医学関連図書の評論
今の医学関連図書の内容はまさに玉石混淆の状態で、
読めば読むほど頭の中が混乱するばかりです。
いちおう、医者である小生が、読んだ本についてのコメントを書くことにしました。
なるべく主観を排除したつもりでありますが、評論のプロではありませんので、
表現が不十分だと思います。その点はご容赦願いいたします。
なお、この評論についての反論、ご意見等ございましたら、遠慮なさらずに、
メールしていただければ幸甚に存じます。
評価 ☆☆☆☆☆ 読まない方がよい
★☆☆☆☆ あまり読む価値がない
★★☆☆☆ 少しは役にたつかも
★★★☆☆ 普通
★★★★☆ お薦め
★★★★★ 絶対読むべし
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★★★★☆
医師性悪説が基本にあって、医療業界、製薬業界、報道業界に対する
批判的な内容満載ですが、ほとんど客観的な根拠に基づく事実です。
思いつきで診療している一部の医師やマスコミに流れる情報を
全く疑いもせず丸々信じて悲惨な目に逢う患者さんをこの著者も小生も
数多く見てきましたので、大部分は共感を持ちます。
例えば「多数の標榜科を掲げている医師は、何でも診察できる凄腕の名医
と思うことなかれ」という記載がありますが、もっともな事であります。
ただ、「抗ガン剤では癌は治らない」というのは一部誤りですし、
「風邪で受診する患者からは、自己負担金を多くしてかからないようにすべし」
風邪かどうかは、そうである場合もありますが、既に風邪とは呼べないような
副鼻腔炎とか気管支炎、幼児であれば中耳炎になっているケースもあります。
患者自身でそれを判断せよというのは酷ですし、
また逆に単なる風邪に対して、架空の病名をつけまくって稼ぐ医者が必ず登場するでしょう。
「死ぬならガンで」という主張も、悲惨な頭頸部癌末期を知っているので同意できかねます。 |
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