sorry,Japanese only
平成19年8月31日
第112号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
112号 目次
過ぎ去っていく夏に
19年度講演会のお知らせ
支援者養成セミナー報告
吉備国際大学招待行事
『 元気いっぱい、お腹いっぱい、高梁大運動会 』
夏旅行 『育てる会 プレ修学旅行の旅』 報告
勉強会のお知らせ
「母の想いを話す会」
「赤磐ぐんぐん勉強会」
支援者養成講座のお知らせ
AAO・キッズルーム・サッカークラブ・水泳教室 のお知らせ
クローバーの会 報告
私のお薦め本コーナー
『 発達障害のある子の 保育の手だて 』
近隣の講演会等のご案内
事務局だより
毎日の暑さは相変わらずのようですが、ふと気づけばセミの声が変わっていて、秋の近いことを告げています。私の生きてきた人生で一番暑かった夏がやっと終わりそうです。
猛暑、熱風地獄。今年の暑さへの表現も色々あるようですが、夏も終わりとなると、何か寂しく感じるのは私ばかりでしょうか?
今年の夏は忙しくあっという間に終わった感がありました。
この会報の巻頭を書くにあたり、毎回「さぁ何を書こうか」と思い返すのですが、今月は出来事が多くて書いておきたいことがいっぱいあることに気がつきます。
私が今月号に書いておきたいと思ったこの夏の出来事は、こちら。
8月1日 津山のマザーズ11の皆さんとNTNの見学
4日 太陽の家の皆さんや息子と一緒に土ひねり
5日 東備養護学校の同窓会
14日 川崎医療福祉大学TEACCHトレーニングセミナーのオープンレクチャーで息子の就職についての話をしたこと
15日 シネマタウンで「オーシャンズ13」を息子と見たこと
19日 育てる会主催の重松孝治先生の講演会(講演報告が会報後方にあります)
20日 なのはなクリニックで息子が発達検査を受けたこと
21〜22日 大阪・奈良・京都への修学旅行の練習のための「育てる会バス旅行」(感想が会報後方にあります)
25〜26日 自閉症カンファレンス日本2007参加したこと
ページも限られています。書きたいことはいっぱいあるけれど、何を書こうかと考えると、やっぱり一番最後の「自閉症カンファレンス日本」に参加したことでしょうか。
今年で6回目を迎えた自閉症カンファレンス日本は、規模の大きさ・多彩な参加者、そして何より内容の充実では、日本という名を冠するにふさわしい会と言えるでしょう。
今年はノースカロライナからメジボブ教授と共にアン・パーマー女史もいらして、講演してくださいました。アン・パーマー女史のペアレントメンターについての講義は、私も電話相談をお受けしているので、しっかり学びたいと参加しました。
私はこのカンファレンスにもう連続6回参加しています。1回目と2回目はショプラー教授がいらしてくださって、私はその第一回目で教授と握手までしていただきました。あの大きな暖かな包み込むような手の厚みを忘れられません。残念ながら教授は昨年7月にお亡くなりになってしまわれましたが、その業績はTEACCHプログラムという形で皆の中に生きています。
思い返すと息子が三歳のころ、新聞の中に「朝日新聞厚生文化事業団」の「親のための自閉症セミナー」という文字を見つけて申し込んだのが、私とTEACCHとの出会いでした。
当時、夫はたくさんの自閉症の本を買ってきて、自分が読んだ後に“これは”と思う本は私にも読むように勧めてくれました。なんとか息子を、自閉症を、知りたい、解りたい。その頃の私たちには自閉症という文字が本や新聞の中から浮き上がって見えたものでした。セミナーの募集広告は新聞の片隅に載った小さなものでした。でも私たちにはパッと目に飛び込んできました。神様からの贈り物のように見えました。
すぐに申し込んで、私は2年間毎月大阪へ通って学びました。
そして少しずつ自閉症というものが解ってきました。
お先真っ暗闇のように思えた初めての自閉症の子育てにも、子どものためにしてやれることが、その方法があるということが救いでした。あの2年間は自分が再生していく時間だったようにも思います。
毎回学んだことを家で試してみました。
怒らないで肯定的に関わること。
言葉に頼らず見て分かるように示していくこと。
家の中で息子が混乱することを見つけては片付けたり分かりやすく示したり・・・。
今から思うと形にばかりとらわれた支援だったかもしれません。
でも、親は一生懸命です。一生に一度しかないこのときを、一番よいことがしてやりたい。子を思う親の気持ちは切実なのです。
私はあの必死に頑張っていた告知を受けてからすぐの私を、労わってやりたいと思います。
初めは月2回大阪へ通いました。通うことが救いでした。その日だけは主人が休みを取ってくれて、子どもたちを見てくれました。朝7時に家を出て、節約のために普通電車で大阪へ向かいました。10時から12時まで学んで、大阪で知り合ったお母さんと食事したり話したり、そして時には久しぶりの大阪でゆっくり本屋へ寄ったりと、育児に悩殺されていた私にはリフレッシュできる、いい時間にもなりました。
ここで学んだ一番大きなことは、自閉症の子は普通の子とは違う人生を生きるんだということでした。そして、息子には息子の人生があって、それをより良いものにするには、自閉症と普通の人との違いをよく知り、理解すること。それが一番大切なんだと学びました。
「やっぱり絶対治らないんだ」時には帰りの電車の中で1人涙したこともありました。何度も聞いて知っていたはずのことを改めて思い知らされたりするほど、まだまだ諦めの悪い私でした。そうです。当時の私は自閉症を治したいと思っていました。
でも、親のための自閉症セミナーは、自閉症をありのまま受け止めて、そして支援していくための学びの場でした。私はゆっくりゆっくり同じ自閉症児を持つお母さんたちとの学びを通して、癒され、励まされ、そして立ち上がっていきました。自閉症カンファレンス日本を主催してくださっているのも、朝日新聞厚生文化事業団です。本当にあの親のための自閉症セミナーがなかったら、私は哲平を育ててこれなかったかもと思えるのです。
TEACCHを知って、彼には彼のものの捉え方や感じ方があることを学びました。
私たちとは違うということ、だから普通にしようとしてはいけない。無理強いしてはいけないことを肝に命じました。
人は思想や宗教や政治・哲学でも、一番初めに入ったものに大きく左右されるものではないでしょうか。私の場合、たくさん本を読み、講演会にもたくさんたくさん出かけました。いろんな療育方法に接し、19年の子育ての間には、厳しくしつけるような指導に接した時期もありました。私も影響を受けて、頑張って教え導こうとした時期もありました。けれど、それも自閉症の特性を考えてみると、「この先生のやっていることはやっぱりおかしいな」と気づくこともありました。
哲平が障害は重いなりに、今のように落ち着いて暮らしているのは、幼い頃に最初にTEACCHとの出会いがあったからと思えるのです。
一番最初に学んだのがTEACCHであったことが哲平にとって幸運でした。今もたくさんの療法がありますが、一番効果をあげているものが、一番だと思います。
ノースカロライナでショプラー教授がTEACCH部を作られて約40年。ノースカロライナでは、ほとんどの自閉症者が地域の中で働き、自立してアパートやグループホームで暮らしています。また日本のように高機能の人たちが引きこもりをしている例や犯罪もほとんどないという報告でした。
この日本を、岡山を、そんなところにするには、どうすればいいのでしょう。その答えは簡単には見つかりませんが、私は一生懸命TEACCHを広くみなさんにお勧めすることから始めたいと思っています。一番最初に入った思想が、その人のその後の人生を左右するのなら、TEACCHを一番に学んでほしいと思います。私にできることはこうやって会報を通して皆さんに伝えることです。育てる会としてできることは、講演会や支援者への即実践講座などを通して、より良い学びを伝えることでしょうか。
重松先生の即実践講座は賛助会員である支援者の先生方を対象にしたもので保護者は参加できませんので、お母さんのための学びをということで、「赤磐ぐんぐん」主催の勉強会を行います。
題して「スケジュールってどうして必要なの?」です。
さて、お話大きく反れに反れてどこ行くんだーって感じですが、元に戻して。
自閉症カンファレンス日本2007の会場です。(そこに戻るんです^^)
今回はアン・パーマー女史のペアレントメンターのお話を聞けると喜び勇んで行きました。私は自閉症児の親として育てる会の電話相談を受けています。育てる会の電話相談のコンセプトは「聞いてあげること」ただそれだけです。できるなら良い相談機関や専門家を、また育てる会だけでなく、近くの親の会の情報などを伝えます。でも最近は難しいケースが増えていて、聞いてあげるだけではすまないケースも増えていて困っています。
どこにも紹介できないケースがあります。高機能の方の家庭内でのとじこもりや、親への暴力など、親御さんのSOSに私は無力です。本当に力になってあげたいけれど、何もできない私です。岡山の中で相談できるところは、すでに皆回って、私のところへたどり着いての相談です。紹介できるところはもうありません。そういう方にはただただお話を聞いて差し上げることしか私にはできませんでした。
アン・パーマー女史は、そんな私に力をくださいました。
「傾聴の力」についてお話してくださいました。
相手の話をよく聞くことがとても大切なことです。
そしてもし相談者の悩みに答えがなくても、聞いてもらえる、聞いてくれる人がいるというだけでも、その親には力になるのです。
それが傾聴の力です。
と言われました。
そういえば私は思い出しました。
昔、主人に子育てのしんどさや、今日あった辛かった出来事をたくさんたくさん話をしたものでした。話しても解決などできないことなのに、ただただ主人に向かって話していました。
理解してくれない園の先生との軋轢や、その日のパニックの大変だったこと。回りの人たちの冷ややかな視線のこと・・・。主人に何もかも話すことでスッと気持ちが晴れました。主人は何も言わず、時々相槌を打って聞いてくれました。まさに傾聴の力です。主人は「会社で疲れているんだ・・・」なんて言わないで、しっかり受け止めてくれました。
また、アン・パーマー女史のお話の中に、「親の悲嘆は一人ひとり違う。その原因のひとつに家族のサポートのあるなし、サポートしてもらえる環境かどうかで、悲しみの度合いが違ってくる」というお話がありました。
アン・パーマー女史の場合は、ご主人の他にそれぞれご両親4人のサポートが受けられる環境があったそうで、それらのおかげで自閉症の子へ熱心に前向きになれたと言われました。
私も同じだったと改めて思いました。
主人の両親がすぐ近くに住んでいて、哲平を預けることができました。姉は哲平より9歳年上ですので、よく世話をしてくれました。兄は3歳年上で、哲平と調子を合わせて遊んでくれたり、お風呂やトイレのしつけはこの兄がサポートしてくれました。
私は恵まれた環境の中で子育てをしてきたのですね。だからこそ、元気に生きてこられたんですね。今これを書いていて思いました。
自分は結構苦労したと思っていましたが、実はそうではなく、本当に楽に子育てしてきたのですね。
なぁんだそうか、それで今思い出すと楽しかったことしか思い出さないんだ。納得!
と、話はまた反れましたが。「親へのサポートをする、親に向けてのサポート」が、ペアレントメンタープログラムです。
TEACCH部の療育が始まるまでの待機時間の6ヶ月間ぐらいをペアレントメンターが親の相談に乗るというものです。
メンターになってくれませんか?とTEACCH部のコーディネーターが頼むと、ほとんどの親は断らないそうです。自分から親に電話をかける費用も結構かかるのに、報酬を求めるメンターは一人もいないということでした。さすがボランティアの国、アメリカですね。
日本にはTEACCH部はないし、一生涯サポートしてくれる場もないのですから、親はもっともっと不安です。
この子はいったいどうなるのだろう。どんな将来が待っているのだろう。不安や恐れで親は押しつぶされそうになります。そんな親にとって、専門家からの情報やアドバイスはとても大切なものです。でも、それだけでは足りない時、育てる会の電話相談のような、親による親のための話せる場が大切だと思います。
自閉症の子をもつ親にとって、一番大切なことは仲間の存在だと私は思っています。
「ひとりじゃないんだ。同じ苦しみを乗り越えてきた人がいる」そう思うことで、今のがんばりが、明日へ活きることを知るのです。
「明けない夜はない」そう信じて生きていってほしいと願いながら、私は明日からも電話を受けていきたいと思います。
さて、アン・パーマー女史は、もう一つ私に勇気を与えてくださいました。
4時間以上の講演の中に、「兄弟児への支援」というところがあって、どのように兄弟児を育ててきたかというお話しをしてくださいました。アメリカも日本も同じ苦労はあるようです。お兄さんのエリックの障害を兄弟にどのように話したか、そして、どのようなことに気をつけて育ててこられたかについてお話しくださいました。
現在エリックさんの妹と、弟さんは、福祉の分野に進まれているそうです。アメリカでは、兄弟児が、福祉の分野に進む例がとても多いそうです。
それは自閉症をマイナスととらえず肯定的に子育てしていくTEACCHの考え方が、兄弟児へもプラスの効果を及ぼしているからではないでしょうか? ともすると障害者支援とは関係のない分野に進む兄弟児が多い日本との違いを感じてしまいました。
それではノースカロライナと違い、TEACCHのサポートもないこの日本で、私たちは、どのように自閉症の子どもをそして、その兄弟児を育てていけばいいのでしょうか。最近は、本人へのサポートだけではなく、その兄弟児へのサポートについて、聞かれることも増えてきた電話相談です。
ちょうどタイムリーに、育てる会ではそんなお話の講演会を行います。自閉症である徹之さんと一緒に、ご兄弟も丁寧に子育てしてこられた、明石洋子さんをお招きして、ご自身の子育てをお話いただく予定にしております。会報にも案内文を入れておりますので、どうぞ、お誘い合せの上、ご参加ください。お待ちいたしております。
また、明石さん親子を交えて講演会前日には、ささやかながら懇親会を行う予定です。
この機会により親しくお話を聞かせていただけるのではないかと思っております。明石さんファンの皆さんこちらへもどうぞご参加ください。
さて、最近の哲平君のお話をいたしましょう。
先日、シネマタウン岡南で映画を見ました。前から見たかったという「オーシャンズ13」を哲平のたっての希望で見に行きました。何度も何度も見に行く日を確認して、当日は朝から時間を何度も確かめたりソワソワしどおしでした。そんな念願叶った「オーシャンズ13」の上映中、ふと横を見ると何と何とテッペイ君は、寝ています。少しひじでつつきましたが、起きません。映画館で寝るなんて今までないことだったので、よっぽど話しについていけなくておもしろくなかったのでしょうね。
まぁ〜いいかと放っておきました。約一時間後、それでもあまりにもったいないと思えたので、そっと、もう一度ひじをつつきました。あわてたように起きた哲平君は、何事もなかったように残りを見ました。
帰りしなに、聞いてみました。「映画おもしろかった?」すると、当たり前でしょという感じで、「おもしろかったです」と応える哲平でした。ホントかな???
また、こんなこともありました。
それは哲平がお風呂に入っている時に、私は用事があって洗面所に入った時のことでした。
お風呂の中からなにやら声がします。ふと気になって聞き耳を立てました。
すると「・・・77・78・79・80・81・・・」数を数えている声です。何を数えているんだろう??? 気になって、そっと覗いてみました。何と哲平は、湯船に浸かって100までの数を数えているのです。
小さい頃に、温まる為に100まで数えて出てくるように教えたのは確かです。でも、季節は夏。しかも、教えたのは、小学生の時です。お兄ちゃんと入らなくなって、もうかれこれ10年近くなります。もしかしてあれからズーッと数えていたのでしょうか・・・。すごい!!なんて律義な哲平君。こんなところが、なんともいじらしくって、自閉症って、ス・テ・キなんて思ってしまう私です。こんな子を育てている私です。シアワセです。
またまた、子ども自慢をしてしまいましたね。皆さん、子どもの事を肯定的に人に話しができるようになるのもペアレントメンターの条件の一つだそうです。手放しで褒めちぎる鳥羽さんて、そこんとこだけは、合格でしょう?
さあ季節は秋に向かいます。いよいよ、学齢期の子どもたちにとって、試練の2学期です。学校の先生方、どうか、自閉症の子に配慮した運動会をお願いいたします。スケジュールを分かるように示すことは、今時当たり前のようになった支援の1つです。自閉症児だけのためと思うと面倒ですけれど、クラスの中に今や6パーセントもいるとも言われるADHDやLDの子にも有効です。もちろんクラスの普通(?)の子どもたちにとっても、分かりやすい提示となりますので、どうかどうかよろしくお願いいたします。
また、お母さん方、先生はお忙しいので、「うちの子には、こんなものがあると助かります」と、自作のスケジュールカードを持参しませんか? 学校側にばかり文句を言っていないで勇気を出して、自分で作ったものをお渡ししてみましょう。
もしかしたら先生方も、「助かった!」って思ってくださるかもしれませんよ。子どもの安定は、学校と家庭の協力がなければ成り立ちません。親も子も先生方も運動会は、しんどい行事です。皆さん頑張って乗り切ってくださいね。
もう運動会とも縁がなくなって、気楽になった私です。その代わり哲平君は、10月は吉備高原ロードマラソンと、蒜山高原マラソン全国大会に出場します。応援よろしくお願いしますね。
スポーツの秋、読書の秋、実りの秋、そして食欲の秋と、楽しいことやためになることも多い秋がやってきます。
皆様どうぞお元気でまた一ヵ月後に会報紙面でお目にかかりましょう。
育てる会 代表 鳥羽 美千子
支援者養成セミナー 報告
8月19日(日)、岡山ふれあいセンター大ホールにて 川崎医療福祉大学エクステンションセンターTEACCH部の重松孝治先生をお招きして、支援者養成セミナーを開催しました。
参加された方から感想をいただきましたのでご紹介いたします。
今回の講演会では、「ライフステージを通した自閉症支援の考え方」「各年代に応じた支援の実施」として、自閉症の方への支援にあたり今、私たちは子ども達の将来にむけてどういう見通しを持って何を大事にしたら良いのかということをお話くださいました。
重松先生のお話は、まずは自閉症を正しく知ろうというところから始まりました。
理解なくしては支援できないからです。
自閉症の文化
・ 脳における情報処理過程の違い
⇒理解の仕方・感じ方・注意の仕方の違い
例えば「もっと早く」という言葉・・・これを聞いた時、自閉症の人は「もっとって何?」「時速何キロ?」「10秒に何歩?」と思う。同じ言葉を聞いても、私たちと価値判断が違うため共通理解ができにくい。私たちが「なんで!?」と思ってしまう自閉症の人の行動はこの理解の仕方の違いという基本があっての行動。
・ 私たちはその違いを認めることから始める。
⇒私たちがまず一歩歩み寄り、自閉症の人に分かる方法で私たちの世界(さまざまな環境)の意味を伝えていく。
文化の違いに適応するために
・ 障害特性に応じた支援が必要。
⇒一人一人にあわせること・・・同じ自閉症でも、個性は十人十色。支援の仕方も10通り。
⇒新しいことは1対1の学習場面で教える・・・自閉症の人は経験から学ぶ特性があるので、初めての時に正しい経験をすることがとても大切。
⇒視覚的な学習を通して学ぶ・・・聞いて理解するより見て理解するほうが得意。
⇒見通しを持って生活できるようにする。
⇒コミュニケーション支援の重視・・・スケジュールや構造化は大切。しかしそれだけではこちらの伝えたいことばかりが明確になり、子どもはしんどくなる。子どもからの発信の仕方を教えていく。この発信と受信の繰り返しの中で育っていく。
・ 自閉症の人は、経験から学ぶ。「わからない」からできない。「知らない」からできない。
⇒わかればできる!「わかる」経験を積むことが大切。
トライアングルエフェクト
・ 幼児期は、限られた環境の中で広く浅く学ぶ。青年期になると生活場面が広がるので幼児期から学んできたスキルを実生活に広げる。
・ 幼児期は特に熱心な人ほどあれもこれもさせたくて、目標を絞れず結局どれもできないことになりがち。
⇒子どもは一歩ずつ進む。自己満足の一足飛び支援にならないように。
幼児期における支援
・ 本人が安心して過ごせる環境の構築
⇒自分で判断してとりくむ姿勢を身につける。
・ 幅広い教育内容
⇒個々に応じたコミュニケーション能力の向上
⇒まず一人でできる学習課題に取り組む(「学ぶ」ことを「学ぶ」段階)
・ 強化システムの構築
⇒見通しを持って取り組む姿勢を身につける。
・ 家族のサポートを重視する。
児童期における支援
・ 「自立」を念頭においた支援の展開
⇒学習の開始から終了を自立して行なう。
⇒特定の環境の中での移動の自立。
* 自立するためには活動の流れや意味をその子にわかるように明確にする。
青年前期(〜15歳)の支援
・ スキルの獲得
・ 学習内容を広げるより、獲得したスキルを広げるための教育に目標を転換
・ 搬化のための教育
・ 対人関係に関するスキルの重視・・・構造化された集団での活動・グループワーク
青年中期・後期に向けての支援(卒業後の生活への移行)
・支援の焦点を絞る(支援内容の精選)
⇒生活ベースで支援を考える
⇒様々な環境から、実際の活動・生活場面へ
⇒スキルの確立・自立を目指す
継続的な支援の実施における配慮点
・ 障害特性に基づく。
・ 客観的な評価に基づき個別化する。(感性で評価しない)
・ 双方向のアプローチ
⇒障害特性に応じた支援は重要。でも、子ども達に頑張ることばかりを求めていないか?頑張ることで問題は解決されているのか?
⇒自閉症は生涯にわたるものであり、本人を取り巻く環境や活動の調整が重要。
連携の重要性
・ 自閉症支援は、その人の生涯にわたる支援という視点
⇒ある時期のある活動だけ適応できても不十分。
⇒支援者間、各時期で支援の共有が必要。環境や人が変わるたびに支援の仕方が変わることは子どもにとって何を信じてよいかわからなくなる。
⇒経験から学び文脈に依存しやすい障害特性・・・自閉症の人の意味理解を助けるシステムを教える。人や場所が変わっても同じシステムを使うことで、同じことをしていると思え変化への適応を助ける。(変化があってもすべてが変わってしまったわけではないという安心)
⇒各場面での自立・搬化へつながる。
自立の考え方
・ 他人に頼った生活から、できる限り期待されている役割を意識し実施できるようにする。
⇒限られた場面で学んだスキルを実生活(地域生活)へ広げる。
⇒できる限り一人でできる機会を増やす。
⇒わからないことを教えるばかりでなく、わからない時にどうしたらよいかを教える。
⇒支援ツールを使いながら、自立して生活する。
家族と支援者の協働
・ 家族と支援者が持つ専門性の違いを知る。
⇒家族は子どもと多くの時間を過ごし、子どもについて多くの情報を持っている。
⇒支援者はいろいろなタイプの事例を知っている。
⇒お互いの立場と強みを確認し、お互いの尊敬によって協力し合うこと。
私は、自閉症のお子さんの療育に携わっています。一人一人のお子さんの特性をしっかり見て、将来に向けて適切な支援がしたいといつも思ってはいるものの、目の前の問題にとらわれてしまったり、子どもにがんばらせすぎたと反省することが多々あります。今日の重松先生のお話をお聞きして、「今」の支援が良くも悪くも確実に子ども達の将来につながっていることを改めて感じさせられました。将来に良い形でつなげていくことができるようにその失敗や反省を次の支援にむすぶことが大事だということも感じました。
そして自閉症でもそうでなくてもみんな同じ社会で暮らしていく人として、「自閉症を理解したい」という気持ちとそのためにできることは何かと考え続けることを忘れたくないなと思いました。
お家の方と一緒にしっかり話をして、PLAN−DO−SEEで子ども達が明るい未来に向かって一歩一歩前進できるよう、がんばっていきたいと思います。
重松先生、ありがとうございました。
(やんちゃる・もんちゃ)
保護者アンケート
● 幼児期〜就労に向けての関わりが見えたこと。その子への個別性を具体的に説明・写真があったこと。分かり易い内容にして講義してくださって良かったです。
● 本当の支援とはどういうことか、大人になったら?子どもは経験からまなんでいくことでもう一度家庭で日常を振り返り子育てしていこうと思いました。
● 大人になるための準備が、日頃の子育てに「落とし穴」があったことが再認識でき、反省することができてとても良かったです。重松先生はいつも分かり易くポイント的にお話され面白いので、毎回楽しみです。
● 自閉症の子どもの理解の仕方を学び、その子に分かるやり方で理解できるようにし、それから初めて子どもはできるようになる。何度も何度も教えていただいているのに、日々の生活の中で、子どもが「できない」ことばかりに目が行ってしまって、分かるからできるということを自分が忘れてしまっていることに気づかされました。先生のお話を聞くたびに、自分がとても忘れっぽいことを身にしみて感じます。
● すでに知っていると思い込んでいた内容でも、先生の言葉で聞くと、また違って新たな発見になります。とにかく勉強になりました。
● 自閉症児の思いを重松先生が代弁してくださったような気がします。常々こういうお話を教育関係者の方々にも広く知って欲しいとおもっていましたので、少しでも子どものための支援につなげてほしいです。保護者としても反省すべき点・参考になる点が多くあり、よい講演会でした。
教職員・保育士アンケート
● 具体的にお話してくださったこと。とても分かり易かったです。また写真がたくさんあってイメージしやすく、言葉でも伝えてくださったのが分かり易かったです。
● 自閉症について、また対応についてのより詳しいことが分かりました。特に「経験で学ぶ」「治すのが目的ではない」というお話は良かったです。
● 午前中の講演が、午後の「支援の実施」の講演にきちんとつながっていて、分かりやすいところが良かったです。何度か繰り返し出てくるお話が、だんだん自分の中に浸透していくようでした。
● 担任する子どもの中に、自閉症と言われたお子さんがいます。毎日長時間保育し関わっている私自身がしっかり知らないといけないと思い参加させていただきました。本日のこのお話を明日の保育につなげ、子ども達と一緒に私も成長していければと思います。ありがとうございました。
● 成長の中を通しての支援の仕方がよく分かり、幼児期や学童期で身についたことが、大人になってからどれだけ大きく影響していくのかがよく分かりました。
● 日頃自分のしていることの反省になりました。もう一度全体を見直し、子ども一人一人に少しでも合ったことができるよう、努力していきたいです。
● 具体的なお話で、あっという間に時間が経ってしまいました。幼児期〜学童期〜青年期の支援のつながりが分かり、今自分がしなければならないことがはっきりしたような気がします。2学期に向けて準備し、また頑張ろうと思いました。
● 将来のことを見すえた支援をしていかなければならないと改めて感じました。
● とにかく支援というものは、一つのことを取ってみても、様々なやり方があり、その人をしっかり見つめた支援の重要性を改めて痛感しました。
● 否定ではなく肯定で支援することの大切さ。具体的ということの意味。また具体的に知らせることの大切さ。
● すごく丁寧に分かり易くお話をされて良かったです。特に午後からのお話はとても具体的でした。
● とてもわかり易い説明で良かったです。ありがとうございました。育てる会の方の細かい気配り・配慮がとても嬉しかったです。(バインダーや昼食会場リストなど)ありがとうございました。今後とも頑張ってください。
● 自閉症児の特性を理解することの大切さ。その特性を理解した上で、どういった支援をしていけばよいか、具体的に教えていただいてよかったです。
● 育てる会のセミナーに参加するなどして、自閉症児について少しずつですが理解できつつあります。ありがとうございます。教育に携わる者として、これからも理解を深め、保護者の方共々、支援していきたいと思います。
夏旅行 報告
8月21〜22日、「育てる会プレ修学旅行の旅」を10家族+ボランティアスタッフの合計35名で開催しました。
両備バス西大寺営業所の土井さんに、行程やホテルなどを企画計画していただき、下見にも同行していただきました。
育てる会で少しでも子どもたちに伝わるように視覚的提示や支援内容を考えました。
当日は、これまで自閉症の方と接したことのない添乗員さん・ガイドさん・運転手さんでしたが、皆様とても親切に丁寧に対応してくださり、バスでの長時間移動、神社仏閣という子どもにとっては理解しにくい観光地、人の多い初めての場所にも関わらず、どの子どもも比較的落ち着いて参加することができました。
それでもやはり自閉症の子どもたち。
知らない土地に行く目的意識や、様々な観光地を本人なりに楽しむ方法、長時間の移動の際に携帯ゲーム以外の過ごし方、お土産の選び方やお金の使い方など、親がいない場での旅行中にどんな問題が起きそうかの課題がたくさん見つかった旅行になりました。
参加された方から感想をいただきましたので紹介いたします。
「育てる会 プレ修学旅行の旅」に参加し、親子共にとても楽しい旅が体験できました。
忙しい中準備くださった皆様、当日お世話になった皆様、本当にありがとうございました。
参加すると決めてからも正直親の不安は増すばかりでした。でもしおりと一緒に送ってくださったパンフレットとCDに収められたたくさんの写真のおかげで安心しました。(特にトイレの写真が多いことに「さすが育てる会!子どもの心理をよく分かってくださる」と嬉しかったです)
実際の旅行もたくさんの配慮があり、驚くことが多かったです。
まずは行程が時間ピッタリに進むこと。スゴイ!!バス旅行と思えない正確さで、しおりを見て行動する子どもにはこだわりや困惑も感じないですみ、安心して臨めたようです。かといってムダな待ち時間や空き時間もなく、プランを立ててくださった方々の苦労が伺える気がしました。
このほかお伝えしたい感想はたくさんあるのですが、本人がとても楽しかったようなので、子どもに直接述べてもらうことにします。
私がとっても楽しかったのは、奈良の大仏さんの鼻の穴の柱です。
最初は、ちゃんと通れるか心配でした。でも、ぎりぎり入れて嬉しかったです。
暑くてのぼせそうでした。しかは、怖かったので、本番の旅行はドキドキです。せんべいは友達にあげようと思います。
ホテルに泊まれて嬉しかったです。白い布団が並べていて、気持ち良かったです。また行きたいです。
子どもの感想を見て、「そんなこと思ってたんだぁ」と感心したりもしましたが、
10月の本番の修学旅行に向けて「楽しい!」という希望が持てたことと、親が望む配慮を先生に伝えられる機会を持てたことに、この旅行に対しての感謝の思いでいっぱいです。
夏の楽しいひとときをいただき、ありがとうございました。
夏旅行アンケート
【今回の旅行で特に楽しかった・良かったことは】
○ボラさんがとてもよくしてくれました。特に本人よりいつも放っておかれる妹の面倒や行動を一緒にしていただいたのは助かりました。
○スケジュールを一枚のシートにしてくれていたのが良かったです。「ここが楽しみ」と期待が持ち易かったようです。
○楽しく過ごすことができてとても良かったです。事務局・スタッフの方々には大変お世話になりました。とてもスムーズに観光できて、困ったことはなかったです。
○他の保護者の方々と交流できたこと。
○添乗員さんが明るく丁寧にサポートしてくださった。泣いたり叫んだり大きな声の出る子がいても、ボラさんや保護者、皆でさり気ない気遣いがあって良かった。
○皆さんとお別れするのが寂しかったです。息子がとにかく終始明るく朗らかだったことが一番でした。本人もそれだけ楽しんでいたということだと思います。
○親同士の関わり・ボラさんとの関わりの中で、本人がゆっくりしたペースでも充分楽しめたこと。またトイレが家でなくてもできたことで自信を持てたこと。写真カードはやはり見ていないようでもしっかり見ていて、それが分かったこと。小学校の先生がおられて、お土産について教えていただけたこと。
○帰ってから「しずくちゃんの大仏(修学旅行の漫画)みる」と言っていました。観光した経験は今後に活かせていくなと思いました。最後のスタッフからの挨拶は一生懸命聞いていました。ホテルと海遊館が、特に楽しかったと本人が言っています。
○個人的には行ったことのないところに行けて楽しかった。子どもの個性・特性が分かった。ボランティアとしてのあり方について、自分自身に課題も残った。
○子どもたちが皆楽しそうだった。途中で迷子になったりすること もなく、普段の生活と離れていても、落ち着ける工夫があれば大丈夫なんだと保護者の方も少しは安心できたのでは?
○海遊館で子どもが「わー!!これすげー!!!」とはしゃぐ姿を見て、小さい頃の色んな体験は大切だなぁ、いいなぁとひしひし感じました。喜ぶ子どもの姿を見て、こっちまで楽しくなりました。
【今回の旅行で特に困ったことは】
○バスの中での過ごし方を考えないといけないと思いました。トイレに急に行きたいということが多いので、トイレの場所探しに困りました。
○やっぱり鹿かなぁ・・・。本番では、せんべいは中止させてもらおうと思いました。
○パニックになったときにどうすればいいのか。ボランティアとしてのあり方。兄弟へのサポート。
○どこまでOKでどこまでダメなのかというのに悩みました。あれもダメ、これもダメって言い過ぎたら面白くない旅行になってしまうし・・・。でもいい具合に折り合いを見つけていくしかないのかなぁという気もします。
【今後、取り組んでほしいこと・改善してほしいこと・その他自由意見】
○またこのような旅行を企画してあげてほしい。見ておくと親は安心だし、長いバス旅行も大丈夫ということも分かって良かった。
○修学旅行は、健常児用の旅行だと思いました。こんな旅、きっと私たちの子どもは楽しくないんだろうなぁ。お寺も神社も興味ないし・・・。それじゃぁどんなところに行きたいんだろう?
○知的障害がある子とない子では、大変でしょうが、少しコース設定に変化が必要かもしれません。目的意識をはっきり持たせる方法は良いかもしれません。
○ボランティアをある程度どの家族につくか決めたり、部屋ごとに班にしたりして、自由時間を班行動にしてみると、もう少し小さい集団行動にもチャレンジできるかもしれない。
○全体のスケジュールと、さらに行った先での具体的な情報があればいいと思います。旅館だと、ユニットバス・風呂場の仕様・お茶とお菓子・金庫の使い方など。
○改善点とかはないです。これからもこんな感じで子どもたちに色んな体験をさせながら社会性を身につけていってほしいです。
【ご感想を自由にお書きください】
○バスでの旅行がこんな感じというのが、親も再認識できました。本当の修学旅行に向けて、子どもが困ったことなど、サポート点をよく考えて先生に知らせてお願いしたいと思いました。いい旅行の企画をありがとうございました。
○とてもよい企画を充分に楽しませてもらいました。ありがとうございました。
○二日間お世話になりました。色んなところに細かいサポートがあり、参考になりました。でも皆さんオツカレでしたよね。
○色々お世話になりました。10月の修学旅行の良い予行演習になりました。
○とても楽しく思い出になった修学旅行でした。準備や様々なご配慮大変だったと思います。どうもありがとうございました。今回色んな課題も見えてきたと思います。参考になると思います。
○このような機会をいただいて、下準備・用意などを見せていただき、わが子が本当に旅を楽しめたので嬉しかった。また遅れがちなペースに充分付き合ってくださり、本人も「この人たちは自分を認めてくれている」と充分感じたのでしょう。この二日を通して、私に対する彼の見方・彼の行動による気持ちの表し方などなど、驚いたり感心したり発見したりでした。小学校の先生って下見を仕事としては許されないらしく、自己のやる気に任されているそうなので、ゆとりも持てないだろうと思いました。ゆっくりペースOKの計画にしてほしいなと、本番の修学旅行のことをそう思いました。
○わが子への気づきがいっぱいできたように思えます。落ち込むこともありますが、前向きに次に活かせていけるように頑張ります。スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
○すごく楽しい旅行でした。子どもたちともたくさん触れ合えて良かったです。最初のうちはボラとして、子どもとどう接してよいかよく分からなかったけれど、次第にたくさん関われるようになれたので、とても嬉しかったです。
○本当に楽しい旅行でした。ボラにも色々ありますが、実際に子どもの笑顔が間近で見られるボラは大好きです。この旅行で改めて実感しました。これからもそういう形でアプローチしていきたいです!
クローバーの会
先日8月5日、念願であった「クローバーの会」(高機能女の子の会)を発足しました。
自閉症の中でも女の子の割合は、男の子に対して5分の1と少なく、寂しい思いをしている子どもも多いと思います。
友達はほしいけれど、頑張ってもなかなか上手に付き合えず、ハートを繋ぐことが下手な子どもたちのために、少しでも心を通わせることができるように願いを込めて「クローバーの会」を立ち上げることにしました。
まだまだ未熟な会ですが、育てる会の中で憧れの会になれるよう、楽しい会にしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
第一回目の活動の様子を紹介させていただきます。
「友達と一緒にカレーを作って食べよう」 メンバー4名
準備のために、6月から保護者の話し合いを3〜4回行い、内容やそのための買い物、プログラムや手順表作成の担当を決めて当日を迎えました。
プログラムに沿って、まずは自己紹介。
一人ずつ野菜の皮むきと切る作業をそれぞれ皆で実施。苦手な部分や難しい部分は保護者でフォローです。
野菜を炒める・煮込むところからは2名ずつに分かれて2鍋のカレー作り。手順表に従い、担当の部分に自分の色のシールを貼り、確認しながら、苦手な部分は保護者でフォローします。
思っていたよりトラブルも、怪我をする子どももいなく、一安心。具を煮込む時間には、自分用のランチョンマットに名前や絵を書いて過ごしたり、食べる場所を決めたり、ゲームや保護者と雑談したりして過ごしました。
カレーができあがり、自分のお皿にご飯をよそい、カレーを注ぎます(勿論自分で)。そして別に保護者が用意しておいたサラダをバイキング形式で好きなものを取り準備。
皆が席に着くまで穏やかに待つこともでき、仲良くいただきました。
味の方は、子どもたちの頑張りとお母さんの思いの詰まった、まろやかな甘口カレー。おかわりをする子どももいました。その後片付けをし、お菓子を一緒に食べたりしました。
まだまだ知らない者同士で話をしたり遊んだりはありませんでしたが、お互いに興味は持てたようでした。
この会を通して、子どもたちには友達作りの練習をたくさんしてほしいと思います。一人一人の違いを受け入れていくのはとても大変なことですが、一歩ずつ前に進んでほしいと思います。
最後に今回メンバーとして参加してくださった方々、ありがとうございました。皆さんがいなければこの会の発足はなかったと思っています。きっとこの会を継続させていくために悩むことも多いと思いますが、子どもたちが素敵な女の子に成長することを信じて、自分自身も信じて活動したいと思っていますので、よろしくお願いします。
次回は10月ごろに活動予定です。
(担当:SW)
事務局だより |
猛暑といわれた夏もやっと終わりました。8月中の事務局は大忙しの毎日でした。
(1)14〜16日、川崎医療福祉大学にて「自閉症支援現任者トレーニングセミナー」のアシスタントをしてきました。
受講生の方々が自閉症の特性や支援方法を知るためのケースモデルの子どもさんをトレーナーの先生と共に支援するお仕事です。
今回は、大阪の新澤伸子先生の下でお手伝いさせていただきました。
先生の子どもへの接し方や親御さんへの説明の仕方。評価しながらの構造化につぐ再構造化。
それによって子どもの現状や課題がたった2日半の間にたくさん見つかり、本当に勉強になりました。
(2)19日、重松孝治先生セミナーが開催されました。
赤磐ぐんぐんのスーパーバイズや「先生のための即実践講座」などで、自閉症支援の基本である「自閉症を理解することの大切さ」を
教えていただいてきた内容を、大勢の参加者にもお話していただきました。
詳しい内容は会報をご覧ください。正会員の方にはビデオを貸出しますので、お問合せください。
(3)21〜22日、育てる会プレ修学旅行の旅の引率をしました。
夏休みの最後の思い出、修学旅行前の練習、楽しいバス旅行・・・。様々な笑顔と大変さと課題いっぱいの旅行でした。
個人的には、やっぱり自閉症の子どもたちの修学旅行(それ以外の日帰り旅行などでも)には、準備が絶対不可欠だということ。
スケジュールや内容の精査は勿論ですが、それ以上に「この場所で何をするのか」ということを明確にしてあげる必要があると感じました。
海遊館などは「入口から出口まで魚を見ながら歩く」という目的は、人の流れも館内の矢印もあり分かりやすいのですが、
清水寺や金閣寺などの神社仏閣は、コースもなく、人も多く、誰についていけばいいのか、何をどう見ればいいのかが分かりにくいです。
また映画村などは、子どもたちにとって過ごすのが難しい「自由時間」が長く、その時間どこに行って何をしておけばよいかを明確に示して
あげる必要があることも分かりました。(例えば、映画村の○○へ行って写真を撮る、など)
今回の旅行が、子どもたちの学校行事参加の良い気づきになってくれれば企画した側としては本当にありがたいと思います。
いよいよ2学期。学校行事も目白押しです。子どもたちの安心の学校ライフのために、準備すべきものはたくさんありそうですね。頑張りましょう★
(事務局:鳥羽 紗代)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。