■Weathercockの懲りないパソコン拡張記(その6) ■

 SCSIコネクターも変換し、SCSIによる内部増設も可能になったXt13。ところがいろいろな機器をSCSI接続に変更しても、どうもXv13と比較してのXt13のスピード、特に動作開始時のレスポンス(応答性)が悪いような気がしてきました。そこで、あまりの性能の悪さにもうこのパソコンでの拡張をあきらめようとした矢先、ひょんなことから事態は急変します。何事もあきらめずに挑戦することの大事さを強く感じた今回の拡張記でした。
 では、Xv13へのXt13の猛追撃その2(作戦名:高々度追撃戦next(爆))をお楽しみください。
16.CD−Rドライブの導入
 さて、前話(第15話)の改造の結果内蔵CD−ROMをSCSI接続に変更することができるようになり、当然といえば当然なのですがSCSIのCD−ROMを探す旅に出ることになりました。(笑)

※ 最初に今回の話をするに当たって一般的な話なのですが、
ATAPI(IDE)のCD−ROMは市場価格で4,000〜5,000円、SCSIのCD−ROMドライブは最低でも10,000円はかたい(地方在住のため。)ということを知っておいてください。(ということはSCSIのCD−ROMを購入するということは、ものすごい覚悟を持って購入しないといけないということをわかっていただければと思います。)

 さて、SCSIのCD−ROMドライブで現在でも製造・販売されているのは、σ(^^;)が知っている限りでは
TEACの32倍速ドライブとPlextorの40倍速の2製品だけだと思います。(後はあってもあんまり有名どころではないor市場に出回らないだと思います。現在ではほとんど需要がないので。)ところでσ(^^;)のお気に入りはPlextorの40倍速CD−ROMドライブなのですが、この製品は単なるCD−ROMドライブなのに14,000〜15,000円程度します。さすがにおまけパソコン&CD−ROMとしての機能だけにここまでの金額をかけるのは・・・と思ってしまいます。一方TEACの32倍速ドライブはどたばたパソコン拡張記(第15話)でも書いてますが、良い製品でした。(多少気に入らない点もあるが、ほとんど実際の使用には影響なし。)ということでこれを購入しても良かったのですが、なんか同じ製品を2つも買うのはつまらない、ということで(^^;)この製品も購入するのもためらっていました。(ちなみにこの製品でも10,000円程度します。 : どたばたパソコン拡張記第15話で購入したのは特殊です。(店が価格を間違えてたんだし。))
 ということで、SCSI製品の価格の高さに悩まされつつSCSIのCD−ROMドライブを探す日々が続いていました。そんな中、とあるショップで
SCSIのCD−Rドライブが18,800円という価格で販売されていました。最近のCD−Rドライブは低価格化の流れを受けてほとんどの製品がATAPI(IDE)接続なのですが、この製品は多少製品的に古いためSCSI接続の製品でした。しかも書き込み速度は6倍速な上(CD−R本体書き込みキャッシュ2MB)にCD−RW(読み書きできるCD−R)が4倍速というおまけ付きです。(実際のところはほとんど使用しませんが・・・。(笑))ちなみに読み込み速度は最大16倍速ですが、実際の使用においては読み込み速度は4倍速もあれば十分なので(現にXv13で活躍中のCD−Rドライブは4倍速で使用してます。)問題はありません。さらにメーカーもYAMAHAだったので特に大きな問題は発生しないと思って購入したのです。
 さて、早速Xt13に取り付け動作確認を行ったのですが・・・
目を疑うような結果になってしまいました。(お〜い)パソコンを起動して、最初の段階にSCSIドライブの認識というのがあるのですが、(SCSIのCD−ROM,HDD等)この段階でのCD−ROMドライブとしての認識に大きく時間がかかってしまうのです。これだけでもσ(^^;)的にはあんまり気に入らないのですが、これは実害はほとんどなかったので目をつぶるとしても、もう一つの点が大きな問題になりました。これは根本的な問題なのですが、音楽CDの吸い出しがうまくいかないのです。σ(^^;)は音楽CDの吸い出しにCD2WAV32を使用しているのですが、このソフトで2パスフレーム間補正読み出しを行うと、フレーム間補正を行っているという結果が出力されるのです。この結果が出力されるということは、このCD−Rドライブは正確に読み出しを行っていないということなのです。最初はXt13の固有の問題かと思い、Xv13に取り付けてあるPlextor(CD−R)とTEAC(CD−ROM)をXt13に取り付け動作確認を行ったのですが、この2機種では全く問題が発生しなかったので、最終的にこのCD−Rドライブが悪いという結論に達しました。さらに、CD−Rの焼きチェックも行ってみたのですが、多少焼きが甘いような気がします。(正しく読みとり書き込みができていない。)

※ おそらくCDの読みとりの能力がまずいのだと思われる。書き込みの問題ではなさそうです。

 とにかく
音楽CDの吸い出しぐらいはちゃんと問題なく吸い出してほしかったのでYAMAHAのサポートにこの状況を伝えると(おそらくファームウエアのアップデートを行うと言ってくれると思ってました。)「音楽CDにはデーター補正機能があるので問題なく吸い出せるはず。なおCD2WAV32というソフトは我が社では標準添付ソフトではないのでサポートできない。」というありがたい返事をいただきました。
 さすがにこの返事にはあんぐりきたσ(^^;)なのですが
(正確に読み出せないからサポートにメールを送ったのに、問題ないという返事が返ってくるとは思っても見ませんでした。)ショップに「不良品でした」と持っていくわけにもいかず、(とりあえずの動作は問題なく動くので・・・σ(^^;)にとっては大問題なのですが・・・。)結局このどうしようもない商品を今でも取り付けています。(結局18,800円の使えないCD−ROMドライブを買ったということです。まあ、もし新しいCD−ROMドライブを購入すれば復活の可能性もありますが・・・)
 今後2度と
YAMAHA製商品を買うまいと思いつつ、やっぱり有名メーカーであるPlextorもしくはTEACのCD−ROMドライブを素直に買えば良かったかなあと後で猛反省をした今回の増設でした。(これを世間では「安物買いの銭失い」という。でも18,800円の商品は安物???

※ 本当はσ(^^;)が購入した一台だけでこういう評価を下すのは問題なのかもしれません。ですが、
σ(^^;)的には不良品だけど、普通の目から見れば不良品でない商品ではショップで返金もしていただけないので、この気持ちをわかっていただくために今回あえてメーカー名を書きました。

このときの導入品

機種 内容
YAMAHA CRW6416S R6倍 RW4倍 Read16倍CD−Rドライブ

17.UIDE−66の導入

 前回(第16話)いろいろな問題もありましたが、とりあえずCD−ROMドライブをIDE接続からSCSI接続に変更したことにより、ゲームなどCD−ROMを使用する作業については、以前より動作速度がだいぶ改善されました。ところが当然といえば当然なのですが、ゲーム以外のCD−ROMを使用しないアプリケーションについては以前と同じで全く動作速度は速くなっていません。普通に行える改造はすべて行ったのですが、(CPUの交換,グラフィックボードの交換,メモリーの増設(まあ、これはXt13の能力からいえばまだ上げられるけど・・・(^^;)),HDDの交換)それでもパソコンの動作があまり快適になってくれません。(涙)もちろん動作の快適・快適ではないはフルチューンしたXv13との比較ですから、Xv13のお下がり→Xt13という状況下ではXt13がXv13より快適になるということはまず考えられないのですが、それを考慮してもXt13の速度はXv13より大幅に遅いです。
 いろいろ考察してみた結果、原因はおそらくHDDからの転送速度だと思われるのですが、HDDの転送速度の問題よりもHDDを接続している
SCSIインターフェイスのチップの問題だろうと思うようになりました。HDDがいくら高速であっても、SCSIインターフェイスのチップでのデーターの移動作業が高速でないと、どうしてもアプリケーションの応答性が遅くなってしまいます。そこで、動作の快適さを求めるためにはHDDを接続しているインターフェイスをどうにかしない限り解決しないという結論に達しました。
 さて、以前から書いていますが、Xt13にはオンボード(マザーボード上)にPC−9821標準のIDEインターフェイスとSCSIインターフェイスが載っています。PC−9821標準のIDEインターフェイスはとても遅いので、一般的な9821ユーザーはUIDE−98を使いIDE機器を増設するか、SCSIインターフェイスを利用してSCSI機器を増設するかのどちらかを普通行います。しかしXt13では以前書いたように、
UIDE−98を利用した増設は失敗したため(第10話)SCSI機器で増設を行ったのですが、今度はこのSCSIインターフェイスまで問題になってしまったようです。ところがSCSIインターフェイスがオンボードで載っているため基本的に他のSCSIボードを利用した拡張ができず、もう打つ手なしという状態になってしまいました。一時は本当に新しい98(もうちょっと動作が素直な98)を購入してこのXt13を利用した拡張をやめようかとまで思いました。
 そのような状況下の中I・OデーターのUIDE−66が発売されました。このボードはUIDE−98の後続製品として発売され、より最近のHDDに適したインターフェイスボード(Ultra DMA/66の転送方式をサポートしたボード)です。Xv13等、前回のUIDE−98の時に問題のなかった機種のUIDE−66動作報告は多数存在しましたが、Xt13ではUIDE−98の時に玉砕報告が多数存在したため、今回のUIDE−66をXt13に取り付けたときの反応の報告は長いことありませんでした。

※ ほとんどの人がまず動かないだろうと思って実験をしていなかった。

 σ(^^;)もまず動かないかな〜と思っていましたが、それでもXt13の構造が普通のマザーボードにSCSIボードを載せているという状態であるのになぜ他機種とは異なり動作しないかがかなり不思議だったので、
人柱覚悟でUIDE−66を購入することにしました。

※ もちろん失敗したときにはXv13(動作保証機種)にこのUIDE−66を使用する予定でした。(一応保険はかけてます。)

 早速UIDE−66を通勤途中のショップで購入し(8,000円程度)以前からXt13にひっそりと付いていたIDEハードディスク(内蔵HDDをSCSIに切り替えたときに使用をやめていたもの(1.7GB : IBM DJAA31700 (Xv13標準搭載HDD)))を取り付け、スイッチオン。(ピポッ)

・・・・・・・カリカリカリカリカリ・・・・・

数秒後・・・Windows98起動 \\(^^:)(:^^)//\(^_^)/

UIDE−98の時にあれだけ動作しなかったのが嘘のようにあっさり起動しました。
さらにインターフェイスを交換したことにより、今回とりあえず取り付けたHDDにもかかわらず(今回取り付けたHDD自体の性能はそう良いものではない。)今までよりも動作の快適性が大きくアップしました。
 さて、今までXt13は(Xt16も含む)PC−9821シリーズ中でも最大級の拡張性(設置スペース)を持っていましたが、内部のインターフェイスの悪さ&UIDEなどを利用したIDE機器の増設が困難であったため、
「廃END機種」と揶揄されるようなある意味終わってる機種でした。(^^;)しかし、このUIDE−66によるIDE機器の増設が可能となった今、このXt13はPC−9821シリーズの中でもトップクラスのハイエンド機種になったのです。(GA専用バス(PCIもどき)の存在やメモリーの増設がパリティありのDRAMでないといけない等の制約もまだ結構ありますが・・・。) あまりの性能の悪さにもうこのパソコンでの拡張をあきらめようとした矢先の出来事でしたので、喜びもひとしおで、σ(^^;)は踊って踊って踊りまくりました。(笑)ただし、今までSCSI機器でのみの増設を考え大量の資金を投入してきた結果から考えると・・・・・・。という気持ちもないではないのですけど・・・(爆)
 まあ、とにかく今後Xt13でIDE機器を利用した増設が行えるということで、基本的にはXt13でもXv13と同等の拡張ができるようになったということです。今回の結果は
Xt13にさらなる資金の投入を決定づける重要な結果となったのは言うまでもないでしょう。

※ なお、Xt13でどうしてUIDE−98が動作しないかというのは、UIDE−98がWildcatのチップセットの機種(Xa7〜V20:初期〜中期のPC−9821)ではPCIパリティエラーを出すからということらしいです。で、普通のWildcatの機種はこのPCIパリティエラーを検出しないのですが、Xt13やXt16ではこのPCIパリティエラーを重大なエラーと認識してパソコンの動作を止めるような仕組みになっているからだそうです。(この話はインターネット上で聞いた話です。)ということは、UIDE−98を改造してPCIパリティエラーを出さないようにすればUIDE−98がXt13で使用できると思うのですが、UIDE−66が発売されXt13で問題なく動作を行うようになった現在ではUIDE−98を解析するメリットはあんまりないですね。
(個人的にはこの話を聞いて、おそらくUIDE−98のどっかの抵抗をはずせば問題なく動くようになるのでは?と思うのですが・・・。)

 さて、ここまで読んだカンの良い読者はおわかりかもしれませんが、今回の実験の前までにPCIスロットはLANカードとサウンドカードですでに全部埋まっていました。さらに今回UIDE−66が使用できるようになったため、
PCIバスが足らなくなってしまいました。(涙)LANカードとサウンドカードのどちらを捨てようかと悩んだ結果、音のないパソコンはやっぱり寂しい(Cバスサウンドカードはノイズが載るし・・・。まあ、CバスLANカードは8,000円程度(高っ)で買えるし。)ということで泣く泣くLANカードを取り外し、そこへUIDE−66を導入しました。

このときの購入品

機種 内容
I・O DATA UIDE−66 UltraATA/66対応IDE インターフェイスボード

18.内部増設金具の導入

 前回UIDE−66の増設が可能となったXt13ですが、Xt13は元々サーバーとして利用されることも考慮されていましたので、HDDを増設するための専用スペース(SCSI用)が存在しています。(しかも冷却用ファン付き。)ただし、冷却用ファンは付いていてもHDDを固定する金具が付いていないというところが・・・なのですけど・・・。

※ NEC純正の場合はHDDを購入したときに一緒について来る。ちなみにNEC純正の増設用HDDはSV−98/2−E01R SCSI−2インターフェイス固定ディスクドライブ(1GB) お値段(定価) 120,000円(!)

 さて、Xt13のHDD増設用ベイの金具は特殊なもので普通のDos/Vショップには置いてません。しかし、I・Oデーターのカタログの中には内蔵型HDDのオプション金具としてXt用の金具が販売されています。(HDK−XT:一枚2,500円)
 HDDを載せるためだけの金具に2,500円もかけるのは少々もったいないような気もしましたが、この金具は本当に特殊なので今までXt13にかけた金額を考えれば安い&変に安物を買うとひどい目に遭う(第16話)ということで、問題ないメーカーの製品を購入することにしました。
 せっかく購入するのだからということで、将来の拡張も考えこの金具を2枚購入しました。(HDD増設ベイがXt13には2つ存在する。なお、価格交渉で2枚で4,000円になりました。)購入後、金具をまじまじと見てみましたが、やっぱり丁寧に作ってあります。普通のDos/Vショップに置いてあるファイルベイ増設用金具なんかは角を落とすなどの作業を一切行っておらず汚いものですが(海外生産品)、さすがに国内生産品はこういう細かいところはきれいです。

※ 余談ですが、国産メーカーのパソコン(特にNEC)は内部もケガをしないように金属の加工はかなり丁寧に作ってあります。一方、普通のDos/Vショップに置いてあるケースはこういうところの作りは悪いです。(聞いた話だと特にペンギンケースはひどいらしい。)

 今回の購入で後はどこからかHDDを調達してくれば問題なくXt13に新しいHDDを導入することができる状態になりました。さて、どこからHDDを調達しよう?(笑)(←みんなわかるかな?)

このときの購入品

機種 内容
I・O DATA HDK−XT Xt専用HDD取り付け金具

最後にこの段階のパソコンのスペックについて書こうと思います。

項 目 現在の仕様(18話終了時)
本体名称 NEC PC−9821 Xt13/K12
本体仕様 CPU K6−III 400MHz
(IO DATA PK−K6HX400)
メモリ 80MB
セカンドキャッシュメモリ 256KB
ハードディスク 1.7GB (UIDE−66接続)
グラフィックアクセラレーター 3Dlabs Permedia2 8MB
(IO DATA GA−PII8/PCI)
CD−ROM
(CD−RW)
R6倍 RW4倍 Read16倍速ドライブ
(YAMAHA CRW6416S)
サウンド Xwave−6000 (PCM・MIDI音源)
内蔵SCSIインターフェース Adaptec AHA−2940相当(SCSI−2)
拡張スロット GA専用スロット IO DATA GA−PII8/PCI
PCIバス(#1) IO DATA UIDE−66
PCIバス(#2) Xwave−6000
Cバス 全てなし

 UIDE−66の導入で何となく最終結果の見えてきたXt13。後はそれに向かって進むのみです。では・・・「宝珠解放」(^^;)

Weathercockの懲りないパソコン拡張記(その7)へ進む