sorry,Japanese only
平成24年3月31日
第167号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
167号 目次
桜並木に
支援者養成セミナー 報告
早期発見セミナー 報告
18歳の春を目指す親子療育クラブ案内
サッカークラブ・水泳教室のお知らせ
私のお薦め本コーナー
「知ってる?発達障害 ワークブックで考えよう」
すすむっちレポート
ぐんぐんだより
新聞記事 2題
久しぶりに砂川の土手を散歩しました。ここは、今度新しく開設した「ぐんぐんキッズ」にほど近い、桜の並木が毎年美しいところです。
6年前、哲平が就職をしたばかりの頃に、NHKの取材を受けた時のニュース映像に桜並木の中を会社へ急ぐ哲平の姿が映っていましたが、あの並木道です?
その桜の並木を一人、ゆっくり上流へ向けて歩いてみました。
昨日までの雨のせいか、気温もあまり上がらなかった事もあって、桜のつぼみはまだ堅いようです。今年は咲き始めるには、もう少し時間がかかりそうです。
岡山市の東に隣接する赤磐市は、春というにはまだ浅い…けれど、冬というには差し込む光が暖かい・・・、そんな冬と春の真ん中で、行きつ戻りつ、暖かさと寒さのせめぎ合いとでもいう季節の中です。
皆さまお元気でしょうか?
3月は、育てる会にとってはとても忙しい月でした。
3月17日(土)には、佐賀県から服巻智子先生をお迎えして、「自閉症児支援の最前線 U〜大人になっていく自閉症の子供たちへ・性教育の大切さ〜」というセミナ―を備前県民局の共催をいただき開催することが出来ました。
また、3月18日(日)には、同じく服巻智子先生に「発達障害・自閉症 早期発見セミナー 〜1歳半健診・3歳児健診における発達障害児の早期発見とその後のフォローについて〜」というセミナーをこちらは、赤磐市の共催にて行うことができました。
どちらも「自閉症のこどもへの性教育」と、「1歳6カ月健診での自閉症スペクトラムを超早期に発見する」という企画も素晴らしいし、服巻先生の講演会ですから、もちろんすごい講演会でした。詳しい報告が、のちほどのページにございますので、ご覧ください。
また、忙しかった理由のもう一つは、小学生以上の自閉症スペクトラムを持つ児童対象のぐんぐんキッズの設立準備の為でした。
今回の会報では、ぐんぐんキッズの事を、丁寧にご紹介させていただこうと思います。
まずは、写真をご覧ください。
この春、4月1日付けで、新しいぐんぐんキッズが、開設できることになりました。
晴れがましくもこの日、開所式を行いました。
多くの地元住民の方や、利用者の保護者の方、赤磐市教育委員会の土井原教育長と赤磐市社会福祉課の直原課長には、ご祝辞までいただきました。
また、市会議員の方2名にもご参列いただき、晴れがましいひと時となりました。
山陽新聞で取り上げていただいた記事が会報の最後にありますので参照ください。
ぐんぐんキッズを作りたいと思ったきっかけを少しお話したいと思います。
育てる会では、7年前に児童デイサービス「赤磐ぐんぐん」を作りました。
親の会が作るデイサービスというのは、岡山では聞いたことがありませんが、全国的にも少ないのではないでしょうか?
当時は、今ほど療育機関が多くなくて、通わせたいけれど行けるところが限られていました。多くの親たちの思いと、自閉症の子どもたちの為に何かしたいと血気盛んな二人のスタッフに恵まれたことで、赤磐ぐんぐんは、発足しました。
当時の私たちは、とにかく困っておられるお母さん達の為に、何かがしたい・・何かをしないではおれなかったように思います。
はやる思いのスタッフでしたが、私たちはまだ子どもの療育においては素人でした。学びの為に、開設前、一年間準備期間を置きました。
当時横浜におられた中山清司先生にご無理をお願いして、今赤磐ぐんぐんのある太陽の家まで来ていただいて、「ここで子どもたちの療育をしたいのですが、どうしたらいいでしょうか?」とお尋ねした日の事を昨日の事のように思い出します。
先生は、まだ何にも知らない私たちに、取り組んでいくべき筋道を教えてくださいました。
その時に同行して下さったのが、当時は大阪の養護学校の先生だった重松孝治先生でした。
その後は、毎月一回重松先生が、岡山まで来てくださって、自閉症の事、子どもたちへの接し方や、親へのフォローの仕方、評価について、連絡帳や記録の取り方、構造化について・・・など、細かく教えていただきました。
研修にもアチコチ行かせていただきました。
佐賀のそれいゆには、3人のスタッフで5日間研修に行かせていただきました。
大阪の新澤先生のところへは、主に運営面について教えていただきに参りました。
アクト大阪や愛媛のひよこ園に、函館のつくしんぼ学級にもいかせていただきました。
また、川崎医療福祉大学であったTEACCHの5デイズのトレーニングセミナーにも、二人のスタッフが、参加させていただきました。
学んでも学んでも、まだまだ、素人の私たちでした。
いよいよ開設という日、赤磐ぐんぐんでのスケジュールは、最初は子どもたち全員同じでした。とりあえず、同じスケジュールを作って、それから少しずつ変えて行くしかなかった私たちでした。
場所の構造化も、自分たちなりにこれが最高と思える配置を考えました。
狭い赤磐ぐんぐんですが、狭い方が落ち着くのか、はじめてきた子どもたちは、誰ひとり泣かないで、きちんと座って私たちが作った自作の教材に取り組んでくれたのでした。スケジュールも教えたらその通りにやれました。感動でした。
自閉症の子って、支援がぴたりと合えば、なんの問題もなくどんなことでも落ち着いて取り組んでくれます。
初めてのあの日、だれも泣かなかったあの日のお蔭で、今があるように思います。
お母さん方も、とても真面目な方たちでした。主に育てる会の会員を中心に集まった方々だったので、拙い私たちを助けてくださいました。スタッフに感謝して、褒めて育ててくださったように思います。
そんなぐんぐんには、スーパーバイザーの重松先生が、やっぱり月に一度の割合で来てくださって、支援がうまくいかないケースについて、教えていただく事が出来ました。
来ていただく度に、目から鱗がボロボロ落ちて行くのでした。
あの頃は、本当に何にも解っていなかったように思います。
けれど、学びたい・・・、そしてもっと、しっかり教えてあげたい・・・。
そんな一心で、スタッフ一同頑張ってきたように思います。
あれから7年が、あっという間に経ちました。
スタッフも今では増えて、非常勤や事務の方まで含めると、現在の職員は、15人です。
初めの頃の思いを引き継ぎつつ、みんなで頑張ってくれています。
自閉症の子どもの療育は、大変だけれど、この仕事はやりがいがあります。
子どもの人生の基礎を作る大事な時期を、ご一緒させていただいている訳です。
大切に大切に一回一回の療育に取り組ませていただきたい・・・そんな風に思って頑張るスタッフです。
さて、そんな形でやってきましたが、やがては、大きくなったお子さんに、ぐんぐんを卒業していただかなければなりません。
お母さん達の希望は、ぐんぐんに出来ればずーっと来させたい。そんな風に言ってくださいました。けれど、ぐんぐんで見られるお子さんの数は、限られています。入りたくて待ってくださっている小さいお子さんが次々おられます。
お母さん達は、泣く泣く、後に続くまだ小さいお子さんの為に、自分たちのお子さんの席を譲ってくださいました。
安定して、学校生活や家庭生活を送られている方もありますが、うまくいっていないお子さんもおられて、そんなお話を耳にすると、悲しくて、なりませんでした。
私たちが、教えてきたことが、あっという間に、子どもたちから消えて行くことの悲しさ・・・、ぐんぐんで何をしてきたのか・・・、無力感にさいなまれる思いでした。
何とかできないかと考える日々でした。
ぐんぐんだけでは、定員にも限りがありますし、小学生以上のお子さんを続けてお預かりしていくと、幼児さんへの支援ができません。
実は3年くらい前から、何とか小学生以上のお子さんへの継続支援が出来ないだろうかと、毎年毎年作りたいと頑張ってきました。でも、場所がありません。お金もありません。
そして、有能なスタッフが、次々妊娠・出産です。
育てる会として、作ろうという思いは、満々なのですが、その都度色々な理由で断念してきたのでした。
一時は、赤磐市にお願いして、幼稚園の閉園後の建物をお借りする計画もありました。あと一歩というところで、ダメになった・・・この時は、泣けましたね〜。
でも、あきらめられない思いでした。
そしてようやく、育児の為に休職中のスタッフが、3人復帰できたことで開設の目途も立ち、場所の確保も何とかできました。
場所は、貸家の適当なものが見つからず、仕方なく購入することになりました。
・・・と言っても育てる会には、お金がありません。
でも、ここでトチタロさんの退職金がある事に気が付きました。
これを出せば夢がかなう・・・。
ナイスタイミングでトチタロさんが、会社を退職しました。1千万円を、退職金から借りて資金の多くをまかないました。
これを、16年ローンにして返していくことになります。
月々5万円の家賃は決して高くないと思います。会にも負担が少なく、我が家としては、年金が毎月5万円増えたと思えば、なんだかリッチな気分にもなります。
退職金は、持っていたらきっと私の事だから使ってしまうに違いありません。月々返ってくる方が、きっといいと思えたりしています。そんな形でようやく出来た、夢の実現です。
でも、2年後にはもう次のぐんぐんが必要になります。
出来れば、支援をず―つと、続けて行きたいのです。
今いる子どもたちが、行ける場所が、また必要です。なぜなら下からどんどん子どもたちが、小学校へあがってきます。
2年後には、次の療育の場が必要になってくることでしょう。
そうやって、社会に出るまで、支援を続けていけたらどんなにいいでしょう。理想です。
次の夢ができました。
皆さん、もう購入するだけのお金はありませんから、借りられる場所を捜さなければなりません。どこか心当たりの場所はありませんか?
無償でお借りできる公共施設などがあれば最高です。
3つ目の施設もぜひ作りたいと思っています。
困っていらっしゃるお母さんの為に作ったぐんぐんですから、お母さん達が、安心して子育てできるような支援体制を作りたいんです。
ぐんぐんは、育てる会が作っています。
育てる会は、親たちが運営する会です。
我が子には間に合わなかったけれど、これから生まれる子どもたちの為に、必要な支援を・・・と、そういう願いで作ってきたのがぐんぐんです。
今、ぐんぐんで支援を受けておられる方は、知ってほしいのです。我が子には間に合わなかったけれど、どうか、小さいお子さんをお持ちのお母さんが幸せになれますようにと、考え、協力を惜しまなかった先輩のお母さん達の存在を・・・。
いつか、わが子が大きくなって子育てに余裕が出来たその時には、先輩のお母さん達の想いを忘れず、今度は、大きい子どもたちの為にも、働く場づくりや、生活の場を作る為に力をかして欲しいのです。できることをお手伝いして欲しいと願います。
さて、話がずれましたが、ぐんぐん卒業後に家庭でうまくいかない理由の中に、お母さん方への、家庭支援のサポートができていなかった事が、あげられます。
ぐんぐんでの療育だけでは、限りがあります。家庭での支援や取り組みがあって初めて、子どもたちの成長も望めるというものでしょう。
そこで、これからは、家庭の支援を本気でやりたいと考えています。
それには、自閉症スペクトラムについて正しく理解し、支援をきっちり学んでいただく必要があります。全ては、自閉症の理解なくしてはあり得ません。
そこで今年から、お母さんの為の即実践講座を新設します。
http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2012hogosya.pdf
学校の先生の為の即実践講座で、夜の講座でお世話になっている重松孝治先生が、講師を引き受けてくださいました。
参加された方には、毎回疑問点にもお答えいただけるシステムです。
お母さんの家庭での子育てを一緒に考えて行けたらと考えていますので、どうぞ、ご参加ください(正会員 限定)。
私たちは、一生懸命ぐんぐんで、お子さんの支援を考えてきました。
けれど、それがご家庭や学校へ繋がって行かなかったことへの反省を込めて、今年から、親支援を本格的に始めます。
ぐんぐんへ来られている方・正会員の方が対象です。ぐんぐんを卒業された皆さんや、ぐんぐんの療育に興味のある方、正会員の方はぐんぐんに通っていない方もOKですので、どうぞ、ご参加ください。チラシを用意いたしましたので、申し込みをしてください。
お母さんの為の即実践講座「ぐんぐんクラブ」どうぞよろしくお願いいたします。
子どもたちに必要なものは、作っていけばいい!!
育てる会は、前を向いて元気に楽しく明るく子育てする団体です。
どうか、皆さん今年度もよろしくお願いいたします。
さて、最後に我が家の哲平君のお話をしましょう。
哲平は、元気です。会社はまだお休みして、リハビリに毎日父さんと通っています。
リハビリでの、お話です。
先生が「ここまで手を伸ばして下さい」とベッドに横になっている哲平に、床に指を置いて少し遠くまで頑張ってもらおうと、言われました。
手を懸命に前に伸ばし、グーッと力が入ります・・・。
けれど、そこまでは届きそうにないと思った哲平は、ベッドの上でグッと体ごと前に動いて、届かせたそうです。
確かに届いたけれど・・・、リハビリの先生は、大笑いだったそうです。哲平は、真剣な顔でしたそうな・・・。
話は変わって、我が家には、猫がいます。グレーテルという名前のペルシャ猫系の綺麗な女の子です。もっとも、おん歳18歳のおばあさんです。この猫と哲平は、お互いに無関心で相手に興味はありません。だからこそ、二人(?)は、同じ家で共存できているようです。
ところが、孫のコタロウが来たときだけは、大変です。
コタロウは二人に興味しんしんです。
ついて歩くので、とても困っている二人です。
共通の敵といえるコタロウ君にこの二人のが、力を合わせて立ち向うなんてことはしないんですよね。平和主義の二人は、コタロウ君のちょっかいから逃げ回るばかりです。
コタロウ君がいる間は、二人ともに2階へあがって降りてきません。
階段には、ベビーフェンスがあって、コタロウは上がれません。それで2階は二人にとっては安心できる場所です。
コタロウ君が帰ってくれると、いつの間にか二人はそっと降りてきます。
「やれやれ、奴は帰ったか」という感じで、またまた平和が我が家に帰ってきます。
( 写真は今年の「そうじゃ吉備路マラソン」のプログラムの表紙に載った、去年の哲平です。
5kmぐらいまで先頭を引っ張り、最終2時間48分23秒、34歳以下の部で7位入賞でした。
今年はちょうど吉備路マラソンの申込締切日に事故にあい、エントリーもできませんでした。)
さて、育てる会では、ぐんぐんキッズ開設の為の寄付金をお願いしてきました。
現在、758,000円になります。
色々なかたからご寄付いただいております。ありがたいことです。
中でも一番嬉しかったのは、NTNで一緒に働いていたI君が、「僕に出来ることがあるかな〜」と言いながら、給料の中から、一万円を寄付してくれたことでした。
I君のお母さんからも、たくさんいただいていたのに・・・、申し訳ないと同時に、頑張る力が湧きました。
他にも、ぐんぐんの卒業生のお母さんや、学校の先生、NTNの上司の方や、太陽の家の関係者の方、賛助会員の皆さんからもお金が送られてきました。
スーパーバイザーの重松先生からも、いただいて申し訳なく感謝でした。
皆さん、ありがとうございます。
まだ目標金額までは、足りませんので、もう少しの間ご協力をお願いいたします。
以下の口座までよろしくお願いします。
ぐんぐんキッズ 開設寄付金 募集のお願い! 子どもたちが引き続き適切な療育を受けられるために、 どうか篤志の寄付をよろしくお願いします。 振込先:中国銀行 赤磐支店 (普)1321755 名義 岡山県自閉症児を育てる会 ぐんぐんキッズの改装費にあてるため、いつもの会費 やセミナー参加費の振込口座とは別にしています。 |
では、また来月お会いしましょう。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)
支援者養成セミナー 報告
平成24年3月17日(土)、山陽新聞社本社 大会議室にて、佐賀県より服巻智子先生をお招きして、本年度最終の第5回自閉症児の自立を果たすための支援者養成セミナーを開催いたしました。
今回は「自閉症児支援の最前線 U」として、昨秋の「思春期・学齢期の対人関係の支援」に続き、「大人になっていく自閉症児たちへ」というテーマで、自閉症児・発達障害児に対する性教育の大切さについてお話しいただきました。
これまで、岡山では聴く機会の少なかった自閉症児の性に関する話しが中心でしたので、保護者をはじめ、支援学校や施設の方など、比較的年令の高い方を支援しているみなさんが多数参加されました。
それでは、当日の報告とアンケート結果を紹介します。
3月17日土曜日に山陽新聞社本社にてオーティズム?リサーチ&コンサルタンシー 代表 服巻智子先生「自閉症児支援の最前線U〜大人になっていく自閉症の子供たちへ性教育の大切さ」のセミナーに参加しました。
はじめに性の多様性についての話がありました。
身体の性とジェンダーアイデンティティ(自己認知)の性が異なることがある。(性同一性障害)
そして、パートナーとして選ぶ性にも好みがあること。(性の指向性の違い)
身体的な性、自らの意識が認める性、性の指向性によって、人の性は単に2つではなく、とても多様であること。
今の日本社会では、セクシャルマイノリティ(社会的?文化的な性のありようが少数者であること)といった性の多様性を受け入れる意識が育っていません。でも、文部科学省では二年前から学校での自身の性を選ぶことが認められていると、今回のセミナーで始めて聞きました。
「セクシャルマイノリティは自閉症スペクトラム障害(ASD)の人にも起こりうる。」
ASDの人は空気を読ことは苦手ですが、相手がどう感じているかを敏感に感じとっています。
大人の反応が鍵!なので、大人は知識を持って、心構え、慣れておくことを強調されていました。
次に、性に関する 自閉症スペクトラム(ASD)の特性として以下のことを話されました。
・変化への対応が苦手
・自分の体調への気づきにくさ
・感情の発達とコントロールの問題
・驚愕が不安に変わること
自閉症の性に関する特性に対し、予測と正しい知識を持ち、早くからASDの子供に教えることが重要。ここでも、支援者が知識を持って関わることを強調されました。
事例では、「変化に対応ができています。」と言う学校の先生の話がありました。本当に対応出来ているのでしょうか? 服巻先生は問われました。
学校では様々な授業や行事で変更があります。学年が上がると、これまでの経験やパターンから対処して、一見出来ているように見えることがあります。でも、本当の意味での対処ではありません。実は、支援者がそのことに気づいていないことがあります。
そのため、新しい環境や自身の変化への対処難しさから、混乱すると、急に出来なくなったと言われたりするそうです。
自閉症の特性を知っていなければ、客観的に見て気付けないかもしれません。
単に「できるーできない」ではなく、その子の持つ理解度や知識、技能や社会性をもう一度丁寧にアセスメントしていきたいと私自身が痛く反省するお話でした。
娘が思春期を前に、母親の私は大きな不安を抱えています。先輩お母さんの話を聞いたり、本で調べるなどしてもよく分かりません。
先生のお話を聞いて、私が感じていた不安をより具体的につかむことが出来たように思います。
セミナーでは、第二次性徴の知識を視覚的に教える教材として、男の子用「Special Boy's Business」や性教育用スライドを活用した実践例から、教える際のポイントを教えていただきました。
その中でも、正しい知識、専門用語を大人がまず慣れて、子どもに淫靡な印象を持たせないこと、正しい知識(体、心の変化、性衝動)を適切な時期に教えること、自分の体や心の変化を知って、個人差があり、程度も人により多様であることなどを教わりました。
自閉症支援の基本であるスケジュール支援は、興味感心の没頭や性行動のコントロールの際に、「終わる」ために重要な役割を果たしていること。スケジュール支援を10代で始めても、決して遅くなく、30代でも使い始めている方もいるそうです。スケジュールはその人にあった、認知、スパン、クオリティが必要なこと。スケジュール支援から教える物事の多さに、改めて重要な支援だと再認識しました。
この他にも清潔、身だしなみの大切さ、社会との関連−触法になる行為について、いじめや性犯罪などから身を守る話など多くの話がありました。おつきあいでは、身だしなみとマナーが大事なポイントであったり、「おつきあいの8段階」のお話は、これから人生で、人との付き合い方をどの様に教えていくかの指針になりました。The CAT‐ kitを子どもの状態に合わせて活用しようと思いました。
「人は必ず成長する。」そして、一生学び、成長し続ける。自閉症の人が自分らしく生きられるように、支援者である私自身も自分らしく生きたい。上手く支援する事例探しよりも、自閉症の人と向き合い、知識を持ってその人にあった支援をしようと気持ちを引き締めることができたセミナーでした。
(T母)
服巻智子先生の講演は、自閉症児・者への支援の最前線のお話が聞けるので、毎回楽しみにしている小学校の教員です。
2000年から自閉症児にかかわっている者として、自分の支援の仕方はよいのだろうか、間違った方向に行っていないのだろうかと振り返る時間にしています。
今日も知りたい内容だったので、4時間があっという間に過ぎました。
小学校高学年の子どもたちがどんなことに興味を持ち、いじめられても拒否もできない、特性を理解してその子に合わせて一つずつ教えていかないと誤解して学習していることがあるなど納得できる内容の連続でした。4年生の保健の学習で、思春期の体と心の発達について学習する内容がありますが、やはり4年生までに第二次性徴の知識は正しく教えておくべきだと思っています。5、6年生になると、大人の話を受け入れられない状態になっている子どもたちもいます。やはり、小さい頃から、どんな内容をどのように教えていくかが大切だと思いました。
性教育も構造化による指導法で教えることができると聴いて、あの子にはどんな方法で教えようかと考えながら帰りました。
性教育のCDの発売を楽しみに待っています。
(池田 敬子)
【 保護者の方のアンケート 】
・性教育について詳しく聞くことができたのでよかったです。今まで聞いたことのないテーマだったので、勉強になりました。最後に質問コーナーがあったのも良かったです。
先生のお話を一字一句のがさないで聞きたいと一生懸命聞きました。私たちがこれまで想像していた性教育の内容より幅広い範囲で考えていかないといけないことなんだなと感じました。本人だけでなく兄妹にもしっかり教えていきたいと思いました。スケジュールの大切さも改めて感じて、また頑張ってかかわっていこうと思いました。
・性教育の具体的な話がきけてよかったです。小学生では早いのかなと思っていましたが、むしろ遅いことに気づくことができてとても良かったです。家に帰ってから少しずつすすめていければと思います。
服巻先生のお話はいつも具体的でわかりやすく、毎回とても勉強になります。素晴らしい機会をありがとうございました。
・早くから性教育を始めたほうがよいこと、積極的に性教育をした方がよいことを勉強できました。
性教育=性行為ではなく、身だしなみ、清潔なども含まれることを聞いて驚き、また、感心しました。
性教育の実際、思春期の対応などもっと知りたいと思いました。
・親自身、正しい性教育を必要な時期に折々教えてもらって育った人は本当に少ないと思います。自分をよく知り、生きていくコツを考えていく中で、どうアプローチしてよいのかもっとも難しく、また、ほしい情報も少ない分野でした。幼少期から準備できる話が多く、本当に聞きに来させていただいてよかったと思っています。
・体の変化が、こんなにも影響を与えているのだと気がつくことができました。前もって教えること、知ることは大切なことだと気がつけてよかったです。自然に話せるよう練習しつつ、成長に合わせて話していこうと思いました。
・なかなかうかがうことのできない性教育についてお話がきけて、本当に良かったです。スケジュールの大切さ、行動をととのえる…基本中の基本!今まで何度も聞いてきたことですが、今日とってもよく理解できました。
【 教員の方のアンケート 】
・一般的な性教育の知識だけでなく、自閉症にポイントを置いた具体的なことを教えていただけてとても役立った。昼夜逆転の原因など、今まで自分が思っていなかった部分とも性的なことが関わっていると聞いて見方がかわった。CDの紹介もあり良かった。ぜひ購入したい。
・口を出すことに大人も抵抗がある、性に関する具体的な話を聞かせてもらえてよかったと思います。
・自閉症の性教育の大切さを去年は教えて頂きましたが、今年は深い内容で、また一歩進める感じです。大人の心構えが大切、周りの教員とともに聞きたかったです。生徒の中にはまだ幼く見える子も多いのですが、先生のお話を聞くと性的行動につながる部分も多いと感じました。保護者の方とも具体的な話をしていかないといけないなとも思いました。いつも教えて頂くことは大きく、感謝です。午後からの心の変化と行動のつながりについてもよくわかりました。まずはCDを見て教員の研修からかなと思います。ありがとうございました。
・ゆっくり、丁寧、振り返りも入れてくださるので、本当にわかりやすかった。公平な立場(視点)で自分の体験も入れて話してくださるのでよかった。
・より具体的にいつ、どこまで、どのようにとしっかり明確に教えてくださりありがたかったです。
・自閉症の方の人格や将来の生活を大切にするうえで、性に関する情報をその方の情報の処理の仕方に合わせて適切に伝える事が重要であることを、具体的な事例を通して学ぶことができました。
【 その他の方のアンケート 】
・第2次性徴期の中での性による自閉症児の指導や心の葛藤など具体的に知ることができた。また、教材に関してもCDなど活用したほうが取り組みやすいと感じた。(支援員)
・エピソードをたくさん交えてお話してくださったので、具体的にイメージしやすくて助かりました。知識が乏しいのですが、配慮もしてくださりとても参加しやすかったです。(作業療法士)
・性教育の始まりが、「自分の体の清潔についての知識を持たせることからスタートする」という視点が抜けていたことに気づいた。実際の教材(本、CD)を通して、どのように伝えていくのかというイメージが持ててとても良かった。また、正しい専門用語を恥ずかしがらずに自然に口にできるか?と自問する必要があると思った。(臨床心理士)
・思春期だけでなく、幼児期から取り組んでおいた方がよい内容があることがわかり、大変勉強になりました。分かりやすかったです。ありがとうございました。(保育士)
早期発見セミナー 報告
第5回支援者養成セミナーの翌日、3月18日(日)、服巻先生にもう1日岡山に残っていただいて、赤磐市の中央公民館で講演をお願いしました。
保健師・保育士対象の「発達障害・自閉症 早期発見セミナー」です。
専門の支援者対象のセミナーであったため、保護者の方には参加いただけなかったのですが、当日スタッフでお手伝いいただいた方からの報告が届いていますので、参加者からのアンケートと合わせてご紹介します。
前日の「自閉症児支援の最前線 U」に続いて、「早期発見セミナー」に参加させていただきました。前日のセミナーが思春期を迎えての性に関するセミナーだったのに比べ、今日は1歳半健診や3歳児健診で、いかに発達障害を持つ子を発見するか、という大きく年代をさかのぼったセミナーでした。
今日の「早期発見セミナー」をお聴きして感じたのは、健診の際に大事なのは、自閉症児を“発見”することよりも、その可能性のある子を“見逃さない”で次につなげていくことの大切さでした。
最初に、服巻先生が、参加された方の所属を聞かれたとき、「保健師」に手を挙げられた方の多さに、これからの岡山県にとって、このセミナーが有意義なものになることを確信し、スタッフとして参加させていただいた保護者としては嬉しく感じました。
セミナーの内容は、保健師としての役割や意義から始まり、佐賀での実践を紹介しながら、1歳半健診でどのように発達障害の子どもを見つけていくかという、システムややり方の話に移っていきます。そして、実際にビデオを見ながら、ココに気をつけて、健診の場で子どもを観察してチェックしていくように、という具体的な話が進んでいきます。途中で何度もビデオを止めたり、巻き戻して再生したりしながら、「ほらココ!」という先生の話に、改めて着眼点の大切さに気付かされました。
例えば、指さしができるかどうか、が問題なのではなく、ジョイントアテンションとしては、対象を指さしたあと、お母さんの方を見て、さらに対象に興味をもったまま、“もう一度”
指さしたものを見ることができるかどうかが観察のポイントだそうです。
指さしができるから、大丈夫・・・というわけではないのですね。
またその精度は、佐賀における経過観察によると、チェックシートにマークされた子どもたちは、その後全員がなんらかの発達上の問題が認められた
そうで、スクリーニングとしての効果は100%間違いのないものだったそうです。
先生曰く、「1歳半健診“だからこそ”発見できることがたくさんある」そうです。
特に、知的に遅れのない場合、その後の学習によって、隠されてしまう発達障害の特徴が、まだ1歳半だと見つけやすいということです。プロの目をもった保健師の方が、事前にビデオを繰り返し見て、現場でチェックシートに基づいて健診を行うと、発達障害のおそれのある子を確実に発見でき、そしてその後の療育やフォローにつなげていけるという佐賀方式はすばらしいですね。
残念ながら、チェックシートや各保健センターに配布しているビデオなどの現物については、契約している市町村でないと拝見できないということで、日本では佐賀県と、今度契約された高知だけでしか見られないということでしたが、ぜひ岡山も取り入れてほしいと熱望します。
そして、保護者として印象に残ったのは、問題が発見された時の、保健師の方の親への対応方法でした。
会場からの質問でも、「親御さんにどのように告げたらいいのか、教えてほしい」というのがありましたが、若いお母さんの気持ちや不安を考えると、障害があるかもしれないと思っても、ストレートに伝えにくいところがあるということです。特に小さな町でお母さんと顔見知りだったり、その後の療育資源やフォロー体制が乏しかったりすると、つい「もう少し様子をみましょう」と、オブラードに包んだような言い方をしてしまいがちだそうです。
それに対して先生は、佐賀ではチェックシートにひっかかった場合には、言い方を決めているとおっしゃいました。「発達に違いが観察されます」「発達の様子に気になるところがあります」この2つだそうです。こんな風にマニュアル化されていれば、まだ経験の浅い保健師の方でも使えそうですね。
そして、お母さんのためではなく、なによりも子どものためにしっかり伝えるべきであり、また診断を行うのは医師の役割であり、保健師としては疑いのある場合、それを保護者に伝える責任があるとおっしゃいます。
一方で、それを告げた後は、それを受け入れるかどうか、医療機関を受診するかどうかを決めるのは、今度は親権者としての保護者の責任であり、保健師としては必要以上に関与する必要はない、割り切ればいいとアドバイスされました。
確かに、障害と認めたくない親を、説得しよう、納得させなければならないと思うから、保健師の方ははっきり告げるのを躊躇されるところがあるのかもしれませんね。
保健師の方は、子どものこれからの人生に寄り添い、子どもと家族をサポートし続ける人、“併走”する人ではなく、その人生の初期に“横ぎる”人であり、それだからこそその時点での自らの職責を全うして欲しいとおっしゃいます。
そうですね、疑いがあるのに、「もう少し様子をみましょう」とあいまいな言い方をされ、診断の時期が遅れ、早期療育の大切な時期の一部を逸するとしたら・・、責任重大ですね。
幸いなことに、私の住む市からも保健師の方が大勢参加していただけていましたので、これからの1歳半健診でも、早期発見のための観察技術が向上し、告げ方も改善できることが期待できる、そんな希望を持たせていただいたセミナーでした。
(スタッフ参加:T)
【 保健師 】
○とても、自分自身の知りたかった内容にぴったりで最高でした。もっと自分が保健師であることに責任を持って、子どもの障害を早く発見すること、親を支援することをがんばりたいと思います。
私の市では、療育機関もなく、要観察教室が療育教室のような役割となっていますが、確信をもって、支援につなげていきたいです。
本当にありがとうございました。元気になれました。
○早期発見の重要性の確信と、親の意向で子どもへの支援が足踏みしてしまうところを改善しなければならないこと、システム等の確立の為に動く勇気が出ました。
○小中学校で困っている自閉症のお子さんの話をよく聞きます。今日のお話のように、早く見つけてサポートしていけば、周囲の人も困難さが減ると思います。今岡山では特別支援学級が、どんどん増えています。岡山の学校に教育困難な状況が増えていますが、その一因に発達障害への対応の遅れというのもあります。このシステムは岡山に絶対必要だと確信しました。ぜひ、実現したいです。貴重なお話をありがとうございました。
○すべてのお話の内容が、スーッと頭に入りました。
最後に親に子供の障害を認めさせようと説得することは、しないけれど、寄り添うことを保健師はしてくださいという言葉を聴き、120パーセント満足、参同です。
○すべてが新鮮で、今までの仕事(健診)はなんだったのか?と思うくらいです。職場のみんなとしっかり話をしたいと思います。
○子どもの発達について、細かに見せて貰って、子どもが本来持っている力の素晴らしさを改めて感じました。今日のお話をきいて、保健師の役割とその重要性を痛感しました。これからは、違う意識を持って健診に臨みたいと思いました。
○保健師として、保護者に伝えることの重要性を学びました。その後の選択は保護者にあると、明確に話をしてくださったので、勇気と元気が出ました。
○乳幼児健診と保健師にターゲットを当ててのセミナーであったことに感謝します。伝えることの大切さは、何度も耳にしてきたが、改めて、プロとして、伝える意義を理解した。
○保健師として、反省点がたくさん見えてきました。自分の職種として大切にするべきことを学ぶことができました。学び多き研修でした。
○保健師として、しなければならなかったことをとても反省しました。具体的に保護者への接し方を教えて頂きありがとうございました。
○健診時の見るポイントがわかりやすく学べたので、よかったです。
早期発見には、子供の成長の為に、子どもの人権を守るために、という思いを持って、きちんと親に伝える事が大切だと学びました。
○DVDを見せて頂き、なかなか健診場面で、見れていなかったのではと思いました。これからの仕事をやるうえでの指針になりました。親にきちんと伝える必要性を感じました。発達障害についての日々の悩みについての解決のヒントが、たくさんありました。保護者支援と療育の必要性について、保健師自身が自信をもって伝えられるように、改めてプロとしての意識について感じました。とても勉強になりました。
○自分の仕事上、今とても悩んでいる所にまさにポイントにあった内容でした。健診で親に「発達が気になることを伝える」ということの重要性を強く感じました。同じ職場から3人で来させていただいていたので、今日の内容を受け、自分の市のシステムについて考え、自信をもって取り組みたいと思います。素晴らしい内容の研修会、本当に勉強になりました。
○ASDの発見率と当市でのハイリスク発現率をつなげて考えたことがありませんでした。親への支援については親の心の揺れ動きに対応することに自信がなくて・・・。
○早期支援のシステムや具体的な研修を見せて頂いたことは、参考になりました。
ルートを作っても、支援に乗るか乗らないかが親によることがネックになっていることが多々あり、様々な方から、そのことで相談があります。システムの中に親カウンセリングを入れることの考えは素晴らしいと思いました。知れてよかったです。
【行政担当者】
○「早期発見・早期療育(適切な教育を受けること)」は、子どもの権利であること」が理解できた。責任を感じた。
当市に置いて、システム構築をどのように行うべきか?アプローチの方法をどうマネージメントするべきか?わからない。悩ましい。
教師・保育士対象 即実践講座
今年度も、現場で明日から役立つための、即実践講座(全10回)が始まります。
自閉症の特性について基礎から教えていただくとともに、実際に“即”助けになる具体的方法についても、演習を交えてアドバイスいただけます。
講師は、川崎医療福祉大学TEACCH部の重松孝治先生です。
毎年、県下の学校や保育園、幼稚園、施設などから多くの参加があり、実際の指導や、悩みの解決にすぐに役立つと好評をいただいています。
都合で欠席された回については、DVDをお送りしますので安心してご参加下さい。
会場は、原則として岡山生涯学習センターです(3ヶ月前からしか予約できないため、チラシでは一部会場未定となっていますが、変更になった場合は毎月お送りする会報で、ご案内します)。
テーマや日程など、詳しくは同封のチラシをご覧ください。
http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2012kiso.pdf
【 即実践講座 第1回 】
平成24年5月17日(木)19:00〜20:45
「自閉症の特性」
岡山県生涯学習センター 大研修室
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、施設・福祉関係職員の方 対象。
(申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
アドバンス(上級)編については、先月号でもお知らせした通り、基礎編を受講された方が対象で人数が限られる為、毎年ではなく40名以上希望者がまとまった年に開催することに変更させていただきました。
23年度に基礎編を受けられている方々にはお尋ねしましたが、それ以外にこれまで受けられた方で、希望がある場合にはお寄せください。
(4月15日に、本年度開催するかどうかを決定する予定です。)
追記:アドバンスも開催決定しました!!http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2012ad.pdf
「18歳の春を目指す 親子療育クラブ」
4月の活動は、お休みです。
5月から、年8回程度の定例会と、年2回ほどの親子料理教室を予定しています。
※正会員の新規加入者をお待ちしています(詳しくは同封チラシにて)。
尚、見学は参加無料(正会員 限定)ですので、遠慮なくご参加下さい。
サッカークラブのお知らせ
日時 : 平成24年4月22日(日) 10:00〜12:00(9:45集合)
場所 : 岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン(黄色チームはボラさんの分も)、ハチマキと名札、
お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
[今年度(前期)の活動予定日]
6月24日(日)・7月22日(日)・9月30日(日) 5月と8月はお休みです。
※ 活動日前日、当日のいずれかに雨が降った場合、活動は中止となります。
中止の場合は、メールでお知らせします。
※ 体験、見学の申し込み・お問い合わせは、担当までご連絡下さい(正会員 限定)。
☆メンバー募集中!☆
サッカークラブでは、パスやゴールの練習をする基礎コースと、基礎的な練習に加えてゲームを行うコースとに分かれています。
なので、4才くらいのお子さんから中学生まで幅広く参加しています。
大学生のボランティアの方々が一緒に活動して下さるのも子どもたちにとって楽しみのひとつになっています。
興味のある方はぜひ一度見学にいらして下さい。
(サッカークラブ担当:M)
水泳教室のお知らせ
日 時 : 平成24年4月15日(日) 15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験は1回2000円(保険代込み)です(正会員 限定)。
★欠席される方は、必ず4月10日(火)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
(水泳担当:S & H)
すすむっち report from TOTTORI
こんにちは。転校して1か月ほどで、夏休みが始まりました。
この年の梅雨は、例年よりも長びき、 私たち5人は、6年ぶりの梅雨を体験しながら、 それぞれ、新しい生活への順応にチャレンジする毎日が続いていました。
進と私は、住んでいる地区の把握もまだできず、もし山林で迷子になったらどうしようか?
という不安と、3年前の関西空港脱走事件のこともあり、いつもいっしょに行動していました。
外出先でも、私は、トイレにも行けませんでした。また、近くにある町や小学校のプールも、水着着用で来所し、濡れた水着を着たまま、自宅へ帰っていました。
進は退屈な生活の中、大好きなドライブ(買い物)を、その日のごほうびにして、どうにか過ごしていました。アメリカでの家族6人の生活とはあまりにも違い、それぞれの子供たちもストレスが最大となり、ちょっとしたことをきっかけに口論となってしまう日もたびたびありました。その口論に、進が反応し、1週間のうちに3回以上、パニックになる日々を送っていました。パニックになる間隔が小さくなっていくほど、私たちの新しい生活は苦悩に満ちたものとなっていきました。
渡米前に、岡山市で(まだ支援費制度)、ヘルパーに移動・余暇支援をお願いしていた経験もあったので、町役場に相談に行きました。ヘルパーの支援を受けるのにどのように申請すればよいか?と訊ねたところ、 福祉窓口の職員から、「お母さんが居られるのにどうしてヘルパーの支援が必要なんですか?」と言われました。
父親はまだアメリカで仕事をしていたので、家族で近くの温泉にも出かけられない、プールの更衣もできない(着脱はできても、自分の衣類などを片付けられない、他人の体をじっと見たりする…)という実態をお話しました。そして、異性介助を含めたプールや入浴の支援をしてくれる事業所を探すこととなりました。
もちろん障害者支援センターの担当スタッフを中心に、家族のレスパイト(休養)も含めた一時預かりも同時に探すこととなりました。選択できた一時預かりの施設は、2カ所しかなく、自宅からの移動時間が20分の事業所に決定しました。一方、男性ヘルパーの支援を依頼できる事業所は、一カ所しかありませんでした。けれども、この事業所もヘルパーの稼働時間がいっぱいで、我が家の新たな支援を組み入れる事は困難な状況でした。
しかし、進の生活が、2学期からも小学校での生活時間が午前中のみという生活を想定し、依頼する支援の時間が、午後1時から2時間程度(週に1回程度)ということで、事業所でも試行的に受け入れてくれました。その後、現在に至るまで、月20時間の男性ヘルパーによる余暇支援を受けています。中学校が定期試験で早く下校する時に、ボウリングやプールへ行ったり、代休の日に、JRをつかって1日遠足に出かけたり…と、進の状況と成長に伴う支援をしてもらってます。
“異性介助”については、ここ鳥取でも理解を示してくれるスポーツ施設が増えつつあります。しかし、まだ説明しても理解してくれないケースもありました。
父親が単身赴任で、日曜日は私と二人でスポーツ施設を利用します。
その時、「お母さんといっしょに、この部屋で着替えてください。」と、仕切りもないただの部屋に案内されました。
保育園のころから、他人の身体に興味があり、Tシャツの裾から肌がちらっと見えたら、気になっていた進。
思春期も迎え、母親や家族とは言え、一人の男性としての存在を認める事が、彼の人権を守ることでもあると思います。この時は、説明しても、担当の職員が理解できず、結局、私が着替える間、妹と部屋の外で待ちました。もし、妹がいないと、どこかいなくなる可能性もありました。もちろん、後日、この施設の管理者へ文書で伝えました。
現在、外出先で、私がトイレ利用する際、ipodをしながら、私を待つ事ができるように、しています(練習期間は、妹などが協力してくれました)。
入浴は、私が男性浴場へ入ることができないので、入浴のマナーなども含めた支援内容を、お願いしています。家では、洗い残しなどのこともあり、まだ私がドアから、口頭で指示しながら入浴をしています。
さて、現在私は、この伯耆大山にあるキャンプ場を活動の中心とした森のようちえんの障がい児受け入れ担当者として、実際に障がいのあるお子さんの担当をしています(中学校で、重度な障がいをもつ生徒の受け入れが初めてということで、周囲の変化を先月レポートしました)。
今回は、3歳から5歳を中心とした子供たちの変化です。
担当している3歳の男の子は、生まれつきの障がいから、現在やっと支え立ち、自力移動は四つばいというお子さんです。最初は、戸惑っていた子供たち。けれども、森の木の実や遊びにつかった木の枝、また小さな虫や雪のかたまり…などを、持って来てくれたり、そっと手を握ったりしてくれる場面が多くなりました。幼少時からのインクルーシブ教育は、間違った思い込みも修正しやすく、真のインクルーシブ教育につながるのだと確信しています。障がいをもった子どもや大人達が、必要な援助を受けながら、社会で自立した生活を送るためには、地域の人に受け入れてもらうことが不可欠だと思っています。そのような地域を、育てるのが、インクルーシブ教育です。
この伯耆大山のふもとの小さな町を変化させるため、進を理解してくれる仲間を増やす事が母親としての私の役割だと思っています。また、この活動については、お話することとなるでしょう。
次は、いよいよ新設された特別支援学級のお話です。
(すすむっち Mom)
ぐんぐん だより
4月1日(日)に、育てる会が作った療育施設 第二号の「ぐんぐんキッズ」(赤磐市立川444-1)がついにオープンし、開所式を行いました。
2月末におおまかな改装工事が終了し、3月頭から細かいガスや水道・トイレ工事やフェンス設置を業者の方にしていただきながら、掃除や構造化を続けてきました。
3月末までは赤磐ぐんぐんでの療育と、ぐんぐんキッズでの準備にギリギリまでてんやわんやでしたが、無事子ども達に来ていただける状態になったのではないかなと思います。
開所にあたっては大勢の方のご協力をいただきました。掃除や片付けに手伝いボランティアに来てくださったり、おもちゃや課題を譲ってくださったり、寄付も様々な方からいただきました。本当にありがとうございます。
開所式では、市の職員さんや議員の方、ご近所や保護者の方など、大勢の方が来てくださり、賑やかな開所式になりました。
立川のご近所の方は、工事や掃除でご迷惑をおかけしたことも多かったでしょうに、「面白いところじゃなぁ」「えぇことされるんじゃなぁ。こういうところに通えたらお母さんたちも心強いじゃろうなぁ」「若い人らが一生懸命がんばってやられるんじゃけえ、応援しとるでぇ。草抜きとか手伝いいるようじゃったら、声してなぁ」など、色々な方が優しい笑顔でお話してくださいました。ありがたいです。障害がある子どもが通う場所ができるとき、時には周りの方から反対があって開設できないケースがあるなんて悲しい話を聞くのに・・・、本当に私たちは恵まれていますね。
お母さんたちとお話していて、「自閉症のある子どもを育てるとき、子どもに分かるように関わり方をこちらが工夫すること・子ども本人のできる力を伸ばすことなどが大切ですよね」とお話をしますが、それだけでなく、子どもが暮らしていく地域社会にも、子どものことを理解してもらえるように伝えていくことが大切なんだとも、日々思います。自閉症のことを知らないから、差別や偏見があり、その人本人のことが分からないから誤解や勘違いが生まれてしまうんだと思います。
「障害があるからできなくて仕方ないんです」ではなく、「こういう障害はあるけれど、こんな素敵なところもある子なんですよ」「こういう苦手なことはあるけれど、今こういう勉強をして頑張っているので、長い目で見守ってやっていただけますか?」など、子どものことを「知っていただけるように伝える努力」の大切さを、立川でのぐんぐんキッズでのご近所の方からの優しく暖かい見守ってくださる姿から、そのことを強く実感した一日でした。
スタートしたとは言っても、まだまだこれからのぐんぐんキッズですが、子どもたちの明るい未来のため、頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。
(ぐんぐんキッズ:松田紗代)
新聞記事 2題
ぐんぐんキッズの様子やこれからの計画などが4月3日付けの山陽新聞 全県版で紹介されました。
4月2日の世界自閉症啓発デイ(育てる会からも代表以下、5名が参加しました)の記事と合わせてご覧ください。
また山陽新聞では、翌日の「社説」でもとりあげていただきました。
(4月3日 全県版記事) (4月4日 朝刊社説)
記事をクリックしていただければ、PDFで内容が表示されます。
拡大してご覧ください。
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。