sorry,Japanese only
平成25年9月30日

第185号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
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185号 目次
秋の深まり
即実践講座のお知らせ
18歳の春を目指す親子療育クラブのお知らせ
母の想いを語る会 報告
キッズルーム・ファミリーコンサート ご案内
サッカークラブ・水泳教室・『俺ノート』の会 お知らせ
岡山ひともの探訪
第13回 イメージすること
私のお薦め本コーナー
「自閉っ子のための 友だち入門」
ぐんぐんだより
赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ
支援センター NEWS
新聞記事の紹介
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ああ〜幸せ!!
今日は久し振りに何も予定のない日曜日の午前です。
毎日何かしらの用事があって、出掛けてばかりの9月でしたから、のんびりできた久々のお休みです。
窓の外の空をながめると、うろこ雲が広がって、いいお天気です。
彼岸花が、ところどころまだ赤く咲き残っているのが見えますが、大半は花も盛りを過ぎ・・・秋は、静かに深まっているようです。
お二階では、哲平が何やら楽しげに、歌を歌っています。
何の歌かは解りませんが・・、最近ハマっているAKBでしょうか?
ちょいと前までは、プリキュアが大好きだったので、AKBが好きなんて…少し世の中の男の子たちに近づいてきているのでしょうか?喜ばしい限りです。
そんな平和な日曜日の朝、やっと会報を書く時間が取れました・・・って、やっぱり今日も忙しいってわけですかね、やれやれ・・・。
皆さんお元気でしょうか?
先月号でお約束しておりました、横浜へ行った話から始めたいと思います。
8月28日〜29日、一泊二日で横浜にあるやまびこの里が運営されている東やまたレジデンスと東やまた工房を見学させていただきました。
育てる会のお母さん達と、市の職員のKさんも含めて合計7人の珍道中。
一日目は、一昨年まで川崎医療福祉大学にいらした小林信篤先生にお会いすることができました。今は所長を務められている、横浜での発達障害支援センターのお話を伺いました。
自閉症支援は、コツコツ着実に横浜では行われておりました・・が、なにしろ人口が多すぎて、一つの支援センターではいかんともしがたい状況にあるようでした。
そこへ行くと岡山は、人口が少ない。これは大きな利点といえますね。
顔の見える、丁寧な支援が行える可能性に満ちている・・・そんな風に思いました。
小林先生、お忙しい中、大変お世話になりました。ありがとうございました。
横浜では、18歳までの支援は、療育機関が充実しているので、基本行わないそうです。
岡山はどうでしょう・・・・。療育が充実しているとは言い難いので、大きくなった人も小さい人もみんな困っている・・・。それが岡山です。
今後の進むべき道は、まだまだ険しいようですね。
先生とお別れした後、みんなで山下公園や横浜港を見学。
遊覧船にも乗ったし、中華街でも楽しくお食事出来ました。
そして、次の日には、東やまた工房と東やまたレジデンスを見学させていただきました。
自閉症という障害は、たとえ大人になっていても、周りからの適切な支援があれば改善していく、ということを見せていただいたなぁ〜と思いました。
でもね、大人になる前にちゃ〜んと親が育てていけば、施設に入らないで、地域でお仕事もしながら暮らしていけるはず・・・、そう私は思っています。
ただ小さい時に、運悪く障害を見つけてもらえなかったり、いいお医者さんや支援者との出会いが無かったり・・・、そんな方には、やはり施設は必要なのでは、と思います。
また、どんな風に育てても、数パーセントは、強い行動障害の現れる人はいるそうです。
そういう人にも施設はやっぱり必要なのでしょうね。残念ですが・・・・。
東やまたの中村課長さんと、木村課長さんのお二人に、大変丁寧にご案内と解説をしていただきました。時間も忘れて色んな事を質問させていただいて、丁寧にそれに応えていただいたりしたので、レジデンスや工房での支援がとても行き届いていることや、構造化のヒントを、たくさん見せていただきました。大いに参考にさせていただこうと思いました。
なんで今、横浜まで見学に行くのか???そう思われた人も多いでしょう。
はい、実は、育てる会でグループホームを作りたいと考えているからなんです。
育てる会は、まだ小さい子どもの方が多いのですが、中には大きくなった人も何人かいて、そろそろ自立の時と思っているのです。
親たちでお金を出し合って、建物から運営費まで頑張ってみようと思っているのです。その為の下調べです。
昔、佐々木正美先生から横浜の親の会の事を聴いたことがあって、その頃から強くあこがれていた私です。
レジデンスは、入所施設です。親の会の人たちは、一生懸命この施設を作る為に活動し、寄付もたくさん集めたと聞きました。でも、いざ開所するという段になって、入所者を決める時、中心メンバーだった人たちは、「まだ、私は頑張れるので、もっと大変な方を入れてあげて下さい」と言われたというのです。何という素敵な親たちでしょう。
私今回は、我が子も入る為のグループホームを作りたいと考えています。
お金も出しますし、労力もかけるつもりです。でも、「まず他の人に入ってもらいましょう」とは、とても私には言えないと思うなぁ〜・・・。横浜の親の会、すごいです。
もちろん、最初に学んだノウハウを活かし、次に作る時には、もっと自閉症児に適したグループホームを、と考えているのでご期待ください。ただし、お金にはあまり縁のない親の会なので、学資保険に替わって、社会に出るときまでにグループホーム資金を貯めておくこともお忘れなく・・・・。
東やまたでは、グループホームも見せていただく予定でしたが、今回は時間が無くなって、見ることができず、残念でした。
ところが何と、次の機会がすぐに訪れたのです。
9月27日〜28日に今度は東京で用事が出来たのです。しかも交通費、宿泊費まで出していただけるというのです。
このありがたい申し出を受けるとともに、どうせ行くなら、見ることができなかったグループホームを見てこようと、図々しくも再びお願いして、見せていただきました。
特性に配慮した支援があれば、重度な人でも地域の中で暮らしていける・・・。
そんな日々の営みを丁寧に説明して下さった佐藤さん、ありがとうございました。
3軒のグループホームをしっかり見せていただきました。
東やまたの皆さんのご親切は、一生忘れないでいたいと思います。
こんな岡山のヘンテコなおばさんに忙しい中、時間を割いてくださって、なんて素敵な人たちだったことでしょう。
お礼は何にもできませんが、岡山でグループホームを作ること、そして、自閉症の人たちが安心して暮らしているところをみてもらうことが、きっとお礼になるに違いない・・・。頑張ろう!そう心に決めて帰ってきました。
やらなくちゃならないことが、たくさんあって、私の脳みそは、パンクしそうです。でも、パンクする訳にはいきません!
元気出して、あの子たちの自立への道を探って行きたいと思っています。
グループホームは、1〜2年のうちには作りたいと考えています。
皆さん、応援よろしくお願いします。
さて、ところで私が、東京へ行く事になった理由をお話しましょう。
水泳教室への住友生命の「スミセイコミュニティスポーツ推進助成プログラム」の助成が決まり、その贈呈式が、東京のホテルニューオータニでありました。
東京へ行くのは、お金もないので、はじめはお断りをさせていただきました。
できれば来てほしいというお話でしたが、私たちの会には、そんな余裕がありません。
ところが、よく話をお伺いすると、交通費も宿泊費も出していただけると言うのです。
「なぁ〜んだ、じゃあ喜んで行かせてもらいます」と現金なもんで、勇んで出掛けて行ったという次第です。
東京はアッチもコッチも工事ばかりで、私は方向音痴の上に、今回行くところは全く知らない場所でした。
ちょっと荷物をコインロッカーに入れたら、もうそのコインロッカーには、戻れません。
「本当に自分でも情けない・・・」
でもね、東京の人はみんな親切でした。
岡山の田舎からやってきた方向音痴のおばちゃんに、面倒がらず、色々教えてくださいました。
しかも喜んでにっこり笑いながら、途中までついてきてくださったり、切符を買って改札入るまで見守ってくださったり・・・、ああ〜、東京ってステキ!!
これなら、東京オリンピックも大成功間違いなしですよ。
「お・も・て・な・し」ばっちりでしたよ。
何にも解っていないのに、ちっとも困らなかったんですよ。東京、ありがとう!!
さて、ホテルニューオータニ。大きな大きなホテルでした。ここでも道に迷いまくりでした。
やっとたどり着いた会場での、とても緊張感あふれる授与式。
私、なんだか場違いな感じでした。
とてもたくさんの応募者の中から、私たち育てる会が選ばれたそうです。
一生懸命、頑張っていることを評価してくださっての水泳教室への助成金50万円です。
これで、1年間、大勢の子どもたちへの丁寧な指導が、安い参加費で出来て行きます。ありがたいことです。
受賞団体の代表が一人ずつ壇上から挨拶をするのですが、そのすご〜い雰囲気にのまれて、私も緊張してしまいました。
来年も続けて助成がいただけるよう頑張って、成果を出して行きたいと思いました。
助成をしてくださるところは、良い取り組みを捜しておられるようです。
私たちには、お金があまりありません。でも、自閉症の子供たちの為にいいことをしてあげたいと一生懸命取り組んでいるので、色んな活動のどれをとっても、充分胸を張れるものばかりだなと感じました。
私たちの会は、過去に一度でも助成金をいただいた活動は、その助成年度が終わっても、何一つやめたものはありません。
キッズルームしかり、電話相談しかり、支援者養成講座しかりです。
水泳教室は、子どもたちが安心して参加できるようにと、プールを貸し切りにして行っています。そのため参加費が、他の行事に比べて高くなり、参加者が次第に減ってしまいました。
その為、参加費がますます高くなって・・・、という悪循環を繰り返して、せっかくのいい取り組みでありながら、今や存続の危機を迎えるばかりになっておりました。
そこへのこの助成です。
この機会に、多くの皆様への呼びかけをしたいと思います。
助成期間中(少なくとも1年間)は、安い会費で参加していただけます。多くの方が水泳教室に入っていただければ、助成終了後も参加費は安くなります。
自閉症の子供たちにとって、スポーツの機会は、親が積極的に作っていかないとありません。
水泳なら、将来はスポーツクラブに所属したりして、一人でも楽しめるスポーツでもあります。自閉症児の為の水泳教室は、日本国中探してもそうそうあるものではありません。
どうぞ、お誘い合わせてお越しください。
9月19日には、NPO法人モバイル・コミュニケーション・ファンド様より、「ドコモ市民活動団体への助成」として、早期発見・早期療育研修会への助成として、30万円をいただきました。
保護者のための研修会などに活かしていきたいと思います。ありがたいことです。
また、宇野碩正財団(宇野バス)様からは、共同募金会を通して、「ぐんぐんぴっぴ」や「ふれあいサロン」に使っている部屋のエアコン補修費として11万円の助成をいただきました。
合わせて感謝と、みなさんへのご報告とさせていただきます。
さて、9月は色々なことが他にもありました。
9月16日には、キャンプの前哨戦のプレキャンプがありました。(のびのびキャンプも岡山県から「県人権啓発パートナーシップ推進事業」の補助金をいただいています)
さて、そのプレキャンプ、本番キャンプへ向けて、子どもとボランティアさんが出会ってもらうことが、一つ目の目的です。二つ目は、親から直接の聞き取りをさせてもらいます。どんな風に関わったらいいのか、困りそうなことは何か、どんな遊びをどんな風にして過ごせるのかなど・・・、ボランティアと親とのお話が出来るたった一度のチャンスです。
三つ目は、その聞き取りを受けて、本番キャンプの過ごし方をボランティアさんとリーダーさんで検討していくということでした。大変な1日は、すでに過ぎて、今ボランティアさんたちは、子どもの為に自分たちで考えた余暇の時間の為の支援グッズを考えている頃ではないでしょうか?
キャンプに参加される皆様には、すでにしおりをお送りいたしましたので、しっかりご覧になって、子どもたちが不安なく過ごせるよう、準備くださいね。
スケジュールなど、本人に解り易く作るのは、お母さんの仕事ですよ。
「育てる会のお母さんは、ちょっと違う!」
そうボランティアさんに思ってもらえる瞬間が、育てる会代表としては、自慢な時です。
一泊二日、子どもたちとボランティアが楽しく過ごすための準備です。よろしくお願いしますね!!
さて、キャンプが終わった後、直ぐにあるのが、またまたすごい企画となりました、ニキ・リンコさん、藤家寛子さん、浅見淳子さんの御三方をお招きしての講演会です。
はじめニキ・リンコさんだけをお招きするつもりで花風社の浅見社長に取り次ぎをお願いしておりました。メールのやりとりの中で、あれよあれよという間に御三方に岡山までいらしていただけることにお話とんとん拍子に進んで行きました。
嬉しいけれど、空恐ろしい・・・。こんなにうまくいっていいの??という感じです。
参加者の皆さん、今回はとってもすご〜い講演会です。早く申し込まないと満員になるのは、早いかもしれませんよ。
どうぞ、早めの申し込みと、早めの入金をよろしくお願いいたします。
当日は、花風社の本もたくさん売りますので、おカネの用意もお忘れなきようよろしくお願いいたします。
さぁ〜、次にお話するのは、9月21日にあった、子どもたちのボランティア体験についてです。
育てる会の子どもたちは、いつもボランティアさんたちのお世話になっています。
キャンプやクリスマス会、水泳教室、サッカークラブに、キッズルーム・・・。
いつもいつも、お世話になる側ばかりでした。
でもね、彼らにだって出来ることは有る筈です。
去年は、クローバーの会がやってくれていたおひさまハウスの花壇づくりを今年は、育てる会の大勢の子どもたちにも参加してもらうことになりました。
第一回目は、草抜きと土作りです。
元気に8人の子どもたちが集まってくれました。
大きい人は、25歳から、小さい子は、5歳と年齢も大きく違いますが、みんな頑張って土を耕してくれました。
耕しながら、コツンと当たるものがあるので、掘ってみると・・・なななんと、大きな石がごろごろ出てきてもうびっくりです。
力を合わせてその石を掘り出して行きました。
こんな石があっては、お花も育たないはずですね。
道理で水持ちが悪いはずです。
この花壇づくりを手伝ってくださったのは、岡山市築港新町の「花の館」というお花屋さんをしている沼本さんです。
沼本さんは、30年来の私の友人です。長女が小さい時からのお友達です。
お花屋さんの彼女から、専門的なアドバイスをもらいながらの花壇作りです。
おひさまハウスは、朝晩散歩をされる方も多いところです。また、赤磐ぐんぐんの子どもたちも通ってきますので、大勢の人が見てくださる花壇でもあります。秋から春にかけて、いつも綺麗に花が咲いてくれるような、そんな花壇を作りたいと思っています。
子どもたちが頑張って作業してくれたので、一時間ほどで綺麗になりました。手をきれいに洗って、今度は、お部屋の中でのおやつの時間となりました。持ち寄りのお菓子を並べたバイキングです。
みんな大喜びでたくさんのお菓子をいただきました。
はじめてのボランティア活動は、ご褒美がイッパイもらえた楽しい時間でした。
「これからもボランティアしたい!!」 そう思ってもらえるといいなと思います。
次回は、11月2日(土)10時からの予定です。その時も、おやつと水筒を忘れず持ってきてくださいね。
春の球根とパンジーの植え付けを行いたいと思います。誰が植えた花か、書き込むようにしますので、春が一層楽しみになると思いますよ。ふるってご参加くださいね。
そうそう、9月21日には、ピュアリティまきびで、就労の取り組みについての意見発表会がありました。
厚生労働省障害保健福祉部の蒲原基道部長という方に、育てる会としての就労への取り組みについての話をさせてもらうと言う機会をいただきました。
当日は、県や役所・学校・教育委員会・A型事業所・特例子会社・就労・生活支援センターなど約10名ほどの意見発表がありました。
その中のひとりとして、お話をと言われました。福井のCネットの萩原さんからのお話でした。保護者としては、私だけのお話となり、育てる会という会の目標や想いを代表として、改めて述べさせていただきました。
以下にその時に話した内容を入れますので、ご覧になってください。
私は、岡山県自閉症児を育てる会の代表をしております、鳥羽と申します。
私たちの会は、自閉症の子どもを育てている親たち153人で構成された会です。
その名の通り、小さい子どもたちの多い会ですので、親たちは、子育てを一生懸命しております。
私たちの親の会の会員の想いは、一生懸命子どもを育てて、将来は働く大人になって、税金を払えるような人に育て上げること・・これが親としての夢です。
私の子どもは、現在25歳。重度な知的障害を伴う自閉症ですが、ありがたいことに、現在は、岡山県内にありますNTNというベアリングの会社に入社して、7年半になります。
会社に入れましたのは、特別支援学校の先生方のご努力と、入ってからの会社の皆様のサポートがとても素晴らしく、丁寧に配慮をしていただけたおかげと思っております。
入社当時の担当部長は、今でも障害者雇用の実践のモデルとして、アチコチからお声がかかって、講演会に行かれるというような、手厚い取り組みをしていただいて、息子は、素晴らしい会社に入れていただいております。
このように会社や学校のお蔭は大きいのは勿論ですが、もう一つ忘れてはならない事は、自閉症という障害の特性への理解です。
自閉症は、良くない側面ばかりが強調されて、世の中に伝わっているようですが、良い部分をもっと評価してもらえるといいなと思います。
自閉症の人は、怠けることをしません。陰ひなたなく働きます。
コミュニケーションに障害がありますから、無駄話をしません。
律儀です。真面目です。『力いっぱい、一生懸命お仕事をするよ』と伝えておくと、それを懸命に守ります。
小さい頃から体力を養って、周りの指示に従うことができるようにしておけば、18歳の春、卒業時には、しっかり働ける大人になって、社会に出ていく事が出来ます。
私たちの子どもたち、自閉症をもつ子どもたちは、働くことに向いた子どもたちです。
会社で5人の障害のある人たちと共に働いている息子ですが、一番の働き頭だそうです。
息子は、ベアリングを入れる箱にビニール袋をかぶせるという仕事をしているのですが、昔息子が入る前は、パートの職員の方が、一日500個位の仕事量だったそうです。現在息子は、多い時には1300個の袋かけをします。
障害を持つ人でも仕事がしやすいようにと、支援の為の治具を何度も工夫して作ってくだり、会社も丁寧なサポートしてくださいました。
支援をすることで仕事量を増やしていく事は、会社として当然の事でしょう。生産性をあげるのは、障害者の働く職場でも、一般の職場であっても同じことです。
「障害があって出来ない部分があったら、出来るように工夫すればいい」
「鳥羽君がうまくやれない時は、鳥羽君が悪いのではなく、自分たちの教え方が悪いのだと思って、もう一度考えます」
そんな風に言ってくださる職場に通える息子は幸せです。
息子は、楽しそうに毎日自宅から1時間かかる会社に電車を乗り継いで通っています。
私は、つくづく思うのですが、障害は、マイナスではなく、むしろ真面目さや、誠実さは、健常者よりも障害のある人の方が、備えているのではないでしょうか?
障害はマイナスではなく、プラスに変えられると思うのです。
今巷には、仕事をせずに親のすねをかじりながら、家に引きこもるニートと呼ばれる若者や、定職につかずアルバイトで働く若者たちが増えているようです。
働く為の制度をたくさん厚労省は用意をしてくださっているようですが、一度引きこもったり、アルバイトの気楽さになれた若者たちは、いくら色々な優遇措置をしても仕事の場に引き出すのは、難しいのではないでしょうか?
もちろん、ただ気楽なだけでなく、正社員になりたくてもなれないという厚い壁にはばまれている場合もありますが、障害を持っていない子どもたちには「働くことの大切さ」をあまり教えてこなかった教育にも原因の一つがあるように思えます。
大人になったら、しっかり働いて社会人として税金を払う大人になるというのが、人としての義務だと思うのです。そんな風に育ててこなかった、教育をもう一度しっかり見直す必要があると思います。
若者を働く大人にするための教育を、文科省と厚労省が連携して取り組んでいただかないと、日本の将来は、とても不安なものになります。
私たちは、そんな大きなお話は、出来ません。ただただ、頑張って子育てしています。
私たちの会の合言葉は、子どもをしっかり育てて、税金の払える大人にすることです。
それではどうすれば、税金の払える大人に育てることが出来るでしょう。
考えてみました。
大切なことは、親が子どもの小さいうちに障害に気付く事。
これが、最初で、そして一番大切なことだと私たちは思っています。
早期に発見して、早期に療育や教育を行うことは、障害のある子を育てるうえでは欠かすことができない事です。
現在、乳幼児健診の1歳半健診で自閉症は発見できるようになりました。検診の精度はどんどん上がってきています。横浜市で行われた調査では、乳幼児全体の20パーセント近くが、要観察児だったそうです。
つまり支援が必要かもしれない子どもということですが、この子たちに適切な支援をしないまま大きくすると、将来日本は、税金を払ってくれる人が、とても少なくなるばかりか、入所施設の維持などに大きな税金を使わなければならなくなります。
障害を早く見つけることが出来れば、子どもたちは、支援や配慮がある中で育っていく事が出来ます。現在大人になっている自閉症の人たちの中には、当時そういった配慮や支援の無いまま、大人になった人も多数おられます。二次的障害による強度行動障害や、強迫性障害など、悲惨な事例も多いのが現状です。
今、幸いなことに保健師の皆さんのご努力で、健診精度が上がって、自閉症を早くに見つけることが出来ています。
以前なら「もう少し様子を見てみましょう」と言っていたのが、「早く専門機関で一度診てもらいましょう」とアドバイスできるようになっています。
ところが、残念なことは、そのことを親に告げても、診断後の適切な支援をする場が、まだ少ないあるいは、無いというのが、現状です。
その為、支援の手立てが見つからないまま、お母さんに伝えることが、かえってお母さんの不安を増やすことになるかもしれないというようなことで、保健師さんがアドバイスを躊躇されるというようなお話を聞いています。
私たちの会は小さな親の会ですが、無いものは、自分たちで作ろう、作ればいい・・・という想いで、8年前に児童発達支援の療育の場を作りました。
今は、1歳半からのお子さんの療育を行っております。親たちの作った療育の場ですから、勿論働く大人になる為の療育です。小さい頃から、働くということを意識した子育てを行うことで、親の目標がはっきりします。
療育も、手順書や、見て解る為の支援をたくさん取り入れて、ひとりで出来るように工夫した療育を心がけています。早い段階から将来の自立を目指している訳です。
働くことは、たとえ障害があっても、大人としての喜びです。
息子は、毎月25日のお給料日を楽しみに働いています。そして、働いたお金で、自分の好きな映画のDVDや好きな歌手のCDを買うのが楽しみなようです。
働くようになってから、ケンタッキーやマクドナルドでは、「哲平払う!」と言って、私の分までお金を払ってくれるようになりました。
働いているという自覚や誇りが、重度の知的障害を持つ息子を一段と成長させてくれた事は確かです。
人は、働くように生まれついているように思います。働いて、誰かから認められ、頼りにされる暮らしが、人を生き生きと成長させるように思います。
障害のある人もそれは同じではないでしょうか?
障害のある人たちを働く人に、自立した大人に育てる・・・その為の学校教育や、療育施設、そして、就労の為の制度の充実が、もっともっと必要です。
子どもたちが小さい頃には、税金を使って、療育や教育の場をしっかり充実させ、働ける大人に育てて、彼らが自立して働けるようになれば、余分な税金はかからなくなります。それどころか、税金を払う側になるのです。
障害のある人たちは、社会にとって負担の対象ではなく、彼らをこれからの高齢化社会を担(にな)う同じ仲間として見て欲しいのです。
私たちの会は小さな親の会です。自閉症の子供を一生懸命育てています。そんな小さな親の会の取り組みの事を、覚えていてください。
そして、今は小さい子どもたちですが、やがて大きくなって、働く大人になる時、「育てる会の子どもたちなら大丈夫、雇おうか」というような企業や、事業所が、増えるとありがたいなと思います。
私たちは、その日に向けて子どもを一生懸命育てていきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
9月19日・20日には、RSKラジオ「おかやま朝まるステーション」に出させていただきました。
朝、通勤中の方が聴かれている時間帯だったので、何人もの方から声かけられました。
皆さんには、恥ずかしいので内緒にしておりました。
1日目は、アナウンサーさんのぺースでお話が進んで、私ではないみたいだった・・・との連れ合いの言葉に発奮して、二日目は、頑張って言いたい事、これだけは伝えたいという事を、言わせてもらいました。
時間が押して、迷惑をかけたかもしれません。また、来て下さいねと言われたけれど、本当に行ってもいいのかな????
その時に書いていただいた私の似顔絵です。
似てるでしょう??これで名刺を作ろうかなと思います。
これが一番嬉しいプレゼントでした。
今ある名刺は、写真がとても良く撮れていて、お渡しした人が、実物と見比べて「????」という顔をされるので、言葉に困っておりました。
これなら文句はないでしょう、ね!!
さぁ〜、長くなってしまった私の巻頭文もこれで終わりです。来月号は、多分セミナーとキャンプの報告になることでしょう。無事にやり遂げれますように、応援していてくださいね。では、また。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)
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教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ
☆第5回☆ 「構造化A:視覚的構造化(自立課題を通して)」
平成25年10月11日(金)19:00〜20:55
岡山県生涯学習センター 視聴覚室
注意! 今回の会場は視聴覚室です!!対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、
施設・福祉関係職員の方 対象。
申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
講 師 : 重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
★途中からでも参加OKです(それまでの講義のDVDはお貸しします)★
申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)
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18歳の春を目指す 親子療育クラブ
9月13日、司法書士の牧沙緒里さんをお迎えして、「成年後見人制度は我が家に必要か?」というテーマで、まずは、制度の趣旨と後見開始するにあたり必要な事、そして親族が成年後見人になる場合についてお話いただきました。
子供が二十歳を境に親は親権者でなくなり、責任はすべて子供本人になってしまう現実があり、はたして、後見人には親、または、専門職の第三者か・・ 親亡き後は・・
専門家としての事例を交えて、とてもわかりやすく説明して下さり、参加者からの質問にも時間ぎりぎりまでお答えいただき、内容の濃いセミナーとなりました。
感想が届いておりますので、ご覧下さい。
今日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
成年後見制度という言葉と内容はぼんやりしたイメージで知ってはいましたが、身近で大切なことだと考えたことはありませんでした。
今回の先生のお話は大変わかりやすく、難しいはずの制度内容もすんなりと我が家の場合に当てはめてイメージ することができました。
親として今後も成年後見制度だけでなく、福祉制度、相続、税金についてなどたくさん知るべきことがあるのだということも教えていただきはっとしました。
それと子どもが二十歳になったら親は親権者ではなくなる…。
なかなか重い言葉でした。近い将来やってくる二十歳までに私はもっと学んで賢くならなくては。
そしていつか、はれやかに子ばなれしなきゃ! ...できるかなあ(((^_^;)
成年後見制度の概要や実際の事例を聞かせていただき、大体の内容を理解することができました。
わが子に対していつから後見人をたてるかという具体的な見通しはまだ持てませんが、今回お話を聞けたことで、将来考えるべき問題として意識することができて良かったです。
今後も制度について関心を持ち、勉強もしていこうと思いました。ありがとうございました。
成年後見制度の話しは、詳しく聞いた事がなかったので、楽しみにしていました。
他で、よくある勉強会は、後見制度の概要や、年金・サービスについて、と簡単に教えてくれる事が多いのですが、実際、後見人をされている方から、事例に基づくお話しを伺えたのが、とても良かったです。上っ面だけでなく、実際の状況・後見人になられた経緯・苦労・世間の様子など、私たちが知ることのないことが聞けて、勉強になりました。
タイトルが、「成年後見人制度は、我が家に必要か?を考える」だったので、我が家では必要とし、必要であれば、時期・誰かと等を考えていかないといけない、頭の痛い課題をいただきました。
牧さんのこんないいお話、又、聞いてみたいです。
10月の活動はお休みです。
【次回の18歳の春 活動予定】
子育て応援隊kara2さんをお迎えして、『思春期の性について』のセミナーです。
テーマ:思春期の性について
講 師:だいじょうぶらぼ(All Right Lab)爲清淑子さん
日 時:平成25年11月8日(金) 10:00〜12:00(受付9:45〜)
場 所:きらめきプラザ大会議室1・2 (岡山市北区南方2−13−1)
いつもと場所が変わっています。
参加費:正会員に限り、1000円で参加可能としています。(18春会員は無料)(正会員 限定)
締 切:定員(40名)になり次第締め切りますので、お早いお申し込みをお願いします
申込先:育てる会事務局 Tel.086-955-6758
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母の想いを語る会 報告
9月12日(木)に新一年生を迎えられる保護者の方を主な対象として、「第2回 先輩のお母さんの話を聞く会」を開きました。
大勢のお母さんが参加されて、まだ残暑の残る中。みなさん熱心に耳を傾けられていらっしゃいました。
当日参加できなかった方に向けて、当日お話しいただいたお母さんから、その一部ですが、
みなさんが特に関心をお持ちであろう「支援級と普通級の違い」について、改めてまとめていただいたので紹介します。
私個人が感じたことをベースにしてお話をさせていただきました。いろいろ話したのですが、その中で、「支援級と普通級のちがい」についてここで紹介したいと思います。来られなかった方の参考になれたらうれしいです(^ ^)
◇支援級と普通級のちがい
一番の違いは支援級に入ると、「堂々と支援が受けられる」ことだと思います。
普通級でも、お願いはできるし、担任の先生も頑張って支援しようとしてくれますが、何十人も子どもがいる普通級でできることは限度があります。また、学年が大きくなると特に、クラスの子から「ひいきしている」と思われてしまうことがあったり、学年が上がるとお子さん本人も支援されることが恥ずかしくなって拒否したり(本当は必要なのに…)してしまって、なかなか難しいことが多いようです。
普通級がしんどくなって、途中から支援級に入級するにも、本人に抵抗があって入れないまま…という話もよくききます。普通級だとしんどくなってもなかなか逃げ場がありません。保健室も「いつ、誰が入ってくるか分からない」ので落ち着かないと感じるお子さんが多いようです。
支援級は最大8名までの少人数ですので、かなり本人のペースに応じて、支援を受けながら学習や活動ができます。先生とも連絡が取りやすいので安心です。支援級に入っても、交流級(普通級)で活動することは少なくありませんが、どのくらい支援級で過ごすか、交流級で過ごすかは、お子さんの状態に応じて、学校側と相談しながら調整することができます。(学校によって多少違います)交流級の先生に対しても支援級の先生を通じて、支援のお願いがしやすいように感じます。運動会や宿泊研修などの行事の時はいろいろと配慮してくださって本当に助かりました。
支援級に入ると、今まで園で同じクラスで過ごしてきたお友達と疎遠になってしまうのでは、と心配される声もよく聞きますが、スタートから支援級だと、本人も周りの子もそんなものかなと感じるのか、わりとすんなり支援級での学校生活になじんでくれます。
交流級での授業もあるし、希望すれば給食や掃除も一緒にできるので、休み時間に遊ぶチャンスはたくさんあります。
学校生活は、お友達と楽しく過ごすことも大きな柱ですが、それ以上に「授業や活動が分かること、できること」は、登校意欲や大きくなってからの学校生活にとても大きく影響します。そのことを知っておいてほしいなと思います。
私の息子は1年生の時は支援級がなくて普通級で過ごし、2年生からは支援級ができたので入級し、現在6年生です。その中での経験や知り合いから聞いたことをベースにしていますので、かなり支援級よりの意見を書いていますが、支援級に入っておくと子どもさんの状態に応じて融通がきくので、個人的にはおすすめです。
小学校入学時に支援級に入るという決断をすることは、お母さんにとってもとても勇気のいることです。一種のカミングアウトですものね。でも後々の子どもさんの人生に大きく影響することです。お母さんのプライドは考えず、わが子にとって必要な環境を考えて選択してください。考えすぎて、わけ分かんなくなって、子どもに決めさせてはいけませんよ!
たとえしっかりしたお子さんでも、未経験の小学校のことは想像しきれていないと思いますので…
もちろん、お子さんによっても違いますし、絶対支援級に!というわけではないので、色々見学したり話を聞いたりして、よく考えたうえで決めたらいいと思います。そして、保護者の方が決めたら、そのクラスのいいところをお子さんにしっかりアピールして、小学校入学が楽しみ、そのクラスに行くのが楽しみという思いをもって入学できるようだといいなあと思います。あとはその中での最善を尽くすしかないので!
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キッズルームのご案内
キッズルームでは、岡山大学児童文化部のお兄さん、お姉さんが子ども一人ひとりについて一緒に遊んでくれます。もちろんお父さん、お母さんや兄弟と一緒に遊ぶこともできます。 いろんなおもちゃで遊んだり、人形劇(影絵劇の場合もあります)を見たりして楽しい時間を過ごすことができますよ! リピーターさんも多いですが、育てる会の行事にまだ参加したことない…という方にも参加しやすい内容です!
今回は日程が決まったので、少し早めにお知らせできました♪ 締め切り前に定員いっぱいになってしまうこともあるので、お申し込みはお早めに。
日時:平成25年11月17日(日) 13:00〜15:00
場所:岡山大学 第2体育館
定員:約20名
申し込み:育てる会事務局(tel : 086-955-6758)(正会員 限定)
参加費:子ども1人につき400円 (岡大に駐車するのに別途500円必要です)
持ち物:うわぐつ、お茶、寒そうなら防寒具もあるといいかもしれません
*参加される方で、プロフィールを提出していない方は、申込みに合わせて10/31(木)までに提出してください。
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ファミリーコンサートのお知らせ
今年の、♪育てる会 ファミリーコンサート♪の、日程が決まりました。
平成25年11月24日(日)13:45〜開場 開演14:00〜(約1時間15分程度)
場所は、赤磐市立山陽公民館です。(正会員 限定)
ぜひぜひ、今から、予定に入れておいていただけたらと思い、1ヶ月早く、会報にてお知らせをさせていただきます。(詳細は、次回会報でお知らせします。)
今回は、2回目ということもあり、正会員の子どもさんの楽器演奏や、赤磐ぐんぐんの古川恭子先生に指導いただいて、育てる会のお母さんたちやぐんぐんスタッフも入って結成されているゴスペルクワイヤーGRACEさんの参加を、チャレンジコーナーとして設けさせていただいています。
また、昨年度のファミリーコンサートの反省から、開場から開演までの時間、会場の中が気になるお子さんには、事前に見ていただく時間を設けたり、当日のスケジュールには、チェック項目を加えたりと、安心してどなたにでも参加していただけるよう、色々考えてみました。
今年も、昨年度、ご協力いただいたフルート奏者の中村穂奈美先生とピアノ奏者の谷以知子先生に、演奏をしていただきます。先生方も、昨年度、一生懸命聞いてくれている子ども達の姿に、喜びを感じてくださって、今年も、快く引き受けてくださいました。子ども達に会うことを、とても楽しみにしてくださっています。
ぜひぜひ、皆さん、ふるってご参加ください。お待ちしております。
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サッカークラブのお知らせ
日時 : 平成25年10月27日(日) 10:00〜12:00(9:45集合)
場所 : 岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、
個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、サッカークラブ担当までご連絡ください。(正会員 限定)
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水泳教室のお知らせ
水泳教室は原則毎月第3日曜日に、OSKプールを貸切にしてもらって開催しています。
10月は、育てる会のセミナー(ニキ・リンコ氏、藤家寛子氏、浅見淳子氏)と重なってしまったため、次は11月に行います。
【11月水泳教室のお知らせ】
日 時 : 平成25年11月17日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50) 連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
(代表の巻頭文にある通り、助成金がいただけることになりましたので、体験料もこれまでより安くできるよう検討中です。)
★欠席される方は、必ず11月12日(火)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
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『俺ノート』の会 お知らせ
日時 : 平成25年10月13日(日)10:00〜12:00
場所 : おひさまハウス内 のびのびサロン(赤磐市和田194‐1)
持ち物: のり、はさみ、ノートや画用紙、切抜き用雑誌など、おやつ、飲み物
小学校4年生以上の男子対象の『俺ノート』の会です。
今回はみんなでクリスマスツリーの製作をしたいと思います。
好きな切り抜きや写真以外に飾りになるような画像があれば切り抜いてきてください。
場所は、みんなで作るのでのびのびサロンで行います。
あとは、いつも通りの流れで行います。
初めての方も気軽に参加ください。
申込みは事務局(Tel.086‐955‐6758)まで。(正会員 限定)
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| 岡山ひともの探訪 |
川崎医療福祉大学 重松孝治
第13回 イメージすること
自閉症の人たちは、相手のメッセージにある言葉や絵は分かっていても、その背景にある意図や相手の持っているイメージをうまく受け止められないことがあります。
例えば、ある人が支援者からこのように声をかけられる場合があります。
「何かありましたら、いつでも来てくださいね」
何の当たりさわりのない、言葉だったりします。
でもこの言葉を聞いた後にずっと悩んでしまう人がいます。
「何かあったら」って、何について言えばいいんだろう?
「いつでも」って、いつ行けばいいんだろう?
この言葉を伝えた支援者は、きっとその方がいろいろと悩みを持ちやすい人だと感じたのでしょう。「あなたをいつでもサポートしますよ」というメッセージを込めて伝えたのかもしれません。多くの場合、この言葉は相手に安心を与えるために、使われることが“多い”でしょう。(そうでない場合もあるでしょうが・・・)
でも当事者の方の中には、このような曖昧な表現は混乱ばかりで助けにならないという人もいるでしょう。
ある方は「こんな分かり方をするなんて、なんて人なんだ!」と怒りにつながったそうです。
自閉症の人と、自閉症でない人との関わり合いは、お互いの意図のズレもその一要因として起こるのでしょうね。支援者のサポートをしたい気持ちも、当事者の受け止めようとする気持ちもどちらもあるのに、かみ合わない場合がありますね。
これを単純に「物事を否定的にとらえる傾向がある」としてしまうと問題の本質からそれてしまいます。つまりその背景にある本人の理解の難しさへの配慮が必要であるということを見逃してはいけないのです。
私たちはだからこそ学び続けないといけないのです。
私たちはだからこそ当事者の言葉を聴きつづけないといけないのです。
これからも謙虚に学び続けたいな、と感じる今日この頃です。
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| ぐんぐん だより |
赤磐ぐんぐん
日中も過ごしやすくなってきて、食べ物もおいしい季節がやってきましたね。
「梨狩り行ってきたんよ!」と話してくれたお子さんがいました。
その季節にしかできない経験を楽しむ!いいですね♪
食欲か、スポーツか、読書か芸術か・・・全部でもいいですね!ぜひお子さんと一緒に、いろんな秋を楽しんでみてください。一緒に楽しむ!とても大切な経験だと思います。
9月12日、育てる会の企画と連携させて、ぐんぐん座談会第2回目として、『先輩お母さんの話を聞く会』が開かれました。当日は、4名の先輩お母さんたちからお話を聞かせていただきました。どのように進路を決めていったのか・・・。どのようなことで困ったのか・・・。ご自身で取り組んできたこと、など、様々な経験談を聞くことができました。どんな内容だったか・・・紹介しはじめると、とても長くなってしまいますので、ひとつだけ、『支援グッズについて』の話を紹介したいと思います。
スケジュールや手順書が、わが子にも必要だと実感し、いざ、作ってみて本人に使ってみるように促しても、「こんなのいらない。」「なくても大丈夫。」と、拒否されてしまうことがある・・・。支援グッズは、小さいころから取り組んで、「これがあると便利!」と思えていることが大切だと思います。という話をしていただきました。
参加していただいたお母さんたちの多くが、このお話に大きくうなずかれていたと思います。「そうなんだ・・・と。」
赤磐ぐんぐんの療育でも、ここを大切にしています。すべてのお子さんにスケジュールを使って、その日の療育で、何をどれだけやったら終わりなのかを伝えています。手順書や指示書も、どのような形態が本人が扱いやすいか、理解しやすいかを評価しながら課題として取り組んでいます。手順書や指示書があれば課題をうまく取り組めているお子さんに、「これがあると、ひとりでできるね!」と声をかけ、支援グッズが自分にとって便利なものだと思えるようになることを大切にして療育に取り入れています。
先輩お母さんの話を聞く会を通して、支援グッズを幼児期から取り組むことの大切さ、そして、その他の話の中から、積極的に動いていくことの大切さを感じていただけたのではないかと思います。でも、何から取り組んだらよいのだろう、私は大丈夫なのだろうか・・・と考えている方もいらっしゃるかもしれませんね。今、必要なこと、やらなければいけないことを一緒に考えていきましょう。
そして。第3回ぐんぐん座談会のご案内です。第3回のテーマは『特性についてパート2・家庭でのスケジュール等、視覚支援・構造化について考える』です。座談会の流れとしてはとてもタイムリーな設定になっていると思いませんか♪ぐんぐんで取り組んでいることも紹介しながら、家庭でどのように般化していけるかを話し合いながら考えていえる会にできればと思っています。たくさんの方の参加をお待ちしています。
(赤磐ぐんぐん療育スタッフ 河野友紀)
ぐんぐんキッズ
暑い暑いといっていた夏が終わり、9月も終盤にさしかかりました。
朝晩は涼しく、ずいぶん過ごしやすくなってきましたね。
季節は秋へと移り変わっていますが、今回のキッズだよりは夏休みに行った活動を振り返り紹介したいと思います。
前々回のキッズ便りでも紹介がありましたが、ぐんぐんキッズでは夏休みは学校がない分療育開始時間を早める事ができました。
せっかくの夏休み!普段出来ない活動をとスタッフ全員で子どもたちが楽しんでできる事を考え計画を立てました。
まずは、子ども達からのリクエストも多かった“かき氷”(去年の夏にしたのを覚えてくれていて「またやりたい」と言ってきてくれました。)今年はさらにバージョンアップして、“かき氷パフェ”を作りました。詳しくは、前々回のキッズ便りで紹介されています♪
キッズタイムの中でも子ども達に人気のクッキング。“ビスケットデコレーション”も行いました。
かき氷もビスケットデコレーションも1年生の子どもたち以外は去年のキッズタイムで経験した事のある活動です。子ども達も自信をもって取り組む事が出来ていました。
私達スタッフも「前回はこうだったから、ここをもう少し変えてやってみよう」とより子どもにあわせた支援を考える事ができます。
つい新しい事をどんどん挑戦させたいという気持ちが先決してしまいがちですが、同じことを繰り返し行い「これならやれる」と自信を持って出来る経験を積みスモールステップでそこから応用へという事が本当に大切だなぁと日々感じています。これは完璧にできるんだと自信をもってやれることが少しずつでも増えていくといいですよね♪
つまり…何が言いたいかというと、「キッズタイムまた同じことしとるわ〜先生ネタ切れなんかなぁ。」と思わないでくださいね!という事です(笑)
同じ活動を一緒にしていてもそれぞれに合わせた指示書を使っています。
スプーンとチョコレートを共有して使う事で順番を待ったり、自分が使う量を考える練習をしたグループもあります。
休み後半は、お買い物練習、カフェごっこを行いました。
実際の場面に少しでも近づけようという事で、キッズ駄菓子屋“とキッズカフェ”がOPENしました。
キッズカフェでは、頼んだ商品が届くのを席で待つ事もめあての一つです。
どの子にも「待てた。」という経験をしてもらいたいのでキッチンからこっそり子どもの様子をみて、商品を届けるタイミングを見計らいました。
お母さん達からも、“今日のキッズタイムとても楽しかったと教えてくれました。”
“実際にお店に行って買い物練習をしてきました。”“キッズに行くのを一つのイベントとして楽しみにしています。”などメールや連絡帳で嬉しい言葉をもらいました。
スペシャルな夏休みが終わって「あれ、最近キッズおもしろくないぞ。」と子どもたちに思われないよう日々の療育も子どもたちに楽しんでもらえるよう工夫していきたいと思います。
(ぐんぐんキッズ療育スタッフ 石原 史織)
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支援センターNEWS
伸びすぎたコスモスが秋風に元気に揺れています。
朝夕が冷え込むようになりました。今朝は2人の子供たちが揃って布団に地図を書いておりました。我が家は防水シーツを洗わない日がない毎日ですが、みなさんのお宅はどうですか?
少し大きくなってもなかなか夜尿が治らないで悩んでいるご家庭は意外と多いのではないでしょうか。相談の中でも時々お聞きすることがあります。ウソかホントか、あの坂本龍馬は16歳までおねしょをしていたとか…。
さて冒頭からこんな話題で失礼いたしました。
行事ごとの多い2学期、運動会は無事に終わったでしょうか。次は生活発表会ですね。この時期から学校への行き渋りが増えてくるようで、支援センターにもそうした内容の相談が増えております。みなさんご存知のように特効薬はありませんが、私が気になっているのは、「この子を変えよう」という視点です。不登校になることは親にとって、とても怖いことだと思います。何とかしなければという気持ちが強く働くために、厳しく登校を強要したりご褒美を用意して頑張らせようとしたり、親はジタバタともがいてしまいます。
先日、浜松に研修に行かせていただきました。その中で浜松医大児童青年期精神医学講座 特任教授の杉山登志郎先生が子供と親の並行治療が必要だというお話をされていました。杉山先生はトラウマの治療を得意とされ、発達障害の子どもさんをたくさん診ておられる方ですが、受診されたお子さんの両親にも「子供のためにカルテを作ってください」とお願いすることが多いそうです。よくよく話を聞いていくと親がトラウマを抱えているとか、ものを捨てられないとか様々なしんどさを抱えていることが見えてくる。そこに手をつけないで子どもだけに目を向けていても解決に向かっていかないわけです。療育の場でも親をどうフォローするかが近年の大きなテーマの一つになっていますが、治療の現場でもやはりそこに目が向けられているのだなと感じました。そして面白いことに大阪大学大学院 連合小児発達学研究科 特任講師の和久田学先生も、いじめの問題を解決する鍵は大人を変えることだとお話されました。傍観者を含む大人がいじめ定義の共有をはじめとする予防プログラムに取り組むことが最も効果が高いということでした。
私たちは、その子らしさを活かすとか自閉症のままでと思いながら支援をしてきたはずですが、まだまだこの子を変えようとしていることに気付かされました。親や教師や様々な支援者がこの子のためにと思いながら、寄ってたかってこの子を変えようとしているのではないでしょうか。学び変わるべきは、この子と私たちの両方であるはず。最近そんな思いを強くしています。
愛情にあふれたお母さんたち、100%子どもに向き過ぎていませんか。息もできないほど子どもに向いていて、大きい年齢になっても物事を決めるのは全て母になっている方をお見かけします。明石洋子先生は8月の講演会でどういう子に育てたいかと考えたとき「人が好きになる子」と「自己決定出来る子」の二つが大切だと考えた、とお話くださいました。人に好かれるようにと自分らしさを殺していい子を演ずるといつか二次障害を起こしてしまう。人が好きであれば成長したとき人を信頼し人という支援あっての自立が可能になる。というお話だったと思います。私たちは自立に向けてこの子を育てています。もちろん今もこれからも支援が必要な部分はたくさんあるでしょう。心配は尽きないと思います。それでも、もう少し勇気を持って手を離し、信じて見守ることがあってもいいと思うのです。
そしてもう一つ、みなさん自身は人が好きですか?
支援者である自分自身が元気でいるかどうかをもう一度振り返ってみて下さい。
まとまりのない話になってしまいましたが、
「変わるのは私たち大人」であるという意識を持っていきたいですね。
(あかいわ発達障害支援センター 相談員:政田 亮子)
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新聞記事の紹介
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以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。
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