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平成22年4月30日

 

 第144号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 144号 目次

     新緑の季節に

     支援者養成セミナー報告
         「吉田 友子 先生 講演会」

     教師・保育士対象 即実践講座

     保護者対象 支援ツール教室

     吉田友子先生 ビデオ上映会 の お知らせ

     18歳の春を目指す親子療育クラブ の ご案内

     OHAの会・AAO活動 の ご案内

     クローバーの会 報告とお誘い

     サッカー教室・水泳教室 の お知らせ

     私のお薦め本コーナー
         「ぼくには数字が風景に見える

     近隣の講演会等のご案内

     お母さんコラム
         「公表、告知、娘は中学生になりました」

     赤磐ぐんぐんだより

新緑の美しい季節となりました。
皆さまいかがおすごしでしょうか? 
今年は、例年にない寒い春でしたね。
朝晩はいつまでもファンヒーターが手放せませんでした。
やっと寒さが一段落と思えば、突然の真夏日です。ここ岡山は5月4日、30度を超す気温となりました。今度こそ、ファンヒーターを仕舞えそうです。
さて、今月号は、吉田友子先生の講演会のお話から始めたいと思います。
学校関係への広報が少し遅れたこともあって、なかなか講演会への参加申し込みが増えていかないので心配しましたが、終盤になって山陽新聞社が記事にしてくださったあたりから、一気に申し込みが増えていきました。
先生のお話を初めて聴くという方がたくさん来てくださいました。
今回の参加者の特徴は、専門職の方が多かったことでした。
医療関係、特に精神科のお医者様や小児科のお医者様が、大勢参加いただけたようでした。
支援する側が、聴いてみたくなる、学ばないではいられない、そんな先生のお話だったのでしょう。
また、保護者の中でもご夫婦で聴きに来られた方も多く、ともに育てる両親が共通理解することの大切さを感じました。
育てる会は、岡山の自閉症の子どもたちが幸せでありますように・・・と願い、講演会を企画させていただいておりますが、またひとつ役割を果たせたような心地よい達成感の中におります。
私個人としては、吉田先生の優しさ子どもへの温かいまなざしに、心が清められる想いでお聴きしました。いつ聴いても何度聞いても、先生のお話は新しく、私の心を揺さぶりました。
講演会の内容で私は、保護者の方に、一番聴いてほしいと思ったところは、「療育は毎日の生活の中にある」と話された部分でした。
育てる会は赤磐ぐんぐんという児童デイサービスを行っています。その管理者として日々感じていることと重なっているので、ここで紹介させていただきます。
「親からの要求・期待(課題設定)」と「手がかり・手助け(支援)」が子どもの発達にあっていれば、親も子供もイライラしないで楽しい毎日が送れる=療育的な生活
「どうしてうちの子はこうなの?」と思う時、この行動は、リセットが難しいからか、それとも社会的ご褒美の意味が解らないからか、後で出来るという見通しが持てないからか…というように、親が、わが子の混乱の意味を正確に推し量る技術を持つことができれば、じゃ〜どうすればいいかが、おのずと解ってくると言われました。そして、その対応がうまくいった時、親は自身の子育てにうまくいったという自信と達成感を持つことが出来るのでしょう。
私にも経験があります。自閉症の特性を知らないでいた時の支援は、自分の大変さだけが前面に出て、「この子を何とかしよう」という形の支援だったと思うのです。子どもの身になって考えるという視点に立った時から、「どうして??」が考えられるようになったように思うのです。そして、もっと自閉症を知りたい、学びたいと思うようになりました。
「障害特性をその子の一生続く特性として味わい育てていくことが出来れば、どんな行動もどう支援すればいいかプランを立てられるようになっていく」という先生のお話でした。子育てが楽しくなる秘訣は、やはり子どもと同じように成功体験が大切なのでしょうね。自分の考えたプランがうまく行った経験が親を育てていくのでしょう。
私の場合も、少しずつうまくいくようになって、そのうち子育てがたまらなく面白くなっていきました。
はじめに学びありきではないでしょうか?
私たち親は、子どもの障害を何とかして欲しいとお医者様に頼ろうとします。また、療育機関に何とかして欲しいとお願いします。けれど、お医者様に出来ることは、親の大変さを聞いて、お薬を出すことだけだと思うのです。療育機関にしても、一週間に一度くらいのわずかな時間で大したことができるはずはないでしょう。子どもにとっての環境を整えることなくして、子どもの困難さの軽減はあり得ないと思うのです。環境の一番大きな部分を占めるのは、家庭生活ではないでしょうか?
障害を何とかしようとするのではなく、子どもへの要求や期待をじっくりと考えて、その子にあった手がかりや支援を丁寧に行う療育的な生活こそが、子どもの助けになり、ひいては自分自身の子育てへのモチベーションを高めるもとになると思うのです。
講演会の詳しい報告と、参加者の皆さんの感想が後のページにありますので、ぜひご覧ください。

さて、今回は先生のご厚意により、講演会の録画をさせていただいております。
正会員の方に限り、事務局管理のもと講演会のDVDを見ることが出来ます。
参加できなかった正会員の方、またもう一度聴きたい方などのために、今後何回か一緒に聴く会を開きたいと思います。
一人で聴くより、みんなで深く共感しながらお話が聞けるので、お勧めです。
まず、第1回目の聴く会です。
日 程:5月17日(月) 10:00〜15:00頃(遅刻・早退も可)
場 所:太陽の家 離れ
参加費:500円  
申込先:育てる会事務局(086-955-6758)

そして今回、時間の関係で詳しく聞けなかった自閉症の基礎の部分は、次回の新澤先生の講演会で詳しくお話をしていただけます。
大阪発達障がい者支援センターの新澤伸子先生を、6月26日(土)にお迎えして、「自閉症支援 はじめの一歩」と題して、講演していただきます。
学校の先生方で、自閉症の子を初めて担任するという方や、お母さん方で「ようわからんうちの子」と思われている方などにお勧めの講演会です。
自閉症の支援は、障害特性を理解することからはじまります。
自閉症支援の「はじめの一歩」は、間違った方向へ踏み出さないでいただきますようお願いします。
最初が肝心。私たちも間違った一歩を何度も踏み出しては、後戻りをした経験をしています。
やっぱりTEACCHに戻りやり直せたから、今がある。
子どもの幸せそうな様子を見ながらそう確信をもって思います。
「自閉症を正しく理解できていなければ、正しい支援はできません。たとえ一生懸命その支援者の方が、努力をしていても、正しい理解に基づかない支援は、見当違いな支援です」
こんな風におっしゃるのは、川崎医療福祉大学教授の佐々木正美先生です。
先生にしても、いまだに日々新たに理解していくことがありますと、おっしゃっています。
まして私たちが理解できていないのは、当然のことでしょう。
日々知りたい、理解したいと願いながら、子どもと相対していく中で、また新たな学びへとつながっていくのではないでしょうか?
今回の新澤先生のお話は、基礎的なお話です。
詳しい内容や申し込みは、セミナーの案内をご覧ください。

さて、続きましてお話は、「自閉症のしおり」についてです。
4月2日は、国連が定めた世界自閉症啓発デーです。
日本ではそれに合わせて4月2日〜8日が発達障害啓発週間になっています。
この日に合わせて、育てる会では新しい「自閉症のしおり」を自閉症のことを知りたい皆さまに無料でお配りしたいと願いました。
無料配布といっても本当に必要としている方のところへはどうやって届ければいいかを考えました。そこで、マスコミのお力をお借りすることにしました。
以前育てる会の活動を取材いただいたNHK岡山のIディレクターさんが、取り上げてくださり、4月21日夕方に放送されました。会員でもあるSさん親子に登場いただいて、とても自閉症の人の困難さや理解支援の必要性について、暖かい思いのこもったいい放送をしてくださいました。多くの方から問い合わせの電話がありました。
また、新聞紙上でも山陽新聞、毎日新聞、読売新聞が取り上げてくださって、ジャンジャン電話がかかってきました。
土日も事務局に詰めて、電話の応対をしました。受話器を置いた途端、次の電話がかかるという状態でした。
あっという間に一万部の無料配布分はなくなってしまいました。
今少し残っているものも、連休明けの発送できっとなくなることでしょう。
多くの皆さまのお手元にこのピンクの冊子が届いたと思うと、嬉しく思います。
そして、発送後には、続々と感謝のお便りが届きました。
一部ですが、ここで紹介させていただきます。

早速しおりを送っていただき、ありがとうございました。私の子どもは3歳9カ月になりますが、3歳の時自閉症と診断されました。色々な本を読んで勉強している最中ですが、こちらのしおりは親の目線で書かれており、分かりやすくとっても参考になりました。2部送っていただいたのは、祖父母にも読んでもらうためです。これから皆で一層勉強していこうと思っています。
先日はしおりを送ってくださり、ありがとうございました。当園でも数年前に同じ学年に3人自閉症が入園され、苦慮しました。しかし3人のお母さん方が一生懸命勉強され、園に対しても我が子の理解を深められるよう色々な情報を提供してくれたおかげで、卒園する頃にはすっかり皆の輪に入ってこられるようになりました。先日同窓会があり、皆で成長ぶりを喜びあいました。これから様々なことがあると思いますが「育てる会」の大先輩がいらっしゃるので安心ではないでしょうか。ますますの発展をお祈り申し上げます。
昨日夕方に届きました。ありがとうございました。色々な過去のことを思い出して涙が出ました。我が子が診断された30年ほど前には自閉症という言葉すら少なく、毎日が辛い日々でした。今では我が子もたくさんできることが増え、成長してくれました。若いお母さん方にもきっときっと笑える日が来ることを信じたいと思います。本当にありがとうございました。
息子夫婦が帰省の折に孫に会うのが楽しみでしたが、3歳になっても何も言葉が出ず、どこか悪いのではと心配していたところ、3歳児検診で自閉症と診断されました。図書館から本を借りて読んでみたりもしましいたが、難しく理解するのが困難でした。このしおりを見ましたら私にも理解しやすく思えました。「異国の街角にたった一人置きざりにされた幼児のようなもの」という文章に胸が痛む思いです。遠く離れているので静かに見守るしかありませんが、このしおりを参考に帰省の折に接してやりたいと思います。ありがとうございました。

こんなお仕事をさせていただけて、こちらこそ感謝です。
文科省よりの助成金をこの冊子作製費に使わせていただきました。税金を無駄には使わないで、こんな小さな団体に補助金を下さった文科省に改めて、感謝を申し上げたいと思います。

さらに今月はもう一つニュースがあります。「あかいわ発達障害支援センター」の開設です。
赤磐市より委託を受けて、育てる会が、発達障害に特化した相談センターを開設することになりました。
電話相談などで、お母さんの相談には乗っていましたが、それだけではどうしようもないというのが、現実です。私のような母親による相談だけではなく、専門性のある相談機関がぜひとも必要と思い、赤磐市に掛け合ってまいりました。
そして、ついにその願いがかないました。
赤磐市和田の山陽児童館にて、予約制にはなりますが相談ができます。事務局からは両宮山古墳を挟んで向かい側、備前国分寺跡の隣です。毎週火曜日に個別の面談もお受けいたします。ずっとこんな相談ができる場を捜していました。
赤磐市の発達障害を持たれた方だけの相談しかできませんが、県下にいくつかこういった相談機関があります。
あまり知られておりませんし、縦割り行政の弊害か、各市に問い合わせても解らないとの答えが多いのですが、問い合わせ先は、それぞれの市の保健福祉の担当です。
赤磐市では、育てる会が委託を受けたのですから、バリバリ実績を作っていきたいと考えております。
幸いにして、原 未春先生という素敵な方が、相談員としてお勤めしてくださいます。
色々な相談に応じていただけます。また、学校や園にも相談に行かせていただくことも可能です。ご期待ください。
(電話・FAX 086-229-1150)

さて、お話は続いて哲平君の日常についてです。
講演会の会場で哲平君を見つけられた方もおありでしょうが、いつも一家総動員のセミナーにあって、彼は重要な戦力となっております。
哲平は、たくさんのレジメや書籍などの積み込み作業を毎回やってくれます。
育てる会の事務局は、太陽の家という建物の2階にあります。
その2階の外階段から多くの荷物を車に積み込むのは、とても大変です。
会場につけば多くのスタッフやボランティアさんが、手伝ってくださるのでいいのですが、事務局の中からの積み込みは、もっぱら鳥羽家男子の鳥羽父さんと哲平君に頼るしかありません。重い荷物を持って階段を何往復もしてくれる縁の下の力持ちの哲平君。
重いのは、販売用の書籍です。「う〜ん、重いよ〜」と言いながらも、果敢に重いのを持ち上げて運んでくれます。
自閉症の子は、経験から学んでいくと言われますが、本当にその通りです。
体の使い方をこういった場面を通して、学んで行っているように思います。
そんな哲平の別の一面の取材をしてくださった方が、山陽新聞のU記者さんでした。
記事を掲載します。(桃太郎夢クラブでPDFファイルを作ってくださいました)
記事にあるように、哲平の初めてのフルマラソンについて書いてくださいました。
篠山ABCマラソンを棄権した後、いい大会はないかと捜していたのですが、北海道大好きな私たちにぴったりの大会です。いい季節の北海道を楽しんできたいと思っております。
U記者さんが、取材の時、哲平にこんな質問をされました。
「鳥羽さん、洞爺湖マラソンは楽しみですか?」
すると哲平は、こう答えました。
「洞爺湖マラソン、2000円もらえる」
質問の答えとはちぐはぐな答えで、戸惑っておられる記者さんに、しかたがないので哲平の言葉の意味をお伝えしました。
哲平には、洞爺湖マラソンといえば2000円なのです。
42.195キロも走るので、2000円あげると約束していたものですから、哲平は、洞爺湖マラソンといえば、2000円を即思いだしたのでしょう。
ゴール地点で2000円をもらうことを目的に一生懸命走ってくれることでしょう。
U記者さんも追っかけで来て下さるときっと楽しいでしょうに・・・なんて思います。
そんなこんなで、今月も忙しい育てる会です。
5月は過ごしやすい季節ですから、ついつい無理をして働きすぎになりそうですが、季節の変わり目ですから、気をつけて自重に努めたいと思います。
皆さんもお元気で、来月号でお目にかかりましょう。
鳥羽 美千子

支援者養成セミナー 報告

先日4月29日(祝・木)、岡山ふれあいセンター大ホールにて、ペック研究所所長でよこはま発達クリニック医師の吉田友子先生をお招きし、
「その子らしさを生かす子育て 〜高機能自閉症・アスペルガー症候群の理解と支援〜」というタイトルでの講演会を開催しました。

参加された方から感想をいただきましたので紹介いたします。


今回、吉田先生の講演をお聞きしたのは初めてでした。優しく穏やかな口調で、それでいて熱く自閉症について語られる先生の言葉はどれも胸に突き刺さるものでした。
具体的な話の内容については、先生の著書やホームページに掲載されているので、私のつたない文章より、そちらを読んでいただけたらと思います。
なので、ここでは吉田先生の生のお話の中で私が印象に残ったことをあげたいと思います。
今回の講演の内容は、大きく分けて、自閉症の特性、感覚過敏やこだわりなどへの支援、そして障害告知についてでした。こういうタイトルを聞くと、こういうこだわりには、どんな対処法があるの?告知は、どんな風にやったらいいの?という風に、それぞれについてのhow toを知りたい!という欲求にかられる人が多いと思います。もちろん、先生のお話の中で、具体的なグッズや事例などもたくさん挙げていただき、色々なヒントもいただけたのですが、私は何よりも、その中で先生が繰り返しおっしゃっていた言葉が最も心に残っています。
それは、どんな支援も 「子どもの安心感と達成感を高めるのが大切」 という言葉です。
感覚過敏やこだわり、障害告知に対処していくhow toを探すのではなく、まずは、子どもが安心していなければ、どんな支援も受け入れられない。達成感がなければ、自己肯定感がもてず、障害告知どころではない。ということです。
自分を信じることができて、自分のことが好きになることができて、初めて他者を信じることができる。その上での支援、告知なんだということ。これって、よく考えたら当たり前のことなんですよね。自閉症支援では“自己肯定感を育てる“とか、“成功体験を”なんて良く聞きますが、定型発達の子どもだって同じことが言えます。それでもあえて先生がこのことを繰り返し強調されるということは、それだけ自閉症の子どもはそういう機会を奪われているということなのでしょう。先生のお話では、支援の不十分さがこだわりや感覚過敏、その他不適切な行動を増すことが多いということでした。具体的な困難が現われたとき、それは、支援の見直しが求められているときなのです。
そして、その支援を考えるときに重要なのが特性の理解であることも先生は強調していらっしゃいました。今回は障害告知の話がメインだったにもかかわらず、講演の前半部分の大半を使って特性についてお話されたのには、大きな意味があるのだと思います。
「特性を理解していれば、自閉症の子どもの苦痛の大きさが分かる、
そして、その子の努力の大きさ、そこで得たものの価値を心から味わうことができる」
という言葉には胸が熱くなるものを感じました。なぜなら、私はかつて保育士をしており、特性の理解をしないまま自閉症児の支援をして、うまくいかないと、子どものせいにしたり、そのhow toがいけないんだ。と思っていた苦い経験があるからです。形ばかりにとらわれて、“自閉症”そしてその“子ども”を知ることを忘れていたのです。
そんな私なので、先生の言葉は一つ一つが貴重で心に残るものでした。
「世の中に自閉症の子どもを合わせるのではなく、
   子どもが自分が好きで豊かに生きられるように」
吉田先生がおっしゃったこの言葉を、自閉症の子どもとその家族、そしてその周りの人たちと一緒に考えていける支援者になるのが私の今の夢です。
このような機会を提供していただいた「自閉症児を育てる会」の皆様に心より感謝いたします。
(自閉症支援者目指して勉強中の学生)

私は神奈川県にあります「横浜やまびこの里」に8年間在籍し、今年4月から自閉症の方々への包括支援のあり方をより専門的に学ぶため「川崎医療福祉大学大学院TEACCHコース」で佐々木正美・小林信篤両先生よりご指導を頂いております。今回、ご縁がありまして同じ横浜でご活躍しておられる吉田友子先生の講演に参加させて頂くことができました。
講演は四部構成で、一部では子どもの「自己肯定感」を得る為に自閉症の特性を如何に理解していくかというテーマでお話しを頂きました。先生は、自閉症の障害理解だけに焦点を絞るだけではなく、その人の過去、現在、未来への発達という時間軸の視点から、社会や大人の責任として子どもが自分を肯定的に捉えられるような成功体験の積み重ねを保証していくことの重要性を強調されていました。
二部では、「支援の原則」と題し障害特性としての苦手さや困難さを補うための方法論をお話し頂きました。特性としての感覚過敏への対応やこだわりに対しどのような理解をしていくかというお話し頂きました。特にこだわりについては、障害特性からくる自閉症の方々の安定剤としての機能と、適切な形へのシフトを促すタイミングと方法をお話しいただきました。
三部、四部は「本人への医学心理学教育(告知)」をテーマとして、自閉症の特性の持つ長所と苦手さとをご本人に合わせて適切に伝達されているクリニックでの実践を、映像を通してお話しいただきました。
中でも感銘を受けましたのは、ご本人への医学心理学教育(告知)を通じたエンパワメント支援、自閉症者としての生活におけるご本人参加型の支援チームモデルを提唱されていることでした。
ここでも「自己肯定感を育てるための告知」という講演テーマとして一貫性あるお話しをいただきました。
吉田先生は、主治医という自閉症者の生活に寄り添う定点助言者としてのお立場から、自閉症者としての「かけがえのない自分」という存在の獲得へ向けた支援の体系を提唱されています。それは、自閉症であることからスタートし、ご本人達が主体的にその特性を理解し、弱みを補う方法を獲得し、強みを生かすことで達成されるものであると理解することができました。
私はこれまで、知的障害を伴い二次的障害として強度行動障害と判定された成人期自閉症の方々の支援をさせて頂いてきましたが、吉田先生のお話しには知的機能の高低に関わらず、「自閉症の方々への正しい理解」という決して揺らぐことのない信念が貫かれていたと感じます。
ここで、「正しい理解」と一口に言ってしまっても、吉田先生の講演から受け止めさせて頂いた「正しい理解」とは、自閉症という障害とつき合って生きていく「その子らしさ」を活かして生きていくことであり、これを親御さん達や支援者をはじめ広く社会が受け止め支えていくことであるように思いました。
自閉症という障害の持つ特性は、我が国においてはハンディキャップという「弱みの文化」として受け止められがちであるように思います。しかし、講演に参加した私を含め多くの聴衆の皆様が、吉田先生の暖かく優しい語り口から発せられるお言葉から、自閉症特性の持つ「強みの文化」を活かしていく支援への羅針盤を受け継ぐことができたと考えています。
吉田先生、貴重な講演をありがとうございました。
(川崎医療福祉大学大学院 米澤巧美)

 【保護者からのアンケート】

・ 症例を具体的に知っておられる先生のお話はとても分かりやすく、実際に迷っていたことなど分からないことにも色々考える材料をいただくことができました。また「自閉症の子どもの親であることを、誇りを持って選びとる」生き方を私もしていきたいと思いました。吉田先生、育てる会の皆さん、ありがとうございました。
・ 「一人で穏やかに過ごせることには価値がある」という言葉を聞いて、親が「友達友達」と急かさなくても、穏やかに過ごせていたら一人でもいいんだと思えました。また、目標を持って生きることが本人の達成感につながると聞き、私自身も今後の息子に対して目標が持てたように思えました。
・ 視点がとにかく優しさに満ちているということが良かったです。とても分かりやすく前向きにとらえることができます。向き合う時の姿勢を教えていただけました。こだわりや告知のことなど、とても知りたかったことをじっくり聞けて嬉しかったです。今日は体調不良・での参加で、悩みましたが、思い切って参加して本当に良かったです。
・ 自閉症スペクトラムは病気でも悪いことでもなく、脳のタイプであることが良く分かるように教えていただけたことが良かったです。支援の仕方や自己肯定感など、色々と当たり前だけど忘れていることをよく分かるように教えていただけたことが良かったです。とてもとても子どもを愛してくださっているのがよく分かります。丁寧でとても勇気づけられる時間でした。ありがとうございました。
・ 先生が午前中にお話された点字ブロックの話、涙が出ました。私たちが自閉症の人たちが住みやすい世の中になるよう声を出して、変えていかないといけない、と強く感じました。そして改めて子どもに「そのままのあなたでいいんだよ。今まで無理を言ってごめんね」と言いたいです。
・ 具体的な事例、適切な対処、聴覚過敏に対するグッズなど、本当にこれからのわが子のために必要な内容がたくさん含まれていて、本当に今回お聴きできて良かったと思います。分かっていたようでどこかつかみきれなかった我が子の気持ちを先生が代弁してくださっているのだと思いました。
まだ幼児期で、療育を始めて8カ月なので、これから迎える学童期・思春期・告知の問題など、全く意識していませんでした。もちろん支援の方法も療育の先生方と相談して手探りの状態です。でも、自閉症の本当の意味を知ることが本当に大切で、どのようなことが苦手か、まず何から課題に取り組んだらいいかを知って、一筋の光が見えてきました。本人が「楽しきかな人生」と思える人生にしてやれるよう、親として支えてやりたいと思います。
・ 聴覚過敏・特定の友達への強いこだわりなど、実際のわが子とかぶるお話が聞けて、とてもよく理解できたので良かったです。不安が強いとこだわりが強くなるというのは、本当にそうだなと普段の子どもの様子を思い浮かべ実感できました。告知は知的障害のない子どもだけのものと思っていましたが、知的障害のある子にも必要とのお話、とても参考になりました。わが子にも知的障害があるので、DVDでの告知場面を見ていて涙が出てきました。ありがとうございました。
・ とても感動的なお話でした。自分が自閉症の子どもの親になったことを「甘んじる」のではなく、「選び取って」味わって生きることができるようになりたいです。
・ 子どもが自閉症です。なんとなくそうではないかと思い始めた時に、最初に手にした本が吉田先生の本でした。その中で「親が我慢して苦労して育てるのではなく、親が子育てを楽しんで育てた子どもは幸せ」というような言葉がありました。今までもこれからも、私はその言葉をモットーに子どもを見守っていきたいと思っておりますし、
同じ悩みを持ったお母さんにもそう伝えていきたいと思っています。
・ 子どもと接する中で共感できるところがたくさんあり、親近感が持てました。悩んでいた部分もありましたが、少し楽になりました。とてもお話が分かりやすかったです。もう一度家族で聞きたいと思いました。
・ 診断告知のお話が聞けて良かったです。自閉症児の母という選択肢を「甘んじる人」「選び取る人」のお話をされたとき、ドキッとしました。私は今どちらなんだろうと考えさせられました。
・ 点字ブロックの話はとても分かりやすかったです。今までの障害に対する考え方が変わりました。世の中の流れが自閉症の人にもそれ以外の人にも暮らしやすくなるよう、私ももっと勉強していきたいです。
・ 吉田先生との出会いが私にとってはとてもうれしかったです。今までも色々勉強してきましたが(先生との相性もあるのでしょうが)、とても納得できるお話が多く、さらに自分の中で応用して考えられる話題・方法、そして「今までのやり方が間違っていなかった」と改めて確信できる場になりました。

 【教育関係者アンケート】

・ 「自分のことが自分で好きになってほしい」の願いのもと、どこまでもASDの方に寄り添って、自身の特性への気づきが強みを生かして生活で必要な術をつかんでいくことや、自信を持って生活するこにつながるように支援されている先生の実践が、本当に勉強になりました。今接している生徒への支援をもう一度見直していきたいです。(養護学校教諭)
・ 子どもにとって大切な自己肯定感、まずは安心・安定・信頼の中での成功体験が大切だということを知り、定型発達でもつながるような深い部分のことを学べました。(保育士)
・ 子どもが直面する困難の中で、優先順位の高いもの、課題にすべきことかの判断、クリアできる課題の見極めとアドバイス。先生のお話を聞いてより一層意識して向き合わねばと再認識できました。先生の声のトーンや話し方がとても心地よく、これから子どもたちと向き合う時のお手本にしたいと思いました。(保育士・介護福祉士)
・ 具体的な事例のもと、支援の方法を教えていただき、関わり方や特性を理解することの重要性を感じました。告知についての講演は初めてだったのですが、伝えればいいという簡単なものではなく、そこにいきつくまでの支援の積み重ねによることがいかに大事なことかを知りました。(保育士)
・ 子どもの自己肯定感の大切さ。生きていく上で全てのことにおいて決して忘れてはならないことなので、改めてそこなんだなと思いました。子どもを支援していくにあたって、一人一人の特性を理解して、安心した中で生活ができるように、支援の在り方をしっかり考えていきたいと思いました。告知の部分は難しさを感じましたが、お話が聞けて良かったです。今回初めて先生のお話を聞かせていただきましたが、医師といった立場でのお話がとても勉強になりました。分かりやすかったです。(保育士)
・ 去年夏の東京での研修会で先生のお話を伺い、(こんな言い方は失礼だと思いますが)医療の方でこんなにもお母さん方や子どもたちの立場に立って考えていただける方、しかも医師の先生がいらっしゃることを大変ありがたく思いました。今回の内容だけでなく、順を追って詳しく勉強したい思いはありますが、また次回先生にお会いできる機会をとても楽しみにしています。少し遠い岡山ですが、またお越しいただきたいし、私たちも勉強に行かせていただきたいと思います。ありがとうございました。(保育士)
・ 要所要所で具体的な例や支援方法をお話してくださり、とても分かりやすかったです。また、先生はどのように告知されているのかを実際に映像でも見せていただき、とても勉強になりました。あっという間に時間がすぎ、とても有意義な時間を過ごせました。ありがとうございました。(幼稚園教諭)

 【その他の立場の方からのアンケート】

・ 日々、発達障害を抱えたお子さんと接していく中で、行動の一つ一つにどのようにアプローチしていくべきか、どのように捉えるべきか、改めて考えさせられた気がします。非常に勉強になりました。生活の安定が非常に重要だということも改めて感じました。(臨床心理士)
・ 吉田先生の精神科医の立場から「自分は大丈夫。自分を好きになるような支援をする」という言葉がポジティブで心に響きました。レジメが分かりやすかったです。「こんな告知は危険」は初めて知ることができたので良かったです。子どもの立場に立って、子どもを信じ、寄り添う支援が大切なんだと改めて思いました。先生の「どんな困難も必ず具体的策で乗り越え、安定する。まずは大人が子どもを信じる」という言葉が心に響きました。子どものことをありのまま伸治、安心させられるような支援者になりたいと思いました。(学生)

教師・保育士対象 即実践講座

まもなくスタートする川崎医療福祉大学:重松孝治先生の即実践講座(基礎編&上級編)ですが、まだ空きがございます。皆さまふるってご参加ください。
途中から参加の方でもDVDを貸出しますので、どうぞお問い合わせください。

【即実践講座 基礎編】
   ☆第一回☆ 平成22年5月14日(金)19:00〜20:45
   ☆第二回☆ 平成22年6月25日(金)19:00〜20:45
           岡山県生涯学習センター 大研修室
  対 象 : 教職員・保育士やそれを志す人対象。施設・福祉関係職員も可。
         (申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)

【即実践講座 アドバンス(上級編)】
   ☆第一回☆  ※第一回と第十回は基礎編と同じ日時・内容です。
   ☆第二回☆ 平成22年6月3日(木)19:00〜20:45
           岡山県生涯学習センター 大研修室
   対 象 : 過去の重松孝治先生の即実践講座を受講したことのある人。

  どちらの講座も参加費・申込先は一緒です。同封のチラシをご覧ください。
   参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
   申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)

保護者対象 支援ツール教室

香川大学教育学部:武蔵博文先生の「保護者対象 支援ツール教室」を今年度全4回で開催します。

武蔵先生は「18歳の春を目指す親子療育クラブ」で保護者へ支援ツール作りの指導をしてくださっている先生です。我が子にピッタリ合った支援グッズをどう作ったらいいか悩んでいるお母さん方、同じお母さん仲間がほしいなと思っておられる方、色々な情報がほしいなと思っておられる方、どうぞこの機会にご参加ください。
会員外の方も参加できますので、お気軽にお問い合わせください。

日 時  @5月11日(火) 
      A6月8日(火)
      B6月22日(火)
      C6月29日(火)
時 間  9:30〜12:30(遅刻・早退も可)
場 所  きらめきプラザ 2階(岡山市北区南方2-13-1)
参加費  育てる会正会員 5000円(一括)
       一般・賛助会員 10000円(〃)
申込先  育てる会事務局(086-955-6758)
  ※欠席の会は、DVDを貸出します。

会員のページ

以下のページの行事は、育てる会会員の方しか参加できません。
 ※ボランティアとして参加する場合は除きます。

参加希望の方は、正会員 (入会金 3000円+1ヶ月 1200円×3月までの会費)に入会してください。
入会についての問い合わせは、育てる会事務局(086−955−6758)まで。


「吉田友子先生セミナー 上映会」

日 時  平成22年5月17日(月) 10:00〜15:00頃
場 所  太陽の家(育てる会事務局のある建物 赤磐市和田194-1)
対 象  育てる会正会員
参加費  500円
 申込先  育てる会事務局(086-955-6758)
  ※今月の母の想いを語る会はお休みです。

「18歳の春を目指す親子療育クラブ」

平成22年度第1回目の18歳の春を目指す親子療育クラブを開催致します。
本年度も、みんなで、頑張っていきましょう。

日 時  平成22年5月14日(金) 10:00〜13:00(受付9:45〜)
場 所  きらめきプラザ2階 研修室
          (岡山市南方2丁目13-1 岡山県総合福祉・ボランティア・NPO会館)
対 象  「平成22年度 18歳の春を目指す親子療育クラブ」に参加申し込みをされた方
持参物  年会費 5000円
内 容  @会の運営と本年度の活動についての説明
      A我が子に対しての目標づくりと活動グループについての説明
      Bグループにわかれて、目標づくりをする

*本年度のスタートは、まず、我が子の将来を想像して目標を立てることから始めていこうと思います。我が子の○歳の春をイメージして、この1年間は、何を取り組んでいくかということを考えていきたいと思います。すでに作っておられる方は、ご持参ください。
初めてという方も、5月14日に集まってから、他の人の話を聞きながら作り始めてくださったらいいです。当日一緒に考えていきましょう。
14日には、時間があれば、こちらで用意した紙に書いていきますので、そのつもりで必要な物をご持参ください。
☆第2回目は、6月2日(水)重松先生との勉強会です。
☆18歳の春への申し込みは、随時受け付けておりますので、ご希望の方は育てる会事務局にお申し込みください。
(21年度18歳の春担当:N)

「OHAの会」

OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。利守先生が毎回暖かなアドバイスもしてくださいます。

日 時  平成22年5月28日(金)10:00〜12:00
場 所  きらめきプラザ2階 大会議室3
参加費  500円(当日集金)
持ち物  「アスペルガー症候群の子育て 200のヒント」(東京書籍)
申込先  育てる会事務局(086-955-6758)

「AAO活動」

新年度に入り、早一ヶ月が経とうとしています。
皆さまいかがお過ごしですか?

我が息子は、変化の大きい新年度を迎えながらも、意外と落ち着いて過ごせています。
ストレスは抱えているようですが・・・先日は、約15キロある春の徒歩遠足にみんなと一緒に最後まで歩いて参加しました。逞しくなったなあと成長を感じています。
さて、今年度最初のAAO活動は、初顔合わせということで、みんなで同じ場所に集合してからの出発にしたいと思っております。ご協力をよろしくお願いします。

日 時:5月16日(日)☆今月は第3日曜に変更させていただきます
     10時〜12時(活動終了時間は個々の活動内容に応じて決めてください) 
場 所:きらめきプラザ 2階リフレッシュコーナー(自動販売機の前辺り)
        岡山市北区南方2丁目13-1(旧国立岡山病院跡)

今年度は、事前の説明会は行いません。
担当ボランティアさんのお名前や連絡先、活動費などは、追って各ご家庭へ連絡させていただきます。
担当ボランティアさんへは、活動に関しての説明のお手紙と、皆様が事務局へ提出しておられますプロフィールを事務局より送付させていただきます。

今年度最初の活動ですので、顔合わせも兼ねて、なるべく 「いっせいの!」 でみんな一緒に活動スタートしたいと思います(^^)
ご都合がよろしければ、ご協力をよろしくお願い致します。また、お子さんと離れることが出来てお時間のある方は、活動の間親同士で座談会などできたらよいなあと思っています。

今年度もどうぞよろしくお願い致します。

(AAO活動担当:K)

「クローバーの会」

4月10日に、4家族で、ドイツの森に行きました。
今回は、各自お弁当を持参して、昼食を、ドイツの森の園内にある芝生で食べました。前日まで、雨を心配していましたが、当日は晴れてくれました。外で、みんなと食べることができて、とても気持ちがよかったです。
お弁当を食べた後は、子ども達は、動物たちと触れ合ったり、芝すべりをしたり、ボート、変形自転車でサイクリングと、体を動かして遊びました。遊んでいるうちに、子供達の表情も気持ちもやわらいできて、ボートの時などは、「○○ちゃん」と大きな声で、お互い呼びあったりしていました。やはり体を動かして遊ぶっていいなあと思いました。
午後3時からは、体験教室(イチゴタルト作り)に申し込みをしていたので、みんなで、タルトづくりをしました。我が家は、家に帰ってから、家族や親戚のおばさんにあげたりして食べました。おいしかったです。
最後に、次回の活動の話をして、解散しました。活動内容を決めるにあたっては、クローバーの会も、女の子の集まりとはいえ、子ども達の年齢に幅があったり、やりたいなという活動も本当に様々だったりします。
活動内容を決めるのが、いつも難しいなあと思うのですが、そのつど、話し合って、お互い歩みよりながら、決めていっています。これからも、子ども達が楽しい時間を共有しあっていけたらいいなあと思う母達でした。

 〜平成22年度 クローバーの会のご案内〜

育てる会の22年度に向けてのアンケート結果を受けて、参加したいとか、もっと詳しく知りたいという方がおられましたので、今、活動している6人の母親と一緒に集まってお話をする会を、本年度も、下記のように計画いたしました。
クローバーの会は、どんな思いで発足したのか。今まで、どんな活動をしてきたのか。活動をしてきてどんなよいことがあったのか。反面、どんな問題点もあるのか。会報に載せている報告内容だけではわからないことについて、活動中のメンバーから話しを聞き、または、自分も、参加したいとは思っているけれど、こんなことを不安に思っている。とか、なんでもいいので、お互いに雑談をしあいませんか。クローバーの会に興味をお持ちの保護者の方のご参加をお待ちしています。
ちなみに、今、現在活動しているのは、中学2年生、小学校6年生(2人)、小学校5年生、小学校4年生、小学校3年生の高機能自閉症・アスペルガー症候群の女の子達6人です。
日時  平成22年5月13日(木) 10:00〜12:00
場所  きらめきプラザ2階 中会議室
        (岡山市南方2丁目13-1 岡山県総合福祉・ボランティア・NPO会館)
対象  クローバーの会に参加したい。
     または、詳しい話を聞いてみて考えてみようと思われている正会員保護者
     (高機能自閉症・アスペルガー症候群の女の子対象)
申込先  育てる会事務局(086-955-6758)

サッカークラブのお知らせ

日 時 : 平成22年5月23日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場 所 : 旧・岡山中央南小学校グラウンド(岡山市中山下)
持ち物 : マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札
       お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
       親リーダーはグループノート
*雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきてください。
 保護者の方も忘れずにお持ちください。
*体験・見学の申し込み・お問い合わせ・欠席の連絡は担当までご連絡ください。
(サッカークラブ担当:S ・ T)

水泳教室のお知らせ

日 時 : 平成22年5月16日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市絵図町1-50)
          ※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
  体験は1回2000円(保険代込み)です。
★欠席される方は、必ず5月10日(月)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
(水泳担当:M ・ I )

お母さんコラム

このコーナーでは、自閉症の子どもを持つ保護者の方から、わが子にまつわるエピソードを色々教えていただきご紹介しています。詳しくは事務局までご連絡ください。


 公表、告知、娘は中学生になりました。 〜6年生の娘〜

6年生は、娘の精神的成長とそれに伴い中学進学の選択に揺れた一年でした。
交流のクラス担任は、5年生に引き続きN先生でしたが、情緒のクラス担任は前任のH先生が他校に移動されたため、F先生に変わりました。
今まであまり関わりのない先生だったこともあり、やや不安なスタートとなりましたが、これまでの流れを崩さず、娘の好きなこと、興味のあることを中心に活動を広げてもらいました。
生け花を校長や学校の玄関に飾ったり、折り紙でコマを作り運動会の商品にしたり、1年生に紙芝居をするなど、少しでも地域に貢献する活動を広げてもらい、娘の新たな一面が見れました。親では引き出せない部分であり、娘自身も気づかない部分だったので、担任の先生や関わりのある先生の支援のおかげだったと感謝しています。
ただ、好きなことへの取り組みはうまくいったのですが、中学に向けて苦手な勉強から目を背ける訳にはいかず、漢字や計算・歴史・料理・裁縫と、生きていくために必要な学習を中心に取り組んでもらいました。
テストに関しては、実際の学年のテストを受けることができないため、高学年から試験を受けることもなくなっていました。中学に入ると、情緒クラスは実力テストや模擬試験・定期試験は、ほぼ健常児のクラス同様の内容で行われます。その時点で、まず落ち着いて受けることができるのか・・・。試験に慣れていること、点数が問題ではないこと、取れた点数を喜ぶことの学習が親子で必要だと思います。
情緒のクラスには、二学期から低学年の男の子が二人加わり、低学年の男の子が三人になったため、クラスの中が少しずつ騒がしくなりました。そのため、イライラすることが増し、トラブルが起きたこともありました。
異学年の授業には、今でも感じますが、クラスの環境整備と一人一人の子どもに合った支援の充実が必要だと思います。
友達に関しては、以前から逆交流という形で続いていた給食でしたが、5年生まで娘を支えてくれていた友達が離れていったこともあり、少しずつ時間が経つにつれて、来てくれる友達も少なくなり、12月頃にはほとんどなくなりました。
その理由は、娘の成長と友達の成長の幅と、興味の幅の違いのように感じます。
娘は空想の世界のアニメや小説に興味が深くなり、友達はアイドルや異性・流行歌に興味がうつり、共通の話題のズレが生じ始め、お互い何を話題にしたらいいのか分からなくなったようです。さすがに寂しい時もあったようで、交流クラスの先生が好きだったので、先生の隣で給食を食べながらお喋りを楽しんでいたようです。親としてこのようになってできることは、離れていった友達を嫌いにさせないことでした。
好きなこと・興味のあることで友達が変わっていくのは特別なことではないこと、今友達がいなくても大丈夫なこと、大人になってからでも友達はできること、今現在あなたを思っていてくれる人がたくさんいることを伝え続けました。学校や友達を恨むことなく育てることの大切さを親子ともども身をもって勉強したと思っています。
しかしその後、この成長が次の問題へと波紋を広げていきました。
すでに地域の中学への進学を決めていた1月下旬、娘の口から「○○中学に行くのが不安。違う小学校の人たちもたくさん来るし、私のことをどんな目で見るか分からない。中学は勉強が中心で私には無理」と何度も訴えるようになりました。
もちろんそれ以外にも、触角過敏・聴覚過敏・味覚障害・視線恐怖を抱える娘、地域の中学校に小学校のように通えるのか。この6年間一生懸命頑張ってきた娘にこれ以上頑張れということが幸せなのか・・・。母としての判断もまた揺れていきました。
2月上旬、もう一度進学について、小学校・主治医、以前療育でお世話になった先生に相談し、再度養護学校の見学をして、娘に判断を任せることにしたのです。養護学校の見学は主に同学年のクラスの友達の活動や中学校の授業を見学しました。コミュニケーションを第一に考え出した娘の答えは
「どっちを選んでもきっとしんどいことがある。でも少しでも友達と話したり、おしゃべりのできる可能性の高い地域の中学に行きたい」
と2月中旬最後の決断をしたのです。
3月には無事に卒業式にも参加、6年間の小学校生活を終えることができました。
こうして自分で判断したことは、中学校生活の中でも大きな力になってきているようです。
(チェリーママ)

赤磐ぐんぐんだより

新年度が始まり、一か月が経ちました。お子さんは、学校や園の新しいクラスには慣れましたか?赤磐ぐんぐんでも、新しいクラス編成で今年度がスタートしています。
今まで同じクラスだった子とは違う子どもたち、新しい先生、新しい部屋の中、子どもたちも随分慣れて、毎日楽しそうな声が療育室から聞こえてきます。
お母さんたちも新しい仲間たちと親睦が深まっているようで、時には大笑い、時には共感しあって涙するような、暖かい雰囲気が保護者ルームからも伝わってきます。
赤磐ぐんぐんでは、3月末〜4月頭に少しお休みをいただいて、部屋の構造化やプログラムの立て直しを行いました。
自閉症の人は「変化が苦手」とよく言われます。
「慣れ親しんだもの・手順でないと混乱する」と思われている方も多いかもしれません。
ところが、実際に変更や変化を取り入れてみて思うに、自閉症の人にとって「良い変更」「自分にとって分かりやすい内容」はむしろ受け入れが早いのではないでしょうか。
混乱したり嫌がったりするのは、なぜその変更がなされたかが分からないからだったり、今まで自分がやっていた好きな活動がなくなってしまうのではないかと不安だからなのかもしれません。
毎年変化をする赤磐ぐんぐんの部屋。
狭いスペースの中、いかに子どもたちに分かりやすい活動場へと活用するか、いかに子どもたちの集中力や持続力を増すように工夫するか、そしていかにスタッフの動線を考えて配置するか。
「変化が苦手」という固定観念から脱却し、「良い変更は積極的に」「きちんとした理由に基づく変化を」取り入れてみてはいかがでしょうか?
今後の会報の中で、機会があれば赤磐ぐんぐんでの構造化の写真や活動紹介もしていけたらと思っております。ご期待ください。
 (松田 紗代)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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