北大西洋航路客船 オリンピック | ホワイト・スター・ライン (英国) |
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就航 1911
年 45,324 総トン 全長 268.8 m 全幅 28.2 m エンジン レシプロ・ タービン混成 56,000 馬力 推進器 スクリュー3軸 航海速力 22 ノット 乗客定員 2764名 1等 1054 2等 510 3等 1200 |
ハーランド&ウルフ社とホワイト・スター・ラインの間では,その親密な提携関係から,船の設計や機関の据え付けに関してはハーランド社に多大の裁量が任されていた。
ハーランド&ウルフ社のレシプロ機関は,当時製作されていたどの機関にも引けを取らないものであったが,蒸気タービンについても目をつぶっているわけにはいかなかった。しかしこの技術については足がかりを持っていなかったのである。ハーランド社では直ちにタービン製作に投資する必要に迫られたわけではなかったが,1907年にホワイト・スター・ラインが 14,900総トンの船2隻を発注したとき,その必要が生じた。この大きさと速力の船には,直結タービンは適していないことが当時既にわかっていたが,低圧蒸気を有効利用する場合にはレシプロ機関よりも有利だった。そこでハーランド社の技術者たちは,蒸気レシプロ機関と低圧排気タービンを組み合わせたハイブリッド方式を開発することに決めたのである。 それには主機関以外の部分を同一に造った2隻の船を使って,比較試験をしてみることが賢明だと考えられた。ローレンティック号1隻だけに新しい機関方式を採用し,もう1隻メガンティック号には従来の4段膨張機関が据え付けられたのである。これらの船は,もっと大きくて強力な船の機関設計に,データを提供することが予定されていた。 イズメイがローレンティック号とメガンティック号を発注したとき,彼はハーランド社に,「我がホワイト・スター・ラインではまもなく,ルシタニア号・モーレタニア号と競争することをねらって,46,000総トンの船2隻を注文に出すことになる」と知らせた。当然ながらハーランド&ウルフ社がその契約を手にし,機関はローレンティック号に搭載されたハイブリッド機関の拡大版にすることが決定された。 オリンピック号とタイタニック号は本質的には同じ設計だったが,結果的にタイタニック号のほうがわずかに大きな船となった。これらの船は,キュナード社の高速船と決して速力で競争することをねらったものではなく,運航サービスの質で対抗しようとしていた。ホワイト・スター社は当時アメリカ人の管理下にあったので,建造とか運航の英政府補助を受けることは望めず,船主が全資金を準備しなければならなかった。そしてこのような大きさの船を 26ノットという速力で走らせるとすれば,石炭消費量は経済観念を無視したものになってしまう。一方3隻で週1回出発の運航を行なうためには,航海速力は 21.5ノットを出せさえすればよかったのである。
(「豪華客船スピード競争の物語」 オリンピック号・タイタニック号の部分より抜粋) |
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