sorry,Japanese only
平成23年1月31日
第153号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
153号 目次
雪の舞う朝に
支援者養成セミナーの報告
「門 眞一郎 先生 講演会」
育てる会 掲示板
「嵐 好き 集まれ!」・「鉄道好き 集まれ!」
教師・保育士対象 即実践講座 案内
キッズルーム お知らせ
「18歳の春を目指す 親子療育クラブ」
「OHAの会」 案内
「AAO活動 ありがとう集会」のお知らせ
「母の想いを語る会」 案内と報告
「おやじの会 新年会」 報告
サッカークラブ・水泳教室 の お知らせ
支援センター NEWS
赤磐ぐんぐんだより
私のお薦め本コーナー
「あの夜、君が泣いたわけ」
やさしい後見人制度
雪が風に乗って窓の外を流れていきます。
まるで桜が散るときのような綺麗な花吹雪・・・。
岡山の県南地方は、雪と言っても風に舞うという程度の降りようで、積もるというようなことは、めったにありません。大抵は屋根に当たると消えてゆくというような儚いものです。
岡山でも県北の方は激しく雪が降っているとの報道です。
県北の会員の皆様はいかがお過ごしでしょう?
岡山は晴れの国と言われ、冬でも暖かく穏やかな気候です・・・、といつも私は言っていました。でも、県北の事情は、ちょっと違うようですね。
育てる会には、県北の真庭市や津山市、美作市などの会員さんがおられます。
赤磐ぐんぐんへは、そんな県北からのお母さんやお父さんもお子さんを連れてこられます。
「家の周りは雪で大変です」
交通の便も途絶することもあるようです。
そんな中、遠い赤磐まで、自動車を走らせて来られる保護者の方の熱心さに脱帽です。
勿論タイヤはスノータイヤだそうです。
岡山も広いなぁ〜です。北は、蒜山。南は、瀬戸内海の海が広がっています。
私たちは、ついつい自分のことしか考えませんが、人の苦労を想像することも大切だなと思います。
遠くのお母さんやお父さんに想いを馳せながら、今回の会報をお届けします。
さて、1月22日、山陽新聞社本社ビル1Fさん太ホールにて、京都市児童福祉センターの門眞一郎先生をお招きして、「自閉症スペクトラムの人へのコミュニケーション支援」副題「薬よりも絵で」と題して、講演会を行いました。当日は、寒い中多くの参加者にお集まりいただきました。先生のお薬に対する想いが、深く熱く参加された皆さんの心へ届いていった事を感じさせる講演でした。お薬のお話なので難しいかなと思いましたが、そんな心配は吹き飛ぶくらい丁寧な、解りやすいお話を先生はして下さいました。また、後半の絵で伝えるというお話は、先生の診察室でのやり取りを映像で見せながら話してくださるので、わかりやすく、話も楽しくて、時間が非常に短く感じられました。
先生は来ていただくたびに、新しい情報を教えてくださいます。
そこで一つ新しい面白いお話を、参加されなかった皆さまの為にさせていただきましょう。
TEACCHでいう氷山モデルというのは、有名ですが、先生は、新氷山モデル(ダイナミックモデル)という新しい解りやすい自閉症の方への接し方についてお話下さいました。
氷山を自閉症の人、海水を周りの理解や支援になぞらえて、お話して下さいました。
氷山が浮かぶ海水の塩分濃度が高いと氷山は浮き上がり、塩分濃度が低いと氷山は沈む。
周囲の理解と支援が不適切ということは、塩辛い対応をするということです。
例えばくどくどと言葉だけで指示したり叱ったりすると、自閉症の人は、言われていることが解らない、見通しが立たないし、感覚の過敏さなどが、大きくなって、氷山(自閉症の人の問題行動)は、浮き上がり癇癪やパニック破壊的行動となって大きく現れます。
もし、この海水濃度が、塩辛くない真水であったなら、問題行動である氷山部分は、海面から出てこないで済むというお話でした。塩辛くない対応とは、言葉だけで言うのではなく視覚的に、肯定的に自閉症の人一人一人に解る形で伝えていただくことです。もし、要求や感情がうまく周りの人に伝えられるように、本人がPECSなどのコミュニケーション方法を獲得していれば、問題行動を起こさないで生活することができるということです。このように周りの支援で視覚的にその人にわかりやすい丁寧な環境を、事前に用意することが出来ていれば、自分の伝えたいことが伝わる訳ですから問題行動が無くなるのは当然です。つまり氷山は、水面から出てこないわけです。新しい面白い考え方と思いました。
先生と控室でお話するのも楽しい時間でした。代表としての役得ですね。
息子のエピソードに笑ってくださるのが嬉しくて、話をたくさんしてしまいました。
先生は、とても聞き上手でいらっしゃいます。
気持ちが楽しくなって、ついついしゃべってしまいました。
セミナーの感想や報告文が以下のページにありますので合わせてご覧ください。
さて、続いての講演会は、3月13日(日)の重松孝治先生の「思春期から青年期に向けての自閉症支援 〜将来に向けて、生き生きとした暮らしのために〜」です。今年度7回目の育てる会主催の講演会です。
皆さん、子育てをしていて、一番不安なことはなんでしょう?
多くのお母さん方が言われるのには、
「この子の将来が、具体的に見えない事」
「一生懸命育てていても、はたしてこれでいいのか不安でならない」
「後悔したくないのです。確かな事が知りたいのです」
そんなお母さんたちの不安に応えたいとの思いからの企画です。
重松先生は、川崎医療福祉大学で教鞭とられる傍ら、多くの幼稚園や保育園、小学校へも巡回指導に回られたり、支援校の校内研修に行かれたりもしています。つまり、現場の事をもっとも多くの事例からご存じの先生です。現在の岡山の現場を一番よくご存じの方です。また、成人施設のバイザーもされているので、大人になった自閉症にも詳しくていらっしゃいます。また、即実践講座の先生でもあり、毎年丁寧に研修会をしてくださって、学校の先生方や園の先生方からの信頼も厚い方です。赤磐ぐんぐんのたち上げ前から、スーパーバイザーとして、毎月一度来てくださって、今年で6年になります。ぐんぐんスタッフの研修やケース会議にも立ち会っていただいています。
小さいお子さんをお持ちの保護者の方は勿論、思春期や青年期のお子さんをお持ちの方も、どう育てれば、いいのかまた、どうかかわっていけば、健やかな成長につながっていくのか、今から心していかなければならないことから、二次障害への対応例についてもお話くださることでしょう。どうか、ふるってご参加いただきたいと思います。
申し込み方法は、案内チラシをご覧ください。
さて、育てる会のお話はこの辺でおしまいです。
それではいつもの我が家の哲平君のお話をしたいと思います。
今日のお話は、門先生の講演会での、だ〜れも知らない裏話です。
講演会の時は、毎回哲平君は私たちと行動を共にしております。
丸一日、一人で留守番をさせるには、いささか不安で可哀想ですし、なにより貴重な男手として荷物の積み込みを手伝ってくれたりもするので、講演会の準備と後片付けには、結構頼りになるのです。
講演会が始まれば、どこか適当な場所で、一人一日DVDを見ながら過ごしているのです。
今回はさん太ホールという、初めて利用する会場で、私も準備で忙しくて、ついつい哲平の事を忘れておりました。
気づくとどこへ行ったのか姿が見えません。
「どこへ行ったのかしら??」と気にはなりつつ、忙しさについつい哲平のことは後回しになって、開演準備に追われておりました。
すると、スタッフのTさんが、
「哲平君が2階の部屋におられるのですが、いいのでしょうか??」
と、知らせてくれました。
行ってみると、なんとなんと、哲平君は、会場の舞台がよく見える撮影したり、音声を撮ったりする機材がいっぱいある部屋で(映画館でいえば、映写室に当たる部屋)、DVDを観ているではありませんか。部屋にしっかり暖房をつけて、コンセントから勝手に電源をとって持ってきたDVDプレーヤーを繋いで・・・幸せそうです。実に自然で、その部屋にすっかり馴染んでおりました。びっくりですよ。
そこは、きっと関係者以外、勝手に入ってはいけない場所。
大きなテレビカメラや音楽のミキシングをするような立派な機械が、たくさん並んでいます。
哲平は、最上階から会場全体が見渡せるこの場所を気に入ったみたいですが、説得して一階の予備の控え室へと連れ帰りました。
それにしても、自閉症を持つ我が子ながら、すごい生活力だな〜と思いました。
全く初めての会場でも、自分がゆっくりできる場所を、独力で探し出す能力は、素晴らしいなと思いました。
母も父も忙しそうで、構ってくれないので、自分で探し出したのでしょうね。
それなのに、せっかく探したその場所を、「だめよ!!」の一言で追い出されて・・・、少しかわいそうでしたが、しかたありません。しぶしぶでしたが、怒りもせずに・・・、一階の給湯室を兼ねた控え室に入って、また、DVDをセットしなおしてくれました。
みんな忙しく一人ひとりが時計と競争で、バタバタと必死に準備をしているそんな時間の一こまでした。
そんな哲平くんは、この1月末に23歳になりました。お誕生日には、会社でケーキを頂いて食べたそうです。
母は、うっかりと息子の誕生日を忘れていて、夜帰ってきた息子に「今日、哲平君は誕生日!!」と言われる始末でした。
23年前の寒い夜、生まれた哲平君。
彼の子育てでは、いろんな辛いことや悲しいこともありました。でも、彼のお蔭で私は、とても幸せに元気に生きています。大勢の仲間や支援者の皆さんに囲まれて、多くの会員さんたちの・・一応代表です。
少し頼りない、こんな私ですが、自分なりに一生懸命ここまでやってきました。
昔、子育てが大変だった頃、私は他のお母さんたちがうらやましくてなりませんでした。
私以外の周りのお母さんたちは、誘い合ってランチに行ったり、おしゃれをして外出したり・・・、一方私は、家庭と子どもに縛られて、何一つ自由になる時間のない生活。
毎日ただただ多動の子どもの後を追いかけて、子育てに追われている毎日・・・。普通の子どもであれば、そのうち大きくなって子育てから解放される時がくるけれど、障害のある子の親は、一生自由な日々は来ないだろう・・。そんな風に思っていました。
「ああ〜、飛びたい!」「何もかも捨てて、飛んで行きたい・・・。」
そんな風に思うことがありました。
最近、若いお母さんにそんな話をした時のことです。
「わたしね、飛びたい飛びたいとおもいながら、飛びそこねちゃったのよ」
と言うと、その方が言われました。
「鳥羽さんは、飛んでますよ。これを飛んでるというのではないですか?」
「・・・・・、えっ? 私って飛んでる??」
そういえば、今の私は、飛んでいるかもしれません。
飛びたい飛びたいと想いつつ、飛べなかった私でした。
でも、今、誰よりもとび抜けて飛んでるかもしれない・・・。そう自分でも気づきました。
「飛びたいと望めば、いつかは飛べるようになる・・・。」
一生懸命自分の人生を生けていれば、必ずいつかは、ご褒美がやってくる。望みは叶うのですね!!
そう!!鳥羽さんは、今飛んでます!! (影の声)「ぶっとんでます」
寒さが厳しい毎日がしばらく続きますが、皆さんもう少しの辛抱ですよ。必ず春がやってきます。次回会報は、春がもうすぐやってくる頃に届けましょう。では、また
育てる会 代表 鳥羽 美千子
支援者養成セミナーの報告
1月22日(土)、山陽新聞社本社 さん太ホールで京都市児童福祉センターの門 眞一郎先生をお招きして、第6回自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナーを開催しました。
テーマは「自閉症スペクトラムの人へのコミュニケーション支援 〜薬よりも絵で〜」で、午前中は主に過去や現在使われている薬の話、午後からは薬だけに頼らないでも、もっと有効なコミュニケーション支援で、フェイズ1からフェイズ6まで、PECSの実際に行われているビデオなどを見ながら詳しくお話いただきました。
参加された方からのご報告や、アンケートの集計がたくさん届いていますのでご紹介します。
長い間、賛助会員をさせてもらっているけれど、実は、主催の講座で勉強させていただいたのは、初めてのような気がします。
今回、ぜひ、参加しようと思ったのは、「薬」がテーマだったから。
「薬」にヒットした理由を書くと長くなりますが、本当に多くの理由があったからです。私は、訪問介護事業をしながら、学童保育の支援や傷ついた人たちの相談や支援活動をしています。訪問介護の現場では、対象は「高齢者」になりますが、薬(特に精神科系)が変わったとたん、意識レベルが急に落ちたようになり無気力になった方や、温和だったのに急に怖い頑固な性格になってしまった方‥でも、おそらくお医者様はあまり問題にされていない感じ。そんな方に何人も出会っているのです。
また、傷ついた人たちの相談や支援活動では、本当にたくさんの方が精神科で処方された薬を飲みながら、日々暮らしている現実。学童保育の支援では、指導員さんからは発達しょうがいと診断された子どもたちが薬を飲んでいる話、保護者からは不登校の相談に行くとけっこうな勢いで薬が処方されるとの話。人間ってそんなに薬を飲まないとダメなのかな‥と思っていました。また、極め付けは、発達しょうがいの子どもを募集して、「新しい薬を試してみませんか‥」のような新聞折込チラシをみたこと。こんなにお金かけて開発するんだ‥と驚きました。
そんなたくさんの漠然とした「薬」への思いを持ち、この講座を受講しました。
鳥羽さんの「薬」に極力頼らないで、子育てをしてきたという、開会の挨拶でかなりすっきり。そうか、薬に頼らなくても、あそこまでちゃんと成長し、生活していけるようになるのだ‥と確信を持つことができました。
門先生の話は、真の科学者の話でした。お医者様も科学者なら、「薬の効用」という真実を証明するためには、もっと「あたりまえに」実験し、報告してほしいものだと思いました。学生の論文だったら、厳しく指導されるであろうと思われるレベルの甘い実験、論理展開、飛躍、文献引用のいい加減さ。それがまるで事実であるかのように展開され、その薬の使用が推進されていく‥本当に恐ろしい話でした。
「自閉症の二次症状に効果がある」という話が「自閉症そのものを治す」。あるいは、「今、使われている薬より、少し効果がありそう」なレベルの話が「プラセボ(効果の実験のための偽薬)」との比較により、「効果大」に変わる。実例をいくつもあげて説明してくださり、製薬会社の薬の開発、お医者様と薬の話、医療雑誌の薬の広告など、社会のしくみがよくわかりました。その中で、たくさんの保護者や子どもたちが振り回されている現実が実感できました。
門先生ご自身も薬は用いますとのこと。薬を使い続ける時には、副作用に十分注意するとのことで、安心できるお医者様の見分け方も少しわかったような気がしました。
以上、前半の薬についてお話の感想です。
さて、後半。大きくて、シンプルな収穫がありました。「支援の根幹は、コミュニケーション支援」であるということ。そのために「視覚的支援」が必要であるということです。
自閉症スペクトラムの人の特性は
* 音声言語だけでは理解しにくい。
* 視覚的に理解する人たちである。
* 不適切な視覚刺激に惑わされる。
とかく、「ことば」は便利なのでことばで表現してしまいますが、視覚的支援をしなかったばっかりに、「たいへんな混乱」を巻き起こす場合がよくあるそうです。たぶん、私は「ことば」で済ませてしまいそうなタイプなので、肝に銘じておく必要があります。
そして、「構造」とは、場面の「意味」と「見通し」で、「構造化」とは、それを明確にすることで、「構造明確化」された環境は誰にとっても安心だと、教えていただき、具体例を教えていただきました。ハイテク、ローテク取り混ぜて、いろいろな視覚的なコミュニケーションの方法を学びました。なるほど、それだけの工夫で、コミュニケーションができるのかと驚きました。知っていると知らないのでは、大違いです。
また、PECS(絵カード交換式コミュニケーション・システム)の訓練風景は、たいへん興味深いものでした。直接、そんな場面を見せていただける機会はないので、非常に勉強になりました。
その人にあった、コミュニケーションの方法を工夫し、支援していくことは、私のすべての活動において大切なこと。ひょっとしたら、身の回りにたくさんいるであろう、自閉症スペクロラムの人に適切な視覚的コミュニケーション方法は、たくさんの人に助かる方法。本当によい刺激をいただきました。
(賛助会員 糸山 智栄)
前半の薬についての話は本当に衝撃的でした。
製薬会社の薬の宣伝やマスコミの無責任な報道の仕方など、使う人の立場を考えていないように感じました。
今までの薬が次々と作られては消えていった過程を知ると、今の薬もそうなるのではないか・・・と疑わざるを得ません。
それでも現実を知ることができて良かったです。
今まで聞きたくても聞けなかったような事実をたくさん知ることができました。
薬の副作用についての質問のお答えにあった、リスパダールを服用している場合は、肝機能障害や腎臓などの検査を3〜4ヵ月に1回の割合で受けた方がよいというのも、私は知りませんでした。知らずに息子に飲ませていたのです。申し訳ないことをしてしまいました。知らないことは恐ろしいこと、知らずに使っていることは尚恐ろしいことだと心の底から思いました。
先生は薬物療法に反対ではないそうですが、「有効性と安全性が正確に評価された情報がほしい」と先生はおっしゃられていました。本当にその通りです。
我が子も薬を飲んでいます。リスクを負って薬を飲ませているのですから、薬の力を借りて過ごしている時間を大切に、有意義にしなくてはと、先生の話を聞いてさらに強く感じました。
できるだけ早く、頼らなくてもいいようにしたいです。
では薬に頼らないようにするためにはどうやっていけばいいのか…以前から考えていたことですが、なぜか考えすぎてしまっていたようで、どうしていけばいいのか分からなくなっていました。
それが門先生のシンプルな、「視覚的支援」「コミュニケーション支援」の言葉(話し言葉+レジメの言葉の両方で…先生のレジメは分かりやすかったので、その分話も聞きやすく、視覚支援のありがたみを実感しました)で、目が覚めました。「彼らはことばで聞いて、ことばで答えることが一番難しい」というお話に、そうだった…!とはっとしました。以前はもっと配慮していたのに、子どもの成長と共に支援がだんだんおざなりになっていた部分が出てきていたことを反省しました。
構造化も何となくしか分かっておらず、先日お母さん仲間とそんな話をしたところでした。先生は、その部分を大変分かりやすく説明してくださいました。 「構造」とは場面の「意味」と「見通し」である、従って「構造」はどんな場面でもある。ただ、それがはっきりしていなかったり、いくつかのパターンの可能性があったりするので、本人が違うパターンだと思ってしまうかもしれない。それを明確にするのが「構造化」である、というお話でした。
PECSについても大変詳しく話してくださいました。映像では、PECSを使うことで自分から要求を伝えるようになった姿や兄弟げんかまでできてしまう姿に感動しました。我が子は自分からよく話すタイプですが、感情表現などはまだまだです。そのような観点からも普段の支援に参考になるヒントをたくさん得ることができました。
今まで知っているつもりだったことや、大切なことであるにもかかわらず、なんとなくスルーしてしまっていたことが、先生のお話を聞いて、明確になり、整理できました。これを期に、我が身を振り返って基本的な支援からやっていくつもりです。薬よりも視覚支援で!見通しの持てる生活を!ということを肝に銘じて。
門先生、貴重なお話をありがとうございました。
(保護者:K)
【保護者からのアンケート】
・ 今までPECSという名前だけは聞いたことがありましたが、詳しくその内容を知らなかったので、とても興味深く話を聞かせていただきました。
実際に療育をしている場面を見せていただいたので、とてもわかりやすかったです。
ビデオの様子を見て、初めて自分からの要求が相手に伝わった時のうれしさを感じて涙が出そうになりました。
私の娘も、なかなか自発的な発言がありません。彼女が相手に自分の伝えたいことを伝えられるように、私も勉強してPECSを取り入れていけたらなぁと思いました。ありがとうございました。
・ 今回の講演では自閉症に処方された薬は、患者の為というより製薬会社や医師の都合によって作られてきた面が多いように思えました。
現在、本当の意味で自閉症に対する薬を研究・開発している人や機関はあるのでしょうか。
・ PECSとはこんなものだというのがよくわかりました。新氷山モデルは、なるほどと納得できるものがありました。
・ PECSに興味があったので実例のビデオを見ながら詳しく説明していただけたので良くわかった。薬についての歴史がとてもわかりやすく、おもしろかった。
・ 薬についてもそうですが、情報を過度に信じず、十分に自分の納得したもの、方法を大切にしていきたい。何が子どもに必要で、どの方法が合っているのかしっかり見極めたいと改めて思いました。今回の会場はスクリーンも見やすく、またイスも便利で集中して講演を聞けたことも良かったです。
・ 今日は本人も来て、先生のおススメの本を買ってきて読んでいました。お話の中でアスペルガーの話を「そうなの?」と聞くと、「そうなんだよねー」と言っていました。やはりわざわざ聞かないと、黙って我慢しているんですね。
・ この講演会に参加することで、改めて息子のことについてきちんと考え、いろいろやってみようと思うことができました。新氷山モデルのお話が印象に残りました。
・ 門先生の長年のご経験や、文献の明確な根拠に基づいたお話は大変説得力があり、“薬よりも絵で”のお考えに大いに共感し、家庭でも実践したいと思うコミュニケーションの方法を学ぶことができました。ありがとうございました。
・ 2年前から子ども達が服薬を始めているので、薬についてはとても興味があった。それまでは薬が怖くて使わなかったのだが、睡眠障害が出始めて・・・ 幸い効果のある薬だったので、お話を聞いて安心したが、親もきちんと知識をもっていなくてはいけないと感じた。薬に頼らない支援の勉強も続けていかなくてはいけないと思った。
・ “「くすり」の正しい情報を、医者任せにしないで手に入れること”が必要なのだとわかりました。
・ とても温かい気持ちになりました。何とか私が頑張っていかねば、と思いなおせました。落ち着かぬ我が子に絶望感を持っていましたが、今日はこの講演に参加させて頂けて良かったです。このような先生がおられると知った事も安心へとつながりました。
・ すべて良かったのですが、最後の新氷山モデルの説明はすばらしく分かりやすかった!
・ 子どもが薬を内服しているので、ちょっと心配になってきました。検査etc・・ 一切していないし。コミュニケーションについてはもう少し努力していきたいです。
・ 我が子はAS、支援在籍です。知的に高く、言語の発達も高く、言葉でのコミュニケーションはかなり順調です。発達検査では視覚より聴覚が優位と言われたのもあり、視覚的な手がかりは必要ないと思っていました。しかし小学校で荒れることが多く、何が問題なのかわからず・・・ でも今回のセミナーを聞き、やはり視覚支援は必要だと思いました。コミック会話等も使ってみようと思いました。
・ はずかしながらPECSという言葉しか知りませんでした。単に絵カードを作ること(ほんのわずかなカードのみ・・・)しかしておらず、本人の分かるように工夫をしていきたいと思います。もっとねばり強くコミュニケーションがとれるように工夫していきたいと思います。
・ PECSの素晴らしさが具体的に分かり、とてもありがたかったです。職場でさっそく取り入れていきたいと思いました(ワークショップ等に参加して)。今困っている子ども達の喜ぶ顔が目に浮かぶようです。(保護者・保育士)
【教育関係者アンケート】
・ 支援学校の教員も、やるべきことをせずしておいて、「この子は薬を飲んでないから・・」ですます人は多い。薬のことは新鮮で驚きでした。
またPECSのフェイズ4あたりの実践は、なかなか見る機会がないので嬉しかったです。 (支援学校教諭)
・ 前半の薬の歴史やその危険性は、あまり聞くことがない話だったので新鮮でした。PECSについて、映像もたくさん見せて、詳しく説明して頂けたので分かりやすかったです。門先生の「本当に正しく効果がある薬なら・・・」や、「手段と目的を間違えないように」といった一言一言が、あたたかくまっすぐな感じがしてよかったです、(小学校教諭)
・ 以前から薬物投与には疑問をもっていました。全ての薬が悪いわけではないと思いますが、真実を知らず被害を受けるのは当事者であることがよくわかりました。正確な情報を知らせてほしい。(学校教諭)
・ お薬について詳しく教えて下さり、いかに頼りにならないものか(?!)よくわかった。PECSのワークショップでの話も聞いたことがあるが、よりコンパクトにお子さんの様子と一緒に見せて話して下さったのでよくわかりました。(支援学校教諭)
・ 言葉を普通に話すアスペルガーの人にも、視覚化が大切なことに気づきました。(小学校教諭)
・ PECSのワークショップを受けたが使わないままでいました。今日のお話を聞いて、もったいないことをしていた、必ず使おうと思いました。指導場面のビデオがとても分かりやすかったので(ワークショップは外国の例)、やれるかも!!と勇気が出ました。(支援学校教諭)
・ この会のことは、ちらし(職場で配ってくださる方がいるので)で知っていて、今までも参加したいなぁと思っていたのですが、今日、初めて参加させていただきました。大勢の方でびっくりしました。
私は教育関係者ですが、自閉症のことで、知りたい、勉強したい、困っている、いっしょに考えていきましょう、という輪(和)が岡山県内でも大きいんだなぁ、と感じました。(支援学校教諭)
【その他の立場の方からのアンケート】
・ 薬のことについてお話を聞くのは初めてだったので、とても勉強になりました。薬を飲むことで衝動性をおさえることができたら、本人も楽だろうと思っていましたが、薬の効果や副作用のことも知った上で、保護者に話をすることをした方が良いと感じました。コミュニケーション支援については、今までもたくさんのことを教わりましたが、PECSの自発的要求を教える分野は初めてでしたので、わかり易く子どもの能力を引き出すには良い方法だと感心させられました。子どもにあったコミュニケーション支援をたくさん知って、私自身の引き出しを多く持つことが大事だと思いました。(学童保育指導員)
・ わかりやすい説明で良かったです。自閉症の方には、絵や言葉で伝えようと思いました。あきらめずに、最後まで支援する必要があるんだなあ〜と思いました。(施設支援員)
・ PECSの話は驚きでした。今までは予定などを図で表すことは知っていましたが、相互コミュニケーションがあんなにもスムーズにできるとは思ってもいませんでした。(介護職員基礎研修修了者)
・ PECSの実際を段階的に映像で見ることができ、理解しやすかった。やはり、目で見る(視覚的)情報の有効性は高いと自分自身の気付きを得られた。(社会福祉士)
・ 講演会でも実際に休憩時間にオーディブルを使っていて分かりやすかった。やはり視覚的に見えるものは分かりやすいと実感できました。
講演会も中に写真、映像が含まれており、文章だけでは分かりづらいことも、頭に入って良かったです。(学生)}
育てる会 掲示板「嵐好き 集まれ!」
嵐(ジャニーズ)が、大好きなお子さんはいらっしゃいませんか?
うちの娘は、嵐の松本潤君が大好きで、家では、音楽を聴いたり踊ったりピアノを弾いたり、嵐のテレビ番組を観たりして、嵐三昧しています。この週末には、育てる会のお友達で、桜井翔君を大好きなAちゃんと、お好み焼きパーティーをしながら、嵐のDVDを観る計画を立てています。(^−^)うちの娘にとって、嵐は、癒しになっているように思います。また、Aちゃんちでは、親子で、嵐の話をするのが、とても楽しいそうです。
まずは、嵐好きが集まって、のんびり楽しい時間を過ごせたらなあと思っています。嵐についてのおしゃべりをしましょう。興味がおありの方は、事務局まで、ご連絡ください。発起人:N 連絡先 事務局 086-955-6758
「鉄道好き集まれ!」
1月会報で呼びかけをさせていただきましたkです。
「鉄道好きの我が子に好きなものの話ができる仲間を作ってやりたい」と数名の方が名乗りをあげてくださいました。
まだまだ募集中ですので、どしどしご連絡ください。第一回目の集会をしたいと思います。
日時:2月13日日曜日10時〜
場所:岡山駅2階 新幹線改札口となりの売店前辺りに集合
活動:入場券(子ども70円、大人140円)を購入し、新幹線ホームに入り新幹線を見る。※人が多いと思いますので、ホームの端の方へ行きみんなで見ます。
見る時間は一時間弱くらいを予定していますが、子ども達の様子などによって
変わる可能性もあります。※ 初回ですので、とりあえず顔合わせがてら集まるといった感じにしようと思います。次回からは、誰かが世話人をして活動するのではなく、みんなで一緒に活動内容を考えながらやっていけたらと思っています。発起人:K 連絡先 事務局 086-955-6758
教師・保育士対象 即実践講座
【即実践講座 基礎編】
☆第9回☆ 平成23年2月25日(金)19:00〜20:45
「行動の理解と支援」
岡山県生涯学習センター 大研修室
対 象 : 教職員・保育士や目指す人対象。施設・福祉関係職員も可。
【即実践講座 アドバンス(上級編)】
☆第9回☆ 平成23年2月10日(木)19:00〜20:45
「行動の理解と支援」
岡山県生涯学習センター 大研修室
対 象 : 過去の重松孝治先生の即実践講座の受講者。
「キッズルーム」
子どもたちお待ちかね、岡大児童文化部の学生さんのご協力のもと開催しているキッズルームを、2月27日(日)に開催します。
リトミックあり、学生さんとの楽しい触れ合いあり。今回は新しい出し物もあるそうです。皆様どうぞお申し込みください♪
日 時 平成23年2月27日(日)13:00〜15:00
場 所 岡山大学清水記念体育館 (クリスマス会を行った会場です)
参加費 本人500円・兄弟400円(保険代・おやつ代。当日集金)
申込先 育てる会事務局(086-955-6758)へ2月18日(金)までに(正会員 限定)
「18歳の春を目指す親子療育クラブ」
日 時 平成23年2月18日(金) 10:00〜13:00(受付9:45〜)
場 所 きらめきプラザ2F研修室1(正会員 限定)
前半) ツール作り(靴置きシート・配膳シート)
○準備物
筆記用具.定規.はさみ.のり.色マジックまたは色鉛筆
※・わが子のおおよその足形をとっておきましょう。
・ラミネーター.ラミネートシート.コピー用紙等は担当者で準備します。
後半) プチ発表(今悩んでいることや聞いて欲しいこと等・・・)
☆一人では解決できないことを相談したり、頑張っていること等を発表したり・・・
情報交換をしてみんなで元気になりましょう。
【今後の予定】
3/10(木) 岡山生涯学習センター
情報、創作棟 3F 書道教室 (エレベーター⇒ロビー右側の部屋)
☆前回おしらせより予定日が一日早くなり、会場も変わりますのでご注意下さい。
「OHAの会」
OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。
臨床心理士の利守先生が毎回暖かなアドバイスもしてくださいます。
日 時: 平成23年2月25日(金)10:00〜12:00
場 所 きらめきプラザ 中会議室(岡山市北区南方)
参加費 500円(当日集金)
申込先 育てる会事務局へ2月21日までに(正会員 限定)
対 象 育てる会正会員で、高機能・アスペルガー症候群の子どもを持つ保護者
「AAO活動のお知らせ」
お世話になります。事前にお知らせいたしました通り、2月はありがとう集会を行います。どうぞよろしくお願い致します。
日時:平成23年2月19日(土) 12時〜14時ごろ(予定)
場所:サンフラワーボウル(倉敷市松島1177番地) カウンター前に集合
※ AAO集会の詳細については、参加者の皆様には同封のプリントをご覧ください。
(AAO活動担当:K)
「母の想いを語る会」
日 時 平成23年2月8日(火) 10:00〜12:00
場 所 きらめきプラザ 小会議室 @
講 師 今田 恒子 さん(43歳になる息子さんを育ててこられたお母さん)
内 容 参加者のみなさんの悩みや相談に今田さんが答えてくださいます。
皆で困ったことを出し合い、良い知恵をいただく時間になれば幸いです。
参加費 500円
申込先 育てる会事務局へ2月7日までに(正会員 限定)
前回参加されたお母さんからの感想が届いています。
今田さんが「 “自閉症の子どもにいい”と言われたことは、なんでも実際に取り組んだ」と言われました。
私は先輩のお母さんから聞いたり本で読んで、「こういう取り組みがいいんだな」と思ってもなかなか実行にうつすことができませんでした。
そんな時「日々の積み重ねが大事。しんどくても毎日続けていれば、将来必ず良い方向にいく」という話を聞いて、何か一つでもやってみようという気になりました。
私は我が子に買い物の練習をさせたいと思っているのですが、本人が買いたいものがないとついてきてくれません。ついてこない方が買い物も早くすむし・・・と思って、ずっとやっていなかったのですが、これからは「買い物に行く日」を決めて積極的に買い物に連れて行こうと思います。
最初は一緒に行って、「体験させる」という所から始めて、いつか一人で買い物ができるようになればいいなと思います。
(母:T)
「おやじの会 新年会」報告
みなさま、「おやじの会」です。会報でお知らせしていましたように、平成23年1月29日土曜日に新年会を行いましたのでご報告いたします。
2年前に発足したおやじの会の集まりも数えること4回目となり、今回は8名のお父さん方が集いました。
会を重ねるごとに少しずつ参加されるお父さんの数も増え、顔ぶれもお馴染みの方から新しくご参加される方もいらっしゃって確実におやじ達の輪が拡がっているなと感じました。
それぞれの近況やお仕事の話、家庭での子供さんとの関わり方などについてお話いただき、新年会ということもあり今年の抱負を一人ずつ述べていただきました。みなさんとても真面目に、そしてしっかりと目標設定していらっしゃっていて、お互いによい刺激となりえたのではないでしょうか。
また、今後の活動についてもいろいろとアイディアを出しておられました。たとえば、「山登り」。体力づくりにもなるし、子供たちもお父さんも良いリフレッシュとなりそうでいいアイディアだと思いました。そのほかには「鉄道(撮り鉄、乗り鉄)」、「ファジアーノのホームゲーム観戦」などのアイディアがありました。会報の掲示板に呼びかけて気軽に参加できるものにしてみようと話し合いました。どうか今後の活動にご期待下さい!
一次会から二次会へ場所を移してもさらに話は尽きることなく、「発達障害の啓発について」、「行政への要望の必要性」、「家庭での性教育」、「就労について」、「企業の障害者雇用について」、「育てる会の活動状況」等々、内容の濃い話し合いができたと思います。
参加されたお父さん方みなさん全員が、「子供を育てていく」という同じベクトルに向かっているんだなと感じることができたよい会でした。以前参加されたお父さんが言われていた「おやじの会は貴重な場です!」という言葉をあらためて思い出しました。
今後も、定例会(年2回)やおやじの会主催の活動を発信していきたいと思いますので、育てる会の会員のお父さん方振るってご参加下さい。
(りょうくんのパパ)
サッカークラブのお知らせ
日 時 : 平成23年2月20日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場 所 : 旧・岡山中央南小学校グラウンド(岡山市北区中山下)
持ち物 : マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札
お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
親リーダーはグループノート
*雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきてください。
保護者の方も忘れずにお持ちください。
*体験・見学の申し込み・お問い合わせ・欠席の連絡は担当までご連絡ください。(正会員 限定)
(サッカークラブ担当:S & T)
水泳教室のお知らせ
日 時 : 平成23年2月20日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験は1回2000円(保険代込み)です。
★欠席される方は、必ず2月15日(火)までに事務局に連絡してください。(正会員 限定)
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
(水泳担当:M & I )
支援センター NEWS☆
最近の節分では、「福は内、鬼は内」と鬼も邪険にしないで受け入れる・受けて立つといった考え方を説く場合もあるそうです。
「悪役やよけもの作らない」という風潮が、これにも大きく反映しているように思いますが、個人的には見えないところで目を光らせている何かを感じ、気持ちを正しながら生活するのも悪くないのでは・・・と思っていたりします。
さて、先月のNEWSでお伝えしていたように、平成21年度末に向けて、支援センターの活動状況をまとめつつあります。
だだいま、個別相談利用者の情報をデータ化し、その傾向を探っているところですが、2011年1月末地点で、個別相談の利用者(相談対象者)は男性が76%、女性が24%となっています。
幼児期の子どもの相談が最も多く全体の50%。
続いて学童期で、小学生が25%、中学生が15%、高校生以上の青年期で10%となっています。
幼児期の子どもの相談が多いことから、現地点では保護者からの相談が多くを占めますが、中学生以上でご本人を交えて相談を行っていく
予定にしている方もいらっしゃる状態です。
やはり、「地元に相談できる場所ができた」ということで「長い目で見て、今後は子どもたちが自分で困ったときにセンターを訪ねて、考えを整理したり、知りたい情報を得たりするための場所になればいい」という親御さんの声も聞かれます。その期待に応えていくべく、支援センターの機能や支援内容の充実も図っていかねばなりません。
診断の有無に関しては、広汎性発達障害の診断が最も多く48%。未受診で診断の下りていない方が33%と続きます。
自閉症スペクトラム群の診断と比較すると、広汎性発達障害という診断名が、利用者(保護者)にとっても理解しがたいもののようで、個別相談の中でも障害や子どもの行動特徴について再度問われることが多かったように思います。
そして利用に至る経緯については、福祉事業所や保育園・幼稚園・小学校など、子どもたちの日中活動の場となるところからの紹介が多く、広報誌などで自らこうした機関を探して訪ねて来られた方たちもおられました。支援センターの活動状況が、利用者にとっても目に見える形で発信できたら、今後はもっと利用しやすくなるのでは…と考えます。
個別相談の利用者(相談対象者)の約70%が、何らかの発達障害が認めらている方ですが、生育歴をひも解いてみると、意外なことに1歳半や3歳児の検診で指摘されないできた方が多いことが分かります。
相談時の聞き取りにおいて、「母親自身はほかの子とは何かが違うと感じていた」と語る方が多く、「色んな人に相談してみたが、考えすぎだと言われた」「様子を見ましょうと言われただけ。
様子を見ていたら不登校になってしまった」「さほど大きな問題として捉えていなかった。いつかは…と思っていた」などと、捉え方は様々であり保護者の揺れる心情を察することができました。これらのデータは、早期発見・早期療育の観点からしても、重大な問題であると数値化することにより、改めて感じることができました。
まだ分析不足な点も多いですが、こうしたデータが課題の発見や効果の確認、情報の公開に繋がると信じ、今後も進めていきたいと思います。
ひとまず、先月NEWSの新年抱負に続く、経過報告でした!
PS:3月に赤磐市の主催、育てる会の協力をもって、支援者対象の勉強会を企画中です。
次月はその報告もできるといいな〜と思っています。
(あかいわ発達障害支援センター スタッフ:原)
赤磐ぐんぐんだより
2011年がスタートしました。
「おもち食べた!」など、お正月のことを話してくれるお子さんもいて、とても嬉しかったです。
ぐんぐんには、また、新しいお子さんも入ってきて、さらに賑わってきました。
赤磐ぐんぐんができた頃と比べて、近頃は2〜3歳から療育をスタートするお子さんが増えてきました。そこで先日、赤磐ぐんぐんのスーパーバイザーである重松孝治先生に来ていただき、2〜3歳のお子さんに療育をしていく上で気を付けることをうかがいました。
するとやはり、私たちが重視しているコミュニケーションのことと、幼いお子さんたちひとり一人が理解できるわかり方を見つけて、お子さんの理解と支援者の意図とがつながる体験を積むことが大切であるということを教えていただきました。
お子さんにわかりにくい教え方でわかるまで教え続けるのではなく、わかる伝え方でこちらの意図を伝えていくこと、そのためには、それぞれのお子さんの理解の仕方を見つけていかなければならないということを改めて実感しました。
さらに、将来に向けて自立できるように育てることは重要ですが、2〜3歳のお子さんには「今、ひとりで何でもできるようにする」ことよりも、「学び方を学ぶ」ことが大切だということも教えていただきました。今後も、お子さんたちの自発的なコミュニケーション能力をいかに伸ばしていくのかや、ぐんぐんに来られるお子さんの療育で取り組む課題の優先順位や、その課題がお子さんの現状に合っているのかなどを考え、伝えていきたいことをお子さんにわかる教え方で伝えていき、つながっていくことを増やしていきたいと感じています。
インフルエンザの感染が増えてきているようです。皆さんも手洗い、うがいをして感染しないようにどうかお気を付けください。
(赤磐ぐんぐん療育スタッフ:題府 美衣)
やさしい後見人制度
今月も、本題に入る前に、少し最近の自閉症の制度をめぐる動きから話を始めたいと思います。
先月号の会報で、昨年12月3日に可決成立した、通称:障害者自立支援法改正案 (正式名称:障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて、障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律)によって発達障害が障害者自立支援法の対象となることを法律上明示されたことを書きましたが、それを受けての動きです。
私たちにとっても関心の深い、手帳制度の一部が改正されることになりました。
1月13日に厚生労働省社会・援助局障害保健福祉部から、各都道府県知事や政令指定都市市長あてに、「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領の一部改正について」という通知が出されたそうです。
従来から、知的障害のない高機能自閉症やアスペルガー症候群の子どもたちには、主治医等の判断により、“便宜的に” 精神障害者手帳への申請が行われていたわけですが、この改正通知により、手帳取得のための、診断名Cの「現在の病状、状態像等」の(11)番目に「広汎性発達障害関連症状」が付け加えられることになりました。
その判定内容も「1 相互的な社会関係の質的障害、2 コミュニケーションのパターンにおける質的障害、3 限定した常同的で反復的な関心と活動、4 その他( )」となっており、高機能な方でもあてはまる項目になっています。
本当は、知的障害をもつ人もそうでない人も共通して使える「発達障害者手帳」ができるのが一番いいのかもしれませんが、少なくとも一歩前進のように私には思えました。
適用は今年の4月1日からだそうですので、詳しい情報が入りましたら、またこのコラムなどでもお知らせしていきたいと思います。
それと、もう一つ、それに関連する新しいニュースです。
障害基礎年金についても新しい動きがありました。
1月28日付けの毎日新聞によりますと、身体障害に比べてあいまいだった知的障害の障害区分の判定に新たな基準が加えられるようです。
例えば、会話による意思疎通では、1級「不可能か著しく困難」、2級では「簡単なものに限られる」などです。
同時に・・・私たちにとってはこちらの方が重要だと思えますが・・・、知的障害をもたない発達障害者に対しても、新たな障害特性に配慮した基準が検討されているそうです。
それによると、1級では「コミュニケーション能力が欠如し、著しい異常行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常に援助が必要」、2級では「コミュニケーション能力が乏しく、異常行動がみられるため、日常生活への適応に援助が必要」というのが素案で上っているそうです。
このまま素案通り関連通知が改正されると、高機能自閉症やアスペルガー症候群の子どもたちも、手帳を取得でき、少なくとも2級の障害年金はもらえることができるようになりそうです。
嬉しい動きだと思います。
それでは、このあたりでコラムの本題に戻って、後見人制度の話の続きです。
B 後見って、どんな種類があるの?
成年後見制度は、大きく分けて法定後見制度と任意後見制度があります。そのうちの任意後見制度は、まだ本人がしっかりして判断能力があるうちに、将来の“ぼけ”に備えて「公正証書」を作り、契約により財産管理や生活・療養監護をお願いしておくというものです。
したがって私たちの子どもにとっての後見制度とは、家庭裁判所の審判によって後見をお願いする「法定後見制度」ということになると思います。
この法定後見制度は、そのお願いする内容、本人の状態によって「成年後見」「保佐」「補助」の3種があります。
まず、一般的な「成年後見」は、本人の判断能力が「常に欠けている」状態の人の保護のための制度です。
子どもたちの中でも、知的に重度の場合は、この成年後見をお願いすることになるでしょう。財産管理や、財産に関する法律行為についての全面的な代理権を持ってもらいます。また日用品の購入などの日常的な行為を除いては、取消権もありますから、高額な買い物やキャッチなどの被害を防ぐことができます。
もちろん、前提には「本人のために」財産管理を行うわけですから、本人が好きな趣味などにお金を使うことを(経済状態が許すなら)、止めるという趣旨ではありません。
一般的には、毎月のお小遣いを生活費+嗜好品ぐらいで計画的にもらって、耐久消費財など大きな買い物をしたいときには、後見人と相談して・・・・という生活をされている方が多いようです。
次に「保佐」とは、本人の判断能力が「著しく不十分な」状態の人への保護や支援の制度です。
いわば、日常生活や日常の財産管理はまあまあ普通にやれているが、借金や保証人、不動産売買や賃貸借、新築・改築・など民法13条にある重要な法律行為には不安がある場合、保佐人に決められた範囲で同意権を与えておいて、その同意がなかった場合には取消権を使って本人の財産を守ることができます。
また本人の同意をえてあらかじめ決めた範囲での代理権も与えることができます。知的に軽度で、ある程度自立でき、自由に暮らしたいと思っている場合は「保佐人」ぐらいでもいいかも知れませんね。
最後の「補助」は、判断能力が「不十分」な人のためのものです。
「保佐」が民法13条にあげられている法律行為のすべてに対しての同意権であるのに対し、「補助」は本人の同意の上で、その中から特定のものに対してだけの同意権をあらかじめ決めておくことができます。
例えば、相続に関することや不動産に関わること、という具合にです。またそれに応じた取消権や代理権も与えることができます。
高機能自閉症やアスペルガー症候群など、知的には問題ないが、「ここの部分が弱い」とか「簡単に騙されやすい」など心配のある方は、ご本人と相談して、「これとこれだけはお願いしておこう」という風に使われたらいいと思います。
また、この3つの分類のいずれにも課されているのが「身上配慮義務」です。
その状態に合わせて「本人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮する」義務があるとされています。
法定後見は家庭裁判所の審判によるものですが、身寄りのない方の市町村長による申立てとは違い、私たちの場合はあらかじめ、成年後見人、あるいは保佐人、補助人をお願いする人を候補として申立てすることになると思います。子ども達の障害特性や本人の意思をしっかり理解してくれる人を見つけて、あるいは作っておくことが大切になってきますね。
(トチタロ)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。