(2001/03/16 朝日新聞、政治面より)

医師会が自民党員勧誘

参院委で指摘 厚生省「誤解与える」


 各地の医師会が自民党のために会員から政治献金を集めたり党員になるよう勧誘たりしていることが15日の参院厚生労働委員会で取り上げられた。公益法人である医師会の政治活動は、建前では各地の政治連盟が行っていることになっている。この日の指摘について厚生労働省は「県医師会が自民党の活動の支援をしているような誤解を与えることになり好ましくない」との見解を示した。
 指摘したのは共産党の小池晃議員。富山県医師会は、医師会の特別会費として集めた資金から1999年度に「自由民主党党費」として905万2000円を支出していた。「医報とやま」に会計を掲載している。
 富山県医師会は「政治連盟で集めるべき会費を医師会の特別会費として集めていた。経理処理が適切でなかったので、今年3月から政治連盟で集めて処理している」(田中静雄事務局長)と事実関係を認めている。
 石川県医師会会員には昨年9月、「自由民主党入党申込票」が配られた。「送付先」は「石川県医師会総務課」となっている。同医師会総務課は「あくまでも政治連盟が配ったものだが、連絡先が総務課になっていた」と説明している。
 また、広島県では今年2月「広島県医師会速報」に「参議院選挙対策のための特別会費納入のお願いとお知らせ」が掲載された。医師会を通じて医糠機関に支払われる2月分の診療報酬から1万円を天引きすると書かれていた。同県医師会によると、会員の反発などもあり、この方針は撤回された。
 厚生労働省の伊藤雅治医政局長は石川の例については「好ましくないので県に指導監督の徹底を要請したい」と説明。広島の件には「誤解を与える文章で好ましくない」とそれぞれ答えた。


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