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平成23年6月30日

 

 第158号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 158号 目次

     雉の啼き声に

     育てる会、今年度セミナー日程・講師 決定!

     支援者養成セミナーの報告

     教師・保育士対象 即実践講座 報告と案内

     「18歳の春を目指す親子療育クラブ」

     「NTN夢工房岡山 見学会」

     「キッズルーム」・「クローバーの会」

     「母の想いを語る会」・「AAO活動」・「OHAの会」

     「水泳教室」・「サッカークラブ」

     私のお薦め本コーナー
         「ペアレント・トレーニング」

     近隣の講演会等のご案内

     お母さんコラム
         「「絆」を思う 〜今までを振り返る〜」

     支援センター NEWS

     赤磐ぐんぐんだより

     朝日新聞記事

  

梅雨明けはまだ先なのに、真夏を思わせる暑い日が続いております。
皆さま、お元気でしょうか?
休耕田に長く伸びた夏草の上を風が吹いてきます。
私が住んでいるところは、田舎でしかも山際なので、いい風が吹いてきます。
夜は山からの風が涼しくって、寝苦しいということもありません。夏の夜が涼しいというのは、贅沢な暮しだといつも思っています。
雉の啼き声が喧しい昼間の休耕田に、夜はイノシシにキツネやタヌキが出没し、人間の数より彼らの方が多いのかもしれないと思えるほど、賑やかです。
近くには両宮山古墳や備前国分寺や国分尼寺跡もある昔の備前の国の中心地でもあったところで、昔の人たちが一番暮らしやすいところと住み着いた場所ということでしょう。
今も暮らすにはいいところです。
こんないいところでも、昼間はやっぱり暑くて「もうやってらんない〜!!」と思わずクーラーのスイッチに手が出そうになりますが、「いやいや、やめとこう・・・」と、思い直して頑張っています。
地震による原発の事故で、節電を日本列島全体が余儀なくされています。私も微力ではありますが、少しでも協力したいと思います。
つい先日まで、私は、夏風邪をひいてしまい、熱も出て4日間も寝込んでしまっていました。
諏訪先生の講演会直前だったので、周りのスタッフや主人には、大変迷惑をかけてしまいました。元気が何よりです。健康でなければ何もできないです。
私は、元気な時は、どこまでも元気ですが、時々こんな風にパタリと倒れ伏す感じで、寝込みます。寝込むと元気になるまでに少し時間がかかるのは、歳のせいなのでしょうか??
元気が何より。健康にもう少し留意して、まだまだ、頑張りたいと思います。

さて、諏訪利明先生をお迎えして、6月26日に「教えて、自閉症のこと」という講演会を、くらしき健康福祉プラザで行いました。
岡山ではまだ講演された事がない先生ということもあって、はじめの頃は参加申し込みがなかなか増えず、どうしようかと心配しましたが、新聞社や会員の皆様のお誘いが、功を奏して、当日参加の方も多く、200名を超える大勢の参加者でお話を聴くことが出来て、嬉しく思いました。
自閉症の基礎を学ぶという今回の講演会は、はじめは学校や園の先生方に聴いて欲しいと企画しました。
初めて担任された先生方が、一番困られているであろうこの時期に学んでいただければ助けになるだろうという思いからでした。
ところが、フタを開けてみると、学校の先生方の参加はそれほど多くなく、保育園や幼稚園、デイサービスや放課後支援の事業所などの方が多くみられました。
それから驚いたのは、成人期の入所施設の職員の方々の参加がたくさんあったことでした。
お申し込みも際に所属を聞かせていただいているので、内訳を先生に伝えて、少し大きくなった方の支援も含めてのお話をしていただくことが出来ました。
幼児さんから成人期までの支援のお話ですから、先生もご苦労があったと思います。
けれど、自閉症の特性を解ろうとする、理解しょうとするのは、支援者として基本的姿勢です。自閉症の人の支援で、うまくいかない時には、「自閉症ってどんな障害だったっけ・・・??」というところへ戻り、考えなおしてみる、それが大切と先生は言われました。そこは共通ですね。
先生のお話は、暖かく優しく自閉症の人への想いがいっぱい感じられるものでした。
TEACCHを学ばれた先生がたは、どの方もそうですが、とても暖かいです。ショプラー先生がそうだったように、メジボブ先生がそうだったように、諏訪先生にも同じものを感じます。
そこにあるのは「愛」。自閉症の人たちへの限りない愛を感じました。
講演の最後の質疑応答の際に、ある男性の方が、質問されました。
「自閉症は、治らないのでしょうか?」
この質問に答えて、先生が言われた言葉が印象に残りました。
「自閉症は治らないかもしれません。でも、自閉症の人は、とても良く学ぶ人たちです。そして、とても良く育つ人たちです」
そうなんだ。だからこそ私たちは、彼らをしっかり理解してそして、一人一人に合った支援をしていかなければならないのですね。
自閉症は、治るとか治らないではなく、ただしっかり育てていけばいいんだ。
よし、育てて見せるぞ!!そんな風に思われた方が多くあったようでした。
良い講演会でした。会場が暖かい先生の愛情で包まれたような講演会でした。
さて、育てる会にお休みはありません。
続いては、8月6日(土)の講演会と支援ツールの展示交流会についてのお知らせをいたします。
今年も、香川大学教育学部から武蔵博文先生をお迎えして講演会を行います。武蔵先生は、5年前から「18歳の春を目指す親子療育クラブ」の講師としてお越しいただいております。
今年は、自閉症の子どもたちの感情の理解と、そのコントロールについて、ツールを使って行う方法も紹介していただけることになっております。ぜひ多くの方の参加をお待ちいたしております。
それに合わせて、県下の特別支援学校や特別支援学級、幼稚園、保育園にも呼びかけて、支援ツールの実際を展示していただきます。
今年で4回目の支援ツールの展示と交流会です。回を重ねるごとに、先生方の熱意・頑張りが加速されているのを感じます。どうぞ、多くの皆さんに参加を呼び掛けて、この岡山の先生方の頑張りの披露の場に、そして互いの学びの場になればと思っております。ここから、子どもたちの支援の輪が大きく広がっていくような、そんな風を起こしたい!そんな思いで、企画させていただいております。多くの皆さんのご参加を、よろしくお願いいたします。
只今出品をしてくださる学校や園、デイサービスの事業所や施設などを募集しております。
参加された団体には、出品全部をまとめた支援ツール集を差し上げます。

さて、話は変わって、「りんくる」という相談支援ファイルが岡山市から出たことのご報告をさせていただきます。
相談支援ファイル「りんくる」は、発達障害を持つ子どもの生涯を通じて使えるものです。
私たち親は、いろいろなところで子どもの成育歴や、現在の状況や支援内容など話す機会が多いのですが、何から話せばいいのか迷ってしまうことはありませんか?
そういったことをすべて一つのファイルに解りやすくまとめることが出来ればどんなに便利でしょう。また、支援する側の人たちにとっても、解りやすくまとめてあると読みやすいのではないでしょうか?
熱心な親たちは、サポートブックを支援者に渡しますが、人によってまとめ方が違い支援する側にとっては、理解しづらいものもあるようです。
また、膨大な量にたじたじとなる支援者も多いのではないでしょうか?
そんな人にもこのファイルは、まとめやすく読みやすいものになっていると思います。
この作成に、私たち育てる会も親の立場から協力をさせていただき、何度も意見を出させていただきました。モニターを会員の方にお願いして、いろんな年代の方の意見を提出してもらいながら、この相談ファイルは生まれました。
私たちの意見が、形になって出来上がりました。
岡山市は、親の視点を大切にして下さるという点でも評価できる良い市だと思います。
日本一良いものが、できたと思い皆さまにご紹介します。
「岡山市 りんくる」で検索してください。ダウンロードもできますので、岡山市以外の方でも利用可能です。自分でパソコン入力もできますので、とても使いやすくありがたいことです。岡山市在住の方には、事務局まで取りにきていただければファイルをお渡しします。
たくさんの方に隅々までこのファイルが行きわたりますよう、皆さんもお知り合いにお声かけいただきますようお願いいたします。

さて、我が家の哲平、会社が大変なことになりました。
哲平の勤める会社は、主に自動車のベアリングを作る会社です。電力事情の関係で、自動車産業界全体で、休日を土曜・日曜ではなく,木曜・金曜に変更することになったとニュースで聞いてはおりましたが、本当に7月からそうなってしまいました。
私それでは、とても困るんです。
哲平が、週末に行われている、育てる会の行事や、スペシャルオリンピックス、マラソン大会など、色々な活動に参加できなくなってしまうからです。これは、哲平の休日の予定がすっかりなくなってしまうことを意味するのです。
また、育てる会で忙しい私は、哲平とお休みが一緒に過ごせなくなりそうです。原発の事故がこんなささやかな家庭の幸せをぶち壊すなんて・・・、許せません!!・・・、なんて言いたい。けれど、しょうがありません、何とか対応を考えないといけませんね。
そこで、すでに昨年、会社を退職してもらったお父さん登場です。こんなときにお父さんがいてくれることが、こんなに便利とは思いませんでした。
育てる会のお仕事のうち、経理関係など一人でできるものは、土曜日と日曜日に事務局に出勤してやってくれることになりました。その分、木曜日と金曜日は休んで、哲平に付き合ってくれる次第です。
考えてみると、今まで土曜日の午前しか行けなかったお医者さんへも、自由にいつでも行けるようになるし、行楽地はいつでもすいていることでしょう。
二人で山登りも出来るだろうし・・・、なんて考えればいいことも数多くありそうです。
どうしても休みたいときは、哲平には有給休暇が19日も残っているので、これを使えばいいですね。
哲平の楽しみは、マラソン大会出場です。こちらは、お休みをいただいて、参加させてもらえるようにお願いしてみます。
また、AAO活動で、ボランティアさんとのお出かけも楽しみにしているので、これも外せません。他に水泳教室や、木工教室など、参加したい行事がいっぱいあります。
残している有給休暇もあっという間に底をつきそうです。困ったことですが、前向きに考えましょう。
さて、そんな哲平の働かせていただいている「NTNテクニカルサービス株式会社 夢工房岡山」の見学を、育てる会として久しぶりに企画いたしました。
6月21日(火)お母さんお父さんにぐんぐんスタッフ2人を加えた総勢13人で見学をさせていただきました。
今までとすっかり働く場所もレイアウトが変わっていて、前より広々して見える職場で、哲平は段ボールの箱折りを黙々とこなしておりました。
どんな仕事に変わっても、言われた通りにこなしているようでした。
きびきびした動きに、思わず「ふ〜っ」と安心の吐息が漏れました。
育てる会のお母さん達の前で、格好いいところを見せてくれると、私としては、ちょっと誇らしいのです。
哲平は、自閉症です。知的障害も重度の判定です。人の言われる言葉の理解は、ほとんどありません。
場面で理解したり、いつも通りの声かけには反応出来ますが、「どこへ行ったの?」「何をしたの?」などの質問には、どれも応えられません。
挨拶の意味も理解できていませんし、人の評価なんて、気にもしません。恥ずかしいという意味の理解も本当には、解っていないようです。
でも、きちんと仕事をやれるのは、この夢工房のスタッフの皆さんの素晴らしい支援があるお蔭です。
一人ひとりに合わせて支援のツールが考えられています。
テーブルの大きさや、高さ、音にも配慮が行き届き、どんな問題が起ころうと、きちんと対応を考えてくださいます。
一人仲間も増えて、現在は4人の障害のある人と、2人のサポート員で計6人の人が、働く職場になっていました。もうしばらくすると一人の仲間が増えるそうです。
テキパキとかっこよく働くみんなの動きに、「やっぱりここが一番だな〜」と思いました。
最近色々な障害のある人の職場を見させていただいていますが、夢工房は、やっぱり特別です。
誰にも指示されることなく、仕事表を見ながら、自分で判断して自分で動く、生き生きした様子は、他では見られません。こんな支援があれば、どんなに重い障害のある人でも働けるに違いありません。
では、無条件に誰でも働けるかというと、そうではありません。
大切なことがあることに見学された皆さんは、気づかれたでしょうか?
グループ長のTさんが、「障害の重さは、働くことには問題ではない。『本人の働く意欲』というところがとても大切だ」と言われていましたが、私も同感です。
意欲がなければ、お仕事は続けられません。意欲があるから、頑張るわけです。
哲平の意欲は、お金です。お給料の為ならどんなことだって頑張ります。
夢工房は、一日中立ち仕事で、体力も根気も必要です。真面目さや粘り強さが、最も大切です。仕事は、支援ツールがあり、しかも個人個人にしっかり合わせて考えてくださるので、どうとでもなります。けれど、まじめにコツコツやり続ける力は、一朝一夕では身につかないものではないでしょうか?
赤磐ぐんぐんで取り組んでいる、自立課題の重要性をここでも再発見したように思います。
誰の指示もなくても、一人で最後までやれることを、小さい時から取り組むことで、自信を持って、主体的に動ける人になっていくのではないでしょうか?
「どんなに障害があっても、働ける大人になれるんだ。」
哲平の何気ない動きの一つ一つが、何の逡巡もなくて、主体的で素敵でした。
こんな職場があることをもっともっと多くの人に知ってほしいと思います。
次回以降の夢工房の見学会は、7月17日(日)と、9月10日(土)の予定です。
会社が土日操業となったお蔭で、今度はお父さんや働いておられるお母さんにも参加していただけますね。また、興味のある学校や園の先生方にもぜひご参加いただけたらと思います。
障害のある人たちへの教育は、大人になった時を考えることが大切ではないでしょうか?
大人になった時、この学びはこの人に、どんな風に役に立つだろうか?
常に問いながら支援をしていただければ、どんなにいいでしょう。
どうも、親の分際で失礼なことを申し上げました((^v^))。
次の会報は、夏休みも始まった8月初旬の予定です。
今年の夏休みはどんな風にすごしますか? 今から予定を立てておきましょう。
今年こそ、家事を教えようとするもよし、スケジュールを丁寧に作って、スケジュールの便利さを子どもに教えてあげるのもいいかもしれません。また、親子で昼食作りに取り組む夏にしてもいいし・・・、どうぞ、来る夏に戦々恐々となるのではなく、夏休みを親子で楽しい意味ある期間に出来るように、今から考えておいてはいかがでしょうか?
健闘を祈ります。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子



 本年度 育てる会セミナー 日程・講師 決定しました!!

第2回 平成23年8月6日(土)   「支援ツール展示会と講演会」

       武蔵 博文 先生 (香川大学教育学部 教授)   岡山ふれあいセンター

ミニ@ 平成23年9月15日(木)  「発達障害児のきょうだい支援について」(仮)

       澤田 早苗 先生 (川崎医療福祉大学 講師)   岡山ふれあいセンター

ミニA 平成23年9月27日(火)  「わが子が大人になる!その前に・・・」

       桑原 綾子 先生 (ライフサポート ここはうす)   岡山ふれあいセンター

第3回 平成23年10月22日(土) 「自閉症 最前線」(仮)

       服巻 智子 先生 (それいゆ コンサルタント)   山陽新聞社本社大会議室

第4回 平成24年1月14日(土)  「問題行動への対応について」(仮)

       中山 清司 先生 (自閉症eサービス 代表)    岡山ふれあいセンター

第5回 平成24年3月17日(土)  「 (演題:未定) 」

        服巻 智子 先生 (それいゆ コンサルタント)  山陽新聞社本社大会議室



支援者養成セミナーの報告

平成23年6月26日(日)、くらしき健康福祉プラザ プラザホールにて、神奈川県の海老名市立わかば学園 園長の 諏訪利明先生をお招きして、「平成23年度第1回 自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー」を開催いたしました。
テーマは「教えて、自閉症のこと 〜どう理解し、どう支援すればいいの?〜」と題して、自閉症について、基礎的なところから丁寧にお話をいただきました。
午前の部では「自閉症の特性の基礎的理解」では、「自閉症の特性と学習スタイルについて」のテキスト、午後の部「学校や園、家庭での具体的支援」では「構造化について」のテキストを使い、実際の支援の様子のスライドなども見せていただいて、とてもわかりやすい講演でした。
参加された方から、詳しい講演会の報告をいただいていますので、アンケートと合わせてご紹介いたします。
アンケートといえば、みなさん毎回ていねいに書いていただいています。今回のセミナーでもたくさん集まりました。数えてみると190通ありました。参加者が220名でしたから、回収率はなんと86%を超えています。スゴイですね、ありがとうございました。
アンケートは全てコピーして、講師の先生にお送りして見ていただいています。今後ともアンケートへの協力も、よろしくお願いします。

諏訪先生のお話を聞くのは今回が初めてでしたが、とてもわかりやすくお話をしてくださる先生だということで、自分の勉強のためにはもちろん、周囲の人に自閉症ってこういうのなんだよと伝える際の参考にさせていただこうと思い、表現の仕方などひとつひとつしっかり聞いて帰るぞと意気込んで臨みました。
午前の部は自閉症の特性についてとてもわかりやすくお話くださり、参考になる点がたくさんありました。
まず、障害という言葉についてのお話がありました。確かに誰もが正しく理解するのはとても難しい言葉ですし、悪いイメージもたれてしまいがちな言葉だと思っていました。しかし、「つまずき」という言葉におきかえて、さらに「つまずいているのですぐには発達しない。ゆっくりゆっくり支援していってあげる必要がある」という先生の表現がとてもいいなと思いました。「障害=できない」ではなくて、「ゆっくりかもしれないけどできるようになるかもしれない」という希望を含んだ響きになるところが素敵だなと思いました。
そして、自閉症の学習スタイルの話の中では、私たちが日々子供と接していく上でしっかりと理解していなくてはいけないことがポイントごとに整理され、実例も挙げてとてもわかりやすくお話くださいました。
午後からの構造化のお話では、スケジュール、ワークシステムについて、そして視覚的構造化についてのお話がありました。
その中で私が是非自閉症の子にかかわる方々に知っていただきたいなぁと思った点は、自立のための構造化という考え方です。「自閉症の人にとって人から指示を受けて行動するということはとても苦手であり、つらい環境に身をおくことになる。でも視覚的指示があれば自立的に活動に取り組める」とお話くださいました。残念なことにまだ多くの現場で、その場その場で口頭指示すればできるのだから、視覚的指示等の支援はなくてもいいのではという考えをもたれてしまいがちですが、自閉症の人が本当に主体的に物事に取り組めるためには、構造化という考えなくしてはできないと思います。こういう考えがどんどん浸透していったらいいなぁと願いながら、そしてこういうお話をしてくださることをありがたく思いながら聞いていました。
そして、先生が最後におっしゃった、「自閉症の子はとてもよく育つし、とてもよく学ぶ。だから自閉症の子の力を最大限に引き出すような支援をしていかないといけない。」というお話、そして、「自閉症であることが問題なのではなく、自閉症であることをOKとしない社会・自閉症を支援できない社会のほうに問題がある。」というお話をとても心強く聞かせていただきました。自閉症であっても、ほかの障害であっても家族や本人ばかりが大変な思いをするのではなく、ごく自然に当たり前に日常が送れる社会になっていくことをあきらめずに期待していきたいなと思いました。
ユーモアを交えてとても聞きやすく、そしてとても貴重なお話を本当にありがとうございました。
(保護者 S)

特別支援教育に重点を置いた支援をするようになって,「岡山県自閉症児を育てる会」の講演会では,いつもいろいろな示唆をいただいてきました。
今回の諏訪先生の講演会も楽しみにして,周囲の人たちを誘い一緒に参加させていただきました。一方的に話を聞く講演ではなく,自分自身も考え,他の参加者と意見を交換することで違う考えがあることも実感する会でした。
「身近な自閉症かもしれない人の行動特徴を10個以上あげて。」と提案され,それを隣の人や会場の人と比べ,改めて一人一人違うこと,一人一人に適した支援が必要なことを考えさせられました。そして支援を考えるとき,ついつい目立った行動に目がいきがちになるが,自閉症の理解に戻らなくては・・・・
どの子もいろいろな能力をもっている。ただその能力を引き出す手助けが必要なのだと。そのためにも自閉症の人たちの特性を考慮し,一人一人の学び方(学習スタイル)を考えると,学ぶため,また力を発揮するための環境が必要であることから「構造化」へとつなげていかれました。
学習スタイルとしてあげられた9点の中で特に印象に残っているのは,1番に取り上げられた意味理解の困難さです。
子どもたちが意味を正しく汲み取って活動できるように支援ができているだろうか,意味を失っても止められず形だけ続けさせていないだろうかと,子どもたちの姿を思い浮かべ反省しきりの私でした。
午後からは「伝えたい情報を,自閉症のその人のつまずきを補い,その学習スタイルに合わせてわかりやすく伝えていく方法として構造化」について,具体的にわかりやすく話してくださいました。
構造化というとついつい物理的な構造化を考え,支援したという自己満足に陥りやすい。うまくいかなかったら,その子の実態に合っていないからうまくいかなかったのに,この子に構造化は合わないと自分勝手な解釈をする。また,自分たち自身は毎日の生活の中でたくさんの視覚支援をしてもらっているのに,社会に出たらないからとやめてしまう人もいます。しかし,自閉症の特性の理解に戻り,一人一人の実態把握を行い,構造化して実態の変化に応じて再構成されるべきであることを再認識させられました。
「自閉症の人は,分かったから何でもやるわけではない。自分にとって意味があるから行動する。一方的に与えるものではない。一緒に探していくものである。地域生活を当たり前に経験したい自閉症の人がいて,その人を中心に家族やいろいろな機関・社会との連携の中で実現されていくものである。構造化は本人が安心して学ぶための単なる手段であってゴールではない。幼児期から成人期までの一貫した支援によって,本人の生活の質を充実させるための手立てである。成人として充実した生活を送ることがゴールである。構造化は,自閉症の人たちにとって,本人のつまずきに合わせて考える合理的配慮である。」言葉の一つ一つが心に残るものでした。でも,一つ安心したのは,諏訪先生も子どもたちへの支援を何度も再構成をしながら行っていることを具体的な事例の中で話してくださったこと。諏訪先生でもそうなんだ。私も頑張ろうと思いました。
最後に今回の研修会を企画運営してくださった「岡山県自閉症児を育てる会」のスタッフや保護者の方々に感謝して終わりたいと思います。
(通級指導教室 担当)

 【 保護者 アンケート 】

構造化の意味を改めて学習しました。日々の療育で「これが何の役に立つのかな」と思っていたことの答えがわかり、目からウロコでした。自立の学び方だったんだ・・・・と
構造化について、とても分かりやすいお話でした。特に事例から構造化を考える課題はとても楽しかったですし、気づかされることも多かったです。
自閉症の特徴がとても分かりやすかった。一番理解できてよかったと思うのは、コミュニケーションのストレスを抱いて帰ってきた本人のストレス解消は、余暇を充実させること、ということでした。それで良かったんだと思え、安心できました。
子どもの視点は独特で、意味を取り違えて理解していることがたくさんある、ということを改めて考えさせられました。理解しているつもりでも、お互いに勘違いしていることがあるかも・・・と思いました。もう一度子どもへの支援が適切かどうか見直してみようと思います。
講演の間に問題が組み込まれていて、お隣の方と話し合う時間があったので、自分の理解の具合や、他の人の考え方もわかって良かったです。先生の失敗談のようなことも話されていたので、親としても、間違っても、失敗してもいいんだと思え、安心しました。
自閉症については、大まかなことしか頭に入っていませんでしたが、講演の中での7つの構造化を頭に入れながら接していくことで、本人にとってストレスの少ない生活を送っていけるということを学べました。この講演のことを自分の中だけにおさめず、我が子の保育園や、そして自分自身が上手く構造化を取り入れるようにしていきたいと思います。本当に良い勉強になりました。
先生が関わってこられた自閉症の方のエピソードから、我が子や支援させていただいている方々が、どの部分でつまずいているのかを理解する手がかりをたくさんいただけました。ともすると、漫然と関わっていたり、「きっとこう」という思い込みもあったと思うのですが、気持ちを新たに、色々な視点で、その人・その子のつまずきを理解するよう努力したいと思いました。

【教育・保育関係者 アンケート】

自閉症とは、と今一度考えること、理解しようとすることができただけでなく、学習スタイルを明確に学ぶことができました。自分が接している一人ひとりの子どもたちについて、構造化について考えてみようと思っています。(幼稚園教諭)
スケジュールにそって活動する中で、嫌がることは多く“相談”して、できることに差し替えるなどしてきたが、この交渉が表現コミュニケーションとして大切にしていくことであることを明言していただき、心強く思った。本人の気持ちを聞きながら取り組んでいかせたい。(小学校教諭)
事例を用いての説明はわかりやすく、現場での経験と重なる事もあり、「だからどうすればいいのか?」という部分まで聞くことができ良かったです。(保育士)
講演を聞きながら、“その子”のことを考え、見つめ直すことができたように思います。少しずつでも保育に取り入れて頂かせていただきたいと思いました。(幼稚園教諭)
何回も強調された「意味を伝えること」というのは、忘れがちな視点でした。形を追わず「意味を伝える」ための支援であることを再確認しました。(小学校教諭)
身近な例をとりあげての「Q」がおもしろく、かみくだいた答え探しが良かったです。(保育士)

【その他の立場の方のアンケート】

自閉症の特性を改めて詳しく学べたこと、CARSの認定評価度は大変わかりやすくて良かったです。(学童指導員)
知的障害者施設で支援員をしている者として、自閉症の特性と構造化について基礎的なことを知れて良かった。パワーポイントの文字がかわいらしくてみやしかった。(支援員)
先生の講演は初めてでしたが、とても楽しく笑顔で聴かせていただきました。ほんとに一人ひとり違う発達障がいの人たちとかかわって、日々、「こうじゃなかったな」「違ってたな」と立ち止まることはありますが、支援がその子どもに合った時の喜びをパワーに変えがんばろうと思います。(ヘルパー)
実際の支援現場の写真や事例を通しての考える時間を設けてくださったことで、理解しやすく積極的に参加できる会であったと思いました。(作業療法士)
とても分かりやすく自閉症の基礎を教えてくださいました。先生の体験も交えながらのお話だったので想像でき、理解がしやすかったです。「支援に最も必要なのは意味を伝えていくこと」というのがとても印象的で、改めて考えさせられました。(社会福祉士)

教師・保育士対象 即実践講座

重松孝治先生による即実践講座、第2回よりは、基礎編・アドバンス(上級編)と分かれて、先生方が熱心に学ばれています。
昼間の授業や保育、施設での指導などの終わられた後、貴重な夜の時間を割いて、自閉症児・者のために、と通っていただいている熱心な姿には、保護者として本当に感謝の思いです。
そして、2回が終わった後も、「途中からでも参加できますか?」という嬉しい問合せが事務局にかかってきています。
一人でも多くの理解者が増えることで、その方の周りで暮らしやすくなる自閉症の方が増えて行きます。
途中からのご参加でも、それまでの講義のDVDはお貸しいたしますので、安心してご参加ください。お待ちしています。
それでは、第2回の講座、基礎編は「評価(個別化)」、アドバンスは「評価(自閉症の特性)」のテーマで行われましたが、そのアンケートが帰ってきていますので、一部を紹介します。

現場での支援、実践を思い出しながら聞くことで、とてもイメージしやすかったです。働いていく中で、利用者のできないことに目を向けていたことが多かった気がします。一人ひとりの“めばえ”を再度見直して支援も考えていこうと思いました。
当事者に対する評価ばかりを考えがちでしたが、支援者に対する評価を忘れていた気がします。自ら、自分自身の関わり、言動を見直していこうと思います。
評価を進める上で持つべき視点として全体性を見ていくのだということ。私はできない部分や問題点が目についてしまいがちなので、どんなことができ、どのようなことが得意なのかということも含めて、両者の差から本人理解を進めていくのだということが印象に残っています。
当然のことなのですが、改めて全体的に本人を観察し、理解していくことが重要なのだと学びました。
芽生えスキルの考え方がとても良かったです。
情報収集の中で、できない部分や問題点だけを見ていても、アドバイスはでてこない。できること、得意を知り、本人理解を進めていくということが、とても実感をともなって響きました。ご両親からや関係の支援者からの話では、どうして本人像が描けず、アセスメントやプランにつながりにくいか、ということにも関係する気がしました。バランス良く情報収集することを心がけていきたいと思います。それを家族や支援者にも伝えていきたいと思います。
また、相手の受け止め方(視点)を受け止めることの大切さも、成人支援の経験から納得しました。

【即実践講座 基礎編】

☆第3回☆ 平成23年7月8日(金)19:00〜20:45
    「支援のアイデア(構造化@ 環境調整)」
    岡山県生涯学習センター 大研修室
    対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、施設・福祉関係職員の方 対象。
         (申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)

【即実践講座 アドバンス(上級編)】

 ☆第3回☆ 平成23年7月14日(木)19:00〜20:45 
    「評価(個別化のための情報収集)」
    岡山県生涯学習センター 大研修室
    対 象 : 過去の重松孝治先生の即実践講座を受講したことのある人。
どちらの講座も参加費・申込先は一緒です。
   参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
         途中参加の方には
、それまでの講義のDVDをお貸しします。
   申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)

「18歳の春を目指す 親子療育クラブ」

7月は、各自で作った支援ツールの発表会や、親子で取り組む料理教室を行います。
9月には、初めての企画として、愛媛のライフサポートここはうすの桑原綾子先生をお招きして、18歳の春でのミニ講演会を行います。
育てる会でのいつものセミナーよりも短めで、平日に行いますので、お母さんたちにも気楽に参加いただけると思います。
日 時  平成23年9月27日(火)10:00〜13:00 (受付 9:45〜)
場 所  岡山ふれあいセンター2F 第3・4研修室
テーマ  「わが子が大人になる! その前に・・・
                   〜自分の今と過去を振り返ってみよう〜」
※今回は正会員の方なら参加費500円で参加可能です。ご希望の方は事務局までお申し込み下さい。
  尚、"18歳の春"メンバーは無料です。

  (18歳の春参加のみなさんへ ツール展示会のお願い)

☆8月6日(土) 岡山ふれあいセンター☆
今年も例年通りツール展示会に出展します。
これまでに作ったツールの展示にできるだけご協力下さい。よろしくお願いします。

「NTN夢工房岡山 見学会」

代表の巻頭文にもありましたように、6月21日(火)にNTNテクニカルサービス 夢工房岡山の見学会を行いました。
以前見学された、愛媛大学の上岡一世先生から、「自閉症者の就労では、日本で一番の支援が行われているでしょう」とのお墨付きをいただきましたが、日々の仕事の中で、本人に合わせての工夫を重ねられていて、さらに働きやすい職場になっていました。
いっしょに参加されたみなさんからも、熱いメッセージが寄せられていますので紹介します。
次回の見学会は、7月17日(日)です。日曜日ですので、今度はお父さん方もお誘いして、一緒に見学していただけたらと思っています。

先日は 見学させていただき、ありがとうございました。
何より驚いたことは、たくさんの人が見学に来て、話を聞いたり、仕事の様子を見させてもらったりしているのに、誰一人 動揺することなく、着々と自分の仕事をこなしていることでした。
仕事も正確で、早いのもすごいなぁと思ったことです。みんな本当に真剣に真面目に仕事に取り組まれていました。
そんな風に仕事ができるのは、目で見てわかるスケジュールがあったり、工程表があったりと仕事をする環境が整えられているからだろうなぁと思いました。それと、自助具もとても工夫されていて、その人にできるように、その人の特性やできることをよく観察しておられるなぁと思いました。
お話の中で、一番いいなと思ったことは、健常者の仕事の補助でなく、障害をもった人本人が主役になれる仕事をと思っていると言われていたことです。
その人が どんなことができるか、よく見極められていて、その仕事ができるように教えたり、サポートしたりしておられて、本当に障害をもった人にとって、優しい会社だなと思いました。
我が子が みんなみたいに働けるようになると いいなぁとつくづく思いました。(今の我が子を見ていたら、目標が高すぎて、到達できるのだろうか、と不安になるのですが…) 親の努力も不可欠だと言われていたので、まだまだ手がかかることだらけですが、あきらめず、毎日コツコツと積み上げていきたいなぁ。働く大人にしてやるぞ!とまた目標ができました。
ありがとうございました。
(K)

私にとっては、久しぶりで2回目になるNTN夢工房見学会に、参加させていただきました。前回も、感動してしまって、涙がでそうになったことをおぼえていますが、今回も同じでした。みなさんの前で、泣くのは恥ずかしいので、こらえてはいましたが、ともかく、私は、今回も感動して、うるうる、でした。
鳥羽代表と高津さん・今村さんのやりとりは、ノート7冊目に入られたそうです。家族からの情報提供が、いかに大切なことなのか。ということが、本当によくわかりました。その積み重ねが、今のこの理想的職場環境なのだということが、よくわかりました。最初からあったものではなく、作っていかれたのだと。
常に、効率・良品質を求め、工夫をされていた多くのジグ類、その中のひとつを、前回、私も使ってみて体験をさせていただいたのですが、そのジグも今年6年目にして、さらに、工程が少なく、早くできるように、改良されていました。ジグを改良するにあたって、「発想の転換をしました。」と、高津さんは、言われていました。さすが、企業で頑張ってこられた方だなあ。と思いました。さらにさらに工夫を重ねて改良を進められていくことのすごさを思いました。
そして、何よりも、私が、一番、感動したのは、夢工房で働かれている4名の方の生き生きと働いておられる姿でした。まさに、彼ら彼女達が、主役でした。
最後に、私が、「我が子に、今培わないといけないのは、体力かなあと思いました。」とつぶやいていると、代表は、「あなたが、今この時に思ったことには意味があるのよ。そして、それをするかどうかは、あなた次第ね。」と言われました。
本当に、私にとっては、感動の見学会でした。この感動を、うまく言葉に表せないのですが、私自身が感じたことが、私のこれからの子育てに生かされていくように思いました。行かせていただいて、本当によかったなあと思えた見学会でした。ありがとうございました。
(N)

久しぶりに見学させていただきました。以前もすごい職場だなと思いましたが、ますます工夫がされていて圧巻でした。
働いている人皆が夢工房でやっているすべての仕事を出来るようになるための手順書や補助具などが整っていて、まさに「知恵と工夫の作業環境」だと思いました。
その知恵や工夫は、個々人の様子をよく観察し把握することから始まっているのだと思います。スタッフの方々に頭が下がります。
作業をする姿勢から椅子や作業台の高さを変えたり、箱にビニール袋をかける作業では、以前見させていただいた補助具もすごい!!と思っていたのに、さらに改良されていて・・・驚きました。必要なら新たに作り、不具合が出てきたものは改良する。「障害者に主役になって働いてもらう」という運営理念がしっかり貫かれていると思いました。こんな素晴らしい職場で働けたら、と願わずにいられません。
そのためにも、しっかり育てていかなければと思います。「いろんなお手伝いをしていると、仕事の変化に早く順応できる」というお話がありました。今までもいろいろなお手伝いはさせてきましたが、新たなお手伝いはさせていませんでした。もっとたくさんのお手伝いを増やして、いろんな状況に慣れさせることは今からすぐに出来ることです。嫌がっていたこと、苦手なことにもチャレンジさせていこうと思いました。幸い今は欲しいものがたくさんあり、お駄賃が増えることは、本人も嬉しいでしょう。
また、1日のほとんどが立ち仕事という状況は聞いただけで疲れてしまいました。体力も本当に必要ですね。やることがたくさん出来ました。
見学させていただいて、本当にありがとうございました。
(M)

息子の将来の参考になればと思い、今回見学会に参加させていただきました。
以前、私が地元中小企業の製造現場で働いていたこともあり、作業内容、環境等興味がありました。
何より驚いたのが、作業効率のよさでした。作業をまじめに取り組む姿はもちろん、周りが生産を効率よくあげるために治具を作っていたり、サポートできる家族や職場の人が周りにいて、安心できる環境にあることを目で見て強く感じました。普通の会社でも学ぶべき点は、たくさんあると思います。
息子も将来、就労できるように今から少しずつ準備したいです。今回は貴重な機会を与えていただき、ありがとうございました。
( I )

夢工房のみなさん、鳥羽代表、見学会では大変お世話になりました。
自分たちの子どもには、近い将来こうなってほしい、という理想の姿を見せていただき、希望と感動で帰途につきました。
特にグループ長さんが強く言われていた「基本的生活習慣」「家庭でのお手伝い=お駄賃」「楽しみ方を知っているか」の3本柱は、就労が続くかどうかの一番大切なことで、自立できるか、の大きな鍵になることを今さらながらに強く感じました。
作業所もわかりやすく工夫され、特に参考になったのはゴミ箱で、3種類のゴミ箱の上に捨てるものを直接貼ってあり、ひと目でわかりました。
我が家でも、参考に【缶】の看板の上に【缶のマーク】を貼りました。
いろいろ勉強させていただきましたが、特に働く意味、楽しみがあるから働く気持ちが高まることがよくわかりました。お忙しい中ありがとうございました。
( I )

私にとって、障がい者の雇用に力を入れている企業を見学させて頂くのは初めてのことでした。見学中、彼らがほとんど指示や修正をされる場面を見なかった。これはすごい!!驚きでした。私語はもちろん、無駄な動きは一切見られませんでした。準備から片付けまで自分で行い、ダブルチェックはしない。自分で考え判断して行動できる素晴らしさ、その能力が出せる環境づくり。
そこには、このくらいしか出来ないだろうという思い込みや、決めつけはなく、彼らを信頼する姿勢がありました。家族としっかり情報交換をすることで早く苦手とする部分を把握する。能力を補う補助具を作る。健常者の作業方法を押し付けない。そうした努力によって、生産性や品質においてきちんと市揚に通用する仕事が出来ています。「ビニ−ルを破ってくれたおかげでより良くなった。」と言えるグループ長さんの姿勢に脱帽しました。うまくいっていることでも、もう一度見直してみる姿勢を、私も忘れないようにしたいと思いました。
仕事と人の両方から歩み寄る、理想の形がそこにあるように思いました。
働く意欲を育てることの大切さ、楽しみを持つことの大切さを再確認し、だからここを目指していけばいいのだと実感できたことが大きな収穫でした。
すべて与えられるのではなく、頑張ることで得られるもの、が人生を豊かにしてくれます。
『僕はジョブコーチ』という本の中で北野賢三さんが、働くことの意義とは『実存感を得る過程そのもの』と言っています。働くことによって自已を表現し、他者から自己の存在を認められ、それを自らが実感する そのプロセス。
自分自身を肯定できる。自分に「まる」をつけてあげること。私たちみんなが求めているのはそこですよね。
こんな職場があるということに勇気と希望をいただいた、見学会でした。ありがとうございました。
(赤磐ぐんぐん スタッフ:政田 亮子)

先日は、夢工房の見学会に参加させていただきありがとうございました。
とにかく、とても感動しました。どんな事に感動したかというと・・・
まずは、やっぱり自閉症の方々の働きぶりです。お話しを伺っている間も、みなさんが黙々と、そしてすごいスピードで製品を仕上げている様子を実際に見て本当に驚きました。
そして状況に応じて製品を運ぶ台車を置く位置を変えたり、お茶も自分たちで作られると聞いてとても感動しました。いただいたお茶が、とっても、とっても美味しく感じました。
もうひとつ感動したのは、自閉症の方々を周りで支えていらっしゃる社員の方々のお人柄です。こういう方がいらっしゃるから、自閉症の方々が働きやすい、すてきな職場になるのだなあと。 工夫に工夫を重ねて、より働きやすい職場にしようとされている事にとても感動しました。
そして、代表が哲平くんの為に分厚いプロフィールを作られたり、指導員の方や上司の方とよく連絡を取り合われている事にも感動しました。
「このような、自閉症も方々に理解のある職場が、増えていきますように・・・。」と願うような気持ちになりました。
(赤磐ぐんぐん スタッフ:古川 恭子)

「キッズルーム」

6月19日(日)、岡山大学児童文化部さんのご協力をいただき、本年度第1回目のキッズルームを、岡山大学第2体育館で開催しました。
定員20名いっぱいで、今回が初めての参加というお子さんもいらっしゃったのですが、開始前のリトミックで大型遊具や手作りのハウスやトンネルなど、ボランティアのお兄さんやお姉さんといっしょにダイナミックに遊んでいるうちに、すっかりうちとけていました。
会がはじまり、進行役のお姉さんのお話しもしっかり聞けていましたし、みんなで座って劇も楽しんでいました。
なにより、毎度のことながら、最後のスカイバルーンのはじけるような笑顔・・・また次回のキッズルームで会いましょう!!

「クローバーの会」

6月18日、5家族11名で倉敷へ行ってきました。
いがらしゆみこ美術館にてお姫様体験、天丼屋で昼食をとり、いったん解散。その後は美観地区を自由散策しました。
残念ながら途中から雨となったのですが、それでも、ドレスを着られたこと、アイビースクエアでキャンドルを作ったこと、鯉にえさをやったことが楽しかったと言っていました。

参加した皆様の感想をご紹介します。


美観地区へのお出かけで楽しかったことを聞くと、ドレスを着てみんなで写真を撮ったこと。電車の中では○○ちゃんと、駅から美観地区までは○○ちゃんと話をしながら歩いている様子は中高生ぽかったです。また今回は電車に乗る体験もできて、一石二鳥という感じでした。我が子は次回を楽しみにしているようです。(S)
みんなと一緒にできて、すごく楽しかった!また行きたい!と喜んでいました。でも、人ごみの中にずっといたので、帰りの電車では爆睡で、帰宅してからも ぐったりでした。活動と電車の両方はしんどいようなので、それぞれ分けて慣らしたほうがいいなと気づけました。また、少し成長して、選べる服が増えたら行きたいです。(T)
前日に、スケジュールを伝えたら、「いがらしゆみこ館で、気に入ったドレスがなかったら、着なくてもいいかなぁ?」と意思表示をしました。でも、当日、みんなが、ドレスを着ることを楽しそうにしている様子をみたり、ドレスを見て、着てみたいと思えるドレスが、すぐに見つかったりで、いっきに、着てみる気になりました。終わっての感想も、一番楽しかったことは、ドレスを着て、写真を撮ったことでした。一人だとしないけど、みんなとだとできた経験でした。(N)
今回はみんなで電車に乗ったり、散策したり、買い物にドレスアップ体験…と盛り沢山で、娘はもちろん、親もすっかり楽しんでしまいました。みんなとワイワイ楽しんで、グループ旅行ならではの盛り上がりで、家族旅行とは違った楽しさがあり、とても良い経験ができました。これからも楽しみながら多くのことを経験できればと思います。(T)

「母の想いを語る会」

6月14日(火)朝9:45に市役所のホールで待ち合わせをした後、すぐ近くの「しょうが屋」へ、総勢11人で伺いました。
「しょうが屋」さんは、カウンターとテーブル席が3つという造りの小さなこじんまりしたお店でした。
そこが11人もの見学者でいっぱいになりました。
伸ばしたうどんを折りたたんで、同じサイズにトントンと軽快に切っている人、配膳をする人、てんぷらを挙げる人・・・。皆それぞれに出来ることをテキパキとされています。
注文を取りに一人の方が、来られました。接客も得意な人が、やっておられるのでしょう。
初めに永田さんから説明を受けました。
初めは作業所からのスタートだったこと、どうしてうどん屋さんを作られたのかなど、私たちの聞きたい質問に答えてくださいました。
食べ物商売は、必ず売れるものをやらないと商売としては成り立たないこと、パンをやっているところは、売れなくてどこも苦労していることなど聞きなるほど・・・、と思いました。
ここのよさは、皆さんが街の中で生き生きと一般の人たちの中で働いていることでした。
永田さんは、手作り品は、ごみになるから、だめよ。と言われました。
はっきりという人だと思いましたが、そうかもな・・・と思いました。よっぽどいいものしか人は買ってくれないものだそうです。
いらないようなものを、一つ二つはお付き合いで買っても、そんなに買えません。
気持ちで買うには、限度があるものですものね。
内職もさせたくないといわれました。
「そんなら、うどんはどんなところがいいのでしょうか?」と聞くと
「うどんは、10キロの小麦粉に塩水を5キロ加えて混ぜたらできるよ。」
「それを皆で踏んで踏んで、一晩冷蔵庫で寝かして次の日伸ばして切って、ゆでたらできあがり・・・。簡単じゃもん。誰でも出来るのが、うどんよ。」
といわれるのです。
そんなに簡単なら、私にもうどん屋が出来るかしら・・・と思うほどでした。
「しょうが屋」さんのうどんは、とても美味しくてボリュームがいっぱいのうどんでした。
心も体も暖かになって、次は、岡大医学部の通りにある「えすぺらんと」という大判焼きと焼き栗や、ソフトクリームの販売をしているお店を見せてもらいました。
皆さんがんばってお仕事されていました。
何よりいいなと思うのは、街の中に障害のある人の働く場があることです。
さりげなくあるのが、いいですね。地域の中でみんなの中で、共に暮らす共に生きる。これが実践できているのが、素晴らしいです。
私たちも、子どもたちが大きくなっていく中で、私たちの子どもに合わせた職場を作っていきたい・・・、作っていけるかも・・・、いいや作らねば・・・。そんな風に気持ちが盛り上がってくるのを感じました。
それでは、参加されたみなさんからも感想が届いていますので紹介します。

以前テレビで見て気になっていた「しょうが屋」さんへの見学ということで、とても楽しみにしていました。
うどんを打ち、お店の準備をし、個々人が自分の仕事をきちんとされていました。近くの市役所にも一人で間違えずに出前にも行かれるそうです。
永田さんは、「親だけが、障害者だと気にして無理をさせている。普通でいい」とおっしゃっていました。
身辺自立や自力通勤など、年齢に見合った行動が出来るようになっていれば良いということだと思います。わが子も大きくなり、社会人になる日も遠くありません。ここが頑張りどころだと改めて思いました。
うどんの作り方や出前の仕方などどういうやり方で教えられたのか具体的なお話もちょっと聞きたかっですが、おうどんもおいしく、「えすぺらんと」で買った大判焼きも息子がおいしくいただき、街中で普通に働けるこんな事業所が増えればよいなあと思いました。
「しょうが屋」から「えすぺらんと」にいく間永田さんとお話をさせていただいたのですが、「子離れせんといけんよ」と一言。親も育たないと駄目ですね。
(M)

今回のしょうが屋、エスペラントでは、うどんや大判焼きの製造、販売、接客の様子を見学させていただきました。
大判焼きを作る過程では、入れる餡の量を一定にするために道具に工夫がされていたり、焼き具合を調整できるように電気式の鉄板が使われていたりと働きやすい工夫が取り入れられていました。
うどんは、注文をとったり、出来上がったものを運んだりする中でお客さんとの応対が必要となるので大変だろうなと思いました。市役所への配達もされているそうです。皆さんが、まじめに一生懸命に取り組んでおられる姿が印象的でした。
「最初から上手にできる子はいない」と所長さんは言われました。そういうふうに思ってもらえて、長い目で見て、教えてもらえると親としてはありがたいことだと思いました。接客や製造は子どもの能力や性格的に向き不向きがあり、誰にでもできることではないかもしれません。でもお客さんからの反応を励みに感じられる人にとっては、やりがいのある仕事だと思いました。
『毎日働く場所に通い、自分が頑張ったことに対してお給料をもらう』そういう生活をいつかわが子にも送ってもらいたいと思いました。
(T)

今回は街の中にある「しょうが屋」と「えすぺらんと」を訪ねました。
お昼時になると街の方々がお店に入ってこられておうどんを食べられていて、うどん屋さんだから当たり前のことなのに、私は、何故かそのことに驚いてしまいました。
何故驚いたのか後から振り返ると、限られた人と過ごすことが多いのではないかなと思うような職種とは、少し趣が異なるのではと感じたからだと思います。
 早いのですが、大きくなったときのわが子は、初めて出会うお客さんにどんな反応をするのだろうか、考えてみましたが、想像がつきませんでした。
 永田さんが、「何でもやらせてみる」と繰り返しお話されていたことが印象にのこっています。親が子どもの成長の機会を奪ってはならないということだと思いました。丁寧に、でも色々なことを、経験していくことが大切なのだなと思いました。
(O)

先週の職場見学ではお世話になりました。しょうが屋さんもえすぺらんとさんも皆さんが明るく一生懸命に働かれている素敵な職場でした。美味しくいただいて満足しました!
接客の仕事は不特定多数のお客さんが来られるので、いろいろ難しい事があると思います。自閉症のお子さんのトラブルの例も伺い、これは辛いなと思いました。それでも、うまくいってお客さんの笑顔やお礼の言葉等が直接得られると、大変嬉しい成功体験になるし自信ややる気アッブに繋がると思います。
うちの子供の特性を考えると、しっかり支援して下さるジョブコーチの方がおられたら可能かも?という感じでした。勉強になる事が多かったです。ありがとうございました。
(T)

 【 次回母の想いを語る会 】

日 時:平成23年7月12日(火) 10:00〜12:30
場 所:きらめきプラザ 大会議室A(岡山市北区南方2-13-1)
参加費:300円 (正会員 限定)
今回は、きらめきプラザで、ゆっくりといろんな母の想いを語り合う会の予定です。

「AAO活動のお知らせ」

お世話になります。蒸し暑い日が続き なんだかすっきりしない毎日ですが、みなさまいかがお過ごしですか?
7月に第一回目の活動を予定しています。参加者全員で「エイ!エイ!オー!」と掛け声をかけ、一斉に出発します。
ご協力をよろしくお願い致します(^0^)/
活動日につきましては、メールにてお知らせいたします。
今年度もどうぞよろしくお願い致します。
(AAO活動担当:K)

「OHAの会」

OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。今年度の読書は「その子らしさを生かす子育て(改訂版)吉田友子:著」です。お持ちでない方は、事務局に用意しておりますので、ご購入ください。
原則 第4金曜日に、きらめきプラザにて、参加費 700円で行っています。 (正会員 限定)
アドバイザーは臨床心理士の利守愛子先生です。
夏休みに入るので、7月・8月はお休みで、次回は9月に開催予定です。お楽しみに!!

水泳教室のお知らせ

日 時 : 平成23年7月17日(日) 15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
          ※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先: 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
  体験は1回2000円(保険代込み)です。  (正会員 限定)
★欠席される方は、必ず7月12日(火)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
(水泳担当:S & H)

サッカークラブのお知らせ

日 時 : 平成23年7月24日(日) 10:00〜12:00(9:45集合)
場 所 : 旧・岡山中央南小学校グラウンド(岡山市北区中山下)
持ち物 : マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札
       お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
       親リーダーはグループノート
*雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきてください。
     保護者の方も忘れずにお持ちください。
* 体験・見学の申し込み・お問い合わせ・欠席の連絡は担当までご連絡ください。 (正会員 限定)
(サッカークラブ担当:M&S)

 お母さんコラム

「絆」を思う 〜今までを振り返る〜

みなさん、お元気で活動されていますか?私は、この2年間育てる会の活動になかなか参加できずに、ご無沙汰していました。
くやしい。もどかしい。
そして、とても寂しい限りでした。
広汎性発達障害の息子Aは、早くも6年生になりました。
「特別支援学校に行きます。中学校は断わってください。」というA。進学の時期になりました。
5年前。地元小学校の特別支援クラスに入級する時に、保育所の所長先生や当時の小学校の校長先生が働きかけをしてくださって、『情緒障害・自閉症』クラスの新設ができてホッとしたことを昨日のことのように思い出します。3月末、「子どもの様子」や「親の不安、願い」を手書きで書いて、小学校に持参しました。ずいぶん校長先生が丁寧に聞いてくださって、それだけで安心したものです。
また、「入学式の練習もしましょうね。」と、保育所の所長先生が春休み出勤しなければならない私に代わって、家庭福祉員の先生宅まで、息子を迎えに行ってくださったことは忘れられません。小学校の大きな体育館の中を入場の練習で、新しい制服を着て歩いていた写真は、とても大好きです。家庭福祉員の先生や保育所の先生方など息子Aを取り巻く人々の熱い想いを感じて、感謝と感動でいっぱいになったことを思い出します。
 その保育所で育ててもらったことで、保護者・子どもとの繋がりが深く深く根を張っていきました。「広汎性発達障害」と、診断された3歳9ヵ月の時に奇遇にも私は知的特別支援学校教員でした。「発達障害とは、なんぞや???」あまりたいしたことのように思えなくて、「障害といっても軽い。どうにかみんなに追いつくに違いない。」なんて思っていた自分でした。「軽い=どうにか本人にがんばらせれば、できる。」という短絡な私の考え・・・そこでは「自分が何をすべきか」を考えていませんでした。
こうして、1年間息子にとってはつらい日々を送らせてしまうことになりました。
年中の3月、ボタンをはめることができるようになっていた息子は、お迎えに行くと、ボタンを口でかじってドロドロの制服にしていました。日々のスケジュールも手順も「一週間の流れ」さえ分からずに過ごさせてしまった事のつけが、この姿になっていたと思います。
そんな時改めて「発達相談」を受けようと思って、保育所の先生に相談したら、「Aちゃんは、いつも給食の時に、砂場でミニカーを並べて遊んでいるのです。」と、言われて『集団の中での息子の不安』を感じました。
こうして『息子の努力ばかりを求めていた自分の愚かさ』にやっと気づいたのでした。この時自分の不甲斐なさに涙が止まらなかった。特別支援学校の教員にも関わらず、あまりに無知な自分に恥ずかしくてたまりませんでした。
それでも、年中の懇談で、ようやく我が子のことについて語った時、保育所の保護者の一言に胸打たれました。「子育てはいっしょだよ。悩むこといっぱいあるよ。いっしょにがんばろう。」「貴女がいつAくんのことを言うかと、思っていたよ。よく言ってくれたね。」
新しい出会いもありました。
同級生の子の親が紹介してくれた「リズムの先生」との出会い。
先生が最初から投げ出さずに、途中も悩みながらAへの個別の支援の方法を考えて下さった。
今では、右手そして左手のピアノの指使いまで覚えて、小学校の発表会ではキーボードを合奏する力を見せてくれるようになっているのです。
忘れられないのは、先生が川崎医療大学の佐々木正美先生・重松先生の講演会にも参加してくださって、いっしょにAのことを考えてくださったことです。
その上独自のスケジュールに取り組んでくださいました。
同時に交流学級の児童と保護者達との繋がりもこの6年間で、深く広がってきたと思います。
2年生から小学校で取り組んでくださった「特別支援クラスの保護者のおもいを聞く会」も大きかったです。これは、交流学級での懇談に出かけて行く私たちの背中を力強く押してくれました。
毎日の連絡帳や出来事を振り返りつつ「特性に合った支援で、わが子が成長してきたこと」「交流クラスの集団作りの一つの中で育ててきてもらった、お互いの関わり・心の交流」について話してきました。その一つ一つが我が子の成長に直結して現れてきていることを確信できました。そして保護者・児童の理解が「安心ある学校生活」を育んできたことを感じることができました。児童からの一言手紙も毎日もらいます。「Aちゃんの笑顔にホッとする。」など、Aの良いところを感じて伝えてくれる子どもたち。「目標に向けてチャレンジする」Aを認めてくれているのが分かって、とても嬉しかった。
そしてAは、4年生のころから、「今日あったことを今日話し、嫌だったことを訴えるように」なっていきました。Aの成長する姿に、佐々木先生がよく言われていた言葉を思い出します。「自信とは、何かできるようになったからつくものではないです。自分を信じることができるようになったからです。そして、それは、人を信じることのできるような安心のある生活があるからです。」「どうか、彼らの特性を分からない熱心な支援者にならないでください。そんな人は支援者をやめてください。特性をよく分かった支援者になってください。」と。
 「自閉の生徒」「自閉の息子A」「育成会や同じ小学校の特別支援クラスの自閉の児童」に何をしてきたのだろうか?と思いました。「熱心に語りかけた本人への説得」や「自傷や他傷の激しい生徒が何をどう想いそのような行動にでるのかを考えもせずに、止めることばかりに必死になっていたこと」「困ったことをする子だ。とばかり思って、本人が困っていることを考えてこなかったこと」等等。恥ずかしさに、わが身がちじこまるような思いがしました。
知的の特別支援学校で私が担任した自閉症のBくん。家庭の事情により、途中施設入所となった頃Bくんは自傷や他傷がとても激しくなりました。服をビリビリに破いて、頭をぶつけて、ハサミで髪の毛を切ったり、人を噛んだり・・・「自閉症の特性」を学んでいくと、「この子が困っていること」が少しだけ見えてきたように思えました。
「Bくんにとって分かりやすい『スケジュール、終わり』の提示は?『一ヶ月の中で、いつ家に帰り、何を楽しみにすごすのか』の提示はどうする?」「『トイレへ行きたい。』『これをして遊びたい』というコミュニケーションカードは?」と作成しました。
少しずつ息子のAにもスケジュールの提示ができていたので、Bくんにも作成しては彼の安心をちょっとだけでも確保していったように思います。それでも噛まれたのは痛くて、思わず噛む真似をして、「痛い。でもゴメンよ。」なんて言ったことも教員としては恥ずかしいがなつかしい思い出です。
「お母ちゃんは、ぼくの味方です。」と息子のAが私に言ってくれたことがありました。
そして、「お母ちゃん、がんばってね。」とホワイトボードに大きく書いてくれたりしました。
これはAから贈られた私の宝物。
言葉の中にこんな気持ちが感じられます。『おかあちゃん、ぼくに、わかるようなことを届けてくれて、安心をくれてありがとう。』という。
その証拠に怒られてイライラした時には、私が作った支援グッズを投げつけたり破いたり捨てたりするのです。
それにつけても、このような私たちの今があるのは、「岡山育てる会のお母さん方や先生やボランティアの方々との出会い」があるからこそだと思います。それがあるからこそ、「この子に伝える方法」「この子が不安に思っていること」
「この子がわからなかった予定、するべきこと」を基本にして、「どうしたら分かるか」「どうしたら自分の気持ちを伝えることができるのか」を考えさせてもらってきたからです。この会は、さまざまな特性や傾向のオンリーワンの子ども達がおり保護者達がいる会です。その中で、不安や悩みを共有しながら、得意を分け合って、喜びを分け合ってきた日々はとても幸せでした。また、今まで私たち親子の「特性」を理解して見守ってきてくれた「家族」「特別支援クラス・交流クラスの児童・先生・保護者」「育成会の人」「地域の人たち」「ピアノ・和太鼓・乗馬・ヘルパーさん」そして「岡山育てる会」の人々との「絆」が私たち親子の周りに「暖かい心」を運んできてくれていることは、間違いないのです。私たちは一人では決して「親子」にはなれないと思います。「親子」の絆が周りの人々との「絆」によって、育てられてきたことを痛感しています。
「生まれてきてくれてありがとう。」
こんな言葉をこれまで何度も言うことができたのも、「絆」のおかげなのです。
出会ってきた人々や関わってきてくれた人々との「絆」を日々大事にして「今」を大事にして「思いを言葉にして感謝を伝えていきたい。」
どうも、ありがとう。どうか、これからもよろしくお願いします。
(Aの母)

支援センターNEWS☆

支援センターを2人体制でスタートして3か月が経ちました。
私としては、強力な相棒を得て複雑な相談案件も2人で話し合い、意見やアイデアを出しながら進めることができるようになったことを、とても心強く思っています。
相談員として山田さんが加わったことで、療育(赤磐ぐんぐん)との連携も、昨年以上にスムーズになったと実感しています。
療育スタッフでもある彼女が相談に加わることにより、発達障害をもつ子どもたちの日常生活やニーズを直接見聞きして、療育現場に持ち帰ってもらうことができる点は、大変有効なのではないかと考えています。私も相談員として仕事をする前は、療育スタッフとして働いていたこともあり、療育時間や療育時間だけを一生懸命に支援していることになりがちな現実に対し、限界や疑問を感じていたことがありました。療育で身に付けた力を、日常生活で発揮していけるように、生活の中での整備を進めていくことも重ねて必要であることも知っていましたので、赤磐でそれができたらな〜と考えていたのです。
そんな構想も、彼女の力を借りて今年度からは少しずつ取り組めだしました。保護者のニーズに応じてではありますが、療育(赤磐ぐんぐん)での様子や活動のねらいを子どもたちの所属機関(幼稚園・保育園・小学校など)へお伝えすることができたり、それを元に所属先で今できることを一緒に考えたりすることができました。また、それをきっかけにして所属先からも、「もっとリアルに療育のことを知って、子どもたちが過ごしやすい環境が用意できるなら生活に活かしていきたい」という思いで療育現場への見学依頼をいただくケースも増えてきました。これも「まさにコーディネート(の成果)だな!」と感じています。
相談に携わっていて、まだまだ赤磐では療育について知られていないことが多く、現場の先生方も、「実際にどのような活動が、どのようなねらいのもとでなされているの?」「訓練と療育とどこが違うの?」「療育を受けるとなぜ良いの?」「療育は専門家にしかできないことでしょ?」といった具合に捉えられていて、日常生活からは縁遠い存在に感じられている印象を受けます。
もっと療育を身近に感じていただいて、子どもたちの保育や教育の位置付けの中に療育的な視点も組み込まれていくことが、当たり前になっていきますように、山田さんと協力しながらこの取り組みを続けたいと思っています。
今年度は、学校関係機関からの巡回相談や講演の依頼が増えつつあるような手ごたえを感じます。
またこれらのエピソードも記事にして発信していこうと思っていますので、どうぞお楽しみに!
あかいわ発達障害支援センター :原 未春

赤磐ぐんぐんだより

今年の梅雨は肌寒い日が多かったからでしょうか、体調を崩されるお子さんが多かったようです。
季節はずれのインフルエンザが流行したりもしました。
冬場は手洗ううがいに敏感になりますが、これからの季節も手荒いうがいをこころがけていきたいですね。
今回も、療育の中のお話をひとつ。
ぐんぐんでは、アイスクリームタワーやドーナツタワーなど、積み上げて楽しむゲームが何種類かあります。勝ち負けを競ったり、お互いに協力して積み上げる、など、その子にあったルールでゲームを進めていきます。その中で、順番でやりとりすることを学んだり、感想を発表しあうことで相手の気持ちを学んだり、負けたときの振る舞い方を学んだり・・・いろんな要素が含まれています。
そんなタワー系のゲームの中に最近新しく登場したのが「せんべいつみ」です。
アイスクリームタワーやドーナツタワーを見ると「おいしそう!」という子どもが多いのですが、この「せんべいつみ」は、ちょっと違います。おもわずわらっちゃったり、驚いてしまう子もいます。その理由は、この、せんべいたちの形や表情にあります。
とってもかわいいでしょ ^_^
特にこのわれせんべい 
見た瞬間「わー!食べられてるー!」と吹き出してしまう子もいれば、見た瞬間 「わ!!誰が食べちゃったの!!」と驚いたり!!子どもたちの反応にこちらもおもわず笑ってしまいそうになります ^_^
子どもたちにも人気で、様々な学習要素が含まれているタワー系の数々のゲームはぐんぐんの療育の中で大活躍のアイテムです。
そろそろ梅雨も明けて今度は暑い夏が到来するでしょう。暑さが苦手なお子さんも多いと思います。暑さ対策も大切ですが、規則正しい生活を心がけて、夏を乗り切る体力をつけていきたいですね!スタッフも暑さに負けずがんばっていきたいとおもいます!!
赤磐ぐんぐん療育スタッフ:河野友紀

朝日新聞 6月20日付 朝刊 記事

ご存知のように岡山で悲しい事件がありました。
同じ障害を持つお子さんを育てているお母さんの意見をお聞きしたいという朝日新聞の記者の方からの依頼があり、メーリングリストで呼びかけて、育てる会の会員の方に集まっていただきました。
その集まりでの話と、翌日の18歳の春での取材記事です。
(記事をクリックすると大きくなります)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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