sorry,Japanese only

   「イルカちゃんに会える日」

HIROSHI

 水が大好きなのに、顔や頭に水がかかるといやな彼。
 プールサイドに腰掛けて、バタ足で水しぶきを上げながら水面をたたく音に思わず耳をふさぐ彼。
 そんな我子の姿は「自閉症」という障害の重さと複雑さを改めて感じさせる場面でもあります。

この水泳教室への参加は、子供の体力増強と、肥満防止と、趣味を持つための出来ること探しでした。
でも、やっぱり我が子がさっそうと泳ぐ姿を見てみたいものです。

私が「カッコイイ」と思うパターンの中の1つとして、こんなのがあります。
それは、普段はごく普通の人にしか見えないけれど、ある機会に直面するとスゴイ能力を発揮する人。
例えば、普段は冗談ばかり言っていても、実は英語がビシッと話せる人。
そう言えばボラさんの中にもおられますよねぇ。
「さあ 泳ぎの見本を見せてください。」と言われると、すごく美しい泳ぎを見せてくれる人。
私にすれば「カッコイイ」と思えてきます。

陸の上では「ジヘイちゃん」ですが、いったん水の中に入ると「イルカちゃん」になる・・というのは、どうでしょうか・・。


 ところで、育てる会の水泳教室に参加させてもらって、もう何年になるでしょうか。
「水遊びの会」と言って数家族で試行錯誤していた頃を思い出すと、ずいぶん充実した会になったと思います。
遠くから熱心に指導に来て下さる先生方やボランティアの皆さん。
それにこの会を取りまとめて下さっている方のおかげだと思います。本当に有難いことです。

 何だかこの熱意に後押しされて、我が子も泳げるのでは…。その期待も少し大きくなります。


 とはいえ、水の好きな我が子ですが、さすがに疲れてしまうのか、繰り返しに飽きてしまうのか、途中からなえてしまいます。
 顔を水につけて手を前に伸ばすと、首や肩に力が入り、足をバタバタさせると腰から下に力が入ってしまいます。

力を抜けば浮けるのに…。
他の場面では力が抜けているのに…。

でも本当は子供より親の方に力が入っていたりして…。

 もっと言葉をかけてやり、もっと一緒に遊んでやり、もっと誉めてやる事が必要だと思います。
そういえば、それは水泳に限ったことではなく、まさに日常生活の基本でした。

本人は泳ぎたいと思っているかどうかはわかりませんが、とにかく泳げることを目指して、今後も練習していきたいと思います。 

「会報 39号」(2001.7)

「愛しいわが子へ」目次   次の方へバトン