■Weathercockのおまけのパソコン拡張記(その3) ■ |
さて、パソコンの拡張も基本的なところはほぼ終了し、主な拡張としては一番のボトルネックとなっているHDDの転送速度を上げることのみとなりました。ところがこれだけで終わってしまっては、今までのパソコン拡張記と全く同じになってしまいます。(笑)そこで今回からは普通ではあまり行わないことを含めて拡張記を書いていけたらと思っています。7.UIDE−98の追加
今まで、いろいろな拡張をRa20に行ってきましたが、未だにHDDの転送速度は遅いままです。今までの拡張記でも内蔵IDEの転送速度が遅いことについては何度も書いてきましたが、本当に遅いです。転送速度が遅いだけならそう問題はないのですが、PC−9821におけるIDEの転送方式はPIOモードといって、HDDがデーターの転送を行っているときにCPUの使用率が100%になってしまいます。これがかなりの問題になっていまして、実際の使用時においてかなりのストレスを生んでいます。(逆にいえばDMA転送さえできれば、そこまでHDDの転送速度が速くなくても問題ない。)
ということで、HDDの転送速度を上げるためにSCSIもしくはIDEボードを利用する必要があるのですが、ちょうど今までの拡張で余っている(^^;)UIDE−98がありましたので(UIDE−98の説明はどたばたパソコン拡張記第7話にあります。)早速これを現在使用しているHDDに付けてベンチマークを行ってみました。
このときの結果
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97年に製造された古いHDDでもDMAモードを利用することができ、UIDE−98を使用するとCPU使用率の大幅な低下と、転送速度のアップを図ることができます。HDBENCHの結果もさることながら、SUPER πがかなり早くなりました。やはりPC−9821のIDEは完全にボトルネックになってますね。
このときの搭載品
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8.ケースの交換
前回HDDのインターフェイスを交換したことで、PC−9821としての基本的な拡張はすべて行ったことになります。(メモリー増設・グラフィックボード交換・HDDインターフェイス交換)実際交換を行ってみた感想ですが、200MHzというクロックながら動作が軽快でなかなか遊びがいのあるパソコンです。(HDBENCHのスコア以上に動作は快適です。)さて、Xv13はメインマシンとして使用していまして、一方Xt13はM○3専用パソコンとして、利用予定があります。(Xt13の使用目的は現在はかなり?が点滅していますが、(今後は単なるファイルサーバーになるかも。)一応はこういうことで(笑))となると次に一般的に考えられる使用目的としてはやはりCD−R専用機としての利用ではないでしょうか。
CD−R専用機としての利用を考えた場合、CD−Rが1台でも作業はできますが、移す元のデーターを読み込むCD−ROMと読み込んだデータを書くCD−Rの2台体制で作業を行うのが理想的です。ところが、デスクトップのPC−9821では、ファイルベイが1つか存在しません。また、デスクトップ型は筐体内部がタワー型と比較して狭く、増設などの作業は行いにくいです。そこで、このパソコンをタワー型に改造を行うことにしました。
さて、PC−9821の後期型のパソコンのマザーボードのねじ穴はついては互換性があるらしく、Ra20のマザーボードのねじ穴はXc16/M7タワー等と、ほぼ同じところにねじ穴が存在します。そこで、ミニタワーマシンのパソコンを購入してマザーボードを交換すればよいだけなのですが、Xv/Wのようなマシンは結構人気商品で、それなりの価格がしますので、そう簡単に購入後交換というわけにはいきません。(もったいない。)ところが、たまたまXc16/M7というパソコンを3,500円で手に入れることができましたので、Ra20とマザーボードの交換を行うことにしました。
交換に当たっては一ヶ所だけ、CPU付近に存在するスペーサ(突起)がジャマになるため、これを折り曲げて(というか伸ばして)交換するRa20の基板にあたらないようにする以外には、とくに加工をする必要はありませんでした。あと、交換時に関して気をつけることとすれば、第1シリアルインターフェイスのコネクターとフロッピィディスクのコネクターについて逆差しをしないように注意することぐらいです。
※ なお、Xc16/M7の筐体にRa20のマザーボードを入れるのはほとんど問題ないのですが、Ra20の筐体にXc16/M7のマザーボードを入れるのは、入ることは入るのですが、(プラスチックのスペーサーを一つ取り外す必要があり。)DIMMの交換ができなくなったりとそれなりに制約があります。また、サウンド関連の基板については基板の型番(G8○○○)が同じ場合はそのまま利用することができます。)
表の機種プレートの交換ができないのが残念でしたが、(大きさが異なる。)この交換の結果、パソコンの拡張が今後も大幅にできることになりました。(^^;)
このときの導入品(^^;)
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9.CPUの交換
今回の拡張記の第1話にも書いていますが、Pentium ProというCPUはPentium II,IIIの元となったCPUのため、基本的な所はPentium II,IIIと同じです。従いまして交換を行おうと思えばPentiumIII−SでもこのRa20には搭載することができます。(現在98MATE−Rを利用しているほとんどの人が何らかの形でCPUを交換して利用を行っているというのが現状です。)
さて、現在CPUのアップグレードを行おうとしたときに考えられる方法としては
1.PentiumIIODPを購入する。
2.PL−PROII(Socket8→Socket370変換アダプタ)+PL−370/T(Pentium III−S搭載用変換アダプタ)+Pentium III−S(CPU)
というやり方で、CPUをアップグレードすることができます。ただし、実際にこれを行おうとすると1.のやり方で約2万円、2.のやり方だとだいたい6万円ぐらいの費用がかかります。
※ ちなみにPentiumIIODPは出た当初は10万円ぐらいしました。
さすがに最近では9821を拡張をしても現在のパソコン(PC/AT互換機)には全く追いつかないというのがわかっていますので、大量の資金投入を行ってまで拡張を行おうという気持ちにはなれません。ただし、σ(^^;)もCPUの交換は行ってみたいという気持ちがありますので(笑)何らかのCPUのアップグレードは行おうと思っていました。ただし、普通にCPUの交換を行ったのでは、今までの拡張記と大差はありません。そこで、今回はちょっと指向を変えてCPUの交換を行うことにしました。
今回の拡張記の第1話に多少書いていますが、Pentium ProというCPUには同一クロックながらセカンドキャッシュの容量が異なった製品がいくつか存在します。(Pentium系(Socket7)のCPUではセカンドキャッシュが外付けのため、このような同一CPUでセカンドキャッシュの容量が異なった製品は存在しない。)
※ K6−IIとK6−IIIについては同一のCPUでセカンドキャッシュの容量が異なると言っても良いかもしれませんが、製品名が異なるということで、今回は別物とさせていただきます。
Pentium Proの200MHzのCPUであればセカンドキャッシュが256KB,512KB,1024KB(1MB)の3種類の製品が存在します。セカンドキャッシュはウィンドウズの基本的な作業(フォルダーの開け閉め等)に効果的でして、セカンドキャッシュの容量が大きいほど通常の動作は快適になる(早くなる)と言われています。セカンドキャッシュの有効性については以前よりいろいろ言われていますが、(動画等の再生では全く役に立たない。ベンチマーク専用等)「ない」よりは「ある」ほうが一般的に快適なのは当たり前です。ただし、どの程度快適になるのかは使用者の使い道にもよりますので一概にこうだとは言われていません。
そこで、今回はセカンドキャッシュの容量を変えたときにどの程度変化が出てくるかについての検討を行ってみることにしました。となれば早速CPUの購入なのですが、σ(^^;)の希望としてはやはりここは1MBのセカンドキャッシュ搭載のPentium Proを乗せてみたいところです。ところが、1MBのPentium Proは中古価格とはいえそれでも1万円ぐらいしてしまいます。(元々が完全なサーバー用だったので出荷数が少なく、また価格も高かった。)さらにセカンドキャッシュの容量が大きくなるとCPU単体の電力消費量が大きくなりますのでマザーボードがCPUの電力消費に対して追いつかない(マザーボードが焼けるor電源が入らない)という事態が発生するおそれがあります。ということで、適度な価格(1,980円)で安定して動作をすると思われる(インターネット上で動作報告あり)セカンドキャッシュの容量が512KBの製品を購入してきました。
早速CPUを交換してスイッチオン。・・・・・・動作しました。(当たり前ですね。)
実際の使用感ですが、セカンドキャッシュが256KBの時と比較してウインドウの開閉等で高速化がされているのではないのかという感想です。そこで早速ベンチマークを実行してみました。
このときの結果
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Hdbenchの結果はほとんど変化がありませんでしたが(CPUのベンチマークはCPUの1次キャッシュですべて実行されているため、2次キャッシュがいくらあろうとも関係がない)、SUPER πの方は大きく変化しています。ある程度のサイズのある繰り返し計算ではセカンドキャッシュの容量が演算結果に大きく影響をしているのがはっきりとわかると思います。(ただし、逆を言うと演算結果ばかりのプログラムでも30秒程度しか違わないという言い方もできますが・・・。でも30秒も違えば効果は絶大と言っていいのではないでしょうか。)
このときの搭載品
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最後にこの段階でのパソコンのスペックについて書いておこうと思います。
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今回の拡張で普通に使用をするのであれば全く問題のないパソコンができあがりました。今後の拡張はどのように行おうかと思っている状態ですが、CD−R焼き焼き機としての利用を考えた場合の拡張について行っていきたいと思います。では、ストロベリー100%(^^;)