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平成23年8月31日

第160号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
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160号 目次
秋よ早く来い!
支援者養成セミナーの報告
「教師・保育士対象 即実践講座」 お知らせ
「18歳の春を目指す親子療育クラブ」 お知らせ
「NTNテクニカルサービス夢工房岡山 見学会」 案内
「クローバーの会」報告
「母の想いを語る会」見学会 案内
「OHAの会」 お知らせ
「水泳教室」・「サッカークラブ」お知らせ
私のお薦め本コーナー
「ギフテッド 〜天才の育て方〜」
お母さんコラム
「Aの言葉に癒しを感じる」
支援センター NEWS
赤磐ぐんぐんだより
岡山の情報「おかやまSASA」
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ふと吹きすぎる風の中に秋の気配が感じられたりするのは、やはり夏が去ろうとしている証拠でしょうか。
そうは言っても日中の暑さは、まだまだ厳しくて、過ごしやすい秋よ早く来い!!と、思わず空の雲に呼び掛けてしまう私ですが・・・、皆さんお元気でしょうか?
楽しかった(?)たくさんの思い出と共に夏休みも終わり、さあ〜、いよいよ秋がやってきますが、準備はよろしいでしょうか?
秋は、学齢期のお子さんにとっては、学習発表会や運動会など行事が多くて、大変です。
こんなこと言って何ですが、運動会は必要なのでしょうか?一体何が目的で行われるのでしょう?
特に自閉症の子どもにとっては運動会や学習発表会は、ない方がいいのに・・・とつい思ってしまうのは、私ばかりではないと思いますが、いかがでしょうか?
炎天下での行進や、何度もやり直しのある練習の数々・・・、親に日頃の学習の成果を見せる為というのなら、参観日だけで充分ですから・・・。
運動会の目的とは何ぞや?と思い、インターネットで見てみると、以下の二つらしいということでした。
○地域住民の楽しみ
○集団の規律や活動の仕方を学ばせること
なあんだ・・・、そんなことだったのか…。そんなことで、自閉症の子が苦労しているなんて、ナンセンスですよね。
毎年、安定していた自閉症の子どもたちが、これらの行事をきっかけに、崩れて行くという相談をお母さんから受けることが多い私です。そして、不安定になるので、これをきっかけにお薬の量が増えるのも悲しい現実です。
「なんとかならないのでしょうか?」とのお母さんの訴えも・・・、私には何ともできませんので、この会報にそっと書いておきますね。
そもそも学校は、もっともっと教えていかなければならない事があると思うのです。
学校生活は、たったの12年間です。その短い時間の間に、彼らが一生を過ごす為のスキルの獲得はまだまだ足りないと思えるのです。もっと時間をかけて丁寧に教えて行かなければならないはずなのに、毎年、一番長い2学期を行事に終始しているように見える学校教育に疑問を感じます。
・・・と、えらそうなことを書きましたが、学校を終えてからの方が安定している太陽の家作業所の通所生を見ていて、つくづくそう思います。
太陽の家作業所は、指導員がとても優秀でよく考えておられるので、スケジュールもきちんと解りやすく提示してあります。急な出来事や突然の変更は、ほとんどありません。
丁寧なスケジュールと指示書があることで安心してお仕事をこなしていくことが出来ているのでしょう、皆さんとても安定しておられます。
作業所の年間予算は、学校教育の1人の生徒の予算の1年分にも満たない金額だそうです。その金額で13人が毎日通っておられます。
もっと予算が欲しいと嘆く所長さんに同情しつつ、これを書いております。
さて、8月の育てる会の行事は、支援ツールの展示会と、講演会でした。
外の暑さと同じようにふれあいセンターの大ホールの中も、参加者の熱気であふれておりました。
今年は、多くの学校関係者だけではなく、支援ツールを販売しておられるコムフレンズや、アクセスインターナショナルにも協力をいただいて、支援機器の展示も行いました。
また、明治安田こころの健康財団のコミュニケーション支援ボードも展示させていただくことが出来ました。
参加して下さる先生方が、去年とは一段とレベルアップされて、よりグレードの高い内容になっていたり、また、去年や一昨年の支援ツールからヒントを得られて作られたであろうグッズなどもあって、この支援ツールの展示会が色んなところで役に立っていることを実感することが出来ました。
会場には、多くの保護者の方も見えていて、手にとってご覧になったり、作られた方に説明を受けたりされる光景が多くみられました。
また、写真を撮るのは自由だったので、皆さんデジカメを片手に、たくさんたくさん写真を撮られていました。
一人でも多くのご家族が、学校の先生方が、この展示会で見られた支援ツールを役立ててくださることが、出店して下さった方へのお礼代わりになると思います。皆さん、どうぞよろしくお願いします。
また、午後からの武蔵博文香川大学教育学部教授の講演会も立錐の余地がないほどの参加者でした。
残念ながら、私は支援ツールの会場の展示係として大ホールに残りましたので、生の講演会を聴かせていただけませんでした。(後でDVDで拝聴させていただきました)皆さんの感想が後のページにありますので読んでいただけたら幸いです。
出店にご協力いただいた先生や、企業や作業所の皆さんに保護者の皆さんにこの場を借りてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
今年は、当てにしていた文科省の補助金が下りず、交通費すらお支払いできず誠に申し訳ありませんでした。この場を借りて、謝らせて下さい。ごめんなさい。
さて、私は赤磐市の知的障害相談員というお仕事を市から委託されてやっております。
赤磐市には、4人の知的障害相談員がおります。
その相談員が集まって、今の制度やこれからの障害福祉についての勉強会を企画いたしました。
8月22日の月曜日、県の更生相談所の菅野浩司氏をお招きして、制度についてよく知ろうと研修会をおこないました。
当日は、赤磐市の身体・知的・精神に発達障害を加えた4障害の関係者や支援者が集い研修会を行うことが出来ました。
赤磐市の行政側からも市長をはじめ、福祉の担当の職員の方々が、6人も参加して下さいました。他に社会福祉協議会から事務局長さんはじめ多くの皆さんの参加がありました。
みんなで、私たちの子どもが暮らすこの赤磐市を「どぎゃんかせんといけん!」との想いで、熱い研修会となりました。当日の参加者は、54人。定員50名の会場はいっぱいでした。
また午後からは、あかいわ発達障害支援センターの主催で、思春期成人期の保護者の方の座談会がありました。
赤磐市が少しずつ変わり始めています。
この小さな人口4万6千人の町が、小さいからこそ力を合わせれば変えていける・・・、そう思えるきっかけの一日でした。
その変化の中心に台風の目の様な存在で育てる会がいるというのも、すごいではありませんか。
台風の影響は、少しづつ拡大していってやがては、岡山県全体に広がって行くというようなうねりを起こしていきたいと密かに思っているのです。赤磐市から変えて行こう!!
やはり、みんなが真剣に学び本気で今のままではいけないことを、考え合うことから話は始まるのだと強く強く感じました。これからの赤磐が変わっていくはじめの一歩が踏み出されたように感じました。
さて、2歩目は、どんな形で踏み出せばいいのでしょうか?
今度は、もっと多くの市民の方にも呼び掛けて、企画出来ればいいなと思っています。
さて、8月一番のビッグニュースは、哲平が働く職場NTNの新聞の記事でしょうか。
写真は哲平です。かっこよく働いているところを毎日新聞のS記者が取材して下さいました。
取材いただいた時は、4人の障害のある人の職場でしたが、その後一人増えて、現在は5人の人が働いています。皆さんテキパキとした動きで障害のある人たちは、支援さえ整えば、こんな風に実力が発揮できるんだということを、実証してくれています。どの人もしっかり仕事しておられて、入ったばかりの人も、全く遜色なく働けていることに、驚きます。夢工房の様な支援があれば、だれでも働けるに違いありません。そういう意味で、障害児を育てている保護者や、学校の先生方が見てくださると勇気と希望が持てるという職場です。
でも残念ながら、今のところ夢工房はそんなに多くの障害者を雇ってはくださる余裕はありません。
どうやったら育てる会の子どもたちがもっと働きやすい仕事場を他でも作れるのか、夢工房の出来ていったいきさつやそのご苦労話を聴く中からそのヒントがあると思います。
そこで、9月10日(土)に育てる会主催の夢工房見学会を行います。
早めに広報したせいで、すでに20名の参加者が申し込まれていますので、ご希望の方は、早めに申し込みの方をお願いします。
さて、新聞の写真でもご覧の通りマスクをしている哲平です。数年前のインフルエンザ騒動以来、マスクを律儀にしたままの哲平は、会社でも通勤途中でも必ずマスクをしています。通勤途中の自転車でも、決してマスクを外しません。
家に帰ってきて玄関をはいるとマスクをやっとはずします。なぜだか、休みの日は、終日外します。
彼なりのこだわりや意味があるのでしょう。
面白い子です。
その面白い子と、先日あったNTNの夏祭りに行ってきました。
哲平は毎年ここで戦隊もののキャラクターショーを見るのが楽しみなんです。
今年も椅子席に早くから陣取って、海賊戦隊ゴーカイジャーショーを待っていました。
司会の人が、
「大きな声で呼んでみるよ〜、せえの〜、ゴーカイジャー!!」
という号令に合わせて、わが哲平くんも、思いっきり大きな声で、
「ゴーカイジャー!!」
と呼びました。
小さな子どもたちの真剣な声の中、野太いお兄さんの声が交っていて、おかしいったらないのですが、可愛いですねェ〜。
身体は大人ですが、心はまだまだ子どものまんまの哲平君です。
キャラクターショーの終わりには、カレンダーを買いに行くのが哲平にとっての楽しみです。
誰よりも早く、ショーが終わると同時に去年と同じ場所へ駆けつけて、カレンダーを買う順番の一番前に並んで待って、一番にゴーカイジャーの皆さんと握手をしてもらっておりました。
夏祭りと同時に夏も終わりを迎えそうです。秋は食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋といろいろやるのには、ぴったりの季節です。
頑張って取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いしたいです。
今回は正会員の方には、アンケートを同封させていただいております。
「自閉症スペクトラム児がおられるお母様の成長に関する調査」というアンケートです。
学生さんの修士論文への協力です。私たちの会は、ボランティアをしてくださっている学生さんだけには、アンケートなどによる卒論への協力をさせていただいております。
今回の学生さんも、セミナーやキャンプでもご協力いただく方です。
とても熱心な女性です。なるべくたくさんの皆さんの協力をお願いいたします。
同封されている折り紙は、お礼代わりだそうです。
育てる会 代表 鳥羽 美千子
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支援者養成セミナーの報告
平成23年8月6日(土)、本年度第2回「自閉症児の自立を果たすための支援者養成セミナー」を開催いたしました。
今年で4回目となる支援ツールの展示・交流会と講演会です。いまではもうすっかり岡山の夏の風物詩となったような気がします。
今年も、岡山ふれあいセンターの大ホールいっぱいに、工夫された自立課題やツールが展示されました。
県下の特別支援学校や保育園や小学校、自閉症者が働いている企業や保護者の方のブース、それに今年は支援機器を開発販売されている会社などのご協力もあり、アチコチから感嘆の声がひっきりなしでした。みなさま、ご協力ありがとうございました。
【ご協力いただいた団体の皆さま(順不同)】
岡山西支援学校・岡山南支援学校・東備支援学校・西備支援学校・倉敷支援学校・健康の森学園支援学校・岡山大学教育学部附属特別支援学校・岡山瀬戸高等支援学校・倉敷琴浦高等支援学校・玉島小学校・岡山市公立保育園・NTNテクニカルサービス夢工房岡山・太陽の家作業所・倉敷学園きらり中庄・児童デイサービス赤磐ぐんぐん・18歳の春をめざす親子療育クラブ・コムフレンド・アクセスインターナショナル・明治安田こころの健康財団・武蔵博文先生
午後からは小ホールで、香川大学教育学部教授の武蔵博文先生による「支援ツールを使いこなすって素晴らしい 〜感情理解とコントロールも支援ツールで〜」のテーマで講演会を行いました。
こちらも、満席の盛況で、支援者のみなさんの熱い熱気が会場の外まであふれていました。
それでは参加された方々からの感想やアンケートが届いていますので、紹介します。
特別支援教育に携わるようになって、早8年。今回、機会があって「岡山県自閉症児を育てる会」主催の「自立課題と支援ツールの展示と交流会」に参加しました。私は今回が初参加だったのですが、今年で4回目を数える会だそうで大盛況!参加団体は県内の特別支援学校をはじめ、小学校の通級教室や作業所、保護者の会や障がい者を雇用されている企業まで様々で合計21団体が集まっており、昨年度に引き続いて香川大学の武蔵先生が招待された盛大な会となっていました。
広い会場には、発達障がいのある方々への支援に携わる皆さんの思いで溢れた、自立課題や支援ツールが所狭しと並べられていました。会に一般参加されていたご家族や学生、療育関係者の方も多くおられ、皆一様に手にとって見たり、実際に使ってみたりと真剣な眼差しでした。
さて、午前中のフリータイムで私も様々な展示品を見て回ってみました。どの展示品も、武蔵先生がこれまで提唱され続けていた、4つの支援のポイント、「支援環境を整える」「自発を促す手がかり」「実行を助ける手がかり」「認め合う関係を作る交換記録」の概念で整理し、アイデア満載で作られていました。展示品への工夫を見ることで、それを使う方々の姿が目に浮かぶようなものでした。
また、アピールタイムでは各団体が順番に、自分たちの一押し品をステージ上で会場参加者に紹介しました。
どの団体も熱のこもった紹介で、また、「なるほど!」と思わせる発想で自立課題や支援ツールを作られていたのがとても印象的でした。
午後からは「支援ツールを使いこなすってすばらしい!」と題して、武蔵先生による講演が行われました。
おなじみとなった支援ツールの概念のお話から「iPad(アイパッド)を使った支援ツールの紹介」や「発達障がいのある子どもへの感情理解と調整をめざして」などについて話されていました。どのお話もとても分かりやすく、どのような支援ツールがあり、どのように使うのかが聴いているうちに自分の中で再確認できました。
特に印象に残ったものとして、感情理解と調整のお話の中でおっしゃられていた、「快感情を理解する」といったキーワード。確かにこの快感情は学習しないと分かりづらいものだな、と思いました。そしてそれを学習するための支援ツールとして紹介された「大好きずかん」にはとても興味をもちました。これは発達障がいのある人の「うれしい! たのしい!! だいすき!!!」というものを集めたものですが、とても手軽で、これからの感情理解への学習の一端としてぜひ取り組んでみよう、と思いました。
武蔵先生の講演終了とともに、会は閉会しました。その日も猛暑日で暑い1日でしたが、それ以上に会場は熱気に包まれた熱い1日となりました。最後に今回このように、発達障がいのある方への支援に携わる人々が多く集まる研修会を企画運営してくださった、「岡山県自閉症児を育てる会」のスタッフや保護者の方々に感謝して終わります。
(支援学校 教諭:N)
武蔵先生との出会いは、今から四年前の育てる会・18歳の春支援ツール教室でした。
以来日々支援を実践する中で、我が子も随分成長した様に思います。
そんな先生が、今回感情理解について講演してくださるとの事で、「これはぜひ行かなくては!」との思いで参加させていただきました。
前半は支援ツールを使いこなすとは本人の生きる力を高めることだという内容のお話しでした。
私も我が子に細々ながらツールを作って使っています。初めは手順書を見ながらの作業に慣れていなくて取り組めなかったり、ツール自体が子供の理解力にあっていなくてやる気になれ無かったりとつまずくこともしばしばでしたが、徐々に、お母さんに言われて行動するのではなくて、ツールを見ながらやれば出来るし、褒められてうれしい。そして一人で出来た!というのが大きな自信につながって来ている様に思います。これも支援ツール教室で学んだ賜物だと感じていた私です。
しかし先生はご自分が今まで取り組んできたことを振返り、それでも手順書やスケジュールを使っていつも同じ日程でこなすのもいいけど、普段の生活ではいつも同じ日程で良いとは限らないんじゃないかなと思い、自分で気付いて修正する能力が身に付いたら良いよね。とおっしゃられました。確かにそんな力が付いたら親としてもとても嬉しいことです。
そして、今までやってきたことを今まで通りやるだけでなく、もっと良くしていこうとする先生の前向きな姿勢を感じた一言でした。先生の前向きな姿勢は、支援を楽しくポジティブにしていこう!という気持ちにつながっているんだなと思いました。
また、サポートブックやスケジュール等のツールが果たす役割のお話の中で支援ツール展示会でも実物が展示されていたipodもスライドで紹介して下さいました。中には、自分で撮った写真を登録して、意思表示に使ったり、自分のお気に入りの写真を眺めてリラックスタイムに使ったりしているお子さんもいるそうです。操作も簡単なので、支援者が与えるツールというよりは、本人による本人の為の支援ツールといった感じで、これからまた新しい支援の世界が広がりつつあるんだなと、とても魅力的に感じました。
そして、チャレンジ日記で意欲を引き出すというお話の中で、行動したら記録し、その頑張りを認めて褒める。特に認めて褒めるは、自分自身で評価するだけではなく、同年齢の人・自分の大事な人など色んな方に何度でも評価していただき、何重にも評価してもらう事でプラスの好循環を生むとの事。ここでは大きく頷かずにはいられません。何かと苦手が多くて自信のないお子さんも多いはず。たくさん褒めて頑張っている自分を自分で認められる様にしていかなければいけないなと思いました。
手がかりがあれば一人で出来るんだ!という自信が身に付いてくれる様に、本人がどうやったら、楽しく興味を持って取り組んでやりがいを感じてくれるのか、日頃から一人ひとりの興味や得意な事、本人の理解のレベル等支援者はつぶさに観察していくことも大切だなと思いました。
午前中に行われた支援ツール展示会では支援校や園、施設、企業の方が、今年度の自信作やアイデアを発表して下さいました。
どれも支援する側に立って楽しみながら取り組める工夫や、今まで何年もやってきたことでも今一度見直して更に技術を向上させる工夫等あって、とても感心しました。展示会は今年で四回目を向かえ、岡山では支援者がお互いに評価しあって支援を向上させていく場があり、支援者も前向きに支援を楽しみながらやっている様に感じ、保護者の私としては、岡山にどんどん支援の輪がプラスの好循環で広がっているように思え、とても明るい希望を持てた気がしました。
後半は感情理解と調整についてのお話です。
まずは「感情理解」についてのお話でした。発達障害の方に長い間関ってこられた先生が経験上、ネガティブな事で人と関った事は強く印象に残っているが、嬉しい事や楽しい事は忘れてしまいやすい人達なのではないかと感じられたそうです。
今までは、怒りや不安にどう対処していくかという支援を考える事が多かったのですが、もっと楽しい・嬉しいというポジティブな快感情を理解させ、それを表現出来る様にさせる。その上で不安や、つらい気持ち等のネガティブな気持ちと付き合っていった方が良いのではないかという考えに至られたとの事。
確かに、私達もストレスがたまったら、好きな事をして気分転換したり、楽しかった時の思い出の写真を見たら気が紛れたりしますよね。子供達にもそういった気分転換の仕方を身につけてほしいものです。感情理解は学校の場などの小集団でワークシートを使って「嬉しい」という快感情について話し合い、お互いの考えを客観的に見聞きすることで理解を深めるというものでした。
次に感情調整のお話がありました。これは、武蔵先生らしく、ロボットや戦隊レンジャーを用いて対人トラブルにあったときの対処方法と、不安やつらさといった感情にさいなまれた時の気持ちの切り替え方法を、子供たちに親しみやすく伝え楽しく学習するというものでした。ロボットや戦隊物の戦士一人ひとりに得意技があって、つまりはそれが、対処方法の手順や切り替える方法になっていて、先生の行っている実際の授業風景のスライドでは、子供たちが笑いながら楽しくロボットになりきっている姿がありました。
普段からこうして半ば遊び要素を交えて身に付けていくことで、いざ本人がつらい状況にあった時に、ふと子供達の心の中に「カイケツロボ」や「カンジョウレンジャー」が登場し、ピンチから救ってくれるなんて、とっても楽しいじゃないですか!それだけでも不安感が勇気に変わってくれそうです。先生の楽しいアイディアに思わず笑顔になってしまいました。
我が子が自閉症であると分かってしばらくは、受け入れがたい現実に本当に苦しい思いでした。しかし、先生との出会いで、支援することを学び楽しく前向きに支援を続ければぐんぐん成長してくれるんだと実感し、このアイデア結構いけてる?と自画自賛しながら、自分自身も支援することが楽しく感じられる様になりました。そして、夏の恒例行事となった、支援ツール展示会と、武蔵先生講演会を通じ、支援することがやみつきになってしまわれた方がどんどん増えることを願っています。
武蔵先生これからも子供たちに素敵なアイデアを宜しくお願い致します。楽しい講演会をありがとうございました。
(保護者:Y)
【 保護者 アンケート 】
● 支援ツールの話は、奥が深いなぁと思いました。どうしても受け身の支援に我が子はなっていると思うので、我が子にとって必要な支援は何か、日々考えながら関わっていきたいと思いました。
● 先生の著書は読ませていただいていますが、実際活用となるとうまく行かない、続かないということも多かったのですが、今日お話しを聴いて、もう少し工夫したり考えながら使えるものを作っていければいいなーと思いました。 自分で使いたい!と思ってくれるツールを利用できるのが一番だと思いました。「プラス思考」=「ポジティブ」と思いがちですが、「楽観的」と考えればいいんだー!!とスッキリでした。
● 支援ツールを自分から出してきて自主的に本人が使いこなす。いつでも取り出しやすいところに整理する。・・できていないなぁと気付くことができました。また、感情を教えるには “快感情”から、というお話を聴いて気付けて良かったです。
● 「うれしい日記」、「大好きずかん」・・・すぐにできそうなアイデアをもらえて良かったです。「プラスの考え方に変えること」も良かったです。感情について改めて大切なことを教えていただきました。我が家に今いちばん必要なことだと思いました。
● 子どもが大きくなり、いろいろ声かけ&ツールを使わなくても出来だしたと思い、今はほとんどツール無しの生活をしていました。先生の話を聞き、もう一歩、今度は「なんとなく出来ている」ではなく、確実に一人で出来るようなツールを作っていきたいと思いました。話しの途中から「早く帰って作ってやらなきゃー!!」と思ってムズムズしていました。来年には展示会に出せると良いなと思います。
【 教育・保育関係者 アンケート 】
● 応用行動分析学をもとにしたツールの考え方、ツールへの考え方が深まったし広がりました。この考え方に基づいて実践していきたいと思いました。ツールを使っている具体例の中で、担任している児童と重なり、指導のポイントが得られました。感情を調整するカイケツロボも今の学級で実践してみたいと思いました。学級の課題を解決する方法がたくさんあって2学期までにいろいろ準備したいと思いました。(小学校教諭)
● ただ支援ツールを使うだけでなく、レベルに応じて支援ツールを活用することで、本人が持っている力を発揮できることを促すという考え方が良かった。(保育士)
● 人は感情の起伏が皆あります。普通の子どもたちにもその理解とロールプレイングを通して、そのコントロールを訓練すべきと思いました。ファイブレンジャーの発想に脱帽! 快感情を先に植え付けることの大切を教えられました。(幼稚園教諭)
● ツールの使い方がよく分かりました。手がかりだけでなく、支援をした後、評価を形に残すことなど勉強になり試していきたいと思います(保育士)
● ただ手順を考えるというだけでなく、行うことの意味や目的を理解させてあげることができたらもっともっと伸びていけるんだなぁ・・・ということに気がつけて、とてもありがたかったです。(小学校教諭)
● 支援ツールを使わなくなったのは成長したからと思ってやめてしまったことがある。実際にくりかえし使って覚えただけで、使いこなすまでいっていなかったのかもしれないと反省した。(保育士)
● 実際の様子を具体的に知らせていただいたことが良かったと思います。また、ツールもステップアップしていくことの必要性を感じました。子どもたちに分かりやすく、入りやすい5レンジャーシリーズは楽しく取り入れることが出来そうなので活用してみたいと思います。(保育士)
【展示会会場アンケート】
● 実物を目にし、ふれることがまず良かったです。18歳の春ブースでは、実際にツールを作られたお母様に具体的に作り方や道具等を教えていただけました。ありがとうございます。(保護者)
● 香川大学附属のiPod touchは、先日NHKテレビでも取り扱われていたのですが、実際に操作させてもらえて良かったです。(支援学校高等部教諭)
● いかに分かりやすく、見やすく、そして手に取りやすい物を作るかが大切なことだと分かり、家に帰って参考にしながら作ってみたいと思いました。(保護者)
● 自由に触れて写真もOKなことが良かった。いろいろな年令対象の物が見られて良かったです。(保護者)
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教師・保育士対象 即実践講座
【即実践講座 基礎編】
☆第4回☆ 平成23年9月9日(金)19:00〜20:45
「支援のアイデア(構造化A 自立課題)」
岡山県生涯学習センター 大研修室
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、施設・福祉関係職員の方 対象。
(申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
【即実践講座 アドバンス(上級編)】
☆第4回☆ 平成23年9月15日(木)19:00〜20:45
「構造化@(課題分析に応じた支援)」
岡山県生涯学習センター 大研修室
対 象 : 過去の重松孝治先生の即実践講座を受講したことのある人。
どちらの講座も参加費・申込先は一緒です。
参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
途中参加の方には、それまでの講義のDVDをお貸しします。
申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)
重松孝治先生による即実践講座、夏休みの間はお休みをいただいたのですが、9月よりまた再開されます。
すでに3回は終わったのですが、今でも「途中からでも参加できますか?」という、熱心な先生からの問い合わせが続いています。
「これまでの講義のDVDをお送りしますので、ご覧いただければ追いつけると思いますよ」とお答えすると、みなさん申し込んでいただいています。
一人でも多くの先生方が参加していただけると、それによって落ち着いてくらせる自閉症の子ども達が、少なくとも一人は確実に増えていると思うと嬉しい限りです。
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「18歳の春を目指す 親子療育クラブ」
<9月の予定>
『18歳の春を目指す親子療育クラブ主催 講演会』
日 時 平成23年9月27日(火)10:00〜13:00 (受付 9:45〜)
場 所 岡山ふれあいセンター2F 第3・4研修室
テーマ 「わが子が大人になる! その前に・・・〜自分の今と過去を振り返ってみよう〜」
講 師 桑原 綾子 先生 (ライフサポート ここはうす)
参加費 正会員:500円、賛助会員・一般:1000円
”18歳の春”メンバーは無料です。
多くの方の参加をお待ちしています。
<10月の予定>
日 時 平成23年10月14日(金) 10:00〜13:00 (受付 9:45〜)
場 所 きらめきプラザ2F 研修室 (正会員のみ)
※内容は検討中です。
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「NTNテクニカルサービス夢工房岡山 見学会」
日 時:平成23年9月10日(土) 9:45〜12:00
場 所:備前市大畠(新幹線や国道2号線から見えるNTNの工場の中です)
集合場所: 長船サービスエリア(旧2号線沿い 赤い三角屋根のドライブイン)に9:30集合
申し込み:育てる会事務局(TEL.086-955-6758、FAX.086-955-6748)
参 加 費:300円
代表の巻頭文にもありましたが、今回は先月号から募集をしているため、すでに20名の参加申し込みがあります。
ご希望の方は早めに申し込みください。
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「クローバーの会報告 」
カラオケに行く!
夏休みに入り8月5日に、5家族で、カラオケに行ってきました。
2時間の予約をして、歌う順番も決めて、カラオケをしました。一応、パスをしてもいいです。と予告していたのですが、誰も、パスすることなく子ども達は、歌いました。
さらに、3家族は、2時間では足りず、1時間延長して楽しみました。
参加した皆さんからの感想を紹介します。
・わが子は、歌いたい曲は歌えて満足した様子で、みんなが歌っていたアイドル系の歌にも興味を示していました。みんな歌うことに集中して、会話はなかなかでしたが同じ時間を過ごし、楽しかったと教えてくれました。
・今回は、遅れて参加したこともあり、緊張しながらのスタートでしたが、みんなの歌を聞いているうちに、にこやかになり、楽しめた様子でした。また、みんなで行きたいと、言っていました。それと、次の会は、何をするのか楽しみとのことでした。
・たくさんの歌が歌えて楽しかった。友達の歌が聞けたりこんな歌が好きなんだぁとわかって、面白かった!と笑顔で感想を教えてくれました。
・みんなの歌が聞けて楽しかった。私も、たくさん歌えてよかった。また、みんなとカラオケに行きたいなあ。と言っていました。
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「母の想いを語る会」
見学会のお知らせ
日時:平成23年9月14日水曜 10:00〜12:00
場所:「ステップハウス わ!」岡山市北区表町1丁目4−64
参加費:300円(正会員のみ)
第4回の見学会は、表町の商店街の中で、障害のある人たちの働く場を提供されている「特定非営利活動法人 ステップハウス わ!」さんを見せていただきます。
2008年5月から就労移行支援・就労継続B型事業所となられた「ステップハウス わ!」は、メンバーひとり一人の特性に合った働き方があることを信じて丁寧に取り組みされている事業所です。
2009年には3名のメンバーが就労され、2010年には2名、2011年には、1名の人が就労されたそうです。
また、仕事の内容は、織物・染物・刺し子・竹細工・ビーズ小物・卵配達・食品小分け作業・パン販売の他就労へ向けての施設外実習など多岐にわたる活動をされている事業所です。
表町商店街の中という立地にもとても興味をひかれる方が多いと思います。
9:50 表町シンフォニービル表町商店街側にて集合
10:00 ステップハウスわ!見学
12:00 解散
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「OHAの会」
OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。
<9月度 OHAの会>
日 時 平成23年9月30日(金) 10:00〜12:30
場 所 きらめきプラザ 2F 中会議室(岡山市北区南方
参加費 700円
申 込 事務局(Tel.086‐955‐6758、Fax.086‐955‐6748)(正会員のみ)
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水泳教室のお知らせ
日 時 : 平成23年9月18日(日) 15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。(正会員のみ)
体験は1回2000円(保険代込み)です。
★欠席される方は、必ず9月13日(火)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
(水泳担当:S & H)
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サッカークラブのお知らせ
日 時 : 平成23年9月4日(日) 10:00〜12:00(9:45集合)
場 所 : 旧・岡山中央南小学校グラウンド(岡山市北区中山下)
持ち物 : マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札
お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
*雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきてください。
保護者の方も忘れずにお持ちください。
* 体験・見学の申し込み・お問い合わせ・欠席の連絡は担当までご連絡ください。(正会員のみ)
(サッカークラブ担当:M & S)
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| お母さんコラム |
「Aの言葉に癒しを感じる」
先日の岡山育てる会「支援ツール展示・交流会と講演会」では、久々に会うお母さん方と支援ツールや近況について話の花が咲いた。出来る限り活動や勉強会に参加したいと、改めて思った。
意外な人とも出会った。私とB県立特別支援学校で同じ学年の担任をしていた先生。
彼女は、知的特別支援学校の経験も長く、今は育てる会の「支援者養成講座」の上級編に通っているという!『岡山へはるばる車で仕事帰りに勉強に来ているなんて、すごい!!』彼女は育てる会の賛助会員である。会報で、私の名前をみつけて「わぁ。勉強していることを話し合える相手がみつかった。」と、喜んでくれたそうだ。
そして、「全く勉強していない先生達と話しが出せず、どこから始めようかと悩んでいる。でも、岡山の特別支援学校の先生たちのパワーに刺激を受けて、目の前の生徒にできることをしてみようと、思った。あれもできるし、これならできる・・・」と目をキラキラさせていた。同じ立場にありながら、なんと恥ずかしい。でも、わが子Aに「今から始めてみよう。」と取り組み始めて、4年の積み重ねがあるのは確かだ。継続してきたものをもう一度見直すことから始めていけば良いのではないか。
おそらく、Aは来年4月には、彼女が勤務している特別支援学校へ進学することになるだろう。彼女のような教員がいることに安心を抱きながら、一方で親として「支援ツールの有効性」を担任になる人に知ってもらいたいと、思う。サポートシートの見直しや「学校でも使える支援ツール」作りへの改善などを準備しておきたいと、この夏の私の宿題である。
さて、先日から小6の息子Aの「A語録」を集めている。ほんと、またこれが精神的に「笑い療法」といっても良いくらいにおもしろい。私を疲れや落ち込みから救ってくれたのも「A語」なのだ。
そのいくつかを皆さんにもご紹介したい。
※ 満月のきれいな夜。歯磨きしていた私のところにかけって来たA。
「ねぇ。ねぇ。お母ちゃん!
人魚って知っとる?
人魚ってセクシーやねぇ・・・
人魚って、ほんと!カワイイ!」
心のそこから湧き出た言葉のように。(KARAのダンスDVDを見て『わぁ。やらしー』と、言っていたのに、どう違うのかなぁ?)
※育成会の活動で、Bくんの家にお邪魔した時のこと。田んぼの細い道を運転していたら、突然Aが言った。
「なんと、ここらはナチュラルな所やなぁ。」
(私達の家の周りだって、ナチュラルな山・田・畑いっぱいですよ。)
※ 特別支援クラスのザリガニに毎日エサやりをしているAがふともらした言葉
「ねぇ、ねぇ。お母ちゃん!
ザリガニって共食いするんよなぁ。仲間どうしで共食いするんだ。
今日な、RくんとYくんが『子ども対決』したんよ。
それもまるで、ザリガニの共食いみたいじゃった。」
※ 特別支援クラスの連絡帳に書いてあった言葉
クラスに着いて、すぐ鼻が出たAに、介助の先生が「ティッシュでふくんよ。」と言われて。
「まだ、はなくそが出とらんのんよ。
まるで、鼻の奥が森なんだ。
はなくその種が鼻の中に入ったんかな?」
(『はなくそのタネが鼻の中に入って、花を咲かせて、ハナクソの実になって出てくる』ということでしょうか?だから君は、いつも「ハナクソ」をおいしそうに食べちゃうんかなぁ?)
※ ある日の夕方、Aが西の空を指差して
「あー!空の色が変わったよ〜!
きっと空が着替えしたんだ。」
(おー。美しい!!)
思い返せば、昨年度の私の仕事の運勢は「最悪!!」の一言に尽きる。そんな私が仕事帰りに疲れて帰って車を降りたとたんに、Aがかけって降りてきてくれた。
そして、騎士がうやうやしく女王に挨拶するように、身振りよろしく腰をかがめて挨拶してくれた時の言葉
「おかえりなさいませ。
まほうつかい様。」
わし鼻の悪いまほうつかい様かもしれないが、きっと「オズの魔法使い」に出てくる「美しい女神のような北の魔女」に違いない。そう思うと、疲れも吹っ飛び 『この子のためにも仕事を続けていくのだ。自分の今の状況も「試練」と捉えてがんばろう』と考えることができた。
こんなAは、私にとって、天使だ。
そういえば、洗面所や階段にまで、真っ白いふぁっとした羽根が落ちていたのもこの時だった。もしかしたら、Aの天使の羽根だったのかなぁ?
(Aの母)
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岡山市 相談支援ファイル 『りんくる』をお使いの皆さまへ 訂正です
育てる会でも、岡山市在住の希望者の方にさしあげた「りんくる」です。
内容はすばらしいのですが、電話番号に一部誤りがあったそうです。
お持ちの方は訂正をお願いします。
岡山市発達障害者支援センター(仮称)
【正】 Tel. (086)236‐0051 ← 【誤】(086)231‐0051
Fax. (086)236‐0052 ← (086)231‐0052
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支援センターNEWS☆
去りゆく夏を感じながら、この会報を書いています。
先日、支援センターが設置されている山陽児童館で、夏休み中の赤磐市内の小学生を対象に、デイキャンプが行われました。
子どもたちは、児童館の庭でテント張りを体験したり、飯ごうで米を炊いたり、カレーを作ったり、スイカ割りをしたりと、家庭ではできない体験を楽しみ、喜んで帰って行きました。
今では生活も遊びも機械化し「スイッチポン」の時代ですから、子どもたちと一緒に、一から道具を駆使して調理をしたり、話し合いでルールを決めて遊んだりといった経験が「ごちそう」に感じました。
さてさて、こうして各々に夏休みを過ごしている中で、今月は特に新1年生の親御さんからヘルプの声が上がることが多かったように感じました。
1学期末に学校の懇談で指摘されたことが、夏休みになって日中家にいることで家庭生活の中でも確認でき、不安に感じたというものでした。学校生活の中での子どもの姿というのは、意外に家では甘えやわがままと解釈されやすく見えていないことも多いのかもしれないな〜と感じました。それには、学校側が正しく行動分析をして情報提供することが大事になってくるとは思うのですが、夏休みというのはそういった意味で親御さんが子どもの日常に向き合う機会にもなっているのだとも感じました。
一瞬一瞬に振り回されないで、この現実を(例えば…同じ失敗やトラブルを繰り返してきていないか、どのような場面で起こりやすいか、それは周囲や本人がどのように建て直しているかなど聞きながら、子どもの本質を)整理して考えてみることお手伝いし、「今、親が思い悩んでいることも子どもの様子を客観視してみることも、今後必ず(子どもとの関係形成において)役に立つ時が来る」と強調して面談を終えています。センターの相談では、病院や福祉サービスへのコーディネート以外にも、親御さんの勇気ある行動に対して根拠ある説明できちんと意味づけをしてあげたいとも思っています。
あのとき相談して良かったと思っていただけるように、そして来年の夏休みは、親子ともども楽に迎えられますように、サポートを続ける決意をあらたにしました。
以前から、できれば1対1の面談ではなく、座談会形式で障がい福祉に対する生の声が聞きたいな〜という思いがありチャンスを伺っていたのですが、なかなか対象者の絞り込み等できずに足踏みをしていたところ、8月22日に赤磐市で「赤磐の障がい福祉を考える研修会」が行われると耳にして、そのチャンスに声かけをしてみようということになりました。
急なお誘いではありましたが、赤磐にお住まいの思春期〜成人期の発達障がい者を抱える家族12組にご参加いただくことができました。
自立支援協議会が機能している市区町村では、当事者や家族が意見を述べたり情報提供できたりする場もあるようですが、赤磐市独自ではそういった機能を持っていません。こうした声を吸い上げる場を意図的に作ってこなかったことの代償と、赤磐市にない資源を岡山市に頼りすぎた代償が、「地域(赤磐)で普通に暮らす」ことを遠ざけてきたように思います。
障害者自立支援法から、総合福祉法(仮)に変わっていこうとしている今、その実情を知って市民は今の生活をどう考えるのか語ってもらいたいと思ったわけです。オブザーバーは午前の研修に引き続き、岡山県知的更生相談所・知的障害者福祉司の菅野浩司氏に、そして赤磐市の社会福祉課より鈴木さんに参加をしていただき、公の立場からもお話をいただけたらと考えました。
初めての試みでしたので、はじめに自己紹介をしていただいただけでも、ずいぶんボリュームがあったのですが、その中でも
・本人は地域(赤磐)が好きで、働く意欲も税金を納めていく責任感もあるのにも関わらず、(知的障がいがない)発達障がいがあるというだけで就労が難しいとされ、生活圏に就労サポート体制や受け手がないというのは大変悩ましいこと。
・どこに行っても親が一から説明して回る状態。相談しても、親の話は聞いてくれるが策がないと、結局相談先をたらいまわしにされているような感覚になる。親ががんばっていくしかないのか…。相談窓口も一本化を!
・10年、20年親亡き後にも、この子に生きて欲しい。それをサポートできる体制はこの赤磐にあるのか。
・岡山市に行かなくても、生活圏に利用できる社会資源を増やしてほしい。
・特別待遇と個別支援は別問題。特別支援にかかる教職員の増員は必要。
・子どもが小さいときから良いタイミングでサポートが受けられたのは、正しい情報があったから。正しい情報と周囲の理解は絶対的に必要。
などといった意見は参加者の中でも共通し、印象に残りました。
菅野氏からもこれらの問題に対する他市での取り組みや、またそれをご自身の経験ではどのような手順で整備を進めてきたかなどを情報提供いただきました。こうして当事者家族や思いある小さな組織や個人の手で少しずつ実現化してきた話を聞くと、自分たちでもできることがあるような気がしてきたのは私だけだったでしょうか?
まずこの第1回座談会では、みなさんが安心して地域生活をするには、まだまだ不安や問題点を感じておられること、そして国の示す福祉の方向性は市区町村単位での地域移行がテーマであることを再確認して終えることができたので、それを成果と捉え第2回の企画を練りたいと思っています。
最後に菅野氏から「どこも初めは想いだけで細々と始めたことがきっかけとなっている。それが本当に必要なことであれば、次第に協力者を増やし、仕組みや組織となっていくはずだ。市民である限り、物申す権利は平等にある。恐れずに声をあげて、人任せにせず自分たちでも動く意識を持って!」と激励をしていただきました。この座談会であげられた声が支援センターの活動や市政の在り方を考えるときの材料になったり、自分たちで活動を始めていく活力になることを願って続けていきたいと考えています。
あかいわ発達障害支援センター :原 未春
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赤磐ぐんぐんだより
約1年半振りにぐんぐんに復帰しました岡山奈穂(旧姓横内)です。
結婚してからも名字は変えず働いていましたが、長くお休みをいただいた間来られているお子さんが変わっていることから名字を変えて復帰することにしました。
今、息子は1歳1ヶ月です。
我が家で行なっているコミュニケーションの練習についてお話したいと思います。
11ヶ月くらいの頃から本棚から読みたい本を取るようになりました。まだ一人では読めませんので読んで欲しいとお願いします。
最初は、本を選んだらその本を下に投げていました。
なんでそんなことするのかな? ものは大切に扱って欲しい・・と思い「本を投げないで!」と言っていました。しばらくして、どうやら読んで欲しいということがわかりました。
それなら、本を読んでほしいことを頼む練習をしようと思いました。
本を選んだら下に投げる前に<手渡す>ことを教えました。
<手渡す>ことが出来るようになったら少しずつ本人との距離を持ち、<本を持ったまま親のところへ歩いてくる>ことを教えました。そして本を手渡します。
息子は1歳になるころには一人で歩けるようになっていたので、10メートルほど離れていても持ってくることができるようになりました。
練習を始めた頃は、1日に20回も30回も行い、何度も何度も本を読みました。しかし毎日練習することでその成果はすぐにでました。
ぐんぐんでは、担当のお子さんに1週間に1回しか会えません。毎日取り組むことで、習得も早いとわが子を通して改めて実感しています。
1日少しずつでも積み重ねていくと大きいものになります。ちょっとを重ねていきたいですね。私は、毎日取り組める楽しみを感じています。
今後の課題は、私が掃除機をかけてる時や朝の支度のときなど私たちの都合とは関係なく要求はしてくるので親に読んでもらうときには、相手にも都合があることを教えなければならないな・・と.要求してきたら「後で」といえばいいですが、後になったらお互い忘れています(笑)
何度も読んでもらっているうちに一人でもページをめくって読んでいるときがあります。なので、読んでもらえるときだけ、本棚に本を置いておくという方法もできないなと思い、どうして教えていこうかと考えています。
まだ月齢が小さいので今は理解が難しくてもこれからいろんなことがわかるようになると、雰囲気を感じるとか、今は無理そうだ・・とかわかっていくのかもしれませんが。
成長すると色々と要求もでてきますね。親というのはそのようなものなのでしょうか??
子育ては毎日学習ですね!
どうしたらわかるのか伝わるのか・・考えながら楽しく子育てしています。
これからもぐんぐんに通われている親御さんからたくさんのことを学ませていただきたいと思っています。
よろしくお願いします。
赤磐ぐんぐん スタッフ : 岡山 奈穂
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| 岡山の情報です |
おかやまSASA
自閉症児・者、家族をサポートする団体が出来ました!!
おかやまSASAは、岡山県を中心に、自閉症児・者とその家族を支えるために設立された任意団体です。
今年度からのスタートということもあり、まだまだこれからの団体ですが、今年度は保護者の方々との勉強会、そしてきょうだいの方々へのインターネットを活用した支援を中心に活動していきます。
おかやまSASAのメンバーは、児童デイサービスセンター赤磐ぐんぐんの療育スタッフである山田陽子(代表)、川崎医療福祉大学の講師である澤田早苗と他一名の計三名です。少数のメンバーではありますが、よりよい会としていくために現在活動しています。
今回は育てる会の会報をご覧の皆さまに、インターネットを活用したきょうだいへのサポート「きょうだい☆ステーション」についてご案内させていただきたいと思います。
「きょうだいが抱えている色々な思いを、気軽に話が出来る場所を設けたい!」そんな思いから、会を作ることにしました。
具体的にどんな会にしていこうかと話をしている中で、思春期以降のきょうだいってきょうだい同士で会う機会が身近にあるのかなぁという話になりました。小さいうちはキャンプとかで出会いがあるけど、思春期以降はなかなかきょうだいが集まる機会が少ない・・・じゃあ、実際に集まれる場所を作ろうか??
でも、自分が思春期のころを思い出すと、いきなり実際に会って話すのは抵抗があるかも・・・じゃあ、最初はweb上で話ができる場所を作っていこうか!
そう思いついて、きょうだい☆ステーションを作成しました。
きょうだい☆ステーションと言う名前は、電車に乗っていれば必ずぶらっと駅に降りる、そんな気軽な感覚でぶらっとここの場所に来て、話をしたり聞いたりして時間を過ごしてほしいという思いからつけました
自分の抱えている思いを愚痴ったっていい。将来の不安を、自分より年上のきょうだいにアドバイスを求めてもいい。みんなの気持ちが少し軽くなって、日々暮らすことが少しでも楽しくなることが一番の願いです
会の対象者は、岡山県内の13歳以上の自閉症児・者のきょうだいの方です。
会員制のweb上掲示板を活動場所にしていきたいと思っています。
また、要望に応じピアカウンセリングも実施します(部屋代などの別途料金が必要となります)。
いずれの件に関しても、まずはお気軽にメールにてご連絡を下さい。
*いずれ、皆で実際に集まって定期的に会を行いたいと思っているので募集は岡山県に限定させていただきます。
みんなで気軽に話し合えるそんな会を一緒に作りませんか?
おかやまSASAの問い合わせおかやまSASAのホームページ:http://sasa.webdeki-cms.com/
お問い合わせ:okayamasasa@gmail.com
山田 陽子
SASAの澤田先生には、育てる会でも、9/15にきょうだい児支援のセミナーをお願いしています。
SASAについてのお問い合わせは、事務局ではなく、直接上記のメールアドレスへお願いします。
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。
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