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平成22年10月31日

 

 第150号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 150号 目次

     風の鳴る音にも

     支援者養成セミナーの報告

     のびのびキャンプ報告

     教師・保育士対象 即実践講座のご案内

     18歳の春を目指す親子療育クラブ・OHAの会・母の想いを語る会

     AAO活動・サッカークラブ・水泳教室のお知らせ

     私のお薦め本コーナー
         『 あきらめないで!自閉症 〜幼児編〜』

     近隣の講演会等のご案内

     あかいわ発達障害支援センター NEWS

     赤磐ぐんぐんだより

風の鳴る音にも冬の気配が感じられる頃となりました。
刈り入れの終わった田んぼを雉がヒョコヒョコと歩いています。
雉は冬をどうやって過ごすのかなぁ・・・冬支度はできているのかなぁ・・・と、ちょっと気になりました。
ついこの間までの暑さが 信じられないくらいの寒い日が続いておりますが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?
まず、我が家のことで、大ニュースがあります。
遂に、初孫が誕生しました。娘の付添をしながら、今この文章を書いております。
娘は出産の為、この産婦人科に入院してすでに3日目の現在は夜中の23時18分です。
陣痛は次々来るもののお腹の子はなかなか出てきてくれません。
そろそろ4日目に突入です。
今までずーっと付き添っていた旦那さんと替って、母が付き添うことになりました。
腹式呼吸に息を合わせながら、腰のマッサージを手伝っていると、ずーっと昔の彼女を産んだ時の記憶が蘇ってきました。私も難産で苦しんだものでした。
母となる身なら誰もが通る、産みの苦しみのその中にいる娘に、ただ、ただ母は、腰をさすってやることしかできません。
娘は小柄で骨盤も小さいのか、赤ちゃんが思うように下りて来てくれないようで、苦労しています。
長い陣痛に体力を使い果たしたようで、陣痛は来るものの、3日以上の長い戦いの為か、押し出す力がなくなってきたようです。このままでは、出産も難しいとの判断で、いったん妊婦を休ませて、力を溜めてから出産に臨むという方法をお医者さんが、取られたようです。今は、張りを抑える点滴をしてくださっているようですが、効果のほどはいまいちです。
この間に体力を回復させようと助産婦さんが、
「力を抜きなさい」
「リラックスしないと、そんなに緊張していては、赤ちゃんが可哀想」
「そんなことでは赤ちゃんは産まれてこれませんよ」
と励ましてくださっています。けれどこの声かけは、逆効果でした。
殆どが否定的な声かけで、これではかえって緊張も増えていくようでした。
私たち自閉症の子どもを持つ母親は、子どもに接する時できるだけ肯定的な言葉かけをするようにと教わります。妊婦にもそれは同じだなと、この助産婦さんのお話しぶりを聞きながら思いました。
リラックスしないといけませんと言われて、リラックスはできません。
リラックスするような声かけが大切です。
「緊張したらダメでしょう!」と叱るとかえって緊張感は増します。それより、緊張を和らげる声かけをして欲しいものです。
「大丈夫よ!」
「じょうず、上手」
「そうそう、その調子だよ」
わたしは、娘を元気づけるように、肯定的な声かけを心がけました。
それでも一度落ちた気力、体力は、なかなか回復しそうにありません。
「陣痛の合い間に少しでも眠るようにしなさい」と言われてはいても、緊張と疲れで張り詰めているせいか、なかなか眠れないようです。体力はどんどん奪われていくようです。
それでも陣痛の間、ほんの1分2分の細切れの時間をトロッと眠りに落ちるようでした。
「頑張れ!娘よ・・・。」誰もが通る母への関門です。
真夜中の3時30分、しばらく家で休んでいた娘の夫Uさんがやってきて、私は交替して家に帰りました。朝8時、私が再び訪れた時の娘には、もう体力は残っていないようでした。
死闘のような4日目の末、力尽きた娘は医師が勧める帝王切開に同意しました。
手術が始まって5分後、手術室の前で待つUさんと私の耳に元気な産声が聞こえてきました。
あまりに嬉しくて、Uさんと2人手を取り合って、喜びあいました。
やっとやっと産まれてきた娘夫婦にとっては、初めての子どもです。
私たち夫婦にとっても初孫の誕生の瞬間でした。
元気そうな男の子です。
思い出してみると、私も難産でした。
けれど、産みの苦しみはなぜか赤ちゃんの産声と共にすっかり忘れて、ただただ、母となった喜びに満たされて、私は幸せでした。
あの日、産室の中には夕日が差し込んでいて、明るい光に満たされながら、母となった喜びをかみしめたのを今でもはっきり覚えています。
女の子と分かった瞬間、この子もこんな感激を味わうことができるのかと、嬉しくてうれしくて、涙が止まりませんでした。
「女の子でよかった・・・」とつくづく思ったものでした。
その女の子が今日、母になりました。
あの日、「この子が幸せな人生を送れますように」と、母は神様に祈りました。
そして今日、「無事に産ませてやってください」と神様にお願いしました。
いつだって私の願いを神様はかなえてくださいます。
たしかに娘は、幸せな人生を歩んでいると思えて、私も嬉しく思いました。
さて、例の哲平君の赤ちゃんに対する反応ですが、初めての赤ちゃんの誕生にも、何の感慨もなさそうです。
「あっ、赤ちゃんがいるな・・・」「それがどうした・・・・」くらいの反応でした。
特に興味もない様子で、私としては、予想通りでした。
娘は、哲ちゃんと赤ちゃんの初めての対面シーンをビデオに撮りたいといいましたが、何の特別なこともありませんでした。
以上、我が家にとっての大ニュースでした。

さて、10月には、育てる会でも大きな行事が二つありました。
「のびのびキャンプ」と「服巻智子先生の講演会」です。
10月2日〜3日には、吉備青少年自然の家で、「のびのびキャンプ」を行いました。
のびのびと子どもたちが、それぞれのペースで楽しく2日間を過ごすというのが、このキャンプの目的の一つです。
そして、もう一つの目的は、将来教育や福祉の現場働く事になるであろうボランティアの人たちに自閉症の事を学んでもらいたいということでした。
キャンプを行う前に、ボランティアさんたちには、自閉症の特性についての研修を受けていただきました。講師はこのキャンプのプログラムリーダーを務めていただいている川崎医療福祉大学の重松孝治先生です。
また、事前にプレキャンプを行うことで、担当のボランティアさんと子どもの顔合わせを行いました。その時にお母さんから、お子さんの特性や好きなことや得意なこと、また苦手だけれどここを育てたいと思われていることなどを、前もってよく聴かせていただいたうえで、ボランティアが二日間のその子のスケジュールを考えていくという形で取り組んで行きました。
どんなスケジュールがいいのか、どんな遊びが出来るか・・・。様々な場面を想定して、一番良いと思える方法を考えて、本番のキャンプに臨みました。
10月2日午前9時。集合場所の岡山駅前にある林原駐車場に子どもたちが続々と集まってきました。
ボランティアさんは緊張の面持ちの方から、案外リラックスしている人まで、様々です。
本当の大変さを知らないからリラックスできるのかもしれないぞと、思いました。
子どもと離れる経験は、お母さんたちにも不安だったのでしょう。緊張気味のお母さんもおられました。
でも、キャンプにず〜つと参加してこられている経験者のお母さんたちは、信頼してくださっているのでしょう、「ああ〜、今日は下の子とゆっくり付き合ってあげれるわ〜」ととてもうれしそうです。そうです、お母さんにとってものびのびゆっくり出来るのが、このキャンプの2日間なのです。
心配をしないで大丈夫。しっかりお世話をしますので、お母さんもゆっくり休んでくださいと、お母さんたちとお別れしました。私は、バスには乗らず、荷物を積んで自動車での別行動です。バスは、嬉しそうな子や緊張感でいっぱいな子を乗せて、いざ出発!!
途中バスの運転手さんがうっかり道を間違えられたらしく、岡山市の「日応寺少年自然の家」の方へ行ってしまったそうです。
すると静かなバスの中でトークアシストの声が「あやまち」「あやまち」「あやまち」・・・・と流れたそうです。
S君は、日本で初めてトークアシストを使いこなしたという高校生です。
言葉がなくても前に通った道をきっちり覚えていた彼は、運転手さんがあやまちを犯したことをチャンと指摘してあげたのでしょう。さぞかし運転手さんもあせられたことでしょう。
キャンプの始まりは、そんなアクシデントのお蔭で和気アイアイの雰囲気が出来てかえって良かったのかもしれませんね。
のびのびキャンプの色々は、キャンプの報告書が参加者の皆さんへは届きますから、お楽しみに・・。
また、参加報告会が、11月21日にきらめきプラザで午後1時から行われます。
当日の様子や成果の報告をさせていただきますので、参加者の皆さんはどうぞお集まりください。
また、来年参加したいなと思われる方もどうぞご参加くださいね。
のびのびキャンプは今年で3回目です。毎年参加されているお子さんは、成長を重松先生と一緒に感じることが出来ました。
ボランティアさんにとっては、とても勉強になったと思えるキャンプだったことでしょう。私は、2日間とも事務方の支援で、直接子どもたちにかかわることはありませんでしたが、それだけにとても冷静に子どもたちや、ボランティアさんの様子を見ることが出来ました。
はじめのうちは、声かけがとても多くて、言葉による指示が飛び交っていました。ところが、重松先生のアドバイスで、言葉ではなく書いて伝えるという形に変えたところ、それまでとは打って変わって、子どもが安定したように見えました。
ボランティアさんのお一人が、こう言われたのが印象的でした。
「書いて伝えようと思うと、考えないといけないんですよ」
そうなんだ〜。そういえば、私たちは言葉で伝える時、考えたことを、すぐにそのまま口に乗せてしまいますが、それでは自閉症の彼らには伝わりにくいようです。
どんなふうに伝えればいいかな・・・と書く前には考えなければなりません。そうすると、一呼吸おくことになります。
書くということは、しゃべるほど長い文には出来ませんからおのずと簡潔な文になります。
「ああ〜、このボランティアさんは、いいとこ気付いたなぁ〜」と思いました。
こんな風に自閉症の彼らが、若い支援者を育てていくのです。のびのびキャンプで、学生さんが学んでくださって育って下さるということが、結果として、岡山の福祉の現場や、教育の現場の自閉症理解が広がっていくことにつながると思うと、忙しかった準備を頑張ったかいがあったというものです。詳しいキャンプの報告は、後のページをご覧ください。

さて、育てる会の事務局は、その後も大忙しの日々が続きました。
のびのびキャンプから2週間後の10月16日、服巻智子先生の「思春期から青年期に向けての支援の方法」というテーマでの講演会がありました。
国際交流会館のイベントホールを借りての講演会は、溢れるばかりの人たちで満員になりました。
服巻先生のファンの方は勿論、初めて服巻先生を知ったという方まで、先生はその明るさと持ち前の優しさのパワーで一気に会場のみなさんを魅了されてしまいました。
当日のお話は、続きのページに詳しく報告がありますが、私も特にお話の中で皆さんにお伝えしたいことがあるので書かせていただきます。
大抵の知的障害のない自閉症スペクトラムのお子さんは、周りからもその障害を解ってもらいにくいと同時に、親からも解ってもらえていない事が多い。
親のプライドとは関係なく、本人に合った教育をしてあげてほしい。
今の日本の現状は、普通学級で、統合教育を本人が頑張れる間は頑張らせて、ダメになったら、特別支援学級へいくという流れになっている。
佐賀では、逆に早くから 特別支援教育を徹底的にやる。すると5年生・6年生で統合するということが可能になる。そうやって大学へ行き、そして、就職している。
20代前半で、親元を離れて就労して自立していくには、早い段階で特別支援を受けるかどうかにかかっている。
「普通に生きることを、あきらめて」と先生は言われました。
佐賀県では、一歳代で自閉症スペクトラムを発見して、2歳代から訓練をはじめるそうです。早期発見して、早期に対応するそのシステムが、それいゆを中心に出来ているということです。
「佐賀はお金のない貧乏な県なのよ。お金がないからこそ人を大事にするのよ。自閉症の人を働く人に育てていかなきゃね。」
着実な取り組みをすでに行っておられる佐賀に岡山は学んでいかなければならないと思いました。
早期発見について、ぜひお話をお聞かせいただきたいと、強く思いました。
また、思春期青年期の性についてのお話も丁寧にお聴きしました。
参加者の方の報告とアンケートがありますので、ご覧ください。

さて、服巻セミナーの次の日、我が家は、恒例の蒜山高原マラソン全国大会に出場しました。
哲平は、ハーフマラソンに、父さんは10キロ、私は3キロに出場です。
3人とも記録更新で、哲平は、去年よりも5分もタイムを縮めて1時間19分54秒でした。
全体の8位、高校生から39歳以下の部門別では、6位入賞でした。
初めて蒜山の10キロを山口衛里さんの伴走をいただきながら走ってから、5年目の今回。
哲平は一人でペースを作り、入賞できるようにまでなりました。これは先日の湖山池マラソンでの障害者部門でのメダルではなく、一般のランナーの中での入賞なので、余計に嬉しく感じられました。
いっしょに走った桃太郎夢クラブの市民ランナーの仲間のみなさんからも「哲平くん、スゴイ!頑張ったね!」と口ぐちに褒めてもらい、入賞したみなさんと一緒に記念写真をパチリです。
そんな哲平の頑張りのお蔭で、日頃の疲れも吹っ飛びました。
私は、自閉症の子にマラソンはとてもいいと思うのです。個人競技ですから、人に合わせる必要はありません。一人でコツコツ練習することが出来ます。毎日走っていると、力はドンドンついてきます。大会がたくさんあるので、力試しも出来ます。ゆっくり親と一緒に走って力が付いているかどうかを試す為に、大会出場してもいいと思います。
有酸素運動は、情緒の安定にもとてもいいと聞きましたが、それで哲平は思春期から青年期に安定して生活できたのかもしれませんね。
じつは赤磐市の山陽ふれあい公園で第一と第三日曜日の9時から、「スペシャルオリンピックス陸上山陽」というプログラムを行っております。
現在18人の知的障害を持つ子どもやその兄弟が、参加しています。兄弟は、見本を見せてくれるボランティアさんという位置づけですから無料です。参加はいつからでも出来ますので、一度見学にいらっしゃいませんか?
小さい人は、小学一年生から大きい人で28歳の成人の方までゆっくり自分のペースを守りながら、親も一緒について走ったり・・・歩いている人もあります。
一人では、ついつい怠け心の方が勝ってしまいますが、みんなと一緒なら、やれそうに思えませんか?
障害のある子たちばかりですので、遠慮はいりません。
自閉症の親がファミリーリーダー(私です)なので、視覚支援を出来るだけ取り入れて、解りやすいプログラムにしております。また、コーチは自閉症や知的障害のある親と養護学校の先生や赤磐市の体育指導員の方ですから、障害に理解があります。安心してご参加ください。
スペシャルオリンピックス(SO)について詳しいことを知りたい方は、「スペシャルオリンピックス日本 岡山」とインターネットで検索してみてください。
岡山では、陸上の他に水泳・ボウリング・バトミントン・フロアホッケー・馬術などが行われています。
陸上山陽のお問い合わせは、086−955−6758まで(育てる会事務局)。
その他の問合せは、086‐200‐1155(SO事務局 蓑さん)まで。

最近の、嬉しい話です。
哲平の行きつけの耳鼻科に育てる会会報が、受付の横のテーブルにしっかり見やすい状態で置いてありました。
一人でこの耳鼻科へ行くことが多いので、「ああ〜あの子だ」と思っていただけたらありがたいです。
「障害があっても、地域でみんなの中で、普通の暮らしがしてほしい。」
それが私たち夫婦の願いです。育てる会の会報を読んで下さった方が、自閉症を知ってくださるだけでありがたい。なにやら独り言をいいながら、待合室で待っている哲平が目に浮かびます。
Y医院の皆様ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。
最近の、笑えるお話です。
蒜山のマラソンからの帰り道のことです。
マラソンの後は、大急ぎで岡山へ取って返して、3時15分からはじまる育てる会のプールに参加しなければなりません。急いでいたので哲平の着替えは車の中でさせました。後ろの座席にいる哲平に「着替える時、下に水着を着ておいてね」と伝えました。
しばらく走った後、ふとバックミラーを見ると、何か赤いものが目に入りました。
なんだろうと振り返ってみると、なんと赤い水泳帽をかぶった哲平がポーカーフェイスで座っているではありませんか。
「・・・・」
水泳帽はプールに着いてからかぶるようにと伝えるべきでしたね。水泳パンツと水泳帽は、哲平にとってはセットなのでしょう。
こんな風に毎日哲平に癒されながら、楽しい日々を送っております。
服巻先生のお話の中で、佐賀のお母さんたちが、「我が子が自閉症で本当に良かった」と言われるというお話がありました。私も同じように思います。
自閉症が、大好きです。我が子も好きだし、児童デイサービスの赤磐ぐんぐんへ来てくれているお子さんの一人ひとりが可愛くって・・・、未来は大きく君たちには広がっているんだよ・・・。と伝えたい思いでいっぱいになります。いい支援を私たち親が、学んでいかなければその未来もただの夢に終わってしまいます。
育てる会では、そんな親御さんの為に、1月22日に京都より門 眞一郎先生をお招きします。
先生は、とてもわかりやすく自閉症の支援をお話下さる先生です。PECSやコミック会話について、自閉症の人のコミュニケーション支援についてのお話や、自閉症の人への投薬について、お医者様として詳しくお話いただけることになっております。
保護者の方だけでなく、ぜひ、お医者さまや、専門職の皆さんにも参加して、聴いていただけけたらと思います。
詳しいことは、同封の案内チラシをご覧ください。多くの皆さんのご参加をお待ちいたしております。
寒さに向かうおりから、お身体ご自愛ください。また、来月号でお会いしましょう。
育てる会代表 鳥羽 美千子

支援者養成セミナー 報告

10月16日、岡山国際交流センターでそれいゆの服巻智子先生をお招きして、「第5回自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー」を開催しました。
テーマは「思春期から青年期に向けての支援の方法 〜自閉症スペクトラムをもつ人の対人関係の支援について〜」で、思春期における対人関係や性の問題についても、先生から詳しくお話しいただきました。
参加された方からのご報告や、アンケートの集計も届いていますのでご紹介します。


服巻智子先生が開催される研修に参加させていただくと、自閉症スペクトラムの方のありのままの特性を奥深く知り、将来期待できる目指すべきヴィジョンを描くことができます。そして、そのヴィジョンに向けて今から取り掛かるべき具体的方策を数多く学ぶことができ、大変勉強になります。毎回、自閉症スペクトラムの子どもたちの支援に携わる自分自身が、今本当に支援者たる姿としてどうなのか、自らを鏡に映し出すような、身の引き締まる思いで参加させていただいています。今回の研修で、私が特に感銘を受けた、服巻先生の言葉を3つ紹介させていただきます。
@ 「自閉症スペクトラムの人は、必ず発達する、適応力がつく、そして働くことができるようになる。」
A 「心の成長を支える上で、ほがらかに、ユーモアをもって、その人をまるごと受け止めることが大切である。」
B 「対人関係の支援といっても、完成は、成人して自立して生活することにある。」
これらの言葉を通して、私が感じている雑感を若干述べさせていただきます。
・ 本校に勤務して2年目になりますが、日々つくづく感じることは、本校の保護者の方の子どもを温かく包む愛情と子どもの将来の幸福を願う熱意です。この愛情と熱意があれば、子どもたちは幸せに育って行くに違いないと、確信しています。幸いにも私たち教師は、平日であれば一日の中の4分の一も生徒と一緒に過ごすことができます。これからも、生徒一人ひとりの特性をよく学び、将来目指すべき姿をはっきりと描きながら、共に支え合って子どもたちの成長を育んでいきたいです。
・ 研修の中で、服巻先生は、「将来自立した生活を送るために、まず、基本的な生活習 慣の確立と一人でできることを増やしていくことが大切である。
そして、できるように なったことを人に認めてもらう経験を重ねることが必要である。」と、語られました。 
また、思春期において、モニターが非常に重要になることも教えてくださいました。
先日、私たち(本校中学部)は、総合的な学習の時間に、公園の奉仕活動を行いました。
繰り返し校内で取り組み自分たちでできるようになった草抜きや石拾いを、地域の中でも同じようにすることができ、町内のみなさんとふれ合う中で、もっと人の役に立ちたい、もっと仕事ができるようになりたいといった意欲が育つことをねらった授業でした。
事前に地域の方と連携を図り、「公園がきれいになったらうれしい。」といった地域の方のニーズをVTRで生徒に紹介し、みんなで公園の草抜きをすることを決めました。
そして、実際に公園で一緒に草抜き等を行いながら、たくさん感謝の声を掛けていただいた様子を岡山市電子町内会・平井ホームページに掲載していただき、ホームページを活用してモニタリングを行うという学習をしました。新聞記事の様に取り上げられた自分たちの様子を写真で見たり、「たすかりました」「ありがとう」と書かれた見出しの文字を読んだりして、嬉しそうな表情をしている生徒や真剣に見ている生徒など様々でした。
その後書いた作文では、「うれしかったです。」「次はもっと頑張りたいです。」といった生徒の感想が多く寄せられました。この公園での奉仕活動は2回しか行われませんでしたが、自分でできるようになったことが実際に認められ自己有用感が得られる機会を数多く作ることや、生徒の特性に合った視覚支援を用いたモニタリングをすることは大切であり、今後もそのような機会を多く作っていきたいです。
・ 今回の研修で服巻先生がNHK「プロフェッショナル」に出演したときのエピソード を話されましたが、第21回自閉症協会全国大会(本年7月17日)で茂木健一郎先生は、
「自閉症といっても脳の一つのタイプに過ぎない。どんなタイプの人であれ、与えられた条件の中で誰もが挑戦しようとしている。生きたい情熱がある。表現の仕方が違ったり分からなかったりするだけである。
また、どんなタイプの脳をもつ人での、最大の欠点の近くに最大の長所をもつ。最大の強みの近くに弱さがある。大切なことは、われわれ定型発達の脳のタイプから見たものさしで、彼らを標準化しようとするのではなく、彼らのもつユニークさを生かそうとすることが大切である。」と語られました。
ほがらかに、ユーモアをもって、その人をまるごと受け止めることが大切!自閉症スペクトラムの方一人ひとりをどこまでも理解して、どんなことがあっても笑って将来自立的に生活できる方向へ支援していくことができる、よきパートナーをこれからも目指していきたい、と強く感じた研修でした。
会を運営されているスタッフの方々、いつもこのような貴重な学ぶ機会を本当にありがとうございます。また、1月もきっと参加しますので、よろしくお願いします。
教諭  岸本 信忠

 【保護者からのアンケート】

・ 思春期はまだまだ先の話だと思っていましたが、性の問題がとても重要だと分かり、その教育は小3ぐらいから始めているとのことで、問題が起こるずっと前に知識を適切に与えることがとても大切だと思いました。その心構えや準備をする時間が、今ならまだあるので、今後の見通しがついて良かったです。もっともっと色々なお話を聞いてみたいと思いました。
・ 思春期に差し掛かる息子がいます。性の話が聞けて良かったです。自尊感情を育てることの大切さ、心にゆとりを持って、些細なことは笑い飛ばせるようになりたいです。
・ ツールBOXの説明の男の子の姿にとても感激しました。話し方が我が子そっくりで。こんな風にコントロールに前向きにとらえられるような成人になってほしいと思うと涙が出ました。
・ 思春期のお話や性のお話が日常的にはまだ日本では閉ざされた暗黙のルールになりがちで、後回しにされていることですが、自閉症の人は本当はすごく早期にきちんと教えておくことの重要さが理解できました。良かったです。
・ 先生にサインをいただいた時、「子どものことが今分からないんです」と伝えると、「親だからよ!」「親も楽しんで!」と声をかけていただきました。これからも笑顔だけは絶やさずにいきたいと思います。本当にありがとうございました。
・ すごく分かりやすく共感できることが多かったです。佐賀に住みたいと思いました。ファンになりました。今日から服巻先生の本を読みあさります。最後のビデオ、感動で涙が出ました。
・ 息子が思春期を迎えた時、どういう変化を見せていくのか想像しながら、不安もあり、少しでも支援の引き出しを増やしておこうと思い参加させていただきました。どんな時でも親の私が一番の理解者でありたいと常日頃から思っています。こうした講演会でお話が聞けるのは、本当にありがたいです。
・ 会報をいただいて、いつも参考になることが多く感謝しています。常に前向きに子育てしていても、心は正直折れそうになることもあります。そんな時にいつも育てる会の講演会に参加してはヒントを得て元気をもらっています。ありがとうございます。
・ 具体的な内容でとても分かりやすかったです。親しみを感じられる分かりやすいお話で、大変勉強になりました。ありがとうございました。
・ 服巻先生の講演会には初めて参加させていただきましたが、とても気さくで話の楽しさ・理解しやすさが大変気に入りました。ぜひまた違うテーマでも参加させていただきたいと思います。
・ どこまでも子どもたちに優しい味方である方なんだなぁと思いました。母親である私は子どもに「あなたの味方よ」と言ったことがあっただろうか?なんだか子どもに「ごめんなさいね!」と心から謝らなければ、今までの関わりで傷つけた彼のプライドを癒せないですね。癇癪の奥に傷ついた心があったことに大反省中です。
・ 経験を元に具体的にかつ現在の状況も踏まえてお話いただき、役立つお話でした。
また、ほしかった情報をたくさん得ることができました。
・ 毎回本当に新鮮な内容で勉強になります。本当に服巻先生のお話には元気をもらえます。
ありがとうございました。
・ ビデオを通して「安心していないと学べません」「伝えたら叶うという信頼関係が大切」ということが学べたことが良かったです。

 【教育関係者アンケート】

・ 服巻先生の長年の実践・経験からのお話で、とても参考になりました。保護者の方は「皆と一緒がいい」「通常学級がダメになったら支援学級で」と言われますが、「親が特別支援を受けさせること、子育てと人生観を変えること」と先生がはっきり言われたことが印象に残りました。
現場で保護者の方の期待に応えられるような特別支援を実践していこうと改めて決意しました。(小学校教諭)
・ ルールを正しく教えていけば正しい行動ができるということ、また大人が落ち着いていることで、子どもはそれを見て落ち着いて過ごせることなど、当たり前だけど意識していないとできないことが分かりました。自閉症スペクトラムの人に対する支援の方法から、性教育・社会就労など、多くのことを知ることができて良かったです。大変勉強になりました。ありがとうございました。(小学校教諭)
・ 実際に相談や指導、療育に当たられている先生なので、具体的な実践例が豊富で分かりやすかったです。話術も堅苦しくなく、自然にひきこまれていくようで素晴らしかったです。岡山でもこれだけのセミナーが受けられるのですね。とても勉強になります。ありがとうございました。(特別支援学校教諭)
・ 現場での豊富な経験・事例をお持ちで、お話が分かりやすく、楽しい内容でした。子どもたちの話をされる先生の優しさあふれるお顔の表情から自閉症の子どもへの愛情深さを感じました。質問に対するアドバイスがとても的確で素晴らしかったです。(中学校教諭)
・ 担当している子どもはただ今思春期真っ盛りで、対応の仕方に悩んでいました。具体的なお話がたくさん聞けて大変良かったです。今後周りの同僚・管理職・県教委等をどう巻き込んでいくか悩み中です。女の子の性の問題、重く受け止めます。今困っていることのヒントと答えをたくさんいただけたので、今後生かしていきたいです。いつもとても心のある講演会の企画ありがとうございます。スタッフの方、バインダーなどの準備までありがとうございました。(特別支援学校教諭)

 【その他の立場の方からのアンケート】

・ 非常に分かりやすいお話で、内容も実情に迫ったものであり、貴重な映像もあり、大変良かったです。今日の内容をより多くの学校関係者に聞いていただけたらと思いました。(教育委員会職員)
・ ASDの人への熱意が伝わってきました。支援に必要なものから目を背けず、努力を惜しまぬ姿勢を学びました。佐賀県に直接出向いてみたいです。自分もいつか先生のように支援員として成功し、自分の担当したケースを思い出して笑えたらと思いました。(支援員)
・ 自閉症の奥深さを感じました。先生の実際のお話を織り込んでくださり、一日があっという間に終わったようです。ありがとうございました。笑顔が素敵でした。(学童保育指導員)
・ 精神科の病院に勤めています。今回先生から力をもらえるお話をお聞きできました。また明日から頑張ります。(作業療法士)
・ 自分以外にも困っている人がいることが分かったこと。(自閉症者本人)
・ 「大人がモデルである」という点、とても共感できました。そのことを大人が理解した社会になれば、自閉症の人も生きやすくなるだろうと思います。自閉症の方たちの姿が見えてくるようなお話でとても良かったです。(学生)
・ 先生の実践を具体的に見聞きすることができ、今後の利用者支援の手がかりとなりました。自分自身の実践や保護者への相談などに生かしていきたいです。(施設職員)

のびのびキャンプ 報告

10月2日・3日、子どもたちとボランティアさんだけの、のびのびキャンプが吉備青少年自然の家で行われました。
楽しい報告がたくさん届いています。
その中から、ほんの一部ですが、みなさんにもご紹介します。(キャンプ参加者の方には、改めて全文を報告いたします)

来年も同じ頃に実施予定ですので、ぜひ来年は!と思われている方、雰囲気を感じていただければと思います。
 また、キャンプの報告会を、11月21日(日)13:30〜 きらめきプラザ 大会議室で行います。当日のDVDなども上映いたしますので、正会員の方で興味のおありの方は、こちらにもご参加ください。


我が子は、育てる会の「プレ修学旅行」から始まった「宿泊行事」です。その後、親から離れての「のびのびキャンプ」へと発展し、全てに「子ども自身が楽しく参加すること」が親への力を与えてくれました。
親から離れてのキャンプは、親が子供を支援する方法を再考することになりました。「一人で困ることはないだろうか?日々の生活で一人でできないことは何だろうか?言われないとできないことは?」と考える切羽詰まった状況の中で、即日実践するチャンスを与えてくれました。
今年「トイレ(大便)のお約束カード」や「お風呂の髪を洗う手順」など、いつも気になりながらそのままになっていたことをキャンプを機会に支援ツール作成へとつなげることができました。我が子をボランティアの人々に預けることになるので、これは「今しかないチャンス」でした。そして日常の生活の一つ一つを良しとしていても、人の目から見た我が子の「困りどころ」を教えてもらって、次につなげていくことが大事だと感じました。今回教えてもらった「困りどころ」は「入浴の場面でタオルを絞る」ということでした。「あーそうか・・・」と思いました。
さらに、キャンプの目的の一つに「支援者を育てる」ということがあります。そのことは今回もプレキャンプでの打合せを通してある程度目標達成できたと思います。「キャンプでのスケジュール作成」でボラさんにあらかじめ作成していただいて「分かりづらいところ」を直していただくこともできました。プレキャンプで昨年度のスケジュールや学校の社会見学のスケジュールなどを見ていただくこともできたのも良かったと感じました。
本人が活動の終わりをあらかじめ示してもらうと共に次の活動の内容も示してもらうと、活動のメリハリがついて次の活動へと移りやすいことも、昨年度や一昨年度のキャンプの反省から伝えることができました。来年度のキャンプ参加の時には、このような本人の特性をあらかじめ伝える資料を作成しておきたいと思います。
岡山駅から電車に乗って帰る途中「キャンプ楽しかった!6年生でも行きたいな」と言いました。このような言葉になったのは、今回が初めてでした。これまでは「楽しかった?」の問いに「うん、楽しかった」と答えていただけなのに、今までに蓄積してきた想いが花開いたかのようでした。積み重ねを大事に導いてくれた育てる会の活動に感謝です。そして、今回のキャンプに関わってくださった重松先生・学生のボラの方々・スタッフの方々、ありがとうございました。
(I 母)

3年生になったら絶対キャンプにと思っていました。キャンプの案内が届いた時、私の一存ですぐに申し込みを済ませました。そこから長い説得の時間がありましたが、プレキャンプの直前になってようやく「ご褒美」で釣り上げる事に成功しました。
本人決心すると今度は、学校でキャンプに関する本を借りてきて、キャンプごっこを始めました。
色々な不安を親子ともども持ちながら、プレキャンプを迎えボラさんやスタッフの方々と会ったり、一つ一つ予定が分っていくことで少しずつ自信をつけていきました。
当日・・・
朝出発前に、緊張からか少し愚図りましたが、集合場所に着いてからは特に嫌がらずサッサとバスに乗って行きました。
少し拍子抜けしながら、電話を肌身離さず気にしながら次男との時間を過ごしました。
初めての電話は明るい声で「今からバスに乗るから、ちゃんと迎えに来てよ」というあっさりしたものでした。
集合場所で、特に困る場面もなくスムーズに活動できたとボラさんから聞き、本人も笑顔で「良かった」と帰路へつきました。
車中で「今日はキャンプのこと教えてね」と言うと返事がない・・・
「???」後部座席を見ると不機嫌そうにだんまりです。
「あれ?弟に買ってやった誕生日プレゼントに嫉妬?」と思いつつ帰宅しました。
帰宅したとたん泣きだしてしまいました。
「365日も待てない〜」
「今すぐ、またキャンプに行きたい〜」 と泣き続け3時間・・・
ようやくポツリポツリ話してくれました。
「グループ活動が、どれも楽しかったこと」
「ホットケーキを上手に作れたこと」
「焼き板でのプレート作りが楽しかったこと」
「男の子同志でお風呂に入ったこと」
「ご飯が口に合わなかったけど、ふりかけをもらったこと」
説明が苦手なので、このくらいの内容の報告で「もっと知りたい〜」と思う母をよそに寝てしまいました。(どんな様子だったかはDVDで確認するしかないようです)
まだまだ家では甘えん坊で、何もできなくて・・・と思っていたけどキャンプに参加したことで「やればできる」ことを親子ともども発見しました。
家では相変わらずグータラですが、自分に自信がもてたようです。
こんなに達成感を持てたということは、しっかりした支援で成功体験を積ませていただいたおかげだと想像できます。
「一年待てないから、早くキャンプしてくださいってお願いしてよ」と早くも来年も行く気マンマンです。担当ボラの小林さん、重松先生、鳥羽代表を始め、たくさんのスタッフの皆さま、大変お世話になりました。来年も是非参加しますので、宜しくお願いします。
(Y 母)

今回、初めて自閉症の方と関わりを持たせていただきました。初めてのことばかりで、知識も少なく、本当に自分で大丈夫だろうかという思いが強くありました。しかし、周りの方がたくさん助けてくださって、とても充実したキャンプだったと思います。
以前から、学んでみたいとは思っていたものの、実際に専門的に学んだ経験はなかった自閉症について実際に関わらせていただくという形で経験ができたことは、私にとってとても貴重な財産となりました。たとえば、自閉症の方には言葉での指示よりメモなど視覚的な方法での指示の方が伝わりやすい、ということはよく聞きます。私も本で読んだことがありました。
今回のキャンプで、そのことを実際に経験することができました。
Tくんは、言葉での指示でも、比較的伝わっているように感じていましたが、スケジュール表やメモを併用することで、本人さんが落ち着いて過ごすことができていたように思いました。
活動内容でもコミュニケーションでも大きな問題はなかったのですが、だからこそ、細かい部分の気持ちやモチベーションを配慮することも必要だったのではないかと感じました。
また、他の参加者、ボラさん、スタッフの方など含めて、本当に様々な人がいるんだなぁということを改めて感じました。たとえ同じ「自閉症」でも、様子や関わり方が全く違っていたり、当然のことながら、同じ人間でも、人によって考え方や感じ方が違っていたりと、人の多様性を再認識するきっかけとなりました。
私にとっては、とてもよい経験となりましたが、うまくいかなかったことや失敗してしまったことも多くあり、Tくんには迷惑をかけて、ストレスを与えてしまったことも多かったと思います。今後、さらに勉強していきたいと思いました。
実際に自閉症の方とか関わることができるチャンスをいただけ、専門の先生がいらっしゃる中で、比較的少人数で指導・助言を頂けたので、貴重な経験をすることができました。
主催者の方、事務局の方、スタッフの方、ボランティアの方、参加者の方、お世話になったすべての方、ありがとうございました。
(ボランティア  中村 千紘)

教師・保育士対象 即実践講座

 【即実践講座 基礎編】

☆第6回☆ 平成22年11月26日(金)19:00〜20:45
    「コミュニケーション:実践」
           岡山県生涯学習センター 大研修室
  対 象 : 教職員・保育士や目指す人対象。施設・福祉関係職員も可。

 【即実践講座 アドバンス(上級編)】

☆第6回☆ 平成22年11月18日(木)19:00〜20:45
    「コミュニケーションの評価と支援の実施」
           岡山県生涯学習センター 大研修室
   対 象 : 過去の重松孝治先生の即実践講座の受講者。
  どちらの講座も参加費・申込先は一緒です。
   参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
         途中から参加の方も同額です。それまでの回のDVD貸出をします。
   申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)

「18歳の春を目指す親子療育クラブ」

日 時 : 平成22年11月12日(金)9:30〜13:00(受付9:15)
場 所 : きらめきプラザ 2F 研修室全室
準備物 : 洗濯物たたみの手順書作りに必要な道具
        (はさみ.筆記用具.カラーサインペン又はマーカー.蛍光ペン等)
       道具は各グループで貸し借り可能であれば必要に応じて対応して下さい。
※ 今回は武蔵博文先生(香川大学 教授)との勉強会です。(正会員 限定)
※ 9:30開始ですのでご注意下さい。
【前半】 ・各自のツール作り(前回同様各自で必要なものを準備して下さい。)
              (ラミネーターは担当者で準備します)
      ・同時進行で質問がある方は武蔵先生に随時対応していただけるようにお願いしています。
【後半】 ・「洗濯物たたみ」の手順書作り(武蔵先生に指導して頂きます)
      以上グループ毎に分かれてツールの作成をします。

「OHAの会」

OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。
利守先生が毎回暖かなアドバイスもしてくださいます。

日 時  平成22年11月26日(金)10:00〜12:00
         ※基本的に毎月第4金曜日開催予定です。
場 所  きらめきプラザ2階 研修室2(岡山市北区南方)
参加費  500円(当日集金)
持ち物  「アスペルガー症候群の子育て 200のヒント」(東京書籍)
対 象  育てる会正会員で、高機能・アスペルガー症候群の子どもを持つ保護者
申込先  育てる会事務局へ11月22日までに

10月のOHAの会に参加されたお母さんから感想が届いていますので紹介します。


今回初めて参加させていただきました。最初に、読み合わせをしながら、利守先生がそれに補足をして話をしてくださり、「なるほど」と思うことだらけでとてもとても勉強になりました。私の本が、線を引いたり、先生のお話を書き加えたりして、より分かりやすい子育ての参考書になりました。
後半は、一人ずつの近況報告の時間でした。皆さんのお話を聞けたこと、それについての利守先生の温かく的確なご助言を聞く事ができたこと。とてもとても良かったです。
息子はまだ3歳で、読み合わせた本の内容や皆さんが抱えておられる困難なこと、先生のご助言など、ほとんどがもう少し先に起こってくることなのだと思うのですが、そのお話を今から聞く事ができたことで、この先の息子との関わり方、つまずいた時にどう受け止めてやればよいかなどの参考になりました。みんなで読み合わせる本があることで、この先つまずいた時にこの本を読み返して参考にしていけばいいのだという、これから先の不安を解消していけるものを見つけたようにも感じています。
今回参加させていただいて一番に感じたことは「第一回目から参加したかった!」でした(笑)そのくらい、利守先生のお話がとても良かったのです!これから、出来る限り参加しますので、どうぞよろしくお願い致します!
(K)

「母の想いを語る会」

日 時  平成22年11月16日(火) 10:00〜12:00(次回12/14(火)予定)
場 所  きらめきプラザ2階 中会議室(岡山市北区南方)
講 師  今田 恒子 さん(43歳になる息子さんを育ててこられたお母さん)
参加費  500円  (正会員 限定)
申込先  育てる会事務局へ11月15日までに

「人としてどう生きていくかということです」という言葉から今田さんのお話が始まりした。
障がいのある子供たちが就学猶予という言葉により教育を受けられなかったこと、人から排除されたことなど、辛い悲しい日々を送ってこられたにも関わらず、今田さんの口からは、「感謝」という言葉が何度も出てきました。
「相手の立場に立って、ほんの少し視点を変えられるかどうか」
「お願いします、と言って子どもを置いて帰られる先生の気持ちを考え、だからこそ先に子どものことを伝え、だからこそ感謝をし、成長をともに喜んでもらう」
果たして、自分には出来ているのか、不足ばかり言ってはいないだろうか、考えさせられました。
「教え育てるとは、己も教え育てること」
逃げることなく、生きていかねばならないと強く感じました。
(Oママ)

今田さんのお話を聞かせていただくのは、今回で2回目でした。
今回は、学校の保護者の方との付き合い方、学校の先生方との関わり方など、今田さんが人とのつながりをどのように築いてこられたのか、詳しくお話を聞かせていただくことができ、大変参考になりました。
「チャンスは無駄にしない。」「毎日学校に子どもの送迎で顔を出しているのなら、職員室へ行って担任以外の先生方とも話をして帰る。」など。先生との会話の進め方などのとても細かい部分までのご助言もいただき、とても勉強になりました。
やはり、今田さんはすごい方です!私に真似出来る自信はありませんが、今田さんが教えて下さった「全身全霊で人と関わる。伝えていく。」努力をしていこうと思います。自分の子どもの為でもあるし、次の世代へつなげていくことでもある。今だけを見ていてはいけないのだなあと思いました。
 他にもたくさんのお話をしてくださり、勉強にもなるし、楽しくもある、とても有意義な時間を過ごすことができました。2時間があっという間でした。
次回も楽しみにしています。
(Rママ)

「AAO活動 の お知らせ」 (正会員 限定)

みなさま、いかがお過ごしですか?活動は順調にできていますでしょうか?何かございましたら、遠慮なく私に連絡をください。

かねてからお知らせしておりました活動報告会&座談会を今月行いたいと思います。みなさまのお話が聞けるのを楽しみにしています(^^)
この時に、ありがとう集会のことも話し合いができたらいいなと思っています。よろしくお願い致します。日程など詳しいことは、メールで連絡させていただきます。

(AAO活動担当 K)

サッカークラブのお知らせ

日 時 : 平成22年11月28日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場 所 : 旧・岡山中央南小学校グラウンド(岡山市北区中山下)
持ち物 : マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札
       お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
       親リーダーはグループノート
*雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきてください。
 保護者の方も忘れずにお持ちください。
*体験・見学の申し込み・お問い合わせ・欠席の連絡は担当までご連絡ください。(正会員 限定)
(サッカークラブ担当:S&T)

水泳教室のお知らせ

日 時 : 平成22年11月21日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
          ※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
  体験は1回2000円(保険代込み)です(正会員 限定)
★欠席される方は、必ず11月9日(火)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
(水泳担当:M&I)

あかいわ発達障害支援センターNEWS

「支援センターNEWS読んでいますよ!」と時々声をかけられるようになりました。嬉しくもあり、また適度な緊張感もあり…といった感じで、みなさんからの反応を受け止めております。
独りごとのようなつたない記事ですが、育てる会会員のみなさんはもとより、赤磐市の関係者、遠くの地で支援者として活躍している仲間達、縁あって出会ってきた親子などなど、多くの方の目に触れて・知って・感じてもらえていると実感でき、書き手として励みになっています。
今後ともどうぞ、屈託ない意見をお寄せ下さいね。
さてさて本題に入ります。
今月のNEWSですが、センターに初の講演依頼が舞い込み、市内のとある幼稚園でお話をさせていただきましたので、その時の報告をしたいと思います。
支援センターの役割として、発達障がいへの正しい理解を促すための啓発活動は必須です。なぜなら、まだ一般社会における発達障がいへの理解は間違ったものが多く、それらは彼らに影響を与えないどころか「二次障がい」という避けられるはずのハンデまでも与えてしまうことになり、苦しんでおられる方が多いからです。
このたびは、幼稚園での講演とあって、内容についてはずいぶん検討しましたが、「子どもにあった育て方を見つけよう」と題して、発達障がいにおける基礎理解(発達障害とは?)から、自尊心を育てるほめ方・叱り方(注意の仕方)に至る部分を重点的にお話させていただきました。
発達障がいのある子どもは、生活の様々な場面で困難を抱えているがゆえに、大人の目につく失敗も多く、叱られる機会は多いように感じます。そして周囲の「やればできる子」という理解が、「当たり前のことができたくらいでは認められない」という悪循環を起こすことを知り、幼児期のうちに対処することが人との信頼関係の形成過程において必要なことも知って欲しいというのは演者のねらいでした。
ご相談にみえるお母さん、また保・幼・小の先生方も、「ほめた方がいいのは分かるけど、ついついきつく言ってしまう」という声が多かったので、この講演では4コマ漫画を使い、日常的に起こるエピソードに対し、肯定的な声かけと否定的な声かけと2パターンで対処した結果を見比べていただきました。
受ける印象の違いを体感していただくために、もしもお母さんがこんな風に言われたら…バージョンを加えて話をすると、「あぁ〜あぁ〜」という声も上がり、反応も良かったように思います。
最後に、否定を肯定に直して言い変えてみるというワークをしたのですが、「とっさに出てこん〜(笑)」と言ってお母さん方は苦しんでいらっしゃいましたが、実際に考えて口に出してみたことで強く印象を残したようでした。
講演後に感想をいただいたので、今回は最後にそれを紹介して終わりたいと思います。
・ 今までは100%できるまで待ってほめていたけれど、行動を始めた瞬間にほめてあげなければいけないことがわかったので、これからはそうしてあげたいと思いました。「〜はダメ」と否定するよりも、「〜しよう」と肯定することも今はできていなくて反省しました。ついいけないことが目についてダメが多くなり、出来ることは当たり前でスル―してしまい、ほめてあげていないなと…。理解はできていても改めて今回聞くことによって、今までの自分自身の子どもとの接し方を考え直すよい機会になりました。
・ 親のちょっとした一言で、子どもの気持ちがだいぶ変わってくることに改めて気付かされました。食事中も遠くから「座って食べなさい!」と怒り口調で言っていたけれど、少し余裕を持ってそばに行き、具体的に話してみようと思いました。    
・ 家で何気なくしている声かけなどが子どもに伝わっていないんだなぁ〜と改めて思い知らされる機会だった。やはりほめてあげて、子どもの気持ちをくみ取ってあげ、子どもの存在に自信を持たせてやることが大切なんだなと思った。話の中で「一人の人間を育てることは本当に価値ある仕事です」と言われたことで、何だか子育ては生半可な気持ちではいけないなと思った。子どもの心が育つように親も頑張らなくっちゃ!
この講演を機に、より円滑な親子関係が築いていけますように…応援しています!
(支援センタースタッフ:原)

赤磐ぐんぐんだより

急に寒くなり、長袖を着てぐんぐんに来られるお子さんが多くなりました。
園や学校では、運動会シーズンだったようで、赤組だった白組だったと教えてくれたり、メダルをもらったとぐんぐんに持ってきて見せてくれたりしたお子さんもいました。運動会の練習で疲れたお子さんもいましたが、ぐんぐんに来て皆さんいつも通りスケジュールをこなしていたので、ホッとしています。
10月は、お子さんのプレイエリアでの過ごし方や人との関わり方の特徴などを評価しなおし、目標を立てるため、プレイエリアで遊んでいる様子をビデオカメラで撮らせてもらいました。ビデオカメラが中に入っても、変わらずに遊んでいるお子さんもいれば、「カメラ?」と言い、ピースをするお子さんやビデオカメラに近づくお子さんもおられました。
遊び方の支援が必要なお子さんに教えようと思って近づいても逃げられたり、いろいろな遊びを見せて誘ってみてもしなかったり、なかなか上手くいかないときもあります。
また、遊んでいて困ったとき、助けを求めることができるようになったらいいなと思うお子さんもいるため、一人一人の様子をしっかり見ていく必要があると改めて実感しています。遊びを広げることや助けを求めることができるようになったらいいなと思うお子さんだけではなく、余暇を過ごすこと、遊びが終わった後、きりかえがスムーズにできるようになったらいいなと思うお子さん、などいろいろなお子さんがいます。なので、一人一人にあった目標を立て、意味のある充実した余暇活動ができるようにしていきたいと思います。
療育をしていて、前できなかった課題が突然できるようになっていて、お母さんにきくと、ご家庭でも療育されていました。毎日継続して療育していくことの効果はすごく大きいんだなと改めて痛感しました。
忙しいと思いますが、少しでもご家庭でも療育してもらえると成果が違うと思います。お子さんの成長をお母さんと喜びあえる時はとても嬉しいです。
(題府 美衣)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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