sorry,Japanese only
平成21年12月31日
第140号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
140号 目次
木枯らしの吹く日に
支援者養成セミナー報告
『 安倍陽子先生講演会 』
育てる会クリスマス会の報告
AAO活動 ・ 母の想いを語る会 ・ 18歳の春をめざす親子療育クラブ ・ OHAの会 案内
保護者対象連続講座のお知らせ
教師・保育士対象 即実践講座 報告とご案内
サッカークラブ・水泳教室のお知らせ
私のお薦め本コーナー
『 アスペルガー症候群 高機能自閉症の本 』
お母さんコラム
『 我が家の支援ツール 』
木枯らしが、木の葉が一枚も残っていない木々の梢を激しく揺さぶっていきます。
師走の街は、皆忙しそうで、自動車もスピードがいつもより出ているみたいです。
今日は、12月23日の天皇誕生日です。哲平はボランティアさんと倉敷へ映画を見にいきました。AAOという活動を育てる会ではやっています。ボランティアさん二人と一緒に色々な経験をするという活動です。
哲平は、今日はインターネットで自分の好きな映画を調べて、行きたい映画を決めました。「カールじいさんの空飛ぶ家」だそうです。今頃は楽しくボランティアさんと映画を見ていることでしょう。
その時間利用してこの会報を急ぎ書いています。
一年が過ぎるのは、本当に早いですね。もう12月。あと数日で今年も終わりです。
昨日は、一年中で一番日が短い冬至でした。
夜明けは午前7時08分(岡山)、日の入りは、16時58分だそうです。
哲平が家を出ていく時間は6時40分、お父さんは6時30分。二人とも夜明け前の出勤が、しばらく続いています。
冬至には、かぼちゃを食べてゆず湯にはいりました。こうすると風邪をひかないというのですが、インフルエンザにはいくらなんでも勝てないのではないかしら…と思います。このまま、かからないで過ぎていけばいいけど、と思いつつ暮らす我が家です。赤磐ぐんぐんの子どもたちの中には、園や学校で菌をもらい、お休みの人が続いています。また、職員の子どもさんがかかると、当然我が子の看病のためお母さんもお休みになります。すると申し訳ないですが、その担当のお子さんにも休んでもらわなければなりませんから、もう大変です。早くインフルエンザの猛威の終息を願う今日この頃です。
一方で哲平は、毎日走っているから風邪をひかないのでしょうか。満員の中一時間も電車に乗っているのに、何ともないのは、奇跡のようです。
そういえばお父さんの方もインフルエンザにはなっていませんね。マスクをしてくださいと言っても、「そんなもん効果はない!あれはひいた人が他人にうつさないためにするモノ」とか言って、していかない人です。頑固者も風邪はひかないのでしょうか。新幹線に乗って毎日大阪まで通勤している変わり者です。大阪難波の繁華街にお勤めですが、インフルエンザにはなっていません。
皆さんは、いかがお過ごしですか?
インフルエンザの重症例をたくさん報道で聞いたせいで、大変な風邪と思い込んでいましたが、ひいた人に聞くと、普通のインフルエンザと変わらないみたいです。
油断は大敵だとは思いつつ、こんなことなら当分予防接種の順番は回ってきそうにないので、冬休み中に早めに引いてしまうのもいいかしらと、マスクをしての外出は、昨日からやめた私です。
さて、12月5日(土)には、安倍陽子先生の講演会がありました。講演会の感想は、後の人に譲るとして、中でちょっと気になることを言われたのでここにも書きます。
「最近は、定型発達の子どもたちが、ちゃんと育っていないこと、これがとても気になります」
実は、3月にお話しいただいた木谷先生のお話の中でも同じことを言われたよう思います。
木谷先生は、「普通級の中に、この子の真似をすればいいよと自閉症の子に教えて、その子にも彼のことをよろしくと伝えておくと、きっちりサポートしてくれたものだったのに、今は普通級の中に自閉症の子を安心して任せられる子がいない。一人もいない」とそんなお話でした。これって、一大事ではないでしょうか?
子どもたちの世界が、危機を迎えているということではないでしょうか?
2年前の成人式で感じたことが、さらに現実化してきたように思えます。
実は2年前、哲平の成人式に、私はこっそり同行しました。会場にも哲平に気づかれないように入れていただいて、息子の様子を見ていました。
厳粛な式の間、息子が周りの人に迷惑をかけてはいけないと思いつつの見学です。
会場は20歳の若者たちでいっぱいです。真面目そうな昔ながらの成人たちは、前の方にごくわずかいるだけで、後ろの方では来賓の挨拶や市長の挨拶など誰も聞いていません。
口々に勝手なことをしゃべりながら、時には野次をとばす新成人たちであふれていました。
そんな彼らを見ながら日本の将来が急に不安になりました。
一人ひとりは、普通の20歳に見えるのに、集団になるとこんな風に自分勝手になってしまうのは、どうしたことでしょう。
中には、この人本当に20歳?と疑いたくなるような、人生の裏街道を歩いているように見える人もいて、そんな人が皆を煽動しているようでした。
係の人が、上手に抑えていかれたので、事なきを得たというような感じでした。
そんな中、わが子は、スケジュールを見ながら、きっちり椅子に座って、周りの喧騒も我感ぜずと、淡々とやり過ごして行きました。
障害って何なんでしょう。定型発達って何なのでしょう。自閉症を持つ青年の哲平が、もしかしたら、一番真面目にあの騒然とした成人式を過ごしたのではないかと、そんな風に思えた成人式でした。
私が感じた危機感を、先生方も感じておられるということに、改めて戦慄を覚えました。
やっぱりですか・・・。発達障害の子どもたちの為の特別支援教育は、もちろん必要ですが、定型発達の子どもたちにも、対策が必要なのではないだろうか?このままでは、日本はだめになってしまう。そんな風に思いました。
こんな時、私たち自閉症児を持つ親たちは、どうすればいいのでしょうか?
社会は、定型発達の子どもたちが大きくなって、お仕事について、キチンと税金を納めてくれるから、社会全体として、障害のある人や弱い立場の人にも年金が支給されたり、支援サービスが行われるわけですね。ところが、いまや定型発達の子どもたちみんなが果たしてきちんと税金を払う大人になってくれるか不安です。
こうなれば、せめて障害のある子をしっかり育てて、税金を払う大人にするということを目指すしかないか・・・、そんな風に思う今日この頃です。これって、私の考えすぎでしょうか? それならいいなぁ〜。
何はともあれ、障害があろうとなかろうと、子どもをしっかり育てていくのがいいことは、間違いないので、愛情を持って心をこめて子育てを来年も頑張りたい、そんな風に思っている年の暮れの私です。何といっても、自閉症の子どもはゆっくりゆっくり成長するので、哲平君は21歳になったとはいえ、まだまだ成長途中です。
子育てはまだまだ続いております。
話は変わって、実は突然主人の母が亡くなりました。
哲平にとっては、おばあちゃんです。
私は、去年実家の父と母を相次いで亡くしました。そして、今度は主人の母です。哲平が小さい頃から、ずーっと子育てを支えてくれた母でした。
私が、こんなに色んな活動がやれてこられたのも、この母が、いてくれたおかげでした。母が、すぐ近くに住んでいて、哲平を預かってくれたり、学校へ迎えに行ってくれたり、また、愚痴を聞いてくれたりしたおかげです。今までどんなに助かったか知れません。
その後、哲平が少しずつながら自立していくのと相前後して、今度は兄嫁である義姉が病気になりました。主人の義兄は仕事があるし、子どもたちもそれぞれ忙しく、病気の姉の世話をする人がなく、母は、岡山を離れ看病に大阪の長男である兄の家で、暮らすことになりました。今から8年ほど前の事でした。
78歳の母が、50歳の義姉の介護をすることになったのでした。
いつも自分のためではなく、人のために一生懸命働く人でした。
私は、嫁として至らない人間でしたから、世にいう嫁と姑との確執ということは、最初の頃はありましたが、哲平の障害がわかってからは、一緒に手を携えて、育ててこられたように思います。
母と私を哲平の障害が、繋いでくれたように思いました。
お互いの絆が、固く結ばれたように感じたものでした。
障害児がいることは、悲しいことばかりではない、つらい苦しみを分け合える家族というものを再認識したような気持ちになったのを今でもはっきり覚えています。
「一緒に育てていこう!」そう言ってくれた母の優しさが、今でも心の中を暖かくしてくれています。私がつらいだけではない、同じように父も母も辛いんだ。
孫に障害があるということは、どれほど悲しいことだったでしょう。
申し訳なく思いつつ、助けられた日々があったからこそ、哲平を育ててこられたと思っています。
母は、義姉が介護入院できたので、この11月20日に、大阪から岡山へ帰ってきてまた一人暮らしを始めた矢先の29日に、突然の還らぬ人となりました。
いつも明るく前向きな人でした。岡山へ帰ってからは、一緒に買い物に行ったり、我が家で食事を一緒にしたりすることも多く、そんな中、哲平の成長を喜んでくれる母でした。
亡くなる数日前にも、我が家で哲平が作ったおでんを食べながら、
「もう哲ちゃんは、大丈夫だねェ〜」「おばあちゃん、安心したわぁ〜」
と言ってくれました。
母の死は、悲しいことでしたが、哲平がお葬式で立派にふるまえたことは、私には嬉しい救いでした。
様々な一連の儀式にスケジュールを示すことは必要でしたが、それぞれの場面にキチンと兄や姉に習い行うことができました。出棺の時には、お棺を霊柩車に納める時に、親族の男性4人が、棺を持って少し歩くのですが、これを「棺の足」と岡山では言うそうです。
母には男の孫が兄の子を含めて、3人おります。もう一人を去年結婚したての娘の夫が、務めてくれ、これで棺の足が孫で4人揃いました。
伯母が、「孫の手で送られた人は、ハスの花に乗って極楽浄土へ行けると言うんよ」と教えてくれました。母もきっと哲平に送られて喜んでくれているのではないでしょうか。
哲平の障害が解ってから、こういった儀式を哲平が務めることは、難しいのではないかと思っていたので、今回のことは、感無量でした。
お葬式に参加してくださった育てる会のお母さんたちが、その場面を見て、「とても立派でした。私も哲平君を目標に育てていきたいです」と言ってくださいました。
私もしみじみ「よくぞ、ここまで育ったものよ」と思いました。それとともに、ここまでのサポートを母に感謝しました。母もきっと安心してくれたことでしょう。
別れは辛いです。もう主人にも私にも親と呼べる人はありません。
そう思うと寄る辺ない気持ちになります。本当に寂しいです。
でも、これからは、気を取り直して頑張っていくしかないのですね。
お義母さん、見守っていてくださいね。これからも頑張って生きていきます。そう言いながら、自分を励ましている私です。
鳥羽 美千子
支援者養成セミナー報告
12月5日(土)岡山ふれあいセンター大ホールにて、横浜市東部地域療育センター診療部:心理士の安倍陽子先生をお招きして、セミナーが開催されました。
参加された方からご感想をいただきましたので紹介します。
先日、安倍陽子先生の「自閉症スペクトラムの理解と支援」のセミナーに参加させてもらいました。当日は新型インフルエンザが猛威をふるい、学級閉鎖になる学校も多く、幼い子を抱えるお母さん方が人混みを恐れられたためか、いつもより少し参加者は少なく感じられましたが、その分熱心な方が多く、みなさんレジメに細かくメモをとられていました。
また、今回は具体的事例の紹介で、スライドに実際の指導の様子や子どもたちの顔も多く映しだされたため、ビデオ撮影はご遠慮ください、ということもあって、皆さん一言も聞き漏らすまいという熱気が伝わってくる講演会でした。
午前中は、先生が現在勤務しておられる横浜での地域療育センターでの取り組みや、自閉症スペクトラムの基礎的なお話、評価の中でもフォーマルな部分のお話がありました。
印象に残ったものの一つが、地域療育センターを要に、保健センターや保育園・幼稚園などが有機的に協力しあって、本人や家族への支援をきめ細かく行なっていくシステムでした。羨ましがってもしょうがないのですが、やはり親としては・・・羨ましいですね。
岡山でも、地道に行政と協力して作りあげていくしかないのでしょうね。
また、評価の方法も知らないことが多く勉強になりました。名前だけは聞いたことはあるWISK‐Vなどの検査法についても、動作性や言語性の評価だけではなく、その下位分類まで見ていくことの大切さなどを教わりました。
午後からは、いよいよ「自信と自立に向けて」の具体的取り組みの話です。
ビデオやスライドをたくさん使って、実際の指導の画面や子どもたちが取り組んでいる様子、その効果などを見せていただきました。理論だけでなく、ビデオの中で子どもたちが自分から進んで取り組んでいる姿は、スケジュールや構造化の大切さを実感させられました。
それにしても、安倍先生が登場するたくさんのお子さんに対して、一人ひとりの特性や生育歴を熟知されていることに感心しました。顔の見える支援、それが地域療育センターの目的の一つなのでしょう。
また、印象に残ったお話の中で、「何を教えるか(What)」の大切さ、ということがありました。
TEACCHの素晴らしさを知り、実践しようとするとき、うっかりすると「どのように教えるか(how)」の方に気をとられすぎてはいけない、ということですね。
視覚的構造化やワークシステムは手段であって、目的ではない、もちろん自閉症の特性に配慮した手段(how)を身につけることも大切ですが、それを目的化してはいけないということを教えていただきました。
そうですね。目指すのは自立課題に取り組める方法ではなく、実際に将来自立すること、そのためには何を教えなければいけないのか(What)、ともすれば忘れがちな視点だと思いました。それを前提としての「how」なんですね。
TEACCHでいう生涯を見通した支援というのも、その目的と手段を共に大切にしていることを指していることなのですね。
もちろん、その支援は個々の子どもに合わせたものなのですが、午後の講演の中で教えていただいたスケジュールやワークシステム、ソーシャルスキルの練習などのお話はすぐにでも我が子にも応用できそうなものばかりでとても参考になりました。
本当にあっという間のセミナーでした。気がつけば5時間あまりのお話が過ぎていました。
まだまだ聞き足りないような思いで、ぜひまた岡山に来ていただきたいと願って会場を後にしました。ありがとうございました。
(保護者:T)
【保護者の方からのアンケート】
・ スライドが多く、各家庭でしているところが見られて良かったです。親の気持ちについて多く触れられていて、親としては非常に「あぁ、分かってもらえているんだ」と救われた気持ちになりました。
・ 親の気持ち、プライドではなく、子どもにとって何が大切であるかを考えることの大切さや親に柔軟な思考が求められること、子どもの特性を理解し、それを次の支援者につなげて伝えられるようにしていくことなど、子育ての道筋をつけていただけたことが良かったです。ありがとうございました。
・ 具体的に写真を見ながら説明してくださったのがとても分かりやすかったです。まだまだ解決できない困った行動がたくさんありますが、その背景にある見えない部分に注目して、考えていきたいと思いました。娘の伝えられない気持ちにもっともっと寄り添えたらなと思います。家でも分かりやすい環境を作っていきたいです。
・ 事例も多く系統立ててお話してくださったことが良かったです。専門分野の方々の研究がこんなに進んでいることを嬉しく思います。また、育てる会のような会が活発に活動しておられることにとても嬉しく安心しました。
・ 今まで本を色々読んではきましたが、「視覚に訴える」ということを理解できませんでした。しかし今日の講演を聞き、具体的な事例を見ることで、非常に分かりやすかったです。部屋の構造化や息子のできないことに対する絵カードなど、チャレンジしてみます。
・ 保育園側に視覚支援をしてほしい、親が作るからと言っても、なかなか取り組んでもらえないことが切ないです。特に初めての場面では有効なのに。私も保育士なのに・・・。預けている保育園の保育にあった方法にアレンジして提案しないと受け入れてもらえないのがもどかしいです。
・ 基本的な話を改めて聞くことで、再発見することや、忘れていた本人の大切な部分を再確認しました。本人の何気ない一言に、すごく大切な本音が隠れていたことに気づいた一日でした。改めて先生のお話を聞いて、一日一日を大切に生きていこう、何気なく流されて過ごしている日々に目標設定、評価をしていきたいと思いました。親の会も全く参加していないので、そういうつながりをもっと持ちたいなと思いました。本人の自己肯定感アップに向けて改めて目的を持ってやっていきたい気持ちです。先生、ありがとうございました。
【保育士・教職員の方からのアンケート】
・ 幼児期・低学年児童を中心とした講演内容で、とても参考になりました。このような講演はなかなかないです。午後からの写真での支援の仕方がたくさんあり、分かりやすかったです。
・ 構造化の理由として「自己肯定感、自尊感情を育む」と最初に挙げられていたことが心に残りました。構造化に対する意識が、学校でも「できないからする」「最初に投資すれば人がいなくてもできる」というのを感じる時があります。そうではないということを校内でも広めていきたいと思います。
・ 子どもへの働きかけの柔軟さ、伝え方。分かっているつもりでしたが、まだまだ色々な視野が必要だと実感しました。意識が変わりました。写真・絵・実例などとても分かりやすく、一般の大人でもある・なしでは違うという先生の言葉で、さらに「なるほど!」と納得しました。
【学生・行政などその他の方からのアンケート】
・ 心理学を今学んでいるので、心理検査の結果を交えての説明や個々の子どもに合わせた支援の実際が分かりやすかったです。氷山の一角にありましたように、その行動や特徴の背景の要因の見立て方や発達・知能に合わせて支援の設定の仕方をもっと学びたいです。
・ 構造化・具体例があって、分かりやすく支援の仕方を教えてくれたことが良かったです。これからも育てる会を応援しています。
・ ASDの子の症状はそれぞれ違うので、その子に合わせた支援がとても大切であるということがよく分かりました。特に、その子の特性を理解して長所として生かしていくことができれば、その子にとっても周りの人にとっても生きやすい社会になると思いました。そして日々の暮らしを大切にするということが重要であると分かって良かったです。「皆ちがって皆いい」という言葉が尊重され、自己肯定感の持てる社会を作ることができたらいいなと思いました。
・ 私はあまり自閉症について知識がなかったので、今日の講演では少し難しいところもありました。でも、今後色々な活動をする中で、自閉症の人と関わることはあると思うので、とても参考になり、今回の講演を聞くことができて、本当に良かったと思います。これからもっと本なども読んで発達障害について勉強しようと思いました。ありがとうございました。
・ 精神科領域の中では、おそらく十分に療育など受ける機会なく成人され、精神障害者として生活を送られている方が多く見受けられます。現在の生活のしづらさの根っこに発達障害があるのでは?と感じること、最近になり発達障害の診断を受ける方もいます。この障害特性をきちんと理解することが必要と感じ、参加させていただきました。ありがとうございました。
・ 話し方が丁寧なので、とても聞きやすかったです。大きい年齢の方のことも知られての、幼児・学齢期の子どもの視点での話で、イメージしやすかったです。
・ 「スペクトラム」という考え方はとても分かりやすかったです。実際に使える対応策を知ることができ、良かったです。「怒らない、でも譲らない」に、そうだなと思いました。
・ 自閉症スペクトラムの対応は広域にあり、IQでの判断だけではないこと、子どもと向き合うにはコミュニケーションを大切に、絵や写真で具体的に、などの説明に「あっ」「なるほど」でした。
育てる会クリスマス会の報告
12月20日(日)に、東山公民館にて、クリスマス会を行いました。
11家族31名の参加者があり、牛乳パックで作るクリスマスブーツ作りや、「赤坂まるパンの会」さんによるハンドベル演奏や人形劇、ケーキやビンゴ大会など、楽しい時間を過ごしました。
今回、会場の都合で、せっかくお申し込みいただいたご家族に参加をお断りすることになり申し訳ありませんでした。
次回は皆様ぜひお早めにお申し込みください!
参加された方からの感想を紹介します。
・ クリスマスブーツ作りでは、工作が苦手なので「最後まで意欲が持たないのでは・・・」と思っていたのですが、最後までできました。せっかく意欲が高かったのに、私が手を出しすぎたかなと反省するほどでした。
出来上がったブーツにお菓子を入れてもらい、「できた」という達成感をたくさん得られたようです。スタッフの方に「豪華だね」と褒めてもらえたのが嬉しくて「豪華ブーツ」と名づけていました。
人形劇は「鬼」「食べられるかも」というところで怖がらないか心配したのですが、少しビクビクしながらも楽しく見られたようです。ケーキタイムで劇団の方と話が弾んでいました。畳&机スペースがあり、シンプルで静かだったので、好きなことをして落ち着いて過ごせました。皆がいる部屋と近かったことも利用しやすくて良かったです。
スタッフの方が困っているときにさりげなく助けてくださったり、たくさん褒めてくださったりしたので、ありがたかったです。 (Kママ)
・ 工作は貼るだけだったので、簡単にできて良かったです。自分でできたという達成感も持てたと思います。
人形劇は、子ども二人とも内容が分かりやすく真剣に見ていました。とても良かったです。ケーキも「おいしいおいしい」と言って食べていました。ケーキを前にして早く食べたかったのですが、待つことができました。ビンゴは、自分がほしかったものがもらえて大喜びでした。
スケジュールやするべきことが分かりやすく提示してあって、安心して参加できたと思います。スタッフの方のおかげでスムーズに進行して、子どもたちも混乱せずに過ごせたと思います。ありがとうございました。来年も楽しみにしています。 (Tママ)
・ クリスマスブーツ作りでは、赤い画用紙を貼るのに時間がかかって大変でした。でも満足のいく仕上がりで、子どもたちも嬉しそうにしていました。人形劇は、鬼が出てくるので怖がるかなと心配しましたが、意外に楽しんで見ていました。ハンドベルができたのが本人はとても嬉しくて印象に残ったようです。ケーキは、おいしかったのかあっという間に食べていました。ビンゴでは、番号をちゃんと聞いて自分で開けていました。なかなかビンゴにならず不安そうでしたが、もらえて安心していました。
空き時間がほとんどなく、退屈させてしまうことがなく、助かりました。 (Sママ)
・ 工作はあまり得意ではないのですが、楽しんで作ることができました。お菓子のプレゼントを入れていただいて、喜んでいました。ハンドベルにチャレンジしたり、劇を楽しみながら最後まで見たり、貴重な経験ができて良かったです。一番楽しみにしていたビンゴ。とても真剣にやっていて、番号が合うたびに「あった!あった!」と喜んでいました。大変意欲的でした。全体的に退屈することなくスムーズに参加でき、また楽しむことができて良かったです。 (Tママ)
・ 人形劇は明るくにぎやかな感じが良かったです。ケーキタイムは、子どもがケーキを食べている間にアンケートが書けるのが良かったです。ケーキの種類が選べたことや工作も面白かったようで、良かったと思います。ブーツにお菓子を入れていただいたこともビックリして喜んでいました。親子で楽しく過ごせて良かったです。場所がすることによって変わったので、気分が変わって良かったです。本人は「もう一回やりたい」と言っていました。ありがとうございました。 (Sママ)
・ クリスマスブーツは簡単で上手に作れました。人形劇は、初めの導入のハンドベルがきれいで引きこまれました。
皆にハンドベルを渡してくださって、一人ひとりが自分のパートを持って力を合わせて演奏ができたのはすごいなぁー。あの演奏で会場が一つになった感じがしました。
その後の人形劇の鬼が出てきても、怖がる人が少なかったのはそのせいでしょうか。時間があったらもう少し長く見ていたいと思えるほど楽しい時間でした。
ビンゴは、自閉症に特化したビンゴでした。紙に数字を書いてあって、それを読み上げながら、貼っていって、それもBの列のはここ、というように貼ってあったのが良かったです。分かりやすくてゆっくりでスピードもばっちりでした。ビンゴになった人からプレゼントがもらえるのもいいし、途中ビンゴになっていない子に「皆の分もちゃんとあるからね」と声賭けがあったのも良かったです。会場もバッチリでしたね。これからも東山公民館で行ってください。 (Tママ)
・ 兄弟で保護者一人の参加だったので、二人を均等に面倒見るのができにくい状況でしたが、ブーツ作りやちょっとした待ち時間のときなど、本人が落ち着かなさそうなときに、ボラさんがよく声をかけてくれ、好きなキャラクターの話などで間を持たせてくださって、ありがたかったです。
本人が辛いときは「皆の声がいやだから」と私に教えてくれたり、他の部屋で好きなことをして、母が側にいなくてもしっかり時間つぶしができていたので、そんな風に過ごせるようになったんだと子どもの成長を感じることができて良かったです。結果的には一つ一つのスケジュールを楽しめていました。子も親も大満足のクリスマス会でした。ありがとうございました。 (Yママ)
会員のページ
以下のページの行事は、育てる会会員向けのものです。
入会についての問い合わせは、育てる会事務局(086−955−6758)まで。
正会員:入会金3000円と1カ月1200円(年14400円)
(AAO活動・OHAの会・キッズルーム・18歳の春・母の想いを語る会・サッカークラブ・水泳教室・
木工教室・クローバーの会・のびのびキャンプ・クリスマス会 など)
賛助会員:年 3000円
(教師・保育士対象 即実践講座)
「AAO活動」
寒波が到来し、本格的な冬となってきました。みなさまいかがお過ごしですか?年末年始で行事もたくさんあり大変な時期ですが、どうかお体ご自愛ください。
拙い世話人ですが、2010年もどうぞよろしくお願い致します。
今後の活動予定
@ 日時:1月10日(日) 10時〜12時
場所:岡山市立京山公民館 1階 美術工芸室(保護者の控え室)
1階 実技室(子どもの活動に使って下さい)
※実技室では、軽い運動、ボール遊びなどができます。
ボールは窓などに当たっても大丈夫な柔らかいボールを各自で用意してください。
ダンスをするなど、思いっきり体を動かして遊べます。
A 日時:2月14日(日) 13時〜16時ごろ(終了時間は未定です)
場所:きらめきプラザ 2階 研修室1
ありがとう集会を行います。内容は思案中です。
「こんなことがしたい」というご意見がございましたら、ぜひぜひご一報ください!
※場所・時間がいつもと変わっています。お間違えのないようよろしくお願い致します。
ボランティアさんへは、各々で場所の説明をよろしくお願い致します。
※今までの活動日の振り替えができていない方は、午前中を利用して振り替えの活動をしていただければと思っています。
◇ 1月の活動が終わりましたら、交通費請求書を担当までFAXして下さい。
2月のありがとう集会の日に、2月の分と合わせてお支払い致します(2月に交通費請求書の用紙を持ってきてください)。
◇ ありがとう集会の活動費が足りない場合は、会費を徴収させていただくことになるかもしれません。
すみませんが、よろしくお願い致します。
(AAO活動担当:K)
「母の想いを語る会」
日 時 平成22年1月25日(月)9:30〜12:00
場 所 育てる会事務局
対 象 育てる会正会員の保護者(母親限定)
参加費 300円(当日集金します)
内 容 鳥羽代表と一緒に悩みや相談、ちょっと嬉しかったお話などをしませんか?
アットホームにのんびり行っています。お気軽にどうぞ。
申込先 1月20日(水)までに育てる会事務局へ
「18歳の春をめざす親子療育クラブ」
日 時 平成22年1月15日(金)10:00〜13:00(受付9:45〜)
場 所 きらめきプラザ2階 研修室
持参物 「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」
著書 キャロル・グレイ、訳・解説 服巻智子 クリエイツかもがわ出版
内 容 本を皆で読み合わせしながら勉強していきましょう
対 象 育てる会正会員の保護者
参加費 年会費5000円(途中入会も可能)
「OHAの会」
OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。利守先生が毎回暖かなアドバイスもしてくださいます。
初めての方の参加も大歓迎です。皆で子どもたちのことを考え合いましょう。
日 時 平成22年1月22日(金)10:00〜12:30
場 所 きらめきプラザ2階 研修室2(岡山市北区南方2-13-1)
対 象 知的障害を伴わない自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)を持つ
子どものお母さん(育てる会正会員限定)
参加費 500円(当日集金)
持ち物 副読本「アスペルガー症候群の子育て200のヒント」
ブレンダ・ボイド著、東京書籍、2100円
(とても良い本なのでぜひご購入してください。一般書店で購入可能です)
内 容 皆で困っていることや心配なことを相談しあって、仲間作りをする。
アドバイザー ぐんぐんスタッフ・臨床心理士:利守愛子先生
申込み 1月20日締切 事務局まで
※設営の関係上、毎回必ずお申し込みをお願いします。
☆今後の日程☆ 2月19日(金)・3月19日(金)
毎回きらめきプラザにて行います
「保護者対象 連続講座」
日 時 平成22年1月7日(木)9:30〜12:30
場 所 きらめきプラザ2階 大会議室
内 容 保護者の方ができる、保護者にしかできない自閉症支援を学びます
講 師 坂井 聡 先生 (香川大学 准教授)
参加費 全4回で正会員8000円・一般12000円
(途中からの参加の方にはDVD貸出を行います)
※第4回目(最終回)は1月21日(木)9:30〜12:30、きらめきプラザ研修室
教師・保育士対象 即実践講座
12月11日(金)に、第7回の重松孝治先生(川崎医療福祉大学 講師)による「即実践講座」が行われました。
【参加者の方のアンケートから】
・ 目標の設定にあたっては、「教師がしてほしい目標」を立てがちで、またいきなりステップが高すぎになりがち、ということがよく分かりました。今後の目標設定に生かしていきたいです。(養護学校教諭)
・ コミュニケーション支援は一番本人が使っているものからしていくこと。目標選定は本人にとって、意味あることを伝えていくこと。トラブルが多いお子さんにどうしたら伝えられるか、など生活で役立つことを伝え、本人のできそうなものから伝える大切さなどを教えていただきました。(保育士)
・ コミュニケーションの要約用紙を使っての基本スキルは一番高い能力がどれかを見るのではなく、毎日の生活の中で日ごろどのようなコミュニケーションをしているかを見付けるためだということ。勉強になりました。(保育士)
・ 観察することは事実をよく見ることが大切であることが分かりました。コミュニケーションで日ごろよく使っている方法で達成できる可能性の高いものを目標設定することが大切であることが分かりました。(保育士)
・ 大人は普段、子どもたちの気持ちを勝手に汲み取って、勝手に動きすぎているなぁと反省しました。子どもたち自身が伝える、ということを目指していくべきだと学びました。(療育期間職員)
・ コミュニケーションの表出支援の仕方が、観察・評価・計画・実施の順に具体的に説明されて、分かりやすかったです。コミュニケーションサンプルは今までに自分のクラスの児童で、記録したことがありましたが、それを機能・文脈・形態に分けて、要約用紙にまとめるということはなかったので、今後はぜひ要約し、支援目標の設定に生かしていきたいです。定期的にできるようにしたいと思います。(小学校教諭)
☆第八回☆ 平成22年1月8日(金)19:00〜20:45
岡山県生涯学習センター 大研修室(情報創作棟2階)
岡山市伊島町3-1-1 三学ぱる・・・池田動物園の隣
烏城高校や児童館と同じ敷地内にあります。
☆第九回☆ 平成22年2月26日(金)19:00〜20:45
会場は同上
☆最終回☆ 平成22年3月12日(金)19:00〜20:45
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す人対象。ただし施設・福祉関係職員も可。
(申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円
途中からの参加も可能です。欠席回のDVDは貸出します。
申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)
サッカークラブのお知らせ
日 時 : 平成22年1月17日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場 所 : 旧・岡山中央南小学校体育館(岡山市中山下)
持ち物 : マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札
お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
親リーダーはグループノート、ゴミ袋
*雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきてください。
保護者の方も忘れずにお持ちください。
*欠席の方はサッカークラブ担当までご連絡ください。
(サッカークラブ担当:T)
水泳教室のお知らせ
日 時 : 平成22年1月17日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市絵図町1-50)
※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験は1回 2000円(保険代込み)です。
★欠席される方、ボランティアさんが必要な方は、必ず1月11日(月)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
★今年度の活動予定日
2/21 3/21(毎月第三日曜)
(水泳担当:M & I )
お母さんコラム
このコーナーでは、自閉症の子の保護者からの日々の暮らしの様子をお届けしています。
どうぞ皆様、お子様との日々の面白かったこと・楽しかったこと・驚いたことなど、エピソードがありましたら、育てる会へお寄せください。
「我が家の支援ツール」
18歳の春に武蔵先生が来てくださるようになって3年。先生のご指導や参加者からのアドバイスなどもあり、我が家の支援ツールは少しずつ増えています。10歳になるTも安心して生活できる場面が増え、生活の幅が広がってきたことを日々喜んでいます。
先月、お父さんと2人で買い物に行けたらなと『買い物に行こう!』というサポートシートを作ってみました。
Tは知的障害も重度です。以前は一緒にスーパーに行ってもふらっといなくなったり、知らないうちに総菜コーナーで大好きな揚げ物を勝手に取って食べていたり、テレビモニターをずっと見ていたくてその場から動けなくなり大騒ぎになったり・・・・と、連れて行くたびにため息の出る体験を山ほどしてきましたので、父親はできれば一緒に行きたくないというのが本音だったかもしれません。決してTのことが嫌いなわけではなく、分かってやりたい気持ちはあっても関わる時間が短くてどう接して良いのかが分かりにくいようです。でも、ずっとTを買い物に連れて行かないわけにはいきません。
小学校に入った頃から少しずつ練習しようと決めた私は、手順書を作り1回の買い物で1つだけ欲しいものを買う練習から始めました。カートを押して一緒に歩くことやレジで並んでお金を払うことを根気強く教え、4年生になった今では、追いかけたり探したりすることもなく、穏やかに店内をまわり一緒にレジを通ってから荷物を袋に入れて車まで運んでくれるほどに成長してくれました。幸いなことに、学校からの買い物学習も同じスーパーです。慣れた場所で慣れた人との体験が定着したら今度は誰とでも・・・が次の目標です。
お父さんにもサポートシートで【買い物の手順、予想される行動、対応の方法、買い物中のTの気持ち】などを確認してもらい、困った行動が出ているときのTの気持ちに寄り添って上手に支援してもらうように打ち合わせはしましたが、なかなかチャンスは巡ってきません。
つい先日2人で出かけることになり、いよいよ!と期待しました。ところが、Tの機嫌が悪く買い物には気分が向かなかったらしく、車から降りた途端に入り口とは違う方向に走り出してしまいました。残念ながらその日は断念。
翌日、家族みんなで出かけた帰りにスーパーへ寄ることになりました。いつもなら私だけが急いで買い物を済ませてきたり、一緒に入ってもレジに並ぶ前に車に乗せてしまったりしていましたが、2人で買い物をする時と同じように店内を回る様子をお父さんにも見てもらうと「なるほど・・・」と感心しているようでした。
お父さんと2人での買い物はなかなかチャンスが巡ってきませんが、落ち着いてきている息子の姿を改めて見てもらった事でお父さんとTの距離がまた少し近くなったような気がしています。
できないことや困った行動を避けて通れば、いつまでたってもそのことをクリアすることはできません。けれどもスモールステップで少しずつも前進できれば、振り返ったとき大きく成長していることに気づくことが多かったように思います。一回でその子にぴったり合った支援ツールを作るのはとても難しいことです。でも、それがあれば本人も周りの人も少しずつ楽になることを体験してきました。我が家はこれからも少しずつ少しずつ頑張っていきたいと思います。
2人の買い物もきっと近いうちに実現すると思います。 おとうさん、T、ファイト!!
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
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申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。