sorry,Japanese only
平成23年10月31日
第162号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
162号 目次
雉の親子
のびのびキャンプ 報告
秋のミニセミナー
桑原綾子先生講演会 報告
即実践講座 案内
「18歳の春を目指す親子療育クラブ」
「母の想いを語る会」・「OHAの会」
「キッズルーム」・「吉備国際大学招待行事」・「クリスマス会」
「水泳教室」・「サッカークラブ」
私のお薦め本コーナー
『 パワーカード 』
赤磐ぐんぐんだより
支援センターnews
新聞記事 二題 (毎日新聞・山陽新聞)
稲刈りの終わった田んぼと背高泡立草(セイタカアワダチソウ)が生い茂る休耕田が、同じくらいの割合いで広がる田圃を、のんびりと、雉が歩いています。
我が家のある赤磐市和田は、雉の親子がたくさん住んでいるところです。
道をのんびり横切る親子連れや、一羽オスが、すっくと首を伸ばして佇んでいたりする光景は、日常的に見ることができます。さすがに、ここ岡山はサル・犬・雉の登場することで有名な桃太郎の国です。雉は県の鳥にも指定されているくらいですから、たくさんいて当然なのでしょう。
さて、皆さんお元気でしょうか?
今月は、またまた大忙しの月でした。
10月1日から2日まで、1泊二日で「のびのびキャンプ」が、県青少年教育センター 閑谷学校でありました。
感想や報告は、後ろのコーナーに詳しく掲載されているので読んでくださいね。
ところで今回のキャンプは疲れました。年のせいか去年と比べても疲労の度合いが段違いでした。それだけ、準備や当日の運営が大変だったということでしょうか・・・。
キャンプの終わり近くには、「もう来年は、キャンプはやめよう。そのつもり・・・」と周りに言い始める自分がいました。なのに、ボランティアさんとの反省会の中で、感動的な皆さんの感想を聞いたり、子供たちやお母さんから届くお礼状を読んでいると、それまでの苦労が、さぁーと薄らいで、「またやろうかな・・・」と思える自分がいるのです。
困ったもんです。来年は、今年のように大変にはならないキャンプを考えたいと思いつつ、また頑張ってしまうような気もします。
形に無理があるのなら少し考えてもいいかもしれません。
親も参加してもらってもいいかもしれませんね。
親タイムとボラタイムというようにお母さんと過ごす時間とボランティアさんと過ごす時間があれば、ボランティアさんも少しは休めるかもしれません。 私も少し休みたい・・・。
そんなこんなで、キャンプの報告をご覧になってくださいね。
10月22日には、服巻智子先生を佐賀からお迎えいたしました。岡山県民局との共催で、山陽新聞社本社ビルを借りての講演会を行いました。
毎回先生の講演会は、早くから問い合わせが殺到します。当日も雨の中多くの皆様がお集まりくださいました。思春期・青年期に限定したお話だったので、興味を持たれた方々も、より細かくお話しをきかせていただけたのではないでしょうか?
セミナーの詳しい報告については、今月はキャンプの特集もありますので、来月の会報に回したいと思います。乞うご期待です。
さて、山陽新聞社のY記者さんが、育てる会が今年で15周年を迎えるということから、取材をしたいと、事務局を訪ねてくださいました。とても、丁寧に取材いただきました。
これをきっかけに、昔の会報を読んでみました。
15年と一口に言いますが、ずいぶん長い年月であることを実感しました。
哲平は今23歳ですが、15年前には、まだ小学4年生だったことを考えると、それがどれほど長い事か実感していただけるでしょう。
ずーっと活動を続けてこられたのは、少しずつメンバーは変わっても、この会を必要としてくださった会員の皆様がいつもおられたからだと思うのです。
いつも皆さんのニーズを聞きつつ、その想いを叶える為に少しずつ努力をしてきた育てる会だったように思います。
「ないものは作っていこう!!」
その想いは設立当時から少しも変わりません。
この度、取材を受けた「赤磐ぐんぐん」も多くのお母さん達の「良い療育の場を!」との願いをうけて、スタッフの熱い想いと、親の想いの両方が結合して作られた療育の場でした。
親たちの想いが実現できる場が、育てる会です。
行政もやらないし、企業も儲けにならないから・・・と参加しないような事業もNPO法人の育てる会だからこそ、きめ細かくやれるのではないでしょうか?
私たち自閉症の親の想いを実現できる場、それが育てる会です。15年間でここまで来ました。これからも自閉症の子どもたちの為にやりたい事がいっぱいあります。
やりたいことがイッパイあって、何でもやれる!!
「頑張ろう!!」って、15年目を迎えて決意も新たに出来たのは、取材のおかげでした。そんな記事を後のページに掲載します。
また、澤田先生のミニセミナーの記事が毎日新聞の9月16日付け朝刊に掲載されていました。
合わせて、ご覧ください。
9月27日には、桑原綾子先生のミニセミナ―がありました。
ミニセミナーというのは、外部に大々的に宣伝しないで、ほぼ正会員と賛助会員だけくらいに募集をかけて、うちうちで学びたいときに行う小さい研修会です。
写真の通り参加者が、にこにこ笑っているのに気付かれたと思いますが、楽しい楽しい勉強会でした。
皆が元気にハッピーになる…そんな時間でした。
詳しいことは、後のページの報告をご覧ください。
桑原先生には、来年度も引き続き講演をお願いしておりますので、こちらも乞うご期待です。
さて、次のセミナ―のお知らせです。
今回の会報で案内を入れましたのでご覧ください。
いよいよ哲平が昔、小学生の頃、朝日新聞厚生文化事業団のキャンプでお世話になった事がある、大阪の自閉症eサービス代表の中山清司先生をお迎えして、「自閉症児・者の問題行動への対応」と題しての講演会を行います。
問題行動とは、何ぞや。小さいお子さんをお持ちの保護者の方には、具体的に解りづらいかもしれません。
自閉症の人たちが、大きくなってどんな大人になるのかは、今どんな風に育てていくかにかかっていると言えます。これは、定型発達の子どもの育て方も同じですよね。
口うるさくほめることもせずに育てた子どもと、丁寧に愛情深く育みつつ育てた子どもとでは、成人期までの長い年月の結果は、違って当然ではないでしょうか。
ましてや私たちの子どもは自閉症です。
大人になって困らないように小さなお子さんをお持ちの保護者の方には、大人になった自閉症の人たちが、どんなことで困って問題行動といわれるような状態を示していかれるのかを学んでほしいと思います。
また、大きくなっておられて現在親から見て問題だと思えるような行動があるなら、どうすればその行動をより暮らしやすい状態に変えていけるのか、その具体的な対応策を考えて行く講演会となるでしょう。
中山先生は、現在大阪で、自閉症を支援する人たちを支援する団体の代表をされている方です。
育てる会では、初めてお呼びしますが、川崎医療福祉大学では、非常勤の講師としておなじみの先生です。岡山の支援者である私たちにきっといい助言をくださるに違いありません。
問題行動に焦点を当ててお話をいただくのは、育てる会の講演会でも初めてのテーマです。
保護者、保育にかかわる方、学校関係者、そして大人になった自閉症の人たちへの支援をされている各事業所や入所施設の方など、大勢の支援者のご参加をお待ちいたします。
さて、小さい頃、中山先生に良い助言をいただいたお蔭か、鳥羽哲平くんは、現在安定した成人期を過ごしております。次はいよいよ、そんな哲平くんの最近の出来事のあれこれをお話いたしましょう。
哲平くんというのも少し23歳の成人に向かって言うのはおかしいでしょうか・・・・。
少し反省しつつ、でも彼はちょっと見は、高校生くらいにしか見えない若く見える人ですので、哲平君と思わず言ってしまうのですよ。哲平さんというべきなのでしょうね。
さて、その哲平君・・否、哲平さんが、色々やらかしてくれるエピソードは、我が家を楽しく幸せにしてくれます。私も主人も彼がいるからこそ、元気が出たり、明るく過ごせているのです。
まさに、我が家の宝。我が家の元気の素。母の若さの秘訣・・・(え?はい、言いすぎました)
エピソード1
哲平は、写真を撮るとき一生懸命笑い顔を作ろうとします。
以前は、笑うことは、目を細めることだと思っていたらしく、目を細くした哲平の顔は、髪型が短いこともあって、さながら若い頃の高倉健のようでした(どんだけ、エエ〜ように言うねんな〜)。
でも、最近は、ダウンタウンの浜ちゃんの様に眼を大きく開いた状態で写真をとるようになりました。それは、たぶん目を細める哲平に、周りが「もっと目を開けて!!」といったせいではないでしょうか。
かわいそうに一生懸命目を大きくあける哲平は、やっぱり変です。
浜ちゃんより高倉健の方が絶対かっこいいので、母がいるときは、「はいチーズ」の代わりに「高倉〜健!」と写真のたびに号令をかけています。そんな風に撮った写真が、これです。かっこいいでしょ。
エピソード2
先日、こんなことがありました。
マルナカの酒屋さんでお父さんのお酒を買いました。
たくさん持ってレジへ・・・で、さてお金を払おうとすると、1万円札がありません。お財布の中身だけでは足りないようです。それで、いつもお金をたくさん持ってる哲平にお願いしてみました。
私「お金貸して下さいな」
哲平「貸しません!」
私「車におカネあるから、すぐ返します。貸して下さい」
哲平「(きっぱりと)ううん、貸さないです!!!」
おカネは、大切なのでしょうね。働くようになってから、ますますお金にはシビアになりました。
仕方なく私は、車までおカネを取りに行きました。
ちゃんと返すのに・・・・ねえ(涙)。
エピソード3
いよいよマラソンシーズンの幕あきです。
春に足を痛めた哲平にも、ようやく久しぶりのレースとなりました。
蒜山高原マラソン大会に親子で参加してきました。
前日には、NTNの皆さんと会社の保養所での恒例の懇親会、並びに新しい仲間を交えての歓迎会 & 蒜山マラソンに出場する選手への激励会です。
楽しい宴の次の日が、いよいよレースです。
6年前に哲平が初めて走ったススキの美しい高原を、今年も爆走です。
哲平は、5キロ付近まで一人トップを引っ張ったらしく、ペース配分が出来ないという課題はあるのですが、結果は、ハーフマラソン総合8位、部門別6位の成績でしっかり今年も入賞しました。当日は風が強く、しかも上り下りの多いコースでの向かい風は厳しい事だったでしょう。今まで走るたびに更新していた記録は、そういう訳で残念ながら更新はできませんでしたが、1時間23分44秒は、よく頑張りました。
やっぱりゴールした後は、「1000円!!」と手を出す哲平でした。
父さん母さんもそれなりに頑張って、親子3人、完走出来ました。何年走れるか解りませんが、健康で親子楽しく走れたらと思っています。
来年は、60歳以上の部で私も入賞を狙いたいと密かにもくろんでおります(笑)。
エピソード4
そんな鳥羽家にもう一つ嬉しい話題がありました。
孫のコタロウ君の1歳のお祝いを娘夫婦の自宅で行いました。
実は、娘は我が家のすぐ近く、昔の主人の実家をリフォームして住んでいます。我が家から大きな声を出せば聞こえるほどの近さです。
スープの冷めない距離に住む娘ですから、時々孫の世話に行くこともあります。
当日は、同じ赤磐市に住む婿殿の実家からもご両親をお招きしての、楽しいお祝いの席でした。
一升餅を背中にしょわされたり、将来の職業を占ったりと、色々な事をやらされて、ほんと気の毒なコタロウ君でした。
一升餅を背負わすのは、一歳前に歩くような子は、親から早く離れて独立して、どこか遠くへ行かないようにと、一升餅を背負わせわざと転ぶように押したりします。いつまでも親の近くにいて欲しいという親の願いを込めた岡山に昔からある風習です。一升餅には一生食べ物に困らない為という意味も込められていると聞きました。
コタロウ君は、10カ月の時には、歩いていて、1歳の今ではどこへでもトコトコ歩いている子ですから、これはぜひやらなければなりません。
当日、コタロウ君は、いつもの元気はどこへやら、大きな重いお餅をしょわされて、一歩も歩けず、大泣きでした。
転ぶどころか歩くこともしなかったので、大丈夫どこへも行かないで、親の近くで暮らしてくれるのでしょう。これでめでたしめでたしです。
そんなドタバタと賑やかなお祝い事をやっている最中、哲平君は、お食事を終えたらさっさと「帰ります」とスープの冷めない距離を帰っていってしまいました。
マイペースで、お祝の意味も理解しないし、興味もないらしいので、「いいよ」と了解しました。一応、お祝いの席に同席して、お食事を一緒に食べれたら、OK、OKです。
そんな哲平とコタロウ君の幸せそうな写真です。
平和な我が家にアイドル二人です。最近は、コタロウ人気が高まっていますが、母さんにとっては、永遠のアイドルは、やっぱり哲平です。
いつも元気で、優しくて、律儀でガンバリ屋で、変わることなく誠実な哲平。
いつまでもおさな児のように 素直なまんまの哲平が大好きです。
やっぱり自閉症ってステキです。
そろそろ、皆さんとお別れです。今年は、風邪がはやりそうだとかで、そろそろインフルエンザの予防接種もしておかないといけませんね。どうか、お元気で、また来月の会報でお会いしましょうね。ごきげんよう!!
追記 お知らせです。
吉備国際大学ボランティア部の招待行事に、今年度は参加者が少なく困っています。
毎年参加者が多くて、定員オーバーで断っているくらいなのに、今回は手違いで途中、日程の変更があったためか、いまのところ参加者が、激減しています。
皆さんどうか、ご参加ください。学生の皆さんが、頑張って企画して下さいます。
毎年参加された皆さんは、来年も都合がつけば、ぜひといってくださる企画ですので、一度も参加したことのない方や、入会されたばかりの方もどうぞ、ふるってご参加ください。
現在、申し込みは5家族です。10家族位は、参加OKですので、よろしくお願いします。
日 程:11月13日(日)→11月19日(土)に変更
参加費:500円 (正会員:限定)
場 所:高梁市総合福祉センター
時 間: 10:00〜15:00(予定)
テーマ:「やってきました! 秋のワクワク運動会」
詳しくは、参加者へ直接送付予定です。
申し込み方法:電話でよろしく (086)955‐6758 事務局
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)
のびのびキャンプ 報告 (抜粋版)
毎年恒例の、子どもたちとボランティアさんたちだけで、自由にのびのびと過ごす「のびのびキャンプ」、今年は10月1日(土)・2日(日)の二日間、閑谷学校の岡山県青少年教育センターを使って行われました。プレキャンプも同じ閑谷学校で9月11日(日)に開かれました。
川崎医療福祉大学の重松孝治先生がキャンプ長・コーディネーターとして指導にあたってくださいました。今年は、日程の関係で、事前学習会が行えなかったので、プレキャンプの際、子どもたちと保護者が帰られたあと、学生ボランティアの方に自閉症の基礎知識やキャンプでの注意点など、ミニ研修会も開いていただきました。
また反省会も日を改めるのではなく、バスが帰着して、保護者の方との引き継ぎが終わったあと、ボランティアさんに残ってもらって当日の反省会・振り返りの会を開きました。
まだ、熱気のさめやらぬ内の反省会でしたので、涙や笑い、真剣な話し合いなど盛り上がりました。
子どもたちも、立派に親と離れたキャンプをやりとげ、一回り大きくなって帰っていきました。
それでは、子どもたちの帰宅後の様子をお母さんたちが寄せていただきましたので、その一部ですがみなさんに紹介したいと思います。
キャンプに参加されたみなさまには、後ほど別便で全部の方の感想やツールの写真なども集めてお送りさせていただきます。楽しみにお待ちください。
迎えにいった私の首に、「頑張って作ったんだよ」と、娘が指編みをしたマフラーをかけてくれました。不器用なわが子が作ったかと思うと涙が出るほど嬉しいことでした。
「最初は難しくて苦労したけど、教えてもらって出来た」「何回も教えてもらった」「一日で出来なくて二日かかったけど、出来た」「あきらめなかった」など、何度も何度も誇らしげに言っていました。丁寧な手順書を用意してくださり、やさしく根気強く教えていただいたおかげで、自信をつけて帰ってきました。マフラーは、同じくキャンプで作った勾玉のネックレスと合わせて、娘の部屋に入ってすぐ見える場所に大事に飾られています。
今回で2回目の参加になりました。「キャンプが終わった、皆とお別れするのが寂しい」と涙を流した昨年のキャンプから待つこと一年、今年は、子ども自ら荷物の準備にとりかかりました。それほど心待ちにしていたキャンプでした。「一泊二日じゃ短すぎる、三泊四日くらいして欲しいよ」と、今年はこのような思いを伝えてくれました。
娘と同じくらい、私もこのキャンプを楽しみにしておりました。どんなボランティアさんとの出会いがあるのだろうと思うと、嬉しくなります。プレキャンプで初めて会ったわが子に、「なんて呼んだらいいかな」と優しく微笑んでくれた
藤本さんの横顔を見て、「今年も良いキャンプになるな」と感じました。当日を迎えるまでのメールのやりとりも、楽しいものでした。
とても大変なキャンプなのに、毎年続けて企画して下さり、本当に感謝しております。先生方、スタッフ
の皆様、ボランティアの皆様、心よりお礼申し上げます。
どうもありがとうございました。
(O)
2日間ありがとうございました。3年生になり、今年初参加だったのです。
女の子で小さい頃からはっきりと自分の意志が言えず、それをよいことにいろいろな療育をさせてきました。しかし我が子はいつもマイペースでこつこつやっていました。やらされ感いっぱいでも、オーバーワークな課題でも、何も言わずにつめ込んで、疲れてしまって、自分で処理しようとする子でした。
今回、のびのびキャンプ 事前のプレキャンプで、キャンプの意図を詳しく説明していただきました。「子どもにやらせる」「自由にやらせる」「指示しない」えー。
キャンプといえば課題をいくつも乗りこえて、つらくても経験して達成感、と思っていましたが違ったので、私たち親の意識も変わりました。
イヤなことは強要しない。基本ですよね。
本当に指導として成り立つのか? 成り立つんですね。
自閉症の子は、どういう時に力がでるのか。忘れていました。
それからキャンプまで、いろいろ尋ねてきました。「おふろはどこにあるん?」「ねるのは?」「ごはんは?」不安をもって聞いているのがわかったので、じっくり、不安だよねーと共感しながら聞いてあげれたと思います。
最近、おうちの中でも支援ツールが はやっていて、持ち物の写真がいたるところに貼ってあります。ひきだしや扉、カバンの中に入れるもの、文字ではなく写真ではっています。(母の私も、実は自分のモノを写真で管理して、「わかりやすい!」とハマりました)
キャンプの持ち物。写真でそろえました。今まで遠足など、文字のリストで自分で揃えていましたが、写真のわかりやすさ、安心感の大きさがわかるので写真ツールを作りました。
初めての宿泊、荷物もアイテムも多いんです。シャンプー、洗面用具、パジャマ、下着、トランプ、本・・。それを自分が持てる大きさの荷物に、文字通りつめ込んで運ぶのですから、何があるのか。何に使うのか。どこに入れたのか。理解を助けるために、持ち物リストを作りました。スケジュールも小さくしてラミネートしました。
パンフを自分で見て、「他のグループのいらない! ハサミで切って、ここだけほしい」他のグループがたこやきをしようが、ゲームをしようが興味ないんだーと思いながら、はいはいと言うとおり作ってあげました。前日はもうわかっていると落ち着いていました。
ボラの鈴木さんとは、ドーナツを食べながら顔合わせをしていたのです。でも当日、「私、すず木さんの顔、忘れちゃった」とあっさり。汽車でリュックを岡山へ運び、気をとりなおし(本人は何とも思っていませんが)、バスは閑谷学校へ向け出発したのでした。
ボラさんから送られてきた写真は、みな幸せそうな笑顔。自分で選び、決めて、行動するって気持ちイイんです。それを存分に味わっているのがわかりました。
夜も「おとうさんとおかあさんのこと、忘れちゃった」とあっさりしていたそうです。あっさりも個性で、まじめながんばりやさんです。落ち着いて、安心できて良かったです。
帰っていろいろな作品を見せてくれ、夕食後にボロボロ泣きました。
「すず木さんとお別れして悲しかった」 でも「あっ、私、遠足ですず木さんの鳥取県に行くんだ」と笑顔になり、あっさりしているなと思ったら、部屋で長いこと泣いていて、・・
本人が話しやすいように、そばにいて見守っていると「お母さん、このお手紙、すず木さんに絶対にわたしてください」と紙を渡しました。
かわいいお手紙、泣けました。わが子が人に対してこんな気持ちを素直に持っていて、書くことができて良かったねと思いました。
いい子です。自分で考えていて、なんでもできる子だったんだなあと改めて気づかされました。
そしてこのかわいい子どもをみんなで育ててくださっている「育てる会」。
私は岡山県に住んでいて良かったです。ちゃんと育てることができそうです。
また、いっしょに育てる会と、がんばろうと思いました。
親子ともに、とても大事な「安心」を得たのびのびキャンプでした。本当にありがとうございました。
(F)
この度は本当にお世話になりました。
プレキャンプでの事前打ち合わせといい、これ以上ない体制をとって下さっていたので安心して送りだす事が出来ました。ありがとうございました。
帰宅後は疲れもあり余り話してはくれませんでしたが「土曜日にタイムスリップしたい」という言葉で本当
に楽しかったのが分かりました。
キャンプ後目立って変わった事は学校から帰ると自分から進んで料理を作るのを手伝ってくれます。今後も本人がやってみたい、行ってみたい、という事があったら参加させてみようと考えています。
それで『不安が強い』といわれる息子の少しでも自信につながればと思います。
これからも宜しくお願いします。本当にありがとうございました。
(N)
親の希望で申し込みをし、事後報告の形で息子に伝えたのがのびのびキャンプの始まりでした。 重松先生がいる! 代表がいる! ボラさんがいる! 絶対なんとかなって帰ってこられると信じていた私に迷いはありません。
そして息子の問題点もきちんとした方々に見てもらえる方が、今後の課題に出来ると思っていました。
あまり乗り気ではなかった息子に「のびのびキャンプつて楽しいからすごい人気みたいで、もうキャンセル待ちなんだって〜」と伝える「・・・・・行って・・・みる。」との返事。
内心ヤッター♪でした(笑)
プレキャンプではボラさんにもお会いし、活動する場所を見たり体感したのはとても良かったようです。しかし、珍しい場所なので あっちヘウロウロ・こっちをきょろきょろ・・・・・・
見て触って進んでいく息子の後ろをボラさんが せっせとついてくださいました。大変申し訳なかったです。でも、優しい雰囲気のボラさんに まずまずの息子。
顔見知りのお友達も同じグループにいたので親子共々心強かったです。
キャンプの前日に最終チェックをして、当日元気に出発です。
林原駐車場で、これまたあっちヘウロウロ・こっちをきょろきょろ・・・・
休まず動いてバスに乗り、元気いっぱいに手を振ってキャンプスタートです!
連絡がくるかも・・・と少し心配していましたが、緊急の電話もなくあっという間の2日間でした。
帰りのバスで寝ていた息子は、少しボーつとしていましたが 私の顔を見るなり出発前のご褒美だったバナナオーレをきちんと思い出し早速要求してきました。 さすがです!
皆で調理したこと・アスレチックのこと・お風呂のこと・工作のこと・探検のこと・・・色んな話が次から次へと出てきます。
工作で作ったスライムは 妹のおもちゃになり、使われています。
木で作ったキーホルダーは大事にしまっていました。
キャンプ以外にも色んなお土産つきでした(笑)
なんだか帰ってきた息子も、達成感からか少しスッキリしているような。。
「来年も行きたい! 来年は○○と○○をする!」と今から公言です。
きっと重松先生をはじめ ボラさん・スタッフの皆さんのおかげで楽しい思い出が作れたと思っています。大変な事が多かったと思いますが、最後まで息子を温かく見守り続けて下さり誠にありがとうございました。
本当に本当に「ありがとうございました」この言葉に尽きます。
来年行けるようであれば(笑) 今年の課題を来年までには取り組んでいけたら・・・・と思っています。2日間、本当にありがとうございました。
(TO)
この度はキャンプで大変お世話になり、ありがとうございました。
親から離れて一泊という初めての経験でしたが、息子は育てる会の皆さんとボランティアさんが用意して下さるということで不安がることもなく、当日を迎えました。
あちらでのいろいろな活動が全て楽しかったそうです。
もうすでに来年も参加をする!と決めています。担当ボラさんが作って下さった焼きそば作りや数種類の工作といったたくさんの手順表やスケジュールに頭が下がります。いろいろ苦労と工夫をされて作って下さったんだなあと。
最近学校が大変でナーバスになってきたうちのマイペース息子につきあっていただき、大変お疲れになられたと思います。でも楽しく行かせていただいたことに感謝!!です。あらためて、のびのびキャンプというのは代表始め会の皆さん、ボランティアさん達の優しさと熱意がないとできないと認識しました。脱帽です。本当にすごい!!と思いました。ありがとうございました!来年は私にできることでしたら何かお手伝いさせていただきたいと思います。
(TU)
秋のミニセミナー
18歳の春を目指す親子療育クラブ:主催
桑原 綾子 先生 講演会 報告
今回初めての試みとして、「18歳の春を目指す親子療育クラブ」主催のミニセミナーが開かれました。
岡山ふれあいセンターの第2〜第3研修室を使って、少人数・・といっても、50名ほどの参加者が集まりました。
ほとんどが、正会員の顔見知りのお母さんたちということもあって、代表の巻頭文にもあるように、最初からアットホームな楽しいセミナーとなりました。 報告や感想が寄せられているので紹介します。
平成23年9月27日(火)、岡山ふれあいセンターにて、愛媛県のライフサポートここはうすの 桑原綾子先生をお招きして、セミナーを開催いたしました。
テーマは「わが子が大人になる!その前に・・・〜自分の今と過去を振り返ってみよう〜」と 題して、お話をいただきました。
まず、自己肯定感を高める事の大事さ「この子はこの子でいい」と、子どもの事を肯定的に 見る支援がとても大事であると、教えていただきました。そして、肯定的になるためには、 自分に対する肯定的な気持ちがあってこそ。
そこで、参加者二人1組になり、お互いに素敵だと思う事を発表しました。大人になるにつれ誰もが、褒められる事が減ってしまっていて、久しぶりに褒められ、すこし照れ、そして嬉しく感じました。
次に「給与の理解」「トイレの掃除」「生理の処理」の3つの生活に密着した事柄について、青年期・学齢期・幼児期に分けて、何が出来たら自立といえるのかを、グループに分かれて考えました。全てにおいて、スケジュール・ワークシステムの理解からスタートしており、幼児期からの支援に重要である、というお話でした。
最後は、傾聴の実習を行いました。内容は、お互いを褒め合った中で何が一番嬉しく思い、何故嬉しいと感じたかのポイントを発表し、その喜びを聞いてもらいました。
振り返ってみれば、あまり褒められていないのに、子どもを褒めようとしてもどこか、無理がでます。子どもたちとのチャレンジは、一生涯続く長く、そして価値あるチャレンジです。そのチャレンジをしていくために、自分のことを大切にしていきたいものです。
子どものスキルはひとつずつ、必ず将来につながっていくものです。
今うまくいかずつまずいても、信じて支援を続けていこうと、勇気をいただきました。
桑原先生の講演会は、参加者全員がハッピーになれたとても楽しい講演会でした。
(T)
息子の障害と向き合う上で、まず、私自身が前向きに、自分を大切に生きいていくことが大切であると教わったことは、あー・・なるほど。目からうろこでした。
実習で隣の方の長所を見つけるというところで、・・・まったく言葉が出てこない。簡単なことがいかに難しいか。自分がいかにマイナスイメージが強い人間かと反省しました。
確かに、いつも私は悪いようにとらえてしまうので、周りの人間と接するのが怖いと思うときがありました。息子にどう接したらよいのか。不安に思うこともありました。いらいらしたり、怒ったり、余計に子どもも泣いたりして火に油を注いでしまうことがしょっちゅうです。 そんなときにこのことを思い出して、冷静に明るく振舞えたら・・と思いました。
いつもできるかわかりませんけど、焦らず、少しずつ、絶対にあきらめず子育てを続けていこうとおもいます。
( I )
教師・保育士対象 即実践講座
【即実践講座 基礎編】
☆第6回☆ 平成23年11月25日(金) 19:00〜20:45
「コミュニケーション:実践」
岡山県生涯学習センター 大研修室
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、施設・福祉関係職員の方
対象。
(申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
【即実践講座 アドバンス(上級編)】
☆第6回☆ 平成23年11月17日(木) 19:00〜20:45
「コミュニケーションの評価と支援の実施」
岡山県生涯学習センター 大研修室
対 象 : 過去の重松孝治先生の即実践講座を受講したことのある人。
どちらの講座も参加費・申込先は一緒です。
参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
途中参加の方には、それまでの講義のDVDをお貸しします。
申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)
「18歳の春を目指す 親子療育クラブ」
日 時 平成23年11月11日(金) 10:00〜13:00(受付9:45〜)
場 所 きらめきプラザ2F 研修室(岡山市北区南方2‐13‐1)
内 容 @サポートブック・サポートシートについて
来春の進学・進級・行事を踏まえて、情報交換しましょう。
初めての方も、作る時のポイントなども話し合いましょう。
今迄に作った物があれば、持って来て工夫や失敗を教えて下さい。
Aツール作り 5月に立てたIEPを見直して、必要なツールを作りましょう。
製作途中の物でも構いません。
先月は、時間がなくてできなかったので、引き続きです。
B意見交換 ツール作りの相談や意見交換です。
C情報交換 本・パソコンのサイト等・・・
よい情報をお持ちの方は、ぜひ紹介してください。
準備物 手順書作りに各自必要な写真やカード・筆記用具
(ラミネーターは担当者が用意します。)(正会員:限定)
「母の想いを語る会」
10月11日(火)に、岡山市公共職業安定所(岡山市野田)通称ハローワーク岡山へ11名の保護者の方たちとお邪魔してきました。
母の想いを語る会では、子どもたちの将来を考えるきっかけになればと、色々な就労場所を見学してきましたが、障害者の雇用の実際を一番ご存じであろうハローワークの障害者雇用のエキスパートの方からお話を聞かせていただけることになりました。
私たちの先輩であり、母の想いを語る会のアドヴァイザーでもある今田恒子さんが、10年前までこのハローワークで障害者雇用の担当をされていた関係で、当時の同僚の方からお話を伺うことが出来ました。
まだ小さいお子さんが多い参加者の皆さんには、こんなに早くからハローワークへ行くのは、ちょっと・・・・と思われていたのではないでしょうか?
でも、参加して良かったとみなさん言ってくださってうれしく思います。初めて知ったことも多く、私も勉強になりました。
たとえば、高校は、普通校と養護学校とどっちが就職に有利か?というようなお話もありました。ハローワークには、障害者の人たちへの雇用を紹介する部門があって、もし普通高校へ行くのであれば、一度相談に行っておいたほうがいいことなどを知りました。
また、岡山は、就労継続A型事業所の数が日本でも有数の多さで、A型は一般就労とみなしてカウントされるらしいことも知りました。ただ、いろいろな事業所もあって、本当に良い事業所かどうかは、よく見学やお話を聞いて、見極めなければならないことなど考えさせられました。
次回は、ベネッセビジネスメイトの見学を予定しております。
申込みは、正会員の方にはFAXやメーリングリストなどを通じてお知らせし、すでに締め切りさせていただいています。
日 時:平成23年11月8日(火)10時〜12時
場 所:岡山市北区南方 ベネッセ本社ビル
集 合:ベネッセビルの南側駐車場に車を入れて
(参加者20名分の駐車はお願いしてあります)
ベネッセビル正面玄関受付けに9:50に集まってください。
参加費:300円 (正会員:限定)
以下にハローワークの見学会の感想がありますのでご覧ください。
ハローワークの見学ではお世話になりました。
障害のある方の就労のためのいろいろな支援、雇用の状況、就労するために必要な事等を教えていただきました。
その中で障害をオープンにすることのメリットデメリットを具体的に示していただき、息子の特性を考えてイメージすることができました。
そして自閉症者のこだわりが仕事をする上で大変な障害となってしまうこともよくわかりました。ストレスか溜まると余計にこだわってしまう息子には本当に厳しい現実です。どうしてやったらいいのか答えは出ませんが、このことを頭に置いてこれからの子育てを考えなければと思いました。
(T)
今まで、施設や作業所を見せていただきましたが、制度のことなどまったく分からずに見ておりました。説明を伺って、輪郭が少し分かったような気になっています。勉強の場を設けていただき感謝しております。安定所の方にも、たくさんの資料を作成していただき、こうやって保護者の気持ちに応えて下さる方たちがいるのだと思うと嬉しくなりました。
自閉症で就労している方として実際に存じ上げているのは哲平さんだけなので、何度も「NTNは日本一の支援をしている」(つまり、NTNほどの会社は、なかなか見当たらないということですよね)と耳にしているにも関わらず、就労イコール哲平さんのように働くことというイメージを持っていました。でも、違うのですね、「就労」には、色々あるのですね。教えていただいてためになるとともに、障がいを持つ人々、とりわけ、自閉症者を取り巻く環境の厳しさを感じました。自閉症は、精神障害ではないのに。また、(表現の仕方が適切なのかどうか分かりませんが)福祉の網から漏れ、かといって、一人でやっていけるわけではない人というのは、本当に厳しい、と思いました。
(O)
「OHAの会」
OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。
アドバイザーは臨床心理士の利守愛子先生にお願いしています。
<11月度 OHAの会>
日 時 平成23年11月25日(金) 10:00〜12:00
場 所 庄コミュニティハウス 2F 集会室小(倉敷市上東1163‐5)
参加費 700円 (正会員:限定)
申 込 事務局(Tel.086‐955‐6758、Fax.086‐955‐6748)
「キッズルーム」
日 時:平成23年11月20日(日) 13:00〜
場 所:岡山大学第2体育館 定 員:20名
参加費:本人 500円、きょうだい 400円 (正会員:限定)
今年2回目のキッズルームです。
岡山大学児童文化部のお兄さん、お姉さん」たちと、また体を思いっきり使って楽しみましょう。
きょうだいにもボランティアさんがついてくれるので安心です。
「吉備国際大学ボランティア部 招待行事」
日 時:平成23年11月19日(土) 10:00〜15:00(予定)
場 所:高梁市総合福祉センター
テーマ:「やってきました! 秋のワクワク運動会」
参加費: 500円 (正会員:限定)
秋の一日、高梁の街で、いつもお世話になっている吉備国のお兄さん、お姉さんと目いっぱい遊びましょう。
詳しいプログラムは申し込みをされた方にお送りします。
「クリスマス会」
日 時:平成23年12月11日(日) 13:00〜15:00
場 所:岡山大学第2体育館
参加費:500円 (正会員:限定)
申込締切:11月30日(水) 定員(15名ぐらい)になり次第締切ます。
今年も岡山大学児童文化部のみなさんが、楽しいクリスマス会を企画してくれて
います。
参加される方はプロフィール表が必要です。まだ出していない方は早めに出してください。またきょうだいが参加される場合は名前と年令もお知らせください。
詳しくは同封のチラシをご覧ください。
申し込みはいずれも、事務局(Tel.086‐955‐6758、Fax.086‐955‐6748)まで
水泳教室のお知らせ
日 時 : 平成23年11月20日(日) 15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局 (正会員:限定)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験は1回2000円(保険代込み)です。
★欠席される方は、必ず11月15日(火)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
(水泳担当:S & H)
サッカークラブのお知らせ
日 時 : 平成23年11月23日(水・祝) 10:00〜12:00(9:45集合)
場 所 : 岡山市内グラウンド
持ち物 : マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札
お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
親リーダーはグループノート
[今年度の活動予定日] (正会員:限定)
12月23日(金・祝日)・1月22日(日)・2月26日(日)・3月11日(日)
※ 活動日前日、当日のいずれかに雨が降った場合、活動は中止となります。
中止の場合は、メールでお知らせします。
※ 体験、見学の申し込み・お問い合わせ・欠席の連絡は担当までご連絡下さい。
(サッカークラブ担当:M & S)
赤磐ぐんぐんだより
10月も終わり、寒さにも冬の気配が感じられる頃となりました。風邪をひいているようなお子さんも、ちらほら見受けられます。体調不良でお子さんに会えないことになるとスタッフはとても悲しいので、しっかり予防して、体調を崩されないようにお気をつけください。
先日、療育中にこんなことがありました。
A君は、アンパンマンが好きです。アンパンマンではないキャラクターのパズルをA君がしたときに、支援者の手助けがあって完成することができました。
次の週に、同じピースでアンパンマンのパズルをしました。すると、手助けがなくても、一人で完成することができました。やはり好きなものは強いなと、改めて身に沁みて実感しました。好きなキャラクターがずっと同じとは限らないので、常に好きなキャラクターを把握し、子ども達の好きなキャラクターの話題についていけるように知っていく必要があるなと考えさせられました。好きなものがあるって本当にいいことですよね。
しかし、好きなものが好きすぎでやめられないことで、困っているお母さんもいると思います。よくそれを「こだわり」といいますよね。こだわりは趣味として伸ばしていったらいいのです。そのこだわりが車だとしたら、車のことを考えれば疲れがとれたり、車のことなら勉強の意欲が出たりするわけです。
こだわりは気分の切り替えに役立ち、ストレス発散にもなります。こだわりがやめられなくて困っているのであれば、終わりを教えていったらいいのです。
ぐんぐんでは、タイマーを使ったり、終わりBOXをつかったりして終わりを伝えています。なかなかやめられないなどのこともご相談ください。そのお子さんに合った終わりの伝え方を一緒に見つけていきましょう。
(赤磐ぐんぐん スタッフ 題府 美衣)
支援センターNEWS☆
巡回相談で保育園や幼稚園を回っていると、「先生!ハロウィンにはな〜『トリック・オア・トリート』っていったらお菓子がもらえるんよ」と子どもたちが教えてくれます。
私の小さい頃には馴染みのない行事でしたが、いつの頃からか日本でもハロウィンを楽しむようになりましたね。
お化けやカボチャの面を年次ごとに製作して、園内をかわいく飾っているのをみると、楽しい気分になると同時に、「先生…毎月毎月行事の準備、お疲れさまです。」と頭が下がる思いです。
どこを訪れても季節の物やそれにちなんだ子どもの作品に彩られ、手や目に触れられる場所に掲示することで感覚を刺激し育てる工夫がなされていますが、以前お仕事で行ったグアムの保育園ではコンクリート壁がむき出しになっていて、子どもが過ごす環境にしては殺風景に見えたのを思い出します。
四季がある日本ならでは取り組みなのでしょうが、これらの装飾品は、時に自閉症の子どもにとって無駄な刺激になるといったことで話題にあがることもあります。
以前勤めていた施設でも、こうしたものを飾るか排除するかで話し合ったことがあり、また巡回訪問時に相談される内容でもあります。
そこで私がいつも思うようにしていることは、自閉症ではあるけれど「子ども」であることも忘れないでおこうということです。整理はしておかないと必要な情報を選択できずに混乱してしまうけれど、日本に住む4,5歳児の日常生活で当たり前に提供される学びの機会と経験は、自閉症であるこの子たちにも与えられるべきであるということを念頭に置いて、その効果的な見せ方について考えていく必要があると考えるからです。
例えば掲示物が刺激になって行動がストップしてしまうようなら、ストップ(つまり注目)していてもかまわない場所に掲示をすればいいことであって、論点は外すか外さないかということではないということです。(もっともこれは個人的な意見にすぎず、賛否両論あるかもしれませんが…。)私としては掲示の量や配置やその見せ方を考慮して、自閉症の子どもたちにも分かりやすく季節感のある空間づくりを前向きに考えることはできると思っています。
さてお話は変わり、最近参加した様々な活動(育てる会のびのびキャンプ、くらしき発達障が支援フォーラムなど)に影響されて、少し余暇のお話をしたいと思います。
成人期の不適応行動に対するご相談をいただいた際、その元になるものを探っていきながら辿り着きやすいのが「余暇が充実しているか」「余暇活動をして楽しく過ごす術を身につけているか」という話です。
学校や職場がお休みになると、または卒業や退職と同時に、周囲のして欲しくない行動を始めるとか気分が落ち込んでしまうとかといった行動が見られるという訴えは意外に多く寄せられるのです。逆に「そのようなときは何をして過ごしていますか? 好きな余暇活動はありますか?」と尋ねると、「○○に行く、○○を買う」など単発で終わってしまうものや、「インターネットをしている」など(終わりがないので)達成感を感じられにくいものが多く、またそれらはお金もかかるため継続的に取り組むことが困難なようです。
コツコツと長きに渡って楽しめるものであったり、その楽しみが周囲(家族)とも共有しやすいものであったり、そうしたことでの休日のあり方を知らないで来たのかな…と感じさせます。不適応行動に直接働きかけて解消するものではありませんが、すべきことに注目させることで間接的にでも、生活全体が良い方向に進んでいく場合もあります。学生生活を送っているときは、ほぼ学校などのカリキュラムに沿って生活を進めているため家に帰ってからの時間は、食事や入浴など習慣化されたものをこなして時間は過ぎていきます。
しかし、夏休みなどの長期休暇や卒業後に時間ができた時、子どもたちはすべきことを一気に見失ってしまうことになるようです。
同年代の子どもであればそれは、部活動やアルバイトなどに充てられ、仲間を作ったり、特技を磨いたりといった楽しい時間の過ごし方を経験することとなるでしょう。しかしながら、自閉症の子どもたちにとっては、対人交渉、コミュニケーションなどの質的な問題から、これらの活動に楽しんで参加するには困難なことが多く、自由になる時間をもてあましていることが少なくありません。
支援センターにご相談にみえる親御さんの中にもそれには気付いておられる方がいるようですが、「子どもにとって自由な時間を親が操作してしまっていいものか」「子どもが興味を引きそうなもの自体が分からない」「親とは一緒に活動してくれない」などと言った声があがります。その点、今回のキャンプやフォーラムで精力的に余暇活動の充実に力を入れている方達の実践を目の当たりにすると、「自閉症である人生も(親子や仲間と)エンジョイできるといいよね!!」と実感させられます。
はじめは活動の手順を丁寧に教えたり、仲間との相互交渉に橋渡しをしたりといったサポートが必要な子ども達ですが、そこでは私たちの想像を超えることを学んで帰ってくることがあるようです。それは仲間に対する思いやりだったり、安心感(ここなら自分らしくいても大丈夫)だったり、子どもによって様々ですが、大人に向かって成長していく上ではとても大切な力となってくるものです。
私自身も大変良い刺激になったので、学校生活や療育の充実に力を入れて来られたみなさんにもぜひ、「余暇のあり方」について考えてみていただきたいと思いました。育てる会企画の活動ももちろんのこと、お住まいの地域で精力的に活動をされている親の会やワーキンググループの門をたたいてみると、同じ思いをもった仲間が集まっているはずです。
もちろん、子どもの興味に合わせて(一人でコツコツと活動したいタイプのお子さまには)、ピアノや書道、手芸、農業、木工、絵画、写真などの選択もいいでしょう。それは決してお稽古ではなく、あくまでも余暇であるという視点をもって、親も一緒に参加してみることが大切かもしれません。
最後に、ある日ご相談にみえた小学生の素敵なエピソードをお話して終わりましょう。
小さい頃からモノ作りに興味があった彼の遊び場は、向かい隣の建設会社。家は彼が作ったガラクタに溢れ、困ったこともあったようですが、せっかく作ったのだから…と飾っておくことを続けてきたそうです。小さい頃は、その建設会社に勝手に出かけてしまい、迷惑をかけるので禁止しようかと迷いましたが、出来る範囲で協力をお願いしながら母もついていき、丁寧にお付き合いをされてきたところ、今では棟梁公認の間柄となったとのこと。
犬小屋を作ったり、建設現場にトラックで連れて行ってもらったりと楽しい休日を過ごしているのだそうです。子どもの中では、少し偏った興味に話が走りがちだったり、話がかみ合わなかったりする部分を、大工との大人社会で上手くカバーして(活かして)こうした居場所を見つけた彼は、道具の使い方を教えてもらい、できたことを褒めてくれる大人を尊敬しています。
これが彼の余暇や、はたまた就職へと繋がっていくのかもしれないなと思ったお話でした。
(あかいわ発達障害支援センター 相談員:原 未春)
新聞記事 2題
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以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
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申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。