シタールの写真





これがシタールです

 第6章 楽器屋へ

ある町でシタールを売っている楽器屋を訪ねました。友人の姉がインドへ行ったら訪ねて見るといいと教えていてくれていました。彼女がインドを旅行したとき、知り合いになった人だそうで、大変に面倒見のよい人との事でした。今気が付いたら確かにインドへ行ったらという話だったと思います。つまり、近くへ寄ったらでなく。インドはそんなに狭い国であるはずもなく、彼の住む町へ寄ろうとすると旅の行程を制限されてしまいます。それでも訪ねてみたのは、楽器屋さんだったからです。

当時シタールは、ウッドストック以来オリエンタルな楽器の中ではもっとも有名でした。もちろん今でもその神秘的な響きにおいては、アジアの国の他の楽器を圧倒しています。学生時代多少音楽をかじった私としては、ギター、フォークソング、ロックミュージック、マリファナ、シタール、この流れは自然なものです。多少こじつけの感はありますが。

ともかく、シタールを購入することは、出発前から予定していたひとつのイベントでした。旅の目的とするほど重要なわけでなく、しかし旅に対して、何がしかの意味をもたせるには都合のよいイベントでした。

ある日、力車(自転車で引く人力車のことで、安価で手軽に利用できる安旅行者の味方。)に乗って住所を探しながら訪ねていくと大歓迎してくれました。彼女が手紙で連絡していてくれたようでした。もちろんインドでいくつかの洗礼を受けてきた私は、完全に警戒心を解くことはありませんでしたが。その店は、インドの民族楽器がすべてありました。もう名前は忘れてしまいましたが、ボンゴのような木製の太鼓、もう少し大きなコンガを短くしたような錫製の太鼓、笛。当然目的のシタールも何台も置いてありました。私は、嬉々としてその楽器を眺め、手にとり、彼に弾いてもらい、説明を受けました。

私がギターを弾くといったら、盛んに私にもシタールを弾けといいます。初めて手にした楽器をそう簡単に引けるはずがありません。試しにやってみるか、下手でも何ら差し支えないし。そう思いながら彼の弾き方を真似しながらやってみると、それっぽい音になるのです。

シタールはオープンチューニングといって、ギターでもその手法はあるのですが、フレットを抑えない状態で和音がでるようになっています。じゃらんと弾けばそれで何かのコード音が出ます。あとは、1本の弦でメロディーを弾けば和音とメロディー音が同時に出るようになっています。次に必要なことは神秘的なしぐさ。存外に弾けたことに満足した私は、4台ものシタール購入を決めてしまっていたのです。まんまと彼の術中にはまったようでした。紹介者がいた為ふっかけられはしまい。値札もついていることだし。私もある程度交渉はしましたが、インドに着いて以来の目標、半値交渉はいつのまにか忘れていました。


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