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平成19年6月30日

 

 第110号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 110号 目次

 風の吹く丘で 
 18歳の春をめざす 「親子療育クラブ」 参加者募集
 自閉症支援者養成セミナー 報告
 勉強会の報告・お知らせ
    「母の想いを話す会」
 支援者養成講座 報告・ご案内
 AAO・キッズルーム・サッカークラブ・水泳教室 お知らせ
 私のお薦め本コーナー
    「私と娘、家族の中のアスペルガー」
 近隣の講演会等のご案内
 自閉症児のためのプレ修学旅行の旅 案内
 事務局だより

風が吹いています。
山の頂き近くから、ゴーッと我が家のある麓へ、吹き降ろすような風です。
我が家は、奥山へ入っていく手前の、部落でも端っこの方にあります。奥にはもう一軒があるだけの、山の方へ向く深山という趣もなくもない・・・、そんなところです。
そのせいか、朝は小鳥の声に眼を覚まし、夕べは虫の音に眠りにつくというような生活です。
家の裏からは遠く旭川まで山また山が続き、狸や狐、猪までが走り回る農村というよりは、もう山村というような雰囲気です。
宮崎駿の映画 『おもひでぽろぽろ』の中でこんな場面があります。
トシオ「都会の人は、森や林や水の流れなんかを見てすぐ自然だ、自然だってありがたがるでしょ。
    でも、田舎の景色ってやつはみんな人間が作ったもんなんですよ。」
「田舎の風景は、百姓が手をかけて一生懸命人の手で作り上げているんだ!」というトシオの言葉と、次第に休耕田が増えていく周りの風景を重ね合わせて、本当にその通りだなと私も思います。
少しでも放っておくと、田んぼは雑草に覆われて、どんどん山が迫ってきます。
田舎に暮らす我が家、油断をしていると、いつのまにか山に飲み込まれてしまいそうです。

それはさておき、6月30日に第2回目の講演会が無事終わりました。
去年に引き続き、大阪府発達障害支援センターの新澤伸子先生が来てくださいました。
感想や報告は後のコーナーにありますので、私は、先生との思い出をここでは紹介させていただきたいと思います。これは私の心の奥にしまっておいた、夢のような光景です。
そう、あれは、今から5年前の、春にはまだ少し早い季節の頃でした。
私は、岡山から3人のお母さんたちと共に、新澤先生が当時療育をされていた、大阪自閉症児支援センターを見せてもらいに行きました。そこでは丁寧な一人ひとりの子どもに合わせた細やかな支援が行われ、とても素晴らしく、岡山から来た私たちには羨ましく思えるものばかりでした。
私の思い出はここでの休憩時間のときのお話です。
4歳くらいのひとりの自閉症のお子さんを連れて、先生は教室近くの公園へ出かけていかれました。私たちはその後を少し離れて付いていきました。その公園は、高い建物の間にある中庭という感じの場所でした。滑り台があって、その子はしばらく滑って遊んでいました。しばらくすると先生が、そっとシャボン玉を手渡されました。
その男の子は、滑り台の上で何度も何度も「ふーっ」とシャボン玉を吹きました。ビルとビルの間からの上昇気流に乗ってシャボン玉が高く高く空へ登っていきました。
キラキラ、きらきら光りながら青い空に吸い込まれるように消えていくシャボン玉を私たちは、見ていました。先生はニコニコしながら、その子との時間を共有していらっしゃいました。先生はとても楽しそうでした。なんて素敵な光景だったことでしょう。本当に夢のような世界でした。今でも時々思い出します。

さて、話はまた大きく変わって、ここで夢工房のお話しです。
哲平の勤めている夢工房に3人目のメンバーが仮入社しました。M君20歳です。
Mくんは、高等部の2年〜3年生まで、放課後や夏休みなど長期の休みには、哲平と一緒に太陽の家で過ごしていた方です。彼も養護学校を卒業後、地元の企業に一般就労していたのですが、その勤めていた会社が、残念ながら3月末に倒産してしまいました。でも時を同じくして、夢工房では今年度の従業員の募集をされていました。タイミングがピタリと合ったということに、縁を感じました。M君は、多くの希望者の中から選ばれ、ただ今トライアル雇用中です。うまくいけば、3ヶ月後に正式採用となるでしょう。
哲平は、Mくんが入社したことで、張り切っているようです。
袋掛けの箱が逆だったら、「反対」と言って直しにいったり、箱が少しでもずれていたら、パッとまっすぐに積み直しに行くようです。先輩のつもりで教えているのか、自閉症の性分として、ただきちんとしたいだけなのかは、いまいち不明ですが。
夢工房はこれで3人になりました。3人とも穏やかで真面目な仕事ぶりです。一人ひとりの子にあった配慮があれば、誰でもこんな風にごく普通に仕事ができます。
「障害があっても働ける。夢工房は、障害のある人が主役で働く職場です」と、いつもT部長が言われます。
それをモットーに2人の支援員の方は、サポートに徹しておられるのが、この職場の特徴です。
休憩中はさておき・・・、仕事中の哲平は、自閉症の人ではないように見えます。まるで普通の人みたいにテキパキと仕事をこなしていきます。見通しが持て、やることが明確で、しかもお給料までもらえるのですから、元気も出るはずです。
一生懸命働く哲平は、安定してやる気満々、生き生きしています。
支援がばっちりうまく行っているから、哲平のようなけっこう重い障害があっても働けるのでしょう。

さて、そんな哲平に6月末に会社からボーナスが支給されました。
去年の12月より増えて、○○万円でした。すごい!感激しました。去年の暮れにもいただいたのですが、哲平にどのようにボーナスの事を話すか考えていなかったので、渡せませんでした。
そこで、今回は、頑張って働いたら、一年に2回特別にボーナスというものが貰える事を話しました。ボーナスは3万円ということに決めて(残りは貯金しております)ATMから下ろしました。今月はお給料から引き出す21,000円(これも、がんばってお仕事したらお給料が上がるということを教えるために、引き出せるお給料を初年度より1,000円アップしました)とあわせると、今月は51,000円の収入がある哲平です。
今月に限ってはお父さんよりも小遣いの多い、大金持ちです。
そんな大金持ちの哲平、好きなDVDを思い切り買うことができるはずです。それなのに、吟味して迷いに迷って、いつもひとつに決めます。「あれもいいけど、これもいい」どちらも買うなんて考えない、律義ですね。時間をかけて1枚ずつ買っています。
そんなボーナスが出てからはじめての休日での出来事です。
買い物途中でチョットお腹がすいた母と哲平は、久しぶりにケンタッキーフライドチキンへ寄りました。
注文を決めて、私がお金を出そうとしたその時、「哲平 払う!」突然哲平が言いました。驚きました。哲平が自分から言い出したのです。
びっくりするやら、感激するやらでウロウロしている母親を置いて、さっさと支払ってくれる哲平でした。
「こんな日が来るなんて・・・」
感激家の母を泣かせる哲平でした。
哲平は就職してからも、家の手伝いは頑張ってしています。今でもお米洗いをしたら20円、晩御飯を作ったら20円、新聞を取ってきたら10円・・・というように安いままのお駄賃でお手伝いをしてくれます。5万円も貰えるボーナス月でも、変わりなくコツコツ貯めている哲平です。チョットお手伝いへの払いが遅れると、「お金払ってください」と必ず請求してきます。
「お前は守銭奴か!」 と思うくらい取り立ては厳しい哲平です。
でも、ただのケチではなかったのですね。哲平はそのコツコツ働いたお金を、出す時には出す気前の良い男に育ってくれました。
何とかっこいい子でしょう。嬉しくて涙・涙・・・でした。お腹すいていたはずなのに、胸が一杯で食べられない母に代わってバンズは2個とも食べた哲平でした。財布の中には、お金がまだたくさん残っているようですが、あれからは「哲平 払う!」といわれる前に、サッと支払うようにしている私です。
育てる会 代表  鳥羽 美千子

18歳の春をめざす
  −親子療育クラブー  参加者募集中

  18歳の春とは

高校や養護学校を卒業する年令です。ひとつの区切りの年齢を表した意味です。現在、幼児期の方は、小学校就学であり、もうすでに、18歳の春を迎えられている方は、30歳かもしれません。ともかく、自分のお子さんの将来を創造して、この時こんな素敵な人間になっていて欲しい。こんな素敵な自閉症としての人生を送って欲しいなあという目標を、まずは持ってみませんか。

  親子療育クラブ

としましたが、今、皆さんは、色んな療育機関を利用されている方もいますし、学校生活を大切にしているという方もおられることと思います。しかし、子どもの人生に一番長い期間、寄り添っていくのは親です。親が子どもに、よい関わりをしてやることが、一番大事で大切なことです。親子間で、よきコミュニケーションが築いていけるような親子療育を共に考えてやっていきませんか。

  共に考えて実践する場

我が子の困っていることに、向き合ってやろうという思いはあっても、うまくいかなかったり、家庭で頑張って視覚支援していても、行き詰ってしまったりしていませんか。
一人でやろうと思ったら、やはり大変です。でも、みんなでやったらできることもあるかもしれません。共にやる方が、強い力と信念を持てます。ぜひ共にやっていきませんか。

  ニーズにそったグループごとの活動予定

とりあえず、集まったメンバーに、アンケートを予定しています。親のニーズ(教えたいこと)子どものニーズ(困っていること)を出し合い、。ニーズにそったグループに分かれて活動します。

  副読本を使ってまねっこしよう

「思いっきり支援ツール」武蔵博文・高畑庄蔵著(エンパワメント研究所)の本を副読本にして、とりあえず、支援ツールを作ってまねしてみるというのはどうでしょうか。やってみよう。まねをして、わが子にやってみたら、こんなことに困ったので、もう一度、作り直してやってみる。やりながら、自分達のものにしていけたらいいですね。
自分たちの活動にアドバイスをしてくださる先生をお呼びして、みんなで勉強会を計画してもいいかもしれません。

  情報交換をしよう

グループごとでやったものを、披露しあい、アイディアを共有しあうのもいいですね。
*以上、理事会で話し合った内容をまとめましたが、集まったメンバーで、また、よいやり方があれば、臨機応変に変えていけばいいと思います。とりあえず、やってみようと思われた方はご連絡くだい。共に考えて実践してみましょう。きっと、わが子の成長に役立つ何かが、生まれてくるはずです。
一緒に、やってみたいと思われる方、事務局へ7月20日(金)までにお申し込みくだい。
*ちなみに、全体で集まる日は、設定しますが、グループに分かれたら、そのメンバーで、集まりやすい日時を決めていただきます。ご了承ください。
対 象:育てる会正会員の保護者
申込先:育てる会事務局へ電話・FAX・メールにて
締切り:7月20日(金)

自閉症支援者養成セミナー 報告

去る6月30日(土) 岡山ふれあいセンター大ホールにて
『自閉症支援 はじめの一歩 〜初めて自閉症児を担任した先生や保護者の方のために〜』
という演題で、大阪府発達障害者センター「アクトおおさか」センター長 新澤伸子先生による講演会が開催されました。
第一部は「自閉症の特性理解」というテーマ
第二部は「行動上の問題の理解と対応」というテーマで
それぞれ2時間の講演をしていただきました。
また講演の最後には参加者からの質問にもお応えいただきました。
講演の様子が、山陽放送テレビに紹介され、「自閉症理解のため、多くの参加者が熱心にお話に耳を傾けていました」と短い時間でしたが、分かりやすい紹介をしていただきました。
参加した方から、感想を頂きましたので掲載させていただきます。

先日、育てる会の新澤伸子先生の講演会に参加させていただきました。
新澤先生のお話を聞くのは、もう岡山や大阪などで何度目かですが、いつも新しい見方、捉え方をいただいて帰るのが常になっています。
今回も午前中の「自閉症の特性理解」からお聴きしたのですが、氷山モデルの例をあげられ、目の前の自閉症児を支援しようと思ったら、表面に表れた問題行動やパニックに振り回されるのではなく、その水面下にある自閉症の特性の理解から見直してみることの大切さを改めて教えられました。
社会性の障害やコミュニケーションの弱さ、想像することの困難さや感覚の特異性、時間や抽象的なことの理解の難しさなどです。
水面上に表れていないだけに、そのことはついつい忘れがちになって、「どうしてこんなことするの!」とか、「何回言ったらわかるの!!」と、親や教師、そして子どもも袋小路に陥ってしまうこともありますね。
でも、逆に言うと、接する大人の側がその水面下の部分をしっかり理解していれば、表面に表れた行動の原因を理解し、適切な対応方法も考えられるということを教えていただきました。
午後からの第2部では、「行動上の問題への問題解決的アプローチ」として、午前の障害理解に基づいて、表れた問題行動へのみ対処するのではなく、そもそも問題行動そのものが起こらないようにする支援について、事例検討の形で講演が進みました。
それには、まずは客観的にデータを集めて記録するところから始まります。次には、なぜその行動が起こるかについて、自閉症の特性からその原因を考えてみます。そして、仮説をたててみてそれに対する介入の計画を立てて実行に移します。そして改めて再度データを取って、その有効性を判断していくという方法です。
講演の中では、そのデータの分析や、仮説、介入計画について、それぞれの事例ごとに、会場にマイクを順番に回し、みんなが考えて答えていくというスタイルで進みました。
そこでは、先生が最初におっしゃったように、自閉症は一人ひとり大きく違っていて、まして会場の方は実際のお子さんを知らないわけで、それぞれの事例の答えに正解というものはないのですが、マイクが廻ってきたみなさんはそれぞれ仮説を考え、それぞれ介入方法を真剣に考えて答えられていました。そしてその中には、現実のお子さんを前にして、実際に学校の先生方が試みて成果のあがった方法もありました。
つまり、午前中に教わった自閉症の特性に対する理解さえしっかりと持っていれば、たいがいの事例に対しては、私たちでも対処できるのではないか、そんな力強いメッセージをいただいたように思います。
もちろん、その過程においては、配慮しなければならないことがたくさんある、ということも合わせて教えていただきました。
「その介入方法が有効であったかどうかを見極めるためには、その期間必ず学校と家庭で協力して同じ対応をとっていく」
「介入する際の目標は、否定的なこと、例えば“噛みつかない・物を投げない”という目標にしないで、肯定的な言葉“落ち着いて過ごす”など、で設定する」
「介入に際しては、まずは特定の場面や時間など、シチュエーションを限定して取り組む」などなどです。
どれも、明日からすぐに取り組みたいような内容でした。先生のお話は、数学の公式を本当に自分のものとして理解していれば、難しくみえる応用問題でも解いていけるような、そんな希望と自信をいただいたような講演会でした。

最後の会場からの質問にも、私などからみれば“鮮やかに”仮説や介入計画を考えて提起され、感嘆するばかりでした。
大阪の発達障害者支援センターでは、直接、センター長である新澤先生をはじめ、親や教師の個別の相談にものってくださるとのこと、少し羨ましく思いました。
でも、岡山では私たちが、自分の力で解決していかなければいけませんね。教えていただいた公式や応用方法を自分のものとして活用していきたいと思います。幸い、育てる会の夜間の支援者養成講座にも大勢の方々が通っていらっしゃいます。みなさんと力を合わせて、岡山の自閉症児たちのために努力していきたいと思います。
新澤先生、どうもありがとうございました。そしてまた機会があれば、岡山での再々度の講演も、ぜひお願いします。
(あい)

 <保護者アンケートより>

初心者(障害児の親になりたての親や先生)にとても分かり易かったと思います。
具体的にお話くださるので、「なるほどー」と思えました。
我が子はもう大きくてそろそろ就労について考えるような年ですが、日々、年々状態が成長しているので、同じ先生のお話でも新しい発見、見方ができて、とても勉強になりました。
より深く特性や対応について具体的に伝えていただけて、大変勉強になりました。今日はついていくのに必死だったので、家に帰って家族のことを考えながら、じっくり見直して行動に移していきたいと思いました。
「理解」なくしてその人に応じた支援はできないと強く感じていた今日この頃だったので、それを証明していただくような内容のあるお話を聞けて感謝しています

 <教職員アンケートより>

4才児の担任をしています。認定を受けている子がクラスに3名いて、一人一人違うので対応の仕方も難しく、
毎日どうしたらと悩む日々でした。子ども達に負担をかけていることに反省する日々です。問題解決アプローチをしながら一つずつ解決していくようにして、楽しく生活できるようにしていきたいです。ありがとうございました。
社会性の発達の違いについての理解は、分かっているようで、改めてお話を聞くことができて、より理解につながりました。また、質問された人への先生の答えから、具体的な対応の仕方も聞けたのが良かったです。
具体的な支援の仕方・色々な症状の実践例について、教えていただくことができて、今後の取り組みの参考になりました。その子にとってのよりよい対応策について、また自分なりに考えていきたいと思いました。
保護者との対応で悩んでいたので、何か自分の中ですっきりとしたものを見つけられました。何よりも子どもも親も理解しようとする受け皿が必要だし、そのための研修も大切です。色々な引き出しができて良かったです。
実際の問題行動に対する理解と対応を一緒に考える機会があり、とてもいい勉強になりました。これからの子ども達とのかかわりを改めて考え直すいい機会になりました。
「できたことノート」などの具体的支援を教えてもらえて良かったです。質問への回答が幅広く、より分かり易かったです。また定石(こうした方がベスト)のようなことも色々あり、良かったです。
午後のみの参加でしたが、大変勉強になりました。問題行動の背景にある原因をしっかり考えて対処していく具体的な手立てを、実際に演習をして学ぶことができて、よかったです。もっとお話を聞いてみたいです。
自閉症の子ども達がどう感じ、どうしたらいいか、想像できないことなど、彼らの世界を分かり易く教えていただけて良かったです。今一番知りたいことでした。明日からの支援を考えたり、方向も決めることができました。
自分の考え方を中心に考えないことと、私たちには想像力が与えられているので、まず私たちが想像し、寄り添うのだという考え方にハッとさせられました。ありがとうございました。
事例を上げて一緒に考えることができて良かったです。同じようなタイプでも、一人一人思いは異なり、表現のしかたもさまざまであることも改めて感じることができました。
自閉症児の気持ちの持ち方や感じ方が少し分かったような気がしました。3つの事例を考えることで、こんな風に感じているんだなぁ、こういう風に対応すべきなんだなあと具体的に考えることができました。私たちが何気なく使っている励ましの言葉もこれからは改めて考えて使っていかないといけないなぁと実感しました。
今日はありがとうございました。4月から新しい内容の関わり方をしていますが、先生のお話をお聞きして元気が出ました。何が大切で何をしたらいいか少し理解できたようです。子どもに寄り添いながら一日一日を一緒に考えたり学習しながら生活しようと思います。
今年、特別支援教育コーディネーターとなりました。巡回相談や学習会で話をする機会が多くなりましたが、今回の先生のお話はとても分かり易く、障害についてあまりご存知ない方にこんな風に伝えたらいいんだなというヒントがいっぱいでとても良かったです。質問にクリアに答えられることに、先生のすごい力を感じました。

 <福祉関係者などアンケートより>

質問に対する回答が具体的で分かり易かった。また支援者が陥っている盲点(自分は正しい)も、やさしく指摘してくださり、独りよがりの支援ではダメなことを改めて教えていただくことができました。
私は自閉症という障害を理解していなかったことを改めて気づきました。今日の講演会のお話を聞いて、子ども達に対する支援の仕方が変わることは間違いありません。本当にありがとうございました!
昨年度も新澤先生の講演を聞いて、とても分かり易かったので、今年も参加しました。内容は去年と同じような形でしたが、一年間仕事をしてきて、去年の講演会の時より自分の中で自閉症について少しでも分かることができた(知ることができた)ので、また今年先生の話を聞くと「分かる分かる」と思うことも多々ありました。また、最後の質問の時間では、質問へのアドバイスもとても分かり易く、その人一人だけのアドバイスではなく、私の働いている職場でも試せるかな?と思えることも多くあり、とても良かったです。

  今後の講演会のお知らせ

☆第3回セミナー☆
  日時・・・8月19日(日) 場所・・・岡山ふれあいセンター
  講師・・・重松孝治先生(川崎医療福祉大学TEACCH部)
  「幼児期・学齢期の自閉症児への支援 〜大人になる前に 今できること〜」
☆第4回セミナー☆
  日時・・・10月8日(月・祝) 場所・・・岡山ふれあいセンター
  講師・・・明石洋子氏(川崎市 あおぞら共生会)
  「自閉症の息子と共に兄弟児を育てて」
☆第5回セミナー☆
  日時・・・12月1日(土) 場所・・・岡山ふれあいセンター
  講師・・・篁一誠先生(横浜やまびこの里)
  「自閉症児・者との関わり方 〜接し方のポイントと理由〜」

勉強会のお知らせ

  「母の想いを話す会」

6月27日(水)開催された第2回目は、11人のお母さんが参加されました。
今回は、「光とともに」のあとがきを書かれた阿部真理子さんの文章を参加者で読みました。
参加された方からの感想をいただきましたので紹介します。
 皆さんのお話に共感し、涙し、反省し、また励まされ、色々と内容の濃い懇談会でした。
子どもに対してまだまだ責めている気持が強かった私ですが、その日は自然と「できるできる、大丈夫」「分かる分かる、頑張って」とたくさん子どもに応援していました。
少しでも持続していけるように頑張りたいと思いました。とてもよい触発の場となりました。

次回の「母の想いを話す会」は・・・

日 時 : 平成19年7月11日(水)9:30〜12:00
場 所 : きらめきプラザ 会議室(岡山市南方)
内 容 : はじめに読書を15分ほどして、それぞれの想いや悩みを皆で聞きます。
       一人で悩むより、皆で考えればよい知恵も浮かぶでしょう。
       共感したり、慰めあったり、一緒に前向きになれるよう支えあう、良い学びの場になるような、そんな時間を目指しています。
参加費 : 300円(別途本の購入がある場合もあります)
申込先 : 育てる会事務局へ7/10までに。(正会員保護者のみ)
【今後の予定】 9/26(水)10/24(水)
・・・予定は変更になることもありますのでご了承ください。

支援者養成講座 報告

19年度も、重松孝治先生に「自閉症児への支援:実践編」を講義と演習のセットでお願いしています。
即!実践につなげることのできる先生対象の講座です。
第二回の6月15日(金)は、今回のテーマは「評価(自閉症の特性をとらえる)」のお話でした。
診断は、「自閉症かどうか、鑑別をする」 自閉症としての共通点を探すもので、
それに対して評価は、「一人一人の特徴や状態の把握をする」 自閉症の中での違い(個人差)を探すものです。
評価の目的は、
  @教育方針や提供するサービスの決定 
  A指導目標や教え方の決定 
  B思い込みで関わる危険を減らす 
  C指導やサービスの効果と妥当性の判定をするため
などがあります。
「フォーマルな評価」とは、PEP-RやAAPEP、発達検査など、人工的な場面設定で、限定された評価課題の中で行うもの。これは、準備や教材・手法などが難しいです。
一方「インフォーマルな評価」とは、評価したい課題の実施中の様子を観察するので、手近かな材料ですぐに実施できます。これは、支援の個別化のために、取り組むべき内容の示唆・適切な支援方法を探ることを目的としています。
やり方としては、一つの課題を項目ごとに細かく分け、それがどの部分は自立して一人でできる「合格」スキルか、できかけている・分かっているがうまくできていない「芽生え」スキルか、できない・しようとしない・分からないの「不合格」スキルかを見極めます。
例えば「机拭き」という課題ならば、
  @ バケツに水を入れる
  A 雑巾を洗う 
  B 雑巾を絞る 
  C 机1を拭く 
  D 机2を拭く 
  E 雑巾を洗う 
  F 雑巾を干す 
  G バケツの水を捨てる・・・
この中の一つ一つがどこまでできているかを評価して、それから支援するのです。
支援者でありがちなのは、「できていることにまで手を出しすぎてしまう」ということ。
ついつい手をかけていくうちに、子どもはしてもらうのを待つようになってしまいがちです。できることは自分でやって、もう少しで出来るところには適切な支援をして自立していけるように支援し、できない部分はこちらが工夫してそれを子どもにさせなくても済むように考える。これが大切な支援の姿勢なのです。
(事務局:鳥羽 紗代)

次回案内 : 第3回は平成19年7月27日(金)19:00〜21:00
         会場は生涯学習センター大研修室です。(賛助会員のみ:本年度申込締切)
欠席連絡: 育てる会事務局(086-955-6758)

キッズルームのお知らせ

先日6月10日(日)に、今年度初めてのキッズルームが開催されました。
参加者9家族、14人の子どもたちが参加し、岡大児童文化部の皆さんと一緒に楽しい日曜の午後を過ごしました。
学生ボランティアの方々からの感想が寄せられていますので紹介します。

キッズは来てくれる子どもが毎回結構同じなので、子どもさんの成長が見られて嬉しいです。彼らの世界は私達が感じている世界とは異なり、それを彼らに押しつけるのはいけないという事をすごく感じました。
私はキッズルームによって彼らの楽しみや興味の世界が広がるといいなぁと感じます。少しでも日頃の生活と違う活動に慣れてもらえたらいいなぁと感じます。それに、自閉症の子どもについて全然知らなかった学生にも自閉症の子ども達と関わってもらうことで本当の自閉症について知ってもらういい機会だと感じます。本当に楽しかったし、また参加したいと感じました。
(三回生・もみじ)
自閉症児とふれ合うことが初めてだったので、最初は少し身構えていたところもありましたが、実際の子どもとのふれ合いは本当に楽しく、子どもの素直さに自然と優しい気持ちになることができました。純粋な笑顔に元気をもらいました。ぜひまたキッズルームに参加したいと思います。(一回生・みずき)
今回は初めてのキッズルーム参加で、子ども付きをさせてもらいました。私が付いた男の子は時計にとても興味があるようで、入り口付近の進行表の時計の絵を熱心にみたり、自分が何時何分に会場に到着したかを詳しく教えてくれたりしました。トライアルでも円盤や教材で楽しそうに遊んでいて、一緒にいて楽しかったです。リトミックでの踊りは、最初は少し難しそうにしていましたが、だんだんとコツがつかめたようで、最後の方は上手に踊れていました。スカイバルーンもお気に入りのようで、一度中に入ると最後まで中で楽しんでいました。キッズルームは子どもとふれあって楽しめるだけでなく、どうすればもっと子どもに楽しんでもらえるかを考えさせられる貴重な場であり、これからも参加したいと思いました。(一回生・アポロ)
初めはどう声をかけたら喜んでもらえるのだろうかと考えながら接していました。しかし、反応が返ってきた時や、笑顔が見られた時はとても嬉しく、次第にいろんな風に話しかけていくことができるようになりました。また、どのトライアルも様々な工夫をして楽しんでくれて、その発想がとても面白く、感心しながらも、私自身も一緒に楽しんで遊ぶことができました。人形劇では、舞台から目をそらすことなく見入ってくれていたので、とても楽しんでもらえたのではないかと思います。
今回はとてもいい経験になったと思うので、これからも、こういった機会には是非参加していきたいと思います。
(一回生・ラベンダーくみ)

水泳教室のお知らせ

学校でも水泳が始まって、水の好きな子どもたちにとっては嬉しい日々が続いているかもしれません。今月も楽しい水泳教室にしたいですね。
日 時 : 平成19年7月15日(日) 15:30〜17:30
場 所 : 岡山OSKプール(岡山市絵図町)
連絡先 : 育てる会事務局
※今年度も、毎月第3日曜日(8月はお休み)に開催します!!

  <練習内容>

準備運動・各クラスに分かれて練習・遊びの時間・模擬水泳を見る。
クラスは「水慣れコース」から「上達コース」まであり、それぞれ保護者と子どもさんが必ずペアで参加します。
水慣れコースでは、顔を水につけられないお子さんに「水は怖くないよ」「楽しいよ」と教えるために、保護者がおんぶしたり抱っこしたり競走したり電車ゲームをしたり。
段々慣れてきて、少し顔に水がかかっても嫌がらない→ちょっと遠いお父さんのところまで自分でジャンプなど、少しずつですが確実に上達していきます。
レベルがあがると、各コースのリーダーさんと保護者で話しをして、次のコースへ進みます。「無理をさせない!!」それが水泳教室の大切にしているものの一つです。
★ 欠席される方・ボランティアさんが必要な方は必ず事務局に連絡してください。
 (土日は閉局ですのでご注意ください)
★ 育てる会事務局への連絡は、金曜の18時までにお願いします。当日の急なキャンセルなどのご連絡は水泳教室担当者の携帯に連絡してください。
★ 新たに参加されたい方は事務局までお問い合わせください。(正会員のみ)
★ ボランティアの方、指導してくださる方を大募集中!
どうぞよろしくお願いします!!
(水泳教室担当:S)

プレ修学旅行の旅へのお誘い

大阪・奈良・京都を巡るバス旅行
なつかしの修学旅行コースを子どもと共に巡ってみませんか?
定員40人の予定でしたが、若干空きがあります。
子どもを連れての旅に迷っておられる方もいらっしゃると思いますが、思いきって出掛けてみませんか?
団体バス旅行というものは、学校生活では必ずあることです。
クラスメイトとの初めての旅のその前に、一度親子で経験しておくと安心です。一緒に行くのは皆自閉症の親子です。皆で助け合って、一緒に子どもたちの旅を成功させましょう。
一人では難しいけれど、皆で行けば元気も出ます。
若干名の募集ですので、急いでご連絡ください。
サポートは5名のボランティアが行ないます。
今回は育てる会主催行事ですので、事前に下見・打ち合わせも行ない、スケジュールや支援方法を検討し、事前に保護者の方にお伝えしますので、どうぞ安心してご参加ください。
申込先 ・・・ 育てる会事務局
電話:086-955-6758・FAX:086-955-6748
対 象 ・・・ 育てる会正会員
詳しい内容など知りたいことがありましたら、どうぞお気軽に上記事務局へお問合せください☆

 事務局だより
7月に入り、梅雨らしい雨の日が続いています。渇水に悩む香川あたりのダムにとっては「恵みの雨」となったでしょうか。
7月1日(日)、川崎医療福祉大学ASC部の招待行事「ボーリング大会」が行われました。
育てる会主催とは違って、私たちは「招待していただく形」。スケジュールから中身から全部学生ボランティアさんが考えてくださいました。事務局の私も基本的に関わらないポジションで、今回はカメラマンに徹しました。
最初は不安そうにしていた子ども達が、10回自分の番が回ってきて、各2回ずつ、合計20回投げるうちに、少しずつやり方を覚え、少しずつピンが倒れたことを喜べるようになった子どもさんもいました。
また、今回は兄弟たちも多く参加してくれて、ボラさんに「こういう風にしたらいいんだよ」とお兄ちゃんがボラさんに教えてくれている場面も見えました。さすが兄弟!!毎日一緒にいる分だけ、関わり方も上手です。
子ども達の中には、ボーリングをしたことがなくて、人の多さやピンの倒れる音やゲームセンターなどが気になって集中できないケースもありましたが、これをきっかけに家族でボーリングを楽しめるきっかけになったらいいと思います。
招待行事ということで「もっとこういう風にしてほしかったな」「この場面ではこういうサポートがあればいいのに」「あの支援はいいな」など、様々なご感想・ご意見があったと思います。
それは、ぜひ学生さんにも伝えていただき、今後の活動の参考にしていただきましょう。そして、次回参加する場合に、ボランティアさんにお任せするのではなく、家庭で準備するもの・持っていくもののアイディアを作るきっかけにもなるともっと素敵ですね☆
さて、7月末から8月中は、事務局員は公私とも予定が目白押しです。
7月末の重松先生の講座、8月頭の土日は岡山のお祭「うらじゃ」で当日参加型踊り連の代表、第二週は「高知よさこい」、14〜16日は川崎医療福祉大学トレーニングセミナー、19日は重松先生の講演会、21〜22日は育てる会バス旅行・・・。
暑い日が続きますが、皆様も身体に気をつけて、楽しい夏にしましょうね。
(事務局:鳥羽 紗代)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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