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平成25年12月31日

 

 第188号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 188号 目次

     寒い朝に   

     支援者養成セミナー 報告

     即実践講座のお知らせ

     クリスマス会 報告

     18歳の春を目指す親子療育クラブ  報告

     OHAの会・クローバーの会 お知らせと報告

      サッカークラブ・水泳教室 お知らせ

     岡山ひともの探訪
         「第15回 その視覚支援の意味は?」

     すすむっち report from TOTTORI

     私のお薦め本コーナー
          「そよ風の手紙

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ

     支援センターNEWS

     新聞記事の紹介 
          読書三昧「あたし研究 2

風が冷たく頬を刺します。寒さが体の芯まで染み込むような冷たい朝です。
冬は、嫌いです。私は、温かい部屋の中で、炬燵の中から出ないような暮らしができるなら、冬もいいです。
でも、現実は、そうもいかないですよね。だから冬は、寒いから嫌いですよ。
今日は、今年最後の会報を書くために事務局の机に頑張って向かっています。
事務局のある建物は、築35年は越えていると思われる建物で、断熱材は一応入っているけど、とても寒いのです。
窓が大きく、部屋も一つひとつが広いせいか、暖房器も今はフル回転です。
「一・二・三・四・冬は進む〜♪」という歌をご存知でしょうか?
NHKのみんなの歌で覚えた曲でした。
寒い冬道を歩きながら、元気を出すために歌ったような…そんな記憶があります。
冬と一緒に行進するような気持で歌ったものでした。
その昔、哲平を連れて一緒に幼稚園や学校へ通った頃や、寒くても外へ出たがる哲平と一緒に寒い凍えるような道を歩きながら、歌った歌でした。凍えるような寒さと、明日を憂えている自分の気持ちとを重ね合わせていたような・・・・そんな心も体も冷たい冬の道だったように思います。
今は、冬の道を歩くことは、ほとんどありませんし、車でさっと通るだけです。
よく泣きながら歩いた道でした。笑ったこともあったのに、冬の寒さのせいか、今日は辛かった記憶が、急に蘇って余計寒さが身に凍みるようです。

さて、今年最後の会報をお届けいたします。
187号を最後にしようかとも思いましたが、新年早々忙しいのも困るよな〜と思い、今年中に188号を出すことにしました。
一年の終わりに思うことは、月日の経つのが早いことですかね・・・。
何も自分が変わっているつもりはないのに、年月ばかりが経っていくようです。
気持ちは、20歳の時とちっとも変っていないのに・・・、残酷なことに、年月は私の上を通りすぎていきます。
見た目が変わります。最近子どもたちに「おばあちゃん」と呼ばれるようになりました。
髪を染めるのをやめてからの現象です。
髪が白い人は、「おばあちゃん」と、自閉症児の子どもたちは決めているのでしょう、きっと。
おばちゃんとおばあちゃんの境は、分りにくいですもんね・・・。
かくして鳥羽さんは、「おばあちゃん」になってしまいました、とほほ・・。
年月は、ほんとに残酷。

さて、12月14日(土)に川崎医科大学精神科学教室 教授 青木省三先生をお迎えして、「僕らの中の発達障害」〜思春期・青年期以降の発達障害児・者への支援を考える〜と題して、講演を行いました。
当日は、京都や兵庫・広島など県外からも来られた方もあり、参加者のみんなで先生のお話を熱心に聴かせていただきました。
「“発達障害を持つ子”という目で相手を見るのではなく、意見や考えを持った一人の人間として出会いたい」、と言われたのが今でも忘れられません。
「この子の中にある伸びていく芽や、秘めている可能性を見つける目が必要」と言われました。一人の人間同士として、本人ときちんと向き合われる先生だからこそ、こういう目が持てるんだろうなと思います。
控室で先生とお話をさせてもらって、先生の優しさに触れることができて、幸せな時間を過ごしました。
先生とお話していると、幼児期や小学生時代のこと、今まで誰にも話していないようなことを、次々と思い出しました。そして、私の中にある発達障害を考えさせられました。
それは決して嫌なことではなく、むしろ、なつかしい思いで自然にお話しすることができました。
よく思うのですが、発達障害のある人は、優しい人だったりしますよね。
人にやさしかったり、思いやりがあったり、人の痛みが解る人が多いように感じます。私の知っている発達障害のある大人の方は、みんなそう。
どうしてかっていうと、苦労して大人になったからでしょう。
だから、発達障害のある苦労している子どもに対して、特に優しい気持ちになれるのではないでしょうか?
発達障害を持っていることは、悪いことではない。
社会にとって、発達障害を持っている人たちが、抑止力になっていることは、多いという先生のお話には、とても共感を覚えました。
彼らがいるから、決まりや正義が守られていく・・・。
そうに違いないと思いました。
次の講演会は、2月1日の服巻智子先生による「自閉症スペクトラムの早期発見と療育・親支援のあり方」〜自閉症支援、世界の最前線〜 と題して、保健師の方、保育園や幼稚園の先生方、そして子どもの療育にかかわっておられる支援者の皆さんや保護者の方へのお話をしていただく予定です。
詳しい内容は今回の会報にも案内チラシを同封いたしますので、どうかよろしくお願いいたします。
また服巻先生の、子どもたちには優しいけれど、支援者には少々厳しいお話を聴かせていただけると思うと、身も心も引きしまるようで、楽しみです。
多くの皆さんで先生をお迎えしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

さて、これは、会員の皆様対象ではなかった行事ですが、放課後等デイサービスの事業所のぐんぐんキッズのお母さんたちの為の勉強会がありました。
「子どもを褒める」というテーマでお話をスタッフがしました。
その時の最後に、「代表を褒めよう!」というのをやってくれました。
褒めることを学んだ勉強会でのサプライズでした。びっくりですよ。
その時集まられた保護者の方とスタッフ、あわせて15人ほど、その全員から一人ひとり私は褒められたのです。
謙遜してはいけないという決まりなのですが、照れくさくって、「そんなぁ〜、いやぁ〜恥ずかしい。そんなことないよぉ〜」と照れてしまいました。
どんなことを言われたかって??
「代表は、きれい」とか、「お肌が艶々してる」とか、「優しい」「代表のおかげで、今頑張れています」とか・・・・色々な言葉で、一人一人が理由まで言ってくださいました。
「どんだけ私って、ステキやねん」
言われた言葉の一つ一つが、私の中で、しっかりとした形になって、核となって今も残っています。みんなにとっては、半ば冗談かもしれない褒め言葉だったかもしれませんが、私はすべて本気で受け止めましたよ。
ありがとう。これからもがんばるよ。
褒められるって、こんなに嬉しいことなんだ…と実感しました。
褒められて育った子は、いい子に育つといわれますが、これはどうも本当のようです。
実は、先日、あかいわ発達障害支援センターの原未春さん(支援センターNEWSでもおなじみですね)と一緒にお酒を飲んだ時、聞いた話です。
原さんのお母さんは、いつもいつも、娘を褒めてくれる方だったそうです。
「かわいいね・・、あなたはどの子よりも一番かわいいわぁ〜」
「どの服を着ても似合う、似合う」と言って、可愛い、可愛いと言われて育ったそうです。
本当に原さんは、きれいでかわいい人に育って、今は、松島奈々子か東ちづるかという美人です。
振り返って考えてみて、私は娘にかわいいかわいいと言わないで育ててしまいました。
残念!!
まあ、そんなわけで子どもは褒めて育てていきましょう。そうすることで、本人には自信や自己肯定感も身に着けることができると思います。
「褒めることなんて何にもないわぁ」と言われるお母さんがおられます。
「私を困らせることばかりして、褒めるどころか、怒ってばかりです。どうしたら褒めれるようになりますか?」 そんな風に聞かれるお母さんもおられます。
あまりほめて育てていない私が言うのもなんですが、困ったことをやらかしていない瞬間は、きっとどの子にもありますよね。
そういう時に、「おりこうしててくれて、えらいねぇ〜」って、言えばいいんです。
案外おりこうしている時は気づかないものです。子どもをよく見ていて、意識していないと言えません。
悪いことしたり、困らせたりしている時は、腹も立つので子どもを見ますが、いい子しているときには、それに気づかないので褒めていないのではないでしょうか?
勉強しない子に「勉強しなさい!」と言ってもやりませんが、勉強をしているときに「頑張っているね。感心だわ〜」なんて言うと、頑張ろうかなと思えるのではないでしょうか?
私もそういう経験があります。
褒めて育てるのは、自閉症の子ばかりではありません。きょうだい児や、ご主人、学校の先生、ちょっとうるさい姑さんや小姑さん、親戚もまとめて褒めて育ててしまいましょう。
もう一つ代表を褒めることも忘れないようにしてくださいよ。
褒められて嫌な人はいません。ほめるコツは、ちょっと頑張っていそうな部分を褒めることです。全くできていないと思っているところを褒められると、「嫌味か???」と思われて、かえってマイナスですから、気を付けてくださいね。

それではここで、我が家の小話を二つほど・・・・
哲平君は、ありがとうと言ったら、ありがとうと答えます。
オウム返しだけではなく、ちゃんとあいさつも教えました。
「ただいま」といったら、「お帰りなさい」とちゃんと答えることだって出来ています。
この間の事です。家に二人で帰りました。
玄関を入って、「ただいま〜」と私がお留守番だった父さんへ向けていうと、一緒に帰った哲平が、「お帰り〜」と言いました。
「ちゃうやろ〜!! (違うだろ〜!!)」
また、別の日、家族で忘年会に行きました。
「忘年会いく!!」 と楽しいことや出かけるのが大好きな哲平に言われて、家族忘年会を、近くの居酒屋で行いました。
参加者は、父さん母さん哲平そして、お姉ちゃんとコタロー君の5人です。コタロー君のお父さんは、会社が忙しくて今回は、パスです。
みんなで乾杯をしたり、楽しい楽しい宴もたけなわ(と言っても、お酒の飲めない哲平は、もっぱら食べるばかりですが・・・)となった頃、「会費です。会費払います。」と言いながら財布から3000円を出して私に手渡すのです。
ああ〜、忘年会ですもんね。
哲平の忘年会は、お腹いっぱい食べて会費を3000円払うものらしいです。かわいいでしょ〜♪
さて、いろいろあった2013年も、無事に幕を閉じて、2014年が間もなくやってきます。育てる会の2014年は、どんな年になるでしょうか?
楽しみにしていてくださいね。いろんな企画が理事会で話し合われています。
来年は、またまた、面白い年になりそうですよ。
それでは、皆さん来年お会いいたしましょう。よいお年をお迎えください。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)

支援者養成セミナー 報告

先日12月14日(土)岡山ふれあいセンター大ホールにて開催された、川崎医科大学精神科学教室の青木省三先生による「ぼくらの中の発達障害 〜思春期・青年期以降の発達障害児・者への支援を考える〜」の講演会に参加しました。
簡単ではありますが感想を書かせていただきます。

最初に「障害と捉えるのか、個性と捉えるのか」というお話がありました。自閉症の子どもたちと接しているとこれは永遠のテーマのように感じます。
青木先生は「その両方が大切なんです」と事例を交えながらお話されました。
「障害」に目を向けると、どこに困っているかどういう手助けがいるか、マイナスを補うという方向で支援を考えていきます。
一方「個性」に目を向けると、その人に合った居場所・仕事・生き方を探し、プラスを見つけて伸ばしていくという方向で支援を考えていくようになります。どちらも大切であり、どちらもその人にとって必要な視点です。
そして、「なぜこの人はこういう行動するのか?」「何か困ったことや変わったことはないか?」という障害名がつく前ならば当然皆が考えていたその人本人の辛さや気持ちという内面に対して、「自閉症だから。発達障害だからそうするのよね」と決めつけてしまうことは危ういというお話もされました。
私は学齢期の発達障害児への支援をしていますが、時々お母さん方から「朝の支度が遅いんです」「宿題をしないんです」というようなことを相談されることがあります。障害という視点で考えると、ついつい「スケジュールを導入すれば分かるんじゃないか」とか「宿題の紙面を構造化すると分かりやすいから取掛りやすいんじゃないか」とか考えてしまいそうになりますが、そうではなく「なぜ朝の支度に時間がかかるのか」「どうして宿題をなかなか取り組めないのか」と一人一人の個性・感じていることにも目を向けることで、その子自身の学習の躓きや学校での暮らしづらさが見えてきたケースもあります。
先生のお話された「求められているのは、マイナスもプラスも含めた人間理解・評価です」「大切なのは、長所探し・得意探し・可能性探しですよ」というお話は、「私が感じていたことはこういうことだったんだ」とストンと心に入ってきて納得できました。
また、青木先生が実際に診察をされる中で気をつけておられる接し方についても、具体的にお話いただきました。
その中では、「確かなコミュニケーションを心がける大切さ」について事例を交えてお話されました。
言葉でのやり取りができる人の場合、
(1) 自分の理解したことを、相手に伝えて確かめる
      (「私はこのように理解したけれど、どれぐらい当たっていますか?」と聞いてみる) 
(2)「自分の話したことが、相手がどの程度理解しているか確かめる
      (「私の話したことで、分かりにくいことはないですか?」と聞いてみる) 
(3)要約する・箇条書きにする
      (相談につなげる) 
(4)Closed question
      (「はい」「いいえ」で答えられる質問にする) 
(5)言葉が役に立つことを知る 
(6)確かな言葉のやりとりは、それだけで精神療法になる 
等のお話をしてくださいました。
その人の行動や言動を変えよう・改めさせようとする説得は、信頼関係を崩してしまうからよくない。伝えて待つ・伝えて待つを繰り返し、本人が自分で納得できるようになるための説明・提案をしていき、周りの環境を整えながらチャンスを待つことが大切だというお話もしてくださいました。
先生のお話ぶりをお聞きしながら、こういう風に話してもらえると、安心感も持てるし、相手のことを信用しようと思えるなあ。
自己満足ではなく、相手に響くような話し方って本当に大切だなあと心から思いました。
特に「一生懸命すぎたり熱意を込めて話しすぎると『怒られた』と感じられてしまうことがある」という注意点では、そうなってしまいがちな自分自身を顧みて反省しました。
最後に、発達障害を持つ人たちへのアドバイスとして、
混乱した時には、一つずつ順番に整理すると楽・静かな場所で頭を冷やすなど、自分なりのリセット方法を見つけるといい。
学校で悩んでいる時には、友達を一人でもいいから作れるといい・いじめは我慢しないで必ず助けを求めること・学校が人生の全てではないこと・家を出る時間も大切だということ。
仕事で悩む時には、得意を活かす仕事を探したり、自分のペースでゆっくり確実に取り組むこと・雑談は苦手だから得意な話題を持つこと・相談できる人を作ること等、具体的な事例も交えながらたくさんのアドバイスしてくださいました。
そして、周囲の人たちへは、彼らのそばに身を置いて感じ考える大切さ。褒める・感心する・評価するなどのポジティブなフィードバックをし、安全と安心、平和な環境を提供することが大切ですよ。
とお話くださいました。
青木先生のお話は、終始発達障害を持つ人たちに対する敬意が感じられ、彼らの感じ方や考え方の深さへの興味・感心に満ちているように感じました。
「定型発達」の人たちよりも、発達障害を持つ人の方がよっぽど誠実に真面目に人生を一生懸命生きているよなあと、改めて思いました。その人一人ずつの良さや人間性を伸ばしていき、「人生って楽しい」「面白いもんだ」と感じられるような人になっていけるといいと思います。「劣っているのではない。ただ違うだけだ」そう誰もが感じていけるようになれば、青木先生の言われる「異文化交流」になっていけたら、これからの社会は、誰にとっても生きていきやすいものになるのではないかと思います。
青木先生の優しさと温かさに、私自身とても心が澄んだ優しい気持ちになれた講演会でした。
(ぐんぐんキッズ:松田 紗代)

 【保護者】

・今回初めて青木先生の講演会を聞かせていただき、先生のような優しい方もいるんだ!と驚きました。
様々な症例の中でも、先生との出会いがその人たちには安心できて、良くなっていったのだろうなと感じました。
どんな障害だろうが個性だろうが、人が育っていくのは理解してくれる人たちとの関わりが一番なのですね。
・自分が一生懸命になってやっていたことが、子どもに負担になっていたり、自分よがりな行動だったりと、反省させられる点がいくつもありました。専門家の話を聞き、自分自身を見つめなおすことも必要だと認識できたことも参加してよかったと思っております。ありがとうございました。
・おだやかで優しそうな青木先生の話をお聞きしながら、この頃また少しわからなくなった息子の心の中が分かるような気がしました。心の内面を見ることを忘れずに、息子自身の希望、夢をうまく援助できるよう、安全、安心な環境となっていきたいと改めて思いました。本当にありがとうございました。敬意を払いながらの異文化交流を楽しんで参ります。
・どうしても特性を障害ととらえててしまいがちになっていたことに気づかされました。プラスを見つけ、伸ばすことに熱心でなかったと思います。今まで悪い育て方をしてしまったと反省しきりです。今日来て本当に良かったです。ありがとうございました。
・障害特性に目を向けて、子どもの言動を障害のためと受け取っていたことに気づきました。子どもが辛いと思っていることや直面している問題の方にもっと目を向けていこうと思います。
子どもは言葉で上手に伝えることも苦手で、私もそういう子どもから上手に聞き出すことができず、コミュニケーションがうまくとれていません。自分の悩みを話して気が楽になったという経験がこれから少しずつできるように、支援していきたいと思いました。マイナスの面ばかりを見てしまっていたので、可能性や良さをどんどん見つけて育てていこうと思います。子どもの生きづらさを理解して支える一番の支援者でありたいと思いました。

 【相談員】

・先生のお話を伺うといつも穏やかな気持ちになります。
特別な手法や対応方法ではなく、とてもシンプルなものの中に大切なことがあるのだなと改めて思いました。
・障害か個性かという質問は相談の中でもよくなされる問いです。「本人が」というより周囲のとらえ方の問題だと思っていたのでいつも答えるのに戸惑っていました。
「親が障害だと思っているとこの子を本物の障害者にしてしまうと思うんです。だから個性だと思って育てていこうと思うんです」と言われたこともあり、私の中では何か腑に落ちない印象もあったのですが、お母さんなりに納得されていることを応援しようと思ったことがあります。
先生も、どちらにウエイトをおいて生きるかは時期にもよると言われていましたが、私がそのお母さんの発言に対し腑に落ちなかったのは、「生きづらさを減らすという視点」にも少し目を向けてほしいと思っていたからかも知れないと、今になって気づかされました。今度からはどちらの視点も必要で、どちらかに決める必要はないと自信を持って説明できそうです。ありがとうございました。

 【臨床心理士】

・「自閉症児・者への支援」というと、特性理解に基づいた支援!と私の中で一本調子になりがちなところがあったような気がします。今日の先生のお話を聞いて、行動特徴の把握ともう一つ、「本人が何を考え何に苦しんでいるのか」という視点を忘れないようにしたいと思い、反省しました。
また、どんな時に本人が良い表情をするか、から色んなことが分かるということ、親や学校の勧めで相談に来た人でもきちんと向き合うことなど、明日からの臨床にすぐ実践したい具体的なお話を聞けて、ありがたかったです。先生の人に対する優しさ、気遣いに触れ、私も自分が相手に与える影響をいつも心に留めた臨床家になりたいと思いました。ありがとうございました。
・温かい視点、語り口に心が和みました。患者さんに対してセラピストの方が少し上の立場にいるような意識を持っている時があるのでは、と省みました。初心に帰ろう、原点に戻ろうと思いました。

 【指導員】

・発達障害について学べば学ぶほど、その人本人ではなく障害についてばかり詳しくなり、特性面ばかりを何とかしてやろうと思ってしまっていたなと反省しました。先生のお話の中で出てくるたくさんの事例とその人たちの大変さ、そしてどんな風に彼らが乗りこえられたかという話に救いを見た気がしました。新しい視点、考え方をたくさんいただけたような気がします。今日は本当に参加してよかったです!
・「すべての人は定型発達の特徴と発達障害の特徴を持っている」のお話に、日頃からの自分の思いが納得でき、スッとした。また、先生の言われる「経時的に変化する」という視点もなるほどと思わされた。場面によって子どもの姿が違うことは分かっていたつもりだった。しかしそれだからこそ、そこに携わる者が連携しあうことの大切を改めて知らされた。母親と話していく場があるので、もっと家でのことも聞いていけるようになりたいと思った。

 【保健師】

・保健師は日頃から、子どもだけでなく、地域で生きづらさを抱えながら生活している成人の方や精神障害の方と関わります。とても興味があった内容で、実際にお話が聴けて良かったです。多くの保健師にも聞いてほしいと思いました。また先生のお話が聴きたいです。私の目の前にいる人たちが、どう感じてどう思っているのか知る努力をしていきたいと思います。今日は本当に感動しました。ありがとうございました。

 【生活支援員】

・伝えようと思うと必死になっている自分がいるなあと、講演を聞きながら反省をしました。「伝えたら待つ」という姿勢を大切にしていかなければと思いました。「こだわりエネルギーをどう生かしていくか」という言葉がとても印象的でした。仕事でいろいろ考えることがあった私にとってかなり勉強になりました。ありがとうございました。

教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ

  ☆第8回☆ 「余暇支援」

平成26年1月10日(金)19:00〜20:5
場 所 : 岡山県生涯学習センター 大研修室    
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、施設・福祉関係職員の方 対象。
       (申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
講 師 : 重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
     ★途中からでも参加OKです(それまでの講義のDVDはお貸しします)★
申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)

クリスマス会のご報告

12月23日に岡山大学体育館でクリスマス会を行いました。
当日は13家族子ども20人が参加しました。また、岡大児童文化部の皆さんがボランティアとして25人も参加してくださいました。
比較的暖かい日とはいえ、冬の体育館で寒かったのですが、参加者皆さんの熱気(?)とボラさんのあたたかさで、寒さを忘れることができるほどの、素敵なクリスマス会になりました。ボランティアさん、参加された皆さまのおかげです。ありがとうございました!
感想の一部をご紹介します♪

・ありがとうございました。工作のツリーは息子にとって作りやすいものでした。人形劇は、影絵が天井に映し出されたりと工夫がされていて、子どもも大人も楽しめるものでした。ビンゴはあまり好きではないので少し心配していましたが、大学生のボランティアさんが上手にしてくださったので、楽しめたようです。これで苦手意識がなくなるかも? 学生さん、スタッフさんのお支えによりこのような機会を設けていただき感謝しています。次回もぜひぜひ参加させていただきたいと思います。
・ビンゴゲーム楽しかったです。数字が好きな子なのですごく良かったです。
工作で、自分から作りたいという意思があらわれ、最後まで頑張りました。親子で触れ合える会、すごく充実しました。
・5歳と3歳の子が参加したので、工作は少し難しかったです。ボランティアの学生さんが手伝ってくださったので上手にできましたが。ビンゴゲームはビンゴになるのが遅かったので子どもが混乱してしまいました。「待つ」ことがうちの子には少し難しかったようです。子どもは2人とも喜んでいました。また参加したいです。
・今日は寒い中準備、運営などありがとうございました。
昨年より工作にも積極的に取り組めていて、スタッフさんに「テープかして」「ペンちょうだい」と上手に頼みにも行けて感心しました。
影絵劇もしっかり見ていて、ビンゴも最後まで待つことができ、1年ぶりの活動だからこそ、成長を感じられてとてもうれしかったです。ありがとうございました!
来年度以降、もし可能なら音楽の時間(歌など)あると、クリスマスぽくなってさらに良いかなと思います。
(今年も明治製菓さんより、お菓子のクリスマスプレゼントをたくさんいただきました。感謝!!)

 

18歳の春を目指す 親子療育クラブ 

12月6日、東山公民館にて茶話会を行いました。
今悩んでいること、こんな事ができるようになった、学校のことなど情報交換をしました。毎日頑張っているお母さんたちとご褒美のケーキをいただきながら、和やかな会となりました。

 次回のご案内

日 時:平成26年1月10日(金) 10:00〜13:00(受付 9:50〜)
場 所:東山公民館 第1、2講座室
      岡山市中区平井4丁目13−33
      TEL  086-276-6202 (ナビ用)
内 容:サポートブックのひな形を作ろう!(正会員 限定)
持ち物:『思いっきり支援ツール』の本(お持ちの方)
正会員の新規加入者をお待ちしております。

OHAの会のお知らせ

OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。

 〈1月度 OHAの会 案内 〉

日 時:平成26年1月23日(木) 10:00〜12:00
場 所:きらめきプラザ 小会議室1 (岡山市北区南方2‐13-1)
アドバイザー:利守 愛子 先生(臨床心理士)
参加費: 800円
持ち物:『「その子らしさ」を生かす子育て 改訂版』(吉田 友子:著)お持ちの方
申 込:育てる会 事務局(Tel.086-955-6758) (正会員 限定)

クローバーの会 報告

12月8日(日) ホテルグランヴィアにてクリスマスランチパーティを行いました。
2回目ということもあり、みんな慣れた様子でバイキングランチを楽しみました。
保護者の方からの感想が寄せられましたのでご紹介します。

ランチバイキングは、前回と同じ場所のため、我が子は私が口出しすることなくお皿に食べたい物を取り食べていました。メンバーとの会話も共通点のある内容を見つけて楽しそうに話していました。共通の話題で、上手に会話のキャッチボールができるようになってきたメンバーを見て、成長を感じ参加して良かったと思いました。  (S母)
ちょっとオシャレしてホテルで、バイキング。美味しかったし楽しかったです。
帰りに感想を聞くと、「○○ちゃんの話も聞かんといけんし、△△ちゃんの話も聞かんといけんし、食べんといけんし、忙しかったけど楽しかった。」と言っていました。
時々、子供達だけで食べて、どんな感じかなあと遠くから様子を見てみると、いい表情で話を聞いたり話をしたりしている姿がありました。我が子の成長を感じた一日でした。 (N母)

サッカークラブのお知らせ

日時 : 平成26年1月26日(日) 10:00〜12:00(9:45集合)
場所 : 岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、サッカークラブ担当までご連絡ください。(正会員 限定)

水泳教室のお知らせ

(スミセイコミュニティスポーツ推進助成プログラム 第3回)
日 時 : 平成26年1月19日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
          ※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
★欠席される方は、必ず12月10日(火)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。

 岡山ひともの探訪
川崎医療福祉大学 重松孝治

第15回 その視覚支援の意味は?

前回に続いて視覚支援を行った時に生じた誤解についてお話ししたいと思います。
ある支援学校を訪問した時のことです。
休憩時間に何を過ごすわけでもなく、フラフラしていることがおおい男児について、クラスで悩んでいるそうです。何ができるのか分からないのか、指示を待っているのか、それとも自分でそれを実施するスキルが不十分で教師の関わりを待っているのか?
クラスの担任はそこで下のようなコミュニケーションボードを用意してみました。
そして、「どれで遊ぶ?」と尋ねてみました。
すると、その男の子は、「つみき」「しゃぼんだま」「ほん」「ままごと」「えのぐ」・・・と1枚1枚のカードを読み上げて、最後に担任へ一言報告しました。
「できました!」
彼にとってこれはコミュニケーションボードではなく、言語を読み上げる練習用のカードになっていたのかもしれません。
いつも気を付けているのですが、視覚支援は大事です。しかし、それを用意したから急に自閉症の人が自分の思いを豊かに伝えるわけではありません。カードを用意したら、突然選択して「先生〜したいです!」なんて伝えてくれるばかりではないでしょう。
視覚支援は魔法ではありません。
自閉症の人は経験から学ぶ人たちでもあります。
こうした支援を使って何を、どのように経験したのか、つまり学んだのかが大事なのではないかと感じた瞬間でした。
どうぞこの1年が実りある経験の年になりますように!

すすむっち report from TOTTORI 

こんにちは。久しぶりの投稿です。
中学校生活も残すところ3か月となりました。現在4月から、県立米子養護学校高等部へ進学する予定となっています。10月には、本人の体験入学を終えました。
一方私たちは、9月以降2回にわたって、高等部への通学方法についての会議を開催してもらいました。
今回は、この会議の内容について、お話したいと思っています。
現在私たちが住んでいるところは、大山の中腹標高250mです。最寄りの駅まで、4キロですが、歩くには長すぎるし、町営バスが朝夕1時間ごとに最寄りの駅などを巡回している程度で、自分で車の運転ができないと、生活するには不便な所です。JR伯備線は、朝夕は1時間に1本、日中は3時間に1本程度です。また、雪や雨の影響を受けやすい路線で、突然の延着や欠便も決して珍しくないローカル路線です。
さて、交通へき地とも言えるこの地域でどのように生活していくか…と、養護学校卒業後の近い将来を見据えて、考えてみました。もし、近隣の米子市(米子駅)まで通えると、就労支援施設の選択肢も増えます。しかし、JRも路線バスも本数に限りがあります。これから3年間通学支援として、ヘルパーと毎日JR乗車の機会(練習)があれば、将来一人で移動する手段として得ることができます。
この支援会議では、本人(親)のこれからの支援の要望(視点)も踏まえて、現在町が行っている支援事業の再検討も兼ねて、下記のように討議されました。もちろん、中学校担任や私から、障がいの特性として『般化が難しい』ことを取り上げ、現在の発達状況から、緊急時の応対や、車内でのマナーなどに関して、ヘルパーの支援が必要なことを発言しました。事業所からは、ヘルパーの人員不足と待機時間の関係について、また障害者支援センターからは、福祉福祉タクシーの利用についても提案されました。案として、下図のような支援のレイアウトが作成され、現在調整中です。
結果については、次回報告したいと思います。
検討内容 参加者
1回目 養護学校進学後の通学支援について
母:ヘルパーの支援を得ながらJR通学希望する。
町福祉課:現状の通学支援の事業では対応できない。具体的な方法(乗り合わせや送迎のヘルパー待機も含む)の提示の必要性がある。
事業所:交通機関のアクセスとヘルパーの稼働数との関係で、待機時間も含めて、支援時間として請求したい。
中学校担任 
保護者(母) 
町福祉課担当
町保健師
支援事業所管理者
町教育委員会
障害者支援センター
2回目 下校時(ヘルパー供給不足対応)の支援について
日中一時支援との併用(現在週1回利用を2回)と福祉タクシーと余暇支援との併用
登校 JR通学
(ヘルパー2名対応:1名は車で待機)
日中一時預かり
下校 日中一時預かり 車で自宅 余暇支援 車で自宅 車で自宅
8月末に伯耆町の障害者(支援も含む)3団体といっしょに、ベネッセビジネスメイト(岡山市)とNTN夢工房(備前市)へ県外視察に同行しました。
これまで、参加者の多くの人は、働く障害者は「作業所」と思っていただけに、大企業で実際に働いている様子を見て、とても驚いたようです。
私の大学院での研究のテーマでも取りあげていますが、障害者雇用を定着させるためには、法的な制度や規定は必要です。けれども対象は決して従業員数50人以上の企業だけではなく、もっと小規模な企業、また職場内での仕事の切り出し(障がいの特性を生かした業務に就くなど)方だと、思います。
(すすむっち MOM)

 ぐんぐん だより 

赤磐ぐんぐん

寒い日が続きますね。布団から出るのがつらい・・・
あともう少しだけ・・・って思ってしまう朝が多くなっていませんか?
頑張って布団から出たけど、今度は暖かい場所、こたつの中やストーブの前から離れたくなくなりませんか?
私は、「よし!」と自分に気合を入れないとなかなか動き出すこともできません。寒すぎて、何をするのにも時間がかかってしまいます。大人でもそんな風に思ってしまう今日この頃です。子どもたちも同じでしょうね。
冬になる前までに、早起きができるようになったお子さんもいましたが、寒くなるにつれて、「起きる時間が遅くなってしまって・・・」とお母さんたちから相談されることも多くなってきました。
できていたことができなくなってしまうと、「なんでできないの!」と、怒りたい気持ちになってしまうかもしれませんね。でも、寒い季節は大人でも気持ちを切り替えて動き出すモードになるには時間がかかってしまいます。ぜひ、「早く起きなさい!!」という声掛けだけでなく、何か工夫を考えたいですね。
楽しく起きることができるために、お気に入りのキャラクターの目覚まし時計を買ってみる。この方法は、どうでしょうか?大好きなキャラクターが、「さあ!あさだよ!おきるよ!!」と声を掛けてくれる・・・。お母さんの大声よりは楽しい気持ちになるかも知れませんが、あったかいお布団の中から寒い外に出るためには、ちょっと気持ちは乗らないかもしれませんね・・・。暖かん布団の中!が勝ちそうな気がします。(寒くない季節だと、楽しい気持ちの方が勝つかもしれませんね♪)
では、お部屋をしっかり暖めておいて、朝起きた時に、さむいー!!って思わずに、動きやすいようにしておく。この方法はいかがでしょう?支援の方法として、声掛けで解決しようとするのではなく、環境を整える方法を取り入れているので、間違った方法ではないと思います。この方法は、ぐんぐんに来ているお母さんたちにも時々紹介している方法です。
でも、部屋の中が暖かくなっていたとしても、それよりも!布団の中の暖かさは格別で、それでもなかなか布団から出てくることができないかもしれません。寒さは手ごわいですね。
だったら、どんな方法がいいんでしょうか?
実は、『これだと寒い冬でも子どもたちは絶対にすぐに起きてきます!!』という方法を私自身が知っているわけではないんです。
絶対に!を付けてしまうと、永久に対応方法は見つからないかもしれませんね。
これ!!という方法を紹介できるわけではありませんが、良い方法を考えるためのポイントは、「寒くて布団から出たくない!」という気持ちに勝てる、いいこと!が待っているようにすること。そんなことが待っていると、きっと布団から出ることも苦じゃなくなるでしょうね。
クリスマスの朝は、何も言われなくても自分から起きてきたお子さんも多かったのはないでしょうか?毎日がクリスマスだったら子どもたちも進んで起きてくるでしょうね。でも、それは絶対に無理です。
では、大好きな暖かいココアが起きたら一番に飲める♪朝飲むホットミルクはとびっきり甘めであったかくておいしい♪こんな、いいこと!なら、毎日でも準備してあげることができるのではないでしょうか?
お子さんによって、好き嫌いも様々です。ココアやホットミルクが嫌いな子ではこの方法は試すことができませんよね。お子さんが好きな物、嬉しいこと、喜ぶことは何かをじっくり考えてみて、あったかい布団の中、に勝てる、いいこと!を準備してみるというのはいかがでしょうか。
でも・・・このお便りを書きながら思ったのですが、もしかしたら、物とかじゃないかもしれませんね。朝起きて一番におかあさんのとびっきりの笑顔が見れる!!ということが、子どもたちにとって、最高にいいこと!!になりそうな気がしてきました。
朝はお母さんにとって忙しい時間帯、しかも寒くて自分も気持ちがのらない・・・いつもより声のトーンは甲高くなって強い口調になっているかもしれませんね。ホットココアやホットミルクのご褒美は、お子さんではなくて、お母さんに♪がいいかもしれませんね。
あったかい飲み物でお母さんが気落ちをリラックス。そうすると、お子さんを起こすときに、穏やかな気持ちで声を掛けることができるかもしれません。お母さんの気持ちをリラックスさせてから子どもに関わるようにすることも環境を整える支援と言えるかもしれませんね。最近はいろんなハーブを使った紅茶などもたくさん出ていますよね。気持ちをリラックスさせる効果のある紅茶もあるのでしょうね。
おすすめの飲み物を知っています♪という方がおられましたら是非おしえてください^−^あと、もうひとつ思いついたのですが、気持ちをリラックスするためのその温かい飲み物を旦那さんが準備してくれると・・・もっと、とびっきりの笑顔で朝を過ごすことができるかもしれませんね♪
普段から帰りが遅くなかなかお子さんと過ごすことができなくて奥さんに任せっきりで・・・って思っているお父さん。直接かかわる時間を増やすことは難しくても、お母さんの気持ちをリラックスさせてあげることも、お子さんのよい支援につながる、お父さんのできるお子さんへの支援の一つではないでしょうか。ぜひ、試してみてくださいね^-^
寒い日はまだまだ続きます。寒い冬だからできる活動もたくさん楽しんでいきたいですね。
風邪をひかないように体調管理には気を付けてお過ごしください。
(赤磐ぐんぐん 療育スタッフ:河野 友紀)

ぐんぐんキッズ

2013年もいよいよ終わり、新しい年が明けますね。
子どもたちも忙しい2学期を終え、のんびりしたお正月休みを堪能しているのではないでしょうか。
ぐんぐんキッズでは、12月10日(火)に12家族の保護者の方に参加していただき、「自己肯定感を育てる褒め方 〜『自分っていいな』と思える人に育てよう〜」をテーマに座談会を行いました。「子どもは褒めて育てよと言うが、どう褒めたらいいの?」「うちの子のどこを褒めたらいいの?」等の悩みを一緒に話し合い、具体的に褒めるテクニックを磨くという企画でした。
まずは自己紹介で、子どもを普段どんな風に褒めているか、褒め方や叱り方で悩んでいることを話しました。家庭での工夫や声掛けの仕方、他の兄弟への対応の悩みなど、たくさんの話しが出てきて、「あるある」「なるほど」と頷きながら、初対面のお母さん同士も「皆、色々悩みながら頑張っているんだな」という一体感を感じることができました。
そして、いよいよ今日のテーマです。
「発達障がい児の子育て」「発達の気がかりな子どもの上手なほめ方・しかり方」等の本を全員で一緒に読みながら、なぜ褒めることが大切なのか・どんなことに気を付けて褒めたりしていくといいかを学びました。

「子育てで一番大切なこと。それは、子ども自身が『僕っていいな』と思えることです。つまり自己肯定感を育むことです。」
「さまざまな場面で『僕はできない』と自分への評価が低くなりがちな子どもたちに、なんとかその自己肯定の土台をつくってあげてください。
『僕はこれが好きです』『私はこれならよくできる』ということを認めて、伸ばしてあげる。『すばらしいね』と認めて、たくさんほめてください。」
「ほめることがない、なんてことはないはずですよ。得意なことがひとつもない、そんな子どもはいません。だれでも好きなことがあるものです。子どもに、好きなことを気づかせてあげるのは、親の役割です。好きなことがあったら、励ましてください。そして、好きなことを、得意なことにしてあげてください」
〜「発達障がい児の子育て」(大和書房)〜

「上手なほめ方しかり方10カ条
1)心からほめる。
2)毎回見逃さず、すぐ褒める。
3)子どもにとって身近な親しい人、お母さん、お父さん、担任の先生からほめられることが大きな効果。
4)ほめることで子どもに成功感、成就感を与え、やる気を起こさせる。
5)すぐにはできそうもないとあきらめる前に、スモールステップに分けて、できたことをほめる。
6)今、子どもに一番効き目のあるご褒美を探す。
7)駄々をこねたり、ちょっとしたいたずらは、しからないで知らん顔をする。
8)できるだけしからない。
9)どうしてもしからなければならないときは、短くきっぱりと。
10)しかりっぱなしにしない。最後はほめて終わらせる。」
〜「発達の気がかりな子どものほめ方しかり方」(学研教育出版)〜

次に、具体的な褒め方のアイディアをお互いに出していくための実習をしました。
紙芝居を見せながら、
「子どもがスーパーでおやつを買ってほしくてひっくり返って泣き叫んでしまった。
恥ずかしくて『今日だけよ!!』と怒りながらつい買ってしまった。
帰りの車の中でずっとブツブツ怒ってしまった。
こんなことしたくないのに…」
という話から、もしも同じような状況になりそうだったら、どこで子どもを褒めて、どう対応していくか。
グループごとに意見を出し合って、子どもの気持ちに寄り添ったり、子どもの褒められるポイント・良いところを見つけて、叱らずに褒められる接し方を発表しました。
例えば、お出かけの準備をする時にお母さんを待っていてくれたことを褒める。お店に行く前に「今日は買わないよ」と約束をしておき、おやつコーナーに差し掛かったら再度思い出させ、守れたら褒める。「今日はお母さんのお手伝いをしてほしいな」とカートを押す等の手伝いを任命し、その間褒めまくる。そもそも買い物に連れて行かずにお留守番させていた方が褒められることは多いかもなどなど…。色々なお母さんからアイディアが飛び出し、「なるほど」「その言い方なら子どもも乗るかも!」と意見交換ができました。
次に、具体的な我が子を褒めるための実習をしました。
まずは、性格・特性・行動は、見方や考え方次第でプラスにもマイナスにもなることを説明し、具体的に「頑固」「臆病」「我儘」等のマイナスの言葉を、プラスに言い替えるとしたらどんな言葉になるかをグループごとに考えあい、発表しました。
例えば、「暗い」→「物静か・冷静でクール」、「我儘」→「意志が強い・自分に正直」、「だらしない」→「奔放・おおらか・のびのびしている」、「ドジ」→「おちゃめ・おっちょこちょいでほっとけない」、「おしゃべり」→「社交的・頭の回転が速い」などなど…。色々なお母さんから「私ならこんな風に言ってもらいたいな」という意見も出て、「見方や感じ方によって、良いところになるよね」「ある意味思い込むのも大切かも」という意見が飛び交いました。
いよいよ、我が子の良いところ・褒めポイントを10個書き出し、その中で特に良いところだと思うものを、全員の前で発表しました。「うちの子の良いところは、○○です!」とそれぞれのお母さんから出た我が子の素敵なところの発表をし、全員で「素敵!」「いいね!」と拍手しあいました。
最後には、鳥羽代表を参加者皆で褒め、褒められると気持ちいいこと・そして褒めたことでこちらの気持ちもいい気分になることを体験しました。
終始なごやかで温かい雰囲気の座談会になり、お母さん方から子ども達への愛情の深さや思いが伝わってきて、参加したスタッフも心がポカポカして嬉しくなりました。
座談会終了後、参加者の皆さんから、
「褒め方のアイディアを出し合うという作業は、とても楽しく、共感しながらも、目から鱗な発想もあり、良い驚きをいただけました。合間合間でそれぞれのお子さんの個性、それを愛おしがるお母さんの愛情が垣間見えて、ほほえましかったです。最後の鳥羽代表を褒める、というお題は、やはりそれぞれの着目ポイント、切り口の違いが興味深かったです。困った時、腹立たしい時に、褒め言葉はなかなか出てこないかもしれないですが、楽しみながら褒め言葉探しできるようにしてみようと思います」
「皆さんの褒め方のお話、色々な子どもたちがいて、お母さん方が工夫されていたり、不安になっていること、共感できることがたくさんあったのが良かったです。私は特に、短所を長所に置き換えるところが難しかったのですが、この考え方がすごく頭の中に入ってきて、『なるほど』と思いました。ただ単に『褒めることが大事』と言っても、つい短所に目が行きがちになるので、もっと目線を変えてみようと思います。座談会全体がとてもアットホームで、話がしやすい雰囲気なのが良いです。今後も話せる場であること・学べる場所を提供していただければ嬉しく思います。色々な資料を準備してくださったり本を紹介してくださったり、忙しい中で本当に丁寧に先生がお話くださっていると感じました。本当に大変だと思いますが、ぜひ座談会続けてください」
「褒めることは大切と思いながらも、叱ることが主な日常。しかし、その日常に褒めるポイントはたくさんあり、考え方や物事のとらえ方で変わるというのがよく分かりました。物事に否定的でやる気がない子どもに対しても、『行動に慎重で自分に正直な子ども』と考えると、印象や言葉のかけ方も変わると思いました。皆さんが発表された褒め言葉は、子どもさんを本心でとらえ、それぞれ違っていて暖かく、皆を素晴らしい笑顔にさせるものでした。褒めることで、褒められる本人が肯定的に思えることは分かっていましたが、褒める方も気持ちが上がることがよく分かりました。人を褒めようと考えると口角が上がるものですね。辛い時にも、子どもの褒めるポイントを探すことは、自分も癒されることにつながるので、意識して褒めようと思います」
などの嬉しい感想がたくさん寄せられました。スタッフも皆褒められて、「座談会やって良かった!」とテンションが上がりました。お母さんたち褒め上手!ありがとうございました^^
次回の座談会は、2月〜3月頭頃に「学校の先生との良い関係づくりについて」をテーマに開催しようと思います。学校の先生とのやりとりでうまくいかなかった話や、逆にうまくいった話しなど、アイディアを出しあいながら、今の担任の先生への感謝と、新しい学年の担任の先生との関係づくりをどう進めていくといいか、勉強したいと思います。
以前に会でも開催したテーマではありますが、具体的な例を挙げながら困っていることなどに「あるある」と共感しあい「こんな風にしてみたらどうだろう」「いいね」とアイディアが出し合える会になればいいなと思います。
先輩お母さんにも入っていただきながら、普段の学校の様子なども話し合える会にしたいと思います。お楽しみに!
また、1月23日(木)には、ぐんぐんキッズ新規・継続利用の保護者対象の見学会も行います。次回の会報にはこの時の様子も詳しくご報告できるといいなと思います。
まだまだ寒い日は続きますが、「寒い日だからこそ、今しかできないスキーや雪遊びができるわ!」「寒いから部屋の中の暖かさのありがたみを感じられるわ」「鍋って寒い日だからこそおいしく感じるよね!」などなど、マイナスをプラスの発想に変えて、乗り切ってくださいね。では、良いお正月を!
(ぐんぐんキッズ療育スタッフ:松田 紗代)

支援センターNEWS

いよいよ2013年も終わろうとしています。
10月くらいに2014年版の新しい暦を購入して、気が早いな〜と思っていたら、もう明けてしまう。どうしてこんなに1年が早いのでしょうか(泣)
今年は個人的に引っ越しをして新しい住所に移ったので、まだ家がキレイなうちに大掃除をしたいと思っています。皆さんは大掃除、お済みになりましたか?「トイレの神様」という歌がヒットしたことがありますが、実はうちの周辺でもこの歌と同じような言い伝えがありました。『トイレを掃除する女性にはかわいい子が、台所を掃除する女性には美しいな子が生まれる』というもので、小さいころから水回りはキレイにしておくとよい!と言われていました。この地方では、意外によく知られているようです。
新しい年を迎えるにあたって、運や気の流れの良い間取りを作っておきたいですね。
さて、今回は14日の青木先生による支援者養成セミナーと21日の諏訪先生による虐待シンポジウムの基調講演に参加させていただいて、「障害」という概念が私の中で再編されたというお話。
私も相談の中で、「発達障害なんて私(両親)の小さかったころは聞いたことがない。専門家はなんでもかんでも、発達障害に結びつけようとする。」と言われることがあり、自分の所見に偏ったところがあるのかと悩んでいました。また「障害」という言葉に対してこちらが思う以上にネガティブに捉えられてしまうことについても悩んでいました。
青木先生のセミナーでは、
 ※発達障害の特徴は、周囲の環境の影響を受けやすく、経時的に変化する。
 ※危機的な時や負荷が加わった時に、発達障害の特徴は際立ってくる。
 ※ここ10年、第一次産業・第二次産業(無口で真面目にコツコツできる仕事)の減少などによる社会文化の影響で、発達障害傾向の方の生きづらさが増している。
というお話があり、この3つが私の悩みに対してヒントがいただけたものでした。
発達障害的要素はぼくらの中に備わっていて、それが環境によって変化するものであれば、時代の変化に合わせて、色濃く際立って見えていてもおかしくない。両親が子どもとして育った時代と比べると、授業にもITが取り入れられたり、コミュニケーション力を重視して授業にグループワークの要素が多く取り入れられたりと変化しており、それらにより生きにくさが目立って見えてしまうのかもしれないと考えることができました。
以前、服巻先生の講演でも、「時代は変化していっています。その変化に大人がついていけていないことがあります。」と言われていたことがあるな〜と思い出しながら受講していました。
諏訪先生の講演では、
 ※世論調査の結果、日本人の約90%の人が「障害があることで将来、差別や偏見を受ける」と感じているというショッキングな事実。
 ※「障害」という言葉に対して否定的なイメージがついてまわるのは、
    ・少数派だから…
    ・「一人一人違う」「違っていい」という発想に乏しいから…
    ・「障害」についての教育を受けてこなかったから
という話があり、これも私の悩みに直結するものでした。
「差別や偏見を受けた」という事実を調査したものではないにもかかわらず、この結果。本当にショッキングな事実でした。人の中にあるイメージなので、やはりこれからについては、教育的改善が望まれると思います。『障害者やお年寄り(社会的弱者)には、やさしくしましょう。助けてあげましょう。』という一方向な見方からの教育が繰り返されていないかと不安になりました。これは、ぜひ今後、教育者関係の研修会を依頼されることがあれば取り入れていきたい内容だと思いました。
相談利用者や一般のみなさんあてに話をする上で、自分の中の疑問をこうした学習の中で整理し解消しておくと、また説得力や厚みのある話が提供できると思うので、本当に大切に思っています。「ああ、私もまだまだ発達途上だな〜」、「育っているな〜」と実感しますよ。自分の中の概念が、時代や新しい価値観が加わることで再編していく感覚を、みなさんも味わってみてください。
それでは2014年も、ぐんぐん育つ一年にしていきましょう。
よいお年を☆
(あかいわ発達障害支援センター 相談員: 原 未春)

新聞記事の紹介

先月の代表巻頭文で少し触れた山陽新聞夕刊の記事です。
5人で交替して毎週火曜日の記事だそうなので、次は1月14日(火)の予定です。
なお記事の最後の小道モコさんのセミナーは、4月12日(土)岡山ふれあいセンターで開催予定です。

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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