医学関連図書の評論
今の医学関連図書の内容はまさに玉石混淆の状態で、
読めば読むほど頭の中が混乱するばかりです。
いちおう、医者である小生が、読んだ本についてのコメントを書くことにしました。
なるべく主観を排除したつもりでありますが、評論のプロではありませんので、
表現が不十分だと思います。その点はご容赦願いいたします。
なお、この評論についての反論、ご意見等ございましたら、遠慮なさらずに、
メールしていただければ幸甚に存じます。
評価 ☆☆☆☆☆ 読まない方がよい
★☆☆☆☆ あまり読む価値がない
★★☆☆☆ 少しは役にたつかも
★★★☆☆ 普通
★★★★☆ お薦め
★★★★★ 絶対読むべし
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★★★★★
いろんな医学雑誌等に取り上げられている「浸潤療法」すなわち、キズを消毒したり、滅菌ガーゼで覆うのはナンセンス。その代わりにキズが乾燥しないようにラップなどをあてるという、新しい概念の外傷の治療法について書かれてある。
実際の治療法ばかり書いてあるのかと思いきや、細菌と人間の関わり方を非常に科学的、客観的に解説している。また、今まで我々がしてきた外傷の治療法がなぜ間違っていたのかも、理論的に指摘している。
過去にも、それまでの概念が覆るような治療法を唱えた医者は何人もいたが、実際のところ非科学的、非論理的なものばかりで、中には宗教じみたものまであって、大半は消えていったが、この「浸潤療法」は、これからの標準になるだろうし、そうあって欲しいと願うばかりである。熱傷・外傷については大いに納得。しかし、アトピー性皮膚炎も治るのかは疑問ではあるが・・・
また、シャンプーや石鹸まで悪者になっている。著者はお湯のみの洗髪で、すごく調子いいそうであるが、なかなかそこまでマネできないですな(汗)
ということで、内容には極端に走りすぎてる記載も散見されるが、それ以外の大部分の内容が素晴らしい故、最高評価としました。 |
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