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平成21年2月28日

 

 第130号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 130号 目次

     春まだ浅く

     赤磐ぐんぐん見学会のお知らせ

     クローバーの会報告

     育てる会勉強会
         「18歳の春を目指す親子療育クラブ」
         「親子料理教室」
         「母の想いを語る会」

     支援者養成講座のお知らせ

     サッカークラブ・水泳教室のお知らせ

     私のお薦め本コーナー
         『 ソーシャル ストーリー ブック 〜書き方と文例〜』

     近隣の講演会等のご案内

     夢工房リレートーク

     お母さんコラム
         「2009.2.20 B学級保護者のみなさまへ」

     事務局だより

春まだ浅く風の冷たい日々が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
私は、冬の終わりに風邪を引いてしまいしばらく臥せっておりました。
そんな訳で会報の発送も遅れてしまい申し訳ありません。
体調も万全ではないため、なんだか適当な感じの巻頭文でごめんなさい。
さっそくですが、今月も色々な出来事がありました。
2月9日・10日の二日間、赤磐ぐんぐんのスタッフ研修を川崎医療福祉大の重松孝治先生を招いて行いました。
今回の研修は、TEACCHのトレセミのダイジェスト版とでも言う内容で、大学で行われるトレセミは、いつも満杯で、なかなか参加できないぐんぐんスタッフの為に先生に無理を承知でお願いしたものでした。
ぐんぐんに来られている年少の子どもさんにも来て頂いて、スタッフのための研修です。
まずはじめに、特に構造化もしない状態で、子どもの評価をして、その場で教材を作っていくという研修をしました。
午前中から午後まで一人のお子さんについての評価→評価に基づいて教材づくり→子どもさんに試してみる→再評価→再評価に基づいて教材つくり→子どもさんに試してみるというような学びを行いました。
二日間みっちり別々のお子さんでやりました。こんなまとまった時間をとって学べる機会はほとんどなく、日頃は忙しいぐんぐんスタッフですが、じっくり学べる時間が取れました。当日ぐんぐん利用されているお子さん達には、事情をお話して二日間はお休みまでいただいての研修ですから、今後に生かさなければ申し訳もありません。
教材は、たくさんあるぐんぐんですが、これは今までぐんぐんに来ていたお子さんが使っておられたものです。教材は、子どもの状態に合わせて作ってこそ、子どもの発達に無理なく寄り添えるというものです。たくさんの教材があるからといって、子どもにピッタリのものは、中々ありません。今ある教材に子どもたちを合わせるのではなく、子どもの今の状態にあわせて、教材を作ることこそ大切なんだ…と、そんな当たり前のことが、スタッフの胸にも刻まれたことでしょう。これからのぐんぐんは、また進化することでしょう。どうぞご期待ください。
赤磐ぐんぐんでは来年度利用者の募集を行っております。4月の段階で幼児さんであれば入れますのでどうぞ、ご紹介ください。赤磐ぐんぐんは、子育てに不安を抱えているお母さんたちに寄り添いながら、お子さんの支援を一緒に考えていきたいと思います。小学校入学に向けてどのような力をつけていきたいか、日頃困っていることをどう解決していったらいいか・・・。お母さんの味方になって、一緒にお子さんのことを話せる場、一緒に喜びあえる場、それが赤磐ぐんぐんです。今なら定員に若干の空きがありますので、早めにお申し込みください。申し訳ありませんが、定員になり次第、募集は締め切らせていただきます。

さて、今年度最後の講演会を3月20日(祝)に、以前お薦め本で紹介した小説「MY フェアリー・ハート」を書かれた、高機能自閉症者本人である成廣ワタルさん(ペンネーム成澤達哉氏)をお招きして開催します。
今まで育てる会は、自閉症児者と関わってこられた児童精神科医の先生方や教育関係者の方、そして先輩の保護者の方などをお招きし、自閉症理解のための講演会を開催してきました。その中で、自閉症という障害の特性や、どれほど彼らが大変な毎日を暮らしているか、これからどういった支援をしていかなければならないかという話をお聞きしてきました。でも、それは皆さん支援者としての立場の方の関わりで、「代弁者」としてのお話でした。
本人はこんなことで困っているのではないか。こんな手助けがいるのではないか。もちろん経験豊かな方々のお話ですから、間違ってはいないはずですが、本人の思いとは少しニュアンスの違うこともあるのではないでしょうか。
そこで、「自閉症児者本人の気持ちを、ぜひご本人に語っていただこう!」と4年前にもお越しいただいた成廣さんにお願いして、今回の講演会を企画しました。
高機能自閉症者本人である成廣さんが小さい頃から感じていたこと、親や学校・地域や社会に対して思うこと、そして私達が彼らのためにすべきこと・してほしいことを、じっくりお話いただきたいと思います。
また、この機会に高機能自閉症・アスペルガー症候群などへの理解を深めるため、山口大学教育学部附属教育実践総合センター准教授:木谷秀勝先生による「高機能広汎性発達障害児者への支援の視点」のお話をしていただく予定です。
前回の講演会のアンケートの一部を紹介させていただいて、内容の参考とさせていただきたいと思います。

ご本人の方の講演は初めてでした。今まで専門家の話など、何度か聞いていますが、一番よく伝わってきた感じがします。息子は自分の気持ちをあのように話はできませんが、息子が訴えているようで、切ない気持ちになりました。もっともっと本人の気持ちを分かってあげないといけないと思いました。(保護者)
まだ小さくて、自分の考えたこと、内面の気持ちをほとんど言わない息子。将来なんか想像がつきません。でもあんなに大きく立派に成長することができるんだ、と思えました。辛い気持ちを教えてくださり、本当にありがとうございました。本で「辛い」とか「大変だ」とか「フィードバック」のことも知っていましたが、親にとって「何気ない言葉」でもどんなにそれが子どもを傷つけるか、よく分かりました。本当に胸が痛くなりました。人間界(非自閉症圏)と妖精界(自閉症圏)の例えは、本当に分かりやすかったです。ありがとうございました。(保護者)
成澤さんの一生懸命に伝えようとする姿に心を打たれました。
障害を抱えて生きるということは、本人にしか分からない大変で辛いことだと思います。しかし、成澤さんが障害を抱えて一生懸命生きてらっしゃる姿はこれから同じ障害を抱えた子ども達の希望になるでしょう。お会いできたことを、感謝します。(教師)
本を読んだり、人から聞いたりしていたこととは比べようもない思いで生活しておられること。自閉症の方のお気持ちを理解すること(おこがましい言葉だと思いますが)は、本当に難しいことなんだと痛感しました。私って何も分かっていなかったんだなぁということが分かって、良かったです。一から出直しです。(教師)
この講演会が、自閉症の人たちを理解するための助けになればと願っております。
今回は岡山県と共催で、4月2日の「世界自閉症啓発デー」に協賛としての講演会でもありますので、自閉症スペクトラムの啓発への一端を担えればという思いもあります。
ぜひ大勢の方のご参加をお待ちしております。

さて、続いて我が家のお話をしましょう。
先月会報にも書いた、気がかりだった川崎医療福祉大学の夜間講座を無事(?)に終え、続いて、愛媛大学での講演会を何とかこなし(?)、ようやく一息つきました。
ところが、何を思われたのか、講演会の依頼が次々来て、困っております。
引き受けるとまた自分の首を絞めることになるし・・・、でも、頼まれるとなんだか嬉しい気持ちもするし・・・で、実に複雑な気持ちです。
私の話を聴くより、NTNテクニカルサービス竃イ工房を見学していただくのが「論より証拠」で、よく判ると思うのです。どうか、一度お仕事の現場を見てください。重度の知的障害を伴う自閉症の哲平が、キチンと仕事ができているということを見てくださったら、どんなサポートがあれば、重度の自閉症の人でもお仕事ができるようになるかがわかります。
見学ご希望の方は、育てる会事務局(086-955-6758)へお問い合わせください。いつでも、見学日を会社と調整させていただきます。
次に我が家のビッグニュースです。なんと、哲平は、2月1日に丸亀ハーフマラソンに参加して1時間21分10秒という今までの記録を4分も縮めました。これはすばらしい記録です。去年の丸亀では、1時間29分台だったので、考えられないくらいの記録です。
おかげで私はなんと哲平のゴールを見ることが出来なかったのです。まさかそんなに速いと思っていなかったので、うっかりしておりました。何しろ参加者6600人の大会です。同じような服装の人が多く、目が近視で老眼の私には、まかなか見分けが付きません。
しかも、そろそろかな?と、本気で見始めたのが25分過ぎからでした。
その時は、なんと哲平はすでにゴールしていたのですから、情けないことです。哲平の雄姿を写真に撮ることも出来ず、悲しい限りです。哲平のスピードが、どれくらい速かったかというと、なんと当日オープン参加で走られたあの高橋尚子選手より速かったのです。現役を引退されたとはいえ、哲平はオリンピック選手に勝ったという訳です。ちょっとかっこいいでしょう?
当日の詳しいことは、一緒に走ったお父さんのブログ(自閉症の北斗星 http://blog.livedoor.jp/tochitaro/)をご覧ください。
また、2月15日の西大寺駅伝に、スペシャルオリンピックス陸上の仲間たち(自閉症の高校生と哲平の5人)と、参加して頑張りました。実は、私は行けなかったのでこれもお父さんからの報告です。
詳しい結果は、まだ教えてもらっていないので、よく分かりませんが、1区を無事に走ってきっちり襷(たすき)を繋いだそうです。襷を両手で持って、次の人が受け取りやすいようにして、渡したとのことです。教えた事がしっかり守れていて、母さんは感激です。去年は、中継地点で襷を渡した後、他の方とぶつかって、唇を切って、血が出て大変でした。「が〜ん、ぶつかった!」「あ〜、痛いです〜(涙)」と、大騒ぎ。自転車で中継地点まで先回りして、待ち受けていて、本当に良かったーと思うほどの混乱振りでした。唇は腫れるし、目には涙。大勢の中での久々のパニックに、私もパニックになりそうでした。
今年はそんなこともなく、無事に人との接触もなく乗り切りました。よかった、よかった!

哲平君とのお話をもう一つ、伊勢志摩へ哲平と、夢工房の職場でいっしょのM君親子と4人でバスツアーへ出かけました。
哲平の会社は、自動車などのベアリングを製造する会社です。ご存知のように自動車の売れ行き不振のために、今は会社にも影響があります。おかげで夢工房もワークシェアリングによるお休みが、なんと一週間もドーンともらえました。
せっかくのお休みを家で過ごすのももったいないと思い、急遽旅に出かけることにしました。行き先は、伊勢神宮・大王崎灯台と二見ヶ浦の夫婦岩にも行きました。
真珠のブローチをお母さんは買えて幸せ★実は、行き先はどこでも良かったのです。哲平はどこだって喜んでいく人です。バスの中では、時々居眠りをする母と違って、バスから窓の外を一心に見てなんだか幸せそうでした。そんな哲平を見るのが、私にも幸せで、なかなかいい感じの旅でした。旅行中は、上げ膳据え膳で、温泉には入れるし、ホテルは快適だし、家事からも解放されるしで、お金もちになったら、私はずーっと旅をしていたいなぁ〜と思うほどです。
それにしても、バスツアーはいいですよ。何も考えなくても、きっちり観光地には連れて行ってくれるし、お金も格安です。
色んな行き先が、選り取り見取りです。岡山発着で、外国だって行けるのです。他人と一緒の旅は、気を使うのでは・・・と思われるかもしれませんが、そんなことは少しもありません。
「自閉症です」と説明したのは、はじめての旅の時だけでした。
哲平の障害は、見ただけで分かりますから、あえて何も言わなくても、皆さんそれなりに気を使ってくださっている風です。
私もあえて「実は障害があって・・・」なんていう必要もない気楽さです。一期一会の出会いです。同じ人たちとは二度と会うことも旅することもないかもしれませんが、そんな人にも哲平は印象に残っているのではないでしょうか?哲平君のちょっと気になるかもしれない独り言にも皆さん寛容でした。名前も知らない同士、職業も年齢も違う人たちと一緒にバスに乗って、一緒に食事をして、そしてお風呂にも入るわけです。自然に周りの気持ちを柔らかくするようなそんな気配を漂わせて・・・、哲平君との旅は、なんだか楽しいでしょう?バスツアーが大好きな私たち親子は、次にはどこに行こうかと、またまた行き先を物色中です。
3月も4月も5月も休みがあるようです。会社の事が、ちょっぴり(相当)心配ですが、下々の者が心配しても仕方はありません。
せっかくのこの機会にパスポートでも取って、円高を享受してもいいかなァ〜なんて、気楽な事を思う、いけない私・・・。
さて、季節の変わり目には体調をくずしやすいものです。皆さん風邪などひかないよう、お元気でお過ごしください。では、また来月号でお目にかかりましょう。

  追伸

今回はアンケートを同封しております。育てる会の来年度の事業計画を立てるためには、大切な資料となりますので、正会員の方全員の返信をお願いいたします。ほとんど書けなくても、よく分からなくてあまり意見がなくてもとりあえず返信いただければ幸いです。 
鳥羽 美千子

赤磐ぐんぐん見学会

来年4月からの新規利用者対象に赤磐ぐんぐん見学会を開催します。
赤磐ぐんぐんは、自閉症や発達障害をお持ちの幼児さんを対象に週1回の療育を介護給付費(保護者1割・市町村から9割補助)で行っている児童デイサービスです。

日 時  平成21年3月23日(月)11:00〜12:00
場 所  児童デイサービスセンター赤磐ぐんぐん(赤磐市和田194-1)
対 象  平成21年4月の段階の就学前(幼児)のお子さんをお持ちの保護者
        (見学会にご本人を連れては参加できませんのでご了承ください)
申込先  育てる会事務局(086-955-6758)
       ぜひお友達・お知り合いにお声かけお願いします。
なお、今後も見学会は随時開催しますので、興味のある方はご連絡ください。

クローバーの会報告

「クローバーの会」とは、育てる会の「高機能自閉症・アスペルガー症候群」の女の子とその母親の会です。
年数回不定期で親子揃って活動しています。


早いもので女の子の活動も今回で7回目。一昨年の夏のカレー作りから始まり、温水プールに遠足、映画など・・・そして今回のチョコ作り。
初めの頃は声を交わすことも少なく、母親を介し会話していたのですが、回を増すごとに、自分から友達に声をかけあう姿も見られるようになってきて、集まってゲームをしたり誘いあうなどできるようになってきました。親も嬉しくなりますね。
この会の発足の目的である「一つ一つのハート(こころ)が触れ合い、クローバーのように想いが繋がってほしい(ほんの少しでもいいから)」まだまだ未熟な子どもたちですが、これからも女の子同士の想いを大切に活動していけたらと思います。
さて、今回の活動内容ですが・・・
事前に母親3名にてチョコ作りの内容や活動内容、タイムスケジュールを決め、各自子どもに伝えおきました。
そして当日メンバーのお友達Yちゃん宅でのチョコ作りです女の子にとって友達の家でイベントごとをするのは、とても嬉しく楽しいし、ここは押さえどころですね。
お昼頃、Yちゃん宅に到着。初めちょっと緊張していた4人でしたがYちゃん宅には強い味方。犬のLちゃんです。皆犬好きで、とても愛らしいLちゃんに首ったけです。抱っこしたり触ったり、いっぺんに子どもたちの気持ちが繋がった感じでした。20分ほどLちゃんと戯れ、いよいよチョコ作りです。
まずは湯せんで板チョコ(前もって細かく砕いたチョコ)を溶かす作業。その後ハート型の容器にチョコを流し込み、飾りをトッピングします。この作業を4〜5回繰り返していきました。型にチョコを流し込む際、スプーンから上手に溢れさずできていましたし、席から離れることもせず、我儘言わずよく頑張っていました。(ヤッターネ)
お腹がそろそろ空いたところで昼食タイム。子どもたちはテーブル、母親たちは座敷のテーブルに別れていただきました。子ども同士はおにぎりの具の話をしたりして笑顔を交わす場面も見かけられ、もちろんお母さん同士は雑談に花が咲きました。こんな些細なことに幸せを感じられることが嬉しいと想えた瞬間でしたね。
食後はゲームに突入です。wiiでゲームを楽しみました。好きなソフトがあるため、ここでも順番待ちです。マリオカートやwiiスポーツのボウリング、どうぶつの森をやりました。どの子どもも勝っても負けても、上手くいってもいかなくても怒ったり泣いたりせず、落ち着いていました。わが子は以前は間違ったり負けたりすることが苦手でしたが、上手にこなせていて随分成長してくれたと嬉しく思いました。
最後は、チョコフォンデュで締めくくりです。苺にキュウイ、マシュマロ、オレオにポテトチップス、フランスパンでいただきました。女の子は本当に甘いものと友達がすきを証明するような一日でした。でもちょっと食べ過ぎだったかなと反省する面もありましたが、次は3月にまた映画に行きます。それ以外にも、まだまだやりたいこと、行きたいところが山積みで、まだまだ楽しみが続きそうです。皆さん女の子の会「クローバーの会」を今後ともよろしくお願いします。
(Mちゃんママ)

「18歳の春を目指す親子療育クラブ」

先日1月23日(金)に、香川大学武蔵博文先生をお招きしての「18歳の春…」が開催されました。
前回に引き続き参加した方から感想をいただきましたので一部ご紹介します。


我が家の年長の息子は、以前は私の指示無くしては何も出来ず、何かにつけ「これでいいの?」と確認しながらの全く自分に自信のない子でした。何とかしなければと私なりに勉強するのだけれど、実際何から手を付けたらいいのか、具体的にどうやったらいいのか分からずに悶々としていました。そして出会った「18歳の春」。
ただ支援ツールの作り方を勉強するだけでなく、IEPで我が子の現状把握をし、今何を教えるべきか的を絞る事、支援したら成果を実感出来るようにして子供を誉めて認めてあげることなど、支援に関する具体的な方法をたくさん学べました。何より先輩お母さん方の家で実際使っておられるツールを見せて戴いた時は「すごい!これは分かりやすい!」と目で見て実感。ただ本で支援方法を読んでいただけの時は「家の子こんな風に出来るようになるの?」と思っていた私もやってみよう!とやる気が沸いてきました。また武蔵先生が来て下さって(「思いっきり支援ツール」の作者の先生が教えて下さるなんて感動しました)直接講義を聞いたり、たくさんのツールを見せて頂けて、より理解も深まり、昨年の夏休みを期にお手伝いや歯磨き、着替えの支度を自分で出来るようにする等いくつか取り組み始めました。
初めは手順書を見ながら作業をする事にも慣れずつい私も口を出してしまったりして「やっぱり私がいないと何も出来ないのか…」と挫折しそうになった事もありましたが、何ヵ月かして少しずつ言われなくても出来る様になり、本人も一人で出来るんだ!と自信が付いてきた様子。今では「一人で」がキーワードになって登園後も「○君一人で行けるからお母さん帰っていいよ、バイバイ」と一人で園の門の鍵を開け、私がいつまでも見ていると「早く帰って!」とまで言ってくれるまでになりました。あんなに泣き虫で私にべったりだったのが嘘の様です。自立心が芽生えると同時に、物による手がかりがあれば自分で出来るんだという事に気付いた様で、字は読めるけれどまだ書くのは練習中の息子は、以前なら「お母さん○ってどうやって書くの?」と聞いていただろうに、自分なりに考えて、五十音順表を見ながら「この字はこうやって…」と一人で練習し「お母さ〜ん○って書けたよ!」と私に見せびらかしてくれたりします。すっかり前向きに変身して、色々な事にチャレンジする気持ちも出てきました。ここ何ヵ月で本当に成長を実感する事が出来「ありがとう18歳の春(ToT)」という気持ちで一杯です。成長してもその都度新たな課題や問題点は出てきますが、次はどうやってそれに立ち向かうかという勇気と工夫する力がちょっぴり身に付いた様に思います。そして何より自分がやろうとしている支援がこれでいいのか不安になっても相談できてアドバイスが頂けるというのは、親として安心感もありこんな場に出会えた私は幸福者です(*^_^*)本当にありがとうございました。  (Yママ)
我が家では、トラウマになっていた歯医者での歯磨きトレーニングのためのソーシャル・ストーリーや支援ツールを作り、少しずつ子どもに変化が見えてきたように思います。以前は大泣きして車から降りる事さえできなかった子が、自分の足で建物の中に入りじっと座ってフッ素磨きまでしてもらえるようになりました。あまりの変わりように父親も毎回ビデオをみて驚いています。
武蔵先生のツール教室では直接先生からのアドバイスを頂けた事や参加者同士で意見交換をしながらアイディアをもらえた事がとても良かったと思います。学校にもツールを紹介したところ、先生方も色々な場面でアレンジして実践して下さっています。皆さんが毎回頑張る様子に自分もさぼるわけにいかなくなり、追い立てられるような状況でしたが、結果的にプラスになることが多く感謝しています。 今後もできるだけ多くの方と一緒に我が子の支援を考えていける勉強会になればいいなぁと思います。これからもよろしくお願いします。  (Kママ)
4歳になったばかりの子供だし、私もこの子の障害について勉強し始めたばかりで「18才の春をめざす勉強会」のタイトルに、まだ参加するには早いかな〜?でもよその親御さんが子供さんにどんなことされているのかすごく気になるな…と思いながらも、申し込みがなかなか出来ずにいましたが、思い切って参加をさせてもらいました。
途中からだったので会に2、3回ほどしか参加できませんでしたが、
参加して一番に感じたことはどうしようかなと迷ったり考えていた時にすぐ行動(参加)しとけばよかったな〜!ということでした。子どものことで悩んだり困ったりしているのは自分だけじゃない、と「母の想いを語る会」に参加した時と同じ思いを肌で感じました。「18才」に参加して、悩んだり困ったりの生活の中で考えてあみだしたアイディアもとても素晴らしいものばかりでしたが、それよりも自分が驚いたのは、参加している皆さんが意欲的で楽観的で何より子どものために前向きな方ばかりだったということです。お陰さまで使えるヒントやツール作りのポイントを色んな先輩お母さんや武蔵先生や学生の皆さんから教えて頂きました。ありがとうございました。実際にツールを作られた方の発表を聞き、今まで少しずつですがこちらが勝手な思いで子どもに伝わればいいなという気持ちで作っていたツールもどきは通用しないな、と感じました。子どもの今の状態やツールを理解する力も考えていなかったし、一番大事な「使いたい!」「これで伝えたい!」と思う子供の気持ちを考えてなかった、と反省しました。
家に帰り、早速夕食の時に家族に箸を配るお手伝いのチャレンジ日記を武蔵先生の本の「ツールの素」からコピーさせてもらい、作りました。今までは着替え・歯磨き・トイレの排便など何か出来たらそれぞれの場所のカレンダーにシールを貼っておしまいにしていたので、今回はシール4枚貼れるシートを5枚ためると大好きなアンパンマンビスケットをスーパーに買いにいくご褒美をつけました。他にも、一人で出来るようになってほしいから、台所と家族と箸のマッチングができるようなシートもつくってみました。ご褒美に向かって親子共に頑張っていきたいです。
また次回の18才の勉強会にも参加したいです。お世話になりました。本当にありがとうございました。  (Nママ)
今回支援ツール教室に参加して、すごく熱心なお母さん方のツールを見ることができました。我が子にはどんな風に工夫したらいいだろう?と考えるきっかけがあり、とても勉強になりました。一方で、支援ツールの一つであるスケジュールの重要性が何となく薄らいでいるような感じを受けました。安心して過ごせるスケジュールがあって、その中の活動に一つ一つ手順書等のツールがある。発表を聞いていると、手順書だけにとても注目がいってしまっていて、生活の中でツール間のつながりがわかりにくかったような印象を受けました。 
武蔵先生が支援ツールの基本はスケジュールだとおっしゃっていたように、もう一度わが子たちが安心して過ごせるスケジュールの見直しをやろう!と新たな目標が出来ました。武蔵先生に支援ツールを作るコツをたくさん教えて頂いたので、これからも我が子たちにあったものを一つ一つ丁寧に作っていきたいです。 (Tママ)
18歳の春の中で、私が一番良かったなぁと思うことは、武蔵先生との勉強会に参加させていただく中で、支援ツール・自助具・手順書を親が準備することの必要性を強く感じることができたということです。
以前は、わが子には家庭では安心感を与えてやりたかったので、親がそんなに家の中で取り組まなくてもよいのではと考えていました。
また、子ども自身も、話し言葉が通じているようだし、家庭生活の中で大きく困ることもなかったので、そこにそんなに力を入れて頑張っていくことの必要性を、どうしても感じていくことができずにいました。でも、武蔵先生や18歳の春のお母さん方にアドバイスいただきながら、実際にそれらを作ってわが子に使っていくうちに、親に言われてではなく、自分から進んでやれていて、そのやっていることが定着して、そのことが自信となっているわが子の姿を見ていたら、本当に嬉しくて…。この1年半、1学んだことは、わが子の成長にプラスになったなぁと実感いたしました。本当にこのように必要性を感じさせてくださった武蔵先生に心から感謝申し上げます。わが子のために頑張りたいという思いはいっぱいあったのですが、具体的にどう頑張っていったらいいのかを武蔵先生から教えていただけたように思いました。まだまだ18歳の春には遠いですが、少しずつ少しずつ教えていただいたことを積み上げて、18歳の春を楽しみに、これからも親として頑張っていきたいと思っています。本当にありがとうございました。  (Nママ)

「親子料理教室」

2月8日(日)京山公民館にて、親子8組でサンドイッチ作りを行いました。
今回は「子どもがひとりでサンドイッチ作りができるように」をテーマに、手順書や事前準備などを親がメインとなって行いました。
こちらも参加された方から感想をいただきましたので紹介します。


初めての場所で初めて会う人たち、ボラさんと行動することも初めてだったので、緊張していた様子でした。いつもと比べて口数も少なく、黙々と作業していました。
でも帰りの車の中では一緒に参加した方たちに「バイバーイ!」と手を振ったり「ボク頑張った!また行きたいなー」と楽しめた様子でした。料理をすることにとても興味が持てるようになったので、これから料理に関するお手伝いにも取り組めそうです。
ボラさんと関わることもこれから徐々にしていきたいので良いきっかけになったと思います。    (Yママ)
とても楽しそうにウキウキしていました。初めての場所・初めてのボランティアさんと初めてづくしだったので、どうなるかなと思っていましたが、最初からやる気たっぷりでできました。終わったら疲れたようで少しぐったりでしたが、帰った後の片づけも「お片づけもお料理教室だよ」と言うと手伝うことができました。家ではなかなか時間を取って料理をさせてやることができていなかったので、前練習や今回のようにじっくり二人で料理をすることができて、本人も大変満足できていたようです。       (Mママ)
サンドイッチの作り方を本人が分かりやすく作れていたせいか、私があまり口出しや手を貸すこともなく、最後まで作ることができ、本人も満足しているようでした。他のお子さんともDSのゲームをしたりして遊べて楽しかったようです。少人数でゆったりしたスペースでの作業だったので、子どもも集中していました。家では材料やスケジュールを準備するのがいい加減になりがちだけど、この日のためにスケジュールを作ったり材料・道具をきちんと揃えた状態で料理ができたので、子どもも安心して取り組んでいたようです。料理を教えるとき、こういう下準備をして、子どもに作業してもらえばいいのだなぁと何となく分かりました。親も落ち着いて見守ることができたのも良かったです。      (Sママ)
参加中はどうしても緊張した感じでしたが(初めて会う人にはとても緊張する)、自分なりには頑張ってやれたと思えていると感じました。自分の作ったサンドイッチを褒めてもらったので、その場では嬉しいという表現はできませんでしたが、家に帰ってからは「嬉しかった」と言っていました。帰宅後、お父さんから「今日は頑張ったんじゃなぁ」と言ってもらって、とても嬉しそうな顔をしたそうです。夜に書く日記でまたしたいかどうかを尋ねると、「もう少し簡単なものをしたい」に○をしたので、次回機会があればもう少し簡単にして、でもやったという充実感を感じられるように工夫をしてやりたいなぁと思いました。皆さんの手順書や準備をされている様子、当日の子どもさんへの関わりなどを見させていただけたことが、とても勉強になりました。もっと子ども自身が自分でやったんだという充実感を得ることができるように、私も皆さんからのアイディアをいただいて工夫をしていきたいなぁと思いました。当日までに家で2回ほど楽しみながらサンドイッチ作りをやってみたのですが、最初はパンにうまくマーガリンを塗れずに、パンを破ったりしていました。料理教室当日は本当に根気よく丁寧に塗って上手になっていたので、すごいと思いました。これを良い機会にサンドイッチ作りを家で続けて楽しみたいと思います。     (Nママ)
母親として、本人なりに「自分でやろう」という気持ちでいたので、その気持ちを大事に、先回りして手を出す・準備することのないように側についていました。
手助けするときも、本人に「○○していい?」と聞いてからにしました。褒めるときは本人から見えるところで見守るときは後方に位置して他の人と話す頻度を減らし、気が散らないように気をつけました。本人は、隣に人が来たときなど、周りにいる人を非常に意識して、かなり頑張り続けた様子でした。褒められ続けたので、しんどくなっても休みにくかったようでした。サンドイッチ作りは本人なりに満足でき、家族にも食べてもらえたので、とても喜んでいました。準備から片付けまでを、チェックリストや手順書、メモなどから一通り体験することができました。
自分一人でやり遂げた!という自信がついたようです。料理教室前後では一緒に遊んだりゲームをしたりする姿があって、会を重ねていけたらいいなと思いました。ありがとうございました。  (Tママ)


「母の想いを語る会」

3月は都合によりお休みします。
また4月以降に開催しますので、会報をご覧くださいね。

支援者養成講座 

欠席された方・途中入会されている希望者へはDVDを貸出いたします。
    ☆次回☆  平成21年3月6日(金)19:00〜21:00
      会場は、岡山県生涯学習センター 大研修室
いよいよ最終回。皆さん最後まで一緒に学びあいましょう!!

サッカークラブのお知らせ

  〜保護者会のお知らせ〜

 今年度の反省会と来年度の計画の話し合いを兼ねた保護者会を開催します。
日 時:平成21年3月5日(木)10:00〜12:00
場 所:きらめきプラザ2階 小会議室2
(岡山市南方二丁目13−1 NPO会館 086-231-0532)
 持ち物:筆記用具
 ※会議室を13時まで借りていますので必要な方は昼食をご持参くださってOKです。
 欠席の方は担当者までご連絡下さい。
(話し合いの結果は後日報告いたしますが、決定事項は出席者一任とさせていただきますので、よろしくお願いします。)

  〜3月の練習について〜

日 時:平成21年3月22日(日)9:45〜11:45(9:20集合)
場 所:旧岡山中央南小学校グラウンド(岡山市中山下)
※ 12時から地元消防団の方がグラウンドを使用されますので、開始を15分早めます。ご協力をよろしくお願いします。
持ち物:マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札、
お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
親リーダーはグループノートとボラリーダーさんのお茶
* 雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきて下さい。
   保護者の方の体育館シューズも忘れずにお持ち下さい。
* 欠席の方は分かり次第サッカークラブ担当までご連絡ください。
* 今年度最後の練習です。一年間がんばった子ども達にお楽しみプレゼントを用意したいと思います。

  ☆ サッカークラブでは、新メンバーを募集中です!

現在年中児〜21歳まで、12名で活動しています。
子どもに対して参加してくださるボランティアさんが多いこともあり、ありがたい練習がかなっています。ボランティアさんあってのあたたかいサッカークラブをぜひ、多くの方に体験していただきたいと願っています。
最初はとまどうこともあるかも知れませんが、何事も経験!また、新しい出会いは子どもにとっても親にとっても人生のチャンスです!
新年度まずは、体験から!ぜひ一緒に始めてみませんか?
体験験希望の方は担当までご連絡下さい。
(サッカークラブ担当:K.M)

水泳教室のお知らせ

日 時: 平成21年3月15日(日) 15:30〜17:30
場 所: 岡山OSKプール(貸切プールで行います)
連絡先: 育てる会事務局
今年度最後の水泳教室となりました。一年間お世話係りとして、至らない点も多々ありましたが、水泳教室を無事に来年度に引き継げることに安堵しています。ありがとうございました。10年続いているこの水泳教室が、今後もながく継続されることを保護者として願っています。今後も皆様のご協力をお願いいたします。
新年度の会員を募集します。興味のある方は、いきいきとした子どもたちの姿をぜひ見に来てください。
体験教室、見学のみもできます。
ボランティアさんも募集しています。年齢性別不問です。子どもたちと一緒にプールに入ってくださる方は是非ご連絡ください。
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
★欠席される方、ボランティアさんが必要な方は必ず事務局に連絡してください。 
★当日の急なキャンセルなどは水泳教室担当者に直接ご連絡ください。
(水泳担当:T)

夢工房リレートーク

障害児雇用をしておられるNTNテクニカルサービス株式会社の支援員:今村さんから、障害のある方との仕事を通して想うことを原稿にしていただきました。今村さん、ありがとうございます。


今から4年前にさかのぼります。NTNテクニカルサービスで福祉工場を立ち上げたいという話があり、サポート員の面接を受けに来ました。その時には、まだ今の夢工房は立ち上がっていませんでしたし、私も、障害というものをまったく知らず、どういうものなのかも理解してはいませんでした。
それから準備期間の約1年半の間に、障害のある子にどんな仕事をしてもらえばいいのか、その作業を学ぶ為に会社内で何ヵ所か勉強に行かせていただきました。
2006年3月に待望の「夢工房」ができ、第1期生として、鳥羽哲平君と出会いました。
初めはどのように指導していけばいいのか、何が何だか分からず、私のほうも必死、鳥羽君も分からないまま、私が教える通りについてきてくれました。
鳥羽君は、重度の知的障害・自閉症を持つ人と聞かされましたが、私にはサッパリなんだか・・・??? 後で、鳥羽君のお母さんに誘われて研修会などに行くうちに自閉症のことが少しずつ分かってきました。
でも、最初に出会ったときから、障害についての知識はありませんでしたが、鳥羽君をじぃ〜と観察して、見て出来ていないところ、困っていそうなところだけ教えていきました。
長い言葉を言っても理解してもらえなかったらいけないので、短くポイントだけ言うようにしていました。今でもそれだけは忘れずに続けています。
最初の頃は鳥羽君からの言葉は無く、一言「出来る?」「出来る?」の繰り返しの言葉でした。「うん、出来るよ」と答えてあげると、「出来る!」と安心するようでした。今では、短い単語ですが、鳥羽君から話し掛けてきてくれるまでに、職場にも慣れ、成長してきてくれています。仕事も安心して一人でまかせられるほどになっています。
それから、3ヶ月が経ち、鳥羽君も仕事を覚えてくれた頃、夢工房に二人目の女性のMさんが入ってきました。おとなしくて言われたことを気持ちよく動く素直な人でした。
鳥羽君とは違い、運転免許も持っておられるような方ですから、黙って仕事をされているときには、まったく障害には見えません。おしゃべりが少しゆったりしているのかな、というぐらいです。だからといって共通の話題として何をしゃべっていいのか分からず、気がつくともう7〜8ヶ月が過ぎたように感じました。
それはなぜかと言うと、鳥羽君とは会話が出来なくても、その分、毎日お母さんとのコミュニケーションをノート交換で取っていたので鳥羽君の身体の状態や普段の生活、何をして楽しんでいるのか、どんなことをして暮らしているのかなど、ノートからある程度分かりました。しかし、Mさんのご家庭とは最初の頃はまったく交流がなくて、Mさんがどんなことに興味があったり、普段どんな暮らしをしているのかわからなかったため、雑談しようにも、会話の糸口がつかめなかったためでした。
その点、鳥羽君とは、しゃべってくれなくても、ノートを見て「昨日、映画に行ったの?」「映画に行った」「面白かった?」「面白かった!」とたわいないやりとりもできます。
コミュニケーションに障害をもつ人と、職場でいい関係を作っていくためには、こういったお家の人からのノートがありがたかったです。
一方で、本人Mさんとは少しずつですが話をしていき、そこで分かったことは、ご家庭では、母親が早くに亡くなられ、父親と二人の兄との四人暮らしということでした。家の中に女性がMさん一人ということで、おとなしいながらも、自立して働けるMさんへのフォローに気を配るまではなかなか難しいのかもしれませんね。
ですから、家事などもあまり手をとって教えてもらう人がいなかったせいか、かえって男の鳥羽君の方が慣れているぐらいでした。
会社で仕事をするにはぜんぜん問題は無いのですが、やはりこれから本当の意味でMさんが自立していくには一人で家事などもやっていかなければいけませんね。
仕事の指導とは離れて、おせっかいかもしれませんが、お母さんがわりのつもりで、会社で、洗い物・洗濯・掃除(玄関・トイレ)など、いろんな事も教え、少しずつ出来る事を増やしていっていきました。今ではなんと、料理にも挑戦しています。
正直なところ、その子、その人を成長させるには、親の協力が大切だと思います。それで私も頑張っていけるのです。支援をしてその人が少しでも自立が出来たらと思いながら会社から私生活(会社に関係のない)のことまでサポートをし、その人に大事なことは教えていっています。
そんなことをしながら、1年が過ぎ、次にM君が入ってきました。M君は力仕事のような大がかりな仕事は出来るけれど、夢工房のような、容器に袋がけ作業やバーコード貼りなど手先の器用さを求められる作業では、“難しいかも”と聞かされていました。
が、鳥羽君と同じく、本人M君が働きたいという気持ちは強く持っていて、その気持ちがこちらに伝わっていたので、M君にはM君に合った教え方を見つけ少しずつ前に進めていきました。M君の場合、角と角がそろわない、まっすぐ物を置くことが苦手なのが、見ていてわかりましたので、普段から注意してハンカチのたたみ方やパレットの置き方などから、少しずつ直していきました。小さなことですがそういったことの積み重ねが仕事や、普段の暮らしの中でも、いろんなことに繋がるのではないかと思って、気をつけています。
分からないことは、絵で示したりしながら、今も続いています。
一口に障害と言っても三者三様で対応は一人ずつ違いますし、同じ自閉症といっても鳥羽君とM君では、全く別の障害のようにも見えます。まだまだわからないことだらけです。
でも、私の分からないことや、つまずいたところなどは、鳥羽さんに連絡をし、相談すれば、すぐに親身に聞いてくれ分かりやすく丁寧に教えてくれるので、私もここまで来られました。
また、その他にもいろいろな人の教え、支えがあるからこそ、これからも続けていけるものだと思っています。皆に感謝です。
こんな私ですが、この先も勉強をして、少しでも皆さんの力になり、お役に立てればと思っています。
夢工房サポート員 今村里美

お母さんコラム

  2009.2.20 B学級保護者のみなさまへ

早いもので、Aも小学校3年生の終りを迎えます。
小3最後の懇談会で、B交流学級の保護者のみなさんへ「交流学級で過ごせたことによる、Aの成長と周りの子ども達の成長」について話をしてこようと思い、またその話の内容を書いてみました。

Aです。今年も小3の大事な一年間をみなさんといっしょに過ごさせていただいて、ありがとうございました。
この1年間、B学級でいろいろな子ども同士の関わりを取り組んでいただき、大切に深めていっていただきました。
(1)毎日の連絡帳を通して この1年で、もう7冊の連絡帳を書いてもらっています。(机の上にドーンとノートを乗せて見てもらいました)
毎日の連絡の字もどの子も丁寧に、漢字も交えながら消しては書き、また消しては書いてとても上手に書くようになっているなぁ。と、感じています。ぜひ、今日帰られたら「連絡帳の字を丁寧に書いておまけに手紙まで書いているんだね」と、お子さんを誉めることをしてあげてください。
毎日の連絡の手紙には、時々Aの授業での様子を私から質問したりします。すると、「Aくん歌を楽しそうに歌っているよ」「今○○を勉強しています」と返事をしてくれたり、「まとめの時期だから、いっしょにがんばろうね」と励ましてくれたりします。
さらに、時々「Aくんは元気だから良いね。ぼくは時々体が元気でなくなり、弱ることがあります。体には気をつけてがんばろうね」というようなお手紙もあり、連絡帳に書いてあることを通してAにも、「○○君がこう書いてくれとるよ」と伝えたり、こちらがAのことをお知らせすることができて、とても貴重なやりとりだと、感じています。
みんなにも休日の様子などを写真でお知らせしていますが、後にも貼ってもらって「Aの目標や頑張っていること」を知ってもらったり、みんなに見てもらっていることでA自身の「伝えたい。自分のがんばりを認めてもらいたい」という気持ちを高めることもできているように思います。
加えて2学期の個人懇談では、思わず笑ってしまったことがありました。2学期「体育係り」という役割になったことでした。一番苦手そうな役割だったので、笑ってしまったのでした。しかしその役割を決める時に先生が「子ども達に尋ねてから決めてくださったこと」を聞いて、「そうなんだ。そこまで子ども達はAの様子を見ていて考えてくれたんだなぁ」と思い、先生のやり方に感謝しました。「自分たちもがんばるから。それにAくんも絶対やることができるし」という言葉に「普段交流の授業の中で、B先生自身がAだけに限らず、『子どもの気持ちや自主性』を大事にされている姿勢」が強く反映されているなぁ、とそのように思いました。
Aに対しても朝の会などで、このような絵カードを活用してくださいました。「わかる?」「わからない」の本人の気持ちを聞くためのカードです。たった2枚のカードで、より本人の気持ちが分かるだけでなく、そのような気持ちのくみ取り方を周りの子ども達も見て、「こうすれば聞くことができる。わかる。伝えられる」というやり方を知ってくれて、言わなくても「静かに声かけしよう」「このような絵で伝えよう」とかを学んでくれているのではないか。そして、そういう先生の「気持ちをくみ取りたい」という姿勢が一人一人の子どもに、安心感を与えているのではないか。とそのように思いました。3学期苦手の「ボール」を使ったサッカーゲームでも、先生からの提案で、「どこまで今日はがんばれるかな」「こわいけど、やってみるかな」という本人の気持ちのわかるものをということで、このようなものも作ってみました。こうした日々の授業の中で、先生や周りのみんなが、本人の「チャレンジ」したり、しようとしていることに気づいてくれることが今のAの成長に繋がっているに違いないと思います。
(2)この1年間で、伸びたこと
@自分で自分の得意なことを伸ばそうとしたり、少し難しいことにも挑戦しようとしていること。
・坂のぼりなどに少しずつ、自分から挑戦しようとする。
・マラソンは、マイペースだが、走りぬき止らずに走ろう(自分のがんばるところは、「止まらない」ことと目標を決めてやりぬく)
・音楽の授業で手を挙げて発表する。
・運動会でも自分のがんばりどころを決めてやりぬく。
・学習発表会では、合唱の仕方は難しいが、みんなの歌声に合わせて真剣に歌い、合奏のリズムは正確に行う。
・カタカナや英字やひらがなへの関心を高めて読み聞かせを集中して聞く。
・お金を手にするには「働くこと」が必要なことを分かり、お手伝いをすることができた。
A周りに合わせよう。周りの人の気持ちに気づき始めたこと。
・乗り物の中で、大きな声でしゃべることがなくなり、独り言も少なくなった。
・図書館などで、約束を守ろうと努力をしている。
(3)悩んだこと。知らない人にでも、「ここに○○がいますよ」と大声で呼びかけるようなことや、活動中におしゃべりをしたがること。
いろいろな人に相談し、いろいろなアドバイスをもらいました。
・周りの人の気持ちにも気づかせる工夫。
・目の前に気になるものがあることから、他の場所に移動してから、「どうすればよいか」を気づかせる工夫。
・周りの人に悪いことを言った時には一緒に謝る事
・次の機会に約束が守れたら、充分誉めてそれを形にして(チャレンジ日記のような形)にしていくこと。
・活動する時と「おしゃべりする時」を分け「いつおしゃべりしたらよいか」を形にして示す工夫。
このように、コミュニュケーションで悩むことも多いのですが、みなさんに普段の様子を教えてもらったり、気づきを教えてもらうことで「成長」に気づいたり、工夫すべきところを考えていくことができます。
4年生になって、クラスも変わることもありますが、引き続いて、お子さん方から様子を聞かれることがありましたら、どうぞ教えてください。さらに、お子さん方の中で育っていっているので、今後もどうぞよろしくお願いします。

このようにお話をしました。予想外にクラスの半分以上の保護者が残っておられたことで驚き不安(こんなに多くの人の中でこんなにたくさん話してもよいのかと)も感じましたが、ドキドキしながら伝えることができました。
6月の懇談で「お願い」したことの結果をお礼を兼ねてたくさんの保護者に報告できたことはラッキーでした。そして「Aへの理解者を増やすことになっただろうか」と不安でしたが、さらなる高学年へのステップにはなっただろうと、そのように感じました。
懇談の最後にAの交流学級の中で、Aにも私にもよく話をしてくれたり、連絡帳にも手紙を書いていてくれていた、ある女の子が病気のため自宅療養しているということが話題になりました。私の話を頷きながら聞いていてくれていたあるお母さんが「その子も、その子のお母さんも連絡帳が毎日届き、Aさんのように(私のように)コメントあることが嬉しいのではないか」ということを言われました。私の話をそのように他の子の話にもあてはめて考えているお母さんの存在が嬉しくて、「さすが、Aの所属してきたB学級」と誇らしく思いました。
さらに懇談後、隣のお母さんが「その(サッカーの)カードを見せてください」と言ってくださり、それを見ていただき「このようなものがあれば、ほんとうに気持ちがわかりやすいですね。言いやすいですね」と言ってくださいました。おまけに、その方とは、「反抗期の子どもが反抗することの大事さ?」について盛り上がりました。Aの保育所とも違う子どもさんのお母さんでしたから、「一人また人間関係が増えたね。ヤッター!」でした。嬉しいです。Aのおかげで、ひとつひとつ宝物が増えていくんですから。
ありがとう。Aよ。母はあなたのおかげで、こうしてまた宝物をいっぱいもらえています。あなたは、もうすぐ9歳。私は今年○○歳・・・あなたが、本当に自分の足で自分の手で自分の道を切り開き歩いていくまで見守らせてください。
( I ママ)

 事務局だより
2月も終わり、もうすっかり春だなぁと思っていましたが、また冬に逆戻りのような寒い日が続いていますね。
皆さん風邪などひかれていませんか?嘔吐下痢や水ぼうそうなどが流行っているようです。疲れがたまりやすい年度末、体調管理をしながら元気に新年度を迎えたいですね。
先日2月14・15日に、名古屋で行われた「ソーシャル・ストーリーズ入門ワークショップ」に代表と二人で参加してきました。講師はいわずもがなの、佐賀のそれいゆ相談支援センターセンター長:服巻智子先生です。
ソーシャル・ストーリーとは「その場にふさわしいやり方」「物事の捉え方」「一般的な対応の仕方はどういうものか」を踏まえて、状況や対応の仕方や場に応じた考え方を、子どもにナレーションのように説明するものです。例えば、@ある特定の場面での重要な情報を分かりやすく見つけやすくしてあげたり A抽象概念や他者から見た視点について解説したり B新しいやり方やルールをきちんと分かるよう説明してあげたり Cどうしてそういう言動を取る方がよいのかその理由を教えたり Dこれから起きることの見通しを説明しやりとげたことを褒めてあげたり・・・色々なものがあるそうです。
ソーシャル・ストーリーの目指すものは、子どもに自信を持たせながら、社交情報を分かりやすく、丁寧に伝えるものです。
時々勘違いして、ソーシャル・ストーリーを使えば子どもの困った行動を変えることができるとか、子どもに何か指示をするために使うとか、親や先生の生活を楽にしようと使ったりする方がおられるようですが、これはソーシャル・ストーリーではないだけでなく、子どもが「指示された」「ダメな子だと言われた」とマイナスにしか捉えられなくなり、そういう文字で書かれたものを示されることを拒否するようになってしまうそうです。気をつけてないとついつい私たちも「こうしなさい」「これはだめ」と押しつけるようなストーリーを安易に書きそうですよね。気をつけなくてはと思いました。
正しくソーシャル・ストーリーを子どもたちに提供すれば、本人に自信を与え、自尊心を育てるだけでなく、親や教師は分かりやすく情報を示してくれる人で、安心をくれる人だと認識し、穏やかな信頼関係を築けるようになるそうです。また、ストーリーを書きなれてくると子どもたちと関わる時にも、肯定的で子どもの人格を尊重する話し方が自然に身についてくるとのお話は、私たちを大いに勇気づけてくれました。
実際に特定の状況でのソーシャル・ストーリーズを書くワークショップもあり、実際に書いてみると難しさも感じましたが、一つ一つポイントを押さえていけば、私たちにもちゃんと書けるんだということも実感できました。
その他、時間の許される限り、自閉症の特性のお話はもちろん、いじめの問題、コミック会話、本人への告知、周りへのカミングアウトの仕方などのお話もしていただき、本当にあっという間の2日間でした。
育てる会でも高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもたちも昔に比べると多くなってきました。彼らへの支援のアイディアは、知的障害も伴う自閉症の方へも有効です。3月20日の成廣ワタルさん・木谷先生の講演会は、実際の自閉症者ご本人のお話を伺える本当に貴重な機会だと思っています。大勢の方にお話を聞いていただき、今日明日から始めるべき支援について考えてもらえたらと思っています。
さて、私事ですが、先日のひな祭りはせっかくなのでちらし寿司を作ってみました。
結婚するまでこういう季節の行事や食べ物には無関心だった私ですが、一緒に食べてくれる人がいると、何故か作り甲斐が出てくるようで、案外楽しく毎日を暮らしています。もしかしたら昔ながらの日本家屋で生活しているおかげで、ちょっぴり古風な日本人になっているからでしょうか?笑
(事務局:松田 紗代)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
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