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平成19年12月31日

 

 第116号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 116号 目次

 つつがなく今年も過ぎていきます
 川崎医療福祉大学招待行事
    「クリスマス会」
 赤磐ぐんぐんだより
 育てる会勉強会
    「18歳の春をめざす親子療育クラブ」 〜支援ツール連続講座〜
    「母の想いを話す会」
 支援者養成講座
 AAO・サッカークラブ・水泳教室 お知らせ
 私のお薦め本コーナー
    「親 〜障害の子のいる幸せ・かなしみ〜」
 近隣の講演会等のご案内
 卒業論文 抄録
    「自閉症の社会受容についての一考察」
 お母さんコラム
    「生まれてきてくれてありがとう」
    「初めての病院の配慮に感謝」
 事務局だより


師走にしては暖かな日が続いていると思っていたら、今朝はぐ〜んと冷えこみ、今年一番の寒い朝だそうです。
北海道では北極からの寒気団が居座って、氷点下26度とかの冷え込みとテレビが伝えています。
今年は灯油も値上がりして、厳しい年の瀬ですが、みなさんいかがお過ごしですか?
さて、私は先日、愛媛大学教育学部に上岡一世先生をお訪ねいたしました。
3月2日の支援者養成セミナーの打ち合わせのため、大学構内の先生のお部屋に伺いました。
今回のセミナーのテーマは「就労」です。岡山では発達障害者支援センターの2日間にわたるセミナーをはじめとして、アリスの会、トモネット、東備支援センターのセミナーなど、ここ11月〜12月だけでも集中して行われ、障害のある人の就労に対する周りの関心の大きさのほどが伝わってきます。
私たちの会では、自閉症のひとりの青年の就労を基に、その就職へ向けての取り組みをお伝えしたいと考えています。
そのひとりの青年というのが、この会報でもおなじみの我が家の息子「哲平君」なのです。
これまで自閉症の人の就労が非常に難しかったということは、皆さんご存知の通りです。
その厳しい難関をいかにしてクリアしていったのかという、事実に基づいたお話を、それぞれの立場から話していただくという企画です。哲平の就職は、「これ以上はない」という形で実現したと、過去何度も会報で書いたり、お話ししたりしてきましたが、その集大成をこのセミナーでお伝えしたいと思っています。
うまくいった理由や、どんな風にすればこれから就職していく人たちに生かせるのかを、「てっちゃんをモデルに」お伝えできればとの願いです。私も保護者としての立場からお話しさせていただきます。
上岡先生には基調講演と後半のシンポジウムの進行をお願いする予定です。
皆さん楽しみにしていてくださいね。
そして、できれば企業、保護者、学校の先生方の三者が共に考え合える場としたいので、多くの皆さんにお声をかけてくださると助かります。また今回は会場が少し小さいので、どうぞお早目にお申込みください。

さて、今月も、その哲平君のおもしろエピソードからお話しをはじめましょう。
それは12月15日、哲平の勤めるNTN夢工房岡山の忘年会でのお話です。
ホテルでのバイキングの後、夢工房の仲間とその家族たち、総勢14名でカラオケ屋さんに繰り出しました。和気藹々、なごやかな雰囲気でそれぞれ好きな歌を歌っています。所長が「お父さんも一つどうですか。ぜひ聴かせていただきたい」と哲ちゃんのお父さんにも勧めてくださいます。実はお父さんのオンチ振りは知る人ぞ知る・・・本人も自覚していて、めったにマイクは握りません。それでも何度も勧められた父さんは、あまり断るのもKYかな・・・と一大決心をして、“誰も知らない曲ならオンチも目立たないかな”と野坂昭如氏の「マリリン・モンロー・ノー・リターン」を入力しました。
思い入れたっぷりの前奏部分 ♪マリリンモンローノーリターン・ノーリターン・ノーリターン♪ どちらかというとおどろおどろしい低音の節回しのあと、アップテンポに変わりいよいよ一番の歌詞を唄い始めようとマイクを持ち直した、その時でした。
「お父さん、ヤメトキ!」というするどい哲平のひと言とともに、ブチッとカラオケの画面は次の曲へと切り替わったのでした。皆が振り返ると、リモコンのスイッチをテレビに向けている哲平の姿・・・私も思わず哲平と同じように「やめとき!」と言いたかったタイミングと全く同じで、一同そのマのよさに大笑いでした。
それにしても初めて入ったカラオケ店での、間髪いれずの機械操作には驚きました。
そしてもちろん、今回はみんなに大うけでしたが「スイッチを切ってもいいのは、お父さんの時だけだよ」とこっそり後で念押ししておきました。
二つ目のお話は「チャレンジ日記」です。前回の会報で武蔵先生のお話の中でチャレンジ日記についてお話ししましたが、我が家でも取り組もうと、お手伝いのチャレンジ日記を始めました。毎日取り組んでいるお手伝いを列記して、できた日には○をつけるという簡単なものです。
するとある夜明け前、まだ4:30だというのに、突然 ブゥ〜ンブゥ〜ンと鳴り響く大音響に驚いて飛び起きた私が見たのは、ガウン姿のまま居間で掃除機をかける哲平の姿でした。
哲平はチャレンジ日記の掃除機の欄に○をつけたかったのでしょう。でも朝まだ暗い6:40に家を出て、もうすっかり日の暮れた6:30に帰ってくる、今の暮らしのなかでは平日に掃除機をかけるヒマがないのでしょう。いつもは5:30に起きる哲平ですが、早起きすれば掃除機がかけられる、チャレンジ日記に○がつけられると思ったのでしょう。でも4:30ですよ。お父さんも何事かと起きてきて、我が家の朝は真っ暗な中から始まったのでした。
それにしても、自閉症児にとってチャレンジ日記の効果はすごいですね。でも取り扱いには気をつけなければいけませんね。笑うに笑えぬひと騒動でした。
※ 教訓:何事も過ぎたるは及ばざるが如し。
起きるのはせめて5:00にして!でした。
次にお話しするのは、哲平が所属する桃太郎夢クラブの忘年会での話です。
岡山大学の構内であった会に哲平とお父さん、私の3人で参加しました。この日は他の用もあって私も父さんもスーツを着用、哲平も来年の成人式用に作ったスーツをその日初めて着ました。スーツは細身で、ネクタイもSMAPの草gくんみたいに細いのにして、カッコよく決めてきました。
「馬子にも衣装」と言っては哲平に失礼ですけど、何にもしゃべらず、じーっとしていたらめちゃかっこいい男の子です。自慢したくなるくらい、横に立っていて誇らしい私でした。
いつもはスタジアムで、ランニングウェアでお会いする皆さんの中のお一人が「鳥羽くんは、いつもこんな風にスーツでお仕事なんですか?」って、真面目な顔で聞かれました。 マサカ〜、でもそれぐらい自然で似合っていました。
今夜もバイキングで充分おなかが大きくなった哲平くん、いつものように壁際の椅子に座って編み物を始めました。スーツ姿で編み物はちょっとミスマッチでしたかねぇ〜。周りの皆さんも微笑ましく見守ってくださって、暖かい仲間に囲まれているようで、ホノボノ幸せなひと時でした。

今年最後の会報です。今年最後の巻頭文も残り紙面がわずかになりました。
つつがなく今年も過ぎていきます。
育てる会も10周年の年でした。無事11年目を迎えることができそうです。
そして、来年は勉強会に力を入れるつもりです。
「18歳の春を目指す親子クラブ」には武蔵先生をお迎えして連続6回の支援ツール講座を行います。詳しいことは後のお知らせのページをご覧ください。
第1回目のDVDはお貸しいたします。この連続講座に乗り遅れたと思っている皆さん、今からでも間に合いますので大勢の方にいらしていただきたいと思います。
赤磐ぐんぐん主催の「お母さんたちのための勉強会」も好評です。重松先生には定期的にお願いする予定ですのでご期待ください。赤岩ぐんぐん通所以外の方も参加自由ですので案内させていただきます。
また「母の想いを語る会」は、読書(篁一誠先生の本)を通して自らの想いを語り合っていくと形で勉強会を行っています。いつからでも入れます。難しくありません。人見知りの方も、どうぞ気にせずご参加ください。癒され、元気になります。そして自閉症も学べます。
先生方のための夜の「支援者養成講座」も残り3回になりましたが、重松先生には来年度も引き続きお願いしたいと思っています。新たな参加者を4月に入ったら募集したいと考えていますので、どうぞお知り合いや担任になられる先生方にご紹介ください。
こちらは保護者は入れない、賛助会員の先生方のみの勉強会です。
自閉症は難しい障害かもしれません。けれど小さい頃から、その特性をよく理解して育てることで、必ず将来に希望のもてる子どもたちです。
それを信じて期待を持って子育てしていきたいものです。来年もどうぞよろしくお願いいたします。大掃除もまだ手つかずの我が家のこたつでこれを書いている私です。
育てる会代表 鳥羽美千子

川崎医療福祉大学招待行事 「クリスマス会」

先日12月22日(土)、川崎医療福祉大学ASC部主催の招待行事「クリスマス会」が開催されました。
13家族36名人が参加しました。
昨年も来てくださったアマチュアバンド「ピノキオ・カルテット」の4人の方が弦楽で奏でる美しい音色のクリスマスコンサート。全員参加(参加するかは本人にお任せ)の「じゃんけん汽車ぽっぽ」。子どもたちの喜ぶプレゼントがあたる「ビンゴ大会」、そして親子全員の「ケーキ」タイム・・・。
当日は雨でとても寒い一日だったのですが、ASC部の学生の皆さん、そしてピノキオ・カルテットの皆さんのおかげで、心温まる素晴らしいクリスマス会を子どもたちと共に過ごすことができました。ありがとうございました。
参加された方からの感想とアンケートを紹介いたします。

去年に続き、2回目の参加でした。
前回はじゃんけんが苦手な息子が「じゃんけん汽車ぽっぽ」のゲームに楽しく参加できるか、とても心配でした。「初めての場所で、知らない人たちと、苦手なことに参加するのが、息子の負担になると辛いなぁ・・・。楽しむためのクリスマス会だからなぁ・・・」と内心ドキドキしながら参加しました。いざゲームが始まるとすんなり参加していたのでホッ。スムーズに流れに乗って、気がつくと息子が先頭で一番になり、皆さんから「おめでとう」と拍手されていました。息子は一瞬何が起きたか分からない状態で固まっていましたが、きっと心の中で「苦手で嫌だと思っていたじゃんけんで皆から拍手してもらって嬉しい!やった!」と感動していたのでしょう。しばらくその余韻に浸っていました(笑)
目を見張る嬉しい変化が現れたのは帰宅してからでした。自信を持って自分がしなければいけないことを自発的にテキパキとこなし、声かけを全然しなくても目がキラキラして、「本当に自閉症なの?」と思ってしまうほど自主的に生活し、それが3週間ほど続きました。
自信が持てると、こんなにもヤル気が出て人が変わったようにいきいきするのかと私たち親の目から鱗が落ちたのは言うまでもありませんでした。去年は劇的な変化を見せてくれた息子の姿が最高のクリスマスプレゼントでした。その場に集われたすべての皆さんに感謝感謝でした。
さて今年はなかなかエンジンがかからず、コンサートの後半からの参加で心配していましたが、最後のジングルベルの曲で鈴を持って楽しく参加し、終わると近くにいた小さいお友達に鈴を「どうぞ」と自ら渡しに行き、演奏終了後は、演奏者のお兄さんお姉さんに「ありがとうございました」とお礼を言いに行っていました。去年息子と一緒にお礼を伝えたので覚えていたのかもしれませんね。
お楽しみのビンゴの時間では、早くビンゴを完成させて、プレゼントがほしくて、イライライして声が出てしまい、「しまった」と思ったようでした。自分よりももっとたくさんのお友達がずっと待っていたことに後で気づき、反省していました(笑)
学生の皆さんの初々しい素敵な笑顔と純粋な思いと若いパワーをたくさんたくさんいただけたので、とてもありがたかったですし、若返った気分でした。親にもおいしいケーキをいただいて、楽しいクリスマス会でした。
ASCサークルの皆さん、お世話になりました。ありがとうございました。子どものいつもとは違った一面を発見できたり、成長を見れたり、とても楽しく嬉しいひと時でした。来年もぜひ参加したいと息子も今から張り切っていますので、来年もぜひ続けてくださいね。よろしくお願いします。参加されたすべての皆さん、本当にありがとうございました。 
(Hママ)

  【参加者アンケート】

・ 普段はCDでしか聴けないものですが、生の演奏会、とてもよかったです。色々な曲(クリスマスソングからクラッシック・TVソングのものなど)をしてくださって良かったです。目の前で聴くと、音色を肌で感じることができました。とてもよい経験になったと思います。親にとってもなかなかない機会をいただき、楽しんで聴かせていただきました。
・ とても美しい調べにうっとりと聞き入りました。知っている曲では体を揺すってリズムを取り、特にアンパンマンとジングルベルは2歳も12歳もノリノリ。満面の笑顔で大興奮!中座することもなく、最後まで楽しめました。いつも余裕のない親にとっても何より癒しの時間になりました。
素敵なひと時を本当にありがとうございました。この会に巡り合えたことに感謝しています。
・ 間近で演奏を聴くことができて、本当によい機会をいただきました。子どもはじっと座っていることはできませんでしたが、扉の前でしっかり演奏している姿を見ていました。
・ 子どもが曲について「聴いたことがあるー!」とおしゃべりも多いため、「喋ってもOK」というコンサートは親も安心して参加でき、ありがたかったです。知っている曲が多く、子どもも楽しむことができました。気兼ねなく生演奏を聴くことができ、親の方が嬉しかったです。
・ じゃんけん汽車ぽっぽで、「苦手ならばゲームに参加してもしなくてもOK」なのはありがたかったです。楽しく参加できまた。た。負けてもあまり悔しがらずにスムーズにできました。(納得していました)
・ ビンゴでは、子どもが自分で確認しやすいように黒板へ大きく張り出してくれる数字を確認しながら、落ち着いて自分でカードの数字を探していました。プレゼントを開けたときは、喜んでいました。
・ いつもビンゴに参加するときに、自分のほしいものが当たらず怒ってばかりでした。親の方が本人のために事前に用意して子どものほしいものをプレゼントできたので、怒ることもなく、よかったです。
・ よく聞いていて、ビンゴになったとき自分から持っていき、名前も言うことができました。プレゼントの中身が見たくて、少し我慢していたのですが、気になりすぎていたので中身をちょっとだけ覗いてみて、自分の好きなものがあったので納得していました。
・ いつも手作りの準備ありがとうございます。今年二回目の参加でした。今年はほかの会のクリスマス会もだぶったのですが、こっちをすぐ選びました。「来年も来る〜!」だそうです。
・ 今まで発表会やコンサートに行っても、静かな曲や聞きなれない曲は、聴くことができなくて悲しくなっていました。でも今日は安心して色んな曲を聞いたことで、それぞれの曲で彼の様子が違うことを発見。彼なりに楽しんでいることが分かって感激でした。ありがとうございました。
・ 雨の寒い中、楽しい企画ありがとうございました。子どもたちの笑顔をたくさん見ることができ、それぞれの子どもたちの成長を見ることができ、楽しいひと時でした。企画・準備を含めたくさん御苦労があったと思いますが、また来年もよろしくお願いします。お世話になりました。ありがとうございました。来年も親子で楽しみにしています。
・ 今まで行ったことのない場所、会ったことのない人たちの中で、どうなるだろうかと思いましたが、前日に事務局から送ってくれたクリスマスのスケジュール表(子どもと大人の)が、とてもよかったです。写真を見ながら確認していきました。一度見て確かめると、かなり入っているので、あまり不安なく終わりました。体調もよくなかったのですが、うまく波に乗れてスムーズに行けました。ありがとうございました。いい機会をいただけて感謝しています。

赤磐ぐんぐんだより

赤磐ぐんぐんに新しいスタッフが増えました。皆さんご存じのとおり、新人スタッフを募集しておりましたが、やっと3人の方が来てくださることになりました。
実はこの3人は、自閉症の子どもを持つお母さんたちなのです。
それぞれ教師・保育士の資格を持ち、経験も有する方たちです。
自閉症の子どもの子育てに奮闘中の方もおられますが、3人で仕事を分け合って、ぐんぐんを助けてくださることになりましたのでご紹介したいと思います。
なお、赤磐ぐんぐんでは月曜〜金曜日の常勤スタッフを引き続き募集中です。

★ 赤磐ぐんぐん 常勤スタッフ募集 ★
育てる会が運営する「児童デイサービスセンター 赤磐ぐんぐん」では、子どもの療育をお手伝いしてくださる常勤職員の方を募集しています。自閉症についての研修などもしっかり行います。子どもたちのためにがんばりたいという熱意のある方を募集します。
○ 平日8時間勤務 (土日・祝日・お盆・年末年始休み)
○ 資格は保育士、幼稚園教諭・教員免許(取得見込みも可)
○ 詳しくは育てる会事務局(086-955-3158)へ


色んな意味で「濃い」ぐんぐん。個性豊かなスタッフの方、そして子どもたちに、毎回毎回学ばせてもらっています。学んだことをたくさんの子どもたちに返していけるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします。   (よしえ先生)
ぐんぐんのスタッフとして新しく加えていただくことになりました。
私の小2の息子も自閉症の告知を受け、6年が経とうとしています。以前、ボランティアで視覚障害の方と接したり、教員として学校に勤めたりしていた頃、障害を持つ方の家族が明るく前向きに頑張っておられる姿を見て、その奥に本当の苦しさやつらさがあることをほとんど感じることができませんでした。でも、わが子が障害児として生まれ告知を受けて、初めてその思いに気付き、今必死で子育てに奮闘する毎日です。
療育で関わる一人一人のお子さんを見ながら、「○○ちゃんも息子と同じところがある」「あの時の息子で経験したからこうすればきっとOK!」と感じることが何度もありました。療育を通して、これまで母として関わり苦しくてもきっと良かったと思える日が来ることも、お母さん方にお伝えしながら一緒に頑張っていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。    (よしこ先生)
保育の現場を見て、何か私にできる支援はないかと思い、ぐんぐんに来ました。障害が決して軽くはない、わが子も構造化など適切な支援を得たときは、驚くほど落ち着いています。まだまだ未熟者ですが、利用者の方々の役に立てるよう頑張っていきますので、どうぞ暖かい目で見守ってください。よろしくお願いします。      (あゆみ先生)

  
  ★ 赤磐ぐんぐん 見学会開催 ★

「児童デイサービスセンター 赤磐ぐんぐん」見学会を開催します。
今回の見学会は、申し訳ありませんが案内の都合上、対象を来年4月からの療育利用希望者(就学前のお子さん)限定とさせていただきます。
1月28日(月)、2月22日(金)、3月7日(金) いずれも午前中
申込みは育てる会事務局(086-955-3158)まで
(正会員の皆様は、詳しくは同封のチラシをご覧ください)


育てる会勉強会

「18歳の春をめざす親子療育クラブ」 
    〜支援ツール連続講座のご案内〜

香川大学教育学部の武蔵博文先生を迎え、全6回の予定で支援ツールの勉強会を行います。
第一回目はすでに終了しましたが、DVDを貸出ますので大丈夫です。せっかくの機会、皆さん一緒に勉強していきませんか?
日 時 : 平成20年1月24日(木)9:30〜13:00(予定)
場 所 : きらめきプラザ2階 研修室
申込先 : 育てる会事務局へ21日(月)までに
参加費 : 育てる会正会員1,000円、それ以外2,000円
    ※今後の予定  2月14日(木)、28日(木)、3月6日(木)

「母の想いを話す会」

12月12日(水)開催された第7回目は、10人のお母さんが参加されました。
参加されたお母さんから感想が寄せられたので紹介します。
「母の想いを語る会」は5月から始まり、7回目になりました。私はもしかしたら今のところ「皆勤賞」かもしれません。毎回学びあい、教えていただきながら、各人が本音で語り、涙あり笑いありの楽しく充実した時間でした。
いつも変わらぬ笑顔で迎えてくれる友の暖かい激励と鳥羽代表の心からのアドバイス、皆皆、私を支えてくださる大切な仲間です。「いつもありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いします」と感謝でいっぱいです。
泣き虫で弱虫だった私は息子の障害を通して、いつの間にかたくましい「鬼嫁(?)」「鬼母(?)」へと変身していきました。(笑)
まさに「生かされて生きている」気がします。
「大丈夫、大丈夫。きっと大丈夫!」「子どもを信じて、自分自身を信じて。決して諦めないで!諦めなければきっと変えられる」「過去と他人は変えられないけれど、自分自身と未来は変えられるから」「頑張ろう頑張ろう。一緒に頑張ろう!」
『もっともっと励ましの言葉を、もっともっと希望と勇気を、明るさとパワーを、温かい心を、周りの人たちに伝えていける自分でありたいなぁ。日々たくさんのありがとうを見つけられ、それを相手に伝えられる自分でありたいなぁ』と、熱い想いを秘めながら、懇談会ではたくさんのありがとうを言い合える日に、皆でしていけたら素敵ですね。
子どもにだけではなく、自分自身に「学べ学べ。学びは光」と言い聞かせて走り続けていきたいです。ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。来年も元気な笑顔でお会いしましょう。     (Hママ)

  次回の「母の想いを話す会」は・・・

日 時 : 平成20年1月30日(水)9:30〜12:00
場 所 : きらめきプラザ 中会議室(岡山市南方)
内 容 : 今回の読書は、12月にお迎えした篁一誠先生の「行動特徴」の続きを一章ずつ読書して、その読書を通してそれぞれの悩みや想いを出しあっていきます。一人で悩むより、皆で考え合うことでよい知恵も浮かぶものです。母親しかいませんから誰に遠慮もありません。
楽しいエピソードに笑ったり時には泣いたり、そして慰めあうそんな暖かい、そして良い学びの場になるような、そんな場所です。
悩んでいらっしゃる方はもちろん、元気いっぱいのお母さんもぜひいらしてくださいね。
参加費 : 300円(別途本の購入がある場合もあります)
対 象 : 育てる会正会員 母親限定
申込先 : 育てる会事務局へ1/25までに。

支援者養成講座

19年度も、重松孝治先生に「自閉症児への支援:実践編」を講義と演習のセットでお願いしています。
即!実践につなげることのできる先生対象の講座です。
第6回である12月7日(金)は「コミュニケーション支援」をテーマにビデオを見ながら、実際の支援プログラムを立てる演習をしました。
一人のお子さんでも、学習・おやつ・休憩などの時間で見せる姿は様々で、おやつの場面では積極的に「ください」や「ポテトチップス」などの選択ができていても、休憩の際には好きなおもちゃを他の人が使っていても「(貸して)ください」などが言えなかったり、かと思うと課題をしている際には部品がないことを周りにいる支援者にハッキリと伝えることができたり・・・。
「何故伝えられないのか」「どういう準備をしてあげれば伝えられるのか」「次の段階があるとすればどういう力を育てられるのか」それぞれのグループで積極的に話し合いがなされ、
「正解と言われる答えはありません。皆さんが担任しておられる子どもたちにも支援計画を立てる際には、ぜひ今のように色々な視点で考え、そのお子さんにピッタリくるプログラムを立ててあげてくださいね」とまとめてくださいました。

 今回の講座で学んだこと・良かったこと

・実際の映像を見せてもらいながらのワークはとても取り組みやすく、明日のつながる生きた勉強だと思いました。(保育園)
・講座で教えていただいた知識を演習することにより具体的によく解り、力になったと思います。ビデオを見て実際に記録をとるポイントを説明していただき、「なるほど!」と。書籍を読むだけでは「?」です。表出手段を多く持たない子どもたちが一緒に生活している者に楽に伝える方法を提供したいと思います。一緒に参加している同僚と「きちんとサンプルをとってみようね」と話しました。(養護学校)
・同じ人でも言葉の使い方が違うので、多角的に観察することが大切。グループワークで人の意見の中で、それぞれの方の経験を聞けたこと。(大学)
・コミュニケーションの記録を初めて撮りましたがその力をよく知るためにもとても大切なことだと思いました。記録・評価のやり方を施設でも取り入れていきたいです。(療育機関)
・少人数でグループ検討をする難しさや必要性を感じました。初対面の方々とグループになって、自分の考えをどのように伝えるかも学べました。今回の講座では、多くのことを学ばせていただけました。ありがとうございました。(療育機関)
・コミュニケーションサンプルは実際にとってみると分からないことが分かってくるので、ビデオを見てサンプルをとり、要約をし、支援計画を立てるところまでできてよかったです。実践に活かせると思いました。(養護学校)

毎回新しい発見や「そうだそうだ」という振り返りがたくさんある重松先生の支援者養成講座、今年度はいよいよ残りあと3回です。
日 時 : 第8回は平成20年1月18日(金)19:00〜21:00
             会場は生涯学習センター大研修室です。
欠席連絡: 育てる会事務局(086-955-6758)

AAOのお知らせ

皆さん、あけましておめでとうございます。子どもたちはどんな新年を迎えたでしょうか?
おもちは食べられたかな?お年玉はもらえたかな?おじいちゃんおばあちゃんと会えた人もいっぱいいるでしょうね。新学期もこの勢いで張り切っていきましょう。
さて、1月のAAOは前回お知らせした通り、1月13日(日)、いつものように京山公民館第二講座室で10時から行います。お母さん方、2月のありがとう集会の企画を待っています。ぜひ参加してください。欠席の場合は、前日までに玉木までご連絡ください。1・2学期の交通費の清算も行います。印鑑をご準備ください。
また2月のありがとう集会は、2月17日(日)同じく京山公民館で12時から15時頃を予定しています。ボラさんのご都合を確かめておいてください。
1・2学期の交通費の紙をまだFAXしていない方は大至急担当まで送ってください。よろしくお願いいたします。
(AAO担当:T)

サッカークラブのお知らせ

日 時 : 平成20年1月27日(日)10:00〜12:00 (9:30集合)
場 所 : 旧岡山中央南小学校グラウンド(岡山市中山下)
持ち物 : マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札
      お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
      親リーダーはグループノートとボラリーダーさんのお茶
* 雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきて下さい。
   保護者の方の体育館シューズも忘れずにお持ち下さい。
* 欠席の方は1月6日(日)までにサッカークラブ担当までご連絡ください。
☆クラブ会員のお母様からコメントをいただきました。
サッカークラブに7月から参加しています。
小2の息子は、ボールを蹴ることが好きなので、以前から興味はあったのですが、「皆と一緒にできるかな?」「試合はできないだろうな」と考えてなかなか参加できませんでした。
でも、思い切って行ってみると、個々の能力やペースにあわせてチームが分かれていたため、無理なく参加することができました。
障害特性を理解しておられるボラさんが、子ども一人ひとりについて下さるので安心です。
練習もパスやシュートなど基本的なことをゆっくり教えてもらっています。
体を動かすことが好きなお子さんならきっと楽しめると思います。
☆うちの子はサッカーなんて、ルールもわからないし・・・。と思っていらっしゃいませんか?
  サッカークラブでは、サッカーの試合だけをしているわけではありません。
  リレー、ダッシュの練習や、チームに分かれてのミニゲームなど、ボラさんとともに親も子も楽しい時間が過ごせるよう皆で工夫を重ねています。
  ボールを蹴るだけでも、子どもにとってはストレス発散、運動不足解消!!
  現在小1〜19歳までのメンバーが活動しています。私たちと一緒に始めてみませんか?
  興味のある方は、ぜひ一度サッカークラブを覗いてみてくださいね!!!
 体験希望の方は担当までご連絡下さい。
 ※今月からサッカークラブ担当をさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。(サッカークラブ担当:M)

水泳教室のお知らせ

日 時 : 平成20年1月20日(日)15:30〜17:30
場 所 : 岡山OSKプール
連絡先 : 育てる会事務局
* 欠席される方、ボランティアの必要な方は事務局に必ず連絡してください。(土日は閉局です)
  当日の急な連絡などは担当まで連絡してください。
* 後期の会費については参加されている方々に連絡しますのでよろしくお願いします。
* 出席ボード写真を撮り直していこうと思っています。(皆さん大きくなっているので^^)声をかけますので後期中に随時写真を撮らせてください。
* 来年度の水泳教室のお世話をしてくださる方を募っています。ボランティアさんで「何かお手伝いしたいけれど、水着はちょっと…」という方も大歓迎です。どなたかお願いできないでしょうか?
(水泳教室担当:S)

自閉症の社会受容についての一考察
     ―親の聞き取り調査から―

          川崎医療福祉大学 澤田知佳
育てる会のボランティアをしてくださっている澤田さんが、正会員の方々に協力していただいたアンケートを元に完成した卒論の抄録を寄せてくださいました。紹介いたします。

1. 序論

 障害を持つ人本人、またはその親が、どのように障害を受け入れていくのかという障害受容論は、障害をもつ人本人やその家族を支援する目的で、さまざまな研究者によって論じられてきた。発達障害児の親の心理として、「ショック期」や「障害否認期」といった様々な段階を経て「障害の受容」へ到達するという「ステージ理論」が論じられてきたが、これは「障害は受容できるものだ」という前提のもとに成り立っており、障害受容を全ての親にとって越えなければならない課題とみなした場合には、その段階に達していない親に過酷な要求をすることになる、と指摘されている。
これらの説に対して、障害の受容を目標としない説が提唱された。それは、「障害を持つ人やその家族は、発達的な事象や社会的な出来事といった要因によって、障害の肯定(適応)と否定(落胆)を繰り返す」という「慢性的悲哀説」と、新たな視点として「社会」を障害受容の主体とした「社会受容論」である。「社会受容論」は、『障害』は個人が背負うには重すぎる荷物であり、社会全体で障害を受け入れるべきだと論じている。本研究では、診断を受けてから現在・将来までの自閉症児の保護者の思いを聞き取り調査するとともに、周囲の人や他者の態度を併せて尋ねることによって、社会受容の実態や問題点について調査する。これらの聞き取り調査から、自閉症児やその家族を取り巻く状況を把握し、支援のあり方を探っていくことが本研究の目的である。

2. 方法

1)調査対象者と実施方法
 調査対象者は、自閉症児やその家族の支援を目的とするNPO法人の正会員である自閉症児の保護者110名であった。調査は質問紙によって行い、質問紙の配布・回収は郵送によって行われた。質問紙の回収期間は、2007年10月13日から11月13日までであった。17名から回答が得られ、質問紙の回収率は15.5%であった。
回答が得られた保護者の平均年齢は41.8歳で、17人中16人が母親、1人が祖母であった。子どもの平均年齢は8.6歳で、自閉症の診断を受けた平均年齢は3.4歳であった。
2)質問紙の内容とデータの整理法
 質問紙は、「1.診断を受けた頃」、「2.診断を受けてから現在に至るまでの期間」、「3.現在」、「4.将来」の4段階に分けて、「保護者の思い、あるいは自閉症児と接する中での印象的な出来事」と「周囲の人や他者の態度(言動)、あるいは周囲の人や他者との関わりの中で起こった印象的な出来事」について尋ねた。「4.将来」については、「保護者が子どもの将来に対して感じていること」と、「将来、周囲の人や他者がこのように変わってほしいという思いや希望」について尋ねた。そして最後に、「5.自閉症児を育てる中での保護者自身の変化や成長」と、「6.助けになった支援や、あると良いと思う支援」について尋ねた。得られた回答は、アンケートの質問ごとに類似した内容のものを集めてグループにまとめ、グループごとに表題を付けてカテゴリー化するKJ法を用いて分析した。

3.結果および考察

1)保護者の思い
 「1.診断を受けた頃」は「障害の否認」や「不安」といった、ネガティブな思いに関する回答が最も多いが、「2.診断を受けてから現在に至るまで」と「3.現在」に関しては、「自閉症への理解の深まり」などのポジティブな思いに関する回答が、ネガティブな思いに関する回答を大きく上回っていた。しかし、「将来」に関しては、「希望を抱いている」というポジティブな思いに関する回答をした保護者は1人にまで減少し、「生活や就労への不安」といったネガティブな思いに関する回答をした保護者の人数が再び大きく上回っていた。このことから、障害を肯定する思い(障害への適応)が増大し続けていくという「ステージ理論」ではなく、障害の肯定(適応)と否定(落胆)を繰り返すという「慢性的悲哀説」を受け入れる方が、自閉症児の保護者を理解する上で助けになると考えられる。
2)周囲の人や他者の態度
「1.診断を受けた頃」は、「親を責める」、「異常な視線を向ける」などのネガティブな態度に関する回答が、「理解ある協力的な態度」といったポジティブな態度に関する回答を上回っていた。「2.診断を受けてから現在に至るまで」の期間も同様に、ネガティブな態度に関する回答が最も多いが、「現在」に関しては、ポジティブな態度に関する回答と、ネガティブな態度に関する回答は同数であった。このことから、社会受容は「告知を受けた頃」から「現在」に向かって進んできてはいるものの、「現在」でも「差別や偏見」といった社会受容がなされていない態度は、「理解ある協力的な態度」といった社会受容がなされている態度と同数程度存在しており、社会受容は未だ不十分だと考えられる。「将来、周囲の人や他者がこのように変わってほしいという思いや希望」についての質問で、保護者が社会に対して、「障害について、もっと知ってもらいたい」、「障害をもつ人も、同じ人として尊重してほしい」など、様々なことを求めていることからも、社会受容の不十分さが示されているといえるだろう。
3)自閉症児を育てる中での保護者自身の変化や成長
 「自閉症のわが子だけでなくその他の人のことも思いやるようになった」という回答が最も多く、「よく勉強するようになった」、「育児に対して責任感を持つようになった」など、親自身の成長に関する回答が多かった。しかし、自閉症児を育てることによって保護者が精神的にまいってしまったり、安定剤を内服したりするようになったという回答もあり、保護者は成長と同時に、大きな負担を感じていることも示されている。周囲の人や専門職が保護者の成長を認めるとともに、育児の大変さを理解し、保護者を支援することが必要であろう。
4)自閉症児を育てる上で助けになった支援や、あると良いと思う支援
「継続的な療育」が役立ったという回答が最も多かったが、就学前しか療育を受けられないのが残念だという回答が多く、福祉サービスの改善点として、就学後も療育を受けられるようにすることが求められる。また、療育だけでなく、一生を通じて多様な福祉サービスが受けられるようにしてほしいという回答もあり、生涯を通じた支援が必要だと考えられる。保護者自身の救いや支えになっていることが示されたのは、「親同士が集まって話せる場」であり、「お互いに悩みなどを話し合うことでとても救われた」という回答もみられた。また、今後求められる支援として、「親がゆとりをもって趣味ができるようにする支援」、「きょうだい児の遊び相手や、精神面をケアするシステム」など、親やきょうだい児への支援を求める回答があった。

4.まとめ

本研究より、自閉症児の多くの保護者が、告知から時間が経過しても障害の肯定(適応)と否定(落胆)を繰り返しており、心理的負担を感じ続けていることが明らかになるとともに、社会受容が未だに不十分であることが示された。南雲(2002)が指摘するように、「障害」は個人が背負うには重すぎる荷物であり、社会全体で背負うべきものである。障害児・者とその家族の抱える負担を少しでも軽減するために、多くの人が障害に対する理解を持ち、障害児・者とその家族を社会全体で支えることが望まれる。
謝辞:調査にご協力いただきました保護者の皆様には、負担となるような質問や、非常に失礼な質問にお答えいただくだけでなく、アンケート用紙の余白にたくさんの温かいメッセージを寄せていただき、とても励まされました。寄せていただいた回答は、大変貴重な意見として、卒業論文の方にはほぼ全て掲載させていただきました。ご協力いただき、本当にありがとうございました。

お母さんコラム

先月の会報でコラムを書いてくださったIママが、Aくんのその後について原稿をくださいましたので紹介します。


「生まれてきてくれてありがとう」
   Aの連絡帳がもたらしてくれたもの 〜その後のこと〜

11月の会報にて、Aの連絡帳のことを紹介させていただきました。書くことで、「母である自分がどんな思いで連絡帳を書いているか」を整理することができました。
さて、あれからのAの日々について、報告させていただきます。
交流学級の2年生の子どもより、「C学級連絡帳」にて。
「きょうAちゃん、かいだんあがりょうるときに、5にんほどにかこまれて、いやなきもちしたよね。・・・しんぱいしたよ。だいじょうぶ?」
これは、朝登校してすぐに階段のところで、4・5年生(と思われる)子たちに出会ったところで、Aが固まって立ち止まるのに向かって「おまえ、うざいんじゃ」と言う子がいたり、「やめて」とAが言うのに、体を押したりする子がいたりしたようです。全部B学級(Aの在籍する特別支援学級)へ報告に来てくれた2年生の子どもたちからの情報でした。その朝、児童朝会があり、Aの担任のB先生は、5年生を前にAと一緒に話をしてくださったそうです。
「あなたたちは、今度最上級生になります。だから、今朝起こった話を聞いてください。この子を知っていますか?あなたの名前は?」
「Aです」
「Aくんは、いつもB学級の中でゆっくり学習しながら成長をしていっている子です。実はAくんが今朝階段を上がっていた時に、5人ぐらいの子どもたちに囲まれて、『うざいんじゃ』と言われたり、体を押されたりしたそうです。Aくん、その時どんな気持ちでしたか?」
「こわかった。いやでした」
「体を押された時に、Aくんは何か言いましたか?」
「『やめて』と言いました」
その日の夜、報告に来てくださったB先生から詳細に聞きました。4年生にも、各クラスを一緒に回って訴えてくださったそうです。
なるほど、Aがそんなショックな出来事があったにも関わらず、スッキリしていたのは、こうやって皆に訴えることができていたからなのでした。
さらに、B先生は2年生の交流学級(C学級)にも行き報告をし、「これからもAくんや友達が何か困っているところを見たら、周りの先生に教えてください」と訴えてくださいました。
おかげで私の行動も素早くできました。
早速、子どもたちが毎日書いてくれている「C学級連絡帳」にて
「○○ちゃん、いつもAのがんばりを言葉にしてくれて、Aも私も元気もりもりです。Aのこと皆が見ていて、すぐに◇◇ちゃんたちが教えてくれたので、Aも4年生や5年生の前で『いやだったよ』と言ったそうです。自分から『もうやめて』とその時にも言ったそうです。やっぱり皆がいつも応援してくれているからAも強くなってきているんだね。ありがとう、C組!☆C先生、またきらきら星いっぱいですね」と書きました。
また、朝すぐに報告に来てくれたという◇◇ちゃんたちと彼女たちのお母さんにも、「さぞ見ているだけでも怖かっただろうに・・・、おかげでAが訴えることができたし、Aもすっきりした顔で帰ってくることができました。これからも何か困っている様だったら教えてください」というようなお手紙を書いて渡すことができました。
そして、手紙の追伸に「私は○○地区に住んでいますが、◇◇さんはどの地域ですか?また懇談でお会いすることがあったら声をかけてください」と忘れませんでした。(結構私って、がめつい(欲張り)かも・・・)すると、なんとなんと、手紙を渡した翌日に、一人の子は可愛い便せんでお手紙をくれたのです。私がその子のお母さんに書いた部分を、その子のお母さんが読んでくれたそうです。(嬉しい!!)
この出来事には、まだ続きがあります。
1週間後のこと。私がたまたまAを迎えに行った日のことでした。
B先生が連絡帳を抱えて「あら、お母さん今日迎えに来られたんですね」と、先日の出来事を教えてくれました。
ある5年生の男の子Dくんが、例の階段のところでAと出会ったときに、変に怯えている様子のAに声をかけてくれたのに、Aが「あっちへ行って。うるさい」と走って逃げたので、その男の子が「なんで心配して声をかけたのに、そんなこと言うの?」と感じたこと。その場面を見た他の男の子たちがからかい、それを聞いた教頭先生が事情を聞いてくださったというのです。そこでB先生は、Dくんに先日起きたことを説明し、(Dくんは、Aにまつわる児童朝会の話を知らない)「だからAくんの言ったことを分かってほしい」と言ったけれど、Dくんは納得できていない様子だったとのことを聞きました。
早速その子にお手紙を書きました。
「Aのことを心配して、声をかけてくれてありがとう。それなのに『うるさい。あっちへ行って』と言われたら腹が立つよね。そのことをB先生に言ってくれたこともありがとう。Aはきっと、その場所で起きた嫌だったことを思い出して、しかも知らないお兄さんから声をかけられてビックリしたからそんなことを言ったのだと思います。私からも謝りますね。ところで、よかったらお名前を教えてください」
Dくんに手紙を渡している時に、5年生の子どもたちが寄ってきたので、B先生も事情を話してくださり、周りの子どもたちも聞いてくれたそうでした。
「転んでもタダでは起きない」だけでなく「なんでもドラマにしてやろう」も私の合言葉になるかも・・・。もちろんドラマの主人公はAとAの周りにいる子どもたちです。
子どもたちとの連絡帳のやりとりは、日々色々なドラマを展開してくれ、私はラブレターのごとく、ドキドキしながら返事を書きます。他学年の子どもにもドラマに登場してもらって・・・。
皆さんもぜひお子さんとお子さんを取り巻く子どもたちに起きているちょっとした出来事を「ドラマ」のごとく視点を変えて見てみてください。
なんだか、嫌なことも悲しいことも、その後の展開により楽しくなること間違いなしですよ!こうして書いていると、Aの周りの子どもたちのことが、さらに愛しくなってきます。もちろん、わが子Aのことも。
「生まれてきてくれて、ありがとう!!」
( I ママ)

今回はもうおひとり、こぶたのママさんが息子さんとインフルエンザの予防注射にいったエピソードも寄せてくださいました。


「初めての病院の配慮に感謝」

先日息子を連れてインフルエンザの予防接種に行ってきました。
息子は大の病院嫌いでカードを提示しても、なかなか理解(協力?)してくれません。まして、注射ともなると嫌がるのも倍増で、親子ともども辛い行事です。
今年は初めての病院でお世話になったのですが、1回目は息子が自閉症だと断っておいたとはいえ、やはり大パニックになりました。
申し訳ない気持ちでドキドキしながら2回目の接種に向かうと、12月に入っていたこともあり、混んでいました。困ったなぁと思っていると、看護師さんが「車で待っててくださいね」と声をかけてくださいました。
駐車場で待っていると、二人の看護師さんが来てくださり、素早く注射をしてくださいました。診察もままならないほどパニックを起こす息子ですが、あっけにとられるほどすんなり終わり助かりました。
「お互いにとって良かったですね」と笑顔で送ってくださいました。とっても嬉しかったです。
(こぶたのママ)

 事務局だより
いよいよ2007年ももうすぐ終わり。なんだか一年があっという間に過ぎていきます。
赤磐ぐんぐんで療育をしていると子どもにとっての一年は、一日一日の積み重ねで、とても大切で貴重なものだと痛感します。今だからこそ身につく力、また今焦らずにゆっくり確実に育てていくべき力。その一つ一つを見逃さないよう、自分自身の感性を磨いて子どもたちと接する大切さを感じます。そして、少しずつだけれど確実な成長を側で見られることをとても幸せに感じます。
そんな積み重ねで大人になる子どもたちの未来ってどんな形なのでしょう?
代表が巻頭文でも書いていましたが、私たちは先日愛媛大学へ上岡先生との打ち合わせに伺いました。今回上岡先生にご協力していただき開催する当会のセミナーはズバリ!「就労支援」についての講演会です。
しかも!そのモデルケースとして登場するのは我が弟の「哲平くん」です。
自閉症の人の就労の困難さの中で、どのような本人の育ちがあり、どのような家庭での取り組みがあり、どのような学校での関わりがあり、どのような企業内での支援があれば、就労が可能なのか。
上岡先生はおっしゃいました。「就労するためには、もちろん本人を中心として、家庭・学校・企業の連携が大切です。けれども連携するだけではダメなのです。それぞれの人がそれぞれの立場で一生懸命必死で努力してこそ、連携は活きてくるのです」と。
今回のセミナーが、自閉症児を育てておられる保護者・学校現場で頑張っておられる先生・現場で障害者雇用をしておられる(今後考えておられる)企業、その3者それぞれの方にとって、役に立つものになるよう、事務局として準備に力を注ぎたいと思っています。哲平くんの事例に隠されたヒントが皆さんの参考になればと思っています。
私自身、弟のお話を聞けるのがとても楽しみです。わくわくしています^^
さぁいよいよ2008年到来です。
来年はもう少し落ち着いた「大人」な事務局員でありたいですね。笑
(事務局:鳥羽 紗代)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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