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平成24年6月30日

 

 第170号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 170号 目次

     梅雨の雨でも

     支援者養成セミナーの報告

     教師・保育士対象 即実践講座

     「のびのびキャンプ」募集のお知らせ

     「木工教室」のお知らせ

     「OHAの会」・「母の想いを語る会」

     「第3回 保護者のための即実践講座」

     「18歳の春を目指す親子療育クラブ」・「サッカークラブ」・「水泳教室」

     私のお薦め本講座
           「自閉症のTEACCH実践 3

     近隣の講演会のご案内

     すすむっち report from TOTTORI

     ぐんぐんだより
           「赤磐ぐんぐん」・「ぐんぐんキッズ」

     支援センター NEWS

外は、雨。
朝から、降っている雨が、やむ気配を見せず、降り続いています。
ああ〜、今日はスペシャルオリンピックの陸上が、ある日です。
朝から、哲平は、練習があるのかないのか、はっきりしないので、不安らしく、何度も「陸上ある、ある・・」と聞いてきます。
あるのかないのか、はっきりしないのは、一番つらいらしい哲平に、「あるよ。」と言って、パソコンから、アメダスの雨雲の動きの予想図を見せました。すると納得したのか、ふっと肩の力が抜けたように、落ち着きを取り戻しました。
私にもはっきりしたことが判らない時に、このパソコンの映像はありがたいです。
いくら言葉や字で書いても判らない、理解できない時にでも、こんな風に映像で、示すとスッと見て理解してくれます。今の時代に子育てできることは、なんてありがたいことでしょう。見て理解する自閉症の哲平です。
先日ある集まりで,「梅雨の季節の楽しみ方を1分間で話して下さい。」
というお題を頂戴しました。
自己紹介を兼ねて、ひとり一人が、自己アピールをする時間でした。
私は、前からこんなお題が大好きです。しんどい日常を、これもありかな・・・・と考える癖がついているので、すらすら出てきます。
私の答えは、こうでした。
私は、雨の日が、大好きです。
雨の日に合羽を着て、雨靴をはいて外へ出たことがありますか?
私は、台風の日にどうしても家の外溝が心配で、出たことがあります。そうすると、雨が合羽にあたって、バチバチ身体を叩きます。雨の力ってすごいのです。
ぱちぱち身体を打って、気持ちいいかも・・・、そんな体験をしてみると、雨を身体が受けて喜んでいるって思えたの。
それに水溜りの中をバシャバシャ歩くのが好きだった子どもの頃の事を思い出したりもしたの。
それからね、こないだテレビでやっていたけど、日本人は雨の日に傘をさすけれど、外人さんたちは、雨が大好きで、傘をあんまり差さないらしいのよ。私も傘を差さないで歩いてみようかなと思ったけれど、やっぱり雨は冷たくて、合羽は着なくっちゃと思ったわ。
それから、雨の日は、湿気がお肌によくって皺が伸びるような気がするので、好きですよ。
それからね、私には自閉症の息子がいるんだけれど、雨の日に息子は、傘越しの雨の音をそっと聞いていたりするの。そんな息子の真似をして、雨の音を私も聞いてみたりしますよ。素敵でしょ。
だから、私は雨の日も好きです。
とこんな風に応えました。
これとよく似たお話を、先日のセミナーで諏訪先生がお話して下さいました。
詩の題は、「オランダへようこそ」です
あなたに赤ちゃんが出来た時、それは、優雅なイタリア旅行を計画しているようなものです。
いろいろなガイドブックを買い、楽しいプランをたてます。
コロシアム、ミケランジェロ、ベニスのゴンドラ等。
簡単なイタリア語も学んだりします。
このイタリア旅行が、とても楽しみなのです。
そして、待ちにまった旅行の日が来ました。
荷物を詰め込んで出発し、退屈な時間も過ぎて、やっと着陸です。
スチュワーデスが来てこう言います。
「ようこそ、オランダへ!」
「えっ?オランダ?イタリアに来るのを夢見ていたのに・・・。」
しかし、イタリア旅行は変更となり、オランダに着陸したので、降りなければなりません。
ここで大切なのは、どこか汚くて、伝染病などのあるひどいところに着いたのではなく、単に場所が違っただけのことなのです。
ですから、そこに着いたからには降りて、オランダのガイドブックを新しく買えばいいのです。
その土地の言葉を覚えなければなりません。
そして、今まで会うことのなかった人々とかかわることになるでしょう。
ここはイタリアより遅れていて、華やかではありません。
しかし、しばらく住んでみて、いろんなことに慣れ、自分の周りを見る余裕があると、いろんなことに気がつき始めます。
オランダには、あちこちに風車があり、きれいなチューリップが咲き乱れ、レンブラントという画家もいます。
ただ、あなたの知っている周りの人たちもイタリア旅行に行ったりして,いかに素敵なところだったかと、自慢げに話したりすると、あなたは、「私もそこに行くはずだったのです」と思うでしょう。
この痛みは、一生消えることはないでしょう。
夢を失った悲しみはとても深いからです。
しかし、もしあなたが、イタリア旅行に行けなかったことをいつまでも嘆き悲しんでいたら、一生悲しみから開放されないまま、しかも、オランダの素晴らしさを知ることはないでしょう。
(作:Emily Perl Kingsley)
原文は http://www.geocities.jp/misakidsjp/holland.html%23english
いい詩でした。先生が読まれているのを聞きながら、会場のあちこちからすすり泣きが漏れました。私も泣きましたよ。
今は、オランダが大好きになった私ですが、下ろされた当時は、オランダというよりもサハラ砂漠に下ろされた気持ちでしたよ。そう、オランダで良かった。今は、周りの風景を楽しみながら、チューリップを愛でたり、時々、それでも時々は、イタリア旅行はどんなだったかしらと夢に見ることもあるのです。
願わくば、オランダが住みやすい場所になるように、もっと、オランダ語を学んだり、お花を植えたり、お友達を増やしたり・・・そんな風に頑張っているところです。
諏訪先生のお話、とても判りやすく、温かく、よかったです。
後のページに感想がありますから見てください。

さて、次の講演会が、迫ってまいりました。
桑原綾子先生を再び岡山へお呼びしたいと思います。
先生のホームページに、「障害とは出来ない人の事を言うのではなく、こんな工夫があったら、出来る人たちなんだよ・・・。」と、ありました。
障害への認識をポンと前向きに発想を変えることを教えてくださった桑原先生のお話を、再びこの岡山でお聴きすることができるのです。皆さん、ポジティブ ライフを自分のものにしませんか?
障害のある子との暮らしは、私たちの思い通りにならないことばかりです。
子どもの将来も親自身の人生も先が見えません。周りの子どもたちとの違いに、ふと絶望感を感じてしまう・・・、そんな保護者の方も多いのではないでしょうか?
そんな保護者の方たちを、どうやったら元気にできるのか・・・、どうやったら、子育ての中に喜びや楽しみを見つけ出していただけるのか・・・、先生から、多くの学びを、実践をお話いただこうと思っています。
レッツ!ポジティブ シンキング
深く落ち込んで、ネガチィブな人、どうやってこの先子育てして行っていいのか悩んでいる人、もっと元気が欲しい人、子育ての情報が欲しい人、子どもとの暮らしにつかれている人・・・、子育てのコツや、支援の秘訣なども合わせて、詳しく伝授願います。
保護者の方は、もとより、そういう保護者への支援に躓きを覚えている学校の先生や、保育園幼稚園の先生方、保健師の方・・・そして、支援者としての自分の能力に自信をなくしている人にも、有用なお話が、満載です。
多くの参加者をお待ちいたします。
毎年この時期には、支援ツールの展示会を開催しておりましたが、補助金等の関係で、今年は、支援ツールの展示会は、中止いたしました。ご了承くださいませ。(去年は、補助金なしでも・・・と行いましたので、大赤字でした)。
ご準備いただいていた先生方には、大変ご迷惑をおかけいたしますが、あしからずご了承ください。
助成金が通りましたら、また、やりたいと思います。

さて、私、実は、6月25日〜29日に、友人とバリ島旅行へ行ってまいりました。
還暦のお祝いに何かしたいと言ってくれた娘に、旅行がいいな〜と言いました。
父さんと二人で行ってきたら?と言ってくれる娘に、嬉しくって、鳥羽父に話すと、「二人はいやだな、哲平と3人がいい」とのたまいました。ガッカリです。
二人での旅行がつまらないという主人なんか、ほっぽらかして、ひとりで行っちゃる・・・と大決心して、友人に海外旅行へ行かないかと誘いをかけました。
それに乗っかってくれて、古い友人のKさんと、KさんのダブルKさんとの珍道中でした。
バリは、ルピアの単位が大きくて、10万ルピアが、1000円より安いというややこしいお金の単位の国でした。シャツを買おうとして、12万ルピアといわれて、買うことを躊躇したり・・・、計算ができなくて、困りました。チップもたくさんあげたつもりでも、後から考えると、1000ルピアは、10円以下だったりするのです。
ホテルは、ジャングルの中を切り開いた素敵なところで鳥の声で目を覚まし、水のせせらぎが眠りを誘うというようなホテルでした。
お買い物やはじめてのスパの経験もして、のんびりゆったりとしたバリ時間を過ごしました。皆暖かく親切でした。最後の楽園と言われた島だそうです。
日本人の英語も殆ど話せない変な3人組のおばさんに親切でした。
帰るとき、別れを悲しんでくださるホテルの皆さん、そして、親切だった現地のガイドさんたち、みんなみんな暖かで、親切で、初めての海外旅行でしたが、不自由はありませんでした。飛行機の中でもよく眠れ、私は、幸せな時間を過ごしました。また行きたいと思えたので、また行きます。今度は、鳥羽父と哲平も連れて行こうかなと思いました。
どこがいいかなと現在物色中です。ハワイがいいかしら?それとも、ヨーロッパ?夢が膨らんできます。
妹が、ベルギーに二人で行こうと言ってくれているので、それもいいなぁ〜なんて思ったりしています。ベルギーは、チョコレートがおいしい国だったかな〜くらいしか知らない私です。昔通っていたカトリック教会の神父様が、ベルギーの方で、ベルギーを懐かしそうにお話下さったっけ・・・なんて思いだしたりしました。
ベルギーに行こう!!
でも着いたら、オランダだったりするかもしれませんね。では皆さんお元気で
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)

支援者養成セミナーの報告

平成24年6月10日(日)、西大寺百花プラザ 多目的ホールにて、川崎医療福祉大学准教授の諏訪利明先生をお招きして、今年度第1回の自閉症児の自立を果たすための支援者養成セミナーを開催いたしました。
今回は「幼児期・学童期からの自閉症児支援〜TEACCHに学びながら〜」として、主に初めて自閉症児の担任になった先生や、若いお母さん向けに自閉症の基礎知識や療育方法を、わかば園での実践を交えてお話いただきました。
とても分かりやすいお話で、家庭や園・学校などで、これからの療育の指針ができたと好評でした。
それでは、当日の報告とアンケート結果を紹介します。

先日6月10日(日)に開催された諏訪利明先生の「幼児期・学童期からの自閉症児支援」に参加させていただきました。午前中は支援のポイントについてのお話、午後は諏訪先生が海老名市で実際に行ってこられた幼児期支援の実践をお話いただきました。
簡単ではありますが、午前のお話を中心にご報告させていただきます。
まず療育で大切にするべきこととして、「一人ひとりに『楽しい』と思える時間をどのように提供するかがポイントです」とお話されました。
『楽しい』ためには、一人でできた経験を通じて自分には力があるという自己肯定感を育てること、『わかった』『ピンときた』という経験を体験させること、本人の興味関心をうまく取り入れた経験をさせることが大切とお話されました。
この「子どもが楽しいと思えることが大切」という部分は、日々のことを振り返るきっかけとなりました。自閉症のお子さんにとって「コミュニケーション」や「社会性」を育てるための取り組みは重要です。ですが、その部分の弱さこそが障害なのであって、課題はあれどもなかなか取り組みにくく、例えば「勝ち負けにこだわりすぎない」ということを一辺倒に教えたりすると、「負けても悔しくなんてない」と自分の気持ちを封じこめるような言い方をしたり、勝ったことを喜んでいる子に対して「そんな風に喜んだらダメなんよ」と指摘したりする子もいます。子どもたちにとって「楽しい」活動だからこそ、ルールを守りたいと思えて、その集団を大切にしたいと思える心が育つからこそ、社会性が育つんだというお話には、なるほどなぁと納得できるお話でした。
また、ライフサイクルから、それぞれの年代で必要な課題があることをお話していただきました。
幼児期は、発達の基礎を固める時期で家族をしっかり支える時期です。家族がわが子の障害を理解し、「他の人と違いながらも、わが子なりのやり方で学び、成長しているんだ」ということを知ることが大切です。辛いことをいっぱい吐き出し、時間はかかっても周りと違うんだということを受け入れることが必要になります。
人と違っても、それでもいいんだと思うまでにはとても時間がかかるものだと思います。家で二人きりでいたり、園で周りの子を見ていると、どうしてもできない部分にばかり目が行きがちです。療育の場で、スモールステップでも確実に伸びている姿が確認できると、新しい視点でわが子を見ることもできるのではないかと思います。「停滞期があったとしても、必ず右上がりのグラフになること」「一人ひとり違うのが当たり前」「どんな子も最終的なゴールは成人期=豊かで自立的な時間を過ごすことだということ」を発達の原則としてお話されました。とても心強いお話だなぁと思いました。
続いての学童期は、本人なりに学び育つ時期です。自分なりにできる力・経験をたくさん用意する時期でもあります。家族から本人へ少しウェイトが移り、本人のペースで「自分でわかった」「一人でできた」経験を増やしていきます。評価に基づく個別化されたプログラムを作成しそれにそって、できることは一人ですることが必要になります。ともすれば私たちは、できることでもついついお手伝いしがちですが、自信を持って取り組むこと・最後まで一人でやりきることは、この時期だからこそ大切にするポイントでもあると思います。療育をしていて、自信がないお子さんは、確認を多く求めてきます。「ここ?」「合っとる?」「違うんかなぁ」…。一つ一つに「そうよ」「大丈夫よ」「できているよ」と承認が必要では、一人でできているとは言えません。できない時・手助けがいる時には、援助を要求し、それ以外は一人でやりきって自信を持てる人に育てることも、この時期必要だと思いました。
それに伴い、「コミュニケーションスキル」「余暇スキル」「身辺自立スキル」「家事スキル」などを教えていきます。いくら国語や算数ができても、会話が上手でも、基本的生活習慣が整っていない人は、仕事ができる人にはなれません。朝定時で起きて、きちんと自分で身だしなみを整え清潔にし、準備や片づけを行い、三食食べて、時間を守って生活する。知的障害がない人は、意外とこの身辺自立に課題が多くある人がいます。学齢期にはここも大切に取り組まなければなぁと思いました。
当日は、招待を受けた学校関係の先生方もたくさんいらして、保護者と一緒に聞くことができました。学校の先生方と一緒に同じ講演会を聞くというのは、「あの時の話でこんな風にお話があったよね」という風に、ツーカーで話が伝わりますし、一緒に同じ体験をすることで共感の気持ちも育ちやすくなりますよね。今回の諏訪先生の講演会同様、8月・9月・12月と、たくさんの素晴らしい先生による講演会が開催されます。今後ともぜひ色々な講演会にお誘いいただきたいと思います。
療育現場の人間としても、今回の諏訪先生のお話で、やるべきこと・求められるべきものがたくさん見えてきたように思いました。
午後の部では、諏訪先生が園長をしておられたわかば学園での取り組みを報告していただき、様々な年齢やニーズに合わせた素晴らしい実践の数々もお話していただきましたが、海老名市をうらやましがるのではなく、この岡山を、もっともっと自閉症の人にとって暮らしやすい街にしていけたらいいですね。
会場中が暖かい気持ちに満たされた素敵な講演会でした。諏訪先生、ありがとうございました。
(ぐんぐんキッズ  松田紗代)

  【 保護者の方のアンケート 】

○ 我が子が高学年になり、療育も卒業し、学校にも慣れてくると、ついつい支援の心得も薄れてきて、家では口頭指示が増え子どもにも辛い思いをたくさんさせていたな・・・と反省の日々でした。
先生のお話を聞いて、子どもが「自分で出来た!」と感じられる支援の仕方を心がけなくては、と強く感じました。何につまずいているのか、子どもの姿をよく観察しなくちゃ!と思いました。
○ 幼児期から「大人としてどんな生活をさせたいか」具体的にイメージすることが大切という話にドキッとさせられました。ただ単に毎日を過ごすだけではなく、我が子(小学校1年男児:広汎性発達障害)の自立の為に、たくさんの経験をして、自信につながらせていけるように支援(できる範囲で)できたらいいなと思いました。
○ 「学ぶことのできる人たち」ということを信じて、「ピンとくる支援」、「一人で出来た経験を繰り返す支援」、「生活年齢に合った支援」が大事であるということを、優しい心暖かい口調で話してくださったことに、とても励まされました。親として、大いに苦しみを分かち合い(孤立しないで)、育ち合っていくことの大切さを改めて感じることができました。

 【 教員の方のアンケート 】

○ とてもわかりやすく話してくださったことで、いろいろと新たな発見もあり、振り返ることができた。「自立」のために、ということ、そして一人でできた経験を積むために何ができるか、それを自分自身学びたいと思いました。
○ 諏訪先生の笑いも取り入れた楽しい講演は、あっという間の時間でした。自閉症と診断されていても、一人ひとり個性があって、つまずきも違います。今の私はつまずきが発見できても、その対処(支援)に悩む日々です。いろいろな関わりの、たくさんの引き出しを作りたいと改めて思いました。ありがとうございました。
○ 本人支援(学童期)のポイントになるところや、「自己効力感」を高めていくための道筋を教えてくださったことが良かったです。発達の原則は、大いなる勇気を与えてくださいました。理論的なことや実践的なことが、ちょうどいいバランスで組み立てられていたので、とても参考になりました。

 【 その他の方のアンケート 】

○ 具体的に順序だてた内容で、とてもわかりやすく、お話の一つひとつがよく理解できました。幼児教育の現場で働いている方々の多くに聞いてもらいたいと感じました。(学生)
○ 午前中の支援についての話が聞けて良かったです。支援についてあらためて見直していく必要があると感じました。とてもわかりやすく、かみくだいて説明してくださったので大変良かったです。職場に持ち帰り実践に移していきたいと思います。(指導員)
○ カウンセラーとして学校現場で自閉症の子どもさんに関わることがあり、先生方に支援を提案することがあるのですが、いまだに「そんなことをしても、社会に出たら(中学校に行ったら・高校に行ったら)いつまでもしてはもらえないのだから、ムダだ」とか、「慣らして出来るようにさせる」という反応が多いです。そんな時、うまく支援の必要性や有効性を説明・説得できない自分が情けなく、子どもたちにも申し訳ない思いです。今回のお話の中にヒントになることがあり、明日からまた立ち向かおうという気持ちになりました。次に勉強したいこともたくさん見つかりました。ありがとうございました。(スクールカウンセラー)

教師・保育士対象 即実践講座

 【即実践講座 基礎編】

☆第3回☆ 平成24年7月6日(金) 19:00〜20:55
        「支援のアイデア」(構造化@環境調整)」
        岡山県生涯学習センター 大研修室
         対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、施設・福祉関係職員の方 対象。
         (申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
【即実践講座 アドバンス(上級編)】
☆第3回☆ 平成24年7月12日(木)19:00〜20:55 
        「評価(個別化のための情報収集)」
         岡山県生涯学習センター 1F 視聴覚室
             ※今回のアドバンス会場は視聴覚室です。
         対 象 : 過去の重松孝治先生の即実践講座を受講したことのある人。
どちらの講座も参加費・申込先は一緒です。
参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
         途中参加の方には、それまでの講義のDVDをお貸しします。
申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)

『 のびのびキャンプ』 募集のお知らせ

本年度の「のびのびキャンプ」の日程が最終決定しました。
プレキャンプ     9月17日(月・祝)
のびのびキャンプ 10月7日(日)・8日(月・祝)です。
場所は、昨年と同じ青少年教育センター 閑谷学校です。
スーパーバイザーは今年も重松孝治先生(川崎医療福祉大学)にお願いしています。
昨年も、キャンプが終わったとたんに「次はいつあるの?!」と子どもたちが楽しみにしているキャンプです。
詳しい案内チラシは来月号に同封いたしますが、すでにお子さんが参加を決められている方は、早めに申込みください。(正会員 限定)
重松先生が子ども一人ひとりの特性に配慮して、必要があれば介入していただけますが、親から離れて、学生の方との一泊二日のキャンプとなりますので、申込みは小学校3年生以上に限らせていただきます。
今年も岡山県人権啓発パートナーシップ推進事業より補助金をいただいての実施です。

「木工教室」のお知らせ

お待たせしました!!夏休み恒例の木工教室を、7月29日に生涯学習センターにて行います。
例年、夏休みの工作の宿題になるので、親子ともども好評を頂いております。
これまで、作った作品の数々を出したら、素晴らしい作品展が出来るほどです。
子ども達の工夫する部分がたくさんあって、個性的な作品が作れます。
簡単に仕上がるように、川月先生が、キットにして準備して下さるため、誰が作っても上手に作れます。安心してご参加ください。それでも余程のぶきっちょさんには、木工の得意な、鳥羽代表がお手伝いをしてくれますよ。
作るのは、マガジンラックです。今回は少し大きめの作品です。居間で使うもよし、勉強部屋で、雑誌を入れたり、宿題や明日の用意する物を入れたりしてもOKですよ。
色々なデザインを考えてください。
写真のようにペイントしてもいいし、飾りを貼りつけても楽しいでしょう。また、大小のビットを用意してもらえますので、電動のボール盤で穴をあけてもおもしろいですよ。
子ども達のデザイン画をお母さんが彫っておいていただくのもいいですね。これは、とても素敵な作品になること請け合いです。オイル仕上げをすると、高級感のある家具になりますよ。サイズは、横 33p、奥行き14pです。
大勢の皆さんのご参加をお待ちします。
日時:平成24年7月29日(日) 1時〜3時
場所:岡山生涯学習センター 木工室・陶芸室
材料費:1800円
申込〆切り:7月15日(日) なるべくお早めに、定員は、8家族まで。(正会員 限定)

「OHAの会」

OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。
アドバイザーは臨床心理士の利守愛子先生にお願いしています。

 <7月度 OHAの会>

日 時  平成24年7月9日(月) 10:00〜12:00
場 所  庄コミュニティハウス 2F 和室 (倉敷市上東1163‐5)
持ち物  読書 『「その子らしさ」を生かす子育て』 吉田友子:著
参加費  800円
申 込  事務局(Tel.086‐955‐6758、Fax.086‐955‐6748)(正会員 限定)

  6月15日(金)、吉備公民館で7か月ぶりのOHAの会が開催されました。
  報告やアンケートが寄せられていますので紹介します。


待ちに待ったOHAの再開です。予想以上にたくさんのお母さんが参加されていました。利守先生にお目にかかりたいという気持ちは、みなさん同じなのですね。
当初は、今までどおりに吉田友子先生著『「その子らしさ」を生かす子育て』を使って勉強する予定でしたが、このたびは、久しぶりの開催ということで、近況報告を兼ねた悩み相談会ということになりました。出席のお母さん方の状況を把握のうえで勉強会を続けていってくださるという、利守先生のご配慮を感じました。ますますOHAの会が楽しみになりました。先生ありがとうございます。そして、これからもまた、よろしくお願い申し上げます。
 (O母)
利守先生が、子育て中にも関わらず、久しぶりにOHAの会を再開してくださって、本当に感謝いたします。
子どもが何歳になっても、常に、子どものうれしい成長もあれば、これは、親としてどう捉えてどう関わっていってやったらいいのだろうかと悩むこともあり、その二つのことを、一緒に喜んでくださったり、アドバイスをいただけたりするOHAの会は、本当に、私にとっては、大切な時間です。今回は、中学校入学後の、子どもの成長を共に喜んでいただいたことと、中学校ならではの男女の意識からでてきている、支援学級でのトラブルのアドバイスをいただくことができました。
私としては、もっと、さらにしっかりと子どもの話を聞いてやろうと反省しました。『口から出せたらスッキリするアスペさん。』この言葉が、今回の会では、私の心に残りました。利守先生、ありがとうございました。
 (N母)

『 母の想いを語る会 』

日  時:平成24年7月10日(火) 10時〜12時
訪問場所:太陽の家作業所 (赤磐市西中229)
申込締切:7月9日(月)(正会員 限定)
みなさん待望の、新しくなった「太陽の家作業所」の見学会です。
太陽の家作業所は今年の5月末に現在の赤磐市西中に移転するまでは、育てる会の事業所と1F・2Fを分けあって使用していた作業所です。
初めてのオープンは、赤磐ぐんぐんのオープンと同じ平成17年4月でした。
お互い励まし合い、支え合ってきた兄弟のような作業所でしたから、引っ越していった後は寂しくてなりませんでした。利用者のみなさんの声が聞こえず、お世話になった近所の人たちも「さびしいね〜」とよく声をかけてくださるほど、この和田地区にしっかり根を張り、溶けこんでいた事業所でした。
その太陽の家作業所が、現在の旧 西山幼稚園跡へ移転されたのを機に、様々な支援を見直され、より自立的に一人ひとりが考えて動けるような構造化された様子を見せていただきましょう。
また、お母さん達の力で何もないところから作っていかれた作業所です。その立ち上げから現在までのご苦労なども合わせて伺えたらと思います。
私たち育てる会のお母さん達も、太陽の家のお母さん方の想いと実行力を学ぶことで、「自分たちの子どものための、働く場」を真剣に考えてみようではありませんか?

『 第3回 保護者のための 即実践講座 』

日 時: 平成24年7月6日(水) 10時〜12時
場 所: 赤磐市立高月公民館 (赤磐市穂崎848-1 086-229-9777(ナビ用))
講 師: 重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
対 象: 育てる会正会員
参加費: 全10回 10000円(欠席の際はDVDを貸し出します)
申 込: 育てる会事務局 Fax.086‐955‐6748
      E-mail acz60070@syd.odn.ne.jp

第2回の保護者のための即実践講座が、6月20日(水)、事務局 1階の、通称のびのびサロンで開かれました。この日は、予定していた近隣の公民館が休館日であったため、急遽事務局の1階に仮設会場をつくり、40名を超えるお母さんたちが集まりました。
いつもよりは狭い会場でしたが、みなさん座布団を持ってきていただき、アットホームで一体感のあるセミナーとなりました。
当日参加していただいたみなさんからのアンケートです。

大学進学して、就職して、その次は…とは、決して思えず、一方で、(一度だけですが施設見学をしました。その時に絶対に入れたくないと思ったので、認められても決して入れませんが)施設入所も適わないであろう、わが子。どんな大人になるのかいつも不安です。子どもは日々大人に近づいていくので、私は時々混乱します。第1回目の講座の時も、このお話をされていたかと思います。全10回が終わる頃には、私の中の何かを変えられるようにとの思いで参加しています。
実際の行動、事実は一つなのに、見方によって周囲の発言が変わるというお話を聞いて、私は子どものことを何も知らないのではないかと考えさせられました。
それから、評価のお話だったのですが、実は、心に残ったのは、「支援学級の先生は孤立しやすいのです」という一言でした。私のおごりで、先生をつぶさないようにしていきます。 
 (O母)
今回の個々の子どもの理解についてのお話も興味深いものが非常に多かったです。特に、問題場面だけでなく、うまくできた時のこと両面から行動を見て次の目標につなげていくということは、私はできていただろうかと反省しました。
演習の場面では自分の子どもの症例と似ているモノにはすんなり答えが出ても、違うモノは、さっぱり答えが出てきませんでした。
子どもを評価するという観点は自閉症の子供を持っているからこそ学べることなのかもしれません。普通の親は、自分の子どもを冷静に見るなんて、なかなかできないです。良いところばかりだったり、悪いところばかりだったりしてしまうと思います。
歯磨き、シャンプー・・嫌がっていてもできないことを教えなくてはいけない時はどう教えるべきなのか?いつも考えてしまいます。うちの子は(重度知的障害のある自閉症小2男)泣きながらでも頑張ってくれますが、話も片言で、このままで教えていてよいのかと思う時もあります。
勉強だって、できることは少ないです。
どこまで目標にするか、できることは何かを相談するときにもっといろんなお話ができるように私たち親自身も心がけたいものです。
自分自身も振り返る良い機会となりました。ありがとうございました。
  (I母)
今回もとても良かったです。
演習問題の朝の会でずっとおしゃべりしてしまう原因が、朝の会の先生の呼びかけに返事したりしながら進行するという形式にあったという実例は目からウロコでした。
そのような実例をきくと我が子の問題行動の氷山の下は、ちっともわかっていなかったことだらけではないか?と思えてきました。
よく似たケースで出来ていることが解決のヒントになるんですね。とても勉強になりました。
重松先生が大学生の頃、自閉症の子供とキャンプをされていたお話しは、私自身も(20年前ですが)大学のボランティアサークルでキャンプリーダーをしていたので、懐かしいような気持ちで、親近感をもちつつ聞いていました。
  (N母)

「18歳の春を目指す 親子療育クラブ」

夏休みに入るため、7・8月の活動はお休みです。
次回は、  平成24年9月14日(金) 10:00〜13:00(受付9:45〜)
        茶話会(夏休みの報告) の予定です。(正会員 限定)

サッカークラブのお知らせ

日時 : 平成24年7月22日(日) 10:00〜12:00(9:45集合)
場所 : 岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン(黄色チームはボラさんの分も)、ハチマキと名札、
      お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
※ 活動日前日、当日のいずれかに雨が降った場合、活動は中止となります。
  中止の場合は、メールでお知らせします。
※ 体験、見学の申し込み・お問い合わせは、担当までご連絡下さい。(正会員 限定)

水泳教室のお知らせ 

日 時 : 平成24年7月15日(日) 15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
          ※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験は1回2000円(保険代込み)です。(正会員 限定)
★欠席される方は、必ず7月10日(火)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
(水泳担当:S & H)

すすむっち report from TOTTORI

こんにちは。中学校の進学先は、特別支援学校中等部と思っていた進にとって、人生一大転機のきっかけとなった修学旅行についてお話します。
進の通う小学校は、6年生15人という小規模学校なので、翌年同じ中学校に入学する6年生48名の所属する小学校と合同の修学旅行でした。バス2台で、それぞれの見学場所で行動する班行動も、2つの小学校が合わさった班に編成されていました。
まだ転入して1年も経ってないけれども、多分この集団の行事参加は、最初で最後だろうな…と、思ってました。また、初めての訪問先でのストレスや、宿泊が不安だったので、母親同伴で参加することにしました。
出発直前の1週間ほど前に、2校の6年生合同の学習会がありました。ちょうど自閉症啓発月間ということもあり、私は、自閉症の進についての行動の特性について、話をする機会をもらいました。同じ頃より、進は、パワーポイントとスケジュールカード(名刺サイズが縦長につながっている)により、担任の先生から,何度も提示してもらい、行ったことのない修学旅行のイメージ作りをしていました。『何かどきどき?!』は、自閉症をともなう進には、苦痛であり、名実ともに楽しい行事として、過ごしてほしいというのは、当然の願いでした。余暇支援のヘルパーと行動するときにもデジタル時計を使い始めていたので、腕時計をつけての参加としました。
そして、当日を迎えました。行き先は、広島市の平和公園と宮島、そして福山の製鉄所見学と遊園地でした。 夕食後は、買い物に出かけず、部屋で私と2人で過ごすことにしました。
ドライブはとても好きなので、ガイドさんやみんなのにぎやかな音は、気にならなかったようです。隣にすわった担任の先生と、お話をしながら楽しく過ごせました(私は、あえて別の場所に座りました)。
原爆資料館館内は、興味がなく、足早に通過しました。そして、ソファーのある場所で、パソコンをしたり、YouTubeを見たりしながら(現在はipadで、とても軽くなりました)、他の児童の見学時間を待ちました。平和公園周辺でのグループ学習も、担任の先生と私と3人行動ということで、市電をみたり、公園の周辺を散歩しました。午後2時頃になると、朝からの張り切りで疲れたのか、機嫌が悪くなりました。休憩所でポカリを飲んだものの、独り言が多くなり、宿泊予定のホテル(宮島)に行きたいとしきりに要求してきました。母親の私に対して、攻撃的にもなってきた、その時、グループ学習中の班が、目の前を通り過ぎました。進は、突然「行く」と言って、休憩所から出て行きました。
途中からでしたが、グループ学習にも参加でき、同じグループの児童も、「進さん、こっちだよ…」と声をかけてくれ、大好きな側溝をあっちこっちと探しながら、班行動もスムーズにできました。パニックを起こす事なく、平和公園での学習を終えました。バスに乗ってからも、何度も、先生からスケジュールカードで、これからの行動の予定を確認して、船に乗って、宮島に到着しました。
宮島の厳島神社の参詣は、あいにくの雨で、雨ガッパ(黒色)を着用しました。まだ傘の開閉が上手くできず(必要性も理解できていない)、フードもつけたまま、他の観光客と同じ様に見学していました。
社会性の問題から、他人との距離の取り方が難しいとされる、自閉症。進が自分の先生だと思って近づいた男性観光客が、びっくりしました。身長も155cmほどになっており、黒いコートを着た進が、近づきすぎて、声を挙げそうになったようです。
その後は、その観光客も、進とは距離をおきながら見学を続けました。
実はこの2つの出来事が、地元の中学校へ進学したい、地域の人に知ってもらいたいという、私の願いを変化させた大きなきっかけとなりました(もちろん、旅行中は考える余裕はありませんでした)。初めての集団での修学旅行。宿泊先のホテルの部屋へ入って、やれやれ…という、進と私でした。
翌日の行程も、スケジュールで何度も確認しながら、とても楽しい旅行を過ごすことができました。前回reportでも写真入りで紹介していますが、この修学旅行が、一番の思い出となりました(6つぐらいの行事の写真を提示し、指して選んだ)。
一方私は、1泊2日の修学旅行から普段の生活にもどってからも、あの観光客をびっくりさせてしまったことが、いつまでも、脳裏に残っていました。もし、スーパーで何かトラブルが生じ、パニックになった大人の進(他人からきつく叱られたり、怒鳴られたり…)を、周囲の人群がっている。その時に、もし、「大丈夫ですよ。時間が経てば、落ち着きますよ。」と言ってくれる人が一人でも居たら…と、思いました。
大人になった進は、きっと、自分で買い物にも行きたい、町を散歩したいこともあるだろう。けれども、何が起こるかわからない…。支援を受けながらの、自立した生活とは??? 何かが起こるかわからないから、外出させない、外出しない…という生活は、幸せなのかどうか?…地域で知ってもらうためには、どうすればよいのか…?家族以外の人とのコミュニケーションの問題をどのようにすればよいのか?と自問自答する日が続きました。その結論は、地元の中学校の特別支援学級に進学するということでした。
これからまた、大変な半年が始まりました。次回から就学に向けた、話し合いについてお話します。
(すすむっち Mom)

 ぐんぐん だより 

 赤磐ぐんぐん

6月16日17日、ぐんぐんスタッフのトレーニング研修がありました。
日頃、自閉症の特性について考えて支援をしているようで改めてそれを言葉にしてみると難しかったりうまく説明できなかったり・・と課題の多い研修になりました。
ぐんぐんではすでに構造化されている環境で課題の提示もだいたいのものが構造化されています。
何の視覚支援や構造化がない状態で自閉症のお子さんはどこまでできるでしょうか?
具材がぐちゃぐちゃに入れてある(整理されていない状態)
⇒この状態で求められていることを読み取ることができるでしょうか?
⇒具材が1つずつにわかれているとできるでしょうか?
「1つずつ袋に入れて」と言われたら(口頭の指示)できるでしょうか?
完成品の見本があるとできるでしょうか?
ソースキャップはめの課題でも・・同様に
⇒ぞれぞれ具材が1つずつ入っていたらできるでしょうか?
見本があったらできるでしょうか?
何も構造化されてない状態では出来ないとしたら何につまずいているのか?どこに問題があるのか?どのような支援があればできるのか?など考えて支援しなければなりません。この時に自閉症の特性とともに検証することができたらよりお子さんのわかり方に寄り添い、近づくことができるのではないでしょうか?
このようなことを意識しながら保護者の方にきちんと説明できるようになれば、ぐんぐんで取り組んでいることを家庭や園でも取り入れてもらうことができるのではないかと思います。
ぐんぐんで出来るからOKではなく、ぐんぐんだけで完結しないためにもスタッフがしっかり学び保護者の方に正しく伝えていく必要があるのだと思いました。
(赤磐ぐんぐん 岡山奈穂)

 ぐんぐんキッズ

今月は季節外れの台風が接近して、「学校休み?」「台風来る?」「ぐんぐんある?」とぐんぐんキッズに来る子どもたちにたくさん聞かれました。
見通しがないと不安になる子どもたちにとって、警報の種類によって学校やぐんぐんが休みになり、発令の時間によって早帰りになることもあり…。
子どもにはなかなか理解しにくいですよね。
ぐんぐんキッズでは「東備地域に暴風警報(暴風雨・暴風雪)が利用の1時間前に発令していたら休み」という基準があるので、子どもたちにもそう伝えました。同じ岡山でも警報が倉敷に出ていてもキッズのある東備地域には関係ないってことも理解しづらいだろうなぁと説明の難しさを感じます。
それでも、心の準備をしてから迎えることと、全く知らされずにいきなりの予定変更があることでは、混乱の度合いが違うのではないかと思います。時々、嫌な活動や変更(予防接種があるとか、今日はいつものスーパーに行けないとか)を、事前に伝えずに唐突に突きつけてみましたというお話を聞きます。その方が事前に嫌がったり抵抗されたり怒ったりすることがないからということですが、結果を聞くと、すごく嫌がってパニックになりましたとか、次からその場所を通るだけで混乱して大騒ぎになりますとか、あまり良い結果にはなっていないように言われます。
自閉症の子どもたちは変更に不安になったり混乱したりする人が多いです。それは、変更や活動がなぜ起こるのか、次に何があるのかの見通しが持てず、またこれが変更ならばそれ以外のことはどうなるのかが分からずに、こちらとしては一部分だけが変わっているだけなのに、全てのことが全部なくなってしまうように感じてしまうのです。
だから、変更があるならば、早めに何が起こるのか、どれだけすれば終わるのか、終わったらどうなるのか、などを教えてあげてください。その変更を伝える方法は、耳で聞くのより目で見る方が得意な自閉症の人たちにとっては、やはり目で見て分かるやり方=スケジュールでの提示が楽に理解できます。そうすれば、いつもの活動とどの部分が違うのか、それがあっても、いつもの流れはほとんど変わらないことがよく伝わります。
そこで「嫌だ」「やりたくない」という意思は発生してくることは当然あると思います。誰だって予防接種は嫌だし、いつも行くお気に入りの場所にはいつだって行きたいです。そういう気持ちには寄り添いつつ、やらなければいけないことはやる。そのかわり、頑張ったらこういうご褒美があるよとか、今日はいつもの場所には行けないけれど、明日は行けるよ、とかも伝えていくことは、とても素敵なコミュニケーションになっていくのではないでしょうか。
なかなか人とやりとりをする経験を設定しなければできにくい子どもたちにとって、自分の意思をはっきり伝えてくれる場は貴重な場面です。どうぞ子どもの気持ちや思いを聞きながら、お母さんの気持ちや思いも伝えてください。「嫌なんだね」「辛いんだね」「でも頑張ったね!すごいね!!」共感してもらえた、分かってもらえた、頑張りを認めてもらえた。その一つ一つの気持ちが、子どもとの信頼感を深めることに一役かってくれるのではないでしょうか。
子どもの感じ方の不思議さを「おー、そういう風にあなたは思っているのね」と驚いて、「なるほどなぁ」と感じることができる子育てにつなげていけるよう、ぐんぐんキッズも協力していきたいと思っています。出来事やエピソードから見えてくる子どもたちの姿を、ご家族と一緒に見守っていきたいと思っています。
雨にも負けず、笑顔で子どもたちへの療育、頑張っていきたいです。今後とも応援よろしくお願いします。
(ぐんぐんキッズ  松田 紗代)

支援センターNEWS☆

先月の会報で代表も話題にされていた「ぐんぐん前の用水路を乱舞するホタル」を、私も赤磐に勤めはじめて3年目にして初めて、見てきました。
「田植え準備で草刈りがされるまでの少しの期間なんだけど、毎年ホタルが見られるのよ〜。あら、知らなかった?」ということで、8時過ぎごろまで代表とセンターの事業のことでやんやか打ち合わせをしておりましたが、手を止め(いや口を止め…)夕涼みに出てみました。
以前は実家の付近の川辺でも見られましたが、最近では目にしなくなり、雑誌などで特集されているページを見ると「(規模が違うのでしょうが)わざわざ見物に行く時代になったか〜」と思ったりしていました。ですから、湯上りの子どもがつっかけを履いてホタルを見に来るような風景は久しぶりで、代表と並んでしばしその情景を楽しんでいました。
「綺麗やろ〜赤磐いいとこやろ〜」「そうですね〜」なんて会話を交わしながら、ほのぼのと時間は過ぎてきました。
さて、今回は私も諏訪先生の講演について触れたいと思います。
最近関わった相談とリンクする内容が多かっただけに、講演を聞き終わった時に改めて整理がついて、ストンとお腹に落ちてきました。
最近小学校などの不登校ケースに関わることが増えていたのですが、子ども達が「学校に行く意味がわからん」と言うのです。子ども達からのSOSだということはもちろんそれで分かるのですが、それを言われた大人達は、改めてその意味を問われると、本当に戸惑ってしまうのです。
諏訪先生の講演中にも、同じようなお話が出てきたので、そうそう!やっぱり子ども達は学校に行くことに対して、何かピンとこないというか、納得できていないというか、目的がはっきりしないというか…そんな感じで過ごしていますよねとうなずけた部分でした。
まずは、学校に行けなくなってしまった事実にばかり目が向いて、「学校に行かせるには」とか「来させるには」という方法を探っていて、その答えを相談の場面で求められることがあります。でも、この子が語っているように、「学校に行く意味」は特に教えられる機会もなく、6歳になると自動的に生活の場が移っていき、大きな枠組みの中で混乱している間に「好きなことだけ参加をしたらいいから学校に行くこと」が優先されていき、終いには「好きなことなら学校じゃなくて家でやるものの方が魅力的」、とか「家でやっても一緒」という結論に至ってきたのかもしれません。ここまでなってしまったからには、自らその意味を探し出すことが困難な子だったと考えてやるべきではないでしょうか。
お話を聞いて、学校で勉強することは、学校でしか学べないことであり、その学びは自分にとって必要な物だと思えるように、一度とならず折に触れて知らせていくことをこちらも意識して行ってみようと思えました。実際に支援の現場に戻って、スケジュールの見直し(「なんでも好きなことを過ごして良い」から「学校ですべきことを盛り込んだ」スケジュールへの変更と作成)や、学校生活上で苦手さを感じる場面(他児の反応に応じてコミュニケーションする場面)において使用可能なツールの作成などに取り組みはじめています。絡まった糸を解いていくには時間も必要かもしれませんが、「大人は答えを与える人ではなく、一緒に考える人であろうね」を合言葉に、先生や保護者と一緒にできることからやってみたいと思っています。
また、ソーシャルスキルを教えたいが専門家ではないので分からないとか、何をどこから教え始めたらよいかわからないなど、ご相談をいただくことがあり、私の中でも何かスッキリしない状況が続いていました。暗中模索しながら、子ども達に対してそのような時間を提供してみたこともありましたが、反応はいま一つで、学びの場になったとは言い難い感じがしていました。
そして、諏訪先生のお話の中で、「子どもは人とかかわる中で、この人と上手くやっていきたいと思うから、社会性が必要になる。大事だから学ばせたい気持ちは分かるけれど、その子にとって必要かどうかだ。」と聞いた時、これまた手法ばかりに目が向いていたということに気付かされました。
子ども達にとっては、上手くやっていきたい相手と、上手くやりすごしたい状況とが揃った場面が必要なのです。分かっていたようで分かっていなかったことだったので、改めて相談の現場でこの部分に触れて話をするようになりました。そして日常生活の場が子ども達にとっては、常に新しい発見と学びの場となっていることを再認識しました。
昨年も諏訪先生の講演後、山田さんが刺激を受けて記事を書いていたのを思い出しました。
何度も基本に立ち返り、整理して子どもの特性を考えることって本当に大事だなと実感しています。同じような演題だったり、基礎編だったりすると、つい新しいものや応用編に目が向きがちですが、繰り返しの中で得るものも大きいですよ。
さて、また今日も元気をもらって支援に出かけてきます!
(支援センター 相談員:原 未春)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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