかなという印象をもたれるかもしれませんが、横浜まで講演を聴きに行ったと思えば、はるかにその価値はあると思います。内容はこれもTEACCHの実践録です。
申込先 〒224‐0041 横浜市都筑区仲町台1‐2‐31‐402
仲町台発達障害センター Fax.(045)943‐9228その後の発刊本
第4号 「そして、自閉症のおじいさんになればいい」 (上野 敬子)
第5号 「いけてる就労支援」 (志賀 利一)
第6号 「はじめの一歩」 (新澤 伸子)
第7号 「暮らしの中のコミュニケーション」 (坂井 聡)
第8号 「生活を支える医療」 (藤岡 宏)
第9号 「子どもを理解する」 (DEVELOP)
第10号 「21世紀の自閉症」(佐々木正美、横浜やまびこの里職員)(2002.03 現在)
『自閉症児のことばの学習』
発行:コロロETセンター 5,000円 (98年4月 刊)
副題「話せるようになってからの概念学習」からもわかるように、これは石井聖氏の前著「自閉を超えて」(学苑社)の続編ともいえるもので、言葉が出て文字も読み書きできる段階まですすんできてからの、内言語を獲得し行動をコントロールしていくためのマニュアルです。内容は一見、小学生の学習ドリルです。ページごとに前提条件、達成基準、ねらい、指導方法、留意点、出題例がのっていてお母さんだけでも教えられるようになっています。コロロに興味のある方は「自閉を超えて」(言葉を獲得するまでのプロセスが載っています)と併せてどうぞ。
申込先 〒185‐0032 東京都国分寺市日吉町4‐16‐6
コロロETセンター Fax(042)322‐9498
『自閉症の人たちの余暇活動』
発行:朝日新聞大阪厚生文化事業団 300円 (98年10月 刊)
余暇は生活の一部です。将来を考えた時、イベント的なものだけ考えていたら、しんどくなりますよ。もっと低負担で継続できる、たとえば家事なんかいいと思うのですが・・と、新しい目を開かせてくれるブックレットです。
申込先 〒530‐8211 大阪市北区中之島3‐2‐4
朝日新聞大阪厚生文化事業団 Fax(06)231‐3004
いずれの本も、消費税込み、送料別途です。申し込めば本と一緒に振込用紙を送ってきてくれます。内容の見たい方は事務局にありますので、いつでもどうぞ。
「会報 8号」(1998.12)