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第15章 こんなことも経験しました
どこの街で経験したのか忘れました。
この章は、反社会的な内容ですので、嫌悪感を感じてしまわれたらごめんなさい。特に意図して書いたわけではなく、旅の出来事をありのままに書いておきたいと思ったからです。
いつものように安ホテルに宿泊していました。どこかで知り合った日本人と同宿、つまり割り勘でツインの部屋を共有したのです。彼はおそらくは私より若く、しかしかなり旅慣れていました。インドで銀や宝石の安いアクセサリーを仕入れ、日本で売っているそうです。
仕入れた商品を見せてもらいましたが、道端で布の上に並べて売っている類のものです。当時はまだ、ヒッピー風の成りをしてそんな商売をしている若者を多く見かけていました。かなりぼろい儲けのある商売だとも言っていました。彼の商売に興味はわきませんでしたが、彼自体には興味を抱きました。まず、バックパックではありません。キャンバス地の大きなボストンバッグです。安ホテルに宿泊する人たちが、判で押したように用いているバックパックではなく、ボストンバッグを肩にかけています。長距離を歩けないボストンバッグを用いると言うことは、自分の行動範囲と目的地の様子を理解しているからできることです。
その彼が、夕食後どこかの部屋へ出かけて行こうとしています。尋ねると、白人の部屋に「エル」をやりにいくとの事。LSDのことです。アメリカか、オーストラリアか、ヨーロッパ人か知りませんが、ドラッグをやりながら会話できるとは・・・。外国人とコミュニケーションできることに興味あったし、ドラッグにも興味あった私は同行したかったのですが、彼にやめておいたほうがよいと言われました。はじめてドラッグをやる人間がいきなりLSDなんかやったらすごいことになると。見せてもらったそれは、切手に曼荼羅模様が印刷されていて、印刷インクにLSDが含まれているそうです。ぺロッとなめるだけで十数時間ぶっ飛んでしまうそうです。ちなみにアメリカ製でした。
実はその数日前、同じホテルの日本人同士4人ほど集まって、雑談しているうちに、「ハッシッシ」をやろうと言うことになり私も初めての経験をしていました。結果は、酒によって天井がグルグル廻っている状態になっただけで、幻覚とか何もなかったのですが、それは経験がないからだとも言われていました。そんなわたしがLSDなんぞに手を出したら、ちょっと恐ろしいことになると思うと、断られて良かったような気がします。嵌りやすい性格(ホームページを開くぐらい。)ですので。
今思うと彼は、インドに沈没していたのだと思います。旅人には、その地にどっぷり浸かってしまうタイプの人がいます。観光地を巡るわけでもなし、土地の人とコミュニケーションとろうとしている訳でもないような。人それぞれに求めるものがあり、求めないことを求めている人があり。それはそれで、その人のその時の生き方ですから一向に構いません。彼は、日本とインドを行き来しながらも、インドに、あるいは旅にどっぷりと浸かっていたのでしょう。多少いきがりながら。
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