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平成24年12月31日

 

 第176号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 176号 目次

     年の終わりに

     支援者養成セミナーの報告
         「服巻智子先生講演会」

     「教師・保育士対象 即実践講座」のお知らせ

     「クリスマス会」・「クローバーの会」報告

     「のびのびサロン」開所式

     「保護者のための即実践講座」お知らせ

     「母の想いを語る会」・「18歳の春を目指す親子療育クラブ」 案内と報告

     「サッカークラブ」・「水泳教室」・「OHAの会」 お知らせ

     私のお薦め本コーナー
        
 「毎日やらかしてます。

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
          「赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ」

     支援センター NEWS

     新聞記事のご紹介
            「のびのびサロン オープン」
            「発達障害児 スマホで支援」

耳を澄ますと、窓を通して、北風の鳴る音が、聞こえます。
窓の外には、凍える休耕田と実が少し残った柿の木が寒そうに立っています。
今年の寒さは、特別厳しく感じるのは、私だけでしょうか?
温暖といわれ、日本中で一番暮らしやすいといわれる岡山県南部地域ですが、冬はやっぱり・・・寒い!!
そんな木枯らしの吹く日に今年最後の会報を書いています。
育てる会の今年最後の講演会は、12月8日にオルガホールで行われた服巻智子先生の「自閉症、いじめ・不登校への支援」の講演会でした。
とてもたくさんの学びをいただいた講演会でした。
私たちの子どもたちの多くは、いじめにあう場合が多く、いじめをどうすれば減らせるかと学校の先生方も苦労をされていることでしょう。
それに、不登校が発達障害の子どもに多く見られるということも聞いていましたので、その二つについての講演会を先生にお願いしました。
年末の忙しい時期でしたが、多くの皆さんが参加して下さいました。
講演会の詳しい報告や感想は後のページで特集していますのでご覧ください。

さて、先月号でご報告した私のベルギー旅行について、知り合いの多くの方がこんな風に言われました。
「ヨーロッパで自閉症の研修があったのですか?」
「ベルギーでは、何の勉強をしてこられたんですか?」
誤解です!! なんだか、私の旅行は勉強に行くことしかないと思ってくださっているみたいですが、そんなことはないのです。
今回の旅行は、すべて、観光目的の旅行でした。純粋に遊びの旅行でした。
皆さんからは、よっぽど勉強好きだと思われているみたいですが、申し訳ないけれど、実は鳥羽さんは、とても遊びが好きな人なのです。勉強はそんなに好きな訳ではないのです。
でも、自閉症の事で判らないことは、知りたいので、勉強をしているというだけなのですよ。本当は、遊びも大好きなので、よろしくで〜す。
来年は、妹からまた姉妹でどこかへ行こうと誘いを受けております。
嬉しいような、困ったような…。忙しい事務局の仕事をほっといて出掛けるのは心苦しいというところです。
でも、イタリアやフランス、スペイン、スイス、それからナイヤガラの滝なんかも見てみたいな〜と、楽しいことに胸が躍る私です。

さて、皆さんにご心配をかけていた哲平の怪我ですが、再手術の後、少しずつ良くなって、先日はボウリングでも右手で投げてもいいというお許しが出ました。
今までのボールより軽い、9ポンドのボールを借りて投げてみると、なんとなんと上手に投げれるではありませんか。
9月頃から時々参加するようになったスペシャルオリンピックのボウリングです。
事故にあうまでは、120点ぐらいは普通に得点していたのですが、最近は、ガーターレスレーンで、しかも左手で投げていました。
哲平は、慣れない左手投げに、時々腹を立てて、「帰ります!」と言ったり、日頃はそんなことはしないのに、イライラから乱暴に投げることもありました。
そんな中やっと病院のドクターからのお許しが出て、右手で投げれるようになりました。
そして、12月22日の今年最後の練習日に、哲平は、久しぶりに100アップ。129点を取りました。
やっと復調です。ボウリングは、哲平の大好きな趣味の一つです。これからも続けることが出来そうで、やれやれです。
事故の為に、あきらめなければならないことは、それでも結構あります。
もともとかなづちの哲平は、プールで泳ぐと言っても、ビート板を持って泳ぐだけでした。手が伸びなければ、ビート板は持てません。
長年欠かさず行っていた水泳教室も行けなくなって久しい哲平です。
バドミントンは、手が上に上がらないので、多分もう無理でしょう。
さおり織りも少し横に振る手の動きが痛いらしい哲平には、難しいようです。
そんな中のボウリング復帰は、嬉しい嬉しいニュースです。
10月の蒜山のマラソンは、今年は入賞を逃したので、残念でしたが、よーく調べてみると、去年よりタイムをあげていたとのことでした。走りもすっかり復調です。
病院も来月にもう一度だけ日赤病院で見てもらうことで、一応完治ということになりそうです。
交通事故で、ヘルメットをかぶっていなかったら、多分脳挫傷で命もなかったかもしれない哲平でした。それがいまでは、職場復帰して、スポーツが出来るようになりました。
失ったものは、多かったけれど、得たものも多かったように思います。
当たり前に思っていたことが、実はとてもありがたい事だった事に気付かせていただきました。
健康、元気でいること。これがどれほど大切で尊い事かを、この一年で痛感しました。
そして、神さまの確かに見守りを感じた一年でもありました。
運転を誤って、旭川の土手を哲平と一緒にワゴン車で転げ落ちたのは、14年前の12月でした。
その時にも思ったのですが、生かされているのは、まだこの世で何かしらの役割が残っているからだと思いました。
今回のことも、同じようにこの世界で哲平のお仕事はまだあるということではないでしょうか。
神さまが、あの時死んでいたかもしれない哲平を、救ってくださったに違いないと私は、信じているのです。10mも飛ばされながら、腕を折るだけで済んだのは、そうとしか思えないのです。哲平には、まだこの世界でなすべき事が、あるということ、救われたということはそういうことだと思うのです。
私は、その哲平のサポートを今しばらくはしたいと思います。
神さまに感謝しながら、生かされている事を喜びながら、その喜びを果たすべき仕事に向けて行く力にしていきたいと思います。

さて、12月13日には、「のびのびサロン」という親子が集まれるスペースを事務所のある建物の中に作りました。
「のびのびサロン」という名前の由来をお話したいと思います。なかなか開所が出来ず、延び延びになったから、のびのびサロン
という訳ではありませんよ。
この場所は、自閉症の子どもを持つ母親たちが、ゆっくり集まって、のびのび過ごして欲しいという思いで作りました。
いつ来てもよくて、子ども連れでOKという場所は、なかなかありません。しかも私たちの子どもは、自閉症です。
私の子どもが小さかった時、連れて行く場所は、どこにもありませんでした。
よく小さい子どもを持つ母たちは、公園デビューに苦労するそうですが、ここで一番難しいのは、お母さん達との関係作りだとか・・・。
我が子が小さい頃は,公園デビューというような言葉はありませんでしたし、私の住むこの和田という地域には、そもそも公園がありません。でも、上の兄弟と一緒に行く子ども会や、幼稚園への送迎などが、ちょうど公園デビューと同じようなものではなかったでしょうか。
みんなの中で、落ち着かずひと時もじっとしない息子に周りのお母さん達は、「どうしたん、この子??お母さんどんなしつけしとんの?何とかしてよ〜」というような非難めいた目で見られたものでした。
他の子ども達と一緒に何かをするというようなことは何一つ出来ませんでした。
ですから同年代の子どもの集まる場所に連れて行くのは嫌でした。周りの子との違いに私は、傷つきました。障害児の母であるという事実を、突きつけられるようで、辛かったです。
子どもたちのいない、田んぼのあぜ道や小川の周りを、散歩して時間を過ごしました。
当時の私は孤独でした。
20年以上も前のお話です。今のお母さん達は、行く場所もたくさんあるようです。児童館や、子育て支援センターが、各所にあります。
ところが、こんな話を聞きました。
支援センターや、児童館でも、何をやらかすかわからない子を連れて行くのは、気が引ける…というのです。今も同じような悩みを抱えている人が、いるんだなと思いました。
そういえば、哲平が、彼独特の訳わからない声を出した時、こんな声ですけれど・・・、
「ウミャミャ〜」
若いお母さんが、さっと我が子をかばうようにされた時、悲しかったっけ・・・と思い出しましたね。今も気楽に出かけられないのかもと思いました。
私たち育てる会の活動の原動力は、自分たちの辛かった時と同じような親子を作りたくないということです。
今、行き先がなくて困っている人がいるとしたら、のびのびサロンへ来ればいい。
そんな場所になればいいなと思います。
のびのびサロンは、いつでも安心できる皆さんの場所です。
いつでもいらしてください。イベントも色々考えます。研修会や座談会もどしどしやろうと思います。趣味の会もあったらいいなと思います。
理事会で母親クラブなんてあるといいねというような、お話がありました。
ここを使って色々なことが出来たらいいなと思います。たとえば、手芸やお料理、パン作り、フラワーアレンジメント・・・なんでも出来ますよ。
いつも誰かが来ているというような、そんな場所になったらいいですね。
でもね、ここへ来れるのは、自閉症の子どもの親だけです。
定型の子しか持たない人は、御断り! 定型発達の親子は、ここでは、差別しちゃおうと思います。
どうか、皆さんここをご利用ください。
初めは、利用者も会員の人が多いと思いますが、会員以外でも、どなたでも利用できる場所にしたいと思っていますので、はじめてこられた方にも、親切にしてあげてくださいね。
今日の為に、NTN岡山製作所が40万の寄付をくださいました。そのお金で、家具やおもちゃを買いました。
この後、水回りを少し綺麗にしようと思います。
お金を足して、看板を新しく作ることも出来ました。
それから、育てる会のクローバーの会の子どもたちがお花を植えてくれました。
Tさんが、ペンキを塗ったり掲示板を綺麗にしたり色々手伝ってくださいました。
Nさんご夫婦が、ガラス窓は危ないからと、アクリル板に変えてくださいました。
事務局スタッフが、いつもよりきれいに掃除をしてくれています。
県のペアレントメンターの研修を終えて、お母さん達の相談に乗れるよう勉強もしっかり済ませました。
大勢の方のご協力で、準備はバッチリです。そんなのびのびサロンの開所です。
看板を新しく取り付けるのに際し、この今まで太陽の家と呼んでいた建物の名前を新しくしようということになりました。
太陽の家とは、本来建物の名前としてつけたものでした。
8年前、親たちで作った作業所の名前は、太陽の家にちなんで、太陽の家作業所としました。
地域の中では、ここ10年ほどですっかり定着した名前でした。
ところが、太陽の家作業所が、赤磐市西中に移転をしたことで、話はややこしくなりました。消防署から太陽の家という名前が市内に二つあるのは、困ると言われたのです。
そこで、考えた名前が、「おひさまハウス」です。太陽=おひさま。家=ハウスです。
子どもたちには、わかりやすい可愛い名前でいいでしょう?
それにこの名前、どこかで聞いた事があるような気がしませんか?
「光と ともに・・・」(戸部けいこ著)の光君が通っていたデイサービスの名前です。
亡くなられた戸部さんの想い出に・・との想いもありました。
いい名前を勝手にいただいて、命名しちゃいました。
おひさまハウスには、1階に自閉症児を育てる会の事務局と、のびのびサロンがあります。そして、2階には、児童発達支援の事業所「赤磐ぐんぐん」があります。
駐車場も広く、外は、休耕田で、周りには遮るものはありません。つまり、おひさまハウスには、太陽がさんさんと降り注いで、みんなが幸せになるような雰囲気があります。
春には、クローバーの会のみなさんが植えてくださったお花が育って、きっと花いっぱいになることでしょう。
このおひさまハウスを中心に、自閉症の子どもたちの理解や活動も、広がっていけばいいなと思っています。これからもどうか、よろしくお願いいたしますね。

ところで、年末には、いくつか忘年会がありました。
最初は親しい友人との恒例の忘年会と称する(忘年会でなくても、何度も食事に行っています)お食事会です。
とりとめもなく、最近の話から想いで話まで、時間を忘れてゆっくりしました。こういう時間が私にも出来たことが、ありがたいですね。昔は、友達とお話する時間も家を空けることも出来なかったものでした。哲平が、育ってくれたおかげでしょうね。
次は哲平の働くNTNテクニカルサービス夢工房岡山の仲間と家族合同の毎年恒例の忘年会です。カニとシャブシャブとバイキングでお腹イッパイ、食事の後はカラオケにも行って楽しくなごやかな会でした。
3番目は、赤磐市の街づくり塾の皆さんとの飲み会でした。
私の住む赤磐市を良くしたいとの想いから集まった有志の集まりです。赤磐市は、人口4万5千人余りの小さな小さな街です。
この小さな街は、このままで行くと夕張のように財政破たんをすると言われているのです。どうにかしないとこのままでは大変です。
私は、この地に住んで39年。兵庫県より嫁してすぐに住み着いたこの街を、住みやすい街に何とかしなければとの想いで、参加した街づくりの会でした。
志を同じくする熱心な人たちと、この街を明るい住みよい街にする為に、頑張らねばと活動をはじめています。
市の職員さんや、講師の先生も一緒にお酒を飲みながら街の将来を語り合いました。希望は、あるのです。皆が力を合わせて行けば、どんなことでも叶うはず・・・。それを信じて、頑張りましょう・・・、とお話は尽きない夕べでした。
次にあった忘年会は、(どんだけいくんや〜)昔お世話になった方と、今お世話になっている方との4人だけのこじんまりとした女子会(おばさん会かも・・)でした。
話しは、昔話から、現在のそれぞれの仕事場での悩みや、想いをじっくり話せた、とてもいい集まりでした。仕事場も違うし、悩みも多様ですが、共通の思いは「いいことがしたい」ということでしょうか。
自分の置かれた場所で、精いっぱいの事をしたい。それが、あの日のみんなの想いだったように思いました。
それぞれの場所で、いい花を来年こそは、もっといい花を咲かせましょう。
来年の集まりがまた楽しみになったそんなそれぞれの忘年会でした。
日本に忘年会があるのは、いいですね〜。
1年間の反省と、来年への想いを新たにするというのもいいことでしょう。
そして、別れ際に「よいお年を〜」と言って別れるのですね。
いい風習だと思いますね。
来年こそ、生まれ変わって、頑張ろう!!そんな想いで、皆さまに今年最後のご挨拶です。
皆さん、今年1年ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
どうか、よいお年をお迎えくださいね〜。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)

 佐々木正美先生の講演会を聴きに行くツアー 参加者募集!

佐々木先生のセミナーが2日間にわたり東京で開催されます。
先生のお話をこんなにしっかり聴けるチャンスは少ないので、ぜひ参加したいと思っています。せっかくの機会ですので、どなたか一緒に行きませんか。
1人だと、22,000円のところ、2名以上で21,000円、5名以上だと1人20,000円と割引もあります (^.^)

  『 第142回 国治研セミナー TEACCHプログラムに学ぶ自閉症・発達障害への支援 』

  日 時:平成25年4月20日(土)・21日(日)
  場 所:全電通ホール(東京都千代田区神田駿河台3‐6)
  講 師:佐々木正美先生(21日午前は梅永雄二先生)
参加ご希望の方がおられましたら、事務局(Tel.086-955-6758)までご連絡ください。
(鳥羽 美千子)

支援者養成セミナーの報告

平成24年12月8日(土)、佐賀より オーティズム・リサーチ&コンサルタンシー代表の服巻智子 先生をお招きして、「平成24年度 第4回(第69回)自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー」を岡山市奉還町のオルガホールにて開催いたしました。
今回のテーマは「自閉症、いじめ・不登校への支援 〜子どもたちの人権を守るために〜」というテーマで、コミュニケーションや社会性の弱さから、ともすればいじめの対象となりやすい子どもたちを守っていくための支援方法などを具体的に教えていただきました。

当日の報告や、感想が寄せられているので、みなさんにもご紹介します。


12月8日(土)に開催された、佐賀県の服巻智子先生の講演会「自閉症 〜いじめ・不登校への支援〜」に参加してきました。
自閉症支援の第一人者として、いじめ問題について10年来研究してこられたお話を、この岡山でお聞きできるということで、当日は保護者や教育関係者はもちろん、行政関係者・医療関係者・福祉関係者など、色々な立場の方で会場は埋められていました。
簡単にではありますが、その中から少しお話を紹介させていただこうと思います。
服巻先生は、最初に「発達障害」について分かりやすいお話をしてくださいました。ひとくくりに発達障害といっても、それは法律上の名前であって、(身体障害や知的障害の人も「発達に障害がある」という点では同じかも)LDやADHD、自閉症スペクトラム障害の方など、診断名が細かくあり、その診断名がはっきりしないと支援が成り立たないとお話されました。特徴として似ている部分もあっても、診断名によって支援の道筋が違うから、診断名をきちんとハッキリさせることが支援の第一歩だとお話されました。
自閉症を治して治療してくれるという薬(飲む・注射・ふりかける・吸入する等)は、存在しない。自閉症の人への優れた治療法・支援法はただ一つ、教育支援だけだというお話のあとで「こう言うと、時々落ち込んでしまうお母さんもいるけど、どうして落ち込むのでしょう?自閉症の人たちは、誰よりも誠実でまじめで一生懸命でしょう?その良さを伸ばしましょうよ」とお話され、本当にそうだなあと思いました。
また、お薬については、自閉症そのものに効くお薬は存在しないけれど、例えばPMS(月経前症候群)で女性はイライラ・ピリピリして不安定になったときに薬に頼るように、思春期等でホルモンバランスが崩れて不安定になっている際、ピンポイントでそこだけに効くお薬というものであれば使用を考えてもいいかもしれない。でも、自閉症の人たちは私たちの脳と違っているから、効きにくかったり逆に効きすぎてしまうこともあるから、気を付けて使用を考えた方がいいですねというお話もありました。
いじめについてのお話では、具体的にエピソードを交えながらお話してくださいました。
お話の中で、教師のいじめについても言及され、教師自身の偏見・臆病さ・言葉の使い方や選び方・接し方・感情コントロールなど、教師が発端になっていじめが始まったり、いじめを助長する可能性があるお話もありました。
具体的に「みせしめの教育」という「○○くんがイライラしない方がいいと思う人〜」と周りの子の挙手を促すような言い方をしたことで、自閉症の子が大爆発してしまったというエピソードを紹介され、
「周りの子に『ああいうことをすると怒られるんだ』
ということを示して注意喚起する、簡単なやり方がみせしめ。でも、それを続けていくことで、言われた子がどう感じるか、どんなふうに傷つくか。教師もだけど、兄弟や親せきと比べたり、家庭の中でもあり得る状況」というお話では、私たち自身がいじめに加担している可能性についてのお話に、うつむく参加者も多くいるようでした。
また、いじめられやすい子というお話では、「一人でいる子」「会話がうまくやれない子」「勉強がうまくやれない子」「できすぎる・やりすぎる子」など、いずれもほとんどが自閉症の子どもの特性にあるものばかりで、自閉症の子がいじめられやすいんだというお話にもつなげて紹介されました。
75%以上の発達障害の人がいじめに遭っているというデータから、「いじめという緊張関係におけるアプローチと、発達障害の特質からのアプローチという両面から支援していかなくてはいけない」とお話されました。
いじめに立ち向かうためには、
@ 大人の考え方を示す…本人が嫌だと感じることは、「からかい」「遊び」ではなく、いじめであると認識し、どんな時でも本人の味方になることが大切。「やり過ごそう」「無視したらなくなるよ」は絶対に禁物で、いじめがそこにあるという存在を受容してはいけない。何らかの行動や反応を返すことが逆効果になる可能性は少ない。
A 大人の姿勢を示す…いじめには、大人が必ず介入して解決しますよ!ということを示し、また実際行動することで、子どもから信頼をもらうことができる。
B 子どもの特性・発達障害の特性の再確認…年齢や周りの環境でも、いじめの内容は変わってくる。
例えば受動型の子は、主従関係に陥りやすく、女性は性犯罪に巻き込まれるケースもある。
孤立型の子は、ハッキリしたいじめ(仲間外れ等)に遭いやすい。
積極奇異型の子は、相手のスイッチ(逆鱗)を押しやすい。
特性やその人の個性によって、いじめの中身が違う。
C 子どもへのアプローチを変える…いじめは子ども社会では起きるもの。でも、絶対に放置してはいけないということを、明確にしましょう。
D 価値観を変えていく…いじめられている子もいじめている子も周りで見ている子たちも、皆の価値観を変えて「良い大人になるためにどうしたらいいか」と考えるようにしていくことが大切。
E 皆で役割を担いあい、断固行動する!…大人は介入するし、必ず行動するんだということを見せましょう。
F ゼロ・トーラレンスを徹底する…いじめは1個でもあってはいけないという気持ちで取り組まないと、なくならないですよ。
とお話されました。
また、ワークブックを使いながら、いじめられている子、いじめている子、その他大多数の人たちに教えていくやり方を具体的に紹介してくださり、
「いじめをした人・加担した人は、大人になっていじめられる側になったり、軽犯罪の加害者になる率が高い」
「皆良い大人になりたいと思っているんです」
「だから、良い大人になれるかどうかは、今この時が大切なんだ。僕の今の行動が、いい大人になれるかなと皆が思えるように、支援してあげれば、きっといじめ問題は解決できます」
「まずは大人(教師や親)を育てる→大多数の子を育てる→自閉症の子を育てるという流れで」
とお話され、服巻先生のお話本当に勇気づけられる思いがしました。
不登校のお話では、自閉症の人たちは、因果関係に気づきにくいので、いじめられたことが不登校には直結しにくいですが、いじめが存在して、それの被害に遭っているということを大人が信じてくれなかったり、寄り添ってくれなかったり、「学校に行くことこそに意味があるんだ」という価値観を押し付けられたりすると、より一層学校へ行けなくなるというお話をされました。
周りに絶対的に信頼してくれている人がいるという安心感・よりどころがないと、そのことに絶望してしまい、どこにも行けなくなってしまうケースがあるんだというお話がありました。
行き渋りが始まった際には、心の安全・安心をまず保障して、「学校には無理して行かなくてもいい」「でも勉強はしよう、今しないと損をするよ」ということを伝え、フリースクールでも家庭教師でも塾でも、本人にあった居場所+スケジュールがきちんとあるところで、日中活動することが大切とお話されました。
「どんなに長くても、必ず復帰はできます」「ただ、その間 親も教師も焦らずに」「本人のペースを見ながら、勉強を続けていて学力的に問題がなければ、小学校行けなくても中学校から、中学校も行けなくても高校からというように区切りで行けるようになるケースも多くある」とお話されました。
たくさんの質問にも丁寧にお答えいただき、どの解答にも「なるほど」とうなずくことの多い先生の実践の多さを感じられる講演会でした。
服巻先生の暖かな自閉症の人への思いを感じ、寒い12月の一日が、心豊かで幸せな気持ちになれる一日になりました。
服巻先生、本当にありがとうございました。また来年度もぜひ岡山で講演を聞くことができることを、一ファンとして心から願っています。
(ぐんぐんキッズ:松田紗代)

【 保護者の方のアンケート 】

・先生の話を聞いていて、わが子にも気にしないで、とか、あなたにも何か悪かったところがあるんじゃないの?と言っていた自分がいたことに気がついて、わが子につらいことを言っていたなぁと申し訳ない気持ちになりました。まずは大人の考え方を正して、改めて考えていきたいと思いました。もっともっと子どもの気持ちに寄り添っていきたいと思いました。
・いじめに対して障害の特性をふまえてのお話が分かりやすく、とても勉強になりました。私自身知らないことも多く、もう少し危機感をもっておいた方がいいと思いました。息子が1年生の今こそ、この問題に真剣に向き合っておかなければと感じました。服巻先生の優しさとユーモアあふれるお話がとてもよかったです。未来に希望が持てるようなお話の仕方がとても好きです。
・「見せしめの教育」ということ、先生にも我々のような保護者でもありうるだろうなぁ…と思い、日々の言動を慎みながら、本人が傷つかず「大切に思われている」「安心が出来るんだ」という場所、存在でありたいと本当に思いました。
まだまだ分かっていないなぁ…勉強頑張りたいと思います。
・最近、子どもの友人たちがいじめにあった話を聞いたばかりで、わが子がそのような状況になった時にどうすればよいのか考えていたので、親のあり方、子どもからの状況の聞き方など、すごく参考になりました。コミック会話は去年の講演会でも聞いて、わが子も字が書けるようになってきたので取り入れていきたいと思いました。また、今の時代、親の介入が不可欠だと聞いて、やはり親の姿勢が大事だと思いました。
・子どもが友達にいじめられたことを訴えてきた時がありました。その時上手に受け止めてあげられなかったので、とても後悔しています。今日先生の講演をお聴きして、改めて「大人は介入するんだ」という強い意志で立ち向かおうと思いました。学校にも働きかけようと前向きな気持ちになりました。具体的に子どもたちにどのように指導すればよいのかよく分かりましたし、今日の内容をまとめて、先生方に学校をあげて考えてもらえるよう、話そうと思います。いじめが起こる前からの対策が重要だと思います。
・わが子がいじめられている現実でいっぱいいっぱいだったのに気づきました。本人がいじめられていると思えばいじめであることも、いじめに証拠が出ないことも知っていましたが、周囲の大人にどう対応してもらうべきなのか、いつも困っていました。大人の対応が絶望させている、と言われたのは息子に当てはまりました。高校に行けなくなって半年後、「あの時の先生の言葉でもうダメだと思った」と言ってくれて気持ちが判りました。おまけに、「ああいう時にお母さんは暴れてくれたらいいんだよ?」だそうです。まいったな。
・見せしめの教育、心が痛くなりました。子どもの頃も、大人になってもよくみられることであり、それが悪いことだと思っていないと思います。親の立場、職場の立場でも反省させられた内容でした。
・子どもが「いじめられた」と思っている心の傷をこれから少しずつでも寄り添って癒し、守っていけたらと思います。そのための具体的な方法が分かってよかったです。いじめについての具体的なお話がとても分かりやすかったです。
・いじめ・不登校・トラウマ、すべて大人の対応が重要だと教えていただき、親としても、子どもを守っていくうえでもっともっと頑張っていきたいと思いました。子供とのコミュニケーションを大事にしたいと思いました。ありがとうございました。

【 教師・保育士の方のアンケート 】

・自分を含めて、大人がもう一度いじめの定義から勉強しなおさないといけない。感覚を研ぎ澄まさないといけないと反省です。正直、学校ではからかい、ふざけがいっぱいです。今日のお話で聞いたことをいつも心に強く持っていたいと思います。
・いじめの定義、対応の基本的な姿勢等、何度聞いても良い。忘れてはいけない大切なことだと思います。その子のことをよく知ろう、寄り添った支援をしよう、簡単な言葉ですが、毎日実践を続けることは難しいです。それでも、そこからしか拓けないということがよく分かりました。
・いじめのタイプや対処法は具体的で、実践に生かせると思いました。不登校の事例について、どのように考えたらいいか判断に困っていましたが、少し理解できたように思いました。学校教育の中だけでは解決できない課題について、解決の糸口になる情報をいつも教えていただき感謝しています。ありがとうございました。
・自閉症の子たちが合ういじめの深刻さ、その原因にもなりうる自閉症の特性などについて聞けたこと、とても学びになりました。まだまだ自閉症について知りたいです。本でいろいろ見て分かったつもりでいることがこわいです。
分からないことが分からない。気になる子に本当の支援ができるようもっと学びたいです。
・見せしめの教育…本当に怖い…私もやってしまっていました。今まで関わってきた子どもたちに申し訳ない気持ちでいっぱいです。今日改めて、これからの保育、支援がすべての子どもの思いを尊重できる大人になりたいと思いました、自閉症スペクトラムの子どもたちも含めた子どもたち(日本の国の宝)に携わる私たちにとって、何か少しずつでも「いじめ」やその不安の中にいる子どもたちの助けになる行動ができることを、たくさん具体的に教えていただいたことがよかったです。ありがとうございました。

【 その他の方のアンケート 】

・いじめについて、いじめる側にも心の弱さがあること、三者(いじめる側、いじめられる側、大多数の人)みんなが幸せになれる、いい大人になれる、というお話がとてもよかったです。子どもたち皆に真摯でありたいと心から思いました。(療育スタッフ)
・難しく、デリケートな「いじめ」についてのお話でしたが、自分自身の数十年前のことを思いつつ先生の話を聞き、改めて、時代は、子どもたちは変わっていることを実感しました。決して見過ごすことなく行動できる大人でありたいと思います。(支援員)
・いじめられやすい子と、自閉っ子との特性がマッチングする様子がはっきりと見えて、これらのリスクを負う子たちへの支援が、事前に、状態が悪化する前に必要だと感じました。(相談員)
・来てよかったです。障害の理解だけではなく、人として大切にすべきことを聞けると、立ち向かう力が持てるという感じ。心から応援します。(行政職員)

教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ

【即実践講座 基礎編】 
☆第8回☆ 「社会性の支援」
      平成25年1月11日(金)19:00〜20:55
      岡山県生涯学習センター 大研修室
【即実践講座 アドバンス】  
☆第8回☆ 「社会性の支援」
      平成25年1月17日(木)19:00〜20:55 
      岡山県生涯学習センター 大研修室

クリスマス会 報告

12月16日(日)、岡大体育館にてクリスマス会を行いました。
岡大児童文化部の皆さんに準備から片付けまで、全面的に協力していただきました。
いろいろな場面で子どもたちやボランティアさんの笑顔が見られ、今年も安心して楽しめるクリスマス会ができたように感じました。

参加された方の感想の一部をご紹介します。


・慣れた場所、慣れた雰囲気のクリスマス会だったので、とても楽しみにしていましたし、当日も楽しんでいました。プレゼントは本人の好きそうなものを親が準備できるので、子どもも大喜びしていました。また来年も行きたいと今から言っています。
・本会でのクリスマス会は初参加でしたが、親自身気兼ねなく参加できてよかったです。ブッシュドノエル工作では、年長の息子でも楽しく作れたのでホッとしました。
子どものそばでやさしく言葉かけをしてくれた学生さんがありがたかったです
ビンゴでは、次男が最後の最後でビンゴになりましたが、周りの学生さんたちも応援や声掛けをしてくれて不安になることなく終われました。以前は数字がなかなか出てくれないと怒っていましたが、無事に終われて成長を感じました。また来年も参加したいです。
・どのコーナーも長すぎず、短すぎず、よくまとまっていたと思います。人形劇もわかりやすくてよかったです。クリスマスをイメージしやすいBGMなどがあってもいいかなと思いました。
・ボランティアさんがすごく優しく接してくださって、子どもがにこにこでした。雰囲気がよかったです。

そのほかにもたくさんの感想や、「こうしたらもっといいかも」「ここは難しかった」などのアドバイスもいただきました。来年度の参考にさせていただきます(ありがとうございます!)。当日、手が空いた保護者の方に手伝っていただくこともあり、とても助かりました。来年も素敵なクリスマス会を開催できたらいいなと思います。

「クローバーの会の報告」

12月2日と9日の二日間にかけて、クローバーの会のメンバーと事務局のスタッフTさん親子で、おひさまハウスの花壇の花植えを行いました。
タイムに朝10時集合し、花を買うところからスタートし、草取りをしたり、土を耕したり、広いスペースの花壇で大変な作業でしたが、皆疲れることなく花を植えることができました。
皆さんもおひさまハウスへお越しの時は、ぜひご覧になってくださいね。
以下は参加者からの感想です。


・初めてのボランティア企画にメンバ−が快く賛同してくれて、道具・土・肥料などの手配など協力体制もバッチリで、スムーズに活動できて本当に有難く嬉しかったです。子供たちも大変手際がよい慣れた手つきで、テキパキ作業してくれて、とてもビックリしました。我が子は、みんなが大きなスコップを扱っているのを見て、初チャレンジしましたが、なかなかうまくいかず、本人も「スコップが難しかった。」と言っていました。何事も経験だなあと感じました。今後も継続してやっていければと思います。春に咲くチューリップを楽しみにしています。
・お花を植えた日、我が子はやる気まんまんで、頑張っている姿を見て、成長を感じました。感想を聞くと、みんなで植えた花を、また見に行きたいなあと言っていました。
・寒かったけど、久々に畑仕事をして楽しかったです。お花がきれいに咲くのが楽しみです。喜んでもらえたらいいな。
・久々のクローバーの会に参加できて、我が子はとても喜んでいました。またお花を植えに行きたいと言っていました。
・今まで遊ぶ楽しみを中心にして来た活動にボランティアをプラスし、また就活に繋がる企画で、とても有意義な活動だったと思います。娘の通う高校は、校内でも校外でも本人の経験値が実習の評価に繋がる事も多い為、家族だけで補えきれない部分の経験が出来たと喜んでいます。当日は時折雪の舞うなか寒かったけれど、作業内容・流れに添って頑張っていましたね。今まで余り話をしなかったお友達とも楽しく会話出来ていて、また成長したかなと思えました。春に可愛い花が咲きますように。
・ちらつく雪を見て中止にして帰りたいと、車から降りるのに時間がかかりましたが、慣れ親しんだメンバーの姿に取り組む気持ちを持つことができました。花の買い付け・土作りなどの初めてのことも、休憩時にお菓子を分け合ったことも、お昼ご飯を食べたことも全てが楽しかったそうです。仲間の力を母はとても嬉しく思いました。みんな本当にどうもありがとう。

「のびのびサロン」 開所式

会報の最後の新聞記事紹介にもあるように、12月13日(水)に新しく「おひさまハウス」と名前をつけた、事務局1階の一角に「のびのびサロン」がオープンしました。
発達障害児を持つ保護者の方が、子ども連れでも気軽に立ち寄れ、おしゃべりできるスペースです。
小さな子どもが走りまわっても安全なようにと、扉のガラスをアクリルに変え、おもちゃもいろいろ取り揃えています。
発達障害関係の書籍もたくさんありますので(貸出は正会員の方だけですが)、時間があればお茶でも飲みながらゆっくりしていってください。サロンの利用は会員の方だけでなく、発達障害児をお持ちの保護者の方であればどなたでも利用していただけますので、お友達も誘ってぜひおいでください。
新聞には「県の研修を受けたボランティアスタッフ4名が常駐し、母親らの相談に応じる」と載っていますが、相談支援の事業所という訳ではなく、事務局スタッフが県のペアレントメンター研修を修了したお母さんたち・・・ということですので、気楽にお茶でも飲みに寄ってください。
代表以下、事務局員も事務仕事の手がすいていたら、できるだけ話し相手をさせていただきます。
オープンを控えて、前の記事にあるように、クローバーの会のみんなが、きれいな花をおひさまハウスの周りに植えていただきました。
また、この機会に看板も新しくつけましたので、遠くからの方も迷われないと思います。
のびのびサロンの開所式に参加していただいたお母さんからお便りが届きました。

のびのびサロン開所式にお招きいただきありがとうございました。
子供の何かおかしい、に気がつき、そんなはずはないと否定し、お母さんのせいではないと自分をごまかし、でも事実を受け入れ子供たちの為に届くことをしてあげようと決心するまでに何年もかかりました。
代表に相談電話をして、子供たちは地元で療育に、親は育てる会の講演に少しずつ参加し始めました。
はじめは多動がない知的に遅れのないわが子が療育にすすむのは気が引けていたんです。見た目に障害がわからないとよそからはいつも言われました。差別をうけているような気もして寂しい思いはあちこちでしたけれども、育てる会では高機能自閉症がきちんととりあげられており物言えぬわが子、困り感のあるわが子のかわりに勉強をむさぼるようにさせてもらいました。春からはぐんぐんにも通うようになり、親の集まる会にもどんどん顔を出しています。ここには私の居場所があります。
自閉圏でネガティブな考えの親です。仕事でも地域の親の間でもいつも自信なさをもっていました。子供に申し訳ないからいろいろなことをしてあげたいと、ここにくれば私の声を聞いてくれる方がいるからと、遠い道も遠くなく通い続けました。  
 いつしか私自身の発達障害の特性もわかるようになり、立派な自閉症の先輩として、子供たちの前を歩きたいなと思えるようになりました。
 少しずつ少しずつ、母親の迷い、想い、子供たちを受け入れてくださって、子供たちをしっかり育てるスタンスがいつもぶれない育てる会。あったかいんです。安心して悩みを持ち込めるんです。そしていつも子供たちとお母さんの味方なんです。鳥羽代表はほんとうにいい会を作ってくださいました。そして、私に人生の先輩としていろいろと教えてくださって、発達障害はすばらしいと思えるようになりました。代表のように明るく美しく胸を張って生きたいです
お料理やフラワーアレンジメントも素敵です。親自身がいきづらさがあったり、無力感自己肯定感が低いので笑顔になれる場所をたくさん考えていただけて育てる会が大好きです。 
そして、私のやりかたで会のため社会のため子供のためなにかお役にたてるようになりたいと思います。 温かい出会いをありがとうございました。
(F母)

『 第8回 保護者のための 即実践講座 』

日 時: 平成25年1月29日(火) 10:00〜12:00
場 所: 赤磐市社会福祉協議会 (赤磐市河本778-1山陽総合福祉センター内 Tel.086-955-8877)
講 師: 重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
対 象: 育てる会正会員
参加費: 全10回 10000円(欠席の際はDVDを貸し出します)
申 込: 育てる会事務局 Fax.086‐955‐6748
保護者のための即実践講座も、残すところあと3回となりました。
欠席者の方にはDVDをお送りしていますが、やはり生で先生のお話を、それもみんなと一緒に聞いた方が、聴いたお話が身につくように感じています。
都合のつく方は、少々無理をしてでも、ぜひご参加をお勧めします!!
それでは、「第7回 余暇支援」の感想が届いていますのでご紹介します。

 余暇の例のひとつとしてアイロンビーズのお話が心に残りました。ビーズを並べた後アイロンを子ども自身が出来るのか、そうでない場合は大人にアイロンをしてもらうよう注文をさせているかなど工夫してみること、また、水を使うアクアビーズのように子どもの力で最後まで完成できるよう、取り組み方を変える方法もあるとのお話でした。
 まるで、わが家の様子を見てお話されているかのような気がしました。実際、わが家では、子どもがビーズを並べ終わる頃に、「できた?お母さんがアイロンしようか」と私の方から声をかけていました。早速、ビーズを並べ終わったら私を呼んでもらえるよう、「アイロンしてください」のメモをテーブルにはりました。子どもは私をちゃんと呼んでアイロンしてくださいとお願いしてくれました。とても嬉しく思いました。
 それから、作品完成後の片付けですが、「お片づけしておいて」とやはり声をかけて片付けさせるか、子どもが片付けない場合は私が片付けてしまっていたので、今度は、片付けも子ども自身ができるようにしようと思いました。
 のびのびキャンプ教わった指編みマフラーを今も時々編んでいます。優しく根気強く教えてもらったのだろうと思います。本当にありがとうございます。
 このマフラーなのですが、「きれいじゃない」と、いつも途中で毛糸をほどいてしまい、完成に至らないこととが多いです。「上手にできていると思うよ」と言っても、何度も何度もほどいてしまいます。タイマーで終わりを知らせているのですが、「できてない」と終われません。子どもが(私も?)気持ちよく終わるにはどうしたら良いでしょうか。教えてください。よろしくお願い致します。
(O母)

『 母の想いを語る会 』

12月11日(火)岡山市の中心部の街中にある、福祉ホーム「広瀬町 仲よし」を見学させていただきました。
先月の藤工房の見学会にも参加された方も多く、子どもの将来の暮らし方を考える一つの選択肢となったのではないでしょうか。
それでは参加された方からの感想を紹介します。


 見学中には分からなかったのですが、後でいろいろ考えて、一番に思ったことは、私はまだ覚悟が足りないのだということでした。以前から、娘用のグループホームを作って、支援を受けながら幸せに暮らしてもらいたいと思っていました。主人や私が歳をとって体力的にどうにもならなくなってからではなくて、私たちが元気なうちにグループホームが上手く運営されていることを確かめられるよう早い時期に家を出そうと思っていました。私たちではない、ほかの人に託せるような子どもに育てなければと思っていました。今でも、そう思っています。でも、どうやら、それを寂しく感じる私もいるみたいです。
 仲よしは、とてもきれいな建物で、設備も衛生面も素晴らしかったです。1階部分に地域に開放された食事の場があることもいいなと思いました。バス停にも歩いていけるだろうし、岡山駅や大きなお店も近いし、便利な場所でした。子どもが歳をとって身体が不自由になってきたらどうするかという問題は残りますが(仲よしだけでなく、きっと他のところでも残る問題ではないでしょうか?)、本当に良かったです。

とても立派で、清潔感のある、洗練された感じの設備ですばらしいなと思いました。
入居者の方のことを、熱心にとてもよく考えてくださっているのだなと感じました。
立地を街中にしている理由もお伺いして、納得できました。
交通の便がよければ、自立して通勤することもできますし、地域の中で生活していくこともできるなと思いました。
一昔前のこういった集団生活のホームは閉鎖的なイメージをもたれがちだったと思うのですが、そういった感じはまったくなく、
実際、一階のカフェにはたくさんのお客さんがこられていて、地域の憩いの場となっているのを感じるなど、地域に対してオープンな印象を受けました。
ちなみに料理もとてもおいしかったです。
こんな感じの明るい、オープンな福祉ホーム、グループホームが増えていくといいなと思います。

「18歳の春を目指す 親子療育クラブ」

12月13日に、中学生、高校生の二人の男の子をお持ちのお母さんを、お二人お招きして、お話を伺いました。感想が寄せられておりますのでご覧下さい。


今日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
お二人のお話、それぞれ良かったです。学校選び、部活、通学方法、交流の様子など、おさえておくと良いところを教えてくださったり、お子さんの学校生活での困ったことをどのように先生方に相談していったかなど、具体的にお話してくださり、とても勉強になりました。あっという間に時間が過ぎてしまい、もっとお聴きしたかったです。

次回の18歳では、先輩お母さんのお話を聞かせていただく第二弾として、中学1年生のお子さんをお持ちのお母さん方をお招きしております。地域の学校、支援学校と様々に進んでおられますので、色々なお話を聞かせてもらえるのではないかと思います。

 ・お子さんの中学生活について、小学校と異なることは?
 ・小学→中学への進学時に、中学校にどんなことを、どんな風に伝えていったか
 ・入学までにしておいた方が良いと思われること

などお話をいただき、その後座談会を予定しています。お子さんが小さいお母さん方にも、いつかきっと役に立つと思いますので、ぜひご参加ください。

また、合わせて、サポートブックの展示も行いたいと思っております。特に説明時間は設けず、先輩お母さん方のお話が終わった後に、ご自由に見ていただければと思います。作成したお母さんが同じ場にいらっしゃいますので、その場で質問できますね。こちらも勉強になると思います!

        日 時:平成25年1月11日(金)  10:00〜13:00(受付9:45〜)
        場 所:きらめきプラザ 大会議室3
        持ち物:サポートブック(ある人のみ)

  ※正会員の新規加入者をお待ちしております。
    尚、見学は参加無料ですので、遠慮なくご参加ください。(正会員限定)

サッカークラブのお知らせ

日時 : 平成25年1月27日(日) 10:00〜12:00(9:45集合)
場所 : 岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン(黄色チームはボラさんの分も)、ハチマキと名札、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
※ 活動日前日、当日のいずれかに雨が降った場合、活動は中止となります。
  中止の場合は、メールでお知らせします。
※ 体験、見学の申し込み・お問い合わせは、担当までご連絡下さい。(正会員限定)
(サッカークラブ担当:M)

水泳教室のお知らせ

日 時 : 平成25年1月20日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
          ※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
  体験は1回2000円(保険代込み)です。(正会員限定)
★欠席される方は、必ず1月15日(火)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
(水泳担当:S&H)

 

「OHAの会」

OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。

 〈 1月度 OHAの会 案内 〉

日 時:平成25年1月23日(水) 10:00〜12:00
場 所:西ふれあいセンター 和室(岡山市南区妹尾880-1)
アドバイザー:利守 愛子 先生(臨床心理士)
参加費: 800円
持ち物:『高機能自閉症・アスペルガー症候群 「その子らしさ」を生かす子育て 改訂版』(吉田 友子:著)(お持ちの方)
申 込:育てる会 事務局(Tel.086-955-6758) (正会員限定)

 ぐんぐん だより 

 赤磐ぐんぐん

クリスマス・大掃除・年末年始とどのご家庭もなんだか慌ただしく過ごされていることでしょう。人と関わる機会も多いので、いつもと違う雰囲気に戸惑う子どももいるかもしれませんね。こんな時こそ、日頃のスケジュールの力が試されるのではないでしょうか?
さて我が家には、6歳ともうすぐ2歳になる息子がいます。1歳の息子は兄のことが大好きで、よく真似しています。6歳の息子においては、親がすることを見て下の子の世話をよくしてくれます。そんな中で、常々思うことが・・・「私、そんな言い方してる?」ということ。そんな風にしているつもりはなくても(時々身に覚えのあることもありますが)、おそらくしているんでしょう・・・反省です。
先日も兄が夢中でゲームをしていると下の子がそのゲームに触り、続行不可能にしてしまいました。どの家庭でもよくあることですよね。丁度この頃下の子に「ごめんなさい」を教えているところだったんですが、この時兄がとっさに言った一言は「ごめんなさいは!」でした。
別の日、兄弟2人でブロックで遊んでいると自分が欲しいブロックを兄が使っていたようで、今度は下の子が「にぃに!ごーさい!」(にぃに!ごめんなさいは!)と言っているのです。怒っています。兄は、「ぼく何にもしてないよ。」です。あれ?使い方もおかしいけど、そんなつもりで「ごめんなさい」を教えてなかったんだけどなぁ。でも、振り返ればやはり子どもに事あるごとに強要していたように思います。時にはイライラしながら・・・。一生懸命だったんですね。「このやり方はまずい」と思い、そういう場面で子どもに無理に謝らせようとすることをやめ、こんな時はこうするのよという感じで代わりに私が謝って見せることを続けました。怒らずに。(←これが重要!)すると、ある日私に続いて「ごーさい」と言ったのです。
皆さんは怒りをコントロールできていますか?
子どもにこれを身につけてほしいという親は多いでしょう。
果たして自分たちはどうなのか、できているのだろうか?と振り返ってみてください。どうでしたか?ばっちりできているという人もいるかもしれませんが、考え直す必要があると思う人が多いのではないでしょうか。(家庭での私は、後者です。日々反省。)
大人でもこうなのです。子どもに教えるには根気が必要ということです。
私達は考え直してやり直す術を知っています。うまくいかなくてもイライラしても、別の方法を見つけたり人に聞いたり相談したりすることを知っています。
小さな子どもたちにとって、それらを学ぶ場所や方法は限られてきます。まずは家庭ですよね。叱ることはメリハリをつけてやらないと子どもは耳タコになってしまいますし、いつも怒ってばかりいる親を見ていれば、当然子どもはその方法しか学ぶことはないでしょう。また、1つの方法だけでなくいろいろなやり方(選択肢)があることも教えてあげたいものです。
幼児さんが感情を机上で学ぶことはとても高度なことです。ぐんぐんでは、先生とゲームをしたり、休けいで友達と遊んだり、と実際に経験しながら学んでいきます。
子どもの年齢や特性によって様々ですが、例えば先生とゲームの場面では、2人で積み重ねていくゲームで相手が倒してしまっても許せたり、自分が倒してしまっても次は頑張ろうと思えるようになるなどです。この時教える側はゲームの過程や、成功した時、失敗した時の言動を意識しながら行ないます。学んでほしいやりとりや言葉遣い、物の扱い方などを意識して、先生が見本になるわけです。実際に経験しながら一緒にやっていくことは、指示書やリマインダーなどの視覚支援の有効な使い方も教えることができます。またできればこの時に、「どうして倒れたのかな?どうすれば次はうまくいくのかな?」と一緒に考えられるようになれば、次の機会にもつながりやすくなります。
子どもに何かを教える時、何を教えたいのか、どうやって教えれば伝わるのか、そんなことを考えながら育児をしている人は少ないかもしれません。
でも、行き当たりばったりでは、なかなか学べないのがこの子達。こちらもイライラが増え無意味なやり取りが続きそうですね。
目的を絞って計画的に、教える側も心穏やかに教えていきたいものです。
さて、ここからはお知らせです。
12月13日に、自閉症の子どもを持つ親の方が安心して来られる安らぎの場所として、おひさまハウス(旧太陽の家)1階にのびのびサロンが開所いたしました。
開所時間は10時〜14時です。おもちゃや絵本などがあり、ゆっくり子どもを遊ばせることができる場所です。ぐんぐんの療育中に下のお子さんの遊び場として、またお母さんたちのリフレッシュの場としてご利用ください。
どうぞお気軽にお越しください。
また、のびのびサロンの隣の場所で、2歳のお子さん(1歳8か月療育開始)の超早期療育を試験的に行なっています。
来年度(平成25年4月)から1〜3歳のお子さんを対象に9時〜9時45分の療育も開始いたします。
ご希望の方は、ご連絡ください。
(赤磐ぐんぐん:秋山 慶子)

 ぐんぐんキッズ

今年もあと数日となりました。皆様のこの一年はどんな年だったでしょう。
さて、今回も、ぐんぐんキッズで行っている「キッズタイム」の様子を少しご紹介します。
12月は、クリスマス飾りを作りました。
ぐんぐんキッズでは、工作も一人でも作れるように作り方の指示書を用意しました。
A君は紙皿を使ったリースを一人で作っていましたが、途中の「紙皿にサンタの飾りをのりではる」の指示書を見て、先生に「どうやってやるの」と聞いてきました。
どうやら、お皿にどっち向きにどんなふうに貼ったらいいのかが分からなかったようです。
なるほど、A君には指示書の説明が足りませんでした。
確かに丸い紙皿だと、どちらを上にして貼るべきなのかは、こだわりのある子どもたちには難しい課題であったかもしれませんね。
また、別の日は宝さがしをしました。前回行った時は探すのが下手な子が多かったので、今回はやり方説明の時に、探し方のポイントを話しました。前回の経験もあったのでしょうが物をよけたり、覗きこんだりと探し方のポイントを思い出して上手に探すことができました。自分で探せた子はとてもいい笑顔でした。
4月にキッズがスタートしてからスタッフで試行錯誤しながらやってきました。暖かく見守り応援してくださる皆様に感謝いたします。今、良かったところ、改善すべきところ等、よりよい来年度を目指してスタッフで話し合っています。まだまだ発展途上のキッズですが、来年も元気に明るく頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
2013年、皆様にとって、幸せな一年となりますように。
(ぐんぐんキッズ:河本 千恵子)

支援センターNEWS☆

今年の冬は予報通りの「寒い冬」となりそうですね。センターにお見えになる相談者にも、「今日も冷えますね〜」とあいさつすることが多いのですが、話のきっかけに季節や天候の話をする日本人独特の挨拶習慣は、深みや品があって私は好きです。
また、冬といえば!雑誌や旅行会社の看板で「温泉宿特集」や「カニ食べ放題」などの文字を見ると、つい立ち止まって眺めてしまいます。寒さを忘れて、この冬こそは雪景色など見に、ちょっと遠方へお出かけしたいと企んでいる今日この頃です。
さて、今回はあかいわドリームプロジェクトのお話です。今月はこれを書こうと決めていました。夏の会報でもドリームプロジェクトの企画会議の様子を報告させていただきましたが、ついにオリエンテーションとプログラム3回を無事に終了いたしました。今年は、岡山県知的障害者更生相談所とおかやま発達障害者支援センターとの協働の形で、互いの技術や知識を共有しながらアセスメント(評価)→テーマの選定→プロジェクト実施→フィードバック(振り返り)までを丁寧に行うことを目標に準備を進めてきました。
まずはじめに、チェックリストを使って保護者と本人に生活スキルを事前に評価してもらい、自己評価の低かった(もしくは、自己評価と他者評価の開きが大きかった)「譲る」「断りを入れる」「断る」この3つをテーマに絞りました。ロールプレイの設定場面も、それぞれ日常で起こりやすい状況を想定したもので、ホームワークとして家庭や職場で練習できるものをイメージして決定していきました。
具体的には・・・
  ☆譲る  
   ・公共の乗り物が満席の中、お年寄りが入ってきたら、どうする?
   ・エレベーターに乗ろうとして待っているときは、どこで待つ? 人が降りてきたらどうする?
  ☆断りを入れる
   ・共有物(職場の道具)を使いたかったり、共有物(テレビやエアコン)を操作したくなったりしたときはどうする?
   ・借りられなかったとき(断られたとき)はどうする?
  ☆断る
   ・「(返すから)お金を貸して」といわれたときはどうする?
などで、彼らが大人として社会で振る舞いを求められたときに知っておくと役立つことを盛り込むようにしました。昨年と同様に、お年寄りの気持ちや、声をかけられた相手の気持ちをアニメーションにして動かすなど、目に見えない気持ちの部分には特にこだわってレクチャーするようにしました。
昨年のテーマに比べると、内容は難しくなってきましたが、パワーポイントを使ったアニメーションを見ながら話を進めていくようにしたので、頭の中だけで話を整理していくより、わかりやすく工夫できているのではないかと思っています。
第1回目のテーマ「譲る」(保護者の感想)では、
☆エレベーターを待つ際に真ん中に立って待つことが気になっていました。気づいたら端に寄るように声をかけていましたが、今まで端に寄って待てるように練習をしたことはありませんでした。
プロジェクトでポイントを絞って練習したので、「ドリームプロジェクトで練習したよね?どうするんだったっけ?」と事前に声をかけるだけで、思い出しながら意識するようになっています。
☆ホームワークで、外出先のエレベーターの使用にチャレンジしてみましたが、利用客の少ないエレベーターだったので、「譲る」練習には物足りない感じでした。また、利用客の多い場所だと、違った課題も見えてくると思うので、挑戦したいと思います。
第2回目のテーマ「断りを入れる」(保護者の感想)では、
☆家族は日常に紛れて気にかけなかったけれど、学生時代に友達の家でテレビのチャンネルを勝手にかえてしまい、注意されたことがあったようです。それ以来、家でもひと声をかけることができていましたが、なぜそうした振る舞いが必要なのかきちんと説明してもらって、今回改めて納得したのではないかと思います。「断りを入れる」とか「他をあたる」という難しい言い回しの言葉にも触れていい機会になったと思います。
第3回目のテーマ「断る」(保護者の感想)では、
☆お金の貸し借りについての話は、大事なことだと知りつつも普段なかなか触れる機会がなく、教えてもらえて良かったと思います。こちらも、改めて話をするチャンスができました。
と、感想から得られる反応も上々でした。
保護者とも活動評価の時間を設けていて
・活動の意味(テーマを選定した理由)
・気を付けたいポイント(ホームワークをする上での配慮点)
・参加者個人の言動で特徴が感じられた場面の説明
・日常で気になることの聞き取り
などを話しながら、家族では気づきにくいことについて、一緒に考える時間を持つようにしています。すると、参加者家族間で共通したテーマであったりして話が盛り上がり、また別の意味でも効果的な時間になっていると感じています。
 子どもたちと長年生活していると、家族にとっては当たり前になってしまい、子どもの言動が場面にふさわしくないと家族は感じにくくなってしまう。「こうした方がいいよ」「ここが課題ですね」と言ってもらえる機会も減ってくる・・・といった鳥羽代表の実体験からの助言が活かされていると感じます。支援者が一方的にやりたいものを提供する形になっていない(=利用者目線で企画されている)のが、このドリームプロジェクトの最大の強みなのではないでしょうか。
参加者たちも、次第に打ち解けてきてスナックの時間に仕事や休日の話など、スタッフたちにもよく話してくれるようになっています。写真を持ってきて話をしてくれた参加者もいて、プロジェクトのメンバーに見せてあげたいという気持ちになってもらえたことが、嬉しく思ったひとコマもありました。
昨年度の参加者は、昨年度のテーマで習った挨拶の仕方を意識して、スタッフとのやり取りや新テーマでのロールプレイ中にどんどん使っていくので、意識の高さに驚かされるのと同時に、場面によっては会釈など自然な挨拶の形も教えてあげたいな〜と新たな課題も見えてきています。こうして、彼らと過ごす時間が増すほどにお互いに気づいたり学びあったりしていることが分かって、とてもやりがいを感じています。
また、今年はこうした参加者からの反応や評価のみならず、自分たちでも進行役と参加者とフォロースタッフのやりとりを客観的に見て評価をする役割を配置し、グレードアップを狙っています。そうした意味でも、おかやま発達障害者支援センターのバックアップは大変心強く感じました。18歳以上の発達障がいを伴う知的障がい者が対象という括りはありますが、丁寧に支援をしたいと研鑽しあって活動を進めてきた経緯を知っていただき、参加したい方を次年度に向けて増やしていけたらと考えています。
大人になっても学び続けることは、有意義なことと私自身も実感しています。
彼らにも同様にこうした機会がきちんと用意されるべきだと思いますし、大人になってなお、学び続けることの素晴らしさ・大切さを伝えて生活への意欲や充実感を高めていってもらいたいなと思っています。
みなさま、どうか来年も良い年となりますように…☆
(あかいわ発達障害支援センター 相談員:原 未春)

新聞記事の紹介

「のびのびサロン」オープン

代表の巻頭文や18ページでも紹介した、「のびのびサロン」開所式の新聞記事です。
節電のため、使っていない時は暖房を切っていますので、利用の時にはあらかじめご一報
いただければ、サロンを暖めておきます。冬場は寒いですヨ (^_^.)


発達障害児向けアプリケーションソフト無料公開

 

育てる会でもこれまで何度も講演をお願いしてきた、香川大学教育学部准教授の坂井聡先生が、発達障害児向けのアプリケーションソフトを開発されました。
以前の、携帯電話用のソフトは、昨年の支援ツール展示会の際に紹介いただきましたが、今度はスマートフォン用の第2弾です。
詳しくは、上の山陽新聞の記事に紹介されていますのでご覧ください。
無料でダウンロードできるのはありがたいですね。
うまくアクセスできない場合は「特別支援スマホアプリ」の名前で検索すると、グーグルプレイのインストール画面にたどりつけると思います。

タイマー」「ひらがな」「漢字」「絵カード」「感情

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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