・間伐作業における高性能林業機械化の問題点
・主伐と間伐
 低コストで安全に木材を生産するためには、機械化による合理的な作業システムは欠かせません。
 主伐のうち現在一般的な皆伐においては着実に導入が進みつつある高性能林業機械による作業システムが最適で、その能力を十分発揮することができます。
 特にプロセッサを核として、タワーヤーダあるいは従来の架線システム、高密度作業路+ウインチ付きグラップルなどその現場条件において最適のシステムを選択することによって大幅なコストダウンが図れます。


 しかし、間伐作業では、主伐作業に比べて集材作業に制約が多く集材コストが割高で、間伐材の価格が主伐材に比べて安くなること、1事業地当たりの事業量の確保が難しいことなどから採算性が悪く、投入経緯費が大きくなる高性能林業機械による取り組みは一部の先進的な事業体を除いてあまり行われていないのが現状です。



皆伐に比べ
集材コストが割高になる理由

・残存木が障害になって架線設置の自由度が低く、最も合理的な位置に設置できない。
・1線あたりの集材量が少ないため、材積当たりの架設撤去労務が増える。
・列状間伐以外では「横取り」が必要となり、能率が低下する。
・短幹集材の場合、一カ所当たりの荷かけ本数が少なく材積当たりの労務が増える。
間伐材が主伐材に比べて価格が安い理由
 間伐材だから価格が低いのではありません。次のような場合価格が安くなるのです。
・要間伐林は利用伐期齢以下が多く、未熟材や細い材が間伐、出荷されることが多い。
・曲がりや腐れのある不良材が出荷されやすい。
・市場で必要とする径級や規格の材をまとめて出荷できにくい。
 「間伐材=低級材」と言う先入観は持たないで、間伐対象となっている材はどのような価格で販売可能かを見極めてください。そして、その価格に見合った合理的な間伐作業方法を検討することも必要ではないでしょうか。
 皆伐では、集材の自由度は大きい。最も効率の良い位置、方向に集材線を張って集材を行うことができる。
 プロセッサも作業の障害となる残存立木がないため作業が容易である。
 間伐材をプロセッサで処理する場合、狭い場所で材の取り回しに苦労する場合が多い。
 このような場所での作業は大きな送材力など機械能力の高さと、高度な技術が要求されこれらの要因もコストアップに繋がる。
集材コストや、収入を事前に予測するには・・・?