問7. 20 〜 を “かぞえる” 為に 必要な 能力 の 具体的学習・体得法とは?
答え その1
まずは 桁・位の概念 を 学習・体得する。
この辺になると かぞえ棒 や ブロック といった 10個 で 1塊 にする ことのできる 専用の学習補助機材 が 有ると 良いでしょう。
具体的には
まず 復習がてら 10個 の 対象物 を 示して、
数の名前 『 ジュウ 』 を 答えさせる。
同様に 11個 の 対象物 を 示して、 『 ジュウ イチ 』
12個 の 対象物 を 示して、 『 ジュウ ニ 』
・・・(中略)・・・
19個 の 対象物 を 示して、 『 ジュウ キュウ 』
と 順番に 答えさせる。
そのまま 20個 の 対象物 を 示して、 『 これは? 』 と 聞くと
『 ジュウ ジュウ 』 という 答え が 返ってくる 可能性 が 高い はず です。
※ この間違い方は
20 も 11 〜 19 と 同様に “和(足し算)単純並列” で 表す
という
積和混合 より も 古いルール であり、
数学史的 に 正しい(良い) 間違い と 考えられます。
というか
ここまでの 具体的学習・体得法は この時点で
この 『 ジュウ ジュウ 』 という
数学史的に 正しい(良い)間違い に 導くこと を 目指して 構成されています。
無事(期待通り)に 『 ジュウ ジュウ 』 という 答え が 返ってきた場合、
そのまま 対象物 を 10個増やし 30個にして 『 これは? 』 と 聞きましょう。
『 ジュウ ジュウ ジュウ? 』 と
違和感 を 感じながらも 答えてくれる はず。(そうだと いいな)
更に 対象物 を 10個増やし 40個にして 『 これは? 』 と 聞きましょう。
『 ジュウ ジュウ ジュウ ジュウ? 』 と
半信半疑 で 答えてくれる はず。(そうだと いいなぁ)
更に 対象物 を 10個増やし 50個にして 『 これは? 』 と 聞きましょう。
『 ジュウ ジュウ ジュウ ジュウ ジュウ? 』 と
明らかに 変だな と 思いつつ 答えてくれる はず。(そうだと いいのになぁ)
この辺りで すっとぼけて(本当に 分からくなった振り を して) 『 いま 何回 ジュウ 言った? 』 と 聞いてみましょう。
即答 は 出来ない はず ですので、
もう一度 『 ジュウ ジュウ ジュウ ジュウ ジュウ? 』 と 言わせ、
それに合わせて、 指 を 折って、 『 ジュウ 』 の 回数 を 数えましょう。
『 ジュウ 』 が 5回だね。 ということ を 確認する 作業 です。
『 10 』 は 『 ジュウ 』 でしかない はずが、
『 ジュウ 』 を 塊として “数える” 対象として見る という
視点の変化 が 必要 となります。
これは、 対象物 を 数える途中で “数える” 対象 を
対象物そのもの から 対象物 の 十の塊へ スライドさせる
という 結構高度な 作業 なんですよ。
この “数える” 対象のスライド が 発生する 動機 と なるのが、
“和(足し算)単純並列” の 欠点 である
[ 長い、分かり難い、面倒 ] を 回避したい という 欲求 なのです。
この “数える” 対象のスライド こそが 桁(位)の 概念 の 基 であり、
指 が 10本しかない人類 が 効率良く
“数える”為 に 生み出した 工夫 である。
ということ なのです。
そして 積和混合による命数法 は この 工夫 から 自然に 導かれます。
この “数える” 対象のスライド が できるようになって はじめて
『 十の塊 が 幾つと バラ が 幾つ 』 という 説明、 言い換えれば 桁(位)の 概念 が
理解・納得できるようになるのです。
そんなに巧くいくかよ ってツッコミたくなりますが、長くなるので 次ページへ