sorry,Japanese only

平成24年11月30日

 

 第175号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 175号 目次

     ベルギーの旅

     「教師・保育士対象 即実践講座」のお知らせ

     「クリスマス会」ご案内・「キッズルーム」報告

     「保護者のための即実践講座」 案内と報告

     「母の想いを語る会」・「吉田先生のDVDを見る会」

     「18歳の春を目指す親子療育クラブ」 案内と報告

     「OHAの会」 ・「サッカークラブ」・「水泳教室」お知らせ

     岡山ひともの探訪
          「第5回 支援は何を目指すのか?」

     お母さんの子育て体験談

      私のお薦め本コーナー
        
 「自閉っ子のための 道徳入門

     近隣の講演会等のご案内

     すすむっち report from TOTTORI

     ぐんぐんだより
          「赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ」

北風が吹く寒い日が続いて、体は冷え冷えとしていますが、わたしの心はポカポカ暖かいのは、なぜでしょう?
皆さんお元気ですか?
私は、先週ベルギーへ行ってきました。
まずは、その時のお話から始めましょう。
12時間も飛行機に乗って、やっとやっと着いたドーハ空港。ドーハ時間は早朝5時40分。空港は、ひんやりとした空気に包まれて、夜明け前の空にはほのかな桜色の雲が浮かんでいます。
ドーハで思い出すのは、なんといっても1993年の「ドーハの悲劇」ではないでしょうか?日本のサッカーファンにとっては、忘れることが出来ない瞬間を、今でも私は覚えています。
まさかの試合終了間際のロスタイムでのどんでん返し・・・。ワールドカップ初出場の夢がついえたこの一瞬が、このドーハでの試合だった・・・と感傷に浸りながら、飛行機を降りました。
乗り継ぎの為に、一旦空港の中へ移動するらしい。
関西国際空港で出国の際に、一人ひとりのバッグにつけられた黄色いタグで、バスからの自分の降車場所がわかるのだそうです。青・赤・緑・黄色と4色のタグがあるらしいです。
ドーハはとても大きな空港で、飛行機から空港待合室は、とても遠い。
もし、バスから降りるところを間違うと、どうなるのでしょう? まだ薄暗いはじめての異国の地で、心配しながらバスに乗る。しばらく行くと、はじめての停留所にバスが止まった。外からカギの掛るバスに乗せられた私たちは、薄暗い停車場所に止められて、じーっとドアが開くのを待つ。
ここは何色の停車場なのか、暗くてさっぱり分からない。
ドアがやっと開いて・・・、薄暗い中にかすかに見えた青い表示色。「ここは青だ!」
不安な気持ちいっぱいの私たちを乗せて、次の停車場へとバスは、移動を始めます。
少し明るくなり始めたのも手伝って、次の停車場の色は、黄色と見分けられました。
この黄色いタグで降車場所を知らせるというのは、言葉の分からない旅行者にとっては確かに良いやり方だと思う。
ただ、青は、夜には見分けがつかないので、不安になる色だと思いました・・・。
もし出来るのであれば、ドアを開ける係員の人が、黄色い服を着ていたり、黄色い旗でも持っていてくれると、もっとありがたいものです。
日本語以外は、ほとんどしゃべれない私にとって、見てわかる形で示してもらえると、本当に助かります。言葉ばかりで伝えられて、困っている自閉症の人たちの不安な気持ちがほんの少しだけ、経験出来たように思えました。
今回のベルギー旅行は、西宮市に住む妹に誘われての旅行でした。
妹が最近どうも体調が悪いと訴えたのは、数ヶ月前のことです。
「なんとか元気で行ける間に、姉妹で一緒に旅がしたい」というので、何とかやりくりしての、旅行となりました。妹は、私とは2歳違いで、お互い孫もできて、お互いそろそろ体調も気になりはじめたお年頃です。
もしかすると、これが最後になるかも・・・と覚悟をしながらの旅行となりました。
体調が悪いという妹に無理をさせたりしないようにと、最初は心配しながらの旅でした。
ところが、体調なんてどこ吹く風やら、元気いっぱいの旅行になりました。
なんだか拍子抜けするやら、嬉しいやら・・・、元気なら結構結構。まあ良かったのでしょう。お蔭でそんなことでもなければ、行くこともなかったヨーロッパに連れてきてもらえたわけだから、妹に感謝感謝で、楽しい旅行と相成りました。
   
私にとっては、はじめてのヨーロッパです。
はじめてのヨーロッパが、ベルギーだなんて・・・、なんだかとってもおしゃれな感じです。
ベルギーの第一日目は、ホテルへ着いただけで、二日目から観光が始まりました。
ベルギーという国は、緯度も高い為、朝の明けるのも遅いらしい。朝もやの中、バスは出発。
霧が深くていかにもヨーロッパって感じがして、それもステキ。
ハイウェイ沿いに次々現れる建物に、ひとりで感激。なんてお洒落な街並みだろう。なんて統一感が取れていることか・・・。レンガ色あり黄色あり・・・、建物の色も形も一つひとつの家がお互い調和がとれていて、きれいです。街並みがいかにも整然としていて、文化や歴史を感じさせられます。
誰か大いなる方の意思が働いていなければ、決してこんなに美しい街並みが、作られる訳がない・・・そんな風に確信しました。神さまに守られているがごとくお洒落で、規則正しく、美しい国、それがベルギーでした。
すっかりベルギーが好きになった私です。
こんな自由で気楽な観光旅行へ自分が来られる時が来るなんて、信じられない思いでいっぱいになりました。
その昔、友人たちが、ランチに行ったり、夜の女子会に行ったりするのを、横目で見ながら、自分には、そんな余裕はないと、よく思ったものでした。
それほど、当時の自閉症の息子の子育ては大変でした。
海外旅行なんて、夢のまた夢。一生縁のないものと諦めていました。また、行きたいとも思っていませんでした。ところが、この度の妹のたっての頼みに仕方なく(?)重い腰を上げて参加した旅行でした。
本当に、なんて素敵な旅だったことでしょう。
改めて妹に感謝です。また、快く出してくれた主人や、旅行の間、家事を全部引き受けてくれた哲平のお蔭でもあります。
我が家は、お料理が出来る哲平のお蔭で、私は心おきなく旅行が出来ます。
夫は料理が出来ないので、私がいなければ、お弁当や出来合いのものを適当に買って済ますだけになってしまうでしょう。
それでは、安心して旅行にも出かけにくいのですが、哲平がいてくれるので安心です。旅行にでかけている間、留守の我が家の食卓は、おでんに水炊き、カレーライスに唐揚げ、マカロニサラダ、etc・・・とバラエティー豊かだったそうです。(もっとも全て哲平の好きな献立ばかりですが・・・。)
お母さんを海外旅行に行かせてくれる良い子に育ちました。
こんないい子に育ってくれて、ありがとう。
さて、飛行機の旅で困ることは、眠れないことだと、妹から聞いていた私だったけれど、私の特技は、どこででもすぐに眠れるということです。
飛行機の中でもご多聞に漏れることなく、すぐに眠り、そして、寝起きもバッチリ。
ああ〜、よく寝れて、幸せ〜。
エコノミーの座席で背の高い外国の人は、脚も長く、狭い座席は酷な感じです。
でも私は、日本人の中でも特別小柄。勿論足だって短い。おかげで足を伸ばしたって充分な広さの足回り。ありがたい。脚が短いことが、よかったと思えたのは、生まれて初めてのことだったかもしれません。
どんなことにも感謝できますね。
今子育てを頑張っている皆さんにも、いつかこんな幸せがきますようにと、お祈りしています。お先に、味わった幸せを、ほんの少しおすそわけです。

さて、服巻智子先生の講演会が、迫ってまいりました。まだ、お席はございますので、急ぎお申し込みください。
12月8日(土)10時〜16時オルガホールでの開催です。
ご存じのように、岡山県は小学生の不登校率が2年連続、全国ワーストワンとなっています。
障害をもたない子どもたちにとっても、学校環境は厳しいものがあるのでしょう。まして社会性やコミュニケーションに弱さをもつ我が子たちは、いじめにもあいやすく、ひきこもりや不登校に陥る危険性は、そんなクラスの中でも一番高いと言えるでしょう。
彼らの味方になり、一番の応援団となれるのは、やはり私たち親たちしかいないと思えます。
服巻先生の講演を聞いて、彼らの一番の支援者、理解者になっていただきたいと思います。
今、思春期・学童期の親の方たちだけでなく、幼児期のお母さん方にも、ぜひ聞いておいていただきたいセミナーです。
服巻先生のセミナーは、ビデオは撮りませんので、少々無理をしてでもご参加いただきたいと思います。正会員 500円、賛助会員 3000円です。
スタッフ一同、みなさんのお越しをお待ちしています。

さて、皆さんお待ちかねののびのびサロンの開所式を行いたいと思います。
すでに利用してくださっている方もありますが、一応大安の12月13日にスタートの日にちを決めました。
簡単なセレモニーとティーパーティを行います。どうぞ、多数のご参加をお待ちいたしております。
のびのびサロン 開所式
日時:12月13日(水) 10時〜12時
場所:おひさまハウス のびのびサロン
住所:赤磐市和田194−1
出席して下さる方は、お申し込みください。
どなたでも、参加出来る方は、おいで下さい。お子さんをお連れになる方は、12時以降に、おいで下さい。本格的なのびのびサロンは、この12時からのご利用からになります。
のびのびサロンは、安心して、子どもを連れて行く場所がなかった私たち自閉症の子どもを持つ親の安らぎの場所です。
そこでは、ゆっくり子どもを遊ばせることが出来ます。来ている同じような子どもを持つ親と話が出来ます。
時には、悩みをはきだしたり、相談も出来る場所です。
おもちゃも絵本も、子どもが喜ぶ楽しいものをたくさん用意しました。危ないものがないので、お母さんは、ちょっと安心できる場所かもしれません。
たくさんの自閉症に関する本があって、借りることが出来ます。
自閉症の子どもとお母さんの為の場所です。開所時間は、10時〜14時です。
おひさまハウスのある地域は、のんびりした田舎です。
お魚が泳ぐ小川が流れ、田んぼや畑が、たくさんあります。岡山でも有名な前方後円墳の両宮山古墳や、備前国分寺の跡もすぐ近くにあります。
自然豊かな場所なので、子どもを連れての散策にも適したところです。
どうぞ、皆さんのおいでを待っています。

さて、再び我が家の話題です。
哲平が、11月1日に、入院して、右手の上腕部から、チタンの棒を抜きました。
今回は、短い入院で、手術も比較的簡単で、6日間の入院期間で退院することが出来ました。
これがチタンの棒と、ボルトです。
こんなのが入っていたのかと、見入っている哲平の神妙そうな顔を見てください。
入院の間何度も取り出して見ていた姿が、印象に残っています。
哲平には、とても不思議に思えるのでしょうね。
レントゲン写真も見せていただき、彼なりに理解していたからこそ、不思議な感じが余計するのでしょうね。
交通事故の怖さを身にしみて感じたこの一年でした。
でも、反面、よくぞ無事にくぐりぬけてこれたと思える一年でもありました。
本当に幸運でした。後遺症は多少は残っていますが、無事にお仕事にも復帰が出来て、毎日張り切って、お仕事に通っております。
今はリハビリには、夕方から通っています。お父さんが、17時に備前市の会社の裏門まで迎えに
行って、大急ぎで18時までの診察時間に間に合うようにと、岡山市内の病院へと向かう日々です。
本当に、お父さんが会社を定年退職していてくれたから、こんな通院生活が可能になっている我が家です。何もかも、意味あることに思えるわたしです。
お仕事は、忙しい日があったり、暇な日があったりで、この先どうなるのか不安な気持ちになりますが、何とかなるさ〜と思って、前向きな気持ちで頑張りたいです。
皆さん、またインフルエンザが流行っているようですよ。
予防注射はすまされましたか?
私も急いで受けなければ…と思っているところです。
皆さんの健康と幸せを祈りつつ、今日はこの辺で失礼しましょう。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)

教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ

【即実践講座 基礎編】 
 ☆第7回☆ 「余暇支援」
      平成24年12月7日(金)19:00〜20:55
      岡山県生涯学習センター 大研修室
【即実践講座 アドバンス】  
☆第7回☆ 「余暇支援」
      平成24年12月6日(木)19:00〜20:55 
      岡山県生涯学習センター 大研修室 

クリスマス会のご案内

もうすぐクリスマスですね♪
育てる会では今年もクリスマス会を行います。
詳しくは正会員の方に同封しているチラシをご覧くださいね。
日 時   平成21年12月16日(日)13:00〜15:00頃
場 所   岡山大学第2体育館(北側の方)
対 象   育てる会正会員の子ども本人・兄弟(保護者同伴)
参加費   子ども一人につき 500円(予定)
参加締切  12月10日(月)までに同封の申込書でお申し込みください。
        定員に達しますとお断りさせていただきます。ご了承ください。

「キッズルーム」報告

11月18日(日)に岡大体育館にてキッズルームがありました。
参加した方からの感想を紹介します。


今回2回目の参加でしたので、最初から私から離れて、大学生のお兄さんお姉さんにご機嫌で遊んでもらっていました。
進行も、とても工夫して行っていただいていたので、リトミックなども落ち着いて参加できていました。
(小さい頃に市の集まりに連れて行った時は、1回も会場に入れず、ずっと2人で階段ののぼりおりをしていた時のことを考えれば、すごい成長だと思いました。)
終了した後、車で帰るときも「楽しかった 岡山大学」と言っていました。本当にありがとうございました。
(Mさん)

先週キッズルーム参加させていただきました。親ではなく子どものためのキッズルームです。いつも同じ活動。決まった活動。
大変安心して行けます。これだけ特性に配慮した広場遊びは育てる会ならではと感心します。
強制は一切なしの個人のペースでいろいろ遊び心がほぐれたところでの集団遊び。我が子もすんなり入っていけてました。
影絵劇も綺麗で、リズミカルで懐かしさとともに楽しませてもらいました 子ども達は前回の内容もわずかな違いもよく覚えていますね。
毎回おんなじでもまた参加したくなるキッズルーム。今回は始まる前にすき家のお子様牛丼食べることも体験しました こちらもまた行きます よろしくお願いします。
(Fさん)

今回も兄弟で参加させていただきました。
お兄ちゃんはキッズルームが大好きで毎回とても楽しみにしているのに、午前中に学校で学習発表会があったため、珍しく行くのをためらっていた様でした。
少し心配していましたが移動中の車の中から笑顔が見られ、着いてからも元気いっぱいで安心ました。珍しくボラさんにもたくさん話しかけていたそうです。
しかも、今までは突っ走ってばかりだったのに、私のことを待っていたり、受け付けで先にボラさんの名前を確認したり、弟のことを途中気にかけたり、今まで見られなかった成長が見て取れました。
ちなみに本人の感想は、影絵劇が一番楽しかったそうです。
弟君はただでさえ人見知りが強く気難しいのに、車の中でお昼寝中だったために不機嫌な中始まり
ました。それでもさすがキッズルームという感じで、少しずつ慣れていき親の側を離れることができました。
ボラさんもとても優しくて、「そんなに腰を低くしなくてもいいのに」と思うくらい子どもと同じ歩幅、目線で話しかけてくれていたのが印象的でした。
本当に周りに支えられて良い経験をさせて頂いていると思いました。ありがとうございました。
(Yさん)

初めて参加するときに不安そうだったお子さんが、ボラさんやお父さんお母さんと楽しそうに遊んでいる様子を見ると、こちらもうれしくなります(^ ^) 
初めてでもパワー全開で遊んでいるお子さん(ボラさんたちがとてもあたたかい雰囲気を作ってくださっているおかげです?)、初めはちょっぴり不安に思いつつお父さんお母さんと遊ぶうちに慣れていくお子さん、初めは全く入れなかったけど回数を重ねていくうちに体育館の中に入れたり、ボラさんと遊べるようになってくるお子さん…と様々です。
これからもキッズルームが、子どもたちが安心して楽しめる場になるよう、熱心なボランティアさんたちとともにがんばっていきたいと思います。

次回キッズルームは2月の予定です。
詳しい日程が決まり次第お知らせいたします。(正会員 限定)

『 第7回 保護者のための 即実践講座 』

日 時: 平成24年12月7日(金) 10時〜12時
場 所: 赤磐市社会福祉協議会 (赤磐市河本778-1 山陽総合福祉センター内)
講 師: 重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
対 象: 育てる会正会員
参加費: 全10回 10000円(欠席の際はDVDを貸し出します)
申 込: 育てる会事務局  Fax.086‐955‐6748(正会員 限定)

それでは、前回 第6回「コミュニケーション支援」についての感想です。


今回のコミュニケーション支援のお話は、いつも生活をしている中でぶつかることの多い課題であったので非常に考えさせられることが多かったです。
子どもと私のコミュニケーションには、我が子は言葉がほとんどないので、ついついこちらから伝える、投げる、だけになってしまい、子どもは常に受け手になってしまいがちになるという欠点があります。
うちの子は指示待ちになっていることが今の悩みではあるのですが、今回の講義を聴いていて、やっぱり本人に自分の思いを言葉でなくてもいいから、伝わることで、伝えてほしい!答えたい!と思いました。
それでもやっぱり私は、コミュニケーションを言葉基準に考えてしまいがちになるのです。
言葉は話してほしいと願っています。でも今は、子供にコミュニケーションの意味を伝えなくてはいけないので、具体物や写真などを使い、生活の中で本人が確認、やるということを徹底して焦らず積み上げて教えていこうと思います。
コミュニケーションについては本当に考えさせられることばかりです。次回も期待しています。ありがとうございました。
( I 母)

『 母の想いを語る会 』

11月13日(火)に岡山市東区瀬戸町にある「藤工房」を見学させていただきました。
グループホームや生活介護、カフェなどが一つの建物の中に収まり、多角的に運営されていました。ビジネスホテルを改装されたためか、各部屋にトイレがあり機能的な作りでした。

それでは、当日参加されたお母さんからの感想です。


藤工房さんのケアホームを見学させていただきました。以前はホテルだった建物の1階をデイサービスやカフェのスペースとして、2階、3階を入居スペースとして、活用されていました。入居されている方の部屋は、シングルルームをそのまま利用されているので、1人で過ごすにはいい大きさだと思いました。食事はラウンジでみんなで一緒にとるようにされていて、誕生会などもそこでお祝いするそうです。アットホームな雰囲気が伝わってきました。
わが子は中学1年生。親から離れるのはまだ先という気もしますが、将来のことを思うと、いつか子どもが快適に暮らせるグループホームを作りたいという思いがあります。
今回、藤工房さんのお話をうかがって参考になりました。ありがとうございました。
(T)

次回の母の想いを語る会は、11月と同じくグループホームの見学会です。
今度は、岡山市手をつなぐ育成会が運営され、岡山で立地・設備・内容とも一番と噂される岡山市内の「仲よし」を見学させていただけることになりました。
もしも、グループホームを子ども達にとっての「終の棲家(ついのすみか)」と考えるならば、親自身がそこで暮らしたいと思えるものも・・・そんなコンセプトが感じられます。
設備のすばらしい分、それだけ初期費用等もかかっているのではと思いますが、将来のためにそのあたり、現実的なお話もお伺いできればと思っています。
まだ小さいお子さんをお持ちの方にとっても、将来への展望が開けるような見学会になると思います。
日 時:平成24年12月11日(火) 10:00〜12:00
場 所:福祉ホーム 広瀬町仲よし(岡山市北区広瀬町10-9)
申込締切:12月7日(金) 事務局(086-955-6758)まで (正会員 限定)

『 吉田友子先生の講演 DVDを見る会』

11月15日(木)、事務局の1階で吉田先生のDVDを見る会を開きました。
当日の参加者は8名、先日のセミナーに都合で参加できなかった方や、もう一度しっかり勉強したいという保護者の方が集まりました。
吉田先生のビデオは、本来公開できないのですが、育てる会の正会員の方に限り、しっかりした会の管理の元で・・・という条件で「DVDを見る会」を開かせていただいています。
講演の内容の一部が独り歩きして誤解を与えたり、以前の古くなった情報がそのまま使われたりしては大変だからです。
したがって、吉田先生のDVDは、今回の「高機能自閉症・アスペルガー症候群 やる気を引き出す、子育て支援」については許可をいただき、映写できる次第です。
幸い、事務局の1階が広く使えるようになり、プロジェクターでの投影も簡単にできるようになりましたので、今後も希望者が何人か集まりましたら「DVDを見る会」を開くことができます。
お知り合い(ただし正会員に限ります)同士で声をかけていただければ、事務局が開いている平日なら大体OKです。また、お一人で申し込まれた場合は、事務局で随時、日にちを調整させていただきます。会費はセミナーと同じで、お一人500円です。
事務局も新しくなり、12月13日には「のびのびサロン」もオープンの予定ですので、気軽にご連絡ください。
(Tel.086-955-6758)(正会員 限定)

「18歳の春を目指す 親子療育クラブ」

11月22日に、香川大学の武蔵博文先生をお招きして勉強会を行いました。盛りだくさんのお話で、あっという間に時間が過ぎていきました。感想が寄せられていますのでご覧下さい。


今回は、香川大学の武藏先生の「社会参加・就労に向けての力をつける」という勉強会でした。
就労での問題として、
1.職場で必要となるコミュニケーション。
2.仕事をうまくするための手順書作成。
3.職場での問題に現実的な解決策の選択。
4.ストレスをためこまず、安定した生活。
4本柱で学びました。
それぞれに、積み重ねがあり、今から子どもに教えていかないといけない事、支援があり、毎日毎日が大切だと改めて思いました。
又、今、私たちがやっている事、やろうとしている事には、ひとつひとつ意味があると学びました。
連日、いろんな問題があるわが子ですが、明るい18の春を目指して、なおいっそう精進したいと思います(笑) 
(S母)

18才の春は、今回は武藏先生による就労についての話しでした。
仕事をするのに必要な項目は私たち大人が働くことにもつながる、考え方満載の講義でした。私たちは失敗失態だらけですが。原因がいくつかあり、行動がいくつかあり結果があり、自分が感じたこと、相手が感じたことがそれぞれあり、失敗にはたくさんの防げる手立てがあります。
全体を把握するのは難しいけど細かく分ければ見えてきたり、わかることがあります。感情に走る、全て自分のせいに人のせいにする生徒さんの話は自分にもあてはまるところがありました。
仕事をしたり、人と付き合うストレスは当たり前。当たり前と飲み込まず、すぐできそうな対処をひとつひとつやって、楽しく生活する子どもに大人になりたい。就労は一生だから。失敗は人より多くても方法も具体的にあるので続けられると思いました。丁寧な療育から。頑張りましょう。今日はありがとうございました。
(F母)

次回の18歳では、先輩お母さんのお話を聞かせていただく機会を設けました。第一弾として、中学生と高校生のお二人のお子さんをお持ちのお母さんを、お二人お招きしております。
・お子さんの中学生活、高校生活について
・中学→高校への進学時に悩まれたこと、乗り越えてこられたこと
・就職に向けて取り組まれていること
などお話をいただき、その後座談会を予定しています。

日 時:平成24年12月13日(木) 10:00〜13:00(受付9:45〜)
場 所:きらめきプラザ

なお、第二弾として、来年1月11日(金)に、中学一年生のお子さんをお持ちのお母さん方にもお話を伺う予定です。今から予定をあけておいて下さいね。

※正会員の新規加入者をお待ちしております。
  尚、見学は参加無料ですので、遠慮なくご参加ください。(正会員 限定)

「OHAの会」

OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。アドバイザーは臨床心理士の利守愛子先生にお願いしています。

12月のOHAの会はお休みです。次回は1月23日(水)、2月20日(水)の予定です。
場所はいずれも西ふれあいセンター(岡山市南区妹尾)和室を予定しています。(正会員 限定)

それでは、前回のOHAの会の感想をご紹介します。


今回は、自閉症の“3つ組”と言われる基本症状の中から「社会性の障害」と「社会的イマジネーションの質的障害」について、わが子にはどういった特徴があるかを考えました。
吉田友子先生の「その子らしさを生かす子育て」の本の中の例を見てみると、わが子に当てはまるものがたくさんあって考えやすかったです。
1人ずつ順番に、わが子の特性やそれによって起こる問題について話していったのですが、利守先生が、子どもへの接し方や問題の改善策などをアドバイスして下さり、勉強になりました。わが子の特性について見つめ直すいい機会になりましたし、今後の課題点が見えてきて、とても良かったです。
アドバイスしていただいたことを心に留めて、子どもと向き合っていこうと思います。
(T)

サッカークラブのお知らせ

日時 : 平成24年12月23日(日) 10:00〜12:00(9:45集合)
場所 : 岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン(黄色チームはボラさんの分も)、ハチマキと名札、
      お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
※ 活動日前日、当日のいずれかに雨が降った場合、活動は中止となります。
  中止の場合は、メールでお知らせします。
※ 体験、見学の申し込み・お問い合わせは、担当までご連絡下さい。((正会員 限定)

水泳教室のお知らせ

日 時 : 平成24年12月16日(日) 15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
          ※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
  体験は1回2000円(保険代込み)です。(正会員 限定)
★欠席される方は、必ず12月11日(火)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
(水泳担当:S&H)

 岡山ひともの探訪
川崎医療福祉大学 重松孝治

第5回 支援は何を目指すのか?

ある成人の自閉症当事者としてお話していた時の話です。
その方とお話をしていて、数分経った時に、彼から「重松先生、何か失礼なことを言っていませんか?」と聞かれました。もちろん特に問題があるような発言はしていないので、「大丈夫ですよ」と答えて、そのままお話をしていたのですが、また数分お話をしていた時に、同じ質問をされたのです。
「重松先生、何か失礼なことを言ってませんか?」
何度も質問されるので、「どうして、そう何度も質問しているのですか?」とこちらから聞いてみると、彼はこのような答えを聞かせてくれました。
「自分は自閉症という障がいがあって、相手の気持ちを上手く読み取ることができません。読み取れ、考えろ、と言われ続けたのですが、私の推測と実際は全く合わないようです。
でも失礼なことを言うと、仕事をやめなければいけないようになるので、自分はこのように相手に聞いて、もし失礼だと言われたらその場で謝るようにしてきました。」
自閉症であることの告知も受けており、本人もよく自覚をされている方でした。
でもだからといって、自閉症に起因する全ての課題が解決するわけではありません。
彼は相手の気持ちが読めないことを自覚し、取り組みながら、それでも失敗経験を繰り返してきたというのです。
だからそれに対する自分なりの「対策」を考えたそうです。
それが相手に聞くという方法なのです。
この話を聞いて、いくつかのことを考えていました。
1つは、自閉症のある人を支援する時の重点について考えました。私たちは自閉症であることに起因する課題をどうやってなくさせるかではなく、自閉症であるまま生きていく上で、何を身に付けると安心して生きていけるのかについて考えていきたいということです。もちろん考えることをしなくていいという意味ではありません。しかしそれがうまくできなければ社会適応できないとされてしまえば、それは社会から自閉症のある人を排除することにつながる可能性があります。だからこそ、「今できること、今望めること」を現実的に考える視点が必要だと考えさせられました。
もう1つは、だからこそこの人たちが楽に関われる存在、過ごせる環境が必要であるということです。こうした不安や努力をしなければ仕事が続けられない、社会適応できないというのは、弱者に多大な努力を強いる社会であると感じるのです。彼らが、彼らのままでも過ごしやすい環境が社会の中に、全てでなくても、あることが大切であるし、自分がそうした存在にならなければならないと。
その時に彼に自分が言ったメッセージはこうしたものでした。
「自分は自閉症の専門家として仕事をしています。だからあなたが人の気持ちがうまく読めないために、不適切な発言をすることを理解します。ですので私と話をする場合は、もし不適切な発言と感じた時にはそのことをちゃんと言葉にして伝えるので、重松と話している場合については、質問しなくても大丈夫ですよ。」
私たちはいつも彼らのメッセージをしっかり聞くことを心がけたいと感じさせられたエピソードでした。

お母さんの子育て体験談

「お母さんの子育て体験談」の第3弾、現在中学部1年に通われている息子さんのお母さんからの体験談です。
今月はその前編として、診断を受けられてから、小学校へ入学前までのお話です。


我が家には、中度の知的障害がある自閉症の息子がいます。息子は現在、中学1年生で支援学校に通っています。
今までの私の子育てをふり返ってみると「子どもにとって分かりやすい支援ができていなかったな」「上手な関わり方をしていたらもっと伸びたのではないか」と反省や後悔の思いが浮かんできました。しかし、私自身もどうしたらいいのか悩み、迷いながら、その時にできる範囲の中で一所懸命にやってきたという思いもあります。
現在も子育て真っ最中。悩みは尽きませんが、これまでの経験があったからこそ、今は
「子どものために必要なことや、今取り組むべきこと」が分かるようになり、気持ちがラクになったように思います。
そんな私の紆余曲折?の子育て体験談を、反省の思いも込めつつ、語らせていただこうと思います。
息子は赤ちゃんの頃からかんしゃくを起こしてよく泣いていました。一日一回はパニックを起こして泣き、私はその理由がわからずイライラが募る日々でした。
公園に連れて行っても、友達のそばによって行きはしても、やりとりをして遊ぶことはありませんでした。遊び終えて帰ろうとすると抵抗してギャーギャー泣き、連れて帰るのに一苦労でした。育てにくさは感じていましたが、1人目の子だったので「こんなものなのかな」と思い、障害については考えもしませんでした。
息子が3歳半の時、下の子のお産で実家に2カ月ほど帰りました。
私の母が息子のかんしゃくを起こす姿を見て、普通と違うことに気付きました。
ちょうどそのころ3歳児健診の案内が届き、その中に発達障害のチェックリストのチラシが入っていました。
「言葉の遅れがある。パニックを起こす。こだわりが強い。」などの項目があてはまっていたため、その時初めて障害を疑い、旭川児童院に診察の予約を入れました。
3か月後、息子が3歳9カ月の時に「広汎性発達障害」と診断を受けました。診断前から主人がネットで集めた情報から、自閉症だろうと覚悟はしていましたが実際告げられるとショックでした。
「この子はこの先どうなるんだろう。喋ったり、文字を書けるようになるんだろうか」
と不安で一杯でした。早期療育が有効と聞き、療育を受けることが一筋の光であるように思えて、いろいろな機関に相談に行きました。
療育を受ける日々の中、主人が育てる会のホームページにたどりつきました。
電話をかけると代表から「大丈夫よ。障害があってもきちんと育てたら、ちゃんとした大人になるから。あなたは1人じゃないよ。仲間がいるからね」と、言葉をかけて頂いたと思います。先輩のお母さんから「大丈夫」と言ってもらえたことで救われる思いでした。
育てる会に入会して、勉強会に参加したり、お母さん同士が集まって情報交換をする会にも参加させてもらいました。「悩んだり、苦しい思いをしているのは私だけじゃないんだ」と気付き、仲間がいることの安心感や心強さを感じました。その頃から、気持ちが前向きになれたように思います。
息子が保育園の年長の頃には、赤磐ぐんぐんでの療育が始まりました。療育は受けるもの、先生から「してもらうもの」という認識がありましたが、先生から「家でも同じようにやってみて下さい」と言われ、家での取り組みが大事なんだということに気付きました。
しかし、家では気持ちの切りかえが難しく、遊びをやめて次の行動に移るのに時間がかかりました。
お風呂は特にいやがったので、毎日大変でした。また身の周りのことを教えてもなかなか身に付かないことや、こだわりが強く言い出したら聞かないことなどで私がイライラすることが多かったです。そんな状況だったので療育で学んだこともうまく実践できていない状態でした。
そんな中、ぐんぐんで先生に話を聞いてもらったり、同じ時間帯に療育を受けるお母さん方と愚痴をこぼしあったり、情報を交換することができて、気持ちが救われていました。
(T母)

すすむっち report from TOTTORI

こんにちは。進にとって、2回目の中学校の文化祭も終わりました。
昨年の合唱コンクールでは、支援員の先生が、正面から照らしつけるライトを背中に浴びながら、進に歌詞カードを読ませていました。
文化祭が終わってから、1年後のこの日のために、さっそく音楽の授業で、パワーポイントを見ながら歌を歌う練習も始めました。
その成果もあり、今年は、上段の端から2番目に、クラスメイトと一緒に立って歌いました。支援員の先生もいないので、歌が始まる直前まで、周囲の生徒に話しかけて、相手をしてほしかったようですが、合唱が始まると誰も相手をしなくなり、いっしょに立っていました(拍手)。歌を合唱という体制で歌うことも、理解できたようです。
さて、いよいよ2回目(最終)の鳥取西部町村就学指導委員会の結果が出ました。
『知的障がい特別支援学校への入学が望ましい。』というものでした。
同じ12月に、再度行われた鳥取県就学指導委員会においても、同じ内容でした。
保護者の意向と就学指導委員会の審議結果が異なるというこの事例に対し、町教育委員会は重度の障がいをもつ息子を前例のない認定就学という形態で受け入れました。
もちろん、地元中学校情緒障がい特別支援学級へ入級した4月以降の、中学校と地域のコミュニティの変化を期待してのことでした 1)。
1月に念願の入学通知書をもらい、帰国転入後、小学校の特別支援学級の新設までの険しい道のりを思い出しました。また、これから待ち構えている新たな試練の伴う3年間を覚悟しました。
「…養護学校に入学すれば、お母さん楽なのに…」と、知人が私に言いました。確かに学校生活はそうかもしれない、けれども、卒業した後、この地域で生活するには、あまりにも物理的・人的に、ハードルが高すぎだと思っていたので、きっぱりと「楽ではない」と、私は断言しました。 次回は、進と同じ新入生となる児童や、中学校で、初めて自閉症を伴う下級生を受け入れる在校生対象の事前の啓発学習についてお話したいと思っています。
前述の中学校の文化祭でふと感じたことがあります。
私は、車いすで来校された家族の誘導をしました。
アメリカでは、 建築物のスロープやエレベーターの設置は、法律で義務づけられています。もちろん、コンサートやスポーツ観戦などの場合、車いすの利用の人に対しては、ベストポジション(よく見える位置)に座ることになっています。
私は、体育館の隅に介護の夫と居られたので、どこがベストポシションか?と思いながら、探しました。ちょうどTVカメラが設置してあった、観客席中央が良いと考え、そこへ誘導しました。合唱コンクールを聴くには、ふさわしい場所でした。しかし、その誘導された車いすの人は、ちょっと戸惑っておられました。まだ、車いすでの外出が慣れない人だったので、突然中央の観客席(あらかじめ表記もされていなかった)の場所に驚いたようです。
・・・私の感覚では、車いすでの観客場所は、この場所が当然だと思っていましたが、まだこの地域や学校では、当事者ですら、認識していないことがわかりました。障がいをもつ人の権利意識も低くく、もっと実際の生活の場面での精神的なバイアフリーの必要性を痛切に感じた文化祭でした。
すすむっちMom
 
参考文献
1)山西由希子:発達障がいを伴う子どもが将来地域で生活できるための基盤づくり -初めての町に帰国転入した母親の経験から.保健師ジャーナル,vol.68 No.9.pp769-774,2012
2)「障害のある児童生徒の就学について」平成14年5月27日文部科学省初等中等教育局長通知参照

 ぐんぐん だより 

 赤磐ぐんぐん

赤磐ぐんぐんは、就学前のお子さんを対象にした、児童発達支援事業です。
下記の日程で、来年度、2013年4月からの療育希望者を対象に、赤磐ぐんぐんの見学会を行います。
見学会に参加希望の方は事前申し込みが必要となりますので、育てる会事務局までお問い合わせください。後日、あらためてこちらからご連絡させていただきます。
日時:平成24年12月25日(火)13:00〜14:00
平成25年 1月22日(火)13:00〜14:00
*見学会への参加は保護者の方のみとなります。
*参加人数によっては終了時刻が遅くなることもあります。
場所:岡山県赤磐市和田194−1
      NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会 内
     「児童発達支援事業所 赤磐ぐんぐん」
お問い合わせ:事務局TEL 086−955-6758 FAX 086−955-6748

 ぐんぐんキッズ

11月も下旬になり、県北では雪がちらつき始めているところもあるそうです。
急に寒くなり、体調を崩しやすくなるシーズンですね。大人の方が案外子ども経由の風邪をもらってしまって…という話もよく聞きます。お母さんが元気でないと、家族も元気になれません。ぜひ子どもと一緒に、手洗い・うがいを習慣にして、風邪に負けないようにしてくださいね。
先日、ある小学校のオープンスクールを見学させていただきました。
ぐんぐんキッズで、「2学期は学校行事が多くて、運動会がやっと終わったと思ったら、学習発表会やら社会見学やら…、疲れているからか最近落ち着かないみたいなんです」という保護者の方が多かったので、一般的な小学校生活はどんなものなのかと参考にするためです。自分自身が小学生だった記憶は遥か彼方で、久しぶりの学校見学に少しワクワクしながら訪問させていただきました。
感想は・・・これは相当大変だ!!ということ。
小1クラスの授業終わり〜業間休みの様子を見たのですが、授業終了のチャイムが鳴ると、黒板の字を消されるまでに写し終えて、算数パズルの教材は自分の箱に入れてから、教卓の上に出し、もらったプリントをノートの一番後ろに道具箱から自分のノリを出して貼り、そのノリを片付けて、教科書やノートを机の中に入れて、次の授業は音楽なので鍵盤ハーモニカを廊下から出して、すぐ持っていけるように机に準備をし、宿題の直しのチェックをしてもらい、トイレに行く。日直さんは先生から頼まれた用事を済ませ、元気な子は外に遊びに行ったりもしています。予鈴のチャイムが鳴ったらあと5分後には次の授業は始まります。教室に戻ってきて、トイレに行っていなかった子はトイレへ行き、次の音楽は体育館なので、鍵盤ハーモニカをケースから出してそれを持ち、廊下に喋らずに整列しなくてはいけません。
これら全てのことが、普通クラスでは、ほぼ一斉に口頭で指導されます。休み時間の過ごし方や移動教室の準備の仕方など、パターンになっていることは何度もは先生も指示しないでしょう。隣にいて一つずつ指示出してくれる人はおらず、特別支援クラス在籍でも、授業によっては交流クラス(普通クラス)に行く時には、(異学年クラスがほとんどなので)基本的につきっきりの先生はいない状況になります。
どれほどの課題があるのか、学校生活がどれほど常に臨機応変で分かりづらいのかを、まざまざと見せつけられた思いがする時間でした。口頭での指示が多く、自分で状況判断しないといけないことが多い日々で、これだけ自閉症児にとってしんどいことだらけで、さらにイベントが続けばしんどくなるのは当然のことかもしれないなぁとも思いました。
以前保育園での自閉症支援の話で、「低年齢の子どもたちのクラスでは、自閉症の子どもたちがそんなに混乱しないのは、まだ子どもたちが口頭での指示ややりとりが伝わらないから、自然に先生たちは視覚的に伝えるやり方をしていて、それが結果的に自閉症の子どもにもそうでない子どもにも、すごく分かりやすいんです」というお話を聞きました。例えば、先生たちは2歳の子に『今日は天気がいいから元気に外遊びに行こうと先生は思います。帽子も持って。元気に元気に!さあ、早く外行くよ!!○○ちゃん、早く!○○くん、帽子かぶってないじゃない〜』なんて長々とは先生たちは言いません。先生自身が帽子を持って「外行こう!」と笑顔で誘います。それだけで、自閉症の子もそうでない子も意味が分かって、すぐ帽子をかぶって靴を履いて外に出ることができます。
年長になるにしたがって、周りの子は視覚支援がなくても口頭で指示が伝わることが増え、先生自身も段々と声掛けが主になり、自閉症の子たちが集団生活で浮き始めて、障害が分かるというケースは多いそうです。
「先生がつきっきりでうちの子を指導してくれればいい」ということではありません。こういう学校生活の中ででも、子どもが自信を持ってできるように、どのような配慮を事前に準備しておけるかが大切なのではないかと思いました。例えば、必要な教科書・ノートをチャックつきの袋で教科ごとにまとめておいてすぐ出せるようにしておくとか、プリント類は必要かどうか分からないものは家に持ち帰ってお母さんと分類していくとか、業間休みや昼休みの過ごし方を書いたマイスケジュールを持っているとか、黒板の写し方をお母さんと練習していくとか…。自閉症の子どもたちに、視覚的支援は本当にかなり有効です。その強みを生かして、子どもたちが困らないように、どんなサポートを用意しておくといいかを考え、準備してあげることも大切なんだなぁと思いました。
ぐんぐんキッズでも、お母さんから学校の様子を聞いたり写真に撮ってきていただいて、実際に子どもたちに様子を聞いたりしながら、どういう解決方法があるか、お母さんと一緒に考えて、子どもたち自身が「学校って楽しいな!」と思える学校生活を送れるようにサポートしていきたいと思っています。今後とも応援よろしくお願いします。
(ぐんぐんキッズ  松田 紗代)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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