sorry,Japanese only

平成11年10月31

第 18 号

岡山県自閉症児を育てる会


 目次

 マンドリンコンサート
 自閉症児の為の木工教室
 11月の勉強会
 お母さんの為の絵画教室
 療育的山登り&絵画教室 報告
 自閉症児のための水泳教室
 近隣の講演会等のご案内
 事務局からのお知らせ (日本財団より助成いただきました)
 マニュアル
  自閉と向き合う [

稲の刈り取りもほぼ終わり、山々も少しずつ色づいてきたようです。
秋の深まりが感じられる一年中で一番いい季節かもしれません。皆様いかがお過ごしですか?
先日行われた、ギター・マンドリンコンサートでは、素晴らしい音色に、うっとりとさせられました。明治か大正か? と思えるような古式蒼然??たる建物での演奏会は,天井も高くて、音がまるで建物を包み込むように高みから降ってきて、ジーンと感動が体を突き抜けました。マンドリンの音色って、繊細でたとえ様もなく優しくって、甘くって、そして悲しいですよね。「よかった」
小さいお子さんは声も出たり、動きそうになったりと、音楽を楽しむどころではなかったのではないかと思います。けれど、おおきい子ども達は、拍子を取ったり、結構楽しめていたようでした。何事も経験です。おおきい子達は経験が多いという事でしょうか。
あきらめないで、機会を捉えて、色々な場へ子どもを連れて行ってあげて欲しいと思います。
泣いて困ったお子さんも、いつかはきっと音楽を楽しめるようになります。
経験しなければ学べない、教えなければ学ばない、私達の子供は本当に因果な障害を持っています。私たち親が教えてあげなければ、一体誰が彼らを導いてくれるのでしょう。大変ですが、頑張りましょうね。
最後に、私達の子どもの為に、部室まで解放して、演奏をしてくださった岡山大学のギター・マンドリンクラブの皆さんに感謝致します。

療育的山登り & 絵画教室 報告

H.Y
台風の為、一度中止になり、たくさんの会員の方に、ご迷惑をおかけ致しました。
10月10日には、お子さんの小さい方、新入会の方なども含め、今回は7家族でこじんまりと出かけてきました。
就学前の小さい人達が、パタパタ動き回るのをかきあつめ、山登りの前の説明をし、世話人2名、ボラ1名という状況で、正直なところ、不安がよぎりました。けれども、登り始めると、みんな立派に頑張っていました。
我が子が大きくなり、下に兄弟がいないと小さい子に接する機会が少なくなります。この日、何人かの小さい子に触れて、活動するエネルギーの固まりのような動きに、疲れどころか元気をもらったような気がします。当の子ども達のお母さん達は、そんな悠長な...と、思われるかもしれませんが、それでも、引っくり返ってケガでもしようものなら、抱いてあげられるのは、せいぜい就学前までぐらい、私から見れば、うらやましいです。この時期を、いとおしんで過ごして欲しいです。

『 療育的山登り & 絵画教室 』 体験記
M ・ K
今回、初めて「療育的山登り」に参加させていただきました。と言っても、自閉症のAは、前回父親と参加したので2回目となります。
私とA、そして弟のUの三人で申し込みをしたところ、担当のYさんが心配そうに、「今回はボランティアさんが少ないんですけど…」との言葉に、「うちは大丈夫だと思います」ときっぱり答えました。何と楽天的な母でありましょうか。
10月10日、お天気にも恵まれ、はりきって出かけました。車の中で「お兄ちゃんやお姉ちゃんも来るから、みんなで一緒に最後まで登ろうね」と話しかけたところ、元気よく「ハーイ!」という返事。これでよし!! ここまでは、何の心配もしていませんでした。
集合場所場所についてビックリ。参加者のうち、半分以上がうちを含めて就学前のお子様方…。
当日お子さんの発熱のため欠席となった鳥羽さんがプリントだけは持って来てくださり、「本当に大丈夫? 心配だわ〜!」と言いながら、私の方を見ています。
また、「うちは大丈夫よ!」と言いながらも・・、そう思っているのは自分だけ?ということに少しずつ気づいていました。
私が「大丈夫」と思っているのは、とりあえず“2人とも勝手にどこかに行ってしまうことはない”ということを確信していたから・・・しかし、ふと夏合宿の時の、Aは座りこみ、Uは泣きわめくという・・恐ろしい光景が思い起こされました。
そこで、初めて「本当に大丈夫かしら・・」と遅ればせながら不安になりました。
でも、そうこうしているうちに出発です。とりあえず、気を取り直して、私たちのすぐ後ろに I さんのお姉ちゃんがいたので、「お姉ちゃん、もし困ったら助けてね」とお願いしておきました。
子ども達も山登りをするつもりで来ていたので、なんとか順調に登っていくことができました。
すぐ前には、とてもお手本になるお兄ちゃん、お姉ちゃんがいて「お兄ちゃんやお姉ちゃんのように、(ペースを崩さず)頑張っていこうね。」 休憩の時には一緒に休み、出発する時には嫌がることなく、すっと立つ・・わが子もなかなかやるじゃない!!
しかし、頂上に近づくにつれ、足場も悪くなり、両手に息子状態の私は、少々きつくなってきました。足はガクガクしてくるし、『あ〜、もうダメ、Aチャン、手を離すよ。』と言って、パッと、離してしまいました。と、同時にAのスピードが、急に落ち、フラフラしてきている様子…。
『Aチャン、最後までがんばろう。』と励ましていると、すぐ後ろのお姉ちゃんが、『頑張って』とAの背中を、そっと押してくれました。お姉ちゃんのおかげで、Aもごねずに登りきる事ができました。
頂上では、バイキング形式の昼食。どの料理もとっても美味しくて、子どもも私もお変わり繰り返してお腹イッパイに食べました。しっかり体を動かせば、こんなに食べれるのね!?と、ふだんの運動不足を反省させられました。
食後は、『お母さんの為の絵画教室』。絵が苦手な私に、描くことによって、子どもとの気持ちのやり取りができるという事を、教えていただきました。親がやらなきゃ、子どもの興味は広がらないなという事を感じました。
Aは早々に、帰りたがり、ウロウロしはじめ、『まだよ。』の言葉掛けで、岩に登ってみたり、していましたが、ふと気づくと、私から離れる距離が次第に遠くなって、いっていました。「こらこら、ひとりでいかないの…」
弟のUは、Tさんのお兄ちゃんにバッタを捕まえてもらって、ニッコリ。大事に袋に入れて家までもって帰りました。
帰りの下り坂、滑る所もありましたが、落ち着いて、下る事ができました。お兄ちゃん、お姉ちゃんに助けてもらいながら、子ども達は、よく頑張ったと思います。6歳と4歳、。体は、まだ、小さいですが、『エライ』『疲れた』と言わない今の時期が、鍛える時なのかなと感じました。季節は秋、機会をつくって、また家族で山登りをしてみようと思います。
参加者の皆さん、ボランティアさん、大変お世話になりました。
楽しい一日でした。

事務局よりのお知らせ

 日本財団より印刷機の助成受ける

自閉症という障害に対する正しい理解の啓蒙のためや、会の広報活動のために印刷機がぜひ欲しいと、かねてより、日本財団に申請を出しておりました。
このたび、私達の思いが伝わって、助成決定の運びとなりました。気の早い業者さんが、即、納入してくださって、今回の会報から、印刷は事務局で行えることとなりました。
金額にして70万円という高額な助成金でした。私たちは、なんて、運が良いのでしょう。これからは、印刷も迅速に行えます。また、自閉症を広く知ってもらう為の、冊子の発行も安価でできます。
日本財団には、感謝です。大切に使わせていただきたいと思います。

マニ ュ ア ル

ペンネーム 松山 千春
先日の臨界事故では、裏マニュアルが話題になりました。この原稿をパソコンで送るのにも、片手にマニュアルは手放せず、その有り難味を感じます。
さて、子どもの教育に関係することでも、マニュアルは作られています。
「療育技法マニュアル」、「○○ガイドブック」「××ハンドブック」などの出版物も多数あるようです。それを読むと、内容をわかりやすく絞ってあり、順序良く書かれていて、重宝するものです。
手順や仕組みがはっきりわかっていたらよいことも多いですね。たとえば,子どもが就学する学校を考えるときに,学校に入るまでの手続きはどのようにすすめられるのだろうかといったことは、法律や規則が基本にあり、その手順にしたがって動きますから、知識として知っていたらよいことでしょう。
子どもが学校に入るまでの就学事務は、自治体の教育委員会がおこないます。
事務的な流れとその時期は下のようになっています。
  1. 学齢簿を作る。(10月1日の住民基本台帳から。10月末日までに)
  1. 就学時健康診断をおこなう。(11月末日まで)
今の就学にむけての流れの中では、ここで、「教育上特別な取り扱いを要する児童・生徒」の場合、各自治体が設置している就学指導委員会で、その障害の種類と程度等の判断について調査・審議がなされることになります。
そこで、養護学校への就学などの指導が必要だと考えられた場合は、3、4の手順をへることになります。
  3. 市町村教育委員会から都道府県教育委員会への通知
  4. .都道府県就学指導委員会で、その障害の種類と程度等の判断について調査・審議。
そして、1月末日までに市町村教育委員会から(養護学校などの県立学校の場合は県教育委員会から)就学通知が届けられるということになります。

ここまでは、知識。
さて、仕組みがわかったら、次はそれぞれの自治体の事情、学校の様子などをできるだけ具体的に知ることが必要です。
できれば、直接その学校の様子を見に行くとか(きょうだいがいると日常的に学校を見ることができます。その子の担任の先生に具体的なことをおたずねするのもよいでしょう。)、先輩のお母さんに様子を聞いておくとかしておくと、学校に入ってからの学校生活についても考えやすくなります。とにかく、いろいろな方面から情報を耳に入れておくということが必要でしょう。
これが、情報集め。
この過程で、親身になって話しを聞いてくださる味方を近くで見つけられるといいですね。
学校に「お話だけでもうかがいましょう。」という姿勢があれば、親御さんが相談に行ったり、子どもと一緒に見学に行ったりするのもよいでしょう。
ただし、子どもがその場で不安になったり、出会う先生方のほうも子どものマイナスな面を見るだけになったりしてはいけませんので、そのあたりは配慮が必要でしょう。
就学時健康診断は、教育委員会がおこなうものですが、今はまだ小学校を会場にしておこなわれていることがほとんどです。
ですから、その時を地元の小学校とのつながり、相談の機会にするのもひとつの方法です。相談をするということは、具体的な行動をするということですが、相談をすること自体が大切というよりも、聞きたいことを教えてくれたり、話したいことをきちんと聞いてくれたりする人を見つけることができることが何よりが大切ですね。
悲しいかな、未だに「障害がある」ということだけで、「うちの学校に、くるべきではない。」といった門前払いのごとき対応をする学校があるとも耳にします。
就学時健康診断も相談の機会ではなく、できないことを探すような雰囲気の場となっていることもあるかもしれません。就学時健康診断の実施義務は市町村の教育委員会にありますが、保護者には受診義務の規定はありません。
それも一応、知識として。
知識をもって、情報を集め、行動をするときに、我が子はこう育てたい(育ってほしい)という気持ちをもつとともに、なるほどということばにもきちんと耳をかたむけていきましょう。なにが「なるほど」なのかは難しいですけどね。
皆さんは、この親の会という、人のつながりを持っていますから、この人のつながりは目一杯活用させていただいたらよいのでは?
就学についての知識・情報では、私もお役に立てることがあると思います。
わたしの正体は、会長さんにお尋ねいただいて、ご相談にのれることはいつでもどうぞ。
ただし、裏マニュアルはありません。
おひとりで悩んで、「もう限界」にならないように。

これまで「育てる会会報」はHPに全文をUPしていましたが、容量等の事情により、一部抜粋にさせていただいています。

今後は、会報は会員の方への郵送でお届いたしますので、ご希望の方は賛助会員に申し込みをお願いします。
詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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