sorry,Japanese only
平成21年1月31日
第129号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
129号 目次
ハナミズキの梢に
支援者養成セミナー 報告
「自閉症スペクトラムの人への視覚的支援」 門 眞一郎 先生
赤磐ぐんぐん見学会のご案内
キッズルーム 開催します
おやじの会が発足しました
育てる会勉強会
「18歳の春を目指す親子療育クラブ」
「母の想いを語る会」
支援者養成講座のご案内
サッカークラブ・水泳教室のお知らせ
私のお薦め本コーナー
「思春期のアスペルガー症候群」
お母さんコラム
「2009年 〜4年前を振り返る新年〜」
事務局だより
木枯らしの中、庭のハナミズキの梢が揺れています。
そんな枝の先に花芽がたくさん付いているのを見つけました。来る春を楽しみにこんな若い木でさえ健気に生きている。なんて自然は力強いのでしょう。
なんだか、この木に励まされたように思いました。
寒い寒いと言いながら、厚着、運動不足で少しなまった体に喝でも入れて、ウォーキングでも始めましょうか。
インフルエンザが、流行しているようで、学級閉鎖などのうわさを聞きますが、皆様のところはいかがですか?
いよいよ寒さも本格的になってきて、一年のうちで多分今が一番寒い時ではないでしょうか?冬が苦手なくせに、実はこんな時が私は好きです。
今が一番寒い時なら、もうこれ以上は寒くならないということですよね。
つまりこれからは、どんどん暖かくなるという事です。いいでしょう?
こういう風に考えると楽しくなるじゃありませんか。
私は、電話相談を受ける時、同じことを言うときがあります。
悩んでいらっしゃる方は、とても辛くて、もうどうにかなりそうだといわれます。
そんなときに私はこんな風にこたえます。「今がきっと一番辛いときなのでしょうね。だとしたら、きっと明日は今日よりは楽になる。そう思えるのではないでしょうか」
辛いときは、もっともっと辛くなるのでは?と思いがちですが、そんなことはありません。気持ち次第でそこから抜け出すことが出来るのです。
きっといい日が来ると思えば、そんな気がしてきます。そんな気で暮らせば、そんな日は必ず来るのです。明日はきっといい日と信じることが、明日をいい日にするのではないでしょうか?楽観主義の薦めです。そうやって、私は生きてきました。
死んでしまいたいと思った日だって私にもあったのですから・・・。信じられませんか?本当なのですよ。でも、生きていてよかった。
「死んでたまるものか。なにくそ」と思って、頑張って生きてきました。
頑張っているうちに自閉症の子との暮らしが面白くなって、そのうちすっかり自閉症の子どものとりこになってしまった私です。
言葉には魂が宿るということを聞いたことがあります。
不幸せだと言っていると、本当にそうなっていく。幸せだといい続けていると幸せは向こうからやってくる。そんなことを聞いたことがあります。
私はある人から幸せな人だと言われたことがあります。
「美千子さんは何の苦労もなくて幸せだ。羨ましい」
どうしてそんな風に見えるのでしょう?
私には、障害のある子がいて、普通ならそんなことは言われないはずなのに・・・。
哲平の障害のことをその人が忘れるくらい、本当に幸せで気楽そうに見えるのでしょうか。
それならいいことですね。ありがたくその言葉いただいて、私はもっと幸せになりましょう。
話が相当ずれましたが、とにかく寒いというのもいいことです。
暖かい春がすっごく楽しみですね。
さて、先日は門先生の講演会に大勢の方にご参加いただき、ありがとうございました。
先生のお話はとても分かりやすく、PECS(ペクス)やソーシャル・ストーリーズ、コミック会話など色々新しい役に立つ勉強ができました。すぐにわが子との暮らしの中に取り入れてみたいことがたくさんありました。特にソーシャル・ストーリーズとPECSは、本格的に勉強をしてみたいと思いました。
また、たくさん子どもをほめましょうというお話をされましたが、これを肝に銘じて、私も早速取り組んでみました。
効果は絶大でした。声かけは、ほめ言葉だけにして見ました。
特に先生のお話の中で1分に1回褒めるというのがありました。褒めることがないようなら、今座っているなら座っていることを褒めました。「姿勢がいいね」「楽しそうだね」何でもかんでも一応褒めてみたところ、哲平はとても機嫌よくなって、お母さんを見る視線が変わったように感じました。
そういえば私が哲平に声かけするときは、たいてい用事を頼むときくらいで、褒めるときは何か特別いいことをしてくれたときくらいでした。存在そのものを褒めるというような褒め方はしたことがありません。
いつもは、眉間にしわを寄せて面倒くさそうに母を見る哲平が、ちょっと違うのです。視線が柔らかくなって、親子の雰囲気がまぁるい感じです。いいですね。
これは、お父さんとの関係でも使った方がいいかもしれませんね。そうすれば夫婦喧嘩も少しは減るのではないかとも思うのですが、哲平に対しては、こんなに素直に何でも取り組める私ですが、お父さんとはそうは行きません。思っていないことは言えません。
頑張って、まだまだ先は長い夫婦関係を上手に作って行きたいと思います。
講演会は、先生も聴衆も真剣勝負という感じで、5時間にもわたる講演会にしては、皆さん真剣な目の色は最後まで変わりませんでした。先生のお話は、程よい緊張感と時々それを破る形の笑いがミックスされていて、素晴しい講演会でした。
先生のホームページに書いてあった文章に、「頷く中年女性を見ながら話をすると、話しやすい」というようなことが書いてあったように思います。それを思い出しながら、自分はついつい頷いてしまう人なので、ちょっと恥ずかしい気持ちになりました。なぜか、私は講師の方と目があって困ってしまうことがあるのですが、そういう意味だったのかと、これを書いていて、気がつきました。「私ってそんなに素敵かしら???」もっと違う意味にとっていた私でした。先生には、ぜひまた来ていただきたいと思います。
さて、次の講演会は、成廣ワタルさんと木谷秀勝先生を3月20日にお迎えしています。
成廣ワタルさんと言うと、分かりづらいかもしれませんが、成澤達也さんといえば数年前、岡山で講演会に来ていただいたことがあるので覚えていらっしゃる方もあると思います(「成澤達也」というお名前はペンネームです)。新しい会員の方で、知られない方もあるかと思いますので少し説明しましょう。あのときの講演会は感動しました。
成澤さんは、高機能自閉症の成人の方です。「MYフェアリーハート」という本を書かれた方です。当時は岡山に住んでおられました。
なのはなクリニックの笹野京子先生に高機能自閉症について解説をしていただいた後、成澤さんのお話を伺いました。小さい頃からのご苦労を静かな口調で話されて、でも就職してからの辛い経験を話されたときは、とても苦しそうで、見ていてこちらも胸が痛くなるようでした。
それでも、心を落ち着かせながら一生懸命にお話くださって、どれほど、会場の皆の心を勇気付けてくださったか、知れません。お母さん達は、今から心して育てる育て方を、支援者はサポートの声かけ一つにも気をつけたいと思われたと思います。本当に凄い講演会でした。育てる会の歴史に残るような講演会でした。
あの講演会が再び聴けるというのは、なんという幸せでしょうか?
成廣さんは、現在大阪で自分の障害特性を考えてお仕事を選び、立派に自立して暮らしておられます。
服巻智子先生の著書「自閉っ子、自立への道を探る」(花風社)で自閉症本人としてインタビューにも答えておられます。
高機能自閉症やアスペルガー症候群のお子さんをお持ちのお母さんやその支援に当たられている学校の先生方に特にいらしていただきたいと思います。詳しくは同封のチラシをご覧ください。
さて、お待ちかね我が家の話題です。
待ってなくても聞いてくださいな。
哲平君は、風邪も引かず元気でお仕事頑張っています。
でも、会社は自動車部品会社です。ご存じの通りのこの度の経済危機の煽りで、会社も減産体制にいよいよ入ります。
「お話があります。会社へ来て欲しい」と言われたので、正直ドキッとしました。
「派遣社員に辞めてもらった後は、哲平君の番です」なんて、まさか言われないとは思うけど・・・と思いつつ、お話を伺う為に会社に行きました。
所長からのお話は、これからの減産体制についての説明だったので、ホッとしました。
なかなか車が売れない今の経済状態の中にあっても、「夢工房はやめませんよ」と言ってくださる会社に感謝です。そんな会社にいられることをありがたいと思う反面、今年就職活動をしている養護学校の後輩たちに、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
もう少ししたら、社員を増やして、やがては特例子会社に、という夢もありましたが、それも今しばらくは凍結ということでした。
残念ですが仕方ありません。やがてまた、景気がよくなるに違いありません。悪いことがあると、必ずいいことがある。来る春を楽しみに、今を明るく過ごしましょう。
今年の正月からは、父も母もいない実家には、もう行くこともなくなり、哲平はとても不安そうでした。
哲「西脇は?」(西脇には行くのか、行かないのか・・・)
哲「おじいちゃん死んじゃった。おばあちゃん死んじゃった」(悲しそうに言います)
哲「お年玉、もうない!」(おっと、そこですか・・・)
そんな混乱を何とか解消すべく、正月をどこかで過ごすことにしました。
ちょうど大晦日から一泊二日で金沢へ行くツアーがあったので、申し込みました。長男は「行かない」と言うかなと思いながらも誘ってみると,「行ってもいいよ」との返事です。
親子水入らずの温泉旅行なんて、久しぶりです。哲平に伝えると、「紗代は?」と聞きます。(お姉ちゃんのことをなんと失礼にも、「紗代!」と呼び捨てにする哲平なのです。兄も「優樹!」です。すいません。しつけがなっていませんね。)
「松田紗代は行きません。鳥羽だけで行きます」と答えると、
「松田紗代は、行かない!!」とニヤリと笑いました。
そういえば、こんなことがありました。結婚した姉が、旦那さんのいない夜、我が家へ夕食を食べに来た時のことです。
その時「松田紗代!!」と指差しまでしながら言いました。
なにやら非難めいた顔です。まるで今すぐ帰れとでもいう感じです。偉そうに上から目線です。
たぶんこの意味は、『松田紗代なのに、どうしてこの家でご飯を食べているのだ!』という意味なのでしょう。
哲平の中では、お姉ちゃんは他所の人になったという形で気持ちを切り替えたのでしょうね。
哲平は哲平なりに、大好きなお姉ちゃんの結婚を、こういう形で受け止めているのでしょう。
もう一つのお話は、新年の挨拶についてです。
哲平は、新年になって始めてお会いする人に挨拶をする時、言葉がうまく出てきません。
それで、きっかけ作りの為に私はよくこんな風に、言葉をかけます。
私「あけ・・・」
哲「明けましておめでとうございます」
私「こ・・・」
哲「今年もよろしくお願いします」
というようにうまく出てこないときでも、こんな形で挨拶が出てきます。
さて、新年の育てる会でのご挨拶、いつものように言葉をかけました。
私「あ・・・」
哲「ありがとうございます」
「あけ・・・」まで言わない私が悪いですね。笑えるエピソードですが、ちょっぴり悲しくもあるお話です。
挨拶の意味をもっときっちり教えたいです。反省です。
ところで、哲平君は今年も頑張って、マラソンに参加しております。アチコチの大会で走っております。先日は、美作市のF1ロードマラソンに出場して、1時間25分42秒で18位という好成績でした。スタート直後の第1コーナーを曲がる時は頑張って一番でしたが、先行逃げ切りまではいきませんでした。それにしても、この成績は立派です。F1のハーフマラソンのコースは、坂が多くなかなか厳しいコースです。そんなコースでこれだけの成績です。
今年は1月11日に香川まんのうリレーマラソンに。スペシャルオリンピックスの陸上の仲間たちと参加して、42.195キロを皆で分け合って走りました。哲平は、18キロを走りました。
今後の予定は、2月15日に西大寺駅伝を走ります。まんのうと同じくスペシャルオリンピックスの仲間と走ります。花の一区をかっこよく走りますので、近くの方は応援に来てくださいな。13時神崎陸上競技場を出発予定です。
また、2月1日は香川丸亀国際ハーフマラソンを走ります。これはテレビ中継があるそうです。哲平のゼッケンは474番です。頑張って走りますので、見つけてくださいな。
先日のF1マラソンも2月7日10時45分からOHKで録画放送があるとのことです。ゼッケンナンバーは、36番です。もしかしたら映っているかもしれませんので、よかったら哲平君の走りを見てやってください。
残念ながら私はその日愛媛大学で、上岡先生に頼まれて、保護者としてお話をすることになっています。緊張ですよ。演題はなんと「自閉症児を就労へ導く子育て」だそうです。自分でつけたわけではないので、ごめんなさい。ちょっと偉そうですね。
保護者向けの小さな講演会以外は、引き受けないと決めていたのに・・・、上岡先生には子育てのご恩もいっぱいあり、仕方なくOKしてしまいました。
もうこうなったら、ものはついでと、またしても去年に続いて川崎医療福祉大の夜間講座も引き受けてしまい、それがなんと2月2日です。もう泣いちゃおう〜。知らんぞ〜。私の話なんか聴いてどうするんよ〜という感じです。こうなりゃ〜、えーい、どうとでもなれぇ〜ですよ。まあ、できることを私の出来る範囲で頑張ります。
そんな訳で、2009年も忙しく始まりました。
P.S.
多くの方から年賀状を頂きましたのに、お返事も出来なくて申し訳ありません。
寒中見舞いをとも思いましたが、それもついつい時を過ごしてしまいました。
改めまして、頑張りますので、どうか、今年もよろしくお願いいたします。
育てる会代表 鳥羽 美千子
支援者養成セミナー報告
1月17日(土)、くらしき健康福祉プラザにて、児童精神科医:門眞一郎先生を招きしての講演会を行いました。
参加された方からの感想をいただきましたのでご紹介いたします。
1月17日、くらしき健康福祉プラザで開催された門先生のセミナーに参加しました。
我が家からは少し遠かったですが、倉敷から参加された方も多かったようで、お互い様ですね。
セミナーは「自閉症スペクトラムの人への視覚的支援」というテーマで、少し難しいかなという思いでしたが、門先生のおだやかで時には笑いを交えてのお話の中で、あっという間に時間が過ぎました。
11月の坂井聡先生が、陽気なエンターテナーという感じで笑いの渦に引き込まれたのに比べると、門先生はシャイなユーモアリストという感じで、暖かな雰囲気でした。お声も落ち着いて聞き取りやすく、指導されている子どもさんたちにとっても、視覚支援に加えて耳からの指示も入りやすく、信頼の素になっているのでは・・・そんな魅力的な声でした。
それはさておき、本題に入ると・・・午前の部は「コミュニケーション支援を中心に」ということで、言葉をもたないような知的に重度な子どもたちにも有効なコミュニケーション支援の方法という「PECS(ペクス)」を中心に教えていただきました。
私も言葉だけは知っていたのですが、この「絵カード交換式コミュニケーション・システム」なるものが、私たちがお世話になっているTEACCHプログラムの中で使う絵カードとどう違うのか、まではよく理解できていませんでした。
セミナーでは、実際に指導されている場のビデオを見ながら、わかりやすく説明していただきました。
詳しくは以前に会報でも紹介された「自閉症児と絵カードでコミュニケーション」にも書かれているそうですが(ただし、この本初版本では誤訳も多かったそうで、訂正表は門先生のHPに載せていただいているそうです)私なりに控えたメモから紹介します。
余談ですが、当日の会場、照明の微調整ができないということで、左右の席は良かったのですが、中心部に座られた方は暗すぎてメモがとれなかったそうです。やはり会場は倉敷よりは岡山の方がいいのでは・・・これは私の、これ幸いとの希望です。
PECSには6つのフェイズ(段階)があり、その第1段階、フェイズ1では「好子(こうし:応用行動分析などでいう強化子をPECSではこう呼ぶそうです)を見て、絵カードを手に取り、コミュニケーション・パートナー(向かいあったコミュニケーションをとるべき相手)の方に手を伸ばし、絵カードをパートナーに手渡す」ことを課題とします。
この支援のために、子どもの背後にプロンプターと呼ばれる、いわば黒子(くろこ)の支援者がついて、無言で子どもの手を誘導します。
つまり、最初は何かそこにあるものを渡せば欲しいものが交換で手にはいるということを、身体を使って教えていくわけです。ですから、その時のビデオでもあったように、指先がうまく使えなくてカードをつかむことができない場合には、かわりにペットボトルのフタでもいいわけです。「交換式コミュニケーション」です。
やがてフェイズが進むにつれ、離れた位置から交換用の物を持ってくることや、交換用の絵カードの弁別も覚え、文の形で要求したり、応答したりと進んでいきます。
その過程で音声言語を獲得していく子どもたちも多いそうです。それは前回の坂井先生のセミナーでもAAC機器を使用していく過程でことばを獲得する子がたくさんいる、というのと共通しますね。要は、いかにコミュニケーションというものが自分の得になり、コミュニケーションへの意欲を持つことが大切かということでしょう。
笑ったのはふざけていて、椅子に挟まったまま身動きとれなくなった男の子が、たまたま手にもっていたPECSを使って「手伝って+ください」という文を作り、ようやく抜け出せたビデオを見たときでしたね。
しっかりコミュニケーションの手段として、PECSを自分のものにしていました。
午後からは「ソーシャルスキルを教えるために」というテーマで、主に高機能な子どもたちへの支援のお話でした。やはり視覚的支援という立場から「コミック会話」や「ソーシャル・ストーリーズ」、それに私も初めて知ったのですが「パワーカード」「ソーシャル・スキル・アルバム」「ソーシャル・アーティクル」などの技法について、その目的や使い方、注意点などについて教えていただきました。
特に、「ソーシャル・ストーリーズが失敗する理由」は、本当に私たちがおちいりやすいものばかりだったので、とてもありがたかったです。
例をあげると、“「いつも」「みんな」「けっして」などは使わず、「たいてい」「しばしば」「多くの」「一部の」「中には」「めったに」などを使ってストーリーを書く” それは、この子たちは字義通りに解釈することが多いため、「いつも」「みんな」などを使っていると、もし例外があった時、そのストーリー全体を信用しなくなることがあるそうです。ですから、もしも例外があってもいいように「たいてい」とか「多くの」という言葉を使うそうです。
また、ソーシャル・ストーリーズTM(トレードマーク:発案者のキャロル・グレイが認めた元々のものとの意)の判定基準の最初に挙げられているのは「全ソーシャル・ストーリーズTMの少なくとも50%は、できたことをほめるものにする」というのも新鮮でした。ついつい私たちは、できていないことを教えるために、あるべき姿を指示的にストーリーに盛り込もうとしていましたね。そうではなくて、半分以上はほめるためにストーリーを作る、自己肯定感を持たせて育てることの大切さを知らされました。
午後からの講義で、笑いながら、家でも使えるかなと思ったアイデアは「強化リマインダー音」、パソコンにCDを設置し、一定間隔で音を鳴らすシステムです。1分間から15分間まで自由に設定しておいて、音が鳴るたびに子どもの様子を見て、ほめてあげるというやり方です。自己肯定感を持たせるためには、まずほめてあげる。でもなかなかそのタイミングは取りづらく、うっかりすると忘れてしまいますね。そのための方法です。もちろんパソコンでなくても、キッチンタイマーなどでも代用可能ですので、みなさんご家庭で試されてはいかがでしょうか。
セミナーは、いつもは時間がなくて割愛されることもある質問タイムもとっていただいて、ありがたかったです。本当に、長時間のセミナーであったはずなのに、内容がイッパイでアッという間に過ぎた感じでした。
門先生ありがとうございました。機会があれば、またお話を聴かせていただきたいと思います。
それまで私も我が家で今日お聴きしたように、視覚的に、褒めながらの子育てを実践していきたいと思っています。
(保護者:T)
【保護者アンケート】
● ユーモアも交えながらわかりやすい説明で、とても良かったです。「構造化」の意味、スケジュール、見通しをつけることの大切さがよく分かりました。言葉でのコミュニケーションがとれているからと家ではあまりスケジュールを使わないでいたのですが、本人のためにもチャレンジしてみようと思います。褒めるのは意識しないとできないというのを聞いて、叱ってばかりの毎日を反省しました。
● ソーシャルスキルの習得というと、どこか集団でトレーニングできるようなところに通わせたほうがいいのかな?等と思っていましたが、家庭でも実践できる方法を色々と紹介していただいてよかったです。
● 褒めるソーシャルストーリーを書いてみようと思いました。講演会に参加したり、育てる会でも勉強させていただいて、それを家でどう取り組もうかと考えているところなのですが、「褒めることの視覚化」の優先順位が上の方だな、と思いました。早速帰ったらやってみます。
● PECSについてやり方を詳しく知ることができてよかったと思います。以前から知っていて、試してみようと思いながら、準備の大変さにとどまっていましたが、今度は試してみたいです。ソーシャル・ストーリーズについても誤解していたと思います。もっと子どもの立場に立って、褒める内容を多くしなければならないと思いました。
● 自閉症の子どもたちは様々な困難を持ちながら生活しています。午前中の部でまず教わったように、自分の要求を直接行動ではなく、コミュニケーションによってかなえることで欲求不満の部分をまず解消すること、次に午後の部で教わったようにほめて、頑張ってできたことを周囲がしっかり認め、本人の中に自信として蓄積することはとても重要なことだと思いました。
● 「構造を作り出すことが構造化ではない、構造はどこにでもある。それを明確に伝えて、理解してもらうことが構造化である」というお話にはハッとさせられました。自分が目的と手段を混同しているかもしれないと感じました。わが子の言葉が、十分にコミュニケーションの道具としては役に立ってはいないことを認識していたものの、量としてはたくさんあったので、我が子が発信をする時にPECSを使う対象にあてはまるとは思ってもいませんでした。発信に関して、視覚的な道具を使うための技術を持っていないので、どうにかしなくてはと思いました。
● 子どもとのコミュニケーションの大切さを改めて痛感しました。時間に追われ、軽く流してしまうこともあるので、時間をかけて、じっくりつきあっていけるように努力が必要と思えました。
● 実例を多く紹介してくださったこと、PECSのトレーニングのビデオが良かったです。SSTのいろいろな方法が分かったことも良かったです。門先生のお話は分かりやすかったです。「苦手なことはパスしてもよい」とか「言い聞かせることが一番伝わりにくい伝え方」とか、普段忘れがちな大切なことを思い出させてくれます。決して責めない優しい口調で。伝え方を工夫して「用が足せる」子どもに育てていきたいと思います。
● 分かりやすい話でした。実際の子どもさんを見せていただいたことで、成果が出ている人のことでよく理解できました。とても勉強になりました。普通に話はできているが、本当の自分のこと(思っていること)が言えていない子が、本当の自分が出せるようになるのですか?早くに知っていれば我が子にもできたのになあ…と残念!です。
ありがとうございました。
【教員・保育士アンケート】
● より具体的な事例を動画などで見せていただき、よく分かりました。紹介していただいた本は、以前から持っていた本でしたが、今日教えていただいたことでよく分かり、今後活用できると思いました。今日参加させていただき、他の参加者の方々とお会いでき、良いきっかけとなりました。やはり研修には出るべきですね。
● PECSの実際を具体的に教えていただき、よく理解できました。ソーシャルストーリーが、子どもに自信を持たせる手段として、効果的であるということもわかりました。今回のお話を聞かせていただき、ありがたく思いました。
● PECSについて、具体的によく分かりました。「自発的に」ということを大切にすること、そしてその方法がよく分かりました。また、ソーシャルスキルについても、本の紹介や問合せ場所も掲示してくださったので、即、役立ちそうです。ソーシャルストーリーは、個別にオーダーメイドということを納得!特別支援学級での日々の連絡帳に、本人向けのメッセージとして、取り入れてみたいと思った。コミック会話も早速やってみたいです。
● ソーシャル・ストーリーズやコミック会話についての講演を初めて聞けてよかったです。PECSの話も初めてでしたが、実際に絵カードを使って要求を伝えることができるようになったビデオでは感動しました。最重度の知的障害のある子への支援方法を紹介していただけたのが良かったです。いつも素晴らしいセミナーを企画・開催してくださり、感謝しています!
● 実例をビデオや写真で見せていただいたこと、PECSのポイントを教えていただいたことが良かったです。門先生は、優しく穏やかな話され方で、楽に長時間の講演を聞かせていただきました。
● 実践されているので、話にとても説得力があり、穏やかな口調で分かりやすかったです。ありがとうございました。「自分が伝えたい時に伝えられるように」ということが印象に残りました。明快で分かりやすく、何を目指せばよいかが伝わりました。
● 構造化されたものが視覚的に提示され、よく分かりました。文作りも大変ためになりました。また、ソーシャル・ストーリーズの、D君のお母さんが作られたストーリーが大変興味深かったです。
● 子どもたちがソーシャルスキルプログラムによって言語を獲得していく姿が感動的で発達の可能性を感じることができてよかったです。
● 子どもへの信頼が基本にあって、気持ちの良い時間となりました。ビデオが分かりやすくて良かったです。どう支援すべきか、自発性を尊重することの大切さを学び、明日からの支援に役立てます。
● 門先生のお話が楽しく、また具体的で分かりやすかったです。(声がとても心地よく耳に入ってきました)叱ることは簡単でも、褒めることには努力が必要、ということに大きく頷いてしまいました。褒めるって本当に難しいと思います。PECSの効果にも驚きました。 小学校の個別学級で支援員をしていますが、今日のお話を聞いて、今まで分かっていたつもりでも、日ごろ子どもたちに間違った言葉かけをたくさんしてしまっていたことに気がつきました。反省です。これからはもう少し彼らの気持ちを理解し、少しでも良いコミュニケーションがとれるように頑張りたいです。ありがとうございました。
● 具体的な支援方法がたくさんあり、実践に生かせると思えました。自閉症の支援の仕方について、今まで勉強してきたことの重要なところの確認ができました。また、新しい支援方法も教えていただき、支援の仕方は一人ひとりに合わせて色々あるなと思いました。ありがとうございました。
● 講演会の内容のすべてが良かったです。「ことば」について考えさせられました。以前、教育現場にいましたが、勉強されている先生の少なさに愕然としたことを思い出しました。「先生の満足ではない!」と。明日からの支援にも役立てていきたいと思います。
赤磐ぐんぐん見学会
来年4月からの新規利用者対象に赤磐ぐんぐん見学会を開催します。
赤磐ぐんぐんは、自閉症や発達障害をお持ちの幼児さんを対象に週1回の療育を介護給付費(保護者1割・市町村から9割補助)で行っている児童デイサービスです。
日 時 平成21年2月27日(金)11:00〜12:00
場 所 児童デイサービスセンター赤磐ぐんぐん(赤磐市和田194-1)
対 象 平成21年4月の段階の就学前(幼児)のお子さんをお持ちの保護者
(見学会にご本人を連れては参加できませんのでご了承ください)
申込先 育てる会事務局(086-955-6758)
ぜひお友達・お知り合いにお声かけお願いします。
なお、今後も開催しますので、興味のある方はご連絡ください。
★キッズルーム開催します★
日 時 平成21年2月15日(日)12:00〜14:00
場 所 岡山大学津島キャンパス 体育館
持ち物 体育館シューズ・お茶・汗ふきタオルなど
(保護者の方もスリッパなどをお持ちください)
内 容 ボランティアのお兄さんお姉さんと体を動かしたり人形劇を見たり、楽しい時間を過ごします。
集団活動の練習の場にもなります。
参加費 本人500円、兄弟400円(保険代・おやつ代)
申込先 育てる会事務局へ2月8日(日)までにお願いします。
おやじの会が発足しました
先月の会報でお知らせしておりましたが、このほど育てる会に「おやじの会」が発足いたしました。
「おやじの会」は、日ごろ会う機会が少ないお父さん同士が楽しく話しながら、子どもや家族のための活動や情報交換をしよう、という集まりです。
発足を記念し、1月23日(金)、お父さん6人が参加し、岡山市内で新年会を開きました。
初対面の方もいましたが、「うちの子は新幹線が大好きで0系に乗りに行った」「サッカーや水泳頑張っているね」と話すうちに予定の2時間を超え、会場をコーヒー店に移すほど盛り上がりました。そして今後の活動についても話し合い、「子どもが楽しむ間、お母さんが息抜きできるような行事を開きたい」「次回も話す場を作ろう」と提案もありました。
今は小さな一歩ですが、集まりの輪を拡げ、大きな次の一歩につなげたいと思いました。
育てる会の活動は、お母さん方に負うところが大きいと感じています。実はお父さん方も、心の中では子どものことを真剣に考えていますし、子どもたちが、明るく楽しく、そして強く生きていくために何かしてあげたいと模索していると思います。
でも、忙しさに押し流されたり、理解が得られるか不安になり、思いを語る機会は意外と少ないのではないでしょうか。
おやじ同士でワイワイ気軽に情報交換や活動をしませんか?参加をお待ちしております。
会への参加希望などお問い合わせは、育てる会事務局へ。
(Mパパ)
育てる会勉強会
「18歳の春をめざす親子療育クラブ」
先日1月23日(金)に、香川大学武蔵博文先生をお招きしての「18歳の春…」が開催されました。参加した方から感想をいただきましたので一部ご紹介します。
会員のお母さん方の家での取り組みを知ることができたり、前からしなくてはいけないなあと思いながらも取り組めていなかったIEPについての勉強会があったり、武蔵先生をお招きしての支援ツールの勉強会があったりと、内容盛りだくさんで、本当に勉強になることばかりで、毎回いい刺激をもらっています。
中でも特によかったなあと思うのは、武蔵先生の支援ツール教室でソーシャル・ストーリーズについて学べたことです。成長するにしたがって、息子が「なんで?」と聞いてくることが多くなり、スケジュールや手順表だけではなく、どうしてそうするのか、を教えていく必要があるなあと感じていたところでしたので、我が家にとってはとてもよいタイミングでした。
実際にストーリーを作り、息子に読んで聞かせています。息子は「うん」と言って納得しながら聞いています。達成できたことを褒めるストーリーも入れることでより気に入ってくれているように感じます。そんな中、先日苦手な児童精神科の診察がありました。いつも「疲れた〜」「眠くなった〜」と言って、診察中に床やソファにゴロゴロと横になってしまうのですが、「診察室ではどんな話をするのか」「どう過ごしたらよいのか」をストーリーに書いて伝えたところ、待合で約1時間落ち着いて待つことができました!もちろん、その後褒めるストーリーも書き、聞かせました。ニタ〜と嬉しそうな顔をしていました。そうした一つ一つの積み重ねで、息子は毎日、自信を持って過ごせているような感じがします。こんな風に息子との関わり方を具体的に学んで、即実践できるのが、18歳の春の活動のよいところの一つだと思います。
また、他のお母さん方の取り組みを見て学べたり、アドバイスをもらったりできることも、私にとってすごい宝となっています。これからも、長〜く続けていきたいと思っています。
(りょうくんのママ)
先日息子の歯ブラシを買いにでかけたのですが、『新しい歯ブラシを買うのがこんなにも嬉しいことに感じる』と幸せをいっぱいもらうことができました。それも「18歳の春」の勉強会のおかげです。2年前に勉強会で初めて作ったのが「一人でできる歯磨きカード」でした。支援ツールの意味や目標や手立てを基礎から学び、手段や絵や必要な情報から考えて作成したこの第1号でした。わが子も大事に大事に使ってくれています。私も「きちんと標準を合わせて支援ツールを作成することの大切さ」を痛感しました。それと同時にたったこれだけのツールからわが子の自信が高まり、他の面でも大きな成長が確認できました。さらに、日々勉強を重ねることの必要性を感じました。
「何歳になっても子育てに終わりはない」と思います。せっかくここで勉強させてもらっているのだから、それを今から悩まれるお母さんに伝えたり一緒に考えることで「ご恩返し」ができるのではないでしょうか。私も勉強会に参加するたびに代表や武蔵先生からたくさんの経験を聞くことができ、それにより「わが子に今必要なこと」「今すぐに取り組むべきこと」「もう少し発想を変えて見守っていくこと」なども分かったり、ヒントをもらうことができました。
また、他のお母さんからの悩みや喜びを共有できることもできました。そのことで「よし、今できることを一つずつ形にしていこう。」と勇気を持って進めることができたのも確かでした。私にとっても、みなさんからいただいたアイデアや助言は何物にも代えがたい「財産」なのです。だったら、勉強会に来られたお母さん方に伝えることで、せっかく勉強したり悩んだり、うまくいったりした経験を活かして語り合い、「共に悩み、喜び合い、励ましあい」しながら返していくご恩返しをしなければと思うのです。そして自分をさらにステキにしたら良いんだ。とそのように思うわけです。
それにしても私という人間は、特に「18歳の春」では「謙虚」という言葉を忘れて「貪欲」であったなぁと思います。そして「素直」でもありました。(笑)分からないことはどんどん聞いていったり、人のやり方をマネしてみたり。しかし一方で、「人のアドバイスもとても素直に取り入れて、すぐに形にしていく」ということをしていきました。(私ってこんなに素直なところがあったんだ!!)
だって、今しか勉強できないかも知れないし、今だからこそ勉強したことを活かして動いていくチャンスなのかも知れないのです。子どもはエネルギーいっぱいに元気に活動していくのに反比例して親はどんどん年をとっていき・・・「立ち止まって謙虚にしているヒマ」はありませんから!ぜひ今年もみなさんとの勉強を続けさせていただきたいと強く願っています。みなさんどうもお世話になりました。これからも共に悩み励ましあい、考え合い、喜びを共有する仲間でいてくださいね。どうぞよろしくお願いします。
(Iママ)
「母の想いを語る会」
日 時 : 平成21年2月16日(月)9:30〜12:30
場 所 : 育てる会事務局
内 容 : 前回に引き続き、川崎医療福祉大学:佐々木正美先生が出されている本を読みながら、
家庭でできる支援について共に考えましょう。
参加費 : 300円
申込先 : 13日(金)18時までに事務局へ。
支援者養成講座
欠席された方・途中入会されている希望者へはDVDを貸出いたします。
☆第9回は平成21年2月6日(金)19:00〜21:00
会場は、岡山県生涯学習センター 大研修室
残りあと2回になりました。皆さん最後まで一緒に学びあいましょう!!
3月は6日(金)開催の予定です。
サッカークラブのお知らせ
日 時:平成21年2月11日(水・祝日)10:00〜12:00(9:30集合)
場 所:旧岡山中央南小学校グラウンド(岡山市中山下)
持ち物:マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
親リーダーはグループノートとボラリーダーさんのお茶
* 雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきて下さい。
保護者の方の体育館シューズも忘れずにお持ち下さい。
* 卒業されるボランティアさんとは最後の練習になりますのでプレゼントを渡し、写真を撮りたいと思います。
* 出欠が変わる方は分かり次第サッカークラブ担当までご連絡ください。
* 来年度の計画等について話し合う機会を2月〜3月中に設定したいと思っています。
保護者の方には日程が決まり次第連絡させていただきます。
☆メンバー募集中☆
サッカークラブでは、引き続きメンバーを募集しています!
原則として、1人につき1名ボランティアさんがついてくれます。
子どものペースに合わせて、無理せず、楽しく!活動しています。
運動の機会がなかなかない・・・という方、集団でスポーツするのはちょっと・・・と思われている方も、ぜひ一度体験にいらして下さいね!子どもの成長を一緒に楽しみましょう!お待ちしています。
体験験希望の方は担当までご連絡下さい。
サッカークラブ担当:K.M
水泳教室のお知らせ
日 時: 平成21年2月15日(日) 15:30〜17:30
場 所: 岡山OSKプール(貸切プールで行います)
連絡先: 育てる会事務局
冷たい風の吹く時期にはなかなか屋外で体を動かすことができませんね・・・
暖かい室内プールで、親子で楽しく運動しましょう。
水泳教室は室内温水プールを貸し切り、毎月1回行っています。育てる会の子どもたちと家族のみの参加ですので、人目も気にすることなくお子さんのペースに合わせて、ゆっくりと楽しく泳力を身につけることが出来ます。ぜひ一度体験してみてください。
ボランティアさんも募集しています。年齢性別不問です。子どもたちと一緒にプールに入って下さる方は是非ご連絡ください。
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
★欠席される方、ボランティアさんが必要な方は必ず事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは水泳教室担当者に直接ご連絡ください。
(水泳担当:T)
お母さんコラム
2009年〜4年前を振り返る新年〜 2009.1.1
「今までなんと親として無責任だったかと。Aをまるごと受け止めているつもりがいかに自分勝手だったかと、とても反省しました。やはり障害を認めきれていないと痛感しました。・・・略・・・結果Aのとまどい、不安、がんばりを受け止めておらずとても情けなく思っています」
「もっと強くなりたい。子どものためにもっと明るく元気に愛して育ててやりたい」
2005年2月
大掃除のときにみつけたノート。これを開くと保育所年中のクラスだよりに混じって私が先生当てに書いていた文章がありました。彼が5歳になろうかという頃のAの姿を思い出します。
やっとボタン賭けができるようになっていたAが、保育所へ迎えに行くといつも制服の一番上のボタンをクチュクチユと噛んでいた姿です。愚かな母はAに向かって「ボタン噛みしてると大好きなBちゃんが『Aくん、汚いよ。キライ』て、言うよ」なんて本気で言っていました。結果ますます、彼のボタン噛みはひどくなっていきましたが・・・でも思い返すとこの頃が私の本当の意味で「Aの母」としてのスタートだったと思います。
また『この頃に比べて私少しでも前進・成長できたかな?』と思い返し、苦笑いも出てきました。Aが給食の時間に準備もせずに砂場へ走り「1人の世界」に入っているという事実を先生から聞いて、ショックを受けていた頃でした。今なら「1人の世界はAにとって大事な『自分を取り戻すための世界』であるし、『自分を確かに保てる場所』だったんだろうなぁ」と思えます。それどころかAを支援する手立てを親として考え実行する努力をしていない当然の結果であると気づきます。Aが集団の中で必死でもがいていることに気づかなかった私の愚かさの表れとも取れるのです。
さらにこの年の2月8日の保護者懇談に向け、もがきながらもAのことをお母さん方に伝えようと書いている私の文章がありました。
(1)Aがここ1年間でたいへん成長できたのは先生と友達の理解があったから。
運動会のこと、発表会のこと
(2)みんなとの生活のリズムが把握もでき、自信もついてきて友達の活動を見ながらいっしょうけんめいついていくようになって、やはりトラブルも増えました。
友達のちょっとした言動を怒ってみたり、他の子に言っていることを感違いして怒って引っかいてしまうこともありました。でもその時先生に両方の子どもの言おうとしたことをきちんと互いに伝えてもらってきたことで、引っかいたことを「ごめんね」と自分から謝ることもできたと聞きました。
(3)これから小学校入学までの1年間
色々な活動で「自分もしたいのにできない」というジレンマを自信のなさを抱くこともあるだろうと想像されます。
時には1対1でAなりの目標を決めてもらって乗り越えていって欲しい。友達の応援とAのがんばりを認める声の中で大きく成長していって欲しいと強く願っています。
結構分かっているようなことを書いていますが、この頃になってやっと、『Aの成長してきていることを自分の中で「認めたい」という気持ちになっていているんだなぁ。』と思いました。「AはA。『他の子に追いついて欲しい』ではなく、我が子をまるごと受け止めていきたい。」という必死な思いが感じられてくるのです。
今年の2月もうすぐ小3の最後の学級懇談の時期がやってきます。4年前とほぼ変わらぬようなことを伝えていくことになるでしょう。でも、確実に前と違うことがあります。私の中にAの成長を確信して伝えようとする気持ちがあること。今までAといっしょに歩んできた道で出会ってきた人や事柄が「財産」としてあるので、堂々とAのことを伝えたり、今後の具体的な協力を求めたりすることができるのです。
4年前自分がした失敗や怠慢を胸に刻みつつ、でもそれに勝る自分の財産を誇りにして、今年も歩んでいきたいと思いました。こうして、いつも「書く」ことで自分を振り返り振り返り、時には紙面に気持ちをぶつけながら、また今年も「親としての豊かな心」を育てさせていただきたいと思います。どうか今年もよろしくお願いします。
(Iママ)
事務局だより |
寒い日が続いております。皆さまいかがお過ごしでしょうか?
岡山は全国でも三番目にインフルエンザ感染者が多いそうで、「インフルエンザ警報」なるものが発令されています。私の友人も大勢インフルエンザで倒れているようで、次は我が身?とドキドキしています。予防接種していてもかかることはあるそうですね。昔はこんなにインフルエンザかかる人も多くなかったように思うのは私だけでしょうか?
さて、いよいよ今年度も残り2か月。来年度の事業も少しずつ決まってきています。
4月以降のセミナーについて、決まっている範囲でお知らせしますね。
6月27日(土) 岡山ふれあいセンターにて
藤岡 宏先生(愛媛:つばさ発達クリニック)
自閉症についての基礎理解のお話
8月上旬〜中旬
武蔵 博文先生(香川:香川大学教育学部)
支援ツールのお話及び展示
10月25日(日)、来年3月6日(土) 山陽新聞社本社ビルにて
服巻 智子先生(佐賀:NPO法人それいゆ)
高機能自閉症・アスペルガー症候群への支援についてのお話
今のところ決まっているのは以上です。どの先生も素晴らしい実践者の先生ばかりで、本当に楽しみです。
講演会のアンケートの中に「遠方に行く交通費や子どもを預かってくれる人を探す大変さを考えると、育てる会で主催してくださるセミナーが本当にありがたいです」と書いてくださった保護者の方がおられました。私たちの活動が皆様のお役に立てているのかなと思い嬉しいです!これからも皆様の期待にこたえられるよう頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いしますね★
さてさて、私事ですが、無事結婚して初めてのお正月を終えました。
去年は親族の不幸が重なり、今年はお正月らしい行事はほとんど行わなかったのですが、それでも今までの独身時代とは違った新婚の二人で過ごすお正月は新鮮でした。お雑煮の作り方をお義母さんに教わったり、大掃除を二人でしたり・・・。当たり前に思えるようなことを、二人で一つ一つできる幸せを感じる日々です。結婚っていいですね。(笑
(事務局:松田 紗代)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。